JP2000120563A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2000120563A
JP2000120563A JP10290272A JP29027298A JP2000120563A JP 2000120563 A JP2000120563 A JP 2000120563A JP 10290272 A JP10290272 A JP 10290272A JP 29027298 A JP29027298 A JP 29027298A JP 2000120563 A JP2000120563 A JP 2000120563A
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scroll compressor
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Jiro Iizuka
二郎 飯塚
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Sanden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた圧縮機を提供すること。 【解決手段】 レース支持部10b1 ,20aには、一
対のレース部材24,25の間で一対のボール転走溝2
4c,25cによってボール26を狭持した状態で、介
在している。前記固定部材10bの開口側端部の表面1
0b4 は前記ボール転走溝24cの背面24c1 に接し
ている。前記公転部材20の端板20aの表面20a1
はボール転走溝25cの背面25c1 に接している。前
記表面10b4 ,20a1 には、硬質処理手段Aとして
の硬質陽極酸化被膜、初晶シリコン組織、共晶シリコン
組織、もしくは加工硬化層の一種を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール型圧縮機
に属し、特に、公転部材の自転を防止するためのボール
カップリングを備えているスクロール型圧縮機に属す
る。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機は、一対の渦巻体を
角度をずらせてかみ合わせ、相対的な円運動(公転運動
のみ)を与えて、両渦巻体間に形成する密閉空間を中心
方向へ移動させながら容積を減縮して中心部から圧縮流
体を吐出させるようにした容積式流体圧縮装置である。
【0003】このようなスクロール型圧縮機としては、
従来技術として特開平9−42282号公報に記載され
ているものがある。この従来技術のスクロール型圧縮機
は、図3に示すように、外郭を構成するハウジング10
を有している。ハウジング10は大径の有底円筒体から
なるリアハウジング10aと、リアハウジング10aの
開放端に固定された大径円筒部10b1 と小径円筒部1
0b2 とからなるフロントハウジング(固定部材)10
bとを備えている。
【0004】リアハウジング10aとフロントハウジン
グ10bとは中心軸を同一にして配設されている。ハウ
ジング10の中心軸線X上に配されたシャフト11は、
フロントハウジング10bの小径円筒部10b2 を通っ
てハウジング10内にのびている。また、シャフト11
は、フロントハウジング10bの小径円筒部10b2に
包囲された小径部11aと、フロントハウジング10b
の大径円筒部(レース支持部)10b1 に包囲された大
径部11bとを備えている。
【0005】大径部11bの端部には、軸線Xに平行に
のびている駆動ピン12が軸線Xから偏心して固定され
ている。シャフト11は大径部11bがボールベアリン
グ13を介してフロントハウジング10bの大径円筒部
10b1 により回転自在に支承され、小径部11aがボ
ールベアリング14を介してフロントハウジング10b
の小径円筒部10b2 により回転自在に支承されてい
る。
【0006】小径円筒部10b2 に径方向外方に電磁ク
ラッチ15が配設されている。電磁クラッチ15は、小
径円筒部10b2 に回転自在に外嵌するとともに、図示
しないV形ベルトを介して外部駆動源に接続されたプー
リ15aと小径部11aの端部に固定された回転伝達板
15cとを備えている。シャフト11は駆動源により回
転駆動される。
【0007】リアハウジング10a内には、固定スクロ
ール16が配設されている。固定スクロール16は軸線
Xと同心に配設されてリアハウジング10aに嵌合する
円板状の端板16aと、端板16aの一方の面に形成さ
れた渦巻体16bと、端板16aの他方の面に形成され
た脚16cとを備えている。
【0008】固定スクロール16は、脚16cがリアハ
ウジング10aの底部10a1 に当接した状態で、ボル
ト17によってリアハウジング10aに固定されてい
る。リアハウジング10aの内部空間は、固定スクロー
ル16の端板16aによって吸入室18と吐出室19と
に仕切られている。
【0009】さらに、リアハウジング10a内には、固
定スクロール16に隣接して可動スクロール(公転部
材)20が配設されている。可動スクロール20は、円
板状の端板(レース支持部)20aと、端板20aの一
方の面に形成された渦巻体20bと、端板20aの他方
の面に形成された環状のボス20cとを備えている。端
板20aの中心軸線Yは軸線Xから距離rs偏心してい
る。可動スクロール20の渦巻体20bは、固定スクロ
ール16の渦巻体16bと180度の角度の位相差をも
ってかみ合っている。
【0010】ボス20cには、端板20aと同心に配設
された厚肉円板状のブッシュ21がニードルベアリング
22を介して回転自在に内嵌している。ブッシュ21に
は、軸線Xに平行にのびる偏心貫通穴21aが形成され
ている。またシャフト11の大径部11bには径方向に
のびているバランスウエイト23が固定されている。バ
ランスウエイト23は可動スクロール20の遠心力を相
殺する役目を果たしている。貫通穴21aは、シャフト
11の大径部11bに固定された駆動ピン12を摺動可
能に収容している。ブッシュ21に形成されたピン21
bがシャフト11の大径部11bの端部に形成されたピ
ン21bよりもわずかに大径の穴に嵌合している。
【0011】この圧縮機では、フロントハウジング10
bの大径円筒部10b1 の開口側端部に固定されたフロ
ントハウジング側レース24と、可動スクロール20の
端板20aに固定された可動スクロール側レース25
と、周方向に互いに間隔を隔ててフロントハウジング側
レース24と可動スクロール側レース25との間に介在
する複数のボール26とによって、可動スクロール自転
防止用のホールカップリングが構成されている。ここ
で、フロントハウジング側レース24が対峙する大径円
筒部10b1 の開口側端部の面を表面10b4 と呼び、
可動スクロール側レース25が対峙する可動スクロール
20の端板20aの面を表面20a1 と呼ぶことにす
る。
【0012】フロントハウジング側レース24は、図4
乃至図5に詳細に示すように、レース24の外縁フラン
ジ24aに形成された一対のピン穴24bと、フロント
ハウジング10bの大径円筒部10b1 の開口側端部の
表面10b4 に形成された一対のピン受穴10b5 に緊
密に嵌合する一対のピン27により固定されている。
【0013】可動スクロール側レース25は、図4及び
図5に詳細に示すように、可動スクロール側レース25
の内縁フランジ25aに形成された一対のピン穴25b
と、可動スクロール20の端板20aの表面20a1 に
形成された一対のピン受穴20a3 に緊密に嵌合する一
対のピン28により固定されている。なお、図5におい
て、斜線で示す部分は、ボール26を示している。
【0014】フロントハウジング側レース24には、ボ
ール26の転走面を形成する円形凹状であるボール転走
溝24cが周方向に互いに間隔をもって形成されてい
る。大径円筒部10b1 の開口側端部の表面10b4 は
ボール転走溝24cの反対面で突出しているレース24
の背面24c1 に接している。フロントハウジング側レ
ース24に対峙する可動スクロール側レース25には、
ボール26の転走面を形成する円形凹状である複数のボ
ール転走溝25cが周方向に形成されている。可動スク
ロール20の端板20aはボール転走溝25cの反対面
で突出しているレース25の背面25c1 に接してい
る。
【0015】複数のボール26は、互いに対峙している
一対のボール転走溝24c,25cによって狭持された
状態で、フロントハウジング側レース24と可動スクロ
ール側レース25との間に介在している。
【0016】次に、従来のボールカップリングを有する
スクロール型圧縮機の動作と、ボールカップリングの動
作とを説明する。
【0017】図示しない外部駆動源により、電磁クラッ
チ15を介して、シャフト11が回転駆動する。シャフ
ト11が回転すると、ブッシュ21が軸線Xの回りを半
径rsで公転する。可動スクロール20の公転により、
互いにかみ合う可動スクロール20の渦巻体20bと固
定スクロール16の渦巻体16bとの間で囲まれた空
間、即ち圧縮室の容積を減少させつつ、渦巻の中心方向
へ移動する。この結果、外部流体回路からハウジング1
0に形成された図示しない吸入ポートを通って吸入室1
8に流入した流体が、両渦巻体16b,20bの外周端
部から圧縮室内に取り込まれ、圧縮室内で圧縮され、固
定スクロール16に形成された吐出穴16a1 を通っ
て、吐出室19に流出する。
【0018】吐出室19に流入した加圧流体は、リアハ
ウジング10aに形成された図示しない吐出ポートを通
って、外部流体回路へ流出する。液圧縮時などにおいて
圧縮室内の圧力が所定値以上に上昇すると、ブッシュ2
1が駆動ピン12の回りに揺動し、端板20aの中心軸
線Yの軸線Xからの偏心距離rsが減少する。そして可
動スクロール20の公転半径が縮小し、圧縮室の気密性
が低下し、圧縮室の圧力が低下する。これにより、圧縮
機の動作停止、部材の破損などが防止される。流体を圧
縮する際に可動スクロールに加わる軸線X方向に圧縮反
力と、径方向の可動スクロール自転阻止力とは、可動ス
クロール側レース25、ボール部材26、固定側レース
24を介してフロントハウジング10bに伝達される。
【0019】可動スクロール20は可動スクロール20
が公転する際に、ブッシュ21の回りで自転しようとす
る。しかし、図3及び図4に示したように、ボール26
の転走範囲が、ボール転走溝24c,25c内に限定さ
れるので、可動スクロール20の自転が阻止される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧縮機におい
て、大径円筒部10b1 の開口側端部の表面10b4 及
び可動スクロール20の端板20aの表面20a1 で
は、ボール26の直下になる個所が最も接触応力が高く
なる面圧の分布が発生する。面圧の分布はボール26が
転がるにつれて順次移動していく。面圧が高くなる個所
は、各レース24,25と、大径円筒部10b1 の開口
側端部の表面10b4 及び可動スクロール20の端板2
0aの表面20a1 との接触部面積が広がるように変形
が生じ、荷重が抜けると接触面積が減少する。
【0021】このような繰り返しによって、各レース2
4,25と大径円筒部10b1 の開口側端部の表面10
b4 と可動スクロール20の端板20aの表面20a1
との間でフレッチング摩耗が生じる。この個所で摩耗が
進むと、軸方向に隙間が増大してしまい、圧縮機能が低
下してしまうという問題がある。
【0022】それ故に、本発明の課題は、レースに接し
ている固定部材及び公転部材の表面の硬度及び耐摩耗性
を向上することができるスクロール型圧縮機を提供する
ことにある。
【0023】さらに、本発明の他の課題は、小型であ
り、耐久性が良好であり、しかも経済性に優れたスクロ
ール型圧縮機を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一対の
渦巻体を角度をずらせてかみ合わせ、相対的な公転運動
を与えて、前記一対の渦巻体間に形成する密閉空間を中
心方向へ移動させながら容積を減縮して圧縮流体を吐出
させるスクロール型圧縮機において、固定部材と、該固
定部材に対して公転運動を行う公転部材とに各々装着さ
れて主軸の軸方向で対峙する一対のレース部材と、周方
向に互いに間隔をもって前記一対のレース部材間に介在
されている複数のボールとを有し、前記一対のレース部
材は周方向に互いに間隔をもって前記ボールと同数の前
記ボールの転走面を形成する複数のボール転走溝を有
し、前記レース支持部は前記ボール転走溝の反対面で突
出している前記レース部材の背面に接しかつ少なくとも
前記背面に接する表面に硬質処理手段が施されているこ
とを特徴とするスクロール型圧縮機が得られる。
【0025】
【作用】本発明のスクロール型圧縮機におけるレース支
持部の表面では、ボールの直下になる個所が最も接触応
力が高くなる面圧の分布が発生する。面圧の分布はボー
ルが転がるにつれて順次移動していく。面圧が高くなる
個所は、レース部材に対して大径円筒部の開口側端部の
表面と可動スクロールの端板の表面との接触部面積が広
がるように変形が生じ、荷重が抜けると接触面積が減少
する。
【0026】このような繰り返しによって、各レース部
材に対峙して接触しているレース支持部の表面間でフレ
ッチング摩耗が生じることが想定される。
【0027】しかし、本発明では、レース支持部の少な
くともボール転走溝の反対面で突出している背面に接し
かつレース支持部の各表面の硬度もしくは耐摩耗性を高
めるために少なくとも表面に硬質処理手段を有している
ことから、レース部材の背面に接している表面の個所に
おける摩耗が減少する。したがって、レース部材に接す
る表面間における軸方向に隙間が増大することがなく、
圧縮機能が低下することがない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスクロール型圧縮
機の各実施の形態例について図面を参照して説明する。
なお、スクロール型圧縮機は図3乃至図5で説明した構
成のスクロール型圧縮機とほぼ同じ構成であるため、図
3乃至図5をも参照して同じ部分には同じ符号を付して
構成が同じ部分の説明を省略する。
【0029】図1は、スクロール型圧縮機における第1
の実施の形態例における可動スクロール自転防止用のボ
ールカップリングの要部を示している。図2はフロント
ハウジング側レース24を構成する要部を示している。
【0030】図1及び図2を参照して、フロントハウジ
ング側レース(レース部材)24は、レース24の外縁
フランジ24aに形成された一対のピン穴24bと、フ
ロントハウジング10bの大径円筒部(レース支持部)
10b1 の開口側端面に形成された一対のピン受穴10
b5 に緊密に嵌合する一対のピン27により固定されて
いる。
【0031】可動スクロール側レース(レース部材)2
5は、このレース25の内縁フランジ25aに形成され
た一対のピン穴25bと、可動スクロール20の端板
(レース支持部)20aに形成された一対のピン受穴2
0a3 に緊密に嵌合する一対のピン28により固定され
ている。
【0032】フロントハウジング側レース24には、ボ
ール26の転走面を形成する円形凹状であるボール転走
溝24cが周方向に互いに間隔をもって形成されてい
る。大径円筒部10b1 の開口側端部の表面10b4 は
ボール転走溝24cの反対面で突出しているレース24
の背面24c1 に接している。フロントハウジング側レ
ース24に対峙する可動スクロール側レース25には、
ボール26の転走面を形成する円形凹状である複数のボ
ール転走溝25cが周方向に形成されている。可動スク
ロール20の端板20aの表面20a1 はボール転走溝
25cの反対面で突出している背面25c1 に接してい
る。
【0033】複数のボール26は、互いに対峙している
一対のボール転走溝24c,25cによって狭持された
状態で、フロントハウジング側レース24と可動スクロ
ール側レース25との間に介在している。
【0034】この実施の形態例では、フロントハウジン
グ10b、及び可動スクロール20がアルミニウム合金
を鍛造または鋳造することによって作られた鍛造物また
は鋳造物である。
【0035】図1に示したように、大径円筒部10b1
の開口側端部の表面10b4 及び可動スクロール20の
端板20aの表面20a1 には、これらの表面10b4
,20a1 の硬度を高めるため、もしくは表面10b4
,20a1 の耐摩耗性を高めるための硬質処理手段A
を有している。
【0036】硬質処理手段Aは硬質陽極酸化被膜であっ
て、この硬質陽極酸化被膜が大径円筒部10b1 の開口
側端部の表面10b4 及び可動スクロール20の端板2
0aの表面20a1 に被膜処理されている。硬質陽極酸
化被膜はフロントハウジング側レース24の背面24c
1 及び可動スクロール側レース25の背面25c1 に接
し、表面硬度及び耐摩耗性を高める役目を果たす。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態例を第1
の実施の形態例と同様に図1及び図2を参照しながら説
明する。
【0038】図1及び図2を参照して、フロントハウジ
ング10b及び可動スクロール20は、アルミニウム合
金を鍛造または鋳造することによって作られている鍛造
物または鋳造物である。大径円筒部10b1 の開口側端
部の表面10b4 及び可動スクロール20の端板20a
の表面20a1 には、硬質処理手段Aとしての初晶シリ
コン組織を含んでいる。
【0039】次に、本発明の第3の実施の形態例を第1
の実施の形態例と同様に図1及び図2を参照しながら説
明する。
【0040】図1及び図2を参照して、フロントハウジ
ング10b及び可動スクロール20はアルミニウム合金
を鍛造または鋳造することによって作られている鍛造物
または鋳造物である。
【0041】大径円筒部10b1 の開口側端部の表面1
0b4 及び可動スクロール20の端板20aの表面20
a1 には、硬質処理手段Aとしての共晶シリコン組織を
含んでいる。
【0042】次に、本発明の第4の実施の形態例を第1
の実施の形態例と同様に図1及び図2を参照しながら説
明する。
【0043】図1及び図2を参照して、フロントハウジ
ング10b及び可動スクロール20はアルミニウム合金
を鍛造することによって作られている鍛造物である。
【0044】大径円筒部10b1 の開口側端部の表面1
0b4 及び可動スクロール20の端板20aの表面20
a1 には、硬質処理手段Aとしての金属材料の降伏点以
上の荷重下で金属組織転位のセル構造が形成され加工硬
化した層(加工硬化層)を含んでいる。
【0045】第1乃至第4の実施の形態例において、た
とえば、フロントハウジング10b及び可動スクロール
20はアルミニウム合金によって鋳造する際に、表面1
0b4 ,20a1 にシリコンを14%含み、共晶Al−
Si合金で共晶組織中に非常に硬い初晶シリコンを晶出
させることによって得られる。
【0046】なお、第1乃至第4の実施の形態例におけ
るレース24,25は、プレス打ち抜き加工によってボ
ール転走溝24c,25c、ピン穴24b,25b及び
ピン受穴10b5 ,20a3 などを同時に形成すること
ができる。各ピン27,28は各レース24,25に設
けられたピン穴24b,25b及びピン受穴10b5,
20a3 を串刺しにするように組み付ける。これによっ
て、ピン組み付け性とピン27,28の固定部分の強度
が得られ、適性な強度及び精度で各レース24,25の
固定が可能となる。
【0047】上記第1乃至第4の実施の形態例におい
て、大径円筒部10b1 の開口側端部の表面10b4 及
び可動スクロール20の端板20aの表面20a1 で
は、ボール26の直下になる個所が最も接触応力が高く
なる面圧の分布が発生する。面圧の分布はボール26が
転がるにつれて順次移動していく。面圧が高くなる個所
は、レース24,25と表面10b4 ,20a1 の接触
部面積が広がるように変形が生じ、荷重が抜けると接触
面積が減少する。
【0048】このような繰り返しによって、レース2
4,25と表面10b4 ,20a1 との間でフレッチン
グ摩耗が生じることが想定される。
【0049】しかし、大径円筒部10b1 の開口側端部
の表面10b4 及び可動スクロール20の端板20aの
表面20a1 の少なくともボール転走溝24c,25c
の反対面で突出しているレース24,25の背面24c
1 ,25c1 に接する表面10b4 ,20a1 に硬質処
理手段を有していることから、背面24c1 ,25c1
に接している表面10b4 ,20a1 の個所における摩
耗が減少する。
【0050】したがって、レース24,25の背面24
c1 ,25c1 及び表面10b4 ,20a1 間における
軸方向に隙間が増大することがなく、圧縮機能が低下す
ることがない。
【0051】上述した構成のスクロール型圧縮機は、可
動スクロール20の公転にともなって、ボール26がボ
ール転走溝24c,25c内を可動スクロール20の公
転半径rsと略同一半径の円軌道を描いて転走する。ま
た、可動スクロール20の公転にともなって、ボール2
6はボール転走溝24cへ押しつけられ、かつボール転
走溝25cへ押し付けられた状態でボール転走溝24
c,25c内を可動スクロール20の公転半径rsと略
同一半径に円軌道を描いて滑らかに転走することができ
る。この結果、可動スクロール20はフロントハウジン
グ10b、ひいては固定スクロール16に対して所定の
角度関係でを維持しつつ公転することになる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスクロー
ル型圧縮機によれば、フロントハウジングの大径円筒部
の開口側端部の表面及び可動スクロールの端板の表面の
少なくともボール転走溝の反対面で突出しているレース
部材の背面のそれぞれに接しかつ各表面の硬度もしくは
耐摩耗性を高めるために、少なくともこれらの表面に硬
質処理手段を有していることから、背面に接している表
面の個所における摩耗が減少する。
【0053】したがって、レースと大径円筒部の開口側
端部の表面と可動スクロールの端板の表面との間におけ
る軸方向に隙間が増大することがなく、さらに圧縮機能
が低下することがなく、耐久性に優れた圧縮機が得られ
る。
【0054】また、フロントハウジング及び可動スクロ
ールはアルミニウム合金を鍛造または鍛造することによ
って作られている鍛造物または鋳造物であるので軽量と
なることから、圧縮機全体においても軽量化をはかるこ
とができる。
【0055】また、軽量な可動スクロールの遠心力相殺
のためのバランスウエイトも小型軽量ですみ、バランス
ウエイトを収容する空間が小さくてすみ、その結果、圧
縮機全体においても小型化できる。
【0056】さらに、フロントハウジングはアルミニウ
ム合金を採用して鍛造すれば薄肉でも高強度のため軽量
となり、しかも外気に触れる個所も特に塗装等を施さな
くいても錆についての考慮しなくてもよいため経済性に
優れた圧縮機をえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロール型圧縮機の第1乃至第4の
実施の形態例を説明するためのボールカップリングの要
部を示した断面図である。
【図2】図1に示したフロントハウジング側レースの要
部を示す斜視図である。
【図3】従来及び本発明の各実施の形態例のスクロール
型圧縮機の概略構成を説明するための縦断面図である。
【図4】図3に示した可動スクロール自転防止用のボー
ルカップリングの要部を示す断面図である。
【図5】図4のフロントハウジング側レース及び可動ス
クロール側レースの位置関係を説明するための平面図で
ある。
【符号の説明】
10b フロントハウジング 10b1 大径円筒部 10b4 開口側端部の表面 10b5 ピン受穴 16 固定スクロール 20 可動スクロール 20a 端板 20a1 端板の表面 20a3 ピン受穴 24 フロントハウジング側レース 24b,25b ピン穴 24c,25c ボール転走溝 24c1 ,25c1 レースの背面 25 可動スクロール側レース 26 ボール 27、28 ピン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の渦巻体を角度をずらせてかみ合わ
    せ、相対的な公転運動を与えて、前記一対の渦巻体間に
    形成する密閉空間を中心方向へ移動させながら容積を減
    縮して圧縮流体を吐出させるスクロール型圧縮機におい
    て、 固定部材と、該固定部材に対して公転運動を行う公転部
    材とに各々装着されて主軸の軸方向で対峙する一対のレ
    ース部材と、周方向に互いに間隔をもって前記一対のレ
    ース部材間に介在されている複数のボールとを有し、前
    記一対のレース部材は周方向に互いに間隔をもって前記
    ボールと同数の前記ボールの転走面を形成する複数のボ
    ール転走溝を有し、前記レース支持部は前記ボール転走
    溝の反対面で突出している前記レース部材の背面に接し
    かつ少なくとも前記背面に接する表面に硬質処理手段が
    施されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記硬質処理手段が前記表面に施された硬質陽極
    酸化被膜であることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記固定部材及び前記公転部材の少なくとも一方
    がアルミニウム合金でありかつ少なくとも前記表面に前
    記硬質処理手段としての初晶シリコン組織を含み鍛造物
    であることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記固定部材及び前記公転部材の少なくとも一方
    がアルミニウム合金でありかつ少なくとも前記表面に前
    記硬質処理手段としての共晶シリコン組織を含む鍛造物
    であることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記固定部材及び前記公転部材の少なくとも一方
    がアルミニウム合金でありかつ少なくとも前記表面に前
    記硬質処理手段としての加工硬化層を含む鍛造物である
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記固定部材及び前記公転部材の少なくとも一方
    がアルミニウム合金でありかつ少なくとも前記表面に前
    記硬質処理手段としての初晶シリコン組織を含み鋳造物
    であることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のスクロール型圧縮機にお
    いて、前記固定部材及び前記公転部材の少なくとも一方
    がアルミニウム合金でありかつ少なくとも前記表面に前
    記硬質処理手段としての共晶シリコン組織を含む鋳造物
    であることを特徴とするスクロール型圧縮機。
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