JP2000123411A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2000123411A
JP2000123411A JP10298477A JP29847798A JP2000123411A JP 2000123411 A JP2000123411 A JP 2000123411A JP 10298477 A JP10298477 A JP 10298477A JP 29847798 A JP29847798 A JP 29847798A JP 2000123411 A JP2000123411 A JP 2000123411A
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light
substrate
dye
transmittance
recording medium
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JP10298477A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光保存性に優れると同時に、色素記録層の
記録状態を目視で確認することができ使用上の利便性に
も優れた追記型の光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録光および再生光を透過し、色素記録
層に含有される有機色素の吸収帯にある光を吸収し、か
つ、可視領域であって有機色素の吸収帯より短波長側に
ある光を平均透過率20%以上で透過するように、光透
過率を調整された基板上に、有機色素を含有する色素記
録層を設け、基板側から記録光または再生光を照射する
光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機色素を記録材
料とし、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行うこ
とができる追記型の光情報記録媒体に関し、特に、耐光
保存性に優れると同時に、利便性にも優れる追記型の光
情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)は、追
記型CD(所謂CD−R)とも称され、市販のCDプレ
ーヤを用いて再生できる利点を有しており、また最近で
は、パーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も
増大している。
【0003】CD−R型の光ディスク(単に、CD−R
と称する場合がある)の代表的な構造は、透明な円盤状
基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からな
る光反射層、さらに樹脂製の保護層をこの順に積層した
ものである。そしてこの光ディスクへの情報の書き込み
(記録)は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付
近の波長のレーザ光)を光ディスクに照射することによ
り行われ、色素記録層の照射部分がその光を吸収して局
所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化(例え
ば、ピットなどの生成)が生じてその光学的特性を変え
ることにより情報が記録される。一方、情報の読み取り
(再生)も通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ
光を光ディスクに照射することにより行われ、色素記録
層の光学的特性が変化した部位(ピットなどの生成によ
る記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射
率の違いを検出することにより情報が再生される。
【0004】上記のような色素記録層を持つCD−Rは
記録再生特性に優れていること、また市販のCDプレー
ヤを利用して再生できるように、記録光、再生光に対す
る高い反射率を有していることはもとより、記録後にお
いても高い耐光性を有していることが望まれる。
【0005】従来、記録層に含有する色素化合物として
は、例えば、ベンゾインドレニン骨格(インドレニン骨
格にベンゼン環が縮合した構造)を有するシアニン系色
素が用いられている。しかし、上記のようなシアニン系
色素は自然光に対する安定性が充分ではなく、経時保存
した場合に、褪色により記録媒体の記録再生特性を劣化
させる。このため、記録層に含有する色素化合物の褪色
を防止する方法として、特開平3−41640号公報、
特開平4−271031号公報には、基板に含有した光
吸収剤等により記録光、再生光以外の光をすべて遮断し
た光情報記録媒体が提案されている。また、特開平4−
167239号公報には、基板に含有した光吸収剤等に
より650nm以下の波長の光を遮断した光情報記録媒
体が提案されている。これらはいずれも、記録光、再生
光のみを透過させ、記録層色素の褪色を引き起こすこれ
より短波長側の光(可視光〜紫外光)を遮断するという
考えに基づくものである。しかしながら、エンドユーザ
ーによる記録を目的とするCD−Rにおいては、どの程
度の容量を使用したか、未使用か使用済みか、といった
ことを一目で判断できる使用上の利便性も重要である。
記録領域では記録層色素の変質が生じているため、記録
領域と未記録領域とは外見で識別することができるが、
記録光、再生光以外の光をすべて遮断してしまうと、可
視光が色素記録層まで到達しないため、色素記録層の記
録状態を目視で確認することができなくなるという問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐光
保存性に優れると同時に、色素記録層の記録状態を目視
で確認することができ使用上の利便性にも優れた追記型
の光情報記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、シアニン
系色素を用い、どの波長で色素の分解による褪色が発生
するかを詳細に調査した結果、記録層に含有される色素
の分解は、主に、その色素吸収帯の光により発生し、そ
れ以外の光による影響は小さいということを知見し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 (1)基板上に、有機色素を含有する色素記録層を設
け、基板側から記録光または再生光を照射する光情報記
録媒体において、前記基板は、記録光および再生光を透
過し、色素記録層に含有される有機色素の吸収帯にある
光を吸収し、かつ、可視領域であって前記有機色素の吸
収帯より短波長側にある光を平均透過率20%以上で透
過するように、光透過率を調整されている基板であるこ
とを特徴とする光情報記録媒体である。 (2)前記(1)の光情報記録媒体において、前記基板
は、可視領域であって前記有機色素の吸収帯より短波長
側にある光を平均透過率40%以上で透過することが好
ましい。 (3)基板上に、吸収帯の中心波長が600〜700n
mにある有機色素を含有する色素記録層を設け、基板側
から記録光または再生光を照射する光情報記録媒体にお
いて、前記基板は、700〜800nmの光を平均透過
率60%以上で透過し、600〜700nmの光を平均
透過率40%以下となるように吸収し、かつ、400〜
500nmの光を平均透過率40%以上で透過するよう
に、光透過率を調整されている基板であることを特徴と
する光情報記録媒体である。 (4)前記(1)〜(3)の光情報記録媒体において、
基板を着色することにより光透過率を調整することが好
ましい。 (5)前記(1)〜(3)の光情報記録媒体において、
基板の光入射面側に光透過率調整層を設けることにより
光透過率を調整することが好ましい。
【0008】以上のように、記録層色素の吸収帯以外の
可視光を透過させることで、記録媒体の耐光保存性を損
なうことなく、色素記録層の記録状態を目視で確認する
ことができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、その
基板が、下記の3つの条件を満たすように光透過率を調
整されていることを特徴とするものである。 (1)記録光および再生光を透過する (2)色素記録層に含有される有機色素(以下、記録層
色素という)の吸収帯にある光を吸収する (3)可視領域であって前記有機色素の吸収帯より短波
長側にある光を平均透過率20%以上で透過する
【0010】本発明の基板は、記録光および再生光を透
過するように光透過率を調整されている必要がある。特
に、市販のCDプレーヤを利用して再生するためには、
記録媒体がこの記録光、再生光に対する高い反射率を有
していることが必要であり、高い反射率を得るためには
光透過率も高くする必要がある。現在実用化が図られて
いる追記型の光情報記録媒体の記録光、再生光の波長は
780nmであり、市販のCDプレーヤでの再生のため
には、基板は、700〜800nmの光を平均透過率で
60%以上透過させるものでなければならず、平均透過
率が70%以上であることがより好ましい。
【0011】本発明の基板は、記録層色素の吸収帯にあ
る光を吸収するものでなければならず、記録層色素の褪
色防止の観点からは、吸収率は高ければ高いほど好まし
い。すなわち、基板の記録層色素の吸収帯にある光に対
する透過率は低ければ低いほど好ましいのである。記録
層色素には、再生光に対する反射率を確保するために、
記録再生波長より短波長側に吸収帯の中心波長を有する
色素を使用する。現在使用されている記録再生波長は7
80nmであるため、記録層色素にはこれより短波長側
の600〜700nmに吸収帯の中心波長を有している
シアニン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素等
の有機色素が使用されている。これら記録層色素の吸収
帯は500〜800nmの波長にわたって広がってい
る。従って、吸収帯の中心波長が600〜700nmに
ある記録層色素を使用する場合は、基板の600〜70
0nmの光に対する平均透過率が40%以下、好ましく
30%以下、より好ましくは20%以下となるように光
透過率を調整する。なお、本願において「吸収帯」とは
透過率が50%以下で連続している波長領域を意味す
る。
【0012】さらに、本発明の基板は、可視領域であっ
て前記有機色素の吸収帯より短波長側にある光を平均透
過率20%以上で透過するように光透過率を調整されて
いる必要がある。見やすさの点で、平均透過率は40%
以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。平
均透過率20%未満では、光量が不十分であり目視によ
る記録状態の確認が困難となる。上述のように記録層色
素の褪色を促進する波長の光をできるだけ遮断して耐光
保存性を改善すると同時に、これ以外の波長の可視光を
透過させることで、色素記録層の記録状態を、外側から
目視により確認できるようになり、使用上の利便性も損
なわれることがない。本発明において可視領域とは40
0〜700nmの波長領域のことであり、500〜80
0nmの波長にわたって吸収帯を有するシアニン系色素
等の記録層色素では、その短波長側の400〜500n
mの波長領域の光が透過するように基板の光透過率を調
整するのが好ましい。なお、400nm未満の紫外領域
の光も遮断することが好ましい。400nm未満の光
は、同じエネルギーの光を照射した時の褪色率はさほど
大きくないが、太陽光は光の放射エネルギーが高いため
に、実際の使用条件ではこの領域の光が色素の褪色に与
える影響は比較的大きくなる。従って、基板の400n
m未満の光に対する平均透過率は50%以下が好まし
く。更に好ましくは30%以下、最も好ましくは20%
以下である。
【0013】基板の光透過率の調整は、基板を顔料また
は染料等を用いて着色することにより行うことができ
る。基板の着色は、例えば、基板の成形時に樹脂に着色
剤を直接混入することにより行ってもよいし、マスター
バッチとして混入してもよい。また、成形後の基板を染
色することにより行ってもよい。着色剤、マスターバッ
チは特に制限は無く、記録層色素の吸収波長に応じて、
その吸収波長に吸収を有する既存の顔料や染料、または
これらを含有するマスターバッチを適宜選択することが
できる。これら着色剤は単独で用いても良く、2以上を
組み合わせて用いてもよい。褪色防止の目的から、これ
らの顔料または染料は耐光性や耐熱性に優れるものが好
ましい。また、記録層色素は一般には不安定であるが、
基板中で安定に存在させることが可能であれば、記録層
色素と同種の色素等も使用することができる。光透過率
の調整は、これら着色剤の基板への配合量を変えること
によって行うことができる。基板中の着色剤の含有量
は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量
%が好ましい。少な過ぎると着色剤が基板中に均一に混
合せず、また多過ぎるとマスターバッチの使用量が多く
なって製造工程が大がかりなものになり、製造コストが
上昇するので好ましくない。また、着色による吸収帯の
位置は、記録再生光の透過を妨げないように、長波長側
は、記録層色素の最大吸収波長から100nm以内には
基板着色による吸収が存在しないことが好ましく、50
nm以内に吸収が存在しないことがより好ましい。一
方、短波長側は、記録層色素の最大吸収波長から150
nm以内には基板着色による吸収が存在しないことが好
ましく、100nm以内に吸収が存在しないことがより
好ましい。
【0014】また、基板の光透過率の調整は、光透過率
調整層を設けることにより行ってもよい。光透過率調整
層は、上記の着色剤と結合剤とを適当な溶剤に溶解また
は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコ
ートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することに
より形成することができる。光透過率調整層の層厚は、
0.5〜30μmが好ましく、1〜10μmの範囲がよ
り好ましい。光透過率調整層は、形成の容易さから、基
板の記録再生光入射面側に設けるのが好ましいが、基板
の色素記録層に隣接する面側に設けることもできる。
【0015】本発明の光情報記録媒体は、円盤状基板上
に、有機色素を含有する色素記録層を設けてなるもので
あり、更にその上に光反射層が設けられていることが好
ましく、この光反射層の上には、更に保護層が設けられ
ていることが好ましい。以下に、円盤状基板、色素記録
層、光反射層、及び保護層をこの順に積層させてなる本
発明の光情報記録媒体の製造方法について詳述する。
【0016】基板は、上述の通り光透過率の調整を行う
ことを除いては、従来の光情報記録媒体の基板と同様で
あり、その材料は、従来、基板材料として用いられてい
る各種の材料から任意に選択することができる。基板材
料としては、例えばガラス;ポリカーボネート;ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキ
シ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステ
ルなどを挙げることができる。上記のものは、所望によ
り併用してもよい。この中では、耐湿性、寸法安定性お
よび価格などの点からポリカーボネートが好ましい。基
板のの厚さは一般に0.4〜1.5mmの範囲にあり、
好ましくは1.1〜1.3mmの範囲である。
【0017】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
は例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メ
タクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合
体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルア
ミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスル
ホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層
は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液
を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコ
ート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用し
て基板表面に塗布することにより形成することができ
る。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0018】基板(または下塗層)上には、トラッキン
グ用溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレ
グルーブ)が形成されていることが好ましい。このプレ
グルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成
形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成されるこ
とが好ましい。
【0019】また、プレグルーブの形成を、プレグルー
ブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層
の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステ
ル、トリエステルおよびテトラエステルのうちの少なく
とも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始
剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の
形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)
上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からな
る混合液を塗布し、更にこの塗布液層上に基板を載せた
のち、基板または母型を介して紫外線を照射するにより
塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次い
で、基板を母型から剥離することにより得ることができ
る。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.05〜100
μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲
である。
【0020】プレグルーブの深さは0.01〜0.3μ
mの範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、
0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。また
プレグルーブ層の深さを0.13〜0.25μmの範囲
にすることにより反射率を殆ど低下させることなく感度
を向上させることができ、特に好ましい。従って、この
ような光ディスク(深いプレグルーブの基板に色素記録
層および光反射層が形成された光ディスク)は、高い感
度を有することから、低いレーザーパワーでも記録が可
能となり、これにより安価な半導体レーザの使用が可能
となる、あるいは半導体レーザの使用寿命を延ばすこと
ができる等の利点を有する。
【0021】プレグルーブが形成された基板上には色素
記録層が設けられる。色素記録層の形成は、前述したシ
アニン色素等の有機色素、更に所望により結合剤を溶剤
に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表
面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行
なうことができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV
吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に
応じて添加してもよい。
【0022】色素層塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブ
チル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケト
ンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエ
タン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水
素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン
などのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール
などのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグ
リコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶
剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以
上を適宜併用することができる。
【0023】結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、
セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの
天然有機高分子物質;およびポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン
等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビ
ニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素
化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム
誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化
性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げること
ができる。色素記録層の材料として結合剤を併用する場
合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して
0.2〜20重量部、好ましくは、0.5〜10重量
部、更に好ましくは1〜5重量部である。結合剤を色素
記録層に含有させることにより記録層の保存安定性を改
良することも可能である。
【0024】このようにして調製される塗布液中の色素
の濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好
ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0025】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。色素記録層は単層でも重層でもよい。色
素記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあ
り、好ましくは50〜300nmの範囲にある。また、
色素記録層は基板の片面のみならず両面に設けられてい
てもよい。
【0026】上記色素記録層の上には、特に情報の再生
時における反射率の向上の目的で、光反射層が設けられ
る。光反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対
する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、
Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレ
ス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいも
のは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよ
びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いても
よいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAu、Agあるいはこ
れらと、Pt、Cu、及びAlから選ばれる少なくとも
一種の金属を含む合金である。光反射層は、例えば、上
記光反射性物質を真空蒸着、スパッタリングまたはイオ
ンプレーティングすることにより色素記録層の上に形成
することができる。光反射層の層厚は、一般的には10
〜800nmの範囲にあり、好ましくは20〜500n
mの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲であ
る。
【0027】光反射層の上には、色素記録層などを物理
的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが
好ましい。この保護層は、基板の色素記録層が設けられ
ていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けるこ
ともできる。保護層に用いられる材料の例としては、S
iO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4 等の
無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹
脂等の有機物質を挙げることができる。
【0028】保護層は、例えば、プラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上及び/
または基板上にラミネートすることにより形成すること
ができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等
の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解し
て塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し乾燥するこ
とによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の
場合には、溶剤を使用することなくそのままもしくは適
当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を
塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形
成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電
防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.
1〜100μmの範囲にある。
【0029】本発明の光情報記録媒体は、上述した構成
からなる単板であってもよい。あるいは更に二枚の円盤
状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有する基板
を用いて、色素記録層が内側となるように基板同士を向
い合わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼り
合せタイプの光情報記録媒体とすることもできる。ある
いはまた、二枚の円盤状基板のうちの少なくとも一方に
上記構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサ
とリング状外側スペーサとを介して接合することによ
り、エアーサンドイッチタイプの光情報記録媒体とする
こともできる。
【0030】本発明の光情報記録媒体には、例えば、次
のようにして情報の記録、再生が行われる。本発明の光
情報記録媒体は、通常のCDフォーマットの場合の1倍
速(1.2〜1.4m/秒)を始めとして、4倍速、6
倍速、もしくはそれ以上の高速記録にも利用できる。ま
ず、光情報記録媒体を所定の線速度(CDフォーマット
の場合は1.2〜1.4m/秒)又は所定の定角速度に
て回転させながら、基板側から半導体レーザ光などの記
録用の光を照射する。この光の照射により、色素記録層
がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピッ
トが生成してその光学特性を変えることにより情報が記
録される。上記のように記録された情報の再生は、光情
報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら半導体レ
ーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出するこ
とにより行うことができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。まず、記録層に用いる下記のシアニン系色素
(A1)の分光透過率と光照射による分光褪色率との相
関を調べた。
【0032】
【化1】
【0033】前記シアニン系色素(A1)2.65g
を、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール10
0mlに溶解して塗布液を調製した。この塗布液を、
0.6mm厚さの透明ポリカーボネート基板(帝人
(株)製、「パンライトAD5503」)表面に、回転
数を300rpm〜2000rpmまで変化させながら
スピンコートにより塗布し、乾燥して、色素層(厚さ約
150nm)を形成した。色素層形成後の基板につい
て、分光透過率(300nm〜800nmの各波長での
色素光学濃度)を測定した。測定した分光透過率を図1
に示す。図1から、このシアニン系色素は500nm〜
800nmには吸収があるが、400nm〜500nm
にはほとんど吸収が無いことが分かる。キセノン光を回
折格子で分光し、分光後の光をサンプルに照射すること
ができる回折格子照射分光器を用い、色素層形成後の基
板を、この回折格子照射分光器にセットして、8時間照
射し、このときの色素光学濃度を測定し、色素光学濃度
の減少率を照射エネルギーで規格化して、各波長での褪
色率を算出した。例えば、未露光での光学濃度が1.1
3、露光後の光学濃度が0.90、照射エネルギーが
1.95(メガエルグ/cm2 )の場合は、光学濃度減
少率が(1.31−0.90)/1.31=0.313
となり、褪色率は0.313/1.95=0.161と
なる。これによりどの程度の光エネルギーでどれだけの
色素光学濃度が減少したかが明確になる。なお、色素光
学濃度は、誤差を最小限にするため、照射する光の波長
にかかわらず、光学濃度の大きい670nmの波長で測
定した。図2は、このときの分光褪色率を示すグラフで
ある。図2から、色素吸収帯のある550nm〜800
nmの領域の光を照射した場合は、分光褪色率が高くな
るが、これ以外の光では褪色はほとんど起こっていない
ことが分かる。以上の結果から、前記シアニン系色素
(A1)を記録層色素に用いる場合、褪色を防止するた
めには、550nm〜800nmの領域の光を遮断すれ
ばよく、これより短波長の光は透過させても問題がない
ことが分かる。
【0034】[実施例1]基板原料として、バイエル社
製のマスターバッチ「Makrolon light blue 」を、帝人
(株)製の透明ポリカーボネートペレット「パンライト
AD5503」に、1.5重量%の割合で配合し、表面
にスパイラル状のプレグルーブ(プレグルーブ幅:50
0nm、プレグルーブの深さ:175nm)を有する基
板(厚さ:1.2mm、内径:15mm、外径:120
mm)を射出成形により形成した。得られた基板の各波
長領域での透過率を表1に示す。次に、前記シアニン色
素(A1)2.65gを、2,2,3,3−テトラフル
オロプロパノール100mlに溶解して記録層形成用塗
布液を調製した。この塗布液を、得られた基板のそのプ
レグルーブ側の表面に、回転数を300rpm〜200
0rpmまで変化させながらスピンコートにより塗布
し、乾燥して、色素記録層(厚さ(プレグルーブ内):
約200nm)を形成した。
【0035】次に、色素記録層上に、Agをスパッタし
て膜厚150nmの光反射層を形成した。更に光反射層
上に、UV硬化性樹脂(商品名:SD−316、大日本
インキ化学工業(株)製)を回転数を300rpm〜4
000rpmまで変化させながらスピンコートにより塗
布した。塗布後、その上から高圧水銀灯により紫外線を
照射して硬化させ、層厚8μmの保護層を形成した。以
上の工程により、基板、色素記録層、光反射層及び保護
層からなる本発明に従うCD−R型の光ディスクを得
た。得られた光ディスクの反射率は69%であった。な
お、反射率はパルステック社製OTM−2000を用い
て最適パワーで測定した。
【0036】[実施例2]基板原料として、前記マスタ
ーバッチ「Makrolon light blue 」を、透明ポリカーボ
ネートペレットに、0.8重量%の割合で配合して用い
た以外は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R
型の光ディスクを得た。得られた光ディスクの反射率は
71%であった。
【0037】[実施例3]基板原料として、透明ポリカ
ーボネートペレットに、前記マスターバッチ「Makrolon
light blue 」を2.0重量%の割合で、バイエル社製
マスターバッチ「UV-batch」を2.0重量%の割合でそ
れぞれ配合して用いた以外は、実施例1と同様にして本
発明に従うCD−R型の光ディスクを得た。得られた光
ディスクの反射率は71%であった。
【0038】[比較例1]基板原料として、前記マスタ
ーバッチ「Makrolon light blue 」を、透明ポリカーボ
ネートペレットに、3.0重量%の割合で配合して用い
た以外は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R
型の光ディスクを得た。得られた光ディスクの反射率は
69%であった。
【0039】[比較例2]基板原料として、前記マスタ
ーバッチ「Makrolon light blue 」を配合しなかった以
外は、実施例1と同様にして本発明に従うCD−R型の
光ディスクを得た。得られた光ディスクの反射率は72
%であった。
【0040】[光情報記録媒体としての評価] (1)視覚による記録状態の検知可能性の評価 実施例及び比較例で得られた光ディスクを波長780n
m、線速1.2m/sで3TのEFM信号をレーザーパ
ワーを4mW〜9mWまで振って記録した。記録後の光
ディスクについて、記録領域と未記録領域との識別がで
きるか否かを目視で確認した。評価は以下の基準により
行った。 ◎・・・記録領域と未記録領域との境界をきわめて明瞭
に識別できた。 ○・・・記録領域と未記録領域との境界を識別できた。 △・・・記録領域と未記録領域とが存在することを確認
できた。 ×・・・記録領域と未記録領域との識別が困難であっ
た。 (2)耐光保存性の評価 実施例及び比較例で得られた光ディスクを波長780n
m、線速1.4m/sで3TのEFM信号をレーザーパ
ワーを4mW〜9mWまで振って記録した。その後、得
られた光ディスクに、スガ試験機製フェードメータ(照
射光量:335W/m2 )を使用し、60℃、75%R
Hの環境条件下で12時間、キセノン光を照射した。キ
セノン光の照射前(保存前)と所定時間照射後(保存
後)の光ディスクに対してパルステック社製OTM−2
000を用いて最適パワーでの記録再生特性(C1エラ
ー)を調べ、耐光保存性を評価した。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1の結果から、基板により、記録層
色素の吸収波長領域の光を吸収し、可視領域の光を一部
透過させることとした本発明の光情報記録媒体は、高温
高湿度の条件下でキセノン光を長時間照射した後(保存
後)においてもC1エラーの増加量が少なく、記録後の
耐光性が顕著に改善されていると同時に、記録領域と未
記録領域との識別が可能であることが分かる。特に、基
板が、可視領域であって有機色素の吸収帯より短波長側
にある光(400〜500nmの光)を平均透過率40
%以上で透過する場合には、記録領域と未記録領域とを
明瞭に識別できることが分かる。一方、可視領域の光の
透過が不十分では、目視による記録状態の確認ができず
(比較例1)、基板による記録層色素の吸収波長領域の
光を殆どを透過させてしまった場合には、耐光保存性が
不十分となる(比較例2)。
【0043】
【発明の効果】耐光保存性に優れると同時に、色素記録
層の記録状態を目視で確認することができ使用上の利便
性にも優れた追記型の光情報記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】色素層形成後の基板の未露光での分光透過率を
示す吸収スペクトルである。
【図2】色素層形成後の基板の露光後の分光褪色率を示
すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、有機色素を含有する色素記録
    層を設け、基板側から記録光または再生光を照射する光
    情報記録媒体において、 前記基板は、記録光および再生光を透過し、色素記録層
    に含有される有機色素の吸収帯にある光を吸収し、か
    つ、可視領域であって前記有機色素の吸収帯より短波長
    側にある光を平均透過率20%以上で透過するように、
    光透過率を調整されている基板であることを特徴とする
    光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記基板は、可視領域であって前記有機
    色素の吸収帯より短波長側にある光を平均透過率40%
    以上で透過することを特徴とする請求項1記載の光情報
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板上に、吸収帯の中心波長が600〜
    700nmにある有機色素を含有する色素記録層を設
    け、基板側から記録光または再生光を照射する光情報記
    録媒体において、 前記基板は、700〜800nmの光を平均透過率60
    %以上で透過し、600〜700nmの光を平均透過率
    40%以下となるように吸収し、かつ、400〜500
    nmの光を平均透過率40%以上で透過するように、光
    透過率を調整されている基板であることを特徴とする光
    情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板を着色することにより光透過率を調
    整することを特徴とする請求項1から3までのいずれか
    1に記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板の光入射面側に光透過率調整層を設
    けることにより光透過率を調整することを特徴とする請
    求項1から3までのいずれか1に記載の光情報記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6731592B2 (en) 2000-09-21 2004-05-04 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical information recording medium and method of manufacturing optical information recording medium

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