JP2000120515A - 車輌用エンジンの始動装置 - Google Patents

車輌用エンジンの始動装置

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JP2000120515A
JP2000120515A JP29191998A JP29191998A JP2000120515A JP 2000120515 A JP2000120515 A JP 2000120515A JP 29191998 A JP29191998 A JP 29191998A JP 29191998 A JP29191998 A JP 29191998A JP 2000120515 A JP2000120515 A JP 2000120515A
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浩 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌用エンジンの始動装置において、ワンウ
ェイクラッチを挟んで並設される始動用駆動ギヤとフリ
ーホイルギヤとの間隔を小さくし、エンジン幅のコンパ
クト化を図ることを目的としている。 【解決手段】 フリーホイルギヤ36に形成される内輪
56を、始動用駆動ギヤ35のボス部50の外周に沿っ
て始動用駆動ギヤ35の環状凹部51内まで延ばし、始
動用駆動ギヤ35の外周端に形成した外輪52と上記内
輪56に間に、上記ボス部50の軸受53と軸方向の位
置が重なるようにワンウェイクラッチ用カム60を配置
している。これにより、フリーホイルギヤ36と始動用
駆動ギヤ35との軸方向間隔が小さくなり、フリーホイ
ルギヤ36に繋がるアイドル小ギヤ67及びアイドル大
ギヤ68、並びに出力ギヤ34を有する始動モータ33
の各軸方向位置も一方側に大きく片寄せられることはな
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、始動モータから
クランク軸へと始動用回転力を伝達する始動系ギヤ列を
備えた車輌用エンジンの始動装置に関し、特に、始動系
ギヤ列中に、クランク軸の回転により常時遊転する始動
用駆動ギヤと、フリーホイルギヤとを、ワンウェイクラ
ッチを介して同一支持軸上に配置している車輌用エンジ
ンの始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例としては実公平2−18284号
公報に記載された始動装置があり、図4に示すようにク
ランク軸101の端部に、つば部108を有するホルダ
ー110を固着し、上記つば部108の一側面にジェネ
レータ用ロータ109を固着し、他側面に対して軸方向
に間隔をおいて始動用のフリーホイルギヤ111を配置
し、つば部108とフリーホイルギヤ111の間に、ワ
ンウェイクラッチを介在させている。該フリーホイルギ
ヤ111は、クランク軸101に回転自在に嵌合するボ
ス部112に固着され、始動系ギヤ列のアイドル小ギヤ
117に噛み合っている。
【0003】ワンウェイクラッチは、つば部108の他
側面に固着された外輪105と、フリーホイルギヤ11
1のボス部112からつば部108側へと軸方向に延び
る内輪112aと、該内輪112aと外輪105の間に
配置されたワンウェイクラッチ用カム107から構成さ
れており、フリーホイルギヤ111からホルダー110
へのみ始動用回転力を伝達するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4の従来例では、ジ
ェネレータ用ロータ109と主軸受ハウジング103の
間に、ワンウェイクラッチ及び始動用のフリーホイルギ
ヤ111が並列配置されているので、クランク軸101
の長さが長くなり、エンジン幅が広くなる。さらに、フ
リーホイルギヤ111とつば部108の間に、カム部材
収納スペースを広く取っており、これによってもクラン
ク軸幅の増加を助長している。
【0005】これに対し、クランク軸とは別の支持軸上
に、フリーホイルギヤと始動用駆動ギヤとを、ワンウェ
イクラッチを介して並設し、上記始動用駆動ギヤをクラ
ンク軸の始動用ギヤに噛み合わせると、クランク軸上か
らワンウェイクラッチをなくすことができ、クランク軸
自体の幅を小さくすることが可能となる。
【0006】しかし、フリーホイルギヤと始動用駆動ギ
ヤとの間隔は、支持軸上においても、図4のつば部とフ
リーホイルギヤとの間隔と同様にカム収容用スペースを
広く取らなければならないことには変りない。ところ
が、クランク軸上の始動用ギヤの軸方向位置は決まって
おり、移動することができないので、始動用ギヤに噛み
合う始動用駆動ギヤの軸方向位置も固定されてしまい、
上記のように始動用駆動ギヤとフリーホイルギヤとの軸
方向幅が広くなると、フリーホイルギヤの軸方向位置
を、上記始動用ギヤの位置から軸方向に遠く離さなけれ
ばならない。
【0007】そうすると、フリーホイルギヤに繋がるア
イドル小ギヤ及びアイドル大ギヤ、並びに出力ギヤを有
する始動モータの各軸方向位置が順次軸方向の一方側に
片寄せられてしまい、エンジンの軸方向幅のコンパクト
化が困難になる。
【0008】また、常時遊転する始動用駆動ギヤの軸受
からワンウェイクラッチのカム部材摺動部が軸方向に離
れていると、ワンウェイクラッチと外輪のアンバランス
量による遠心力によって軸受にかかる曲げ荷重が増大す
るため、軸受による円滑な遊転動作を確保するために
は、ボス部全長及び軸受全長を長くせざるを得ない。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願請求項1記載の発明は、始動モータから、ワン
ウェイクラッチを有する始動系ギヤ列を介してクランク
軸を始動する車輌用エンジンの始動装置において、クラ
ンク軸の回転により常時遊転する始動用駆動ギヤと、フ
リーホイルギヤとを、同一支持軸上に並設し、始動用駆
動ギヤの外周端部と内周端部にフリーホイルギヤ側に延
びる外輪とボス部を一体に形成すると共に、外輪とボス
部の間にフリーホイルギヤに向いて開口する環状の凹部
を形成し、上記ボス部は軸受を介して支持軸に回転自在
に支持し、フリーホイルギヤには、上記ボス部の外周に
沿って環状凹部内へと延びる内輪を形成し、内輪と外輪
の間に、上記軸受と軸方向の位置が重なるようにワンウ
ェイクラッチ用カム部材を配置してワンウェイクラッチ
を構成している。
【0010】始動モータの始動用回転力は、始動系ギヤ
列のフリーホイルギヤからワンウェイクラッチを介して
クランク軸側の始動用駆動ギヤに伝わり、クランク軸を
始動する。始動終了後、エンジン運転中は、始動用駆動
ギヤのみがクランク軸と共に遊転し、フリーホイルギヤ
は停止している。上記遊転中、ワンウェイクラッチのカ
ム部材と、外輪は高速で回転し、アンバランスによる遠
心力が発生しているが、カム部材と外輪が軸受の軸方向
位置と重なっていることにより、軸受に対し無理な曲げ
荷重はかからず、始動用駆動ギヤは円滑に遊転し、ま
た、カム部材も円滑に摺動する。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
輌用エンジンの始動装置において、上記支持軸内に、上
記ボス部内周面の軸受に至る油通路を形成し、ボス部の
軸方向端面とフリーホイルギヤの軸方向端面との隙間
と、ボス部内周面と内輪外周面との隙間と、内輪の軸方
向端面と環状凹部の底面との隙間により、軸受からカム
部材摺動部に至る潤滑油経路を構成している。
【0012】これにより、始動用駆動ギヤが遊転中、遠
心力により軸受及びカム部材の摺動部を効率良く潤滑す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本願発明を適用した自動二
輪車用四気筒エンジンの断面展開略図(図3のII-II断
面に相当する断面略図)であり、クランク軸1は、自動
二輪車の左右方向に延びているので、以下、クランク軸
心線O1方向を左右方向として説明する。シリンダブロ
ック4は、第1から第4の気筒3−1,3−2,3−
3,3−4を有すると共にクランクケース2の上端に結
合され、各気筒3−1,3−2,3−3,3−4にはそ
れぞれピストン11が嵌合している。クランクケース2
には、左右両端と各気筒間の位置に主軸受ハウジング5
が形成されており、各主軸受ハウジング5にはクランク
軸1の各ジャーナル7が軸受メタルを介して回転自在に
支持されている。
【0014】クランク軸1は、第1から第4の各気筒3
−1,3−2,3−3,3−4に対応するクランクピン
6と、上記ジャーナル7と、上記クランクピン6とジャ
ーナル7とを一体に連結するクランクウェブ(クランク
アーム)8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8
−6,8−7,8−8とから構成されている。各クラン
クピン6はそれぞれコンロッド10を介して各ピストン
11に枢着連結している。
【0015】クランク軸1の一端、たとえば左端にはジ
ェネレータ用のロータ15が固着され、他端にはカムチ
ェーン駆動ギヤ16が一体に形成されている。クランク
ウェブ8のうち、最も右側のクランクウェブ8−8は、
クランク軸心線O1を中心とする円形に形成されると共
に、その外周面には車輪駆動用の一次ギヤ20が直接歯
切りされており、該一次ギヤ20は変速ギヤ機構の変速
入力ギヤ21に噛み合っている。
【0016】上記車輪駆動用一次ギヤ20とは別に、第
3気筒用の右側クランクウェブ8−6もクランク軸心線
O1を中心とする円形に形成され、外周面に始動用ギヤ
23が直接歯切りされている。この始動用ギヤ23に
は、始動系ギヤ列29の始動用駆動ギヤ35が噛み合う
と共に、下側部分にバランサ軸25のバランサギヤ26
も噛み合っている。すなわち、上記ギヤ23はバランサ
駆動兼始動用ギヤとして設けられている。
【0017】始動装置の構成を説明する。図3は、始動
装置の縦断側面図(図2のIII-III断面図)であるが、
第3気筒用のピストン11の状態を、上死点位置で記載
してある。この図3において、クランク軸1の後上方に
始動用の第1の支持軸31が配置され、該第1の支持軸
31の後上方に始動用の第2の支持軸32が配置され、
該第2の支持軸32の前方に始動モータ33及び出力ギ
ヤ(ピニオンギヤ)34が配置され、該出力ギヤ34は
アイドル大ギヤ68の前端部分に噛み合っている。クラ
ンクケース2は、クランク軸心線O1を境として、上側
ケース部材2aと下側ケース部材2bに上下2分割され
ており、前記両支持軸31,32及び始動モータ33は
いずれも上側ケース部材2aに固定されている。第1,
第2の支持軸31,32の後側にはクランク用のブリー
ザ室17が上側ケース部材2aと一体に形成されてい
る。
【0018】図3のII-II断面拡大図を示す図2におい
て、第1の支持軸31は、上側ケース部材2aに形成さ
れた1対の支持孔38,39により両持状に嵌合支持さ
れると共に抜け止めプレート41及びボルト42,43
により脱落不能に固定されており、軸心部分には油通路
44が形成され、該油通路44はクランクケース2の壁
内に形成された潤滑油供給油路46に連通している。
【0019】第1の支持軸31には、前記始動用駆動ギ
ヤ35が始動用ギヤ23と軸方向の同一位置に配置さ
れ、始動用駆動ギヤ35の左隣にフリーホイルギヤ36
が配置され、両ギヤ35,36間にスプラグ式(カム
式)ワンウェイクラッチ48が配置されている。始動用
駆動ギヤ35は、内周端部に左側(フリーホイルギヤ
側)へと延長するボス部50が一体に形成され、外周端
部に左側へと突出するワンウェイクラッチ用外輪52が
一体に形成され、中間壁(ウェブ)に、外輪52とボス
部50との間の環状空間と繋がる環状凹部51が形成さ
れている。ボス部50はニードル軸受53を介して第1
の支持軸31に回転自在に支持されている。
【0020】フリーホイルギヤ36は、幅広の内周ボス
部55が第1の支持軸31の外周面に直接回転自在に嵌
合しており、該内周ボス部55の右側部分(始動用駆動
ギヤ側の部分)には、右方へと延びて始動用駆動ギヤ3
5のボス部50の外周面に径方向の隙間d1を隔てて対
向するワンウェイクラッチ用内輪56が一体に形成され
ている。該内輪56と外輪52の間にはワンウェイクラ
ッチ用の多数のスプラグ(カム)60が配置され、周知
のようにフリーホイルギヤ36から始動用駆動ギヤ35
へのみ回転力を伝達するようになっている。スプラグ6
0の左右幅、すなわちクラッチ摺動部幅W1は、ニード
ル軸受53の幅W2内に完全に収められており、かつ、
始動用駆動ギヤ35の歯幅内に半分程度入り込んでい
る。
【0021】フリーホイルギヤ36の左側と始動用駆動
ギヤ35の右側には、それぞれスペーサ用のカラー5
7,58が嵌合し、両ギヤ36,35を軸方向に位置決
めしている。始動用駆動ギヤ35のボス部50の左端面
には複数の径方向の油溝59が形成されており、内輪5
6の右端面は環状凹部51の底面に対し隙間d2を隔て
て対向しており、また、第1の支持軸31には、油通路
44からニードル軸受53に至る径方向の油通路61が
形成されており、上記油溝59,内輪内周面の隙間d1
及び内輪先端の隙間d2により、ニードル軸受53から
スプラグ60の摺動部に至る潤滑油経路を構成してい
る。
【0022】第2の支持軸32は、上側ケース部材2a
に形成された支持孔62,63に両持状に嵌合支持さ
れ、L型の抜止めプレート64及びボルト66により固
定されている。第2の支持軸32には、前記フリーホイ
ルギヤ36に噛み合うアイドル小ギヤ67と、トルクリ
ミッタ付きアイドル大ギヤ68が回転自在に嵌合してお
り、アイドル大ギヤ68は、トルクリミッタ用テーパー
嵌合部69を境に径方向の内外部材68a,68bに分
割され、内側部材68aはアイドル小ギヤ67のボス部
分にスプライン嵌合し、外側部材68bは、前述のよう
に始動モータ33の出力ギヤ34に噛み合っている。上
記テーパー嵌合部69は皿ばね71により摩擦力を発生
させることにより、所定の回転トルク以上でスリップす
るトルクリミッタ機能を発揮するようになっている。
【0023】始動モータ33は上側ケース部材2aの取
付孔72に嵌着され、図示しないボルトにより上側ケー
ス部材2aに締着されている。
【0024】
【作用】エンジン始動時、図2の始動モータ33が作動
すると、始動用回転力は、出力ギヤ34からアイドル大
ギヤ68、トルクリミッタ(嵌合部69)、アイドル小
ギヤ67、フリーホイルギヤ36、ワンウェイクラッチ
48及び始動用駆動ギヤ35を介してクランクウェブ外
周の始動用ギヤ23に伝達され、クランク軸1を回転す
る。何かの理由でクランク軸側の負荷が大き過ぎる場合
には、アイドル大ギヤ68のトルクリミッタが働き、始
動力は切断される。
【0025】始動終了後は、始動系ギヤ列29のうち、
始動用駆動ギヤ35のみがクランク軸1と共に常時遊転
し、残りのギヤ36,67,68は停止している。すな
わち、始動系ギヤ列29の中で、最もクランク軸に近い
始動用駆動ギヤ35のみが常時遊転ギヤであるので、該
始動用駆動ギヤ35のみにニードル軸受53を介在さ
せ、他のギヤ36,67,68は直接嵌合で足りている
のである。始動用駆動ギヤ35が遊転中、スプラグ60
と外輪52、ニードル軸受53は、軸方向の同一の位置
でそれぞれ回転しているので、スプラグ60と外輪52
のアンバランスによる遠心力による軸受にかかる曲げ荷
重をより小さくでき、円滑な遊転動作および摺動動作を
確保することができる。
【0026】常時遊転する始動用駆動ギヤ35及びワン
ウェイクラッチ48の潤滑作用を説明すると、図示しな
い潤滑油ポンプから図2の潤滑油供給通路46に圧送さ
れる潤滑油は、第1の支持軸31内の油通路44,61
を通ってニードル軸受53に供給され、ボス部先端の油
溝59からボス部外周面と内輪内周面との間の隙間d1
及び内輪先端の隙間d2を通って、スプラグ60部分に
供給される。
【0027】
【その他の実施の形態】(1)始動用ギヤとしては、バ
ランサ駆動ギヤと兼用する場合に限定はされず、バラン
サを備えていないエンジンにも適用でき、また、車輪駆
動用の一次ギヤと兼用することも可能である。
【0028】(2)四気筒エンジンに限定されず、各種
複数気筒エンジンに適用できる。
【0029】(3)ワンウェイクラッチのカム部材とし
ては、平行四辺形、達磨型あるいは三角形状など各種ス
プラグを利用したものが適用できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本願発明によると、 (1)常時遊転する始動用駆動ギヤと、フリーホイルギ
ヤとを、クランク軸とは別の支持軸上に並設し、始動用
駆動ギヤの外周端部と内周端部にフリーホイルギヤ側に
延びる外輪とボス部を一体に形成すると共に、外輪とボ
ス部の間にフリーホイルギヤに向いて開口する環状の凹
部を形成し、上記ボス部は軸受を介して支持軸に回転自
在に支持し、フリーホイルギヤには、上記ボス部の外周
に沿って環状凹部内へと延びる内輪を形成し、内輪と外
輪の間に、上記軸受と軸方向の位置が重なるようにワン
ウェイクラッチ用カム部材を配置してワンウェイクラッ
チを構成しているので、たとえば環状凹部を始動用駆動
ギヤの歯幅内に入り込ませることにより、フリーホイル
ギヤと始動用駆動ギヤとの軸方向間隔を小さくすること
ができ、それにより、フリーホイルギヤに繋がるアイド
ル小ギヤ及びアイドル大ギヤ、並びに出力ギヤを有する
始動モータの各軸方向位置も一方側に大きく片寄せられ
ることはなく、エンジンの軸方向幅のコンパクト性を維
持することができる。
【0031】(2) フリーホイルギヤに形成される内
輪を、始動用駆動ギヤのボス部に外周側に沿って環状凹
部内へと延設け、カム部材の摺動部を始動用駆動ギヤの
軸受の幅に重なるように位置させているので、常時遊転
する始動用駆動ギヤの軸受に対し、常時遊転部のアンバ
ランスによる遠心力によってかかる曲げ荷重等をより小
さくすることができ、軸受を長くしなくとも、始動用駆
動ギヤの円滑な遊転作動を確保することができる。
【0032】(3) クランク軸上にワンウェイクラッ
チを配置しない構造であるので、クランク軸自体の幅も
小さくすることができる。
【0033】(4)支持軸内に、上記ボス部内周面の軸
受に至る油通路を形成し、ボス部の軸方向端面とフリー
ホイルギヤの軸方向端面との隙間と、ボス部内周面と内
輪外周面との隙間と、内輪の軸方向端面と環状凹部の底
面との隙間により、軸受からカム部材摺動部に至る潤滑
油経路を構成しているので、エンジン運転中、始動用駆
動ギヤの遊転により、軸受からワンウェイクラッチ摺動
部まで、速やかに潤滑油を供給し、潤滑することができ
る。すなわち、簡単な潤滑構造により、軸受とワンウェ
イクラッチ摺動部とを効率良く潤滑できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した自動二輪車用四気筒エン
ジンの断面展開略図(図3のII-II断面展開略図)であ
る。
【図2】 図3のII-II断面拡大展開図である。
【図3】 図2のIII-III断面図である。
【図4】 従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 クランク軸 2 クランクケース 20 車輪駆動用一次ギヤ 23 始動用ギヤ 29 始動系ギヤ列 31 第1の支持軸 33 始動モータ 34 出力ギヤ 35 始動用駆動ギヤ 36 フリーホイルギヤ 44,61 油通路 48 ワンウェイクラッチ 50 始動用駆動ギヤのボス部 51 環状凹部 52 外輪 53 ニードル軸受 55 フリーホイルギヤのボス部 56 内輪 60 スプラグ(カム部材) 67 アイドル小ギヤ 68 アイドル大ギヤ
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月3日(1999.9.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願請求項1記載の発明は、始動モータから、ワン
ウェイクラッチを有する始動系ギヤ列を介してクランク
軸を始動する車輌用エンジンの始動装置において、クラ
ンク軸の回転により常時遊転する始動用駆動ギヤと、フ
リーホイルギヤとを、同一支持軸上に並設し、始動用駆
動ギヤの外周端部にはフリーホイルギヤ側へと突出する
ワンウェイクラッチ用外輪を一体に形成し、始動用駆動
ギヤの内周端部には、フリーホイール側へと延長するボ
ス部を一体に形成し、始動用駆動ギヤのウェブには、フ
リーホイルギヤに向いて開口して上記外輪とボス部との
間の環状空間と繋がる環状凹部を形成し、上記ボス部は
軸受を介して支持軸に回転自在に支持し、フリーホイル
ギヤの内周部には、始動用駆動ギヤ側へと延びて始動用
駆動ギヤのボス部の外周面に径方向の隙間を隔てて対向
するワンウェイクラッチ用内輪を一体に形成し、上記内
輪と外輪の間に、上記軸受と軸方向の位置が重なるよう
にワンウェイクラッチ用カム部材を配置してワンウェイ
クラッチを構成している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 始動モータから、ワンウェイクラッチを
    有する始動系ギヤ列を介してクランク軸を始動する車輌
    用エンジンの始動装置において、クランク軸の回転によ
    り常時遊転する始動用駆動ギヤと、フリーホイルギヤと
    を、同一支持軸上に並設し、始動用駆動ギヤの外周端部
    と内周端部にフリーホイルギヤ側に延びる外輪とボス部
    を一体に形成すると共に、外輪とボス部の間にフリーホ
    イルギヤに向いて開口する環状の凹部を形成し、上記ボ
    ス部は軸受を介して支持軸に回転自在に支持し、フリー
    ホイルギヤには、上記ボス部の外周に沿って環状凹部内
    へと延びる内輪を形成し、内輪と外輪の間に、上記軸受
    と軸方向の位置が重なるようにワンウェイクラッチ用カ
    ム部材を配置してワンウェイクラッチを構成しているこ
    とを特徴とする車輌用エンジンの始動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車輌用エンジンの始動装
    置において、支持軸内に軸受に至る油通路を形成し、ボ
    ス部の軸方向端面とフリーホイルギヤの軸方向端面との
    隙間と、ボス部内周面と内輪外周面との隙間と、内輪の
    軸方向端面と環状凹部の底面との隙間により、軸受から
    カム部材摺動部に至る潤滑油経路を構成していることを
    特徴とする車輌用エンジンの始動装置。
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