JP3594441B2 - 動圧軸受モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧軸受モータに係り、より具体的には動圧流体軸受における動圧発生オイルの循環を良好ならしめ、併せて動圧発生オイルの漏出等を防ぐことのできる動圧軸受モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、CD−ROM等のスピンドルモータの軸受構造として動圧型流体軸受構造を用いたものが種々提案されており、例えば、特開平8−163821号公報などに記載されたものがあった。
【0003】
上記によれば、スラストプレートの上端表面にスラストカバー側へ開口する孔部を設け、シャフトの表面のうちラジアル軸受部の実質上最大動圧圧力が生成される対応部位に孔部を設け、これら孔部により連通路を構成した。また、スラスト軸受部に介在される流体潤滑剤をシャフト側へ移動させるように構成した。これにより、流体潤滑剤はラジアル軸受部から連通路を経てスラスト軸受部に流通し、そしてラジアル軸受部に還流する、循環路を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、同一部材内においてスラスト方向及びラジアル方向に環状通路を設けなければならないため、非常に加工が難しくなり、ひいてはコストアップとなってしまう。
また、この環状通路の出力端・反出力端はモータ内部あるいはモータ外部に連通しているため、流体潤滑剤が軸受部以外の部分、最悪は外部へ漏出してしまう恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は上記したような問題を解決して、簡単な構造で動圧発生オイルの循環路を構成し、動圧発生オイルがモータ外部へ漏出することのない動圧軸受モータを提供しようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スリーブの外周面もしくは前記軸受ハウジングの内周面のいずれか一方あるいはその両方に前記スリーブの一端から他端へ達する凹部が形成され、この凹部によって形成される軸方向の連続した間隙を前記動圧発生オイルの循環通路としたので、簡単な構成で動圧発生オイルの良好な循環を実現することができ、併せて動圧発生オイルの漏出等を防止して、常に安定した動圧発生オイルの供給を図りその耐久性並びに信頼性を大幅に改善することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の動圧軸受モータは、軸受ハウジングに配したスリーブを介して回転自在に支承されたシャフトの外周面もしくは前記スリーブの内周面のいずれか一方に動圧発生溝が形成され、かつ前記シャフトと前記スリーブとの間に動圧発生オイルを介在させてなるモータの軸受構造において、前記スリーブの外周面もしくは前記軸受ハウジングの内周面のいずれか一方あるいはその両方には凹部が形成され、この凹部によって前記スリーブと前記軸受ハウジングとの装着関係により構成される軸方向の間隙を前記動圧発生オイルの循環通路としたものである。
【0008】
また、前記軸受ハウジングには、少なくとも前記循環通路の出力側に親水性多孔質部材を配しておくと、漏れ出した動圧発生オイルを吸収できるので効果的である。
また、前記軸受ハウジングには、少なくとも前記循環通路の出力側であって、かつ前記動圧発生オイルの介在されるクリアランスよりも実質的に小ならしめ、撥油性流体を含浸させた含油軸受を配するようにしてもよい。
【0009】
【第1の実施例】
図1は、本発明の第1の実施例におけるスピンドルモータの要部断面図であり、図2は、図1における循環通路の構成を示した図である。
図1において、1は動圧発生溝1aの形成されたシャフトであり、ステータベース2に加締め等により固定された軸受ハウジング3の内周面には、スリーブ4が圧入等により固定されている。
【0010】
このスリーブ4とシャフト1との間には動圧発生オイルが介在されることになり、シャフト1はスリーブ4を介して回転自在に支承されている。動圧発生溝1aは、シャフト1の外周面に形成される他に、スリーブ4の内周面に形成してもよい。また、軸受ハウジング3の外周面にはステータコア5が固定されるようになり、このステータコア5には複数個のコイル6が施されている。
【0011】
一方、シャフト1には圧入等によりカップ状のロータヨーク7が固定されており、このロータヨーク7の内周面にはステータコア5に所定の空隙を介してリング状の界磁マグネット8が配されている。
このように構成されたスピンドルモータは、ステータコア5と界磁マグネット8との磁気的作用によってシャフト1が回転すると、動圧発生溝1aと動圧発生オイルとによって、シャフト1とスリーブ4との間には動圧が発生し、これにより、シャフト振れを抑えた高精度なモータが得られる。
なお、9は回転軸1をスラスト方向に保持するスラスト受けである。
【0012】
ここで、図2にも示すように上図は下図のA−A断面図であり、軸受ハウジング3の内周面には軸方向にキー溝3aが形成されている。このキー溝3aの形状は、図示したものに限らず他の形状であっても差し支えない。このようにして構成された軸受ハウジング3の内周面にスリーブ4を装着すると、キー溝3a部分がそのまま軸方向の間隙11となって形成されることになる。
このようにすると、シャフト1とスリーブ4との間に介在された動圧発生オイルは、軸方向に配された間隙11を通して上下の動圧軸受間を良好に循環させることができ、これにより動圧発生オイルの潤滑性を保ちその劣化を抑制することができる。
【0013】
【第2の実施例】
図3は、第2の実施例における循環通路の構成を示した図である。
前述した上記第1の実施例では、軸受ハウジングの内周面にキー溝3aを形成して、これによって構成される間隙11を動圧発生オイルの循環通路としたものであるが、本実施例では、同図を見ても分かるように、スリーブ4の外周面にDカット部4aを設け、このスリーブ4を軸受ハウジング3に装着することにより、軸方向に間隙12を構成したものである。
このようにしても、間隙12が循環通路として動圧発生オイルの循環を良好ならしめることができる。
なお、スリーブ4の外周面のカット形状についても、図示に限らず、Vカット等種々の形状に変更可能である。
【0014】
【第3の実施例】
図4は、本発明の第3の実施例におけるスピンドルモータの要部断面図である。
前述した図1と同様な部分には同様の符号を付することによりその説明を省略するが、ここで、図1と異なるのは、図1ではスリーブ4が一体で形成されているの対し、本実施例のスリーブ14は動圧軸受部とそうでない部分とで分割形成したものである。その際にも、軸方向の間隙13が形成されるように分割されたスリーブ14の各々外周面にDカット等を施しておけばよい。
【0015】
なお、図1あるいは図4において、図中10に示すように、軸受ハウジング3には、循環通路の出力側に親水性多孔質部材を配しておけば、モータ回転時における温度上昇によって生じる圧力変化により漏れ出した動圧発生オイルを、親水性多孔質部材で吸収してそこから外部へ漏出するのを防止し、軸受内の残留空気のみを外部へ排出してその圧力変化を緩和させることができる。
【0016】
また、親水性多孔質部材の代わりに、動圧発生オイルの介在されるクリアランスよりも実質的に小ならしめ、動圧発生オイルに対してフッ素系等の撥油性流体を含浸させた含油軸受を配するようにしても、漏れ出した動圧発生オイルは撥油性流体の作用により動圧軸受内へはじかれるため、動圧発生オイルが外部へ漏出するのを防止できる。
【0017】
なお、本発明は上記した各実施例に限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わせ又は変更して実施可能である。
例えば、上記実施例ではブラシレスモータについて詳述しているが、これに限らずブラシ付きモータに適用できるのは勿論である。また、含油軸受における軸受クリアランスに関しても、含油軸受の内径とスリーブ4の内径とが同径であっても、その分シャフトを段付きに構成しておけば実質的に軸受クリアランスを小とすることができ、本発明を何ら逸脱するものではない。さらに、特許請求の範囲中の凹部の構成についても、上記実施例のキー溝、Dカット等に限らず、種々変更可能であることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、スリーブの外周面もしくは軸受ハウジングの内周面のいずれか一方あるいはその両方に凹部を形成し、この凹部によってスリーブと軸受ハウジングとの装着関係により構成される軸方向の間隙を動圧発生オイルの循環通路としたことにより、簡単な構造で動圧発生オイルの良好な循環を実現することができ、動圧発生オイルの潤滑性を維持してその劣化を抑制することで、耐久性並びに信頼性を大幅に改善することができる。
【0019】
また、軸受ハウジングには、循環通路の出力側に親水性多孔質部材を配しておけば、モータ回転時における温度上昇によって生じる圧力変化により漏れ出した動圧発生オイルを、親水性多孔質部材で吸収してそこから外部へ漏出するのを防止し、軸受内の残留空気のみを外部へ排出してその圧力変化を緩和させることができる。
【0020】
また、軸受ハウジングには、動圧発生オイルの介在されるクリアランスよりも実質的に小ならしめ、動圧発生オイルに対してフッ素系等の撥油性流体を含浸させた含油軸受を配するようにすれば、漏れ出した動圧発生オイルは撥油性流体の作用により動圧軸受内へはじかれるため、動圧発生オイルが外部へ漏出するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるスピンドルモータの要部断面図である。
【図2】図1における循環通路の構成を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施例における循環通路の構成を示した図である。
【図4】本発明の第3の実施例におけるスピンドルモータの要部断面図である。
【符号の説明】
1‥‥シャフト
1a‥‥動圧発生溝
3‥‥軸受ハウジング
3a‥‥キー溝
4‥‥スリーブ
4a‥‥Dカット部
11,12,13‥‥間隙
Claims (3)
- 軸受ハウジングに配したスリーブを介して回転自在に支承されたシャフトの外周面もしくは前記スリーブの内周面のいずれか一方に動圧発生溝が形成され、かつ前記シャフトと前記スリーブとの間に動圧発生オイルを介在させてなるモータの軸受構造において、前記スリーブの外周面もしくは前記軸受ハウジングの内周面のいずれか一方あるいはその両方に前記スリーブの一端から他端へ達する凹部が形成され、この凹部によって形成される軸方向の連続した間隙を前記動圧発生オイルの循環通路としたことを特徴とする動圧軸受モータ。
- 前記軸受ハウジングには、少なくとも前記循環通路の出力側であって前記凹部を循環するオイルが接する位置に親水性多孔質部材が配されてなる請求項1記載の動圧軸受モータ。
- 前記軸受ハウジングには、少なくとも前記循環通路の出力側であって、かつ前記動圧発生オイルの介在されるクリアランスよりも実質的に小ならしめ、撥油性流体を含浸させた含油軸受が配されてなる請求項1記載の動圧軸受モータ。
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