JPH1167140A - 二次イオン質量分析法 - Google Patents

二次イオン質量分析法

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JPH1167140A
JPH1167140A JP9222684A JP22268497A JPH1167140A JP H1167140 A JPH1167140 A JP H1167140A JP 9222684 A JP9222684 A JP 9222684A JP 22268497 A JP22268497 A JP 22268497A JP H1167140 A JPH1167140 A JP H1167140A
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sample
secondary ion
primary
ions
mass spectrometry
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JP9222684A
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Kazuhiro Nakatsu
和弘 中津
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SUMIKA BUNSEKI CENTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二重収束型質量分析計を有する二次イオン質
量分析装置を用いて絶縁性試料を分析する際に、試料前
処理を実施しない簡便かつ実用的な手段で試料の帯電を
抑制することが出来る正モードの二次イオン質量分析法
を提供する。 【解決手段】 一次イオン照射領域を包み込む領域に
1.5〜2.5keVの入射エネルギーを有する電子線
7を照射することにより、一次イオン照射による前記試
料表面の帯電を抑制する。また、試料2の表面から放出
される二次イオン6の一部が二次イオン引き出し電極8
の試料対向面に当たり、それによって二次イオン引き出
し電極から放出される二次電子を0.5〜1.5keV
の入射エネルギーで試料表面に入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面に正の電
荷を持つ一次イオンを照射し、スパッタリング現象によ
り試料表面から放出される正の電荷を持つ二次イオンを
検出する二次イオン質量分析法に関し、特に1013Ωc
m以上の比抵抗値を有する絶縁性試料の分析に好適な二
次イオン質量分析法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に含まれる微量元素(ppb〜pp
m)を分析する手法として二次イオン質量分析法があ
り、特に高感度分析ならびに高質量分解能分析を行うた
めには二重収束型質量分析計を有する二次イオン質量分
析装置が用いられる。
【0003】また、一般に、アルカリ金属元素、アルカ
リ土類金属元素、遷移金属元素などのイオン化電位の低
い元素を高感度に検出する場合、試料に照射する一次イ
オンとして酸素イオン(O2 +)やセシウムイオン(Cs
+)などの正の電荷を持つイオンを用い、試料表面から
放出された正の電荷を持つ二次イオン種を検出する正モ
ードにて分析が行われる。
【0004】しかしながら、絶縁性試料を前記の二重集
束型質量分析計を有する二次イオン質量分析装置を用
い、正モードによる分析を行う場合、試料表面に正の電
荷が蓄積される帯電現象が生じて分析が困難であると考
えられている。その理由は、試料の帯電によって、一次
イオンが照射されている試料表面と二次イオン引き出し
電極の間の電位差が変化し、それに伴って試料表面から
放出される二次イオンの運動エネルギーが変化するた
め、二次イオンは二重収束型質量分析計を通過出来る二
次イオンエネルギー幅から外れ、その結果、検出される
前記二次イオン強度が低下したり、あるいは全く検出さ
れなくなるためである。
【0005】そこで、絶縁性試料の分析に当たっては試
料の帯電の問題を解決する必要がある。その方法は、試
料の汚染や分析結果の再現性等の点から試料の前処理を
伴わないものであることが望ましい。これまで二重収束
型質量分析計を有する二次イオン質量分析装置を用いた
二次イオン質量分析法による絶縁性試料の分析に際し、
正モードにおける試料の帯電を抑制する種々の手法中で
前処理を必要としない方法は電子線照射を利用する手法
のみである。この手法では、絶縁性試料の表面において
一次イオン照射領域を包み込む広い領域に電子線発生用
フィラメントから発生される電子線を照射し、試料の表
面に蓄積される正の電荷を電子により中和することによ
って帯電が抑制されるとされる。
【0006】なお、本明細書では、試料表面への導電膜
の蒸着、試料表面の一次イオン照射領域の周囲への金属
メッシュ等の適用など、試料の切り出し後、試料の装置
への導入前において試料表面に施される全ての処理を試
料の前処理という。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電子線照射を利用する帯電の抑制法は、1013Ωcm以
上の比抵抗値を有する絶縁性試料に対しては、試料前処
理を実施しなければ適用が困難であると報告されている
(「質量分析」1984年10月号、第345〜356
頁参照)。
【0008】本発明の目的は、二重収束型質量分析計を
有する二次イオン質量分析装置を用いて1013Ωcm以
上の比抵抗値を有する絶縁性試料を分析する際に、試料
前処理を実施しない簡便かつ実用的な手段で試料の帯電
を抑制することが出来る正モードの二次イオン質量分析
法を提供することにある。
【0009】
【問題を解決するための手段】図1は、本発明の方法に
用いられる二次イオン質量分析装置の要部を示す図であ
る。この二次イオン質量分析装置は、試料に照射する正
の電荷を持つ一次イオンを発生する一次イオン源20、
試料から放出された正の電荷を有する二次イオンを電場
によってエネルギー分離し、さらに磁場によって質量分
離する二重収束型質量分析計21、二重収束型質量分析
計21で分離された二次イオンを検出する検出器22、
試料表面の一次イオン照射領域を含み、それより広い領
域に電子線を照射するための電子銃23等を備える。ま
た、一次イオン照射領域からの位置情報を保たせたまま
試料表面から発生した二次イオンを検出器22に到達さ
せるために、二次イオンの光路中にイオンレンズ41が
配置されている。この方式は投影型といわれる。
【0010】検出される二次イオンに関する面情報の取
得方法には、イオンレンズ41を用いる投影型の他に走
査型といわれる方式もある。走査型の二次イオン質量分
析装置では、微細に絞った一次イオンビームを試料上で
走査し、一次イオンの走査に対して同期された検出器で
二次イオンを検出することによって面情報を取得する。
本明細書では投影型の二次イオン質量分析装置を用いた
例によって説明するが、本発明は走査型の二次イオン質
量分析装置に対しても同様に適用可能である。
【0011】試料2は、上面が中央に穴の開いた金属プ
レートとなっている試料ホルダー3の内側に配置され、
分析すべき試料表面が金属プレートの穴から露出するよ
うに試料押さえバネ4によって付勢されている。試料2
の表面には正の電荷を持つ一次イオン1が斜め方向から
照射され、試料2の表面からスパッタリング現象により
放出された正の電荷を持つ二次イオン6は、二次イオン
引き出し用電源5によって試料2と二次イオン引き出し
電極8との間に生じた正の電位差によって試料2の表面
に対して垂直方向に引き出される。二次イオン引き出し
電極8を通過した正の電荷を持つ二次イオン6はイオン
レンズ41を通して二重収束型質量分析計21に導か
れ、二重収束型質量分析計21の入口スリット13、電
場領域(静電エネルギーアナライザー)14、エネルギ
ースリット15、磁場領域16、さらに出口スリット1
7を通過して検出器22へ導かれる。この時、電場領域
(静電エネルギーアナライザー)14及びエネルギース
リット15によって正の電荷を持つ二次イオン6のエネ
ルギー分離が可能となり、また入口スリット13、出口
スリット17及び磁場領域16によって正の電荷を持つ
二次イオン6の質量分離が可能となる。
【0012】一方、電子銃23の電子線発生用フィラメ
ント9から発生した電子線7は、電子線引き出し用電源
10によって電子線発生用フィラメント9と電子線引き
出し電極11との間に生じた負の電位差によって引き出
された後、電子線偏向用磁場12で曲げられ、二次イオ
ン引き出し電極8を通過して試料2の表面に垂直に照射
される。
【0013】本発明者は、二重収束型質量分析計を有す
る二次イオン質量分析装置を用い、1013Ωcm以上の
比抵抗値を有する絶縁性試料の分析において試料前処理
を実施せずに試料の帯電を抑制することが出来る正モー
ドの二次イオン質量分析法を研究し続けてきた。その結
果、本来前記の二次イオン質量分析装置において正モー
ドでの高感度分析ならびに高質量分解能分析を行うため
に二次イオン引き出し用電源5に設定されている二次イ
オン引き出し電圧を通常の+4.5kVより低い+0.
5〜+1.5kVに設定することによって試料表面で起
こっている物理現象に変化が見られることを経験的に見
出した。
【0014】具体的には、従来の電子線照射を利用する
帯電抑制法において、二次イオン引き出し電圧を通常の
設定値である+4.5kVに代えてより低い+0.5〜
+1.5kVに設定すること、さらに電子銃23の電子
線引き出し用電源10に設定されている電子線引き出し
電圧を通常の設定値である−4.5kVに代えて−0.
5〜−1.5kVに設定すること、つまり電子線の試料
表面への入射エネルギーを通常の設定値である9keV
に代えて1.5〜2.5keVに設定することが、電子
線が試料表面に正の電荷が蓄積されることによる帯電現
象の抑制に極めて有効であることを経験的に見出した。
【0015】さらに、絶縁性試料の表面に正の電荷を持
つ一次イオンを照射すると、スパッタリング現象により
試料表面から正の電荷を持つ二次イオンが放出される
が、この二次イオンの一部が二次イオン引き出し電極の
試料対向面に当たり、二次イオン引き出し電極の試料対
向面から二次電子が放出される。そして、この二次電子
は、二次イオン引き出し電圧を通常の設定値である+
4.5kVに代えて+0.5〜+1.5kVに設定する
ことにより、つまりこの二次電子の試料表面への入射エ
ネルギーを4.5keVに代えて0.5〜1.5keV
に設定することにより、試料の表面において一次イオン
照射領域を含むかなり広い領域に照射され、且つ試料の
表面に正の電荷が蓄積されて生じる帯電現象の回避に極
めて有効であることを見出した。
【0016】本発明は、前記知見に基づき、二次イオン
引き出し電極の試料対向面から放出されて試料表面に照
射される二次電子の利用、及び電子銃を用いて行われる
電子線照射を組み合わせ、且つ最適化を図ることによっ
て、1013Ωcm以上1019Ωcm以下の比抵抗値を有
する絶縁性試料に対して前処理を施さずに帯電を抑制し
て正モードによる分析を可能とするものである。
【0017】すなわち、本発明は、試料表面に正の電荷
を持つ一次イオンを照射し、スパッタリング現象により
試料表面から放出され、二次イオン引き出し電極による
引き出し電界によって加速された正の電荷を持つ二次イ
オンを電場でエネルギー分離し、さらに磁場で質量分離
して分析する二次イオン質量分析法において、試料が1
13Ωcm以上1019Ωcm以下の比抵抗値を有する絶
縁性試料であるとき、一次イオン照射領域を包み込む領
域に1.5〜2.5keVの入射エネルギーを有する電
子線を照射することにより、一次イオン照射による前記
試料表面の帯電を抑制することを特徴とする。
【0018】また、試料表面から放出される二次イオン
の一部が二次イオン引き出し電極の試料対向面に当た
り、それによって二次イオン引き出し電極から放出され
る二次電子を0.5〜1.5keVの入射エネルギーで
試料表面に入射させることを特徴とする。
【0019】二次イオン引き出し電極に対する試料の電
位を+0.5〜+1.5kVに設定すること、あるいは
二次イオン引き出し電極に対する試料の電位を+0.5
〜+1.5kVに設定し、電子線を発生する電子源の電
子線引き出し電極に対する電位を−0.5〜−1.5k
Vに設定することにより、前記二次電子や電子線の入射
エネルギーを所定の範囲のものとすることができる。二
次イオン引き出し電極は、二次電子放出効率の高い材料
で作製すること、あるいはその試料対向面に二次電子放
出効率を高める処理を施すのが好ましい。
【0020】試料に照射される電子線の入射エネルギー
を1.5〜2.5keVに設定し、二次イオン引き出し
電極から放出されて試料に照射される二次電子の入射エ
ネルギーを0.5〜1.5keVに設定するための電子
線引き出し電圧及び二次イオン引き出し電圧の設定値
は、帯電現象の程度(試料表面に照射する正の電荷を持
つ一次イオンの電流密度及び絶縁性材料が有する比抵抗
値に依存)によってその最適値が異なるので、帯電現象
の程度に応じて決定すればよく、一例として二次イオン
引き出し電圧及び電子線発生用フィラメントの加速電圧
をそれぞれ+1.125kV及び−1kVに設定するの
が実際的である。逆に、前記の設定値の範囲を上回るあ
るいは下回る場合は試料の帯電を抑制すること困難(安
定した二次イオン強度が得られない)になるので望まし
くない。
【0021】また、実際の測定を行う際には、二次イオ
ン引き出し電極の試料対向面から放出される二次電子が
試料に照射される領域(直径約2mm)内に試料を装着
する試料ホルダーの金属プレートが入る位置において測
定を行う。具体的には、一次イオン照射領域と試料ホル
ダーの金属プレートとの距離が約1mm以内であること
が望ましい。一次イオン照射領域と試料ホルダーの金属
プレートとの距離が1mmを越えると、試料の帯電を抑
制することが困難となる。
【0022】比抵抗値が1013Ωcm以上1019Ωcm
以下である絶縁性試料を本発明の正モードの二次イオン
質量分析法によって分析するに際し、本発明の方法を採
用すると、試料表面の帯電がどの様な機構で抑制される
のかは必ずしも明確ではない。しかし、経験からして下
記のようなことが推測される。
【0023】図1で説明したように、試料2の表面には
正の電荷を持つ一次イオン1が照射され、試料2の表面
から正の電荷を持つ二次イオン6が放出されている。ま
た、試料表面には電子銃23から電子線7が照射されて
いる。この時、試料2が絶縁性試料の場合、試料2の表
面及び二次イオン引き出し電極8の近傍で起こっている
と推測される現象のモデルを図2に示す。
【0024】図2で、正の電荷を持つ一次イオン1は試
料2の表面に斜め方向から照射され、同時に電子銃23
から発生された電子線7は一次イオンの照射領域30を
包み込む広い領域に試料表面に対して垂直に照射され
る。この時、試料2が比抵抗値1013Ωcm以上1019
Ωcm以下である絶縁性試料の場合、試料2の表面の主
に領域30に蓄積される正の電荷を、試料2の表面の主
に領域31に蓄積される電子線7による負の電荷のみで
電荷の中和32を行うことは困難である。これは、帯電
の緩和過程において発生する過剰な正もしくは負の電荷
が試料ホルダー3の金属プレート40へ流出出来ないた
めであると推測される。
【0025】本発明においては、電子線7の試料入射時
のエネルギーを低く設定して電子線7の飛程を浅くする
ことにより、正の電荷を持つ一次イオン1の飛程と電子
線7の飛程との差33を小さくする。このことにより、
領域30に蓄積される正の電荷と領域31に蓄積される
負の電荷とがより近い距離において効果的に電荷の中和
32を行うことが出来ると推測される。しかし、さら
に、帯電の緩和過程において発生する過剰な正もしくは
負の電荷34を試料ホルダー3の金属プレート40へ流
出させる必要性がある。
【0026】そこで、本発明においては、試料表面から
放出された正の電荷を持つ二次イオンの一部35が二次
イオン引き出し電極8の試料対向面に当たることによっ
て放出される二次電子36を、入射時のエネルギーを低
く設定して試料2の表面から試料ホルダーの金属プレー
ト40に達する領域37に照射させる。この時、試料2
の表面においては入射時のエネルギーを低く設定された
二次電子36によって電子線照射誘起導電現象が起こ
り、領域37に導電層が形成される。つまり、領域37
に形成された導電層によって帯電現象の緩和過程におい
て発生する過剰な正もしくは負の電荷34を試料ホルダ
ーの金属プレート40へ流出させることが出来るように
なり、結果的に帯電現象の効果的に抑制することが出来
ると推測される。
【0027】ここで、二次イオン引き出し電極8の試料
対向面に当たる正の電荷を持つ二次イオン35によって
放出される二次電子36が試料2の表面に照射される領
域37の大きさを、次の方法で測定した。高純度ケイ素
のウエハ上にフォトレジストを膜厚500nmにて塗布
した試料を用い、この試料を図1に示した二次イオン質
量分析装置に装着し、試料表面に正の電荷を持つ一次イ
オンとして酸素イオン(O2 +)を照射した。二次電子の
照射によって損傷を受け、フォトレジスト塗布膜に干渉
色の違いが現れた領域を金属顕微鏡で観察した。
【0028】観察結果を図3及び図4に示す。図3の場
合の測定条件は、一次イオン照射エネルギーが8.87
5keV(一次イオン加速電圧を+10kV、二次イオ
ン引き出し電圧を+1.125kVに設定)、一次イオ
ン電流値が200nA、一次イオン照射領域が250μ
m×250μm、一次イオン照射時間が1時間である。
図4の場合の測定条件は、一次イオン照射エネルギーが
10keV(一次イオン加速電圧を+10kV、二次イ
オン引き出し電圧を0kVに設定)、一次イオン電流値
が200nA、一次イオン照射領域が250μm×25
0μm、一次イオン照射時間が1時間である。
【0029】図3及び図4において、中央に四角く観察
される部分は一次イオン照射によって試料が掘られた跡
である。図3では、二次電子の照射によって試料表面が
損傷を受け、フォトレジスト塗布膜表面に干渉色の違い
が現れた領域が確認できるのに対し、図4では二次電子
の照射がないためにフォトレジスト塗布膜表面に干渉色
の違いが現れていない。図3及び図4により、二次イオ
ン引き出し電極8の試料対向面に当たる正の電荷を持つ
二次イオン35によって放出される二次電子36が試料
2の表面に照射される領域37が一次イオン照射領域を
中心とする半径約1mmの領域であることが分かった。
このことが、一次イオン照射領域と試料ホルダーの金属
プレートとの距離を約1mm以内とすると、試料の帯電
を効果的に抑制できることの理由である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。以下の測定は、特に断らない限り図1に略
示した2次イオン質量分析装置を用いて、正の電荷を持
つ一次イオンを試料に照射して正の電荷を持つ二次イオ
ンを検出する正モードでの測定である。
【0031】〔実施例1〕試料として比抵抗値が1014
Ωcmである寸法1cm×1cm×1.5mmのバリウ
ムホウケイ酸ガラスを用い、2mm×2mmの穴を有す
る試料ホルダーに装着した。この試料に正の電荷を持つ
一次イオンを照射し、試料の主な構成元素であるホウ
素、酸素、アルミニウム、ケイ素、バリウム)について
正の電荷を持つ二次イオンを検出することにより深さ方
向濃度分布を測定した。
【0032】測定条件は、一次イオンに酸素イオン(O
2 +)を用い、一次イオン照射エネルギーを8.875k
eV(一次イオン加速電圧を+10kV、二次イオン引
き出し電圧を+1.125kVに設定)、一次イオン電
流値を50nA、試料上の一次イオン照射領域を250
μm×250μm、二次イオン検出領域を62μmφと
した。また、一次イオン照射領域を包み込む広い領域に
電子銃から発生した2.125keVのエネルギーを有
する電子線(電子銃の電子線引き出し電圧を−1kV、
二次イオン引き出し電圧を+1.125kVに設定)を
電子ビーム電流値30μA、電子ビーム径400μmφ
で照射した。測定は、試料ホルダーの金属プレートから
の距離が1mm以内の試料表面で行った。
【0033】測定結果を図5に示す。図5の縦軸は検出
した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸は測
定時間である。図中、aは28Si+、bは27Al+、cは
11+、dは138Ba+、eは16+のイオン強度をそれぞ
れ表す。図5から明らかなように、測定時間の経過に対
して二次イオンの強度が安定して検出されており、本発
明によると、正モードの二次イオン質量分析法において
比抵抗値が1014Ωcmである絶縁性試料を試料前処理
を実施しないで帯電を抑制しながら測定出来ることが判
明する。
【0034】〔比較例1〕比較のために、実施例1で用
いた試料を従来法によって分析した。実施例1と同様に
比抵抗値が1014Ωcmであるバリウムホウケイ酸ガラ
スに正の電荷を持つ一次イオンを照射し、主な構成元素
であるボウ素、酸素、アルミニウム、ケイ素、バリウム
について正の電荷を持つ二次イオンを検出することによ
り深さ方向濃度分布を測定した。
【0035】測定条件は、一次イオンに酸素イオン(O
2 +)を用い、一次イオン照射エネルギーを5.5keV
(一次イオン加速電圧を+10kV、二次イオン引き出
し電圧を+4.5kVに設定)、一次イオン電流値を5
0nA、試料上の一次イオン照射領域を250μm×2
50μm、二次イオン検出領域を62μmφとした。ま
た、一次イオン照射領域を包み込む広い領域に電子銃か
ら発生した9keVのエネルギーを有する電子線(電子
銃の電子線引き出し電圧を−4.5kV、二次イオン引
き出し電圧を+4.5kVに設定)を電子ビーム電流値
30μA、電子ビーム径800μmφで照射した。測定
は、試料ホルダーの金属プレートからの距離が1mm以
内の試料表面で行った。
【0036】測定結果を図6に示す。図6の縦軸は検出
した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸は測
定時間である。図中、aは28Si+、bは27Al+、cは
11+、dは138Ba+、eは16+のイオン強度をそれぞ
れ表す。測定時間の経過に対して二次イオンの強度が全
く安定せずに検出されていることから、従来法では、正
モードの二次イオン質量分析法において比抵抗値が10
14Ωcmである絶縁性試料を試料前処理を実施しないで
帯電を抑制しながら測定することが出来ないことが分か
る。
【0037】〔実施例2〕試料として比抵抗値が1015
Ωcmである寸法1cm×1cm×1.5mmのアルミ
ナ焼結体を用い、2mm×2mmの穴を有する試料ホル
ダーに装着した。この試料に正の電荷を持つ一次イオン
を照射し、アルミニウム及びケイ素(含有量10pp
m)について正の電荷を持つ二次イオンを質量分解能
〔質量分解能は、異なる質量数をM1,M2、ただしM1
>M2として、(M1+M2)/2(M1−M2)で定義さ
れる〕2500で検出することにより深さ方向濃度分布
を測定した。測定条件及び試料上の測定箇所は、前述の
実施例1の場合と同じである。
【0038】測定結果を図7に示す。図7の縦軸は検出
した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸は測
定時間である。図中、fは27Al+のイオン強度を、g
28Si+のイオン強度をそれぞれ示す。図5から明ら
かなように、測定時間の経過に対して二次イオンの強度
が安定して検出されており、本発明によると、正モード
の二次イオン質量分析法において比抵抗値が1015Ωc
mである絶縁性試料を試料前処理を実施しないで帯電を
抑制しながら測定出来ることが分かる。なお、ケイ素に
ついては、試料表面近傍において濃度が実際に高くなっ
ているため、測定の初期において二次イオン強度が高く
観察されている。
【0039】〔実施例3〕試料として比抵抗値が1015
Ωcmである寸法1cm×1cm×1.5mmのアルミ
ナ焼結体を用い、2mm×2mmの穴を有する試料ホル
ダーに装着した。この試料に正の電荷を持つ一次イオン
を照射し、正の電荷を持つ二次イオンを質量分解能25
00で検出することにより、質量数/電荷:27.94
〜28.03における質量スペクトルを測定した。測定
条件及び試料上の測定個所は、前述の実施例1の場合と
同じである。
【0040】測定結果を図8に示す。図8の縦軸は検出
した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸は質
量数/電荷である。図8から明らかなように、ケイ素の
二次イオン(28Si+:質量数/電荷=27.9769
27)の質量スペクトルと質量数が隣接する妨害元素の
二次イオン(主成分であるアルミニウムと測定室内に残
留している水素とから成る分子イオンの27Al1+:質
量数/電荷=26.981541+1.007825=
27.989366)の質量スペクトルとが、分離して
検出されている。
【0041】〔比較例2〕比較のために、実施例3と同
様の測定を従来法によって行った。実施例3と同様に比
抵抗値が1015Ωcmを有するアルミナ焼結体に正の電
荷を持つ一次イオンを照射し、正の電荷を持つ二次イオ
ンを検出することにより、質量数/電荷:27.94〜
28.03における質量スペクトルを測定した。
【0042】測定に用いた分析装置は、四重極質量分析
計を有する二次イオン質量分析装置である。この二次イ
オン質量分析装置は、試料に照射される一次イオンによ
って発生する二次イオンを数十kVの引き出し電界によ
って4本の柱状電極からなる四重極質量分析計に導き、
高周波が印加された電極で二次イオンを質量分離するも
のである。この四重極質量分析計を有する二次イオン質
量分析装置は、大量の電子線照射が可能で、かつ試料表
面電位が低いため、二重収束型質量分析計を有する二次
イオン質量分析装置よりも絶縁物測定が容易であるとい
われている。
【0043】測定結果を図9に示す。図9の縦軸は検出
した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸は質
量数/電荷である。図9から、ケイ素の二次イオン(28
Si+)の質量スペクトルと質量数が隣接する妨害元素
の二次イオン(主成分であるアルミニウムと測定室内に
残留している水素とから成る分子イオン:27Al1+
の質量スペクトルとが、分離されていないことが分か
る。
【0044】実施例3及び比較例2より、比抵抗値が1
15Ωcmである絶縁性試料の分析に関して、本発明を
用いた正モードの二次イオン質量分析法によると、絶縁
物測定が容易であるとされる四重極型質量分析計を有す
る二次イオン質量分析装置よりも質量分解能が高いデー
タを取ることができることが明らかとなった。
【0045】〔実施例4〕試料として比抵抗値が1019
Ωcmである寸法1cm×1cm×1.0mmの石英を
用い、2mm×2mmの穴を有する試料ホルダーに装着
した。この試料に正の電荷を持つ一次イオンを照射し、
酸素及びケイ素について正の電荷を持つ二次イオンを検
出することにより深さ方向濃度分布を測定した。測定条
件及び試料上の測定箇所は、前述の実施例1の場合と同
じである。
【0046】測定結果を図10に示す。図10の縦軸は
検出した正の電荷を持つ二次イオンの強度であり、横軸
は測定時間である。図中、hは28Si+のイオン強度を
示し、iは16+のイオン強度を示す。図10から明ら
かなように、測定時間の経過に対して二次イオンの強度
が安定して検出されており、本発明によると、正モード
の二次イオン質量分析法において比抵抗値が1019Ωc
mである絶縁性試料を試料前処理を実施しないで帯電を
抑制しながら測定出来ることが分かる。
【0047】〔比較例3〕比較のために、実施例4で用
いた試料を従来法によって分析した。実施例4と同様
に、比抵抗値が1019Ωcmを有する石英に正の電荷を
持つ一次イオンを照射し、酸素及びケイ素について正の
電荷を持つ二次イオンを検出することにより深さ方向濃
度分布を測定した。測定条件及び試料上の測定箇所は、
二次イオン引き出し電圧を+4.5kV、電子線発生用
フィラメント加速電圧を−4.5kVとした以外は前述
の実施例1の場合と同じである。
【0048】しかしながら、この測定では、二次イオン
の強度の安定性はおろか二次イオンが全く検出されなか
った。このことから、従来法では、正モードの二次イオ
ン質量分析法において比抵抗値が1019Ωcmである絶
縁性試料を試料前処理を実施しないで測定出来ないこと
が分かる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、正モードの二次イオン
質量分析法において比抵抗値が1013Ωcm以上1019
Ωcm以下を有する絶縁性材料の分析について試料前処
理を実施することなく帯電を抑制しながら測定を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられる二次イオン質量分析
装置の要部を示す説明図。
【図2】試料表面及び二次イオン引き出し電極の近傍で
起こっていると推測される現象のモデルを示す説明図。
【図3】試料表面に照射される二次電子の照射領域の実
測結果を示す金属顕微鏡写真。
【図4】試料表面に照射される二次電子の照射領域の実
測結果を補う金属顕微鏡写真。
【図5】本発明によるバリウムホウケイ酸ガラスの深さ
方向濃度分布測定結果を示すグラフ。
【図6】従来法によるバリウムホウケイ酸ガラスの深さ
方向濃度分布測定結果を示すグラフ。
【図7】本発明によるアルミナ焼結体中のケイ素の深さ
方向濃度分布測定結果を示すグラフ。
【図8】本発明によるアルミナ焼結体の質量分解能25
00における質量スペクトル測定結果を示すグラフ。
【図9】四重極型質量分析計を有する二次イオン質量分
析装置によるアルミナ焼結体の質量スペクトル測定結果
を示すグラフ。
【図10】本発明による石英の深さ方向濃度分布測定結
果を示すグラフ。
【符号の説明】
1…正の電荷を持つ一次イオン、2…試料、3…試料ホ
ルダー、4…試料押さえバネ、5…二次イオン引き出し
用電源、6…正の電荷を持つ二次イオン、7…電子線、
8…二次イオン引き出し電極、9…電子線発生用フィラ
メント、10…電子線引き出し用電源、11…電子線引
き出し電極、12…電子線偏向用磁場、13…入口スリ
ット、14…電場領域、15…エネルギースリット、1
6…磁場領域、17…出口スリット、20…一次イオン
源、21…二重収束型質量分析計、22…検出器、23
…電子銃、35…正の電荷を持つ二次イオン、36…二
次電子、37…電子線照射誘起導電現象によって形成さ
れる導電層、30…正の電荷が蓄積される主な領域、3
1…負の電荷が蓄積される主な領域、32…電荷の中
和、34…過剰の正もしくは負の電荷の流出、33…正
の電荷を持つ一次イオンの飛程と電子線の飛程との差、
40…試料ホルダーの金属プレート、41…イオンレン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月12日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正内容】
【図4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に正の電荷を持つ一次イオンを
    照射し、スパッタリング現象により前記試料表面から放
    出され、二次イオン引き出し電極による引き出し電界に
    よって加速された正の電荷を持つ二次イオンを電場でエ
    ネルギー分離し、さらに磁場で質量分離して分析する二
    次イオン質量分析法において、 前記試料が1013Ωcm以上1019Ωcm以下の比抵抗
    値を有する絶縁性試料であるとき、前記一次イオン照射
    領域を包み込む領域に1.5〜2.5keVの入射エネ
    ルギーを有する電子線を照射することにより、前記一次
    イオン照射による前記試料表面の帯電を抑制することを
    特徴とする二次イオン質量分析法。
  2. 【請求項2】 試料に前処理を施さないことを特徴とす
    る請求項1記載の二次イオン質量分析法。
  3. 【請求項3】 前記試料表面から放出される二次イオン
    の一部が前記二次イオン引き出し電極の試料対向面に当
    たり、それによって前記二次イオン引き出し電極から放
    出される二次電子を0.5〜1.5keVの入射エネル
    ギーで前記試料表面に入射させることを特徴とする請求
    項1又は2記載の二次イオン質量分析法。
  4. 【請求項4】 前記二次イオン引き出し電極に対する試
    料の電位を+0.5〜+1.5kVに設定することを特
    徴とする請求項1、2又は3記載の二次イオン質量分析
    法。
  5. 【請求項5】 前記二次イオン引き出し電極に対する試
    料の電位を+0.5〜+1.5kVに設定し、前記電子
    線を発生する電子源の電子線引き出し電極に対する電位
    を−0.5〜−1.5kVに設定することを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の二次イオン質量分析法。
  6. 【請求項6】 金属プレートを備える試料ホルダーに前
    記試料を装着し、前記金属プレートからの距離が1mm
    以内の試料位置に前記一次イオンを照射することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項記載の二次イオン質
    量分析法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258774A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Fujitsu Ltd 4探針プローブヘッドおよび半導体特性の評価方法
JP2022106761A (ja) * 2015-02-10 2022-07-20 ノヴァ メジャリング インスツルメンツ インコーポレイテッド 二次イオン質量分析を用いた半導体測定および表面分析のためのシステムならびに手法

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