JP2000120662A - 動圧流体軸受 - Google Patents

動圧流体軸受

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JP2000120662A
JP2000120662A JP10309482A JP30948298A JP2000120662A JP 2000120662 A JP2000120662 A JP 2000120662A JP 10309482 A JP10309482 A JP 10309482A JP 30948298 A JP30948298 A JP 30948298A JP 2000120662 A JP2000120662 A JP 2000120662A
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dynamic pressure
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pressure generating
sleeve
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JP10309482A
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Masayoshi Asami
政義 浅見
Akira Miyazawa
明 宮澤
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Canon Inc
Canon Precision Inc
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Canon Inc
Canon Precision Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑オイルの軸方向の動きを規制して軸受面に
おける潤滑オイル切れを防止して安定した軸受剛性を確
保し、動圧流体軸受を長時間回転する際の耐久性向上を
図る。 【構成】軸受スリーブ内径又は軸受シャフト外径の軸方
向2箇所のラジアル軸受面2、3に形成されるヘリング
ボーン動圧発生溝パターン4、5は、それらの嵌合部に
おける微少隙間が、各動圧発生溝パターンの軸方向中心
の両側で、2つの動圧発生溝パターン4、5が互いに隣
接する側で大きくなるように異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビデオ回転ドラムやレー
ザービームプリンタの光学走査系などの精密回転部に用
いられる動圧流体軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオの回転ドラムやレーザービ
ームプリンタの光学走査系には温度変化の激しい場合に
も回転ムラの少ないことや高い回転精度が要求されてい
る。このような高い軸受精度を確保するための手段とし
て、回転によって発生する流体(空気やオイル)の動圧
で回転体を支持(軸支)する動圧流体軸受が使用されて
いる。この動圧流体軸受は軸受スリーブ内径または軸受
シャフト外径に少なくとも1つの動圧発生溝パターンを
形成し、軸受スリーブと軸受シャフトの相対運動のポン
プ作用により軸荷重を支承するように構成されている。
【0003】図8は従来の動圧流体軸受の構成を例示す
る縦断面図である。図8において、軸受スリーブ1の内
径面には、軸方向所定距離をおいて2つのラジアル軸受
面2、3が設けられている。これらのラジアル軸受面
2、3には、動圧発生溝パターンとしてのヘリングボー
ン状の溝4、5がそれぞれ形成されている。軸受シャフ
ト6は、前記軸受スリーブ1の各ラジアル軸受面2、3
との間に微少隙間7、8をもって嵌合されている。な
お、本例では、この微少隙間7、8に潤滑オイルが充填
されている。
【0004】図8において、軸受シャフト6にかかるス
ラスト方向の荷重はスラスト軸受部材9によって支持さ
れる。このスラスト軸受部材9としては、例えば、スパ
イラルグルーブ状の溝を有するものや滑り軸受が採用さ
れる。前記軸受シャフト6にはロータ12が固定され、
該ロータ12にはモータマグネット10が固定されてお
り、モータマグネット10はロータ12により支持され
軸受シャフト6とともに回転する。前記軸受スリーブ1
にはモータステータ11が固定され、該モータステータ
11は前記モータマグネット10とともに回転駆動モー
タを構成するものである。
【0005】軸受シャフト6の一端部には密閉されたス
ラスト空隙部13が形成されている。本例の前記スラス
ト空隙部13は、潤滑オイルが充填され、ラジアル軸受
面3および軸受シャフト6とスラスト軸受部材9とによ
り形成されるスラスト軸受に潤滑オイルを供給するオイ
ルタンクの役割を果たすものである。前記2つのラジア
ル軸受面2、3の間には、動圧発生溝パターンの軸受隙
間よりも軸受隙間大なる部分14が形成されている。こ
の軸受隙間大なる部分14は、隣り合う動圧発生溝パタ
ーンの影響を減ずるためのものであり、また、潤滑オイ
ルが充填されることで前記ラジアル軸受面2、3に潤滑
オイルを供給するためのものでもある。さらに、前記軸
受スリーブ1と前記軸受シャフト6の間には、油返し1
5が形成されている。この油返し15には、通常、潤滑
オイルは完全には充填されていない。
【0006】以上のように構成された動圧流体軸受の作
用について以下に説明する。モータステータ11に図示
しない制御回路より通電すると、モータステータ11が
モータマグネット10とともに回転駆動モータを構成し
ていることから、ロータ12に固定された軸受シャフト
6が前記モータマグネット10とともに一体的に回転す
る。このとき、ヘリングボーン状の溝4、5の効果によ
り、ラジアル軸受面2、3の微少隙間7、8に介在する
潤滑オイルは該ヘリングボーン状の溝4、5の中央部に
引き込まれ、ラジアル軸受面2、3には正圧が発生す
る。この正圧により、軸受シャフト6はラジアル軸受面
2、3に対して非接触状態で支持(軸支)される。
【0007】また、潤滑オイルがヘリングボーン状の溝
4、5の中央部に引き込まれるときの不足分(補充分)
は、前記スラスト空隙部13、前記軸受隙間大なる部分
14及び前記油返し15に蓄えられた潤滑オイルによっ
て補充(供給)される。さらに、回転時の発熱や高温環
境下においても、潤滑オイル中に含まれる気体の膨張に
より上部に押し出された潤滑オイルは、油返し15に保
持され、軸受スリーブ1より漏洩することはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の構成では、図2に示すように特にラジアル
軸受面2、3の円筒度が一方向にテーパになっていた場
合には、オイルの流れは同図中の矢印で示すように微少
隙間の小さい方から大きい方に一様に流れる傾向を持
ち、片側でオイル切れを発生させていた。また、図3に
示すように両側に開くテーパになっている場合には常に
同図中の矢印で示す方向にオイルの流れが発生し、軸受
隙間大なる部分に隣接するラジアル軸受面2、3にてオ
イル切れを発生させていた。このため、有効軸受面が減
少し、軸受剛性の低下や長時間回転時における軸受のか
じりといった問題があった。また、通常軸受隙間は5〜
10ミクロン程度であり、円筒度の影響を受けなくする
まで加工精度を向上させて円筒度ゼロを目指して対応す
ることは困難であった。
【0009】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、軸受面における潤滑オイル
切れを防止することで安定した軸受剛性を確保すること
ができ、長時間回転の耐久性に優れた動圧流体軸受を提
供することである。
【0010】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、上記目的
を達成するため、微少隙間で相対する軸受スリーブ内径
もしくは軸受シャフト外径の一方に動圧発生溝パターン
が形成され、前記軸受スリーブと前記軸受シャフトの相
対運動のポンプ作用により軸荷重を支承する動圧流体軸
受において、前記動圧発生溝パターンはヘリングボーン
動圧発生溝パターンであって、前記ヘリングボーン動圧
発生溝パターンにおける前記軸受スリーブ内径と前記軸
受シャフト外径間の微少隙間が、前記ヘリングボーン動
圧発生溝パターンの軸方向中心の両側で異なることを特
徴とする。
【0011】請求項2及び3の発明は、上記請求項1の
構成に加えて、動圧発生溝パターンとして2つのヘリン
グボーン動圧発生溝パターンが形成されるとともに、双
方の前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンにおける前
記軸受スリーブ内径と前記軸受シャフト外径間の微少隙
間が、前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンの軸方向
中心の両側のうち、互いに隣接する側で大きくなるよう
に前記軸受スリーブ内径または前記軸受シャフト外径が
テーパ形状となっている構成、あるいは、動圧発生溝パ
ターンとして2つのヘリングボーン動圧発生溝パターン
が形成されるとともに、双方の前記ヘリングボーン動圧
発生溝パターンにおける前記軸受スリーブ内径と前記軸
受シャフト外径間の微少隙間が、前記ヘリングボーン動
圧発生溝パターンの軸方向中心の両側のうち、互いに隣
接する側で大きくなっている構成とすることにより、よ
り効果的に上記目的を達成するものである。
【0012】請求項4の発明は、上記目的を達成するた
め、微少隙間で相対する軸受スリーブ内径もしくは軸受
シャフト外径の一方に動圧発生溝パターンが形成され、
前記軸受スリーブと前記軸受シャフトの相対運動のポン
プ作用により軸荷重を支承する動圧流体軸受において、
スラスト軸受付近の軸受スリーブにリング状の溝を有す
ることを特徴とする。このように、リング状の溝を設け
ることで、スラスト軸受部の組立時の軸受スリーブの軸
受面の変形を抑えることにより、潤滑オイルの軸方向の
動きを規制することができ、それによって、上記目的を
達成するものである。
【0013】請求項5〜7の発明は、上記請求項4の構
成に加えて、前記スラスト軸受付近の軸受スリーブに設
けたリング状の溝は前記軸受スリーブ外径に形成したリ
ング状の溝である構成、前記スラスト軸受付近の軸受ス
リーブに設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ内径に
形成したリング状の溝である構成、あるいは、前記スラ
スト軸受付近の軸受スリーブに設けたリング状の溝は前
記軸受スリーブ端面に形成したスラスト軸受部材を取り
囲むリング状の溝である構成とすることにより、より効
果的に上記目的を達成するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した動圧流体
軸受の第1実施例における軸受スリーブと軸受シャフト
との間のラジアル軸受面の隙間の軸方向分布の状態とオ
イルの動きを示す模式図である。図1は、図8に示す従
来例に対する改良点であるラジアル軸受面と軸受シャフ
トを模式的に示すものである。従って、従来例と同じ構
成および作用を行う部材に対しては、図8の場合と同じ
符号を付してその詳細説明を省略する。
【0015】図1において、軸受スリーブ1(後述する
ように、軸受シャフト6側でもよい)の内径面には軸方
向所定間隔をおいた2箇所にラジアル軸受面2、3が設
けられ、これらのラジアル軸受面2、3と軸受シャフト
6との間には、軸方向に図示のように大きさが変化する
微少隙間16、17、18、19が設けられている。通
常、この微少隙間は作動流体(充填流体)としてオイル
を用いる場合には3〜10ミクロンに設定され、前述の
動圧流体軸受の作用により非接触軸受として機能する。
ここで、本実施例(第1実施例)においては、軸受スリ
ーブ1に形成されたラジアル軸受面2の微少隙間16、
17のうち、隣のラジアル軸受面3に隣接する方の微少
隙間17は微少隙間16よりも大きくなるようにテーパ
形状で形成されている。同様に、ラジアル軸受面3の微
少隙間18、19のうち、隣のラジアル軸受面2に隣接
する方の微少隙間18は微少隙間19よりも大きくなる
ようにテーパ形状で形成されている。
【0016】上述のように構成された動圧流体軸受にお
いて、軸受シャフト6が回転すると、潤滑オイルが保持
された微少隙間16における流体の粘性に基づくポンピ
ング効果が微少隙間17よりも大きくなるため、潤滑オ
イルは同図中の上側の矢印で示すように軸方向中心に向
けて搬送される。同様に、もう一方のラジアル軸受面3
においても、潤滑オイルが保持された微少隙間19にお
ける流体の粘性に基づくポンピング効果が微少隙間18
よりも大きくなるため、潤滑オイルは同図中の下側の矢
印で示すように軸方向中心に向けて搬送される。
【0017】ラジアル軸受面2、3の間は従来例の図8
の軸受隙間大なる部分14のように閉鎖された空間であ
るので、図1の構成を採ることにより、潤滑オイルの定
常的な軸方向の動きを規制することができる。このた
め、ラジアル軸受面2、3における潤滑オイル切れを防
止して、安定した軸受剛性を確保し、長時間回転の耐久
性に優れた動圧流体軸受を得ることができる。
【0018】なお、ラジアル軸受面2、3に設けられた
テーパ形状は、微少隙間16、17、18、19が5ミ
クロン程度である場合には1ミクロン程度(1/5程度
のテーパ)でその効果を十分発揮することが可能であ
る。このようなテーパを加工する方法として、軸受スリ
ーブ1を図5に示すように最大外径面25、26がラジ
アル軸受面2、3の間になるようにし、その最大外径面
25、26をチャックしてラジアル軸受面2、3を加工
し、この後チャックを外して弾性変形を回復させること
により図1のようなテーパ形状を形成する方法を採用す
ることができる。このような加工方法によれば、図1に
示すようなテーパ形状のラジアル軸受面2、3を容易に
細密に加工することができる。
【0019】図4は本発明を適用した動圧流体軸受の第
2実施例における軸受スリーブと軸受シャフトとの間の
ラジアル軸受面の隙間の軸方向分布の状態とオイルの動
きを示す模式図である。図4も、図8に示す従来例に対
する改良点であるラジアル軸受面と軸受シャフトを模式
的に示すものであり、従来例と同じ構成および作用を行
う部材に対しては、図8の場合と同じ符号を付してその
詳細説明を省略する。図4において、ラジアル軸受面
2、3にはヘリングボーン状の溝4、5が形成され、い
ずれの軸受面でも軸方向中央で内径寸法が変化し軸方向
両側の内径寸法が異なるように構成されている。
【0020】すなわち、図4に示すように、ラジアル軸
受面2の微少隙間20、21では、他方のラジアル軸受
面3に隣接する微少隙間21は微少隙間20より大きく
なっており、また同様に、ラジアル軸受面3の微少隙間
22、23では、他方のラジアル軸受面2に隣接する微
少隙間22が微少隙間23よりも大きくなっている。
【0021】図4のように構成された動圧流体軸受にお
いて、軸受シャフト6が回転すると、潤滑オイルが保持
された微少隙間20における流体の粘性に基づくポンピ
ング効果が微少隙間21よりも大きくなるため、潤滑オ
イルは同図中の上側の矢印で示すように軸方向中心に向
けて搬送される。同様に、もう一方のラジアル軸受面3
においても、潤滑オイルが保持された微少隙間23にお
ける流体の粘性に基づくポンピング効果が微少隙間22
よりも大きくなるため、潤滑オイルは同図中の下側の矢
印で示すように軸方向中心に向けて搬送される。
【0022】図4中のラジアル軸受面2、3の間も、図
1の場合と同様、従来例の図8の軸受隙間大なる部分1
4のように閉鎖された空間であるので、図4の構成を採
ることにより、潤滑オイルの定常的な軸方向の動きを規
制することができる。このため、ラジアル軸受面2、3
における潤滑オイル切れを防止して、安定した軸受剛性
を確保し、長時間回転の耐久性に優れた動圧流体軸受を
得ることができる。つまり、図4の第2実施例において
も図1の第1実施例と同等の効果を得ることができる。
【0023】図5は本発明を適用した動圧流体軸受の第
3実施例を示す模式的縦断面図である。図5では、図8
に示す従来例と同じ構成および作用を行う部材に対して
は図8の場合と同じ符号が付されており、それらの詳細
説明は省略する。図5において、軸受スリーブ1のスラ
スト軸受付近の外径部にリング状の溝24が形成されて
いる。スラスト軸受部材9は、通常、圧入や加締め手段
により軸受スリーブ1に固定される。
【0024】しかし、図8の従来例の軸受スリーブ1で
は、スラスト軸受部材9を軸受スリーブ1に固定(特に
圧入)すると、該軸受スリーブ1の内径が半径方向に広
げられ、その円筒度が劣化する。その際、ラジアル軸受
面3のスラスト軸受側が広げられるため、該軸受面3の
微少隙間8はスラスト軸受側で大きくなり、反対側では
小さくなる。このため、微少隙間8に介在する潤滑オイ
ルは常にスラスト軸受方向(図5中の下向き)に搬送さ
れるような力を受けるため、スラスト空隙部13が閉塞
空間の場合には軸受シャフト6の浮き上がりの問題が発
生し、外気との連通孔(不図示)を持っている場合には
潤滑オイルが漏洩するといった問題が発生していた。
【0025】これに対し、図5の第3実施例によれば、
スラスト軸受近傍の軸受スリーブ1の外径部にリング状
の溝24が設けられているので、スラスト軸受部材9を
軸受スリーブ1に圧入したり加締めたりして組み立てる
際の該軸受スリーブ1の変形の影響がラジアル軸受面3
に及ぶことを阻止することができる。その理由は、前記
リング状の溝24が、軸受スリーブ1の変形に際して、
弾性ヒンジの役割を果たすからである。従って、図5の
第3実施例によれば、リング状の溝24を設けること
で、スラスト軸受部の組立時のラジアル軸受面3の変形
を抑えることにより、潤滑オイルの軸方向の動きを規制
することができ、それによって、ラジアル軸受面2、3
における潤滑オイル切れを防止することで安定した軸受
剛性を確保することができ、長時間回転の耐久性に優れ
た動圧流体軸受が提供される。
【0026】図6は本発明を適用した動圧流体軸受の第
4実施例を示す模式的縦断面図である。図6の第4実施
例は、図5の第3実施例とはリング状の溝が設けられる
場所の点で相違のみであり、その他の面では実質上同じ
構成を有している。つまり、本実施例では、図6に示す
ように、軸受スリーブ1のスラスト軸受付近の内径部に
リング状の溝27が形成されている。本実施例において
も、軸受スリーブ1の内径部にリング状の溝27が設け
られているので、前述の第3実施例の場合と同様の効果
を得ることができる。
【0027】すなわち、図6の第4実施例においても、
スラスト軸受近傍の軸受スリーブ1の内径部にリング状
の溝27が設けられているので、スラスト軸受部材9を
軸受スリーブ1に圧入したり加締めたりして組み立てる
際に該軸受スリーブ1が変形しても、該リング状の溝2
7が弾性ヒンジの役割を果たすため、ラジアル軸受面3
の変形が抑えられて潤滑オイルの軸方向の動きを規制す
ることができ、それによって、ラジアル軸受面2、3に
おける潤滑オイル切れを防止することで安定した軸受剛
性を確保することができ、長時間回転の耐久性に優れた
動圧流体軸受が提供される。
【0028】図7は本発明を適用した動圧流体軸受の第
5実施例を示す模式的縦断面図である。図7において、
軸受スリーブ1のスラスト軸受付近の端面にリング状の
溝28が形成されている。図7の第5実施例も、図5の
第3実施例とは、このリング状の溝の位置の点で相違す
るのみであり、その他の面では実質上同じ構成をゆうし
ており、各部の詳細説明は省略する。本実施例において
も、軸受スリーブ1の端面にスラスト軸受部材9を取り
囲むリング状の溝28を設けるので、前述の第3実施例
の場合と同様の効果を得ることができる。
【0029】すなわち、図7の第5実施例においても、
スラスト軸受近傍の軸受スリーブ1の端面にリング状の
溝28を設けるので、スラスト軸受部材9を軸受スリー
ブ1に圧入したり加締めたりして組み立てる際に該軸受
スリーブ1が変形しても、該リング状の溝28が弾性ヒ
ンジの役割を果たすため、ラジアル軸受面3の変形が抑
えられて潤滑オイルの軸方向の動きを規制することがで
き、それによって、ラジアル軸受面2、3における潤滑
オイル切れを防止することで安定した軸受剛性を確保す
ることができ、長時間回転の耐久性に優れた動圧流体軸
受が提供される。
【0030】以上説明した各実施例によれば、加工時お
よび組立時に円筒度の管理を行うことで、潤滑オイルの
軸方向の動きを規制し、安定した軸受剛性を確保し、ま
た長時間回転の耐久性に優れた動圧流体軸受を得ること
ができる。また、以上の各実施例においては軸受スリー
ブ1の内径部に動圧発生溝パターンとしてのヘリングボ
ーン状の溝4、5を形成したが、このヘリングボーン状
の溝は、軸受シャフト6側に形成してもよく、それによ
っても同等の効果を奏することができる。さらに、以上
の各実施例では、軸方向所定間隔をおいた2箇所に動圧
発生溝パターンを設ける場合を例示したが、本発明は、
軸方向の1箇所または3箇所以上に動圧発生溝パターン
を設ける場合にも同様に適用することができ、同様の効
果が得られるものである。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、微少隙間で相対する軸受スリーブ内
径もしくは軸受シャフト外径の一方に動圧発生溝パター
ンが形成され、前記軸受スリーブと前記軸受シャフトの
相対運動のポンプ作用により軸荷重を支承する動圧流体
軸受において、前記動圧発生溝パターンはヘリングボー
ン動圧発生溝パターンであって、前記ヘリングボーン動
圧発生溝パターンにおける前記軸受スリーブ内径と前記
軸受シャフト外径間の微少隙間が、前記ヘリングボーン
動圧発生溝パターンの軸方向中心の両側で異なる構成と
したので、潤滑オイルの軸方向の動きを規制して軸受面
における潤滑オイル切れを防止することにより安定した
軸受剛性を確保することができ、長時間回転の耐久性に
優れた動圧流体軸受が提供される。
【0032】請求項2及び3の発明によれば、上記請求
項1の構成に加えて、動圧発生溝パターンとして2つの
ヘリングボーン動圧発生溝パターンが形成されるととも
に、双方の前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンにお
ける前記軸受スリーブ内径と前記軸受シャフト外径間の
微少隙間が、前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンの
軸方向中心の両側のうち、互いに隣接する側で大きくな
るように前記軸受スリーブ内径または前記軸受シャフト
外径がテーパ形状となっている構成、あるいは、動圧発
生溝パターンとして2つのヘリングボーン動圧発生溝パ
ターンが形成されるとともに、双方の前記ヘリングボー
ン動圧発生溝パターンにおける前記軸受スリーブ内径と
前記軸受シャフト外径間の微少隙間が、前記ヘリングボ
ーン動圧発生溝パターンの軸方向中心の両側のうち、互
いに隣接する側で大きくなっている構成としたので、一
層効率よく上記効果を達成できる動圧流体軸受が提供さ
れる。
【0033】請求項4の発明によれば、微少隙間で相対
する軸受スリーブ内径もしくは軸受シャフト外径の一方
に動圧発生溝パターンが形成され、前記軸受スリーブと
前記軸受シャフトの相対運動のポンプ作用により軸荷重
を支承する動圧流体軸受において、スラスト軸受付近の
軸受スリーブにリング状の溝を有する構成としたので、
スラスト軸受部の組立時の軸受スリーブの軸受面の変形
を抑えることにより、潤滑オイルの軸方向の動きを規制
することができ、それによって、潤滑オイルの軸方向の
動きを規制して軸受面における潤滑オイル切れを防止す
ることにより安定した軸受剛性を確保することができ、
長時間回転の耐久性に優れた動圧流体軸受が提供され
る。
【0034】請求項5〜7の発明によれば、上記請求項
4の構成に加えて、前記スラスト軸受付近の軸受スリー
ブに設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ外径に形成
したリング状の溝である構成、前記スラスト軸受付近の
軸受スリーブに設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ
内径に形成したリング状の溝である構成、あるいは、前
記スラスト軸受付近の軸受スリーブに設けたリング状の
溝は前記軸受スリーブ端面に形成したスラスト軸受部材
を取り囲むリング状の溝である構成としたので、一層効
率よく上記効果を達成できる動圧流体軸受が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した動圧流体軸受の第1実施例に
おける軸受スリーブと軸受シャフトとの間のラジアル軸
受面の隙間の軸方向分布の状態とオイルの動きを示す模
式図である。
【図2】ラジアル軸受面が一方向にテーパになっている
場合のオイルの動きを模式的に示す説明図である。
【図3】ラジアル軸受面が両側に開くテーパになってい
る場合のオイルの動きを模式的に示す説明図である。
【図4】本発明を適用した動圧流体軸受の第2実施例に
おける軸受スリーブと軸受シャフトとの間のラジアル軸
受面の隙間の軸方向分布の状態とオイルの動きを示す模
式図である。
【図5】本発明を適用した動圧流体軸受の第3実施例を
示す模式的縦断面図である。
【図6】本発明を適用した動圧流体軸受の第4実施例を
示す模式的縦断面図である。
【図7】本発明を適用した動圧流体軸受の第5実施例を
示す模式的縦断面図である。
【図8】従来の動圧流体軸受の構成を示す模式的縦断面
図である。
【符号の説明】
1 軸受スリーブ 2 ラジアル軸受面 3 ラジアル軸受面 4 ヘリングボーン状の溝 5 ヘリングボーン状の溝 6 軸受シャフト 7 微少隙間 8 微少隙間 9 スラスト軸受部材 10 モータマグネット 11 モータステータ 12 ロータ 13 スラスト空隙部 14 軸受隙間大なる部分 15 油返し 16 微少隙間 17 微少隙間 18 微少隙間 19 微少隙間 20 微少隙間 21 微少隙間 22 微少隙間 23 微少隙間 24 リング状の溝 25 最大外径面 26 最大外径面 27 リング状の溝 28 リング状の溝
フロントページの続き (72)発明者 宮澤 明 東京都目黒区中根2丁目4番19号 キヤノ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA04 AA07 BA02 BA10 CA01 CA03 CA04 JA02 KA02 KA03 LA05 MA03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微少隙間で相対する軸受スリーブ内径
    もしくは軸受シャフト外径の一方に動圧発生溝パターン
    が形成され、前記軸受スリーブと前記軸受シャフトの相
    対運動のポンプ作用により軸荷重を支承する動圧流体軸
    受において、前記動圧発生溝パターンはヘリングボーン
    動圧発生溝パターンであって、前記ヘリングボーン動圧
    発生溝パターンにおける前記軸受スリーブ内径と前記軸
    受シャフト外径間の微少隙間が、前記ヘリングボーン動
    圧発生溝パターンの軸方向中心の両側で異なることを特
    徴とする動圧流体軸受。
  2. 【請求項2】 動圧発生溝パターンとして2つのヘリ
    ングボーン動圧発生溝パターンが形成されるとともに、
    双方の前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンにおける
    前記軸受スリーブ内径と前記軸受シャフト外径間の微少
    隙間が、前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンの軸方
    向中心の両側のうち、互いに隣接する側で大きくなるよ
    うに前記軸受スリーブ内径または前記軸受シャフト外径
    がテーパ形状となっていることを特徴とする請求項1記
    載の動圧流体軸受。
  3. 【請求項3】 動圧発生溝パターンとして2つのヘリ
    ングボーン動圧発生溝パターンが形成されるとともに、
    双方の前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンにおける
    前記軸受スリーブ内径と前記軸受シャフト外径間の微少
    隙間が、前記ヘリングボーン動圧発生溝パターンの軸方
    向中心の両側のうち、互いに隣接する側で大きくなって
    いることを特徴とする請求項1記載の動圧流体軸受。
  4. 【請求項4】 微少隙間で相対する軸受スリーブ内径
    もしくは軸受シャフト外径の一方に動圧発生溝パターン
    が形成され、前記軸受スリーブと前記軸受シャフトの相
    対運動のポンプ作用により軸荷重を支承する動圧流体軸
    受において、スラスト軸受付近の軸受スリーブにリング
    状の溝を有することを特徴とする動圧流体軸受。
  5. 【請求項5】 前記スラスト軸受付近の軸受スリーブ
    に設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ外径に形成し
    たリング状の溝であることを特徴とする請求項4記載の
    動圧流体軸受。
  6. 【請求項6】 前記スラスト軸受付近の軸受スリーブ
    に設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ内径に形成し
    たリング状の溝であることを特徴とする請求項4記載の
    動圧流体軸受。
  7. 【請求項7】 前記スラスト軸受付近の軸受スリーブ
    に設けたリング状の溝は前記軸受スリーブ端面に形成し
    たスラスト軸受部材を取り囲むリング状の溝であること
    を特徴とする請求項4記載の動圧流体軸受。
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