JP2000123783A - 2次イオン質量分析装置、該装置の試料ホルダ及び2次イオン質量分析方法 - Google Patents

2次イオン質量分析装置、該装置の試料ホルダ及び2次イオン質量分析方法

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JP2000123783A
JP2000123783A JP10293976A JP29397698A JP2000123783A JP 2000123783 A JP2000123783 A JP 2000123783A JP 10293976 A JP10293976 A JP 10293976A JP 29397698 A JP29397698 A JP 29397698A JP 2000123783 A JP2000123783 A JP 2000123783A
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Noriyuki Kodama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セクタ型の検出限界の低い利点を生かしつ
つ、Q−pole型並みの深さ分解能を得ることが可能
なセクタ型の2次イオン質量分析装置を提供する。 【解決手段】 試料1と2次イオン光学系の引き出し電
極2間の等電位面5を引き出し電極2に近付くに従っ
て、引き出し電極2に平行となるように補正して、例え
ば、試料ホルダ15の試料を載置する面に傾斜を設け、
該傾斜面近傍に、試料ホルダ15に対向配置される2次
イオン光学系の引き出し電極2に対して、試料1の露出
面を試料1の分析領域程度に限定する部材3を配置する
ことで、2次イオン17の軌道を2次イオン光学系の中
心軸に近付くよう制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次イオン質量分
析装置及び該装置の試料ホルダに関する。また、本発明
は、深さ分解能と検出限界に優れた2次イオン質量分析
方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】材料中の微量不純物濃度の測定や、その
深さ分布を高感度に測定するのに、2次イオン質量分析
装置(Secondary Ion Mass Spectrometer: SIMS)が幅
広く使用されており、特に半導体デバイスの開発には欠
くことができない分析装置となっている。SIMSは高
エネルギーの1次イオンビームを固体試料表面に照射
し、スパッタリング現象により放出される試料構成元素
の2次イオンを質量分離・検出する機構を有する。
【0003】SIMSには、四重極型のレンズを用いて
その間に高周波電圧を印加して特定の質量を持ったイオ
ンのみを通過させる四重極型(Q−pole型)SIM
Sと静電型エネルギー分析器及び磁場型質量分析器とを
組み合わせたセクタ型SIMSの2つの方式がある。
【0004】Q−pole型SIMSでは、試料にほと
んど電圧が印加されないので、1次イオンのエネルギー
や入射方向を任意に設定できるという利点がある。特に
半導体デバイスの拡散層に用いられる砒素などの浅い不
純物分布を測定する場合には、1次イオンとして、セシ
ウム(Cs)を用い、エネルギーを小さくして、また入
射角度を60度程度に設定することで、深さ分解能を高
くする測定方法が用いられている。また、1次イオンと
して酸素イオンを用いる場合には、試料に対してほぼ垂
直に入射させる方式を用いる場合もある。この方式では
スパッタリングレートが低下するので試料表面の酸素濃
度を高くできる。正のイオンを測定する場合には、酸素
濃度が高いほどイオン化の確率が高いため、感度を向上
できるという利点がある。
【0005】一方、セクタ型SIMSは、図4に示すよ
うに、その分析試料として、半導体基板などの大型の試
料を測定する装置である。試料ステージ14は、その位
置(試料の引き出し電極と平行な面でのX,Y方向への
移動、試料と引き出し電極間の距離Z)を任意に設定で
きる構造である。試料ステージ14上の試料ホルダ15
に保持された試料の表面に対し、ディユオプラスマトロ
ン等のイオン源11より発生した1次イオンをレンズ1
2を通して収束した上で試料上に垂直方向から固定され
た状態で照射するようになっている。この時、1次イオ
ン13はイオン源近傍で加速され、試料の表面に照射さ
れる。この時、試料上ではイオンビームの口径が数μm
〜数百μm程度の大きさとなるが、試料のスパッタされ
る深さを均一にする為、イオンビームの口径よりも広い
範囲をラスタ照射する。
【0006】ラスタ照射された試料表面からは2次イオ
ン17が放射され、試料と引き出し電極間で加速されて
質量分析系側(引き出し電極を含む2次イオン光学系装
置)へ入射する。イマージョンレンズ16を通過した
後、トランスファレンズ18によりコントラストダイア
フラム19の位置で収束され、フィールドアパーチャ2
0で再び結像する。そこで、ラスタ領域の中心部分のみ
を次の空間に通過させるようにフィールドアパーチャ2
0の大きさを設定する。引き続いて2次イオンは、再び
収束されて静電型エネルギー分析器21に入射し、ここ
でエネルギー分散した像がエネルギースリット22の位
置に形成され、更に再びスペクトロメータレンズ23を
通して収束されて、磁場型質量分析器24に入射する。
これらの静電型エネルギー分析器21の収差を磁場型質
量分析器24の収差で打ち消すような構成とすること
で、高い質量分解能が得られる。磁場型質量分析器24
内では、静磁場が発生しており、その中を運動する荷電
粒子はローレンツ力を受け、特定の質量/電荷を有する
粒子がそれに応じた軌道半径を示す為、磁場の値を変化
させることで、特定の質量/電荷を有する粒子のみを通
過させることができる。通過した粒子はスリット25及
びプロジェクタレンズ26を通して収束されて別の静電
型エネルギー分析器27に入射する際、静電型エネルギ
ー分析器27近傍に配置されたファラデーカップ28又
は光電子倍増管29でその数が計測される。静電型エネ
ルギー分析器27におけるイオン像は、スクリーン30
上で観察できる。
【0007】このようなセクタ型SIMSでは、試料に
通常は500から数kV程度の電圧を印加している。1
次イオンの照射によりスパッタリングされた試料表面か
ら放出された試料構成元素の2次イオンは、試料表面と
2次イオン光学系の引き出し電極間に電圧を印加するこ
とで、その空間内で加速され、2次イオン光学系内に取
り込まれるイオンの割合を高くしている。2次イオン光
学系では、まず、静電型エネルギー分析器で、エネルギ
ー分散され、更に収束されたイオンは、磁場型質量分析
器中で、その質量/荷数に応じた軌道半径を描き、特定
の質量/荷数を有するイオンのみが計数される。この静
電型エネルギー分析器と、磁場型質量分析器の収差が互
いに打ち消しあうように設計されているので、高い質量
分解能を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】Q−pole型SIM
Sは、深さ分解能に優れるものの、その質量分解能が低
く、1016〜1017atoms/cm3程度が限界であり、これ
より低濃度の不純物の測定には適していない。
【0009】一方、セクタ型SIMSでは、質量分解能
が高く、またイオン透過率もQ−pole型SIMSに
比べて1桁〜2桁程度高いので、検出限界は1014〜1
16atoms/cm3程度と、Q−pole型に比べて1桁〜
2桁程度高い特長を有するが、深さ分解能が悪いという
問題があった。これは、試料−引き出し電極間の電界の
影響で、図5に示すように、1次イオンの軌道が曲げら
れてしまう為であり、1次イオンにセシウムイオンを用
いる場合、セシウムイオンの入射角度が垂直に近くなる
為である。また、1次イオンが試料に衝突するエネルギ
ーは、1次イオンの加速エネルギーと試料−引き出し電
極間に印加する電圧の和になり、例えば、1次イオンの
加速エネルギーが1keV、試料−引き出し電極間に印
加する電圧が500eV(引き出し電極を0(グラン
ド)電位として試料に−500eV印加)では、試料に
衝突するときの1次イオンのエネルギーは1.0keV
になる。Q−pole型SIMSでは、実際の分析に用
いられる低加速分析条件では、1keVの加速で60度
入射の条件が一般的であるので、つまり、セクタ型SI
MSでは、Q−pole型SIMSこの条件に対して2
倍以上の深さ分解能しか得ることはできない。
【0010】そこで、図6に示すように、1次イオンの
入射角度を試料表面に垂直な方向に対して60度程度に
なるように試料1を傾けて測定する方法が検討されてい
る。
【0011】しかしながら、このように試料1を傾けて
測定すると、試料1から射出される2次イオン17の軌
道は、同図に示すように、2次イオン光学系の中心軸7
に対して大きくずれる為に、イオンの透過率が低くな
り、感度が低くなってしまう。感度を上げるためには、
イオンの透過率を上げる必要がある。このためには、引
き出し電極2と試料1との間に印加する電圧を高くすれ
ば実現可能に思われるが、前述したように、印加する電
圧を高くすると1次イオンの軌道が曲げられて1次イオ
ン13の入射角が深くなってしまい不可能である。更
に、印加される電圧が高くなるために、深さ分解能が劣
化して、試料を傾けた意味もなくなってしまう。
【0012】従って、従来の装置では、浅い領域に低濃
度の不純物を注入した際の膜中のプロファイルを正確に
測定することが難しく、例えば、微小化される傾向にあ
る半導体装置において、50nm程度の深さに1015
1016atoms/cm3程度の低濃度の不純物を導入するよう
な場合には、対応しきれないのが現状である。
【0013】本発明の目的は、セクタ型の検出限界の低
い利点を生かしつつ、Q−pole型並みの深さ分解能
を得ることが可能なセクタ型の2次イオン質量分析装置
を提供するものである。
【0014】また、本発明の他の目的は、そのための試
料ホルダの改良にある。
【0015】更に本発明は、改良された2次イオン質量
分析方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、セクタ型S
IMSにおいて、Q−pole型並の深さ分解能を得る
為に、2次イオンの軌道を試料近傍で修正し、2次イオ
ン光学系への透過率を高めることで、前記課題を解決し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】即ち本発明は、2次イオン質量分析装置用
の試料ホルダであって、1次イオンの試料表面への入射
角度を任意に設定できるように試料を載置する面に傾斜
を有し、該傾斜面近傍に、試料ホルダに対向配置される
2次イオン光学系の引き出し電極に対して、試料の露出
面を試料の分析領域程度に限定する部材を配置したこと
を特徴とする試料ホルダに関する。
【0018】また、本発明は、1次イオンを発生させる
1次イオン光学系と、静電型エネルギー分析器及び磁場
型質量分析器とを含む2次イオン光学系と、分析対象試
料を載置する試料ホルダを保持し、2次イオン光学系か
らの距離、1次イオンの照射角度を任意に設定できる試
料ステージと、を有するセクタ型2次イオン質量分析装
置であって、試料ホルダとして上記の試料ホルダを有す
ることを特徴とする2次イオン質量分析装置、あるい
は、前記試料と2次イオン光学系の引き出し電極との間
に、その間の等電位面が引き出し電極に近付くに従っ
て、引き出し電極に平行となるように、前記試料近傍に
任意の電位を印加可能な電極を有する2次イオン質量分
析装置に関する。
【0019】更に本発明は、1次イオンを発生させる1
次イオン光学系と、静電型エネルギー分析器及び磁場型
質量分析器とを含む2次イオン光学系と、分析対象試料
を載置する試料ホルダを保持し、2次イオン光学系から
の距離、1次イオンの照射角度を任意に設定できる試料
ステージと、を有するセクタ型2次イオン質量分析装置
を用い、1次イオンを試料表面に垂直な方向から40〜
70度傾けて試料に入射し、試料から放出される2次イ
オンを2次イオン光学系に入射して、特定の質量/荷数
に応じたイオンのみを計数して試料中の深さ方向のプロ
ファイルを測定する2次イオン質量分析方法であって、
試料と2次イオン光学系の引き出し電極間の等電位面を
引き出し電極に近付くに従って、引き出し電極に平行と
なるように補正して、2次イオンの軌道を2次イオン光
学系の中心軸に近付くよう制御することを特徴とする分
析方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、試料から放射される
2次イオンの軌道が、試料と2次イオン光学系の引き出
し電極間に形成される等電位面に垂直な方向であること
を利用し、この等電位面を試料から離れるに従って引き
出し電極と平行になるように、試料近傍の2次イオンの
放出方向に、等電位面を引き上げる部材を配し、2次イ
オンの軌道を修正することで、試料−引き出し電極間に
印加する電圧を増大させずとも、2次イオン光学系に入
射するイオン透過率の減少を抑制できる。つまり、試料
を傾けることにより、エッチングレートを低く抑えて、
深さ分解能の向上を図ると共に、検出下限の上昇も抑え
られるというものである。
【0021】試料を傾ける角度としては、1次イオンの
試料への入射角度が試料表面に垂直な方向に対して40
〜70度程度になるように、例えば、1次イオンの出射
角を25度に固定し、試料を15度から45度傾ける、
あるいは逆に試料の傾斜角を固定し、1次イオンの出射
角を調整することで、所望の入射角度が得られる。
【0022】1次イオンの加速電圧、試料−引き出し電
極間の印加電位、1次イオンの入射角については、要求
される深さ分解能と検出限界の関係において、適宜最適
となるように調整すればよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0024】実施例1 図1に示す本実施例になる試料ホルダの概略図及び図4
に示すセクタ型SIMSの概略構成図を用いて、詳細に
説明する。
【0025】図4はセクタ型SIMSであって、その分
析試料として、半導体基板などの大型の試料を測定する
装置である。試料ステージ14は、その位置(試料の引
き出し電極と平行な面でのX,Y方向への移動、試料と
引き出し電極間の距離Z,試料表面の傾きθ、1次イオ
ン13の入射角φ)を任意に設定できる構造である。試
料ステージ14上の試料ホルダ15に保持された試料の
表面に対し、ディユオプラスマトロン等のイオン源11
より発生した1次イオンをレンズ12を通して収束した
上で試料上に垂直方向から25度傾けた軌道で照射する
ようになっている。この時、1次イオン13はイマージ
ョンレンズ16の近傍に配備された引き出し電極で加速
され、試料の表面に照射される。この時、試料上ではイ
オンビームの口径が数μm〜数百μm程度の大きさとな
るが、試料のスパッタされる深さを均一にする為、イオ
ンビームの口径よりも広い範囲をラスタ照射する。
【0026】ラスタ照射された試料表面からは2次イオ
ン17が放射され、試料1と引き出し電極2間で加速さ
れて質量分析系側(引き出し電極を含む2次イオン光学
系装置)へ入射する。イマージョンレンズ16を通過し
た後、トランスファレンズ18によりコントラストダイ
アフラム19の位置で収束され、フィールドアパーチャ
20で再び結像する。そこで、ラスタ領域の中心部分の
みを次の空間に通過させるようにフィールドアパーチャ
20の大きさを設定する。引き続いて2次イオンは、再
び収束されて静電型エネルギー分析器21に入射し、こ
こでエネルギー分散した像がエネルギースリット22の
位置に形成され、更に再びスペクトロメータレンズ23
を通して収束されて、磁場型質量分析器24に入射す
る。これらの静電型エネルギー分析器21の収差を磁場
型質量分析器24の収差で打ち消すような構成とするこ
とで、高い質量分解能が得られる。磁場型質量分析器2
4内では、静磁場が発生しており、その中を運動する荷
電粒子はローレンツ力を受け、特定の質量/電荷を有す
る粒子がそれに応じた軌道半径を示す為、磁場の値を変
化させることで、特定の質量/電荷を有する粒子のみを
通過させることができる。通過した粒子はスリット25
及びプロジェクタレンズ26を通して収束されて別の静
電型エネルギー分析器27に入射する際、静電型エネル
ギー分析器27近傍に配置されたファラデーカップ28
又は光電子倍増管29でその数が計測される。静電型エ
ネルギー分析器27におけるイオン像は、スクリーン3
0上で観察できる。
【0027】分析に際しては、1次イオンとしてCs+
イオンを1keVに加速して、試料ホルダに対して25
度程度傾いた軌道で照射し、試料1には引き出し電極2
をグランド電位として0.5kVの電圧が印加されてい
る。
【0028】試料ホルダ15は、図1に示すように、試
料1の表面が、例えば、試料ホルダ上表面に対して30
度傾斜するように、つまり、試料1に対する1次イオン
の入射角度が60度になるように傾斜面を有している。
試料1は、試料ホルダ15の傾斜面に試料1とほぼ同じ
深さに穿った溝にはめ込まれている。この方法では、段
差が小さくなり、等電位面の歪みを小さくできる。
【0029】また、試料1の測定領域近傍にナイフエッ
ジ型のプレート3を接触又は、少し離れた位置に配して
試料ホルダに対向配置される2次イオン光学系の引き出
し電極2に対して、試料の露出面を試料の分析領域程度
に限定すると、等電位面4の歪みは試料近傍のV字型の
部分では大きいが、引き出し電極2に近づくに従って引
き出し電極2に平行な方向になるため、2次イオン17
の軌道は同図に示すように修正され、2次イオン光学系
の中心軸方向に平行となり、2次イオン光学系への2次
イオン透過率の減少を抑制できる。このとき、プレート
3には試料1と同じ電位が印加されている。
【0030】ここで、プレート3の2次イオン光学系の
引き出し電極2に対向する面は、試料ホルダ15の前記
引き出し電極2に対向する面と同じか或いはそれより引
き出し電極2側に近い位置にあることが好ましい。プレ
ーと3としては、導電性の材料であれば何れのものも使
用できるが、一般的には、試料ホルダ15と同一材料で
形成するのが好ましい。また、その形状としては、図示
したようなナイフエッジ型が好ましいが、これに限定さ
れず、平板状のものでもよい。その場合、プレーと3の
試料側先端部に大きな段差があると等電位面の乱れが大
きくなる為、十分な強度を有する範囲で、できるだけ板
厚の薄いものを使用するのが好ましい。
【0031】図7に、試料としてシリコン基板に50n
m程度の深さにN型不純物として砒素(As)をイオン
注入したものを使用し、従来のセクタ型SIMS(試料
を傾斜させずに測定)、Q−pole型SIMS、及び
本実施例による測定の結果を概念的に示す。同図から明
らかなように、従来のセクタ型SIMSで測定した場合
は、深さ方向の解像度が他の場合と比べて悪いことが分
かる。これに対して、Q−pole型SIMSで測定し
た場合は、深さ分解能は高いものの、その検出限界が1
×1018atoms/cm3程度と悪い。ところが、本
実施例を適用した場合、深さ分解能はQ−pole型S
IMSの場合とほぼ同等であり、検出限界も試料を従来
のセクタ型SIMSで測定した場合と同等に1×1017
atoms/cm3未満と良好であることが分かる。
【0032】実施例2 前記実施例では、試料近傍に設けられるプレート3に試
料1と同じ電位を印加していたが、例えば図2に示すよ
うに、プレート3に試料1とは異なる電位が印加できる
ように構成することもできる。このとき、プレート3の
ナイフエッジの先端は試料1に接しないようにやや間隔
を空けて配置されており、また、試料ホルダ15と接す
る面には電気的に分離する絶縁性のセパレータ7を介し
て、試料とは異なる電位が印加可能に取り付けられてお
り、例えば、試料に−500eVの電位を印加した場合
に、−450〜<−500eVの電位を該プレート3に
印加するように、つまり、試料1に印加する電圧よりも
その絶対値において低い電位を印加すると、2次イオン
の軌道をより大きく修正することが可能となる。
【0033】実施例3 本実施例では、上記実施例1、2にように試料ホルダ自
体を改良するのではなく、試料ホルダと2次イオン光学
系の引き出し電極との間に、図3に示すように、試料1
の近傍の1次イオンの入射する側には、試料1の表面に
平行な面を有するプレート3を設置する。このプレート
3の電位をグランドに接地することで、試料1の電位
が、1次イオンの軌道に影響を与え難くなるように、1
次イオンが通過する空間の電界を低くする。
【0034】一方、1次イオンによりスパッタリングさ
れる試料1の2次イオンの放出される側(図では右側)
近傍には、ディフレクタ電極4を設置する。ディフレク
タ電極4には、外部からその電位を任意に変更できるよ
うに構成されており、このディフレクタ電極4の電位を
変更すると、破線で示した等電位面は、試料1のスパッ
タリングされる領域の極近傍では、試料1と平行である
が、引き出し電極2に近付くに従って、引き出し電極2
に平行に近付く。これは、ディフレクタ電極4に電位を
掛けることによって、電位が浮き上がり、ディフレクタ
電極4の形状に沿って変化する為である。つまり、スパ
ッタリングにより放出された2次イオンは、試料表面で
わずかに加速され、試料表面に垂直な方向に射出される
が、図に示すように徐々にその軌道は修正されて、2次
イオン光学系に入射する向きがほぼ垂直に近くすること
ができ、その結果、2次イオンの透過率の低下を抑制す
ることができる。
【0035】なお、ディフレクタ電極4の形状は、図示
したものに限定されるものではなく、印加する電圧や、
2次加速などの測定条件によって適宜最適となるように
変更すればよい。また、1次イオンとしてO2+を試料に
対して垂直に入射させる場合には、試料の傾斜方向を図
1とは逆向きにする場合がある。そこで、プレーと3及
びディフレクタ電極4の構造を分析条件毎に変更できる
ように構成してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セクタ型SIMSにおいて、試料を傾けて測定すること
で、1次イオンの入射角が浅くなりスパッタレートを低
く押さえても、試料から放射される2次イオンの軌道を
2次イオン光学系に入射する手前で修正して、2次イオ
ンの2次イオン光学系への透過率を高めることができる
ので、従来のセクタ型SIMSの検出感度の高さを維持
したまま、Q−pole型SIMS並みの深さ分解能が
達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態になる試料ホルダ近傍の概
念図である。
【図2】本発明の他の実施形態になる試料ホルダ近傍の
概念図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態になる試料ホルダ近
傍の概念図である。
【図4】従来及び本発明のセクタ型SIMSの概念図で
ある。
【図5】従来のセクタ型SIMSにおける試料への1次
イオンの軌道を示す概念図である。
【図6】従来のセクタ型SIMSにおいて、試料を傾け
た場合の2次イオンの射出方向と2次イオン光学系の中
心軸とのずれを説明する概念図である。
【図7】シリコン基板に50nm程度の深さにN型不純
物として砒素(As)をイオン注入したものを使用し、
従来のセクタ型SIMS(試料を傾斜させずに測定)、
Q−pole型SIMS、及び実施例1による測定の結
果をそれぞれ説明する概念図である。
【符号の説明】
1 試料 2 引き出し電極 3 プレート 4 ディフレクト電極 5 等電位面 6 2次光学系の中心軸 7 セパレータ 13 1次イオン 15 試料ホルダ 17 2次イオン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次イオン質量分析装置用の試料ホルダ
    であって、1次イオンの試料表面への入射角度を任意に
    設定できるように試料を載置する面に傾斜を有し、該傾
    斜面近傍に、試料ホルダに対向配置される2次イオン光
    学系の引き出し電極に対して、試料の露出面を試料の分
    析領域程度に限定する部材を配置したことを特徴とする
    試料ホルダ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記部材は、試料ホ
    ルダに対向配置される2次イオン光学系の引き出し電極
    と試料との間の等電位面を前記引き出し電極に近付くに
    従って引き出し電極に平行になるよう配置されているこ
    とを特徴とする試料ホルダ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記部材の2
    次イオン光学系の引き出し電極に対向する面は、試料ホ
    ルダの前記引き出し電極に対向する面と同じか或いはそ
    れより引き出し電極側に近い位置にあることを特徴とす
    る試料ホルダ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記部材は前記試料と電気的に分離されており、前
    記試料と異なる電位が印加されていることを特徴とする
    試料ホルダ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記部材は、前記試料に接触していることを特徴とする
    試料ホルダ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項において、
    前記試料ホルダの試料を載置する面の傾斜は、試料に入
    射する1次イオンの入射角度が試料表面に垂直な方向に
    対して40〜70度となるように形成されていることを
    特徴とする試料ホルダ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1項において、
    前記試料ホルダの試料を載置する面に試料の厚みに相当
    する深さの溝を有し、該溝に試料を嵌合して載置するこ
    とを特徴とする試料ホルダ。
  8. 【請求項8】 1次イオンを発生させる1次イオン光学
    系と、静電型エネルギー分析器及び磁場型質量分析器と
    を含む2次イオン光学系と、分析対象試料を載置する試
    料ホルダを保持し、2次イオン光学系からの距離、1次
    イオンの照射角度を任意に設定できる試料ステージと、
    を有するセクタ型2次イオン質量分析装置であって、前
    記試料ホルダとして請求項1乃至7の何れか1項に記載
    の試料ホルダを有することを特徴とする2次イオン質量
    分析装置。
  9. 【請求項9】 1次イオンを発生させる1次イオン光学
    系と、静電型エネルギー分析器及び磁場型質量分析器と
    を含む2次イオン光学系と、分析対象試料を載置する試
    料ホルダを保持し、2次イオン光学系からの距離、1次
    イオンの照射角度を任意に設定できる試料ステージと、
    を有するセクタ型2次イオン質量分析装置であって、前
    記試料と2次イオン光学系の引き出し電極との間に、そ
    の間の等電位面が引き出し電極に近付くに従って、引き
    出し電極に平行となるように、前記試料近傍に任意の電
    位を印加可能な電極を有する2次イオン質量分析装置。
  10. 【請求項10】 1次イオンを発生させる1次イオン光
    学系と、静電型エネルギー分析器及び磁場型質量分析器
    とを含む2次イオン光学系と、分析対象試料を載置する
    試料ホルダを保持し、2次イオン光学系からの距離、1
    次イオンの照射角度を任意に設定できる試料ステージ
    と、を有するセクタ型2次イオン質量分析装置を用い、
    1次イオンを試料表面に垂直な方向から40〜70度傾
    けて試料に入射し、試料から放出される2次イオンを2
    次イオン光学系に入射して、特定の質量/荷数に応じた
    イオンのみを計数して試料中の深さ方向のプロファイル
    を測定する2次イオン質量分析方法であって、試料と2
    次イオン光学系の引き出し電極間の等電位面を引き出し
    電極に近付くに従って、引き出し電極に平行となるよう
    に補正して、2次イオンの軌道を2次イオン光学系の中
    心軸に近付くよう制御することを特徴とする分析方法。
  11. 【請求項11】 分析装置として請求項8に記載の装置
    を用いることを特徴とする請求項10に記載の分析方
    法。
  12. 【請求項12】 分析装置として請求項9に記載の装置
    を用いることを特徴とする請求項10に記載の分析方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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