JP2000126137A - 健康管理装置 - Google Patents

健康管理装置

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JP2000126137A
JP2000126137A JP10301173A JP30117398A JP2000126137A JP 2000126137 A JP2000126137 A JP 2000126137A JP 10301173 A JP10301173 A JP 10301173A JP 30117398 A JP30117398 A JP 30117398A JP 2000126137 A JP2000126137 A JP 2000126137A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の用便行為を通じて適切な健康管理を行
うことができる健康管理装置を提供する。 【解決手段】 洋式便器に採尿ユニット300を取り付
け、尿を採取する。採取された尿を制御ユニット200
内で分析し、クレアチニン、尿糖、タンパクなどの濃度
を検出する。これらの濃度は尿の採取条件、例えば食事
時間との関係や、尿の濃度などに応じて変動する。制御
ユニット200は、尿の濃度の影響を低減したデータと
して、各成分のクレアチニン比および24時間尿データ
を求める。また、尿の採取条件と相関を持たせて結果を
記憶する。さらに、記憶された結果に基づいて統計処理
を施す。採取されたデータにこれら種々の処理を施すこ
とによって、日常の用便行為から、健康管理に十分活用
可能なデータを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用者の用便時の
排泄物を測定し、該測定に基づいて該使用者の健康管理
に関する情報を提供する健康管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の病気には非常に緩やかに進行する
ものがある。例えば、糖尿病などの生活習慣病である。
これらの病気は、早期に発見し治療することが必要であ
るにも関わらず初期段階では自覚症状がないものが多
い。かかる病気を早期に発見するためには、定期的な検
査を受けることが必要となる。一方、これらの病気は治
療による効果も緩やかに現れる。従って、治療期間も長
期に亘り、その間、定期的に検査を受けることが必要と
なる。さらに、これらの病気は完全に治癒することが少
なく、一旦発症すると、症状が軽くなった後も、再発予
防のために引き続き定期的に検査を受けることが必要と
なる。
【0003】検査は、血液検査や尿検査など種々の方法
により、専門機関によって行われる。検査の内容によっ
ては、非常に高額の費用がかかる検査もある。生活習慣
病などの患者は、これらの検査を定期的に受けるため
に、時間的な拘束を受けるとともに、金銭的な負担も被
る。さらに、血液検査では身体的な苦痛も伴う。生活習
慣病などの患者は、かかる負担の下で、一般には1年に
数回程度の検査を受けている。これは、糖尿病などの予
防および治療上、必ずしも十分な頻度とはいえない。
【0004】かかる事情に鑑み、専門機関によることな
く、患者の通常の用便行為において尿検査を実施可能と
する装置が提案されている。かかる装置としては、例え
ば特開昭62−187253号に記載の尿検査装置が挙
げられる。この装置は、洋式便器に着脱自在に装着され
たスイングアームにより、通常の用便時に尿を取得し、
この尿を測定する装置である。尿中には、糖、タンパ
ク、潜血等、被験者の健康状態に応じてその濃度が変動
する様々な成分が含まれている。従って、上記のような
尿検査装置を利用すれば、専門機関によらずとも患者は
自らの健康状態を検査することができる。また、専門機
関での検査に伴う種々の支障がないため、緩やかに進行
または改善する健康状態を把握するのに十分な頻度で検
査を実行することも可能であるという利点がある。当
然、糖尿病などを発症していない個人にとっても、その
予防および早期発見が可能になる利点がある。こうした
利点は糖尿病などの生活習慣病に限らず、個人の排泄物
に基づいて診断可能な種々の病気に共通の利点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に尿中に
現れる糖その他の成分の濃度は、使用者の健康状態のみ
ならず、使用者の生活行為に起因する多くの誤差要因に
よって変動する。例えば、食事の内容、食後の経過時
間、および尿中の水分の量、即ち尿の濃度などによって
成分の濃度は大きく影響を受ける。
【0006】図22はある糖尿病の患者について1日に
数回、血糖値および尿糖値を測定した結果である。図2
2(a)は尿糖値の変化を示し、図22(b)は同じ患
者の血糖値の変化を示している。糖尿病は、周知の通
り、血糖値が異常に高くなる病気である。健康な人の場
合、血糖値は食後に上昇した後、2時間程度でほぼ食前
と同じ程度の値に下がる。これに対し、糖尿病患者の血
糖値は、図22(b)に示す通り、食後に上昇した後、
なかなか低下しないという傾向を示す。また、血糖値は
最大160mg/dl程度の濃度が正常値といわれてい
るが、糖尿病患者の場合は、その上限値を大きく上回っ
ていることも特徴である。
【0007】また、血糖値が各個人に固有の閾値を超え
ると、糖が尿中に排出されるといわれているが、糖が尿
中に排出された場合でも、尿は一旦膀胱に蓄積された後
排出されるものであるため、血糖値の変化に対して尿糖
値の変化はある程度の時間遅れを伴い、両者は経時的な
変化に差異が生じる。たとえば、図22(a)と図22
(b)とを比較すると、血糖値が朝食後2時間まで一定
の割合で上昇するのに対し、尿糖値はほとんど変化しな
い。血糖値が朝食後2時間から3時間で一旦安定するの
に対し、尿糖値はこの区間で急激に上昇する。さらに血
糖値は昼食後に再び上昇するのに対し、尿糖値はこの区
間で減少している。
【0008】このように単純に測定された尿糖値は、血
糖値の変化を正確に反映した値とはならない。健康に関
与する尿中の成分は、尿の濃度その他の誤差要因によっ
て大きな影響を受けるから、尿中の成分を単純に測定し
ただけのデータは、健康管理に一応の目安を与えること
はできても、糖尿病を初めとする種々の病気の予防、早
期発見、および治療に十分活用可能なデータとはなり得
なかった。従って、従来から提案されていた尿検査装置
は、尿中の種々の成分を測定可能ではあるものの、その
測定結果を個人の健康管理に十分活用することはできな
かった。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、個人が日常生活の中で排泄した排泄
物から、健康管理に十分活用可能な情報を提供可能な健
康管理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題を解決するために、本発明は次の構成を採用し
た。本発明の健康管理装置は、使用者の排泄物を測定
し、該測定に基づいて該使用者の健康管理に関与する情
報を提供する健康管理装置であって、前記排泄物に関わ
る所定の物理量を測定して、前記使用者の健康状態に関
連した測定データを取得する測定データ取得手段と、使
用者の生活行為に起因する各測定データの誤差要因に基
づいて、前記測定データを処理することにより、前記使
用者の健康管理に活用可能な分析データを生成する分析
データ生成手段と、該分析データを出力する出力手段と
を備えることを要旨とする。
【0011】かかる健康管理装置によれば、前記排泄物
に関わる所定の物理量を測定して得られた測定データに
つき、使用者の生活行為に起因する誤差要因を加味する
ことにより、健康管理に活用可能な分析データを得るこ
とができる。測定結果に誤差を与える誤差要因は、測定
データの種類および該測定に用いられる排泄物に応じ
て、予め特定することができる。また、その影響も予め
概ね把握することが可能である。かかる誤差要因には、
個体差が生じるものも含まれるが、個体差も含めて予め
その影響を把握しておくことが可能である。上述の健康
管理装置を用いれば、こうして把握された誤差要因を考
慮して測定データを処理することにより得られた分析デ
ータに基づいて、各個人が適切に健康管理を行うことが
できる。
【0012】しかも、本発明の健康管理装置によれば、
日常生活の中で排泄される排泄物から所定の測定データ
を得る。つまり、専門機関によらず、日常生活の中で該
測定および分析を実行することができる。従って、非常
に緩やかに進行したり、改善したりする健康状態の変化
を捉えるのに十分な頻度で分析データを取得することが
でき、種々の病気の予防、早期発見および治療を有効に
行うことができる。排泄物としては、尿、便などの用便
行為による排泄物を対象とすることができる。また、目
的に応じて汗、唾液、精液、排卵物、経血などを対象と
してもよい。排泄物に関わる所定の物理量としては、排
泄物自体の体積、重量、密度などの他、排泄物中に含ま
れる種々の成分の含有量、濃度などが挙げられる。
【0013】なお、誤差要因に基づいて、前記測定デー
タを処理する方法としては、種々の態様が考えられる。
第1の態様としては、本発明の健康管理装置において、
前記測定データの取得条件を入力する入力手段を備え、
前記分析データ生成手段は、該取得条件と前記測定デー
タとを関連づけて前記分析データを生成する手段である
ものとすることができる。
【0014】測定データは、取得条件に応じて誤差が変
動する。上記態様では、測定データと取得条件とを関連
づけたデータを生成する。従って、取得された測定デー
タと健康状態との関係を、取得条件に応じて適切に判断
することが可能となる。例えば、食事前など所定の取得
条件下で得られた測定データのみを比較することにより
健康状態の変遷を把握することもできる。また、食事前
後の比較など、取得条件の変化に応じた測定データの変
化から、健康状態を判断することもできる。
【0015】第1の態様においては、さらに、前記測定
データの中から誤差が比較的小さいと推測される測定デ
ータを、前記取得条件に基づいて選択する手段を備える
ものとしてもよい。こうすれば、健康管理に活用するた
めに、使用者が、測定データを、取得条件に基づいて選
択する必要がない。また、使用者の日常生活の中で取得
された測定データから、健康管理に活用可能な所定の取
得条件に適合する測定データが自動的に選択されるた
め、使用者が食後の決まった時間に排泄を行うなど、意
図的に取得に適した条件に合わせて測定を実行させると
いった煩雑さを回避することができる。
【0016】第1の態様における取得条件は、測定デー
タの種類に応じて種々の条件を選択することが可能であ
り、例えば、前記取得条件は、使用者の食生活との関係
を表すパラメータであるものとすることができる。
【0017】食生活は使用者の排泄物中の成分に最も影
響を与える要因であるから、食生活との関係を表すパラ
メータを取得条件として入力するものとすれば、測定デ
ータをより適切に評価することができる。従って、測定
データに基づいて、より適切に健康状態を判断すること
が可能となる。食生活との関係を表すパラメータとして
は、例えば、食事をしてからの経過時間、食事により摂
取したカロリー、所定の栄養素の量、水分の摂取量など
が考えられる。こうしたパラメータは、測定データの内
容に応じて必要なものを種々設定すればよい。もちろ
ん、測定データに影響を与え得る全てのパラメータを入
力する必要はなく、誤差に比較的大きな影響を与えるパ
ラメータのみを入力するようにしてもよい。これらのパ
ラメータは、直接入力するものとしても構わないし、例
えば食事内容を入力することにより健康管理装置の内部
で測定するものとしてもよい。
【0018】第2の態様としては、本発明の健康管理装
置において、前記測定データを逐次記憶する記憶手段を
備え、前記分析データ生成手段は、該記憶手段に記憶さ
れた複数の測定データを用いた統計処理によって前記分
析データを生成する手段であるものとすることができ
る。
【0019】測定データは使用者の日常生活行為に起因
する種々の誤差を含んでいるが、通常、これらの誤差は
所定の範囲内のばらつきに収まる。上述の態様では、測
定データを逐次記憶可能とし、記憶された測定データに
基づいて統計処理を施すことにより、健康管理に活用可
能な程度に誤差の影響を低減することができる。従っ
て、上記態様によれば、測定項目を増やしたり、測定デ
ータ自体に複雑な補正処理を施すことなく、健康管理に
活用可能なデータを取得することができる。また、上述
の態様によれば、意義のある分析データを得るために、
排泄物を取得する際の条件を調整する煩雑さを回避する
ことができる他、取得条件を入力するなどの煩雑さをも
回避することができる。もちろん、第2の態様において
も取得条件を入力可能とし、これを考慮した上で統計処
理を施すことも可能である。
【0020】また、次のような統計処理を施すものとす
ることもできる。前述の通り、一般的には、測定データ
の誤差は所定のばらつきの範囲に収まると考えられる。
逆に、所定のばらつきから外れる測定データが得られた
場合には、通常の誤差要因以外の原因、つまり使用者の
健康状態に何らかの異常があったものと推測することが
できる。従って、標準偏差および平均値を計算し、平均
値に対して標準偏差に基づいて規定される所定のばらつ
きの範囲外にある測定データを抽出するとともに、抽出
された測定データの値や発生頻度を算出するものとして
もよい。こうすれば、これらの値および発生頻度に基づ
いて健康状態を管理することができる。
【0021】なお、統計処理の方法および適切なデータ
を得るために必要となるデータ数は、測定データの内容
に応じて種々設定可能である。例えば、尿糖のように日
内変動の大きい測定データについては、複数日に亘って
取得されたデータの中から、取得条件が類似した測定デ
ータを選択して、経日変化を統計的に求めるものとする
ことができる。日内変動が比較的少ない測定データにつ
いては、得られた全てのデータに基づいて統計処理を施
すこともできる。統計処理は、例えば、平均値や標準偏
差の算出など、周知の種々の方法で実行することができ
る。
【0022】第3の態様としては、本発明の健康管理装
置において、前記排泄物につき、測定データに影響を与
える状態量を検出する検出手段を備え、前記分析データ
生成手段は、前記状態量が前記測定データに与える影響
を補償して前記分析データを生成する手段であるものと
することができる。
【0023】測定データの誤差に大きく影響を与える一
つの要因として、排泄物の状態の変動が挙げられる。当
然のことであるが、排泄物は量、密度などの状態量が排
泄の度に異なるのが通常である。測定データは、単位体
積当たりの排泄量などの濃度で検出される。従って、排
泄物の状態量の変動は、検出された測定データの誤差要
因となる。第3の態様によれば、こうした誤差を招く排
泄物の状態量を検出し、該状態量に起因して測定データ
に生じる誤差を補償する。従って、これらの誤差を低減
した適切な分析データを得ることができる。
【0024】状態量は、排泄物および測定データの種類
に応じて、種々選択可能であるが、例えば、前記状態量
の一つは前記排泄物の量であるものとすることができ
る。また、前記状態量の一つは、前記測定データに関与
する成分の前記排泄物の濃度であるものとすることもで
きる。もちろん、複数の状態量に基づいて誤差を補償す
るものとしてもよい。
【0025】状態量として排泄物の量を検出すれば、測
定データを与える成分の排泄物中に含まれる絶対量を測
定することが可能となる。つまり、排泄物の濃度あるい
は密度の変化の影響を受けることなく上記成分の排出量
を特定することができる。また、状態量として排泄物の
濃度を検出すれば、濃度変動による誤差を低減し、より
適切な測定結果を得ることができる。
【0026】測定データを与える成分には、一日当たり
の総排泄量として標準値が与えられるものが多い。従っ
て、これらの成分の絶対量を検出するとともに、該デー
タを蓄積しておけば、健康管理に活用可能なデータを適
切に得ることができる。「排泄物の量」は、現実の臨床
試験でも活用されている状態量である。検尿を例にとっ
て説明すれば、食塩の摂取量をコントロールする目安と
なる尿中のナトリウムの排泄量は、24時間分の尿全体
を畜尿して検査を実施するのが理想的であるといわれて
いる。また、糖尿病が進行し、糖尿病性腎症を発症した
際に検出されるアルブミンと呼ばれる尿中タンパクも、
24時間分の尿全体で測定するのが理想的といわれてい
る。
【0027】排泄物の量を検出する方法には周知の種々
の方法が適用可能である。量は、排泄物の重量によって
検出してもよいし、体積によって検出してもよい。排泄
物が尿である場合には、例えば特開平10−38837
記載の技術により尿の体積を測定することができる。こ
こでは、採尿器に蓄えられた尿の水位を光学センサを利
用して尿の体積を測定する技術が提案されている。尿の
体積は、また流量および排泄時間を検出し、それらを積
分して求めるものとしてもよい。排泄物の重量を検出す
る方法としては、排泄物自体の重量を直接検出するもの
の他、排泄前後の使用者の体重差から排泄物の重量を求
めるものとしてもよい。
【0028】排泄物の濃度を検出する方法も種々の方法
が適用可能であり、例えば、前記排泄物は尿である場合
には、クレアチニンの濃度を用いるものとすることがで
きる。
【0029】クレアチニンは筋肉で産生される物質であ
る。個体の筋肉量、即ち体格に応じて一日の尿中への排
泄量は、ほぼ一定の値になるといわれている。従って、
測定データとともに、尿中のクレアチニン濃度を検出
し、該濃度で測定データを除して正規化すれば、尿の濃
度変動による影響を低減することができる。つまり、こ
の正規化によってクレアチニンを単位量含む尿中の排泄
量を得ることができ、尿の濃度の影響を抑制することが
できる。また、使用者が1日に排出するクレアチニンの
量を予め検出しておけば、用便ごとに検出されたクレア
チニン濃度および測定データに基づいて、測定対象とな
る成分の1日当たりの排泄量を推定することができる。
使用者が1日に排出するクレアチニンの量を予め検出し
ていない場合であっても、クレアチニン濃度で正規化さ
れた測定データは尿の濃度の影響が小さいから、その経
時的変化に基づいて健康状態の変化を把握することが可
能となる。
【0030】クレアチニンの検出には、既知の種々の方
法を適用することができる。例えば、クレアチニンをク
レアチニンディミナーゼ(CRDI)と呼ばれる酵素を
用いて分解した際に得られるアンモニアの量に基づいて
検出することができる。また、このアンモニアにさらに
多種の酵素を作用させて得られた生成物に基づいて検出
する方法も知られている。なお、尿中にはアンモニアも
含有されているため、CRDIを作用させて生成される
アンモニアのみを検出するために、予めアンモニアを分
離可能な選択透過膜を通した尿にCRDIを作用させる
方法や、CRDIを作用させる前後でのアンモニア量の
変化を検出する方法を適用することが望ましい。
【0031】本発明の健康管理装置は、種々の測定対象
を設定可能であるが、特に、使用者の健康状態の長期的
な変化を検出可能な測定データを対象とすることが好ま
しい。
【0032】生活習慣病などのように、1〜2日で急激
に進行する訳ではなく、長期間に亘って緩やかに病状が
進行する病気については、その予防および治療のため
に、頻繁に検査を行うことが望ましい。本発明の健康管
理装置によれば、日常生活の中で分析データを適切に取
得することができるため、個人が大きな負担を感じるこ
となく、十分な頻度で検査を行うことができる。従っ
て、使用者の健康状態の長期的な変化を検出可能な測定
データを対象としておけば、生活習慣病などの予防、早
期発見および治療に有効に活用することができる。な
お、長期間とは、病気の種類および病状に応じて、その
進行を評価するのに適した期間をいう。数日である場合
もあれば、数週間、数ヶ月間などの長期に亘る場合もあ
る。
【0033】本発明の健康管理装置において、前記排泄
物が尿である場合には、前記測定データは、尿糖、タン
パク、潜血、ナトリウムイオン、尿酸のうち少なくとも
一つの成分に関するデータであるものとすることができ
る。
【0034】ここに例示した測定データは、それぞれ次
の意義を有している。尿糖は糖尿病の予防、発見、治療
などに活用することができる。タンパクは尿中アルブミ
ンとも呼ばれ、糖尿病性腎症の早期発見に有効に活用で
きる。特に糖尿病性腎症は、非常に早期に発見し、治療
を行わないと治癒しないといわれているため、尿中アル
ブミンの検出は有効性が高い。糖尿病性腎症の早期で
は、アルブミンが尿中に微量に排泄されることが知られ
ている。従って、このような微量のアルブミンを測定デ
ータとして検出可能にすれば、糖尿病性腎症の早期発見
に活用することができる。当然、非糖尿病性の腎症の発
見にも有効である。
【0035】潜血は、腎臓、尿管、膀胱、尿道などに生
じる腫瘍、炎症、結石等の兆候の一つである。早期にお
いては、尿中に血液が混入していることが一見して確認
することができず、本人にも自覚症状がない無症候性血
尿と呼ばれる状態にある。本発明の健康管理装置におい
て、潜血を測定データとしておけば、かかる無症候性血
尿の段階で潜血を検出することが可能であるから、上記
種々の病気の早期発見および治療に活用することができ
る。
【0036】ナトリウムは、一日の塩分の摂取量の目安
となる測定データである。塩分が高血圧症や心不全など
の要因となることはよく知られている。これらの病気の
予防、治療のためには塩分の摂取量を適切な値にコント
ロールすることが好ましい。ところが、塩分の摂取量は
必ずしも味覚に沿うものではなく、それほど塩辛く感じ
ない食品にも多量の塩分が含まれている場合があること
が多い。一方、尿中のナトリウムは、塩分の摂取量にほ
ぼ比例することが知られている。従って、測定データと
してナトリウムを検出するものとすれば、塩分の摂取量
を把握することができ、そのコントロールに活用するこ
とができる。
【0037】尿酸は、痛風などの原因物質として知られ
ている。尿酸は一日の合成量の約80%弱が尿中に排泄
されるといわれている。従って、尿中の尿酸を測定すれ
ば、体内の尿酸値を推定することができ、痛風その他の
病気の予防、治療に活用することができる。
【0038】ここで説明した種々の測定データは例示に
過ぎず、その他種々の測定データを本発明の健康管理装
置の測定対象とすることが可能である。当然、複数の測
定データを測定対象としても構わない。
【0039】本発明の健康管理装置の利便性を向上する
ために、以下に示す付加手段を備えるものとすることが
好ましい。第1の付加手段として、 複数の健康管理装
置間で前記分析データ、測定データ、誤差要因の少なく
とも一つをやりとり可能なデータ授受手段が挙げられ
る。
【0040】日常生活において個人が用便をする場所は
一カ所とは限らない。自宅や外出先など様々な場所で用
便するのが通常である。健康管理装置に、上述のデータ
授受手段を備えるものとすれば、複数の装置間で分析デ
ータ、測定データ、誤差要因のやりとりが可能となるた
め、異なる場所で用便をした場合であっても、これらの
データを一元的に管理することができる。この結果、個
人の分析データをより頻繁に取得することができ、より
適切な健康管理を行うことができる。
【0041】なお、装置間でデータをやりとりする態様
としては、分析データ、測定データ、誤差要因の全てま
たは組み合わせてやりとりするものとしてもよいし、こ
れらを単独でやりとりするものとしてもよい。誤差要因
を単独でやりとりする態様としては、例えば、健康管理
装置が病院に設置されており患者ごとに提供された食事
内容を病院側が把握している場合に、誤差要因の一つで
ある食事内容のデータを患者の健康管理装置に提供する
態様が挙げられる。
【0042】データ授受手段としては、種々の手段が適
用可能である。例えば、健康管理装置同士でデータを有
線または無線の通信により授受可能な構成とすることも
できる。この場合には、健康管理装置同士で直接データ
のやりとりをする態様の他、ネットワークを介してデー
タをやりとりする態様も可能である。また、データ授受
手段として、個人の分析データを、フレキシブルディス
クなど携帯可能な記録媒体に記録する方法を採用するも
のとしてもよい。
【0043】なお、データ授受手段を備える場合、健康
管理装置以外の装置、例えば汎用コンピュータなどとも
データのやりとりを可能とすれば、さらに望ましい。こ
うすれば、分析データに基づいて、より適切な健康管理
を行うことができる。
【0044】第2の付加手段として、複数の使用者を識
別する識別手段と、該識別された使用者との相関を確保
した態様で、前記分析データおよび測定データの少なく
とも一つを、単独または誤差要因と関連付けて記憶する
記憶手段が挙げられる。
【0045】本発明の健康管理装置は、便器に備えられ
たものであるから、日常生活においては、一台の健康管
理装置を複数の使用者が使用する可能性が高い。かかる
場合に、上述の第2の付加手段を備えるものとすれば、
使用者との相関を確保して前記分析データおよび測定デ
ータの少なくとも一つを、単独または誤差要因と関連付
けてを記憶することができる。従って、複数人が使用す
る場合であっても、各個人の健康管理を適切に行うこと
が可能となる。
【0046】使用者の識別手段には、種々の手段が適用
可能である。例えば、使用者が自己を特定するための操
作を行うものとすることができる。健康管理装置に予め
入力された使用者のリストから自己を選択する方法とし
てもよいし、使用をする際に自己を特定するIDを入力
するものとしてもよい。また、健康管理装置の操作部に
指紋など各人に固有の情報を測定する機能を持たせるも
のとしてもよい。さらに、家庭での使用のように、使用
者の性差、年齢差などが大きく離れていることが想定さ
れる場合には、体重、静電容量などの情報に基づいて使
用者を識別するものとしてもよい。
【0047】なお、第2の付加手段を備える健康管理装
置においては、さらに使用者に応じて測定データを異な
るものとしてもよい。こうすれば、各人が必要とする測
定データのみを取得することができるため、測定に要す
る費用および分析データを記憶する記憶手段の容量を節
約することができる。
【0048】第3の付加手段として、健康状態に応じた
対策を、前記分析データとの関連で記憶する対策記憶手
段と、該対策記憶手段を参照して、前記分析データから
推定される使用者の健康状態に応じた対策を示唆する示
唆手段が挙げられる。
【0049】一般の使用者は分析データを提示されて
も、適切な対応を採ることができない場合が多い。例え
ば、尿中にタンパクが検出された場合、直感的にタンパ
クの摂取量を減らせばよいと考えがちである。ところ
が、尿中にタンパクが排泄されて体内のタンパクが不足
するネフローゼ症候群になると、逆にタンパクの摂取量
を増やす必要がある。分析データへの対応を誤れば、却
って健康を損ねる結果にもなりかねない。また、分析デ
ータが何らかの異常値を示した場合に、医師の診断を必
要とするのか否かの判断ができないこともある。上述の
第3の付加手段を備えるものとすれば、分析データに基
づいて対策を示唆することができるため、専門的知識を
有しない使用者でも、適切な健康管理を行うことが可能
となる。
【0050】第3の付加手段により示唆される対策とし
ては、種々のレベルが考えられる。例えば、医師の診断
を受けるべきか否かの判断を示すものとすることができ
る。また、タンパクや糖などの摂取量の目標値を示すも
のとすることもできる。さらに、具体的な食事内容を示
すものとしてもよい。糖尿病などの治療にはいわゆる食
事療法が採られることが多いが、食事療法は接種する栄
養素やエネルギなど種々の観点から食事内容を決める必
要があり、非常に煩雑である。また、症状の変化に応じ
て摂取可能な内容および量が変化する。従って、第3の
付加手段により適切な食事内容を示唆するものとすれ
ば、食事療法を有効に進めることができる。
【0051】また、上述の対策には、使用者の健康状態
を向上するための対策の他、測定データの精度を高める
ための指示を含めるものとしてもよい。例えば、分析デ
ータから使用者の健康状態に何らかの異常を検出した場
合、分析データの精度をより向上するために、排泄物の
取得条件についての指示を行うものとしてもよい。こう
すれば、使用者の健康状態をより適切に判断することが
可能となる。
【0052】以上で説明した本発明の健康管理装置は、
例えば尿を前記測定データ取得手段に直接かけることに
よって、測定データを得るものとしてもよいし、排泄物
を取得する排泄物取得手段を設けるものとしてもよい。
排泄物取得手段は、便器と一体に構成することもできる
し、便器に装着されて前記排泄物を採取する排泄物採取
手段を、便器と着脱可能に備えるものとすることもでき
る。
【0053】
【発明の実施の形態】(1)装置の構成 本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明す
る。図1は、本発明の実施例としての健康管理装置の外
観図である。この健康管理装置は、大きくは洋式便器1
00と、制御ユニット200と、採尿ユニット300
と、コントロールパネル400とから構成される。図1
は、洋式便器100の便座102、便蓋104の双方を
開いた状態を示している。図示する通り、採尿ユニット
300は、洋式便器100のリム部に被せることによっ
て装着される。
【0054】制御ユニット200は、洋式便器100と
は別体で構成されており、床面に据え付けられている。
制御ユニット200と採尿ユニット300とは、取得し
た尿を運ぶ搬尿パイプ202で結合されている。搬尿パ
イプ202は制御ユニット200から洋式便器100に
測定後の尿を排出する役割も果たす。制御ユニット20
0には、洋式便器100の洗浄水タンク106から、制
御ユニット200に洗浄水を供給するための給水パイプ
204も接続されている。給水パイプ204の先端に
は、図示しないポンプが取り付けられており、ポンプの
作用によって洗浄水タンク106内部の洗浄水を制御ユ
ニット200に供給可能になっている。後述する通り、
搬尿パイプ202と、給水パイプ204とは切替弁を介
して制御ユニット200に接続されており、切替弁を切
り替えることによって制御ユニット200内に取得した
尿または洗浄水のいずれかが供給される。
【0055】図2は、採尿ユニット300が装着された
洋式便器100の側面図であり、採尿ユニット300の
機能を示す説明図である。採尿ユニット300は、中空
のアーム320とその先端部に取り付けられた採尿器3
10とから成っている。アーム320は、採尿器310
が便器100の中央に位置するように洋式便器100の
リムに沿って湾曲している。採尿ユニット300は、図
2に示すように取り付け点回りに回動し、待機位置A、
おとこ位置B、おんな位置Cの3カ所の位置を採る。お
とこ位置Bは男性が洋式便器100に座って排泄した尿
を取得するのに適した位置に設定されており、おんな位
置Cは女性に適した位置に設定されている。採尿器31
0は、排泄された尿を完全に取得するのに十分な大きさ
を有している。採尿器310から取得された尿は、中空
のアーム320内部を通過し、搬尿パイプ202を通っ
て制御ユニット200に送られる。本実施例では、制御
ユニット200からの吸引により、尿の搬送を実現して
いる。
【0056】図3は、制御ユニット200内部の尿の処
理経路を示す説明図である。図示する通り、切替弁20
6を介して搬尿パイプ202および給水パイプ204に
接続された尿の処理経路には、緩衝液タンク208,尿
量センサ220が設けられており、また、尿中の各成分
を検出するためのセンサが並列に設けられている。切替
弁206を搬尿パイプ202側に切り替えれば、制御ユ
ニット200内部に尿が吸引される。切替弁206を給
水パイプ204側に切り替えれば、洋式便器100から
洗浄水が供給される。この洗浄水は、制御ユニット20
0内部の配管および各センサを洗浄するのに使用され
る。
【0057】搬尿パイプ202から供給された尿は、尿
量センサ220により尿量が測定される。本実施例の尿
量センサ220は尿の流量と経過時間とを検出し、尿量
を演算している。その後、緩衝液タンク208から供給
される緩衝液と混合され、図示する通り、複数の経路に
分割され、それぞれのセンサに供給される。緩衝液と
は、尿のPHを検出に適した値に保つとともに、制御ユ
ニット内で尿を円滑に流すための搬送剤として加えられ
る液体である。本実施例では、尿中の成分を検出するセ
ンサとして、クレアチニンセンサ230、尿糖センサ2
40、タンパクセンサ250、潜血センサ260、ナト
リウムセンサ270、尿酸センサ280の7種類のセン
サを設けている。各センサに供給された尿は、それぞれ
のセンサで各成分濃度が測定された後、搬尿パイプ20
2を通って洋式便器100内に排出される。
【0058】図4は、本実施例の健康管理装置の電気的
な接続関係を示す説明図である。制御ユニット200の
内部には、全体の制御を司るCPU210を中心とし
て、RAM212,ROM214,ハードディスク21
6、入出力ポート218、および上述の各センサがバス
により相互に接続されている。CPU210は、ROM
214に記憶されたプログラムに従って、各センサを用
いた尿の測定処理、測定して得られたデータの2次処
理、およびこれらのデータに基づいて症状などを解析す
る処理などを実行する。測定処理、2次処理によって得
られたデータは、最終的にはハードディスク216に記
憶される。
【0059】CPU210は、入出力ポート218を通
じて採尿ユニット300に信号を出力し、採尿ユニット
300の動作を制御する。同様に、コントロールパネル
400と信号をやりとりすることによって、使用者から
の指示を入力したり、コントロールパネルに所定の情報
を表示したりする。図示を省略したが、本実施例の健康
管理装置は、入出力ポートに接続されたフレキシブルデ
ィスクドライブを介してフレキシブルディスクにデータ
を入出力することができる。CPU120は、ハードデ
ィスク216に記憶された対策データベースおよび推論
規則データベ−スを参照する人工知能の推論部としても
機能し、取得した尿を測定して得られた種々のデータに
基づいて使用者に健康向上のための対策を推論し、示唆
する。
【0060】以下、それぞれのセンサによる尿中の成分
の検出原理について説明する。最初に尿糖センサ240
について説明する。尿糖センサ240は尿中の糖分、即
ちグルコース(ブドウ糖)を検出する。尿糖センサ24
0は、既知の種々の検出原理に基づいて構成することが
可能である。本実施例では、その中の一つとして、以下
の原理に基づいて尿糖センサ240を構成している。
【0061】図5は、本実施例における尿糖の検出原理
を示した説明図である。本実施例では、グルコースを特
異的に酸化する酵素であるグルコースオキシターゼ(G
OD)を用いる。図示する通り、GODと酸素が加えら
れると、尿中のグルコースは過酸化水素に変化する。過
酸化水素は、電気分解により電子を排出するから、この
電子の量を電気信号として検出することにより尿中のグ
ルコース濃度を求めることができる。
【0062】図6は、尿糖を検出するための構成を模式
的に示した説明図である。図示する通り、GODを配合
した透過膜241に尿を通過させると、先に説明した反
応によって尿中のグルコースは過酸化水素に変化する。
過酸化水素を検出するための電極は、過酸化水素のみな
らず尿中の尿酸やアスコルビン酸とも反応するため、尿
糖の濃度を検出するためには、これらの成分を除去する
必要がある。これらの成分は、変質することなく透過膜
241を通過する。従って、GODにより分解された後
の尿を、分子量の小さな過酸化水素のみを選択的に透過
する選択透過膜242に通過させる。尿酸やアスコルビ
ン酸は、この選択透過膜242を通過することはできな
いため、グルコースを分解して得られた過酸化水素はこ
れらの成分から分離される。
【0063】図7は上述の過程を経て処理された溶液中
の過酸化水素濃度を定量的に検出するための回路図であ
る。図示する通り、過酸化水素液中に参照極245,作
用極246,および対極247の3つの電極が浸され
る。作用極246は、過酸化水素中の水素イオンを取り
込む選択膜で構成された電極である。ポテンショスタッ
ト244は、参照極245に対する作用極246の電位
が正の一定値(たとえば、+0.6V)になるように作
用極246と対極247との間を流れる電流を調整す
る。この電流は過酸化水素の濃度、即ち尿糖の濃度に応
じて変化する。対極247に設けられた電流センサ24
8は、この電流値を検出し、CPU210に出力する。
CPU210はこの電流値に基づいて、尿中のグルコー
ス濃度を演算する。この演算は、検出される電流値をグ
ルコース濃度に変換するための比例係数を乗じることに
より行われる。
【0064】ここで、酵素GODは時間の経過とともに
次第に活性を失うため、尿糖センサ240の出力は経時
的に低下する。また、過酸化水素を検出する作用極24
6の表面が酸化することによって出力が低下することも
ある。本実施例は、こうした種々の要因による出力の低
下を補償するために、周期的に出力の校正を実行する。
校正は、グルコースを一定量含んだ校正液を用いて行
う。つまり、この校正液を尿糖センサ240で測定した
出力に基づいて補正値を設定するのである。校正液は、
制御ユニット200内部に尿糖センサ240に供給可能
な形で備えられている。校正液の濃度は既知であるか
ら、補正値は、「校正液の濃度/校正液に対する出力」
で与えられる。電流センサ248によって検出された電
流値にかかる補正値を乗じれば、尿中のグルコース濃度
を精度よく検出することができる。このように特定の物
質と反応する選択膜によって構成された作用極を用いて
濃度を検出する方法を以下、電極法と呼ぶものとする。
【0065】なお、上記校正を行うタイミングは、種々
の設定が可能である。尿の測定を行う度に校正を実行す
るものとしてもよい。尿の測定を行うタイミングとは無
関係に定期的に実行してもよい。定期的に実行する周期
は、保証すべき検出精度に応じて時間単位、日単位など
種々の設定が可能である。また、校正を行うたびに結果
を記録しておき、その変化率に応じて校正の頻度を調整
するものとしてもよい。
【0066】先に述べた通り、尿糖の検出には、上述の
方法に限らず、種々の方法が適用可能である。例えば、
グルコースに硫酸銅を加えて加熱することにより生成さ
れる二酸化銅の発色性を利用して検出する方法を適用す
るものとしてもよい。但し、本実施例で採用した方法に
よれば、尿糖を検出するための装置を比較的簡易な構成
とすることができるとともに、比較的長期間に亘って繰
り返し測定するのに適しているという利点がある。
【0067】次に、クレアチニンセンサ230について
説明する。クレアチニンの検出方法も種々の方法が知ら
れている。ここでは、クレアチニンの種々の検出原理を
一通り説明した後、本実施例における検出方法を具体的
に説明する。図8は、クレアチニンの化学変化の様子を
示す説明図である。クレアチニンにクレアチンディミナ
ーゼ(CRDI)と呼ばれる酵素を水とともに加える
と、クレアチニンはアンモニアとN−メチルヒダントイ
ンと呼ばれる物質に分解される。アンモニアは水中の水
素イオンと結合してアンモニウムイオンに変化する。従
って、図7に示した作用極246として、アンモニウム
イオンを取り込む選択電極を採用すれば、その濃度を検
出することができる。こうして検出されたアンモニウム
イオンに基づいて、既知の濃度のクレアチニン溶液とア
ンモニウムイオンとの関係を予め検出して作成した検量
線を参照すれば、測定対象溶液のクレアチニンの濃度を
求めることができる。
【0068】また、アンモニアは特定の試薬に対して発
色性があることが知られているから、CRDIによって
分解された液中にこの試薬を添加し、その発色性に応じ
てアンモニアの濃度を検出することもできる。この発色
性を光学的に検出するためには、発色性に応じた波長の
光を照射し、その吸光度を検出すればよい。
【0069】CRDIによって生成されたアンモニアに
対して、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
DH)と、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)
と呼ばれる酵素を加えると、アンモニアがLーグルタメ
ートと呼ばれる物質に変化するとともに、NADHが酸
化され、NAD+のイオンに変化する。NADHは波長
340nmの光を吸収しやすい物質であることが知られ
ている。従って、GLDHを添加する前後で、340n
mの光の吸光度の低減率を検出すれば、反応に寄与した
アンモニアの濃度を検出することができる。こうして検
出されたアンモニアの濃度に基づいて、先に説明した検
量線を参照すれば、測定対象溶液のクレアチニンの濃度
を求めることができる。
【0070】上述の反応により生成されたL−グルタメ
ートに対して水、酸素およびグルタミン酸オキシダーゼ
(GLOD)と呼ばれる酵素を添加すると、L−グルタ
メートがアンモニアに変化するとともに、水と酸素が過
酸化水素に変化する。ここで添加される酸素は、水中の
溶存酸素である。従って、この反応の前後で溶存酸素の
量を酸素に反応する選択電極を用いた電極法によって検
出すれば、L−グルタメートの量を検出することができ
る。また、尿糖の検出で用いたのと同様、過酸化水素を
検出する電極を用いることもできる。これらの方法にお
いても、溶存酸素または過酸化水素の濃度に基づいて、
既知の濃度のクレアチニン溶液とこれらの成分の濃度と
の関係を予め検出して作成した検量線を参照すれば、測
定対象溶液のクレアチニンの濃度を求めることができ
る。
【0071】以上で説明した種々の検出方法の中から、
本実施例では、最も反応の回数が少ない方法、つまりC
RDIを添加した結果生じたアンモニアを検出する方法
をクレアチニンセンサ230に適用した。また、アンモ
ニアを精度よく定量的に測定するために、図7と同様の
電極法によりアンモニアを検出するものとした。なお、
よく知られている通り、尿中には通常、アンモニアが含
有されている。クレアチニン濃度を精度よく検出するた
めには、その分解によって得られたアンモニアを、もと
もと尿中に含まれていたアンモニアと分離する必要があ
る。本実施例では、次の方法を適用した。
【0072】図9は、本実施例におけるクレアチニンの
検出方法を模式的に示した説明図である。図9(a)に
示す通り、まず、アンモニアを透過しない選択透過膜2
32に尿を通過させることによって、尿中にもともと含
有されていたアンモニアを除去する。次に、この尿をC
RDIを配合した透過膜234に通過させると、尿中の
クレアチニンがアンモニアに分解される。このアンモニ
アの濃度を図7に示したのと同様の構成で電気信号とし
て検出する。図7の構成において、作用極246として
アンモニアと反応する選択膜を用いる。かかる選択膜と
しては、クラウンエーテル系等のイオノフォアで構成さ
れる高分子膜が知られている。なお、図9(a)に示し
た方法において、選択透過膜232に代えて、アンモニ
アはナトリウムイオンに置換可能な「陽イオン交換膜」
を用いることも可能である。
【0073】上述の構成のほか、図9(b)に示す構成
を採用してもよい。図9(b)に示す構成では、選択透
過膜232を用いない。代わりにCRDIを配合した透
過膜234を通過させる前の尿に対して、電極法により
アンモニアの濃度を検出する。ここで検出されるのは、
尿中にもともと含有されていたアンモニアの濃度であ
る。次に、CRDIを配合した透過膜234を通過させ
た後の尿に対して、同じく電極法によりアンモニアの濃
度を検出する。尿中にもともと含有されていたアンモニ
アは、変質することなく透過膜234を通過するから、
透過膜234を通過した後の液中には含有されていたア
ンモニアと、クレアチニンを分解して得られたアンモニ
アの双方が含まれていることになる。従って、透過膜2
34を通過する前後で検出されたアンモニアの濃度の差
分を求めれば、クレアチニンを分解して得られたアンモ
ニアの濃度を検出することができ、クレアチニンの濃度
を検出することができる。
【0074】なお、クレアチニンセンサ230において
も、尿糖センサ240と同様の方法で定期的に校正を実
行する。先に説明した種々の検出方法のうち、上述の検
出方法を適用すれば、クレアチニンセンサ230の構成
を簡易なものとすることができ、また迅速に検出するこ
とが可能となるなどの利点がある。
【0075】次に、タンパクセンサ250について説明
する。タンパクセンサは、尿中のアルブミンを検出す
る。アルブミンの濃度は、腎臓の機能を見る指標として
用いられ、特に糖尿病が進行することによって発症する
糖尿病性腎症では、初期段階で微量に排泄される微量ア
ルブミンを検出することが早期発見のために重要である
といわれている。本実施例では、抗原抗体反応を利用し
てアルブミンを検出している。
【0076】図10は、本実施例におけるアルブミンの
検出原理を示す説明図である。ここでは、アルブミンと
反応するアルブミン抗体を配列した素子252を用い
た。図10(a)に示す通り、この素子上をアルブミン
を含有した尿を流す。尿中のアルブミンは、図10
(b)に示す通り、素子252上のアルブミン抗体と結
合する。抗体と結合するアルブミンの数は、その濃度に
応じて変化する。こうして抗体と結合したアルブミンの
数を検出すれば、尿中のアルブミン濃度を検出すること
ができる。このように抗原抗体反応を利用して検出する
方法を免疫法と呼ぶ。
【0077】本実施例では、抗体と結合したアルブミン
の数を光学的に検出している。図10(b)に示す通
り、抗体が配列されていない裏側から素子252に光源
254から所定の波長の光を照射する。光は素子で全反
射する範囲で入射角θを変化させつつ照射する。このよ
うに光を照射した場合、ある特定の角度で反射光の強さ
が弱くなることが知られている。また、この角度はアル
ブミンと抗体とが結合した割合に応じて変化することが
知られている。従って、反射光が弱くなる角度を光セン
サ256で検出することにより、アルブミンの濃度を検
出することができる。
【0078】素子裏側から入射する光は、レーザー等の
直線光でも、発光ダイオード等の面状の光でもよい。面
状の光を用いれば、一度に種々の入射角で光を照射する
ことができるため、光源254の取り付け機構を簡易な
ものにすることができる。光の検出器は、フォトマルプ
ライヤー等の高感度検出器を直線光の入射角に応じて図
10(b)において円弧を描くように走査するものとし
てもよい。また、検出器の走査に代えて多数のCCD検
出器等を円周方向に並べてもよい。
【0079】こうしてアルブミンの濃度を検出した後、
図10(c)に示す通り、アルブミンと抗体との結合を
乖離させる乖離剤を用いて素子252を洗浄する。アル
ブミンが乖離した後の素子252は再びアルブミンの検
出に使用することができる。なお、かかる原理に基づく
タンパクセンサ250は酵素や電極を使用していないた
め、精度の経時的変化は小さいが、本実施例では精度を
保証するため、定期的に校正を実行している。
【0080】アルブミンの検出方法は、その他種々の方
法が知られている。例えば、上述の素子252において
アルブミンが結合した抗体の割合を、発色性に基づいて
求める方法もある。かかる方法では、アルブミンを抗体
に結合させた状態で、素子252上に同種の抗体を含ん
だ溶液を流す。但し、この抗体は、特定の試薬に反応し
て発色する成分を予め結合したものである。かかる溶液
を流すと、該溶液中の抗体と素子252に固定されたア
ルブミンとが結合する。この状態で試薬を流して発色さ
せると、アルブミンの濃度に応じて発色の程度が変化す
るため、アルブミン濃度を検出することができる。
【0081】また、別の方法として免疫比濁法と呼ばれ
る方法もある。この方法では、アルブミン抗体を含んだ
液中に尿を混入する。尿中にアルブミンが存在する場合
には、このアルブミンガ抗体と結合することによって溶
液が濁る。濁りの程度はアルブミンの濃度に応じて変化
する。従って、この濁度を検出すれば、アルブミンの濃
度を検出することができる。
【0082】アルブミンの検出方法としては、上述のい
ずれの方法を採用するものとしてもよい。但し、本実施
例で適用した方法を採用すれば、比較的精度よくアルブ
ミンの濃度を検出することができる他、素子252を繰
り返し使用することができる利点がある。
【0083】次に、潜血センサ260について説明す
る。本実施例では、アルブミンと同様、免疫法によって
潜血濃度を検出している。アルブミンを検出する場合に
は、アルブミンと反応するアルブミン抗体を配列した素
子252を適用した。これに対し、潜血を検出する場合
には、血液中のヘモグロビンと反応するヘモグロビン抗
体を配列した素子を用いる。図10(a)に示す素子上
に、アルブミン抗体に代えてヘモグロビン抗体を配列し
た素子を用意する。この上に尿を流すと、尿中のヘモグ
ロビンが抗体と結合する。こうしてヘモグロビンと結合
した抗体の割合を図10(b)に示す方法により光学的
に検出する。検出後は、図10(c)に示す通り、乖離
剤によってヘモグロビンを素子から乖離して洗浄する。
【0084】潜血を検出する方法としては、その他種々
の方法を適用することが可能である。例えば、尿中の赤
血球の数を直接カウントする方法を適用することもでき
る。また、ヘモグロビンの偽ペルオキシダーゼ様活性と
呼ばれる周知の発色反応を利用し、その発色性または特
定の波長の光の吸光性によってヘモグロビンの濃度を検
出するものとしてもよい。もちろん、その他の方法も適
用可能である。これらの種々の方法のうち、上述の免疫
法を適用すれば、潜血センサ260の構成を比較的簡易
なものにすることができ、精度よく潜血濃度を検出する
ことができる他、素子を繰り返し使用することができる
利点がある。
【0085】次にナトリウムセンサ270について説明
する。本実施例では尿糖と同様の電極法によってナトリ
ウムイオンの濃度を検出している。図7に示す作用極2
46としてナトリウムイオンと反応する選択膜を使用す
ればよい。ナトリウムセンサ270は、尿中に含まれて
いるナトリムイオンを直接検出するものであり、他の成
分のように酵素を用いた分解や選択透過膜を利用した分
離などの処理は行わない。なお、一般にナトリウムに感
応する選択膜はカリウムイオンにも感応することが知ら
れている。但し、尿中に排泄されるカリウムイオンは、
ナトリウムイオンに比較して非常に微量であるため、分
離などの処理をしなくても検出結果に大きな影響は与え
ない。
【0086】ナトリウム濃度の検出方法も周知の種々の
方法を適用可能である。例えば、炎光光度法と呼ばれる
方法を適用してもよい。炎光光度法とは、炎の中に試料
としての尿を噴霧し、ナトリウムから発せられる特定の
波長の光の強度を測定する方法である。これらの方法の
うち、本実施例の方法を適用すれば、簡易な構成で比較
的精度よくナトリウムイオン濃度を検出することができ
るとともに、繰り返し検出可能であるという利点があ
る。
【0087】次に尿酸センサ280について説明する。
本実施例では、電極法により尿酸を検出している。図1
1は、尿酸の分解の様子を示した説明図である。図示す
る通り、尿酸に水および酸素とともにウリカーゼと呼ば
れる酵素を混入すると、尿酸はアラントインと呼ばれる
物質と、二酸化炭素、過酸化水素に分解される。過酸化
水素は、尿糖センサ240で説明したのと同様、図7に
示す電極を用いて検出することができる。
【0088】図12は、尿酸センサ280の構成を模式
的に示した説明図である。図示する通り、ウリカーゼを
配合した透過膜282に尿を通過させると、図11に示
した反応によって過酸化水素が生成される。一方、尿中
のアスコルビン酸は変質することなく透過膜282を通
過する。このアスコルビン酸は電極法による過酸化水素
の検出に誤差を与える。従って、分解後の尿を、過酸化
水素のみを通過させる選択透過膜284に通過させる。
アスコルビン酸は、選択透過膜284を通過し得ないた
め、過酸化水素とアスコルビン酸とを分離することがで
きる。こうして分離された過酸化水素の濃度を図7に示
した方法で電流値として検出すれば、尿酸の濃度を求め
ることができる。なお、この方法においては、尿糖セン
サ240の場合と同様、経時的に精度が変化するため、
本実施例では、定期的に校正を実行している。校正の方
法は、尿糖センサ240について説明したのと同様であ
る。
【0089】尿酸の検出方法も既知の種々の方法を適用
可能である。例えば、ウリカーゼによって分解された後
の溶液の色に基づいて尿酸の濃度を検出するものとして
もよい。種々の方法の中で、本実施例の方法を適用すれ
ば、比較的簡単な構成で、精度よく尿酸の濃度を検出す
ることができるとともに、繰り返し検出するのに適して
いるという利点がある。
【0090】次に、使用者が健康管理装置の動作を指示
するためのコントロールパネル400について説明す
る。図13は、コントロールパネル400の構成を示す
説明図である。コントロールパネル400には、おとこ
スイッチ481、おんなスイッチ482、取り消しスイ
ッチ483、記憶/呼出スイッチ484、個人識別スイ
ッチ485、掃除モードスイッチ486、時刻設定スイ
ッチ487、校正時刻スイッチ488、調節スイッチ4
89の各スイッチが設けられている。
【0091】コントロールパネル400には、表示部4
91が設けられている。表示部491は、液晶ディスプ
レイで構成されている。表示部491には、尿の取得条
件などのデータを入力するための入力画面、測定結果や
その測定結果に応じた対策を表示する出力画面、装置の
作動状況を示す状況表示画面などを表示する。
【0092】かかる装置構成を有する本実施例の健康管
理装置は、使用者の操作に従って、尿の取得および測定
を行い、そのデータを記憶する。また、取得されたデー
タに基づいて使用者の健康状態を解析し、健康状態に応
じた対策を表示する。
【0093】(2)測定制御 本実施例の健康管理装置の動作について尿の取得および
測定を行うための測定制御ルーチンに沿って説明する。
図14は、測定制御ルーチンのフローチャートである。
このルーチンは、コントロールパネル400を通じて使
用者が指示することにより制御ユニット200内のCP
U210が実行するルーチンである。使用者が性別に応
じてコントロールパネル400のおとこスイッチ481
またはおんなスイッチ482を押すと、CPU210が
測定制御ルーチンを開始し、尿の取得および測定が始ま
る。
【0094】測定制御ルーチンが開始されると、CPU
は装置の初期化および点検処理を実行する(ステップS
10)。本実施例では、装置の初期化として、採尿ユニ
ット300の原点位置を調整し、制御ユニット200の
切替弁206を搬尿パイプ202側に切り替え、制御ユ
ニット200内部に緩衝液を充填して尿を搬送可能な状
態にする。また、点検処理として各センサの寿命の点
検、校正液および緩衝液の量の点検、回路にショートや
断線が生じていないか否かの点検を実行する。なお、本
実施例では、各センサごとに正常に測定回数の上限値を
設けており、今までに測定が行われた累積回数に基づい
てセンサの寿命を判定するものとしている。例えば、校
正液を用いて測定を行い、その出力から寿命を判定する
ものとしても構わない。
【0095】こうして初期化、点検処理が済むと、CP
U210は採尿処理を実行する(ステップS20)。使
用者がおとこスイッチ481を押した場合には図2に示
すおとこ位置Bに採尿器310を移動させ、おんなスイ
ッチ482を押した場合には図2に示すおんな位置Cに
採尿器310を移動させる。また、採尿ユニット300
から制御ユニット200に尿を搬送するため、搬尿パイ
プ202内の吸引を実行する。
【0096】本実施例では、採尿器310に電極を設け
てあり、尿が排泄されると電極が導通する。電極が一旦
導通状態になった後、非導通状態になると、尿の排泄が
終了したものと判定される。使用者が尿を排泄し終える
と、CPU210は採尿ユニット300を図2に示す待
機位置Aに戻す。なお、本実施例では、排泄された尿量
を尿量センサ220で測定しているため、尿量センサ2
20の出力が変化しなくなった時点で尿の排泄が終了し
たものと判定することもできる。
【0097】採尿が終了すると、CPU210は採尿条
件の入力を実行する(ステップS30)。採尿条件は使
用者がコントロールパネル400を通じて入力する。使
用者は、まず個人識別スイッチ485のうち、自己に割
り当てられたスイッチを押す。これにより、使用者の特
定がなされる。本実施例では、4人の使用者まで対応可
能となっている。次に、使用者は採尿条件として、採尿
直前の食事時間を入力する。表示部491に表示された
デフォルトの食事時間を、調節スイッチ489を押して
修正することにより食事時間を入力する。前回の採尿か
ら今回の採尿までに食事を摂っていない場合には、食事
時間の入力をキャンセルすることもできる。なお、採尿
条件として、さらに食事内容、摂取したカロリーや水分
の摂取量などの情報を入力可能にしてもよい。CPU2
10は、使用者によって入力されるこれらの情報とは別
に、採尿が行われた時刻をも採尿条件として入力する。
【0098】次に、CPU210は、尿の測定処理を実
行する(ステップS40)。測定処理は、制御ユニット
200に備えられた各センサによってそれぞれ並行して
実行される。本実施例における測定内容は、既に説明し
た通り、尿量、クレアチニン濃度、尿糖濃度、アルブミ
ン濃度、潜血濃度、ナトリウムイオン濃度、尿酸濃度の
7項目である。
【0099】測定処理の内容を図15のフローチャート
に基づいて説明する。測定処理ルーチンでは、CPU2
10はまず尿量の検出を実行する(S42)。尿量は尿
量センサ220により検出される。実際には、尿量セン
サ220は、尿の排泄中に尿の流量を逐次出力してい
る。CPU210はこれらの出力結果を積分して尿量を
算出するのである。
【0100】次に、CPU210は各成分の測定を実行
する(ステップS44)。クレアチニン濃度など上述の
各成分はそれぞれのセンサで検出される。CPU210
は各センサの動作を制御して、その出力に基づいてそれ
ぞれの成分を検出する。こうして検出された諸量に基づ
いてCPU210は、クレアチニン比の算出を行う(ス
テップS46)。つまり、検出された各成分の濃度を、
同じく検出されたクレアチニンの濃度で割るのである。
既に説明した通り、一日に排泄されるクレアチニンの量
は個人ごとにほぼ一定の値となることが知られている。
従って、クレアチニン比を算出することにより、各成分
の値をクレアチニンが単位量だけ含まれた濃度の尿中の
値に正規化することができ、排泄される度に変動する尿
の濃度の影響をほぼ除去したデータを得ることができ
る。一日に排泄されるクレアチニンの量TCRを別の手
段によって予め検出しておけば、上述のクレアチニン比
とTCRとの積を求めることによって、各成分の一日当
たりの排泄量を推定することも可能である。
【0101】CPU210は検出されたデータに基づい
て24時間尿データの算出も実行する(ステップS4
8)。24時間尿データとは、日付ごとに累積した値で
はなく、過去24時間分の尿中に含まれるそれぞれの成
分の累積値をいう。図16は24時間尿データの算出の
様子を示す説明図である。健康管理装置は、過去の測定
結果を尿の取得時間とともにハードディスク216内部
に記憶している。図16は、横軸に時間を取り、各時間
における測定データを帯グラフとして示したものであ
る。それぞれの日付D1,D2,D3ごとに数回の採尿
が行われていることを示している。データNは今回取得
されたデータを示している。CPU210は最新のデー
タNの取得時刻に基づいて24時間前までのデータを判
別する。図16中の区間Hに含まれるデータが24時間
分のデータに該当する。CPU210は区間Hに含まれ
るデータについて各成分ごとの累積値を求め、24時間
尿データとするのである。
【0102】CPU210は、今回検出されたデータ
と、過去に検出されたデータとを用いて統計処理を実行
する(ステップS50)。過去に検出されたデータはハ
ードディスク216に記憶されている。本実施例では、
統計処理として、これらのデータの平均値および標準偏
差を求めている。
【0103】次にCPU210は、採尿したデータが朝
の2番尿に該当するか否かを判定する(ステップS5
2)。2番尿とは、起床後2回目に排泄された尿をい
う。健康管理装置は過去の尿の取得結果を取得時刻とと
もに記録しているため、起床後2回目の排泄であるか否
かは取得時刻の履歴に基づいて容易に判定することがで
きる。本実施例では、午前中に取得されたデータである
こと、前回の取得から5時間以上を経て取得されたデー
タであることの2つの条件を満足するデータを1番尿と
認定し、該データの次のデータを2番尿と判定してい
る。午前中に取得されたデータのうち最初のものを1番
尿と認定しなかったのは、午前0時を過ぎてから就寝す
る場合を考慮したものである。もちろん、2番尿の判定
条件は、実際の生活に応じて適切に判断できるよう、上
述の他、種々の条件を設定するものとして構わない。
【0104】2番尿であると判定された場合には、さら
にそのデータが朝食前のデータであるか否かを判定する
(ステップS54)。使用者は採尿条件として食事時間
を入力するから、食事時間と採尿時間との比較によって
朝食前のデータであるか否かは容易に判定することがで
きる。こうして、2番尿であるという条件と、朝食前で
あるという条件の双方を満足する場合には、2番尿フラ
グに値1を代入する(ステップS56)。いずれか一方
の条件を満足しない場合には、2番尿フラグに値0を代
入する(ステップS54)。このようにして朝食前に取
得された2番尿(以下、朝食直前尿と呼ぶ)のデータを
識別するのは、かかるデータが健康管理上、大きな意義
を有しているからである。朝食直前尿の健康管理上の意
義については後述する。
【0105】以上の処理を実行すると、CPU210は
測定処理ルーチンを終了して、測定制御ルーチンに戻
る。測定制御ルーチンでは、CPU210は測定結果に
基づいてアドバイス設定処理を実行する(ステップS6
0)。この処理の概要を図17に示す。図示する通り、
アドバイス設定処理とは、ハードディスク216に記憶
された対策データベースを参照して、使用者の健康管理
上の対策を設定する処理である。
【0106】対策データベースを参照するための入力と
なるデータとしては、採尿条件、今回の測定結果、クレ
アチニン比、24時間尿データ、朝食直前尿データ、お
よびこれらの経日データなどが挙げられる。出力データ
としては、使用者の健康状態として、例えば、糖尿病の
可能性などの判定結果を出力する。また、健康状態を改
善するためのアドバイスを設定する。かかるアドバイス
には食事に関するものが含まれる。例えば、具体的な献
立の候補を示すものとしてもよいし、摂取すべきカロリ
ーや栄養素の目標値を示すものとしてもよい。
【0107】本実施例の対策データベースに記憶されて
いるデータの一例を示す。図18は、糖負荷後の血糖値
の変化を示すグラフである。血糖値を検査する際には、
糖負荷は所定濃度のブドウ糖溶液を飲むことにより与え
られるが、通常の生活においては食事が糖負荷に相当す
る。図18に示す通り、食後の経過時間によって血糖値
は変化する。図示する通り、食前の空腹時で血糖値が1
40mg/dl以上である場合、および食後2時間経過
時に血糖値が200mg/dl以上である場合には、糖
尿病の疑いが高い。正常値は、空腹時の血糖値が110
mg/dl以下、および食後2時間経過時の血糖値が1
20mg/dl以下である。
【0108】一方、糖は血糖値が所定の閾値以上になっ
た場合に尿中に排泄されるといわれている。つまり、血
糖が上昇しても、閾値が高い人は尿糖が排泄されにく
く、逆に閾値が低い人は排泄されやすい。従って、尿糖
値だけでは異常の判断を的確に行うことは困難である。
一方、尿糖値は、図18に示す血糖値の変化に伴って、
食後の経過時間に応じて変化する。かかる性質に基づ
き、対策データベースには、食後の経過時間に応じた尿
糖値の変化に基づいて糖尿病か否かを判定するデータが
記憶されている。糖尿病が亢進すると、図18に示す様
に食事により上昇した血糖値は空腹時の値に戻る戻り速
度が遅くなる。この傾向は、応答時間の違いはあるが、
尿糖値にも現れる。本実施例では、対策データベースと
して、食事により上昇した尿糖値が空腹時の値に戻るま
での経過時間の経日的な変化を個人毎に分析し、糖尿病
の亢進状態を判定するためのデータを記憶している。
【0109】図19は、糖尿病性腎症とアルブミンの検
出との関係を示す説明図である。糖尿病が進行すると、
合併症の一つとして糖尿病性腎症を引き起こすことが知
られている。糖尿病性腎症では、その初期において、尿
中に微量のアルブミンが排泄される。従って、対策デー
タベースには、糖尿病性腎症とアルブミンの排泄量との
関係が記憶されている。一般にアルブミンとクレアチニ
ンとの比が22mg/g・Cr以上である場合に糖尿病
性腎症の疑いが強いといわれている。
【0110】その他の成分についても、それぞれ一般的
な正常値が存在する。例えば、尿酸濃度は、成人男性で
4.0〜7.0mg/dl、成人女性で3.0〜3.5
mg/dlが正常値といわれている。一日あたりに50
0〜800mg排泄されるといわれている。ナトリウム
イオンについては、80〜250mmol/リットルと
いわれている。対策データベースには、これらの値が記
憶されている。
【0111】潜血濃度の場合は、検出されること自体が
異常である。但し、原因不明で一時的に潜血が検出され
るいわゆる突発性血尿も存在するため、潜血が検出され
た時点で異常と判断するのは妥当ではない。潜血が検出
された履歴に基づいて判定することが好ましい。その一
方で、尿の濃度が薄い場合には、血液が混入しているに
も関わらず潜血として検出されないこともある。従っ
て、対策データベースでは、尿の濃度に基づいて潜血の
検出結果の信憑性を判断するためのデータ、および潜血
の検出履歴に基づいて健康状態の異常を判断するための
データが記憶されている。
【0112】対策データベースでは、上述の通り、種々
の病気との関係で、各成分の正常値に関するデータを記
憶している。このデータは、随時検出された成分の濃度
に対応したデータ、クレアチニン比に対応したデータ、
24時間尿に対応したデータ、数日間の経日変化に対応
したデータなど種々の態様のデータに対応して用意され
ている。
【0113】また、対策データベースには、健康状態に
応じた対策を記憶している。例えば、糖尿病の程度に応
じて血糖コントロールをするために糖分やエネルギーの
摂取量の目標値を記憶している。また、糖尿病性腎症な
どに対しては、タンパクの摂取量の目標値などを記憶し
ている。その他の成分に関与する病気についても同様で
ある。対策データベースには、健康状態を改善する対策
の一つとして運動の目安なども記憶されている。
【0114】さらに、対策データベースには、健康管理
装置の使い方に関するアドバイスも記憶されている。糖
尿病を例にとって、アドバイスの具体例を図20に示
す。図示するように、糖尿病の進行具合に応じて対象者
を3種類に分類し、それぞれの対象者に対して、健康管
理装置の使い方として尿糖値の測定を行うのに適した時
間帯、健康状態を改善する対策が記憶されている。これ
らのアドバイスはコントロールパネル400に表示され
る。
【0115】この対策データベースによれば、尿糖値に
関連する分析データから使用者に糖尿病の疑いがあると
判定された場合、つまり境界型と判定された場合には、
食後2〜3時間後に尿糖値の測定を行うように使い方の
指示を行う。先に説明した通り、一般に食後2〜3時間
後に尿糖値はもっとも高くなる。境界型の場合にいは、
比較的尿糖値が検出されにくいため、かかる時間帯に意
識的に測定を行うように促すことにより、測定精度を向
上することができる。また、境界型の場合には、一時的
な要因に依る場合も考えられるため、対策として継続的
にチェックするように促すアドバイスを表示する。
【0116】境界型よりも糖尿病の疑いが強い軽症と判
定された場合には、食前と食後2〜3時間後にチェック
するように使い方の指示を行う。糖尿病が進行すると、
食前にも尿糖が検出されることが多いため、食前のチェ
ックを促すことにより、適切な判断を行うことが可能と
なる。この段階では、糖尿病の疑いが比較的強いため、
尿糖が検出された場合には、医師の診断を促す表示も行
う。
【0117】さらに病状が進んで中症以上と判定された
場合には、食前のチェックを主として行うように使い方
の指示を表示する。治療の効果を計るためには、食前に
おける尿糖値のチェックが効果的だからである。また、
尿糖値が以前よりも上昇した場合には、医師の指導を促
す表示も行う。
【0118】このように病状に合わせて、測定に好まし
い時間帯を指示することにより、本実施例の健康管理装
置は、健康状態の判断およびアドバイスの設定を適切に
行うことができる。ここでは、糖尿病を例に説明した
が、その他の生活習慣病に対しても同様に測定に適した
時間帯を指示することが可能である。場合によっては、
時間帯のみならず、測定前に取得すべき食事内容や水分
量などを指示するものとしてもよい。また、上述の例で
は健康管理装置が使用者の健康状態を自動的に判定する
ものとして説明したが、図20中のいずれの対象者に該
当するかを医師の指示に応じて使用者が選択可能にする
ものとしてもよい。
【0119】なお、健康状態の判断や対策の設定など
は、複数の測定結果に基づいて有機的に判断する必要が
ある。本実施例では、人工知能の技術を適用して、かか
る判断を行っている。ハードディスク216には、上述
の知識を記憶した対策データベースの他、これらの推論
を進める上で必要となる推論規則データベースも記憶さ
れている。図14のアドバイス設定処理(ステップS6
0)において、CPU210はこれらのデータベースを
参照して、健康状態、対策などを推論し、設定するので
ある。
【0120】こうして健康状態の判断および対策などが
設定されると、CPU210は結果の表示を行う(ステ
ップS70)。結果はコントロールパネル400の表示
部491に表示される。表示内容は、今回の測定結果お
よび健康状態の判断結果、対策などである。表示内容
は、使用者がコントロールパネル400の調節スイッチ
489を操作することにより任意に選択することができ
る。
【0121】CPU210は、結果を表示すると共に測
定結果などのデータをハードディスク216に記録する
(ステップS80)。本実施例におけるデータ構造を図
21に示した。図示する通り、測定結果は、個人を識別
するためのIDデータと、採尿条件データと、測定結果
データとを関連づけた状態で記憶される。採尿条件デー
タは、採尿時刻の他、使用者が入力した採尿条件に基づ
き設定される、食後の経過時間、水分摂取量、食事内容
などのデータである。測定結果データは、尿量、クレア
チニン濃度の他、各種センサで検出されたデータであ
る。これらのデータには、直接検出された値の他、クレ
アチニン比や24時間尿データなどに加工したデータも
含まれる。また、2番尿フラグも同時に記憶される。
【0122】データの記録が終了すると、CPU210
は装置の洗浄および空引き処理を実行する(ステップS
90)。つまり、CPU210は、図3に示した切替弁
206を給水パイプ204側に切り替えて洗浄水を吸引
し、制御ユニット200内部の各センサを洗浄する。ま
た、採尿ユニット300に備えられている洗浄用のノズ
ルにも洗浄水を供給し、採尿ユニット300の洗浄を実
行する。これらの洗浄が終了すると、CPU210は洗
浄水を排出し、空気を吸引して、制御ユニット200内
部および採尿ユニット300の水滴を除去する。空引き
処理を行うのは、採尿ユニット300および制御ユニッ
ト200内部に水が残存することにより、次回の採尿お
よび測定に誤差を与えることを回避するためである。こ
の処理によって次回の採尿の準備が完了すると、CPU
210は測定制御ルーチンを終了して、使用者からの指
示を待つ待機状態になる。
【0123】本実施例では、コントロールパネル400
の操作により、以上で説明した種々の処理のうち一部の
みを実行させることが可能である。例えば、記憶/呼出
スイッチ484を操作し、個人識別スイッチ485でい
ずれかの使用者を選択すれば、測定制御ルーチンのうち
結果表示処理およびデータ記録処理のみを実行させるこ
とができる。本実施例の健康管理装置は、先に説明した
通り、フレキシブルディスクを介して他の健康管理装置
とデータの授受が可能に構成されている。記憶/呼出ス
イッチ484を操作するとともに、調節スイッチ489
でデータの入力先としてフレキシブルディスクを選択す
ることによって、フレキシブルディスクからデータが入
力され、コントロールパネル400の表示部491に表
示される。データの記録先として個人識別スイッチ48
5のいずれかを指定すれば、フレキシブルディスクから
入力されたデータをハードディスク216内に記憶する
ことも可能である。逆にハードディスク内に記憶された
個人のデータをフレキシブルディスクに転送することも
可能である。また、コントロールパネル400の掃除モ
ードスイッチ486を操作すれば、以上で説明した処理
のうち洗浄、空引き処理のみを実行することができる。
【0124】以上で説明した本実施例の健康管理装置に
よれば、通常行う用便行為に基づいて、使用者の健康状
態を適切に管理することができる。従って、生活習慣病
などのように非常に緩やかに進行する健康状態の変化を
捉えるのに十分な頻度で継続的に分析データを取得する
ことができ、種々の病気の早期発見および治療に役立て
ることができる。
【0125】本実施例の健康管理装置は、尿の測定結果
を、採尿条件とともに記憶する他、クレアチニン比、2
4時間尿データなどに加工して記憶する。尿を測定して
得られた結果は、例えば食後の経過時間や尿の濃度など
種々の誤差要因の影響を受ける。本実施例の健康管理装
置によれば、これらの誤差要因の影響を把握または除去
可能なデータとして測定結果を管理することにより、適
切な健康管理を可能としている。
【0126】具体的に本実施例の健康管理装置で検出さ
れたデータを図22および図23に示す。ここでは、測
定可能な成分のうち尿糖を例にとって説明する。図22
(a)は被験者の一日の尿糖の変化を示したグラフであ
る。図22(b)は採尿と同時に測定した血糖値の変化
を示すグラフである。双方ともに大きな日内変動を示
し、特に食後には値が大きく増加する。しかし、血糖値
の変動と尿糖の変動とは傾向が一致しない。尿糖には先
に述べた種々の誤差要因が影響しているものと考えられ
る。
【0127】なお、図22(a)には本実施例の健康管
理装置によって検出された値と、一般に使用されている
尿糖値を検出するための臨床試験機によって検出された
値の双方を示した。両者がほぼ一致していることから、
本実施例の健康管理装置は、先に示した原理に基づき、
精度よく尿糖値が検出されていることが分かる。
【0128】図23(a)は、図22(a)の検出結果
に対し、尿糖値をクレアチニン濃度で割ったクレアチニ
ン比を示すグラフである。図23(a)と図22(b)
との比較から明らかな通り、クレアチニン比は、変動の
傾向が血糖値とほぼ一致することが分かる。
【0129】尿酸に関する例を図24に示す。図24
(a)は被験者の一日の尿量の変化、図24(b)は尿
酸の変化を示している。双方ともに大きく日内変動する
事が分かる。特に、尿酸の濃度は0mg/dlに近い値
から80mg/dlに近い値にまで大きく変動してお
り、これだけから健康状態を判断することは困難であ
る。図24(c)は尿酸のクレアチニン比の変動を示し
たグラフである。図示する通り、クレアチニン比は値
0.5付近の比較的狭い範囲で変動することが分かる。
従って、クレアチン比を用いれば、正常か否かの判断を
適切に行うことができる。
【0130】以上の例で示される通り、クレアチニン比
を用いれば各成分に対して尿の濃度の影響を低減するこ
とができることが分かる。本実施例の健康管理装置によ
れば、測定結果として、クレアチニン比のデータを使用
者に提供可能であるため、適切に健康管理を行うことが
できる。
【0131】また、本実施例の健康管理装置は、24時
間尿のデータを算出することが可能である。先に説明し
た通り、成分によっては正常値が24時間尿データに基
づいて与えられる場合もある。また、24時間尿のデー
タは、24時間中に排泄された成分の絶対量を求めるも
のであるため、尿の濃度変動などの影響を受けない。本
実施例の健康管理装置によれば、測定結果として、24
時間尿のデータを提供可能であるため、適切に健康管理
を行うことができる。
【0132】図22(a)に示した通り、測定データ
は、取得条件に応じて誤差が大きく変動する。例えば、
尿糖値は食前と食後で全く異なる値となる。本実施例の
健康管理装置によれば、測定データと取得条件とを関連
付けて取得し、記憶する。従って、取得された測定結果
と健康状態との関係を、取得条件に応じて適切に判断す
ることが可能となる。
【0133】その一例として本実施例の健康管理装置
は、朝食直前尿の測定データを識別可能にしている。尿
中の成分には、運動など個人の活動状況も影響を与え
る。かかる影響は睡眠によりほぼ解消すると考えられ
る。従って、起床直後の尿は、活動状況の影響が非常に
小さいと考えられる。一方、尿中の成分には食事内容が
影響する。起床直後の尿は、前日の夕食の影響が残存し
ている可能性がある。これらの観点から、朝食前に取得
された2番尿は外的な誤差要因が最も少ないと考えられ
る。
【0134】図25は朝食直前尿中の尿糖の経日変化を
示すグラフである。図25(a)は、それぞれ朝食直前
尿の尿糖値およびクレアチニン比の変化を示している。
図25(b)は採尿と同じ時刻に測定された血糖値の変
化を示すグラフである。朝食直前尿中の尿糖値およびク
レアチニン比の変化は、血糖値の変化とほぼ一致してい
ることが分かる。また、朝食直前尿では尿糖値とクレア
チニン比の変化もほぼ一致していることから、尿の濃度
変動の影響も非常に小さいことが分かる。本実施例の健
康管理装置は、尿の測定結果と取得条件と相関とを持た
せた状態で記憶することにより、このように外的な誤差
要因の影響を最も受けにくいデータを選択することがで
きるため、健康状態を適切に管理することができる。
【0135】なお、取得されたデータの中から選択する
データは、必ずしも朝食直前尿に限られるものではな
い。図23(b)は尿糖値の平均濃度の変化を示すグラ
フである。このグラフは、朝食1時間後、2時間後、3
時間後、昼食前のそれぞれの時刻にのみ尿を排泄した場
合の尿糖の推定値である。図示する通り、時間の経過と
ともに尿糖値は増加する。かかる傾向を踏まえ、例えば
尿糖が検出されにくい比較的軽症の糖尿病患者に対して
は、食後数時間経過した後に初めて取得されたデータの
みを選択することもできる。その他、使用者の健康状態
や測定の目的などに応じて種々、適切な取得条件下のデ
ータを選択することが可能である。
【0136】本実施例の健康管理装置は、過去の測定デ
ータをハードディスク216に記憶しているため、これ
らのデータに基づいて種々の統計処理を施すことができ
る。例えば、過去の測定データの平均値を求めたり、標
準偏差を求めたりすることができる。既に説明した通
り、測定結果には種々の誤差を含んでいるが、通常、こ
れらの誤差は所定のばらつきの範囲内に収まる。従っ
て、統計処理を施すことにより、誤差の影響を低減する
ことができる。本実施例の健康管理装置は、取得条件と
ともに測定結果を記憶しているため、類似した取得条件
下でのデータを用いた統計処理を施すことも可能であ
る。
【0137】また、本実施例の健康管理装置は、次のよ
うな統計処理に基づき、健康管理を行うことも可能であ
る。前述の通り、一般的には、測定データの誤差は所定
のばらつきの範囲に収まると考えられる。逆に、所定の
ばらつきから外れる測定データが得られた場合には、通
常の誤差要因以外の原因、つまり使用者の健康状態に何
らかの異常があったものと推測することができる。かか
る観点から、本実施例の健康管理装置は、標準偏差およ
び平均値を計算し、平均値に対して標準偏差に基づいて
規定される所定のばらつきの範囲外にある測定データを
抽出する。さらに、抽出された測定データの値や発生頻
度を算出する。これらの値についての目標値を予め設定
することにより、統計処理の結果と該目標値との比較に
基づいて健康状態を管理することができる。これらの統
計処理を適用することにより、本実施例の健康管理装置
によれば、健康管理を適切に行うことができる。
【0138】本実施例の健康管理装置は、フレキシブル
ディスクを介して他の装置とデータの授受が可能であ
る。日常生活において個人が用便をする場所は一カ所と
は限らない。自宅や外出先など様々な場所で用便するの
が通常である。本実施例の健康管理装置によれば、複数
の装置間で分析データのやりとりが可能となるため、異
なる場所で用便をした場合であっても、分析データを一
元的に管理することができる。この結果、個人の分析デ
ータをより頻繁に取得することができ、より適切な健康
管理を行うことができる。また、本発明の健康管理装置
は、使用者ごとの識別データを付してデータを記憶して
いるため、一台の健康管理装置を複数の人間が使用する
場合であっても、各個人の健康管理を適切に行うことが
可能となる。
【0139】本実施例の健康管理装置は、測定結果に基
づいて、使用者に適切な対応を示唆することができる。
従って、専門的知識を有しない使用者でも、適切な健康
管理を行うことが可能となる。
【0140】以上で説明した種々の効果に基づき、本実
施例の健康管理装置によれば、使用者に特別な負担をか
けることなく、その健康状態を適切に管理することが可
能となる。特に、日常の用便行為に基づいて頻繁かつ継
続的に検査を実施することができるため、生活習慣病な
ど非常に緩やかに進行する病気の早期発見に有効であ
る。また、こうした病気の多くは食事療法など長期間に
亘る治療によって快方に向かうことが多い。本実施例の
健康管理装置によれば、かかる治療が適切に行われてい
るか否かの指標を使用者に与えることができるため、適
切な治療を継続的に実施することが可能となる。
【0141】なお、本実施例の健康管理装置について
は、種々の変形例が考えられる。装置の構成に関するも
のとして、実施例では、洋式便器のリム部分に着脱可能
な採尿ユニット300を有する構成を採用した。これに
対し、装置を携帯可能な大きさとしてもよい。装置全体
を携帯可能にする他、種々の態様で携帯可能な装置を構
成することができる。例えば、尿を採取し保存するユニ
ットおよび尿の採取条件を記憶するユニットのみを携帯
可能な装置として構成し、尿の分析自体は据え付けの健
康管理装置本体で事後的に行うものとしてもよい。ま
た、尿中の各成分を測定するためのセンサとして簡易な
方法を採用するものとしてもよい。さらに、分析対象と
なる成分を限定した装置として構成してもよい。こうす
れば、トイレを選ばずに測定データを取得することがで
き、健康管理に活用可能な測定データをより頻繁かつ継
続的に取得することが可能となる。また、各個人ごとに
装置を用意することができるため、使用者の特定が容易
となる利点もある。
【0142】また、採尿ユニットを便座に組み込むこと
も可能である。こうすれば、採尿ユニットを安定して洋
式便器に取り付けることが可能となる。当然、便座自体
を取り替えることによって、既に設置されている洋式便
器に後から健康管理装置を取り付けることが可能であ
る。この他、健康管理装置を洋式便器またはキャビネッ
トに内蔵してもよいことはいうまでもない。採尿ユニッ
トを取り付ける便器も洋式便器に限られない。また、採
尿ユニットは可動部によって積極的に尿を取得する部分
である必要はなく、便器において尿が流れる流路部分に
本実施例の種々のセンサを配列する形式としてもよい。
【0143】本実施例では、フレキシブルディスクを介
して他の装置とのデータ授受を可能にした。さらに、そ
の他の手段を用いてデータの授受を可能にしてもよい。
例えば、健康管理装置同士または健康管理装置とコンピ
ュータをケーブルで接続し、データ転送を行うものとし
てもよい。さらに、ネットワークを介して通信によりデ
ータを授受可能にしてもよい。この他、通信は無線式で
あってもよい。
【0144】本実施例では、コントロールパネル400
の個人識別スイッチ485によって使用者を識別するも
のとした。これに対し、個人を特定するためのIDまた
は氏名などを入力することによって使用者を識別するも
のとしてもよい。かかるIDはコントロールパネル40
0から入力するものとしてもよいし、使用者ごとに用意
されたICカードまたはフレキシブルディスクから読み
とるようにしてもよい。
【0145】本実施例では、尿量、クレアチニン、尿
糖、アルブミン、潜血、尿酸、ナトリウムを検出可能と
した。さらに多くの成分を検出可能としてもよいし、こ
れらの一部のみを検出するものとしてもよい。また、使
用者に応じて検出する成分を選択可能としてもよい。
【0146】本実施例では、健康管理に活用可能なデー
タをクレアチニン比、24時間尿などの形態で取得する
ものとしているが、いずれか一方のみを取得するものと
してもよい。また、外的な誤差要因の影響を低減可能で
あれば、さらに異なる形態でデータを取得するものとし
てもよい。本実施例では、健康管理装置のみにより取得
されるデータに基づいて健康管理を行う場合を説明した
が、専門機関による検査結果を入力可能とし、双方の結
果を用いて健康管理を行うものとしてもよい。
【0147】本実施例では、例えば食事内容などのデー
タを使用者がコントロールパネル400から入力するも
のとした。これらのデータの入力を簡便にする種々の手
段を適用してもよい。例えば、コントロールパネルを食
卓付近に設置可能とし、食事中にそのデータを入力可能
にしてもよい。また、病院などのように供給される食事
が決まっている場合には、食事内容については、病院側
で一括入力するものとしてもよい。さらに、一部の外食
産業で提供されているような、献立に含まれる栄養素や
エネルギなどを表示したカードから所定の情報を読みと
り可能にしてもよい。
【0148】本実施例では、尿量を検出し、24時間尿
データを取得した。これに対し、クレアチニン濃度に基
づいて24時間尿データに相当するデータを算出するも
のとしてもよい。先に説明した通り、クレアチニンの一
日の排出量は、各個人ごとにほぼ一定値となることが知
られている。一方、クレアチニン比は、クレアチニンの
単位重量当たりに換算した各成分の排出量を意味してい
る。従って、使用者の1日当たりのクレアチニン排出量
を予め測定し、健康管理装置に入力しておけば、この値
とクレアチニン比との積によって、各成分の一日当たり
の排出量を推定することができる。こうすれば、尿量を
測定する必要もなくなり、装置の構成を簡易なものにす
ることができる。かかる方法によれば、1回の検出結果
に基づき24時間尿データに相当するデータを得ること
ができる。もちろん、こうして算出されたデータの平均
値を24時間尿データとして用いるものとすれば、さら
に好ましい。
【0149】本実施例では、流量計を用いて尿量を測定
している。これに対し、尿の重量によって尿量を検出す
るものとしてもよいし、体積によって検出してもよい。
尿の重量を検出する場合には、尿自体の重量を直接検出
するものの他、排泄前後の使用者の体重差から尿の重量
を求めるものとしてもよい。
【0150】本実施例では、測定結果に基づいて対策を
示唆するものとした。本実施例で示した示唆内容は一例
に過ぎず、種々のレベルが考えられる。例えば、医師の
診断を受けるべきか否かの判断を示すものとしてもよ
い。食事内容を献立の候補で示すものとしてもよい。こ
れらの対策は、対策データベースを参照することにより
設定されるから、使用者の健康状態に応じた対策データ
ベースを用いることができる構成としてもよい。例え
ば、対策データベースをCD−ROMなどのメディアで
提供するものとし、健常な使用者向け、糖尿病患者向け
など種々のメディアを用意するものとしてもよい。こう
すれば、健常な使用者の健康デェックから、本格的な食
事療法など幅広い範囲に適用することが可能となる。
【0151】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。本実施例では、尿の測定を対象とした
装置を例に説明したが、便を用いて健康管理を行うもの
としてもよい。また、目的によっては、その他の排泄物
を用いるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の健康管理装置の斜視図である。
【図2】採尿ユニット300が装着された洋式便器10
0の側面図である。
【図3】制御ユニット200内部の尿等の処理経路を示
す説明図である。
【図4】本実施例の健康管理装置の電気的な接続関係を
示す説明図である。
【図5】本実施例における尿糖の検出原理を示した説明
図である。
【図6】尿糖を検出するための構成を模式的に示した説
明図である。
【図7】過酸化水素液中の過酸化水素濃度を定量的に検
出するための回路図である。
【図8】クレアチニンの化学変化の様子を示す説明図で
ある。
【図9】本実施例におけるクレアチニンの検出方法を模
式的に示した説明図である。
【図10】本実施例におけるアルブミンの検出原理を示
す説明図である。
【図11】尿酸の分解の様子を示した説明図である。
【図12】尿酸センサ280の構成を模式的に示した説
明図である。
【図13】コントロールパネル400の構成を示す説明
図である。
【図14】測定制御ルーチンのフローチャートである。
【図15】測定処理のフローチャートである。
【図16】24時間尿データの算出の様子を示す説明図
である。
【図17】アドバイス設定処理の概要を示す説明図であ
る。
【図18】糖負荷後の血糖値の変化を示すグラフであ
る。
【図19】糖尿病性腎症とアルブミンの検出との関係を
示す説明図である。
【図20】糖尿病に関するアドバイスの例を示す説明図
である。
【図21】ハードディスク216に記録するデータ構造
を示す説明図である。
【図22】尿糖値および血糖値の日内変動を示すグラフ
である。
【図23】クレアチニン比および平均尿糖値の変動を示
すグラフである。
【図24】尿酸値の日内変動を示すグラフである。
【図25】尿糖値および血糖値の経日変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
100…洋式便器 102…便座 104…便蓋 106…洗浄水タンク 200…制御ユニット 202…搬尿パイプ 204…給水パイプ 206…切替弁 208…緩衝液タンク 216…ハードディスク 218…入出力ポート 220…尿量センサ 230…クレアチニンセンサ 232…選択透過膜 234…透過膜 240…尿糖センサ 241…透過膜 242…選択透過膜 244…ポテンショスタット 245…参照極 246…作用極 247…対極 248…電流センサ 250…タンパクセンサ 252…素子 254…光源 256…光センサ 260…潜血センサ 270…ナトリウムセンサ 280…尿酸センサ 282…透過膜 284…選択透過膜 300…採尿ユニット 310…採尿器 320…アーム 400…コントロールパネル 481…おとこスイッチ 482…おんなスイッチ 483…取り消しスイッチ 484…記憶/呼出スイッチ 485…個人識別スイッチ 486…掃除モードスイッチ 487…時刻設定スイッチ 488…校正時刻スイッチ 489…調節スイッチ 491…表示部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の排泄物を測定し、該測定に基づ
    いて該使用者の健康管理に関与する情報を提供する健康
    管理装置であって、 前記排泄物に関わる所定の物理量を測定して、前記使用
    者の健康状態に関連した測定データを取得する測定デー
    タ取得手段と、 使用者の生活行為に起因する各測定データの誤差要因に
    基づいて、前記測定データを処理することにより、前記
    使用者の健康管理に活用可能な分析データを生成する分
    析データ生成手段と、 該分析データを出力する出力手段とを備える健康管理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の健康管理装置であって、 前記測定データの取得条件を入力する入力手段を備え、 前記分析データ生成手段は、該取得条件と前記測定デー
    タとを関連づけて前記分析データを生成する手段である
    健康管理装置。
  3. 【請求項3】 前記分析データ生成手段は、さらに、前
    記測定データの中から誤差が比較的小さいと推測される
    測定データを、前記取得条件に基づいて選択する手段を
    備える請求項2記載の健康管理装置。
  4. 【請求項4】 前記取得条件は、使用者の食生活との関
    係を表すパラメータである請求項2記載の健康管理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の健康管理装置であって、 前記測定データを逐次記憶する記憶手段を備え、 前記分析データ生成手段は、該記憶手段に記憶された複
    数の測定データを用いた統計処理によって前記分析デー
    タを生成する手段である健康管理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の健康管理装置であって、 前記排泄物につき、測定データに影響を与える状態量を
    検出する検出手段を備え、 前記分析データ生成手段は、前記状態量が前記測定デー
    タに与える影響を補償して前記分析データを生成する手
    段である健康管理装置。
  7. 【請求項7】 前記状態量の一つは前記排泄物の量であ
    る請求項6記載の健康管理装置。
  8. 【請求項8】 前記状態量の一つは、前記測定データに
    関与する成分の前記排泄物の濃度である請求項6記載の
    健康管理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の健康管理装置であって、 前記排泄物は尿であり、 前記状態量は、クレアチニンの濃度である健康管理装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の健康管理装置であっ
    て、 前記測定データは、使用者の健康状態の長期的な変化を
    検出可能な情報である健康管理装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の健康管理装置であっ
    て、 前記排泄物は尿であり、 前記測定データは、尿糖、タンパク、潜血、ナトリウム
    イオン、尿酸のうち少なくとも一つの成分に関するデー
    タである健康管理装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の健康管理装置であっ
    て、 複数の健康管理装置間で前記分析データ、測定データ、
    誤差要因の少なくとも一つをやりとり可能なデータ授受
    手段を備える健康管理装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の健康管理装置であっ
    て、 複数の使用者を識別する識別手段と、 該識別された使用者との相関を確保した態様で、前記分
    析データおよび測定データの少なくとも一つを、単独ま
    たは誤差要因と関連付けて記憶する記憶手段とを備える
    健康管理装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の健康管理装置であっ
    て、 健康状態に応じた対策を、前記分析データとの関連で記
    憶する対策記憶手段と、 該対策記憶手段を参照して、前記分析データから推定さ
    れる使用者の健康状態に応じた対策を示唆する示唆手段
    とを備える健康管理装置。
  15. 【請求項15】 便器に装着されて前記排泄物を採取す
    る排泄物採取手段を、便器と着脱可能に備える請求項1
    記載の健康管理装置。
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