JP2000119326A - 鉄をベ―スにした触媒組成物及びシンジオタクチック1,2―ポリブタジエンの製造方法。 - Google Patents

鉄をベ―スにした触媒組成物及びシンジオタクチック1,2―ポリブタジエンの製造方法。

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JP2000119326A JP11290989A JP29098999A JP2000119326A JP 2000119326 A JP2000119326 A JP 2000119326A JP 11290989 A JP11290989 A JP 11290989A JP 29098999 A JP29098999 A JP 29098999A JP 2000119326 A JP2000119326 A JP 2000119326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄をベースにした触媒組成物及びシンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンの製造方法。 【解決手段】1,3−ブタジエンをシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンに重合させるために、(a)鉄
含有化合物、(b)有機マグネシウム化合物及び(c)
亜リン酸ジヒドロカルビルエステルからなる触媒組成物
が開示される。この開示の触媒組成物を使用することに
より、二硫化炭素及びハロゲン化炭化水素等の環境に有
害な成分の使用が回避される。シンジオタクチック1,
2−ポリブタジエンの融解温度は、触媒成分と組成比を
変えることにより約100から約190℃迄変えること
ができる。単一の触媒組成物により融解温度を変えるこ
とができるのは、極めて望ましい。シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンは、通常の架橋剤を用いて通常
のゴムと架橋することができる、ゴム組成物用のプラス
チックまたは添加物として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(a)鉄含有化合
物、(b)有機マグネシウム化合物及び(c)亜リン酸
ジヒドロカルビルエステルからなる触媒組成物及び1,
3−ブタジエンのシンジオタクチック1,2−ポリブタ
ジエンへの重合へのこの触媒組成物の使用に関する。シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、熱可塑性
樹脂であり、残存不飽和結合により通常のゴムと共硬化
性である。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンは、側鎖のビニル基が炭素−炭素結合からなるポリ
マー主鎖に関して交互に相対して位置する、立体規則性
構造を有する熱可塑性樹脂である。シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンは、プラスチックとゴムの性質
を併せ持つユニークな材料である。従って、シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンは、多くの用途を有す
る。例えば、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンを用いて、フィルム、繊維及び成形品を製造すること
ができる。また、ゴムとブレンドして、共硬化させるこ
とができる。
【0003】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンは、溶液、エマルジョンまたは懸濁重合により製造さ
れる。溶液、エマルジョンまたは懸濁重合により製造さ
れるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、普
通約195℃から215℃の範囲内の融解温度を有する。しか
しながら、加工性の理由のために、実際上の使用に好適
にせしめるように、シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンは、約195℃以下の融解温度を有することが一
般に望ましい。
【0004】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンの製造のために、コバルト、チタン、バナジウム、ク
ロム、及びモリブデンをベースとする種々の遷移金属触
媒系が従来技術で報告されている(例えば、L.Por
ri及びA.Giarrusso、Comprehen
sive Polymer Science(G.C.
Eastmond,A.Ledwith,S.Russ
o及びP.Sigwait編、Pergamon Pr
ess:Oxford,1989)、4巻、53頁を参
照されたい)。しかしながら、これらの触媒系は、低い
触媒活性または劣った立体選択性を有し、またある場合
には商品用途に不適な低分子量ポリマーまたは架橋ポリ
マーを生成するために実用性を有しない。
【0005】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンを工業的な規模で製造するのに、コバルト含有化合物
をベースにした次の2つの触媒系がよく知られている。
(1)コバルトビス(アセチルアセトネート)/トリエ
チルアルミニウム/水/トリフェニルホスフィン(米国
特許第3,498,963号及び4,182,813
号;日本特許公告44−32426、譲渡人日本合成ゴ
ム(株))、(2)コバルトトリス(アセチルアセトネ
ート)/トリエチルアルミニウム/二硫化炭素(米国特
許第3,778、424号;日本特許公告72−19,
892、81−18,127、74−17,666及び
74−17,667;日本公開公報81−88,40
8、81−88,409、81−88、410、75−
59、480、75−121、380、及び75−12
1、379、譲渡人宇部興産(株))。これらの2つの
触媒系もまた重大な難点を有する。
【0006】コバルトビス(アセチルアセトネート)/
トリエチルアルミニウム/水/トリフェニルホスフィン
系は、極めて低い結晶性を有するシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンを生成する。加えて、この触媒
系は、重合媒体としてハロゲン化炭化水素溶媒中でのみ
充分な触媒活性を発現し、ハロゲン化炭化水素は、毒性
の問題を起こす。
【0007】コバルトトリス(アセチルアセトネート)
/トリエチルアルミニウム/二硫化炭素系では、触媒成
分の一つとして二硫化炭素が使用される。その高揮発
性、不愉快な臭い、低引火点並びに毒性のために、二硫
化炭素は、使用が困難で、危険であり、最小量でも雰囲
気中に逃散するのを防止するには、費用のかかる安全対
策が必要とされる。更に、この触媒系により製造される
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、200-21
0℃の範囲内の極めて高い融解温度を有し、ポリマーを
加工するのが困難になる。シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンの融解温度は、第4の触媒成分として触
媒変性剤の使用により低下させることができるが、この
ような触媒変性剤の存在は、触媒活性及びポリマー収率
に対して悪影響を及ぼす。従って、従来技術の先に述べ
たコバルトをベースにした触媒を工業的に使用するに
は、多数の制約が必要とされる。
【0008】鉄(III)アセチルアセトネート/トリエ
チルアルミニウム等の鉄含有化合物をベースとした配位
触媒系は、先行技術において長い間知られていたが、こ
れらは、1,3−ブタジエンの重合に対して極めて低い
触媒活性と劣った立体規則性を有し、ある場合には、オ
リゴマー、低分子量液状ポリマー、または架橋ポリマー
を生成する。それゆえ、従来技術のこれらの鉄をベース
とした触媒系は、工業的な有用性を有しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の上述の難点
なしに種々の融解温度及びシンジオタクチシチィを有す
るシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを提供す
ることが本発明の目的である。
【0010】上述のシンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンを効率的に製造する方法を提供することが本発
明のもう一つの目的である。
【0011】上述のシンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンの製造への使用のための高い触媒活性と立体選
択性を有する、多目的で、安価な触媒組成物を提供する
ことが更なる目的である。
【0012】本発明の他の目的及び本性は、以下に開示
される明細書の本文の説明から明白になるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】特定の鉄をベースとした
触媒組成物を使用することによる1,3−ブタジエンの
重合によって、目的のシンジオタクチック1,2−ポリ
ブタジエンが効率的に製造されることが可能であること
を見出した。
【0014】特定すれば、本発明は、1,3−ブタジエ
ンモノマーのシンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンへの立体規則性重合において使用できる触媒組成物で
あって、上記触媒組成物が(a)鉄含有化合物、(b)
有機マグネシウム化合物及び(c)亜リン酸ジヒドロカ
ルビルエステルからなるものに関する。
【0015】更に、本発明は、触媒として有効な量の上
述の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合さ
せることからなる、シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンの製造方法に関する。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法と触媒組成物を使用するこ
とにより、多数の、明確で、極めて有用な利点が実現さ
れる。例えば、本発明の方法と触媒組成物を使用するこ
とにより、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
が低触媒量で比較的短い重合時間の後に高い収率で製造
される。加えて、更に重要なことであるが、本発明の触
媒組成物は、従来技術の触媒組成物で通常使用される、
高揮発性で、有毒で、可燃性の二硫化炭素を含有しない
ので、二硫化炭素の使用に伴う毒性、不愉快な臭い、危
険性及び出費が省かれる。更に、本発明の方法と触媒組
成物は、環境的に好ましい脂肪族及び脂環式炭化水素等
の非ハロゲン化溶媒を含む、広範囲の溶媒中で高い触媒
活性を示す。加えて、本発明の触媒組成物は、鉄をベー
スにしており、鉄化合物は、一般に安定、無毒で、かつ
安価であり、及び容易に入手できる。更に、本発明の触
媒組成物は、第4の触媒成分として触媒変性剤を使用す
る必要なしで、種々の融解温度を有するシンジオタクチ
ック1,2−ポリブタジエンを製造することが可能であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の触媒組成物は、(a)鉄
含有化合物、(b)有機マグネシウム化合物及び(c)
亜リン酸ジヒドロカルビルエステルの成分からなる。本
発明の触媒組成物の成分(a)として、種々の鉄含有化
合物が使用される。芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、
または脂環式炭化水素等の炭化水素溶媒に可溶である鉄
含有化合物を使用することが一般に有利である。それに
も拘わらず、単に、不溶な鉄含有化合物を重合媒体中に
懸濁させるだけで、触媒的に活性な種が生成する。従っ
て、溶解性を確保するために、鉄含有化合物に制約を設
けるべきではない。
【0018】本発明の触媒組成物において使用される鉄
含有化合物中の鉄は、限定ではないが、0、+2、+
3、及び+4の酸化状態を含め種々の酸化状態に存在す
ることができる。鉄が+2の酸化状態に在る2価の鉄含
有化合物(第1鉄化合物とも呼ぶ)、及び鉄が+3の酸
化状態に在る3価の鉄含有化合物(第2鉄化合物とも呼
ぶ)を使用することが好ましい。
【0019】本発明の触媒組成物に使用することができ
る、好適なタイプの鉄含有化合物には、限定ではない
が、鉄カルボキシレート、鉄β−ジケトネート、鉄アル
コキサイドまたはアリールオキサイド、鉄ハライド、鉄
プソイドハライド(pseudo−halide)、及
び有機鉄化合物が含まれる。
【0020】好適な鉄カルボキシレートの特定な例の一
部には、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(I
I)、酢酸鉄(III)、アクリル酸鉄(II)、アクリル酸
鉄(III)、メタアクリル酸鉄(II)、メタアクリル酸
鉄(III)、吉草酸鉄(II)、吉草酸鉄(III)、グルコ
ン酸鉄(II)、グルコン酸鉄(III)、クエン酸鉄(I
I)、クエン酸鉄(III)、フマル酸鉄(II)、フマル酸
鉄(III)、乳酸鉄(II)、乳酸鉄(III)、マレイン酸
鉄(II)、マレイン酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、
シュウ酸鉄(III)、2−エチルヘキサノン酸鉄(I
I)、2−エチルヘキサノン酸鉄(III)、ネオデカン酸
鉄(II)、ネオデカン酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(I
I)、ナフテン酸鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)、ス
テアリン酸鉄(III)、オレイン酸鉄(II)、オレイン
酸鉄(III)、安息香酸鉄(II)、安息香酸鉄(III)、
ピコリン酸鉄(II)、及びピコリン酸鉄(III)があ
る。
【0021】好適な鉄β−ジケトネートの特定な例の一
部には、鉄(II)アセチルアセトネート、鉄(III)ア
セチルアセトネート、鉄(II)トリフルオロアセチルア
セトネート、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネ
ート、鉄(II)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、
鉄(III)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、鉄(I
I)ベンゾイルアセチルアセトネート、鉄(III)ベンゾ
イルアセチルアセトネート、鉄(II)2,2,6,6−
テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、及び鉄
(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプ
タンジオネートがある。
【0022】好適な鉄アルコキサイドまたはアリールオ
キサイドの特定な例の一部には、鉄(II)メトキサイ
ド、鉄(III)メトキサイド、鉄(II)エトキサイド、
鉄(III)エトキサイド、鉄(II)イソプロポキサイ
ド、鉄(III)イソプロポキサイド、鉄(II)2−エチ
ルヘキソキサイド、鉄(III)2−エチルヘキソキサイ
ド、鉄(II)フェノキサイド、鉄(III)フェノキサイ
ド、鉄(II)ノニルフェノキサイド、鉄(III)ノニル
フェノキサイド、鉄(II)ナフトキサイド、及び鉄(II
I)ナフトキサイドがある。
【0023】好適な鉄ハライドの特定な例の一部には、
フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩
化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄
(II)がある。
【0024】好適な鉄プソイドハライドの特定な例の一
部には、シアン化鉄(II)、シアン化鉄(III)、シア
ン酸鉄(II)、シアン酸鉄(III)、チオシアン酸鉄(I
I)、チオシアン酸鉄(III)、アジ化鉄(II)、アジ化
鉄(III)、フェロシアン化鉄(III)(プルシアンブル
ーとも呼ばれる)がある。
【0025】ここで使用されるように、「有機鉄化合
物」という語は、少なくとも一つの鉄−炭素共有結合を
含む鉄化合物を指す。好適な有機鉄化合物の特定な例の
一部には、ビスシクロペンタジエニル鉄(II)(フェロ
センとも呼ばれる)、ビスペンタメチルシクロペンタジ
エニル鉄(II)(デカメチルフェロセンとも呼ばれ
る)、ビス(ペンタジエニル)鉄(II)、ビス(2,4
−ジメチルペンタジエニル)鉄(II)、ビス(アリル)
ジカルボニル鉄(II)、(シクロペンタジエニル)(ペ
ンタジエニル)鉄(II)、テトラ(1−ノルボニル)鉄
(IV)、(トリメチレンメタン)トリカルボニル鉄(I
I)、ビス(ブタジエン)カルボニル鉄(0)、(ブタ
ジエン)トリカルボニル鉄(0)、及びビス(シクロオ
クタテトラエン)鉄(0)がある。
【0026】本発明の触媒組成物の成分(b)は、有機
マグネシウム化合物である。ここで使用されるように、
「有機マグネシウム化合物」という語は、少なくとも一
つのマグネシウム−炭素共有結合を含むマグネシウム化
合物を指す。炭化水素重合媒体に可溶である有機マグネ
シウム化合物を使用することが一般に有利である。本発
明の触媒組成物に使用することができる2つの好ましい
種類の有機マグネシウム化合物は、ジヒドロカルビルマ
グネシウム化合物とグリニヤール形のヒドロカルビルマ
グネシウムハライドである。
【0027】ジヒドロカルビルマグネシウム化合物は、
一般式MgR2により表される。式中、同一の、あるい
は異なる各々のRは、例えばアルキル、シクロアルキ
ル、アリール、アラアルキル、アルカリールまたはアリ
ル基であり、各々のRは、好ましくは1、またはこのよ
うな基を形成する適当な最小数の炭素原子(しばしば3
または6)から20個迄の炭素原子を含む。好適なジヒ
ドロカルビルマグネシウム化合物の特定な例の一部に
は、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシ
ウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシ
ウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウ
ム、及びジベンジルマグネシウムがある。入手し易さと
溶解性によって、ジブチルマグネシウムが特に好まし
い。
【0028】グリニヤール形のヒドロカルビルマグネシ
ウムハライドは、一般式MgRXにより表される。式
中、Rは、上で例示されたヒドロカルビル基であり、X
は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。好適なジ
ヒドロカルビルマグネシウム化合物の特定な例の一部に
は、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウ
ムブロマイド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチ
ルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマ
イド、ブチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシ
ウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロライド、フ
ェニルマグネシウムブロマイド、及びベンジルマグネシ
ウムクロライドがある。
【0029】更に、本発明の触媒組成物は、式
【0030】
【化1】
【0031】のケト−エノール互変異性構造により表さ
れる亜リン酸ジヒドロカルビルエステルである、成分
(c)を含む。式中、同一の、あるいは異なるR1及び
2は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラア
ルキル、アルカリールまたはアリル基から選ばれるヒド
ロカルビル基であり、各々のRは、好ましくは1、また
はこのような基を形成する適当な最小数の炭素原子(し
ばしば3または6)から、20個迄の炭素原子を含む。
亜リン酸ジヒドロカルビルエステルは、主にケト互変異
性体(左側に示される)として存在し、エノール互変異
性体(右側に示される)は、従の種である。この2つの
互変異性体のいずれか一つまたはそれらの混合物は、本
発明の触媒組成物の成分(c)として使用することがで
きる。上述の互変異性平衡の平衡定数は、温度、R1
2のタイプ、溶媒のタイプ等の因子に依存する。双方
の互変異性体は、水素結合によりダイマー、トリマーま
たはオリゴマーに会合している。
【0032】好適な亜リン酸ジヒドロカルビルエステル
の特定な例の一部には、亜リン酸ジメチルエステル、亜
リン酸ジエチルエステル、亜リン酸ジブチルエステル、
亜リン酸ジヘキシルエステル、亜リン酸ジオクチルエス
テル、亜リン酸ジデシルエステル、亜リン酸ジドデシル
エステル、亜リン酸ジオクタデシルエステル、亜リン酸
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル、亜
リン酸ジイソプロピルエステル、亜リン酸ビス(3,3
−ジメチル−2−ブチル)エステル、亜リン酸ビス
(2,4−ジメチル−3−ペンチル)エステル、亜リン
酸ジ−t−ブチルエステル、亜リン酸ビス(2−エチル
ヘキシル)エステル、亜リン酸ジネオペンチルエステ
ル、亜リン酸ビス(シクロプロピルメチル)エステル、
亜リン酸ビス(シクロブチルメチル)エステル、亜リン
酸ビス(シクロペンチルメチル)エステル、亜リン酸ビ
ス(シクロヘキシルメチル)エステル、亜リン酸ジシク
ロブチルエステル、亜リン酸ジシクロペンチルエステ
ル、亜リン酸ジシクロヘキシルエステル、亜リン酸ジメ
ンチルエステル、亜リン酸ジフェニルエステル、亜リン
酸ジナフチルエステル、亜リン酸ジベンジルエステル、
亜リン酸ビス(1−ナフチルメチル)エステル、亜リン
酸ジアリルエステル、亜リン酸ジメチルアリルエステ
ル、亜リン酸ジクロチルエステル、亜リン酸エチルブチ
ルエステル、亜リン酸メチルヘキシルエステル、亜リン
酸メチルネオペンチルエステル、亜リン酸メチルフェニ
ルエステル、亜リン酸メチルシクロヘキシルエステル、
亜リン酸メチルベンジルエステルなどがある。上記の亜
リン酸ジヒドロカルビルエステルの混合物も使用され
る。
【0033】本発明の触媒組成物は、主成分として上述
の3つの成分(a)、(b)、及び(c)を含む。3つ
の成分(a)、(b)、及び(c)に加えて、当業界で
公知である、他の有機金属化合物等の他の触媒成分も、
所望であれば添加することができる。
【0034】本発明の触媒組成物は、広範囲の触媒全濃
度と触媒組成比にわたって極めて高い触媒活性を有す
る。3つの成分(a)、(b)、及び(c)は、明らか
に相互作用して、活性な触媒種を形成する。従って、い
ずれか一つの触媒成分の最適濃度は、他の2つの触媒成
分の濃度に依存する。重合は、広範囲な触媒全濃度と触
媒組成比にわたって起こるが、最も好ましい性質を有す
るポリマーは、更に狭い範囲の触媒濃度と触媒組成比の
なかで得られる。
【0035】本発明の触媒組成物中の鉄含有化合物に対
する有機マグネシウム化合物のモル比(Mg/Fe)
は、約1:1から約100:1まで変えることができ
る。しかしながら、Mg/Feのモル比の更に好ましい
範囲は、約2:1から約50:1であり、最も好ましい
範囲は、約4:1から約20:1である。鉄含有化合物
に対する亜リン酸ジヒドロカルビルエステルのモル比
(P/Fe)は、約0.5:1から約50:1まで変え
ることができ、好ましい範囲は、約1:1から約25:
1であり、最も好ましい範囲は、約2:1から約10:
1である。
【0036】重合反応物中の全触媒濃度は、成分の純
度、所望の重合速度と転換率、重合温度、などの因子に
依存する。従って、特定の全触媒濃度は、触媒として有
効な量の各触媒成分を使用すべきであるということを述
べること以外に、定義として示すことができない。一般
に、使用される鉄含有化合物の量は、1,3−ブタジエ
ン100g当り約0.01から約2ミリモル迄変えるこ
とができ、更に好ましい範囲は、1,3−ブタジエン1
00g当り約0.02から約1.0ミリモルであり、最
も好ましい範囲は、約0.05から約0.5ミリモルで
ある。所望の性質を有するポリマーを生成する特定の触
媒濃度と触媒成分比は、本発明の教示を説明するために
述べられた実施例において例示されよう。
【0037】本発明の3つの触媒成分は、いくつかの異
なる方法で重合系中に導入される。触媒は、モノマー溶
媒混合物に3つの触媒成分を段階的あるいは連続的に添
加することにより、系内で生成される。触媒成分を段階
的に添加するシーケンスは、決定的ではないが、成分
は、好ましくは有機マグネシウム化合物、鉄含有化合
物、最後に亜リン酸ジヒドロカルビルエステルのシーケ
ンスで添加される。あるいは、3つの触媒成分を、重合
系外で適当な温度(例えば、約−20℃から約80℃
迄)で予備混合し、得られる混合物を重合系に添加して
もよい。加えて、3つの触媒成分を、重合すべきモノマ
ー/溶媒混合物の主な部分に加える前に、少量の1,3
−ブタジエンの存在下適当な温度で(例えば、約−20
℃から約80℃迄)で予備混合してもよい。触媒の予備
生成に使用される1,3−ブタジエンモノマーの量は、
鉄含有化合物のモル当り、約1から約500モルの範囲
であり、好ましくは鉄含有化合物のモル当り、約4から
約50モルである。加えて、3つの触媒成分は、また、
2段階の手順を用いて重合系に導入される。この手順に
は、最初に鉄含有化合物と有機マグネシウム化合物を、
上述のように、少量の1,3−ブタジエンの存在下適当
な温度で(例えば、約−20℃から約80℃迄)反応さ
せることが含まれる。次に、得られる反応混合物と亜リ
ン酸ジヒドロカルビルエステルがモノマー/溶媒混合物
の主な部分に、段階的あるいは連続的に添加される。更
に、別な2段階の手順も使用される。これには、最初に
鉄含有化合物と有機マグネシウム化合物を反応させて、
鉄錯体を形成させ、続いて得られる鉄錯体と有機マグネ
シウム化合物をモノマー/溶媒混合物に段階的あるいは
連続的に添加することが含まれる。
【0038】触媒溶液を重合系外で作製する場合には、
触媒成分溶液に使用できる有機溶媒は、芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素、及び2つ以上
の上述の炭化水素の混合物から選ばれる。好ましくは、
有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、ヘプタン及びシクロヘキサンから選ばれる少なくと
も一つからなる。
【0039】上述したように、(a)、(b)、及び
(c)の3つの触媒成分を含む鉄をベースにした本発明
の触媒組成物は、シンジオタクチック1,2−ブタジエ
ンの製造に対して極めて高い触媒活性を有する。そのた
めに、本発明は、更に上述の鉄をベースにした触媒組成
物を使用して、シンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンを製造する方法を提供する。
【0040】本発明の方法によるシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンの製造は、前出の3つの触媒成
分a)、(b)、及び(c)からなる鉄をベースにした
触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンモノマーを重
合させることにより実施される。上述のように、本発明
の触媒組成物の3つの成分を1,3−ブタジエンモノマ
ーと接触させる多様な方法が使用できる。
【0041】本発明の方法によると、1,3−ブタジエ
ンモノマーの重合は、溶媒を使用しないバルク重合によ
り行なわれることもある。バルク重合は、凝縮した液相
中あるいは気相中で行うことができる。
【0042】あるいは、更に通常には、本発明の方法に
よる1,3−ブタジエンモノマーの重合は、希釈剤とし
て溶媒中で行われる。このような場合には、重合される
1,3−ブタジエンモノマーと生成されたポリマーの双
方が重合媒体中に可溶である、溶液重合が使用される。
あるいは、生成されたポリマーが不溶である溶媒を選ぶ
ことにより懸濁重合が使用される。双方の場合、通常、
触媒成分溶液中に含有される有機溶媒に追加する有機溶
媒の量が重合系に添加される。追加する有機溶媒は、触
媒成分溶液中に含有される有機溶媒と同じあるいは異な
る。通常、重合反応を触媒するのに使用される触媒組成
物に関して不活性である有機溶媒を選ぶのが望ましい。
希釈剤として使用できる好適なタイプの有機溶媒には、
限定ではないが、脂肪族、脂環式、及び芳香族炭化水素
がある。好適な脂肪族溶媒の代表例の一部には、n−ペ
ンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘプタ
ン、イソヘキサン、イソオクタン、2,2−ジメチルブ
タン、石油エーテル、ケロシン、石油スピリットなどが
ある。好適な脂環式溶媒の代表例の一部には、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチ
ルシクロヘキサンなどがある。好適な芳香族溶媒の代表
例の一部には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレンなどがある。
上述の炭化水素の市販の混合物も使用することができ
る。環境的な理由から、脂肪族及び脂環式の溶媒が極め
て好ましい。
【0043】重合される1,3−ブタジエンモノマーの
濃度は、特別な範囲に限定されない。しかしながら、一
般に、重合の初めに重合媒体中に存在する1,3−ブタ
ジエンモノマーの濃度は、約3%から約80重量%の範
囲であるが、更に好ましい範囲は、約5%から約50重
量%であり、最も好ましい範囲は、約10%から約30
重量%である。
【0044】本発明の方法により1,3−ブタジエンの
重合を行うのに当り、製造するシンジオタクチック1,
2−ポリブタジエンの分子量をコントロールするために
分子量調節剤が使用されることもある。結果として、こ
の重合系の範囲は、極高分子量ポリマーから低分子量ポ
リマーにわたるシンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンの製造に使用できるように、拡張することができ
る。使用することができる好適なタイプの分子量調節剤
には、限定ではないが、アレン及び1,2−ブタジエン
等の集積ジオレフィン、1,6−オクタジエン、5−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタジ
エン、3,7−ジメチル1,6−オクタジエン、1,4
−シクロヘキサジエン、4−ビニルシクロヘキセン、
1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5
−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,2−ジビ
ニルシクロヘキサン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2
−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、及び1,2,
4−トリビニルシクロヘキサン等の非共役ジオレフィ
ン、アセチレン、メチルアセチレン及びビニルアセチレ
ン等のアセチレン類、及びこれらの混合物がある。使用
される分子量調節剤の量は、重合で使用される1,3−
ブタジエンモノマーの100重量部当りの部(phm)
で表して、約0.01から約10phmの範囲、好まし
くは約0.02から約2phmの範囲、最も好ましくは
約0.05から約1phmの範囲である。加えて、得ら
れるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン生成物
の分子量は、水素の存在下で1,3−ブタジエンモノマ
ーの重合を行うことによっても有効にコントロールされ
る。この場合には、水素の分圧は、ほぼ約0.01から
約50気圧の範囲内で適当に選ばれる。
【0045】本発明の方法によれば、1,3−ブタジエ
ンモノマーの重合は、バッチプロセスとして、半連続的
なベース、あるいは連続的なベースで行われる。いずれ
の場合においても、望ましくは、重合は、窒素、アルゴ
ンまたはヘリウム等の不活性な保護ガスを用いて、中程
度あるいは激しい攪拌と共に、無酸素条件下で行われ
る。本発明の実施において使用される重合温度は、−1
0℃以下等の低温から100℃以上等の高温迄広く変え
られ、好ましい温度範囲は、約20℃から約90℃であ
る。重合熱は、外部冷却、1,3−ブタジエンモノマー
または溶媒の蒸発による冷却、あるいは2つの方法の組
み合わせにより除去される。本発明の実施において使用
される重合圧力も広く変えられ、好ましい圧力範囲は、
約1気圧から約10気圧である。
【0046】本発明の重合反応は、所望の転換率に達し
たら、重合系に公知の重合停止剤を添加することにより
触媒系を不活性化して停止され、引き続き、共役ジエン
ポリマーの製造において通常使用され、当業者に公知で
あるような脱溶媒と乾燥の通常のステップが行われる。
通常、触媒系を不活性化するのに使用される重合停止剤
は、限定ではないが、アルコール、カルボン酸、無機
酸、及び水あるいはこれらの混合物を含む、プロトン性
化合物である。停止剤の添加と同時、あるいは前、ある
いは後に抗酸化剤等の2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールが添加される。使用される抗酸化剤の量
は、通常、ポリマー生成物の0.2%から1重量%の範
囲である。重合反応を停止したならば、メタノール、エ
タノール、またはイソプロパノール等のアルコールによ
る沈殿、溶媒及び未反応の1,3−ブタジエンモノマー
のスチーム蒸留とそれに続く濾過によって、シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエン生成物が重合混合物か
ら単離される。次に、一般に、生成物は、一定の真空下
で約25℃から約100℃(好ましくは約60℃)の範
囲の温度で乾燥される。
【0047】本発明の触媒組成物を使用するシンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンは、触媒成分と成分比
に依存する種々の融解温度を有する。望ましくは、融解
温度は、約100から約190℃、更に望ましくは約1
10から約180℃、好ましくは約120から約170
℃迄変わる。1,2−結合の含量は、望ましくは約70
から約90%である。シンジオタクチシティは、望まし
くは約60から約80%である。
【0048】本発明の触媒組成物を使用して製造される
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、多くの
用途を有する。性質を改良するために、種々のゴムとブ
レンドすることができる。シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンは、特にタイヤにおいて、エラストマー
のグリーン強度を改善するために、種々のゴムとブレン
ドすることができる。タイヤの支持用カーカス(補強用
カーカス)は、特に、タイヤの形成及び加硫手順時に変
形を受けやすい。この理由のために、タイヤの支持用カ
ーカスに使用される、ゴム組成物中へのシンジオタクチ
ック1,2−ポリブタジエンの包含は、この変形を防止
し、あるいは最小にするのに特に有用である。加えて、
タイヤトレッド組成物中へのシンジオタクチック1,2
−ポリブタジエンの包含は、タイヤの熱の発生を低減さ
せ、磨耗特性を改善する。シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエン製品は、また、食品用フィルムの製造に
おいて、また各種の成形用途において有用である。
【0049】本発明の実施は、次の実施例を参照するこ
とにより更に例示されるが、これは本発明の範囲を制約
すると考えられるべきでない。実施例中の部及びパーセ
ントは、特記しない限り重量による。
【0050】
【実施例】実施例1 乾燥器で乾燥した1リットルのガラス瓶を自己シール性
ゴムライナーと孔明き金属キャップで栓をし、乾燥窒素
流で掃気した。瓶を、66gのヘキサンと27.2重量
%の1,3−ブタジエンを含有する184gの1,3−
ブタジエン/ヘキサンのブレンドで充填した。瓶に、
(1)0.60ミリモルのジブチルマグネシウム、
(2)0.10ミリモルの鉄(III)アセチルアセトナ
ート、(3)0.50ミリモルのビス(2−エチルヘキ
シル)亜リン酸エステルの触媒成分を、この順序で添加
した。50℃に維持した水浴中で瓶を5時間転がした。
0.5gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ールを含有する10mlのイソプロパノールの添加によ
り重合を停止させた。重合混合物を3リットルのイソプ
ロパノール中に添加した。ポリマーを濾過により単離
し、真空下60℃で恒量迄乾燥した。ポリマーの収量
は、48.0g(96%)であった。示差走査熱分析
(DSC)により測定されるように、ポリマーは、16
3℃の融解温度を有していた。ポリマーの1H及び13
核磁気共鳴(NMR)分析により、80.3%の1,2
−結合の含量と、70.6%のシンジオタクチシティが
示された。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(G
PC)により測定されるように、ポリマーは、468,
000の重量平均分子量(Mw)、215,000の数
量平均分子量(Mn)及び2.2の多分散度インデック
ス(Mw/Mn)を有していた。モノマー充填量、触媒成
分量及び得られたシンジオタクチック1,2−ポリブタ
ジエンの性質を表Iに要約した。
【0051】実施例2−6 実施例2−6においては、表Iに示すように、触媒比を
変えたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。各
実施例におけるモノマー充填量、触媒成分量及び得られ
たシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの性質を
表Iに要約した。
【0052】
【表1】
【0053】実施例7−10 実施例7−10においては、亜リン酸ビス(2−エチル
ヘキシル)エステルを亜リン酸ジネオペンチルエステル
に置き換え、表IIに示すように、触媒比を変えたことを
除いて、実施例1の手順を繰り返した。各実施例におけ
るモノマー充填量、触媒成分量及び得られたシンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンの性質を表IIに要約し
た。
【0054】
【表2】
【0055】実施例11−14 実施例11−14においては、分子量調節剤としての
1,2−ブタジエンの有用性を示すために、一連の重合
実験を行った。触媒成分の添加前に、1,3−ブタジエ
ンモノマー溶液を入れた重合瓶に種々の量の1,2−ブ
タジエンを添加したことを除いて、手順は、実施例1に
述べたものと基本的に同一である。各実施例におけるモ
ノマー充填量、1,2−ブタジエン量、触媒成分量及び
得られたシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの
性質を表IIIに要約した。
【0056】
【表3】
【0057】上記の実施例では、特定の方法、材料及び
実施の形態を引用して本発明を述べたが、添付のクレー
ムに示された本発明にクレームされた範囲内に入る、種
々の変更及び変形がなされることは当業者には明白であ
ろう。従って、本発明は、開示された特定物に限定され
ずに、クレームの範囲のすべての同等物迄拡がる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)鉄含有化合物、(b)有機マグネ
    シウム化合物及び(c)亜リン酸ジヒドロカルビルエス
    テル(dihydrocarbyl hydrogen phosphite)からなる触媒
    組成物。
  2. 【請求項2】(a)鉄含有化合物、(b)有機マグネシ
    ウム化合物及び(c)亜リン酸ジヒドロカルビルエステ
    ルからなる、触媒として有効量の触媒組成物の存在下で
    1,3−ブタジエンを重合させることからなるシンジオ
    タクチック1,2−ポリブタジエンを製造する方法。
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