JP2005319403A - 液状原料の分散装置 - Google Patents

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英明 清川
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Abstract

【課題】液状原料を低動力で均一分散化可能な新規な分散装置を提供すること。
【解決手段】 液状原料に、粉砕媒体(メディア)レスの状態で、垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより液状原料を均一分散系とする分散装置。縦形の環状処理室を構成する環状処理容器16と、環状処理室14内に垂直回転可能に下端に底部隙間14aを有して配設され、内・外環状隙間14b、14cを形成する反転有底筒形(反転椀形)の攪拌部材18とを備えている。攪拌部材は、周璧に連通流れ孔40を備えて、内・外環状隙間14b、14c間に原料流れのショートパスを形成する。環状処理容器16は、原料供給口56aを備えるとともに製品排出口56bを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、新規な構成の液状原料の分散装置及び分散方法に関し、さらに詳しくは、固液混合系の液状原料に垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより液状原料を均一分散系(微細分散系)とするのに好適な液状原料の分散装置に係る発明である。ここでは、液状原料として固液混合系(サスペンション)を例にとり説明するが、液液混合系(O/Wエマルション、W/Oエマルション)に対しても本発明の分散装置は適用可能と期待される。
製品原料においては、均一分散系における内部粒子(擬似結合粒子)を微細化(一次粒子化)した状態で供給することが望ましい。昨今のナノ粒子(1μm未満)の反応性、製品化した場合の物性のユニーク性から、この要望は増大しつつある。
従来、固液混合系の液状原料において固体粒子を微細分散系(サスペンション)とする混合装置として、媒体(メディア:ビーズ)に垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより、液状原料中の固体粒子(媒質)を微細・分散化(粉砕混合)する媒体攪拌ミルがある。
上記タイプの攪拌ミルとしては、槽状の環状処理容器(ミル)に垂直にバータイプの回転攪拌機を配設したアトライタ(attritor)方式が主流であった(特許文献1〜4参照)。
アトライタ方式の場合、一般的に遠心力により壁面側のビーズ(媒体)の密度が高く、中心側のビーズの密度が低くなっている。このような状態で、被処理物(スラリー)を送り込むと、スラリーが流れの通過抵抗の少ないところを流れてしまう(ショートパス現象が発生する。)。このような状態では、粒度分布の狭いもの(シャープなもの)を得難い(非特許文献1参照)
他方、粒度分布の狭いものを得るために、上記アトライタ方式に代わり、ロータとステータからなる二重円筒の間の狭い環状空間(ビーズ径の4倍位)をミル本体槽とし、ミル本体槽にビーズを充填した構成のショートパス現象が発生し難いアニューラ(annular )方式のものが主流になりつつある(特許文献5・6参照)。アニューラ方式の場合、ビーズの循環性が良くないと環状空間内でビーズが閉塞現象を発生し易く、また、ミル本体占有体積に比して処理能力が小さい(非特許文献1参照)。
上記問題点を解決するためにアニューラ方式において、環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状処理室内に垂直回転可能に配設されたカップ形の攪拌部材とを備えて、処理室を実質的に二重環状処理室(半断面U字形)としたいわゆるダブルアニュラ方式のものが提案されている(特許文献7・8・9参照)。このダブルアニユラ方式の材料流れは、ポンプ圧をエネルギー源として、外環状隙間の上方から材料を流入させて、カップ形攪拌部材と下側隙間を経て内側環状空間を上方へ移動させ、内側環状空間の内側へ排出して落下させるものである。
上記方式の場合、液状原料(スラリー:固液混合系)輸送のための動力が、相対的に大きなものが要求されることが分かった。スラリーの輸送のための動力に加えて、ビーズを、遠心力による外周側への移動力に抗して外側から内側に、さらには、外環状隙間における遠心力による浮上り力に抗して外側で上方から下方へビーズの強制循環をさせる必要があるためと推定される。
上記問題点を解決するために、本発明者らは、先に下記構成の媒体攪拌ミルを提案した(特許文献10請求項1参照)。
「媒体(メディア)に垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより原料を粉砕攪拌する混合装置において、
縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、環状処理室内に垂直回転可能に配設された筒形の攪拌部材とを備え、
攪拌部材は、周壁に連通孔を備え、
環状処理容器は、原料供給口を備えるとともに処理済原料排出口(以下「原料排出口」という。)を備えており、また、
原料排出口は媒体分離手段を備えていることを特徴とする。」
特開昭55−97259号公報 特開昭55−157339号公報 特開昭61−61649号公報 特公平1−44092号公報 ニューケラスシリーズ編集委員会編「ニューケラス(8)セラミック粉末技術」1992年 No.114 学献社、p100 特開昭54−81560号公報 特公平2−60380号公報 特公平6−28745号公報 特公平6−65386号公報 特開平10−76172号公報 特開2000−126635号公報
本発明者らは、上記にかんがみて、液状原料を低動力で均一分散化可能な新規な分散装置および分散方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、本発明者らが先に提案した特許文献10に記載のいわゆるアニューラ型の媒体攪拌ミルに着目して、鋭意開発に努力をした結果、ビーズレスでも別の観点から鋭意開発に努力をした結果、メディア(ビーズ)を使用しなくても、ある程度の粒子微細化が可能であることを見出して、下記構成の液状原料の分散装置に想到した。
液状原料に、粉砕媒体(メディア)レスの状態で、垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより液状原料を均一分散系とする分散装置であって、
縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状処理室内に垂直回転可能に下端に底部隙間を有して配設され、内・外環状隙間を形成する反転有底筒形(反転椀形)の攪拌部材とを備え、
攪拌部材は、周壁に連通孔を備え、
環状処理容器は、原料供給口を備えるとともに製品排出口を備えている、ことを特徴とする。
上記構成の液状原料の分散装置は、メディア(ビーズ)を使用しなくても、ある程度の粒子微細化が可能である。攪拌部材が周壁に連通孔を有することにより、内・外環状隙間(二重環状隙間)間にショートパスを発生させるため、そうでない場合に比して、原料流れに撹乱が発生し易いためと推定される。
そして、メディアが存在しないため、同等の分散効果を得る為の攪拌動力も小さいもので済む。当然、メディアと製品との分離手段も必要でなく、分離による流れ抵抗(製品排出抵抗)も小さくなり、更なる攪拌動力の低減が期待できる。
環状処理室の底部隙間及び内・外環状隙間(二重環状隙間)が100〜1000μmであり、かつ、連通孔が0.1〜5mmであることが望ましい。
これらの隙間が小さすぎると、原料の流れ抵抗が大きくなり、攪拌動力が増大して望ましくなく、また、逆に大きすぎると、所要の分散能を得難い。
環状処理容器は、上部に原料供給口を備えるとともに下部に製品排出口を備えていることが望ましい。原料投入後の材料流れに重力を附加することができ、原料流れを円滑に行える。
上記構成の液状原料の分散装置は、通常、原料供給口には逆止手段を介して、原料輸送動力源と直接的又は間接的に接続された原料供給配管が接続可能とされている。原料を本分散装置に安定供給するためである。
上記各構成の混合装置において、少なくとも前記攪拌部材の下端部壁及び少なくとも環状処理容器の溝底部壁がそれぞれ熱媒体流路(温調流路)を備えていることが望ましい。
液状原料が熱影響を嫌う場合、また、液状原料が温度上昇により流動性が良好となるような場合にそれぞれ対応が容易となる。
次に、本発明を、一実施形態に基づいて、詳細に説明する。
全体構成は、図1に示す下記のものである。
ベース部20と柱部22とからなり、柱部22の上端部に横U字形のブラケット24が形成された片フレーム(架台)に、本実施形態の分散装置Mは、取り付けられている。即ち、環状処理容器16はブラケット24の下面に取り付けられ、攪拌部材18は、従動プーリ26の回転軸28に攪拌部材18の上端部に形成された連結軸部30と連結されている。従動プーリ26は、原動機(モータ)32の出力軸34に組み付けられた駆動プーリ36とベルト38連結され、ベルト伝動可能とされている。このときの攪拌部材18の回転速度は、ミルに要求される攪拌能により異なるが、通常周速で5〜20 m/s、望ましくは10〜15 m/sとする。通常、回転数で500〜2000m-1となる。
なお、伝動手段は、他のチェーン伝動、歯車伝動でもよく、さらには、減速機付き原動機の出力軸に直接に上記連結軸部を連結させてもよい。
そして、本実施形態の分散装置は、粉砕媒体(メディア)レスの状態で液状原料に垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることを基本とする。
上記媒体に垂直回転力を付与するために、縦形の環状処理室14を構成する環状処理容器16と、環状処理室14内に垂直回転可能に下端に底部隙間14aを有して配設され、内・外環状隙間(二重環状隙間)14b、14cを形成する反転有底筒形(反転椀形)の攪拌部材18とを備えている(図1〜2参照)。これらの底部隙間14a及び内・外環状隙間14b、14cは、原料主流路となる。
ここで、攪拌部材18は、周壁に原料(通常、スラリー状)の連通孔(スリット)40を備えている。具体的には図3〜4に示す如く、垂直方向の長孔(スリット)40が複数個(図例では8個)断面放射状に形成されグリル状とされている。このスリット40は、原料副流路(ショートパス)となる。この連通孔40の開口率は、通常、1〜20%、望ましくは2〜10%とする。開口率が小さすぎても大きすぎてもショートパスによる原料撹乱現象が発生し難く、本発明の効果を得難くなる。
こうして、原料主流路56である内・外環状隙間14b、14c間にショートパスが形成される。
この結果、液状原料に攪拌部材18により垂直回転力を付与して渦流的移動をさせた場合、撹乱現象が発生して、擬似結合状態の粒子間相互及び粒子と攪拌部材18ないし環状処理室16の各壁体との衝突する。こうして、液状原料中の擬似結合粒子は、一次粒子に分散されて、液状原料を均一分散系(微細分散系ないしコロイド分散系:1〜500nm)となる。
ここで、攪拌部材18の周壁厚みは、通常2〜10mmとした場合、各仕様は例えば、下記のものとする。
主原料流路(底部隙間14a及び二重環状隙間14b、14c)は、100〜1000μm(望ましくは500〜1000μm)とし、かつ、副原料流路(ショートパス)(連通孔40)が0.1〜5mm(望ましくは0.5〜2mm)とする。なお、主原料流路の隙間は、通常の金属材料の熱膨張を考慮した場合、上記範囲とするが、熱膨張率が極端に小さいセラミック材料等を使用する場合は、100μm未満でも可能である。
ここで、主原料流路及び副原料流路のいずれの隙間も小さすぎては、原料流れ抵抗が過大となり、動力負荷(攪拌部材18及びポンプ62の)が過大となり易い。大き過ぎては、分散能(二次粒子の一次粒子化)を得難くなる。
図例では、攪拌部材18は、キャップ形で水平断面円形であるが、上端側で回転軸とスポーク部を介して連結された上下開放の筒形であってもよい。
連通孔40は、図例の如く、複数列のスリットで形成しなくても、下記の如く種々の態様が考えられる。
即ち、上記連通孔(スリット)の形成方向は垂直方向と限らず、所要により斜向していてもよい。具体的には、回転方向に対して上方が傾斜させることが、原料流れが円滑になることが期待できて望ましい。このときの垂直方向からの傾斜角度は、通常10〜45°、望ましくは15〜30°とする。
複数の柱体でグリル状に形成してもよく、さらには、複数列の不連続孔で形成してもよい。
なお、攪拌部材18の周壁には、熱媒体(通常冷却水)を循環可能に、シール手段44を介して連結軸部30外周に、熱媒体入口46a及び熱媒体出口46bを備えた第一熱媒体(攪拌部材用)循環路46が形成されている。上記シール手段としては、図例ではメカニカルシールであるが、グランドシール等の他のシール手段であってもよい。
環状処理容器16は、上下端にフランジ部48a、48bを備え外周壁を構成する筒体48と、下端にフランジ部50aを備えた内周壁を構成するキャップ体50とからなる。そして、筒体48の周壁には、上下端にそれぞれ熱媒体入口52a及び熱媒体出口52bを備えた第二熱媒体(外壁用)循環路52が形成されている。
また、キャップ体50の周壁にも、フランジ部50aの下面に熱媒体入口54aと熱媒体出口54bを有しても第三熱媒体(内壁用)循環路54が形成されている。
また、原料供給口56aは、逆止手段(逆止弁)60を介して、原料輸送動力源62と直接的又は間接的に接続される原料供給配管64が接続可能とされている。
原料輸送動力源62は、通常、原料供給配管64に直接的に接続するポンプ(スラリーポンプ、ギアポンプ等)とするが、原料排出口56b側の配管に吸引ポンプ等を接続してもよい。このときのポンプの動力は、分散装置の処理能により異なるが、例えばミル実容量20L(dm3 )の場合、400〜800L(dm3 )/分とする。
上記において、環状処理容器16及び攪拌部材18は、通常、鋼製(適宜、表面硬化処理したもの)とするが、必要によりセラミックス製としてもよい。環状処理容器の大きさは、要求処理量により異なるが、通常、外径:100〜800mm、高さ:100〜1000mmとする。
そして、必然的ではないが、液状原料の分散粒子が高硬度の場合、処理容器の前記攪拌部材の処理原料と接触する面が耐摩耗性高分子材料又は体摩耗性金属(例えば、ジルコニア)等でライニングすることが望ましい。
特に、攪拌部材18の下端部及び環状処理容器16の溝底部が、攪拌部材18の直下部位には遠心力及び重力を受けて摩耗が促進され易いためライニングを施しておくことが望ましい。この際、上記各熱媒体循環路を、上記ライニング施工部位に形成することが、耐摩耗性高分子材料の熱劣化を促進させない見地から望ましい。
ライニング原料としては、ウレタンエラストマーが耐摩耗性および振動吸収性さらには金属製の容器・攪拌部材に対する接着性の見地から望ましい。
具体的には、例えば、ウレタンエラストマーの場合、
引張強さ:200〜400kgf/cm2 (19.6〜39.2MPa )、望ましくは250〜350kgf/cm2 (24.5〜34.3MPa )、
破断伸び:350〜600%、望ましくは400〜500%、
引裂強さ:25〜100kgf/cm(245〜980N/cm )、望ましくは30〜80kgf/cm(294〜784N/cm )、
反発弾性:25〜60%、望ましくは30〜50%とする。
なお、当該エラストマーの他の特性である線膨張係数は、可及的に小さい方が、熱伝導度は可及的に大きい方がそれぞれ望ましい。
そして、上記ライニング厚さは、通常、1〜10mm、望ましくは3〜8mmとする。薄過ぎては、ライニング効果が短期間で消滅するおそれがあり、厚過ぎても、それ以上のライニング持続期間の延長が期待できず無駄であり、さらに、熱媒体を使用して冷却するときに、冷却効果を得難くなる。
ここで、ライニングは、シートを貼着して行ってもよいが、注型法により行うことが、壁面密着性が優れたものが得やすくて望ましい。
なお、上記環状処理容器は、垂直であるが、若干上方拡径のコーン形であってもよい。
次に、上記実施形態の使用態様を、液状原料(例えばスラリー原料)を連続処理をする場合を例に採り説明する。
次に、ポンプ62を起動させて、環状処理容器16、即ち、環状処理室14に、スラリー原料を、原料供給配管64から原料供給口56aを介して上部外周側から、即ち、原料主流路56の入口側を形成する外流れ隙間14cにから流入させる。このとき、逆止弁体60は、ばね付勢により原料供給口56aを閉じているが、ポンプ32の輸送圧により開となり、スラリー原料は、環状処理室14内に供給される。そして、同時に、原動機32を起動させてベルト伝動により攪拌部材18を所定周速になるように回転させる。このとき、スラリー原料の濃度は、3〜20wt%、望ましくは5〜30wt%とする。濃度が高くなり過ぎると粘度が上昇して運転が困難となる。
供給されたスラリー原料中の凝集粒子は、攪拌部材18で攪拌されるとともに、連通孔40の存在でショートパス現象も伴うため、強力な撹乱を受け、一次粒子化を伴って分散化される。
こうして、液状原料は、撹乱分散作用を受けながら、ポンプ62の作用で、主流は遠心力作用に打ち勝ちながら、外流れ隙間14cから底部隙間14bを介して内流れ隙間14bを上昇して、原料排出口に至り、製品として排出される。
そして、外環状隙間14bの上端に到達した処理済原料は、原料排出口56bから、ポンプ62の圧送力によりミル本体外側へ連続的に排出される。
上記において原料のバッチ処理する場合(特に、原料の微細化が困難な場合)は、原料を環状処理室14に充満させた時点でポンプ62の運転を止め、所定時間攪拌するか、若しくは、原料排出口56bと原料供給口56aとを切替バルブを介してミル本体外側で連結させ、原料を繰り返し循環処理させる構成としてよい。
なお、上記実施形態の説明では、原料供給口56aを上部外周側に形成したが、逆に、即ち、下部内周側から供給して、上部外周側から排出する方式としてもよい。
また、下方から材料を供給して下方の別位置から原料を排出する方式にしてもよい。
そして、攪拌部材の回転態様は、一方向回転(順転)のみではなく、間欠的に逆転させてもよい。
なお、各熱媒体循環路に通す熱媒体は、必ずしも冷却水に限られず、冷媒(液体窒素等)又は逆に温水、過熱蒸気等であってもよい。さらには、各熱媒体循環路を通過させる熱媒体は、必要に応じて温度差をつけてもよい。
さらに、本発明の分散装置は、従来の分散装置と同様の分野、例えば、電子セラミックス、構造セラミックス、食品(例えばチョコレート)、一般窯業原料、医薬品、着色材(染料、顔料、ペイント)、樹脂、金属化合物、等の微粉砕/分散用機械として使用可能なものである。
媒体を使用しないため、媒体分散の場合のような金属汚染がない。したがって、金属粉汚染を嫌うファインセラミックス(電子セラミックス等)、食品(チョクレート等)、医薬品、金属化合物等の用途に好適である。
なお、上記実施形態では、攪拌部材を一方向に高速回転させる使用態様としたが、正逆回転可能なモータ等を使用して、スリット(連通流れ孔)間隔以上の円弧運動を正逆繰り返して、液状原料を分散させる使用態様としてもよい。その場合は、隙間を100μm以下の小さいものとした場合、攪拌部材と環状処理容器との間に臼作用が期待できる。
本発明の一実施形態における分散装置の全体概略図 同じく分散装置の要部概略断面図 同じく攪拌部材の半断面図 図3の4−4線断面図
符号の説明
14 環状処理室
14a 底部隙間
14b 内環状隙間
14c 外環状隙間
16 環状処理容器
18 攪拌部材
40 連通孔(スリット)
46 第一熱媒体循環路
52 第二熱媒体循環路
54 第三熱媒体循環路
56a 原料供給口
56b 原料排出口
60 逆止手段
64 原料供給配管

Claims (7)

  1. 液状原料に、粉砕媒体(メディア)レスの状態で、垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより液状原料を均一分散系とする分散装置であって、
    縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状処理室内に垂直回転可能に下端に底部隙間を有して配設され、内・外環状隙間を形成する反転有底筒形(反転椀形)の攪拌部材とを備え、
    前記攪拌部材は、周壁に連通流れ孔を備え、
    前記環状処理容器は、原料供給口を備えるとともに製品排出口を備えている、
    ことを特徴とする液状原料の分散装置。
  2. 前記環状処理室の攪拌部材で形成される底部隙間及び内・外環状隙間の各隙間が、500〜1000μmであり、前記連通流れ孔の径が、0.1〜5mmであることを特徴とする請求項1記載の液状原料の分散装置。
  3. 前記環状処理容器は、上部に原料供給口を備えるとともに下部に製品排出口を備えていることを特徴とする請求項2記載の液状原料の分散装置。
  4. さらに、前記原料供給口には逆止手段を介して、原料輸送動力源と直接的又は間接的に接続された原料供給配管が接続可能とされていることを特徴とする請求項3記載の液状原料の分散装置。
  5. 少なくとも前記攪拌部材の下端部壁及び少なくとも環状処理容器の溝底部壁がそれぞれ熱媒体流路を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分散装置。
  6. 液状原料を均一分散系とする分散方法であって、分散装置として、
    縦形の環状処理室を構成する環状処理容器と、前記環状処理室内に垂直回転可能に下端に底部隙間を有して配設され、内・外環状隙間を形成する反転有底筒形の攪拌部材とを備え、前記攪拌部材は、周壁に連通孔を備え、また、
    前記環状処理容器は、原料供給口を備えるとともに製品排出口を備えているものを使用し、
    前記液状原料を、媒体(メディア)レスの状態で、垂直回転力を付与して渦流的移動をさせることにより、均一分散系とする液状原料の分散方法。
  7. 前記環状処理室の攪拌部材で形成される底部隙間及び内・外環状隙間の各隙間が、5〜500μmであり、前記連通流れ孔の径が、0.1〜5mmであることを特徴とする請求項6記載の液状原料の分散方法。

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