JPH10282025A - 2次イオン質量分析方法 - Google Patents

2次イオン質量分析方法

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JPH10282025A
JPH10282025A JP9094006A JP9400697A JPH10282025A JP H10282025 A JPH10282025 A JP H10282025A JP 9094006 A JP9094006 A JP 9094006A JP 9400697 A JP9400697 A JP 9400697A JP H10282025 A JPH10282025 A JP H10282025A
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JP
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sample
analyzed
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ion
secondary ion
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JP9094006A
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Susumu Kusanagi
進 草薙
Shiro Miwa
司郎 三輪
Hajime Kobayashi
一 小林
Ichiro Nomachi
一郎 野町
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料が絶縁性の高い材料から構成され測定元
素がイオン化しにくい場合でも、いわゆるノックオン効
果を抑えながら、また手間および時間をかけずに効率よ
く試料中の微量元素の濃度を測定する。 【解決手段】 被分析試料5中に含まれる特定な元素の
含有濃度を求めるに際し、前記被分析試料5の表面に1
次イオンB1 を照射し、この照射時に前記被分析試料5
から放出される2次イオンB2 を質量に応じて定量分析
する2次イオン質量分析方法であって、前記1次イオン
B1 としてカリウムイオンを用いる。好適には、前記被
分析試料5の主構成材料はセレン化亜鉛(ZnSe)で
あり、前記特定な元素は窒素(N)である。また、前記
被分析試料の主構成材料はシリコン(Si)であり、前
記特定な元素は砒素(As)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2次イオン質量分
析(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS) 法に
係り、とくに、SIMS測定の被分析試料が絶縁性の高
い材料からなる場合であっても高精度で容易に濃度分布
測定等を行い得る2次イオン質量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2次イオン質量分析(SIMS)法は、
高い検出感度(〜ppbレベル)を有する固体試料の元
素分析法であり、しかも深さ方向の分析が高分解能(〜
nmレベル)で行えることから、例えば材料解析におけ
る微量元素分析、半導体基板中の深さ方向の不純物濃度
プロファイル測定などに広く用いられている。
【0003】SIMS法では、イオン化ポテンシャルの
低い元素を含むガスをプラズマ化し、この中から目的と
するイオン化元素を引き出し、高エネルギー電場で加速
し細く絞った後、この1次イオンビームを高真空環境内
で試料表面に照射して試料内の原子をたたき出し、イオ
ン化した試料の主構成元素(基体元素)および含有元素
を含むイオン粒子群、すなわち2次イオンを質量分析す
る。また、この質量分析と、1次イオンビームを試料表
面に走査させて行うスパッタリング(エッチング)とを
交互に繰り返すと、その質量分析結果とエッチング量と
から深さ方向の濃度分布を得ることができる。1次イオ
ンの照射エネルギーとしては、スパッタリング効率の高
い数keVから20keV程度が用いられる。また、1
次イオンとしては、一般に、O2 + ,Cs+ ,Ar+
Ga+ などの主に正イオンが用いられる。
【0004】一般に、SIMS分析においては、試料へ
のイオンの照射、試料からの2次イオンの放出、および
2次電子の放出をともなうことから、絶縁性が高い試料
を測定する際には、試料表面に電荷が蓄積されてチャー
ジアップするため、2次イオンの放出エネルギーが変化
し測定が不可能となる。このとき、測定する2次イオン
の極性を正とすると、試料の電位は正にバイアスされ試
料より放出された2次電子がチャージアップを中和する
分だけ再び吸収され、絶縁性の高い試料のチャージアッ
プをほぼ抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のSIMS法で
は、試料中の含有元素のうち単独でイオン化しにくい元
素を分析する場合、この元素を2次イオンとして正にイ
オン化するために、例えば1次イオン元素と結合したか
たち検出する必要がある。
【0006】ところが、このイオン化しにくい元素のう
ち特定な元素については、単元素として取り出すことが
できれば質量分析が可能だが、1次イオン元素と結合し
たときの質量数が試料の主構成元素(基体元素)および
残留気体との結合元素と重なり、質量分析を困難とする
といった問題がある。たとえば、絶縁性の高いセレン化
亜鉛(ZnSe)基板中の窒素(N)を正にイオン化し
2次イオンとして取り出す場合、Nは単独ではイオン化
しにくいため、1次イオン(Cs+ )と結合させて(N
+Cs)+ として検出する方法がとられる。ここで質量
数を元素記号の左肩につけた数字で表記すると、この結
合イオン(14N+133 Cs)+ は、2次イオンビーム中
の検出元素イオン以外のイオン群(以下、“バックグラ
ウンド”という)のうち、例えば(67Zn+80Se)等
の基体元素、(68Zn+78Se+1 H)等の基体と残留
気体の結合元素と、質量数147で重複する。したがっ
て、これらの質量が重複するイオンが存在するこは、検
出元素の高感度な定量分析を阻害する。
【0007】この感度低下に対処するためには、高質量
分解能モードでSIMS分析を行う必要がある。高質量
分解能モードとは、放出された2次イオンビームをでき
るだけ細く絞り収束させ、スリットを通過させることに
より検出側に飛来する粒子のエネルギー分布幅を狭くす
ることにより、僅かな質量差も検出するようにした分析
モードである。しかし、高質量分解能モードでは、SI
MS分析装置の最高性能を引き出す必要があるため、常
に装置を最良の状態に保ち、測定前には高度で極めて微
妙な調整と細かな条件出しを行わなければならない。し
たがって、高質量分解能モードによる測定の際には多大
な労力と時間を必要として、通常、装置の調整と条件出
しを行うだけで優に2〜3時間を費やすことが余儀なく
される。
【0008】一方、イオン化されにくい元素(N)を、
負の(14N+80Se)- として検出する方法がある。こ
のイオンの質量数は94で、バックグラウンドとの質量
数で重複することはないが、正の1次イオンビームによ
ってもたらされる電荷量より更に電荷蓄積が進むためチ
ャージアップを有効に防止することが必須となる。チャ
ージアップの有効な防止法としては、試料表面の1次イ
オンビーム照射領域に低速電子ビームを重畳させ、1次
イオンビームによる試料表面の蓄積電荷を相殺する方法
が用いられる。しかし、この場合も電子ビームの調整が
非常に微妙であり、高度な技術が必要とされ、このため
前述した高質量分解能モードの測定と同様に、多大な労
力と時間を必要とする。
【0009】以上より、従来のSIMS法において、絶
縁性の高い基体中のイオン化エネルギーの高い元素を検
出する場合、この元素を正の2次イオンとして、或いは
負の2次イオンとして検出する何れの手法を用いても、
高度な技術が必要であり、多大な労力と時間を費やすこ
ととなっていた。
【0010】ところで、特に深さ方向の分析を行う場合
にスパッタリング現象を利用するSIMS測定法の本質
的、付随的な効果として、高エネルギーの1次イオンの
試料衝突により、表面の元素が試料内部に押し込まれた
り1次イオンが試料中に注入されることにより、試料中
の元素の深さ方向分布が測定の際に変化する効果(ノッ
クオン効果)が知られている。このノックオン効果に関
し、Csイオンを用いた測定では、Csイオンは比較的
に質量が重い(質量数:133)ためノックオン効果が
顕著となる。ノックオン効果は、一般には、1次イオン
ビームの照射エネルギーを低くすることにより実用上問
題がないようにすることもできるが、1次イオンビーム
の照射エネルギーを低くすると、それだけ測定効率が低
下する。また、1次イオンビームの照射エネルギーをで
きるかぎり低くしても、上記Csイオンを用いた測定で
はノックオン効果の影響を完全に抑えることができず、
検出結果が実際の試料中の深さ方向の濃度プロファイル
と異なった結果になりやすい。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、被分析試料が絶縁性の高い材料から構成され検出元
素がイオン化しにくい場合でも、イオン照射による試料
への影響を抑えながら、また手間および時間をかけずに
効率よく試料中の微量元素の濃度を測定することができ
る2次イオン質量分析方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上記目的を達成するために、本発明の2次
イオン質量分析方法では、被分析試料中に含まれる特定
な元素の含有濃度を求めるに際し、前記被分析試料の表
面に1次イオンを照射し、この照射時に前記被分析試料
から放出される2次イオンを質量に応じて定量分析する
2次イオン質量分析方法であって、前記1次イオンとし
て、カリウムイオンを用いる。
【0013】好適には、前記被分析試料の主構成材料は
セレン化亜鉛であり、前記定量分析される前記特定な元
素は窒素である。また、前記被分析試料の主構成材料は
シリコンであり、前記定量分析される前記特定な元素は
砒素である。
【0014】前述したように、例えばセレン化亜鉛中の
窒素濃度を求める場合、セレン化亜鉛のチャージアップ
防止のために検出元素(窒素)を正にイオン化なければ
ならないが窒素はイオン化しにくいために、例えばカリ
ウムと結合した正のイオン(2次イオン)として検出さ
れる。本発明によれば、1次イオンとして比較的に軽い
カリウム(質量数:39)を用いることから、このカリ
ウムと結合した正の2次イオンの質量数が、基体元素で
あるセシウムおよび亜鉛の結合元素(バックグラウン
ド)と重複、或いは近似することが有効に防止される。
このため、検出元素がバックグラウンドと近似するとき
に必須であった高質量分解能モードでの測定が不要であ
り、通常モードで測定できることから、余り手間と時間
をかけることなく検出元素の定量分析が可能となる。
【0015】また、1次イオンの質量数が小さいことか
ら、いわゆるノックオン効果による試料元素の最配置お
よび組成変化が有効に防止され、検出結果の信頼性を高
めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る2次イオン質
量分析(SIMS)法を、図面を参照しながら詳細に説
明する。本発明は、SIMS法の1次イオンとして、従
来から一般的に用いられていたO2 + ,Cs+ ,A
+ ,Ga+ に代えて、カリウムイオン(K+ )を用い
るものである。したがって、本発明の実施に用いる濃度
測定装置(SIMS装置)およびSIMS法の基本的な
測定原理は、従来と同様である。
【0017】図1は、本発明の実施に用いられるSIM
S装置の一例として、走査型SIMS装置の概略構成お
よび測定原理を示す図である。図1中、1は走査型SI
MS装置、2はイオン源、3a〜3cは静電レンズ、4
は偏向電極、5は試料、6はスリット、7は質量分析
計、8は検出器、9は電子銃を示す。また、B1 は1次
イオンビーム、B2 は2次イオンビームを示す。
【0018】この走査型SIMS装置1を用いたSIM
S測定では、イオン源2で1次イオンを生成して出射さ
せ、2段の静電レンズ3a,3bによりビーム径および
イオン電流密度を調整し、1次イオンビームB1 として
偏向電極4により試料5の表面の所定領域に照射する。
1次イオンビームB1 が照射された試料5の表面から
は、その構成元素(基体元素および検出元素を含む含有
元素)がイオン化され、2次イオンビームB2 となって
たたき出される。2次イオンビームB2 は、通常測定モ
ードでは質量分析計7内に導入されて、イオン種の質量
に応じて空間的に分離され、検出器8でカウントされて
定量分析が行われる。他方、前述した高質量分解能モー
ドでは、2次イオンビームを静電レンズ3cでできるだ
け細く絞り収束させ、スリット6を通過させることによ
りエネルギー分布幅を狭くした後、質量分析計7と検出
器8による定量分析が行われる。なお、試料5のチャー
ジアップを防止する必要があるときは、低速電子ビーム
を照射できる電子銃9が使われる。
【0019】このSIMS装置1を用いて、試料5の深
さ方向の濃度分布を測定することもできる。この濃度分
布の測定では、上述した方法で1次イオンビームB1 を
試料5の表面に照射して2次イオンビームB2 について
行う定量分析と、偏向電極4を用いて1次イオンビーム
B1 を試料表面上に走査させて前記測定領域を中心とし
た比較的に広範囲な領域に1次イオンビームB1 を照射
して行うスパッタリングとを連続して、交互に繰り返し
行う。このとき、スパタリング率を一定に制御すること
によって、検出元素の強度(濃度)が時間の関数として
得られ、試料5の深さ方向の濃度分布をを求めることが
できる。
【0020】つぎに、本発明のSIMS法の特徴および
効果について説明するが、ここでは具体例としてセレン
化亜鉛(ZnSe)中の窒素(N)元素の定量分析につ
いて述べる。なお、前述したように、本発明はZnSe
中のN濃度検出が困難なことに鑑みて考案され、帯電し
やすい基体内の微量元素がイオン化エネルギーが大きく
イオン化しにくい場合、その検出の容易化を図るもので
ある。したがって、この目的に沿うものであれば基体元
素および検出元素の種類を問わず、本発明が好適に実施
できる。
【0021】従来、このZnSe中のN検出において
は、1次イオンとして、セシウムイオン(Cs+ )が用
いられていた。本発明では、1次イオンとして、Cs+
ではなくカリウムイオン(K+ )を用い、2次イオンと
して(N+K)+ を検出する。
【0022】この場合、2次イオン(N+K)+ が正で
あることから、試料の帯電が起きにくく電子銃による低
速電子ビームの照射を行う必要がない。また、(N+
K)+ の質量数は53であり、従来の1次イオンとして
Csイオンを用いる場合のように、2次イオンビーム内
のバックグラウンドと質量数が重複しない。基体の質量
数は、Znが68でSeが78であることから、基体の
単元素だけでもKイオンとの質量差が十分であり、これ
らが他の元素と結合したものとは更に質量差が大きいか
らである。このため、高質量分解能モード測定の必要が
ない。以上より、低速電子ビームの照射、或いは高質量
分解能モード測定を行うときの特別で高度な技術を必要
とせず、SIMS装置の基本的な操作方法を習得してい
れば経験が浅い者でも、比較的容易に効率よくSIMS
分析を行うことができる。
【0023】この高質量分解能モード測定が必要な正の
2次イオン((N+Cs)+ )を用いる場合、また低速
電子ビームの照射が必要な負の2次イオン((N+S
e)-)を用いる場合にあっては、その条件出しの如何
で、例えばチャージアップが十分に防止できていない、
高質量分解能モード測定時の2次イオンビームの収束が
十分でない、或いはビームとスリットの位置調整ができ
ていない等に起因して、測定データの信頼性低下が懸念
されるが、本発明の場合は、常に良質な測定データを得
ることができる。
【0024】従来の1次イオンとしてCsイオンを用い
負の2次イオンを検出して絶縁性の高い試料を分布する
場合には、図1の電子銃9を用いている。電子銃9は、
1次イオンの照射により帯電した試料を中和する目的
で、試料に低速電子ビームを照射するためのものであ
る。このため、電子銃9からのガスが少しでも漏れる
と、試料室の真空度が低下し、この残留ガスが2次イオ
ンと結合するなどして、定量分析時の測定限界をきめる
バックグラウンドが悪化(バックグラウンドの強度が上
昇)して、高感度測定を妨げる。本発明では、1次イオ
ンとしてKイオンを用いていることから、試料を帯電の
しにくい正の2次イオンとして分析するため電子銃9を
使用する必要がなく、高真空状態のままビーム照射が可
能であり、残留ガスによる定量分析時のバックグラウン
ドの強度低下が期待される。
【0025】さらに、(N+K)+ の質量数は53と比
較に軽いイオンであることから、先に指摘したノックオ
ン効果が低減される。このノックオン効果は、1次イオ
ンの質量が大きく重いほど、また測定する元素の原子番
号が大きい、即ち原子半径が大きいほど顕著に現れる傾
向にある。As(原子番号:33)はN(原子番号:
7)より大きな元素であり、したがって、Si中のAs
元素検出のほうが、ZnSe中のN元素検出時よりも、
軽い1次イオンを用いることによるノックオン効果の低
減効果が大きくなる。
【0026】測定結果 図2は、1次イオンとしてKイオンを用いた場合につい
て、ZnSe中のNの検出結果を示すグラフである。比
較対照例として、図3には、従来の1次イオンとしてC
sイオンを用い、低速電子ビーム照射により試料上の電
荷を中和して測定したときの測定結果を示す。図2,3
のグラフは、前記した濃度分布測定の方法により、縦
(y)軸に検出器における検出粒子数を、横(x)軸に
試料の基板深さをとったものである。
【0027】図3の従来の場合が、そのバックグラウン
ドが1.5×1017atoms/cm3 であるのに対
し、図2の場合のバックグラウンドが2.0×1016
toms/cm3 と、従来の1/10程度にバックグラ
ウンドが低下していることが判る。これにより、検出限
界が大幅に改善されることが確認された。なお、図2,
3を比較するとピーク値も異なるが、これは(N+C
s)+ として検出した場合と(N+K)+ として検出し
た場合とで検出感度が異なるためであり検出粒子を濃度
に換算するとどちらも4.0×1019atoms/cm
3 と同じピーク値を有する。また、高質量分解能モード
測定を行わないため、測定時間が従来よりも2〜3時間
ほど短縮された。
【0028】なお、バックグラウンド効果については、
本実施例では1次イオンの照射エネルギーを極力小さく
して照射したため、図2,3とも真のプロファイルと軌
跡を同じくした結果となった。しかし、バックグラウン
ド効果の発生原因からして明らかに、1次イオンの質量
数を小さくしたことは、バックグラウンド効果を低減
し、また、この効果が十分に低減される条件範囲を広く
する効果がある。したがって、1次イオンにKイオンを
用いると、照射エネルギーを上げても真のプロファイル
が得られ、照射エネルギーを上げることができない従来
の場合に比べ、さらなる時間短縮を図ることができる。
【0029】このように本実施例のSIMS法では、絶
縁性の高いセレン化亜鉛中の窒素の分析を行う際には、
1次イオンビームをCsイオンからKイオンに変更する
だけで、測定時間の短縮が図れるだけでなく、定量分析
のバックグラウンドを低下させて検出限界を向上させ、
高感度な分析を行うことが可能となった。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る2次イオン質量分析法によ
れば、絶縁性が高い基体中のイオン化エネルギーの低い
元素を2次イオン質量分析する際の検出感度が向上し、
微量元素の測定が可能となる。また、測定時の労力低
減、時間短縮などが図れ、測定自体も容易化されて効率
的な2次イオン質量分析を行うことができる。さらに、
この2次イオン質量分析法を繰り返し用いることによっ
て、信頼性の高い深さ方向の濃度分布を効率よく得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2次イオン質量分析法を好適に実施で
きる2次イオン質量分析装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例に係り、1次イオンとしてKイ
オンを用いてZnSe中のN分布を測定したときの測定
結果を示すグラフである。
【図3】図2の比較例として、1次イオンとしてCsイ
オンを用いてZnSe中のN分布を測定したときの測定
結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…SIMS装置、2…イオン源、3a〜3c…静電レ
ンズ、4…偏向電極、5…試料(被分析試料)、6…ス
リット、7…質量分析計、8…検出器、9…電子銃、B
1 …1次イオンビーム、B2 …2次イオンビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野町 一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被分析試料中に含まれる特定な元素の含有
    濃度を求めるに際し、前記被分析試料の表面に1次イオ
    ンを照射し、この照射時に前記被分析試料から放出され
    る2次イオンを質量に応じて定量分析する2次イオン質
    量分析方法であって、 前記1次イオンとして、カリウムイオンを用いる2次イ
    オン質量分析方法。
  2. 【請求項2】前記被分析試料の主構成材料は、セレン化
    亜鉛であり、 前記定量分析により検出される前記特定な元素は、窒素
    である請求項1に記載の2次イオン質量分析方法。
  3. 【請求項3】前記被分析試料の主構成材料は、シリコン
    であり、 前記定量分析により検出される前記特定な元素は、砒素
    である請求項1に記載の2次イオン質量分析方法。
  4. 【請求項4】被分析試料中に含まれる特定な元素の深さ
    方向の濃度分布を求めるに際し、前記1次イオンの照射
    および前記2次イオンの定量分析と、前記1次イオンの
    照射による試料表面のエッチングとを繰り返し行う請求
    項1に記載の2次イオン質量分析方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003504616A (ja) * 1999-07-09 2003-02-04 フェイ カンパニ 二次イオンの収量を高める方法及び装置

Cited By (2)

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JP2003504616A (ja) * 1999-07-09 2003-02-04 フェイ カンパニ 二次イオンの収量を高める方法及び装置
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