JP2003519256A - 鉄ベースの触媒系の使用による共役ジエンポリマーの製造方法 - Google Patents

鉄ベースの触媒系の使用による共役ジエンポリマーの製造方法

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JP2003519256A JP2001550293A JP2001550293A JP2003519256A JP 2003519256 A JP2003519256 A JP 2003519256A JP 2001550293 A JP2001550293 A JP 2001550293A JP 2001550293 A JP2001550293 A JP 2001550293A JP 2003519256 A JP2003519256 A JP 2003519256A
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Abstract

(57)【要約】 鉄含有化合物、亜リン酸水素エステル、及び有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する、触媒組成物の存在下で共役ジエンモノマーを重合させることにより共役ジエンポリマーを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の分野】
本発明は、鉄含有化合物、亜リン酸水素エステル、及び有機アルミニウム化合
物を化合させることにより生成する、鉄をベースとする触媒組成物の存在下で共
役ジエンモノマーを重合させることにより共役ジエンポリマーを製造する方法を
指向する。好ましい態様は、ポリブタジエンポリマーの合成を指向する。
【0002】 (本発明の背景) ポリブタジエンは、最も一般的な共役ジエンポリマーである。ポリブタジエン
の一つのタイプは、側鎖ビニル基がポリマー主鎖の相対する側に交互に位置する
立体規則性構造を有する結晶質熱可塑性樹脂であるシンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンである。シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、プラス
チックとゴムの両方の性質を示す独特な材料であり、それゆえ数多くの用途を有
する。例えば、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンからフィルム、繊維
、及び種々の成形品を製造することができる。また、シンジオタクチック1,2
−ポリブタジエンを天然あるいは合成ゴム中にブレンドし、共硬化することがで
きる。
【0003】 溶液、乳化、あるいは懸濁重合によりシンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンを製造することができる。一般に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンは、約195℃から約215℃までの範囲の溶融温度を有するが、加工性を
考慮すると、概ね、約195℃未満の溶融温度が望ましい。
【0004】 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの製造用にコバルト、チタン、バ
ナジウム、クロム、及びモリブデンベースの種々の遷移金属触媒系が報告されて
いる。しかしながら、大多数のこれらの触媒系は、触媒活性が低く、あるいは立
体選択性が劣り、そしてある場合には商業的な使用に不適な低分子量ポリマーま
たは部分的に架橋したポリマーを生成するために、実用的な有用性を有しない。
【0005】 商業的な規模でのシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの製造には、次
の2つのコバルトベースの触媒系が既知である:(1)コバルトビス(アセチル
アセトネート)、トリエチルアルミニウム、水、及びトリフェニルホスフィンを
含有する系(米国特許第3,498,963号及び第4,182,813号)、
及び(2)コバルトトリス(アセチルアセトネート)、トリエチルアルミニウム
、及び二硫化炭素を含有する系(米国特許第3,778,424号)。これらの
コバルトベースの触媒系もまた重大な欠点を有する。
【0006】 上記に引用された第一のコバルト触媒系は、極めて低結晶性を有するシンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエンを生成する。また、この系は、ハロゲン化炭
化水素溶媒を重合媒体として使用する時にのみ、充分な触媒活性を発現し、そし
てハロゲン化溶媒は毒性の問題を起こす。
【0007】 上記に引用された第二のコバルト触媒系は、触媒成分の一つとして二硫化炭素
を使用する。二硫化炭素は、低引火点、嫌な臭い、高揮発性、及び毒性のために
、使用するのが困難で、また危険であり、最少量でも大気中に逃散しないように
費用のかかる安全手段を必要とする。更には、このコバルト触媒系により製造さ
れるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、約200−210℃の極め
て高い溶融温度を有し、これがこのポリマーの加工を困難としている。触媒変成
剤を4番目の触媒成分として使用することにより、このコバルト触媒系を用いて
製造したシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの溶融温度を低下させるこ
とができるが、この触媒変成剤の存在は、触媒活性とポリマー収率に悪影響を及
ぼす。従って、これらのコバルトベースの触媒系を工業的に使用するには、多数
の制約が必要である。
【0008】 もう一つの有用なポリブタジエンは、側鎖としてのビニル基がポリマー主鎖に
関して相対する側にランダムに位置する、立体非規則性あるいはアタクチック構
造を有するゴム状エラストマーである、非晶質の高ビニルポリブタジエンである
。非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムは、多様な用途で利用される。例えば,
非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムは、良好な応力ベクトル(tracti
on)と低転がり抵抗の両方を与えるために、タイヤトレッド組成物において有
用である。
【0009】 非晶質の高ビニルポリブタジエンは、通常、キレート性ジアミン、エーテル、
3級アミン、アセタール、ケタール、及び類似構造の化合物などのルイス塩基に
より変成されているアルキルリチウム開始剤を使用するアニオン重合により製造
される。このようなルイス塩基変成剤を使用して製造されるポリブタジエンのビ
ニル含量は、重合温度を上昇するに従って、劇的に減少する。この理由で、 ル
イス塩基変成剤を使用して高い重合温度で高ビニルポリブタジエンを製造するこ
とは困難である。重合温度を上昇させると、概ね重合速度を更に促進するので、
生産性を最大とし、並びに製造コストを低下させるために、商業用重合では中程
度に高い温度を使用することがしばしば望ましい。
【0010】 日本特許JP−A−7306939は、可溶性クロム(III)化合物, ト
リアルキルアルミニウム化合物, 及び亜リン酸水素ジアルキルを含んでなる触
媒系を使用することにより1,3−ブタジエンを非晶質1 ,2−ポリブタジエ
ンに重合させる方法を開示する。得られるポリマー生成物は、極端な高分子量を
有し、一部のゲルを含む。
【0011】 米国特許第4,912,182号は、五塩化モリブデン、 三塩化モリブデン
、または四塩化モリブデンをアルキルカルボン酸またはアリールカルボン酸によ
り変成することにより製造されるモリブデン含有化合物;及びトリアルキルアル
ミニウム化合物を2−アリルフェノールにより変成することにより製造されるア
ルミニウム含有化合物を含んでなる触媒系の存在下で1,3−ブタジエンを重合
することにより、非晶質の高ビニルポリブタジエンを合成する方法を開示する。
このモリブデンベースの触媒系は、中程度の活性を有するのみであり、ポリマー
収率は約75%である。
【0012】 鉄(III)アセチルアセトネートとトリエチルアルミニウムの組み合わせな
どの鉄含有化合物ベースの配位触媒系がしばらく前から知られているが、これら
は、共役ジエンの重合に対して極めて低い触媒活性と劣った立体選択性を有する
。この生成物の混合物は、屡々オリゴマー、低分子量の液状ポリマー、及び部分
的に架橋したポリマーを含有する。それゆえ、鉄ベースのこれらの触媒系は、工
業的有用性を有さない。
【0013】 共役ジエンポリマーが有用であるために、そして共役ジエンを重合させるため
の当業界でこれまで既知の触媒は多数の欠点を有するので、共役ジエンモノマー
、特に1,3−ブタジエンをシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと非晶
質の高ビニルポリブタジエンなどの共役ジエンポリマーに重合させる高い触媒活
性と立体選択性を有する、新しい、著しく改善された触媒組成物を開発すること
が有益である。
【0014】 (本発明の要約) 本発明は、一般に(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒として有効な
量の触媒組成物の存在下で共役ジエンモノマーを重合させる段階を含んでなる、
共役ジエンポリマーを製造する方法を提供する。
【0015】 本発明は、また、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒組成物であっ
て、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に低い、触
媒として有効な量の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合させる段階
を含んでなる、非晶質高ビニルポリブタジエンゴムを製造する方法も提供する。
【0016】 本発明は、更に、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒組成物であっ
て、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に高い、触
媒として有効な量の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合させる段階
を含んでなる、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを製造する方法を提
供する。
【0017】 本発明は、また、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒として有効な
量の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合させる段階を含んでなる方
法により製造されるポリブタジエンポリマーも提供する。
【0018】 本発明は、また、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒組成物であっ
て、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に低い、触
媒として有効な量の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合させる段階
を含んでなる方法により製造される非晶質高ビニルポリブタジエンゴムも提供す
る。
【0019】 本発明は、更に、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒組成物であっ
て、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に高い、触
媒として有効な量の触媒組成物の存在下で1,3−ブタジエンを重合させる段階
を含んでなる方法により製造されるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
も提供する。
【0020】 有利なことには、本発明で使用される触媒組成物は、1,3−ブタジエンなど
の共役ジエンモノマーを重合するのに極めて高い触媒活性と立体選択性を有する
。他の利点のなかで、この活性と選択性によれば、シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエン、非晶質高ビニルポリブタジエンゴム、及びこれらの混合物など
の共役ジエンポリマーを相対的に短い重合時間後に低い触媒量で極めて高収率に
製造することが可能になる。そして、この触媒組成物は、広範囲の重合温度にわ
たって作用する。有意義なこととして、本発明の触媒組成物は極めて有用であり
、触媒活性とポリマー収率に悪影響を及ぼし得る触媒変成剤を必要とせずに、広
範囲の溶融温度を有するシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを製造する
ことが可能である。加うるに、本発明で使用される触媒組成物は二硫化炭素を含
有しない。それゆえ、毒性、不快な臭い、危険性、及び二硫化炭素の使用に関連
する費用が除去される。更には、本発明で使用される触媒組成物は鉄をベースと
し、そして鉄化合物は、一般に安定で、安価で、比較的に無害であり、そして簡
単に入手できる。更には、本発明で使用される触媒組成物は、脂肪族及び脂環式
炭化水素などの環境面で好ましい非ハロゲン化溶媒を含む多種多様な溶媒中で高
い触媒活性を有する。
【0021】 (例示の態様の詳細な説明) 本発明は、一般に共役ジエンモノマーを共役ジエンポリマーに重合させる方法
を指向する。ここに(a)鉄含有化合物、(b)亜リン酸水素エステル、及び(
c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する鉄ベースの触媒組
成物によって共役ジエンモノマーを効率的に重合することができることを見出し
た。
【0022】 上述の触媒組成物を使用することにより重合することができる共役ジエンのい
くつかの具体的な例は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチ
ル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1
,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、及び2、4−ヘキサ
ジエンを含む。また、共重合において2つあるいはそれ以上の共役ジエンの混合
物を使用することもできる。好ましい共役ジエンは、1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエンである。有利なこと
には、本発明の触媒組成物が1,3−ブタジエンを重合するのに極めて高い触媒
活性と立体選択性を有する限り、最も好ましい共役ジエンは1,3−ブタジエン
である。
【0023】 本発明の好ましい態様においては、1,3−ブタジエンはポリブタジエンに重
合される。そして、使用される各触媒成分の量に依って、得られるポリマーの特
性を制御することができることが見出された。例えば、鉄含有化合物に対する有
機アルミニウム化合物のモル比が相対的に低い場合には、1,3−ブタジエンを
重合することにより非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムを製造することができ
る。他方、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に高
い場合には、1,3−ブタジエンを重合することによりシンジオタクチック1,
2−ポリブタジエンを製造することができる。更には, 鉄含有化合物に対する
有機アルミニウム化合物の中間的なモル比を選ぶことにより、シンジオタクチッ
ク1,2−ポリブタジエンと非晶質の高ビニルポリブタジエンのブレンドを製造
することも可能である。
【0024】 本発明において使用される触媒組成物は、(a)鉄含有化合物、(b)亜リン
酸水素エステル、及び(c)有機アルミニウム化合物を化合させることにより生
成する。3つの触媒成分(a)、(b)、及び(c)に加えて、所望ならば、そ
の他の有機金属化合物あるいはルイス塩基を添加することもできる。
【0025】 種々の鉄含有化合物またはこれらの混合物を本発明の触媒組成物の成分(a)
として使用することができる。芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、または脂環式
炭化水素などの炭化水素溶媒に可溶である鉄含有化合物を使用することが一般に
有利である。しかしながら、炭化水素不溶の鉄含有化合物を重合媒体に懸濁して
、触媒として活性の種を生成させることができ、それゆえこれらもまた有用であ
る。
【0026】 この鉄含有化合物中の鉄原子は、限定するものではないが、0、+2、+3、
及び+4の酸化状態を含む種々の酸化状態で存在することができる。鉄が+2の
酸化状態にある2価の鉄化合物(第一鉄化合物とも呼ばれる)と鉄が+3の酸化
状態にある3価の鉄化合物(第二鉄化合物とも呼ばれる)を使用することが好ま
しい。
【0027】 使用することができる好適なタイプの鉄含有化合物は、限定するものではない
が、カルボン酸鉄、カルバミン酸鉄、ジチオカルバミン酸鉄、キサントゲン酸鉄
、鉄β−ジケトネート、鉄アルコキシド、鉄アリールオキシド、及び有機鉄化合
物を含む。
【0028】 好適なカルボン酸鉄のいくつかの具体的な例は、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(I
II)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、アクリル酸鉄(II)、アクリル
酸鉄(III)、メタアクリル酸鉄(II)、メタアクリル酸鉄(III)、吉
草酸鉄(II)、吉草酸鉄(III)、グルコン酸鉄(II)、グルコン酸鉄(
III)、クエン酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)、フマル酸鉄(II)、
フマル酸鉄(III)、乳酸鉄(II)、乳酸鉄(III)、マレイン酸鉄(I
I)、マレイン酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、
2−エチルヘキサン酸鉄(II)、2−エチルヘキサン酸鉄(III)、ネオデ
カン酸鉄(II)、ネオデカン酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(II)、ナフテ
ン酸鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)、ステアリン酸鉄(III)、オレ
イン酸鉄(II)、オレイン酸鉄(III)、安息香酸鉄(II)、安息香酸鉄
(III)、ピコリン酸鉄(II)、及びピコリン酸鉄(III)を含む。
【0029】 好適なカルバミン酸鉄のいくつかの具体的な例は、ジメチルカルバミン酸鉄(
II)、ジメチルカルバミン酸鉄(III)、ジエチルカルバミン酸鉄(II)
、ジエチルカルバミン酸鉄(III)、ジイソプロカルバミン酸鉄(II)、ジ
イソプロカルバミン酸鉄(III)、ジブチルカルバミン酸鉄(II)、ジブチ
ルカルバミン酸鉄(III)、ジベンジルカルバミン酸鉄(II)、及びジベン
ジルカルバミン酸鉄(III)を含む。
【0030】 好適な鉄ジチオカーバメートのいくつかの具体的な例は、ジメチルジチオカル
バミン酸鉄(II)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジエチルジチ
オカルバミン酸鉄(II)、ジエチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジイソ
プロピルジチオカルバミン酸鉄(II)、ジイソプロピルジチオカルバミン酸鉄
(III)、ジブチルジチオカルバミン酸鉄(II)、ジブチルジチオカルバミ
ン酸鉄(III)、ジベンジルジチオカルバミン酸鉄(II)、及びジベンジル
ジチオカルバミン酸鉄(III)を含む。
【0031】 好適なキサントゲン酸鉄のいくつかの具体的な例は、メチルキサントゲン酸鉄
(II)、メチルキサントゲン酸鉄(III)、エチルキサントゲン酸鉄(II
)、エチルキサントゲン酸鉄(III)、イソプロピルキサントゲン酸鉄(II
)、イソプロピルキサントゲン酸鉄(III)、ブチルキサントゲン酸鉄(II
)、ブチルキサントゲン酸鉄(III)、ベンジルキサントゲン酸鉄(II)、
及びベンジルキサントゲン酸鉄(III)を含む。
【0032】 好適な鉄β−ジケトネートのいくつかの具体的な例は、鉄(II)アセチルア
セトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、鉄(II)トリフルオロアセ
チルアセトネート、鉄(III)トリフルオロアセチルアセトネート、鉄(II
)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、鉄(III)ヘキサフルオロアセチル
アセトネート、鉄(II)ベンゾイルアセトネート、鉄(III)ベンゾイルア
セトネート、鉄(II)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオ
ネート、及び鉄(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジ
オネートを含む。
【0033】 好適な鉄アルコキシドあるいはアリールオキシドのいくつかの具体的な例は、
鉄(II)メトキシド、鉄(III)メトキシド、鉄(II)エトキシド、鉄(
III)エトキシド、鉄(II)イソプロポキシド、鉄(III)イソプロポキ
シド、鉄(II)2−エチルヘキソキシド、鉄(III)2−エチルヘキソキシ
ド、鉄(II)フェノキシド、鉄(III)フェノキシド、鉄(II)ノニルフ
ェノキシド、鉄(III)ノニルフェノキシド、鉄(II)ナフトキシド、及び
鉄(III)ナフトキシドを含む。
【0034】 有機鉄化合物という用語は、少なくとも1つの鉄−炭素結合を含有するいかな
る鉄化合物も指す。好適な有機鉄化合物のいくつかの具体的な例は、ビス(シク
ロペンタジエニル)鉄(II)(フェロセンとも呼ばれる)、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)鉄(II)(デカメチルフェロセンとも呼ばれる)、
ビス(ペンタジエニル)鉄(II)、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)
鉄(II)、ビス(アリル)ジカルボニル鉄(II)、(シクロペンタジエニル
)(ペンタジエニル)鉄(II)、テトラ(1−ノルボルニル)鉄(IV)、(
トリメチレンメタン)トリカルボニル鉄(II)、ビス(ブタジエン)カルボニ
ル鉄(0)、ブタジエントリカルボニル鉄(0)、及びビス(シクロオクタテト
ラエン)鉄(0)を含む。
【0035】 本発明において使用される触媒組成物の成分(b)として使用することができ
る有用な亜リン酸水素エステル化合物は、非環式亜リン酸水素エステル、環状亜
リン酸水素エステル、及びこれらの混合物である。
【0036】 一般に、この非環式亜リン酸水素エステルは、次のケト−エノール互変異性体
構造
【0037】
【化3】
【0038】 により表すことができる。式中、R1とR2は、同一であるか、あるいは異なって
もよいが、1価の有機基である。好ましくは、R1とR2は、限定するものではな
いがアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアル
ケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル
、アルカリール、またはアルキニル基などのヒドロカルビル基であり、各基は好
ましくは1個の炭素原子、またはこれらの基を生成するのに適当な最少の数の炭
素原子から20個までの炭素原子を含有する。これらのヒドロカルビル基は、限
定するものではないが窒素、酸素、ケイ素、イオウ、及びリン原子などのヘテロ
原子を含有することができる。この非環式亜リン酸水素エステルは、主としてケ
ト互変異性体(左側に示されている)として存在し、そのエノール互変異性体(
右側に示されている)は少数種である。上述の互変異性平衡の平衡定数は、温度
、R1及びR2基のタイプ、溶媒のタイプなどの因子に依存する。双方の互変異性
体は、水素結合によりダイマー、トリマー、あるいはオリゴマー形で会合してい
てもよい。この2つの互変異性体のいずれか、またはこの混合物を使用すること
ができる。
【0039】 好適な非環式亜リン酸水素エステルのいくつかの代表的な、非限定的な例は、
ジメチル亜リン酸水素エステル、ジエチル亜リン酸水素エステル、ジブチル亜リ
ン酸水素エステル、ジヘキシル亜リン酸水素エステル、ジオクチル亜リン酸水素
エステル、ジデシル亜リン酸水素エステル、ジドデシル亜リン酸水素エステル、
ジオクタデシル亜リン酸水素エステル、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル
)亜リン酸水素エステル、ジイソプロピル亜リン酸水素エステル、ビス(3,3
−ジメチル−2−ブチル)亜リン酸水素エステル、ビス(2,4−ジメチル−3
−ペンチル)亜リン酸水素エステル、ジ−t−ブチル亜リン酸水素エステル、ビ
ス(2−エチルヘキシル)亜リン酸水素エステル、ジネオペンチル亜リン酸水素
エステル、ビス(シクロプロピルメチル)亜リン酸水素エステル、ビス(シクロ
ブチルメチル)亜リン酸水素エステル、ビス(シクロペンチルメチル)亜リン酸
水素エステル、ビス(シクロヘキシルメチル)亜リン酸水素エステル、ジシクロ
ブチル亜リン酸水素エステル、ジシクロペンチル亜リン酸水素エステル、ジシク
ロヘキシル亜リン酸水素エステル、ジメチル亜リン酸水素エステル、ジフェニル
亜リン酸水素エステル、ジナフチル亜リン酸水素エステル、ジベンジル亜リン酸
水素エステル、ビス(1−ナフチルメチル)亜リン酸水素エステル、ジアリル亜
リン酸水素エステル、ジメタリル亜リン酸水素エステル、ジクロチル亜リン酸水
素エステル、エチルブチル亜リン酸水素エステル、メチルヘキシル亜リン酸水素
エステル、メチルネオペンチル亜リン酸水素エステル、メチルフェニル亜リン酸
水素エステル、メチルシクロヘキシル亜リン酸水素エステル、メチルベンジル亜
リン酸水素エステルなどである。上記のジヒドロカルビル亜リン酸水素エステル
の混合物を使用することもできる。
【0040】 一般に、環状亜リン酸水素エステルは、このリン原子に単結合している2個の
酸素原子を架橋する2価の有機基を含有する。これらの環状亜リン酸水素エステ
ルは、次のケト−エノール互変異性体構造
【0041】
【化4】
【0042】 により表すことかできる。式中、R3は2価の有機基である。好ましくは、R3
、限定するものではないが、アルキレン、シクロアルキレン、置換アルキレン、
置換シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、置換アルケニレン
、置換シクロアルケニレン、アリーレン、または置換アリーレン基などのヒドロ
カルビレン基であり、各基は、好ましくは1個の炭素原子、またはこの基を形成
するのに適当な最少の数の炭素原子から20個までの炭素原子を含有する。これ
らのヒドロカルビレン基は、限定するものではないが、窒素、酸素、ケイ素、イ
オウ、及びリン原子などのヘテロ原子を含有することができる。この環状亜リン
酸水素エステルは、主としてケト互変異性体(左側に示されている)として存在
し、そのエノール互変異性体(右側に示されている)は少数種である。上述の互
変異性平衡の平衡定数は、温度、R3基のタイプ、溶媒のタイプなどの因子に依
存する。双方の互変異性体は、水素結合によりダイマー、トリマー、あるいはオ
リゴマー形で会合していてもよい。この2つの互変異性体のいずれか、またはこ
の混合物を使用することができる。
【0043】 非環式のジヒドロカルビル亜リン酸水素エステル(通常ジメチル亜リン酸水素
エステルまたはジエチル亜リン酸水素エステル)とアルキレンジオールあるいは
アリーレンジオールとのエステル交換反応反応により、この環状亜リン酸水素エ
ステルは合成することができる。このエステル交換反応反応の手順は、当該技術
の熟練者にはよく知られている。通常、このエステル交換反応は、非環式ジヒド
ロカルビル亜リン酸水素エステルとアルキレンジオールあるいはアリーレンジオ
ールの混合物を加熱することにより行なわれる。このエステル交換反応で生成す
る副生成物のアルコール(通常、メタノールまたはエタノール)を引続いて蒸留
することにより、新たに生成した環状亜リン酸水素エステルが残る。
【0044】 好適な環状アルキレン亜リン酸水素エステルのいくつかの具体的な例は2−オ
キソ−(2H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン
、2−オキソ−(2H)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナ
ン、2−オキソ−(2H)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−
(2H)−4−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2
H)−5−エチル−5−メチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキ
ソ−(2H)−5,5−ジエチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オ
キソ−(2H)−5−メチル−5−プロピル−1,3,2−ジオキサホスホリナ
ン、2−オキソ−(2H)−4−イソプロピル−5,5−ジメチル−1,3,2
−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4,6−ジメチル−1,3,
2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−プロピル−5−エチル
−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−オキソ−(2H)−4−メチル−1
,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−ジメチル−1
,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,4,5,5−テト
ラメチル−1,3,2−ジオキサホスホランなどである。上記の環状アルキレン
亜リン酸水素エステルの混合物を使用することもできる。
【0045】 好適な環状アリーレン亜リン酸水素エステルのいくつかの具体的な例は、2−
オキソ−(2H)−4,5−ベンゾ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オ
キソ−(2H)−4,5−(3’−メチルベンゾ)−1,3,2−ジオキサホス
ホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−(4’−メチルベンゾ)−1,3,2
−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−(4’−t−ブチルベ
ンゾ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−オキソ−(2H)−4,5−ナ
フタロ−1,3,2−ジオキサホスホランなどである。上記の環状アリーレン亜
リン酸水素エステルの混合物を使用することもできる。
【0046】 本発明で使用される触媒組成物の成分(c)は、有機アルミニウム化合物を含
んでなる。この明細書で使用されるように、「有機アルミニウム化合物」という
用語は、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を含有するいかなるアルミニ
ウム化合物も指す。炭化水素溶媒に可溶である有機アルミニウム化合物を使用す
ることが一般に有利である。
【0047】 使用することができる好ましい類の有機アルミニウム化合物は、一般式AlR n3-nにより表される。式中、各Rは、同一であるか、あるいは異なってもよい
が、炭素原子を介してアルミニウム原子に結合する1価の有機基であり、nは1
から3までの整数であり、そして各Xは水素原子、カルボキシレート基、アルコ
キシド基、またはアリールオキシド基から選ばれる。好ましくは、各Rは、限定
するものではないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケ
ニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリ
ール、アラルキル、アルカリール、またはアルキニル基などのヒドロカルビル基
であり、各基は、好ましくは1個から、またはこの基を生成するのに適切な最小
数から約20個までの炭素原子を含有する。また、これらのヒドロカルビル基は
、酸素、イオウ、窒素、ケイ素、及びリン原子などのヘテロ原子を含有すること
ができる。好ましくは、各Xは、カルボキシレート基、アルコキシド基、または
アリールオキシド基であり、各基は、好ましくは1個から、またはこの基を生成
するのに適切な最小数から約20個までの炭素原子を含有する。
【0048】 このように、使用することができる有機アルミニウム化合物のいくつかの好適
なタイプは、限定するものではないが、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒ
ドロカルビルアルミニウムハイドライド、ヒドロカルビルアルミニウムジハイド
ライド、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシレート、ヒドロカルビルアル
ミニウムビス(カルボキシレート)、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシ
ド、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアルミニウ
ムアリールオキシド、ヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシドなど、及
びこれらの混合物を含む。トリヒドロカルビルアルミニウム化合物が一般に好ま
しい。
【0049】 使用することができる有機アルミニウム化合物のいくつかの具体的な例は、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n
−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチル
アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、
トリ−p−トリルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニル
アルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニ
ウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、エ
チルジベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プ
ロピルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、
ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イド、ジ−n−オクチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハ
イドライド、ジ−p−トリルアルミニウムハイドライド、ジベンジルアルミニウ
ムハイドライド、フェニルエチルアルミニウムハイドライド、フェニル−n−プ
ロピルアルミニウムハイドライド、フェニルイソプロピルアルミニウムハイドラ
イド、フェニル−n−ブチルアルミニウムハイライド、フェニルイソブチルアル
ミニウムハイドライド、フェニル−n−オクチルアルミニウムハイドライド、p
−トリルエチルアルミニウムハイドライド、p−トリル−n−プロピルアルミニ
ウムハイドライド、p−トリルイソプロピルアルミニウムハイドライド、p−ト
リル−n−ブチルアルミニウムハイドライド、p−トリルイソブチルアルミニウ
ムハイドライド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムハイドライド、ベンジ
ルエチルアルミニウムハイドライド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムハイ
ドライド、ベンジルイソプロピルアルミニウムハイドライド、ベンジル−n−ブ
チルアルミニウムハイドライド、ベンジルイソブチルアルミニウムハイドライド
、及びベンジル−n−オクチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウム
ジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソプロピルアル
ミニウムジハイドライド、n−ブチルアルミニウムジハイドライド、イソブチル
アルミニウムジハイドライド、−オクチルアルミニウムジハイドライド、ジメチ
ルアルミニウムヘキサノエート、ジエチルアルミニウムオクトエート、ジイソブ
チルアルミニウム2−エチルヘキサノエート、ジメチルアルミニウムネオデカノ
エート、ジエチルアルミニウムステアレート、ジイソブチルアルミニウムオレエ
ート、メチルアルミニウムビス(ヘキサノエート)、エチルアルミニウムビス(
オクトエート)、イソブチルアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)、
メチルアルミニウムビス(ネオデカノエート)、エチルアルミニウムビス(ステ
アレート)、イソブチルアルミニウムビス(オレエート)、ジメチルアルミニウ
ムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメ
トキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド
、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、
メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチ
ルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミ
ニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウ
ムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド、イソブチルアルミニウ
ムジフェノキシドなど、及びこれらの混合物を含む。
【0050】 本発明で使用される触媒組成物の成分(c)として用いることができる有機ア
ルミニウム化合物のもう一つの類はアルミノキサンである。アルミノキサンは当
業界でよく知られていて、一般式
【0051】
【化5】
【0052】 により表すことができるオリゴマー型線状アルミノキサンと一般式
【0053】
【化6】
【0054】 により表すことができるとオリゴマー型環状アルミノキサンを含んでなる。式中
、xは1から約100までの、好ましくは約10から約50までの整数であり、
yは2から約100までの、好ましくは約3から約20までの整数であり、そし
て各R4は、同一であるか、あるいは異なってもよいが、炭素原子を介してアル
ミニウム原子に結合している1価の有機基である。好ましくは、各R4は、限定
するものではないが、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケ
ニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリ
ール、アラルキル、アルカリール、またはアルキニル基などのヒドロカルビル基
であり、各基は、好ましくは1個、あるいはこの基を生成する適当な最小の数か
ら約20個までの炭素原子を含有する。これらのヒドロカルビル基は、限定する
ものではないが、窒素、酸素、ケイ素、イオウ、及びリン原子などのヘテロ原子
を含有することができる。この出願で使用されるようなアルミノキサンのモル数
は、オリゴマーのアルミノキサン分子のモル数よりもむしろアルミニウム原子の
モル数を指すことを注目すべきである。この慣用法は、アルミノキサンを使用す
る触媒の技術で一般に使用される。
【0055】 一般に、トリヒドロカルビルアルミニウム化合物と水を反応させることにより
、アルミノキサンを製造することができる。(1)トリヒドロカルビルアルミニ
ウム化合物を有機溶媒中に溶解し、次に水と接触させる方法、(2)トリヒドロ
カルビルアルミニウム化合物を例えば金属塩中に含有する結晶水または無機ある
いは有機化合物中に吸着された水と反応させる方法、及び(3)トリヒドロカル
ビルアルミニウム化合物を重合すべきモノマーまたはモノマー溶液に添加し、次
に水を添加する方法などの既知の方法により、この反応を行なうことができる。
【0056】 使用することができる好適なアルミノキサン化合物のいくつかの具体的な例は
、メチルアルミノキサン(MAO)、変成メチルアルミノキサン(MMAO)、
エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン など、及びこれらの混合物を含む。その入手性と脂肪族及び脂環式炭化水素溶媒
中の溶解度に基づき、イソブチルアルミノキサンが特に有用である。当該技術の
熟練者には既知の手法を用いてメチルアルミノキサンの約20−80%のメチル
基をC2からC12までのヒドロカルビル基で、好ましくはイソブチル基で置換す
ることにより、変成メチルアルミノキサンを生成させることができる。
【0057】 本発明で使用される触媒組成物は、共役ジエンモノマーを共役ジエンポリマー
に重合させるための極めて高い触媒活性を広範囲の全触媒濃度と触媒成分比にわ
たって有する。しかしながら、更に狭い範囲の全触媒濃度と触媒成分比の内で最
も望ましい性質を有するポリマーが得られる。更に、3つの触媒成分(a)、(
b)、及び(c)は相互作用して、活性触媒種を生成すると考えられる。従って
、いずれか一つの触媒成分の最適濃度は、他の2つの触媒成分の濃度に依存する
【0058】 本発明の一つの態様においては、約0.5:1から約50:1まで、更に好ま
しくは約1:1から約25:1まで、一層更に好ましくは約2:1から約10:
1まで、鉄含有化合物に対する亜リン酸水素エステルのモル比(P/Fe)を変
えることができる。約1:1から約100:1まで、更に好ましくは約2:1か
ら約75:1まで、一層更に好ましくは約3:1から約50:1まで、鉄含有化
合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比(Al/Fe)を変えることがで
きる。
【0059】 非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムを合成するのに特に望ましい本発明の好
ましい態様においては、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比
(Al/Fe)は、相対的に低くなければならない。この明細書の目的には、「
相対的に低い」という用語は、約1:1 から約10:1まで、 更に好ましくは
約2:1から約8:1まで、一層更に好ましくは約3:1から約 7:1まで、
そしてなお更に好ましくは約4:1 から約 6:1まで変えることができるAl
/Fe モル比を一般に指し、この明細書で下記に述べるように、この比を変え
ることができることは了解される、 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを合成するのに特に望ましい本発
明のもう一つの好ましい態様においては、鉄含有化合物に対する有機アルミニウ
ム化合物のモル比(Al/Fe)は、相対的に高くなければならない。この明細
書の目的には、「相対的に高い」という用語は、一般に約10:1 から約10
0:1まで、更に好ましくは約13:1から約40:1まで、一層更に好ましく
は約14:1から約30:1まで変えることができるAl/Fe モル比を指し
、この明細書で下記に述べるように、この比を変えることができることは了解さ
れる。
【0060】 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと非晶質の高ビニルポリブタジエ
ンのブレンドを合成するのに特に望ましい本発明の更にもう一つの好ましい態様
においては、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比(Al/F
e)は、中間的でなければならない。この明細書の目的には、「中間的」という
用語は、一般に約9:1 から約11:1まで変えることができるAl/Fe モ
ル比を指し、この明細書で下記に述べるように、この比を変えることができるこ
とは了解される。
【0061】 上述のように、本発明で使用される触媒組成物は、好ましくは3つの触媒成分
(a)、(b)、及び(c)を化合させることにより生成する。活性触媒種はこ
の化合の結果生成すると考えられるが、種々の成分または構成要素の間の相互作
用または反応の度合いは、相当程度の確実性をもっては知られていない。それゆ
え、「触媒組成物」という用語は、成分の単純な混合物、物理的あるいは化学的
な引力により引き起こされる種々の成分の錯体、成分の化学反応生成物、または
前記の組み合わせ物を包含するものとして使用されてきたことを理解すべきであ
る。
【0062】 例えば、次の方法の一つを用いて触媒成分または構成要素を化合または混合す
ることにより、本発明で使用される触媒組成物を生成させることができる。
【0063】 第1には、モノマーと溶媒を含有する溶液、または単純にバルクのモノマーに
この3つの触媒成分を段階的あるいは同時に添加することにより、この触媒組成
物を系内で生成させることができる。この触媒成分を段階的に添加する場合には
、成分を添加する順序は決定的でない。しかしながら、好ましくは、鉄含有化合
物を最初に添加し、続いて亜リン酸水素エステルを、そして最後に有機アルミニ
ウム化合物を添加する。
【0064】 第2には、一般に、約−20°Cから約80°Cまでの適当な温度で重合系の
外で、この3つの触媒成分を前混合することができ、そして次に得られる触媒組
成物をモノマー溶液に添加する。
【0065】 第3には、モノマーの存在下でこの触媒組成物を前生成させることもできる。
すなわち、この3つの触媒成分を、少量のモノマーの存在下、一般に、約−20
°Cから約80°Cまでの適当な温度で前混合する。触媒の前生成に使用される
モノマー量は、この鉄含有化合物の1モル当り約1から約500モルの範囲であ
ることができ、好ましくはこの鉄含有化合物の1モル当り約4から約100モル
でなければならない。次に、得られる触媒組成物を重合されるモノマーの残りに
添加する。
【0066】 第4には、2段法を使用することによりこの触媒組成物を生成させることがで
きる。第1段階は、鉄含有化合物と有機アルミニウム化合物を、少量のモノマー
の存在下、一般に、約−20°Cから約80°Cまでの適当な温度で化合させる
ことを含む。第2段階では、前記の反応混合物と亜リン酸水素エステルを、重合
されるモノマーの残りに段階的あるいは同時に供給する。
【0067】 第5には、代替の2段法を使用することもできる。最初に、鉄含有化合物を亜
リン酸水素エステルと前化合させることにより、鉄配位子錯体を生成させる。生
成したならば、次に、この鉄配位子錯体を有機アルミニウム化合物と化合させて
、活性触媒種を生成させる。この鉄配位子錯体を、別々にあるいは重合させるモ
ノマーの存在下で生成させることができる。常圧下、任意の好都合の温度でこの
錯体生成反応を行なうことができるが、反応速度を増大させるためには、この反
応を室温あるいはそれ以上で行うことが好ましい。鉄−配位子錯体の生成に使用
される温度と時間は、使用される特定の出発材料と溶媒を含むいくつかの変数に
依存する。生成したならば、錯体生成反応混合物から単離することなく鉄−配位
子錯体を使用することができる。しかしながら、所望ならば、使用前に鉄−配位
子錯体を錯体生成反応混合物から単離することもできる。
【0068】 鉄ベースの触媒組成物または一つあるいはそれ以上の触媒成分の溶液を前記の
方法で述べたように重合系外で調製する場合には、好ましくは有機溶媒または担
体を使用する。有用な溶媒は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭
化水素などの炭化水素溶媒を含む。芳香族炭化水素溶媒の非限定的な例は、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレンな
どを含む。脂肪族炭化水素溶媒の非限定的な例は、n−ペンタン、n−ヘキサン
、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソ
ヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテ
ル、ケロシン、軽油などを含む。脂環式炭化水素溶媒の非限定的な例は、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなど
を含む。上記の炭化水素の市販の混合物を使用することもできる。環境面の理由
から、脂肪族及び脂環式溶媒が極めて好ましい。前記の有機溶媒は、触媒組成物
あるいは成分を溶解する役割を果すことができ、あるいは単に触媒組成物あるい
は成分を懸濁する担体としての役割を果すこともできる。
【0069】 本発明によるポリブタジエンなどの共役ジエンポリマーの製造は、触媒として
有効な量の前記の触媒組成物の存在下で共役ジエンモノマーを重合させることに
より行なわれる。上記のように、触媒組成物の成分を共役ジエンと接触させるた
めの多様な方法を使用することができる。触媒として有効な量により意味される
ものを理解するためには、重合物で使用される全触媒濃度が成分純度、重合温度
、所望の重合速度と転化率、及び多くの他の因子などの種々の因子の相互作用に
依存することを理解しなければならない。従って、触媒として有効な量の各触媒
成分を使用しなければならないという以外に、特定の全触媒濃度を確定的に示す
ことができない。使用される鉄含有化合物の量は、一般に100gの共役ジエン
モノマー当り約0.01から約2ミリモルまで変えることができ、更に好ましい
範囲は100gの共役ジエンモノマー当り約0.02から約1.0ミリモルまで
であり、最も好ましい範囲は100gの共役ジエンモノマー当り約0.05から
約0.5ミリモルまでである。
【0070】 本発明による共役ジエンモノマーの重合は、好ましくは希釈剤として有機溶媒
の中で行なわれる。従って、重合されるモノマーと生成するポリマーの両方が重
合媒体に可溶である溶液重合系を使用することができる。あるいは、生成するポ
リマーが不溶である溶媒を選ぶことにより、沈澱重合系を使用することもできる
。両方の場合、鉄ベースの触媒組成物を調製するのに使用し得る有機溶媒に加え
た有機溶媒の量が通常、重合系に添加される。この追加の有機溶媒は、触媒溶液
に含まれる有機溶媒と同一であっても、あるいは異なってもよい。重合を接触す
るのに使用される触媒組成物に対して不活性である有機溶媒を選ぶのが通常望ま
しい。希釈剤として使用することができる好適なタイプの有機溶媒は、限定する
ものではないが、脂肪族、脂環式、及び芳香族炭化水素を含む。好適な脂肪族の
溶媒のいくつかの代表例は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタ
ン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、軽油な
どを含む。好適な脂環式溶媒のいくつかの代表例は、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどを含む。好適な芳香
族溶媒のいくつかの代表例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
、ジエチルベンゼン、メシチレンなどを含む。上記の炭化水素の市販の混合物を
使用することもできる。環境面の理由から、脂肪族及び脂環式溶媒が極めて好ま
しい。
【0071】 重合される共役ジエンモノマーの濃度は、特別な範囲には限定されない。しか
しながら、重合開始時に重合媒体中に存在するモノマー濃度は、一般に約3%か
ら約80重量%までの、更に好ましくは約5%から約50重量%までの、一層更
に好ましくは約10%から約30重量%までの範囲であることが好ましい。
【0072】 また、溶媒を使用しない重合環境を指すバルク重合により本発明による共役ジ
エンモノマーの重合を行うこともできる。凝縮液相中で、あるいは気相中でバル
ク重合を行なうことができる。
【0073】 本発明による共役ジエンモノマーの重合を行うに際し、分子量調整剤を使用し
て、製造される共役ジエンポリマーの分子量を制御することもできる。結果とし
て、広範囲の分子量を有する共役ジエンポリマーの製造に使用することができる
ように、重合系の範囲を拡張することができる。使用することができる分子量調
整剤の好適なタイプは、限定するものではないが、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、及び1−オクテンなどの
α−オレフィン;アレン及び1,2−ブタジエンなどの累積ジオレフィン;1,
6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−シクロオクタ
ジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエ
ン、4−ビニルシクロヘキセン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン
、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,2−ジビニルシクロヘキ
サン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、
5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、及び1,2,4−トリ
ビニルシクロヘキサンなどの非共役ジオレフィン;アセチレン、メチルアセチレ
ン及びビニルアセチレンなどのアセチレン;及びこれらの混合物を含む。使用さ
れる分子量調整剤の量は、共役ジエンモノマーの100重量部当りの重量部(p
hm)で表わして、約0.01から約10phm、好ましくは約0.02から約
2phm、更に好ましくは約0.05から約1phmである。
【0074】 水素ガスの存在下で共役ジエンモノマーを重合させることにより、製造される
共役ジエンポリマーの分子量を効果的に制御することもできる。この場合には、
水素ガスの好ましい分圧は、約0.01から約50気圧の範囲内である。
【0075】 本発明による共役ジエンモノマーの重合は、バッチプロセス、連続プロセス、
または半連続プロセスとしてでさえ行なうことができる。半連続プロセスにおい
ては、モノマーを必要に応じて間欠的に供給して、既に重合したモノマーを置き
換える。いずれの場合においても、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性
な保護ガスを用いることにより、嫌気性条件下で穏やかな、ないしは激しい攪拌
と共に重合を行うことが望ましい。本発明の実施に使用される重合温度は、−1
0°Cあるいはそれ以下などの低温から100°Cあるいはそれ以上などの高温
まで広く変えることができ、好ましい温度範囲は約20°Cから約90°Cまで
である。外部の冷却により、モノマーまたは溶媒の蒸発による冷却により、ある
いはこの2つの方法の組み合わせにより、重合熱を除去することができる。使用
重合圧力は広範に変えることができるが、好ましい圧力範囲は、約1気圧から約
10気圧までである。
【0076】 所望の転化率が得られたならば、この触媒を不活性化する重合停止剤の添加に
より重合を停止することができる。通常、この重合停止剤は、限定するものでは
ないが、アルコール、カルボン酸、無機酸、水、またはこれらの混合物を含むプ
ロトン性化合物である。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの
酸化防止剤を停止剤の添加と同時に、あるいは前後に添加することもできる。使
用される酸化防止剤の量は、好ましくはポリマー生成物の0.2%から1重量%
までの範囲内である。重合反応を停止したならば、脱溶媒和(desolven
tization)及び乾燥の慣用の手順によりポリマーを重合混合物から回収
することができる。例えば、重合混合物をメタノール、エタノール、またはイソ
プロパノールなどのアルコールにより凝析することにより、あるいは溶媒と未反
応モノマーを水蒸気蒸留し、続いて濾過することにより、このポリマーを重合混
合物から単離することもできる。次に、このポリマー生成物を乾燥して、残存量
の溶媒と水を除去する。
【0077】 有利なことには、本発明の触媒組成を操作して、得られる共役ジエンポリマー
の特性を変えることができる。すなわち、鉄含有化合物に対する有機アルミニウ
ム化合物のモル比(Al/Fe)を操作して、得られるポリマーの特性を変える
ことができる。例えば、1,3−ブタジエンを重合するに際し、Al/Fe モ
ル比が相対的に低い場合、すなわち約 1:1から約10:1までである場合、
得られるポリマーは非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムである。例えば約10
:1から約 100:1までの相対的に高いAl/Feモル比では、得られるポ
リマーはシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである。しかしながら、有
機アルミニウム化合物のタイプ、亜リン酸水素エステルのタイプ、及び鉄含有化
合物に対する亜リン酸水素エステルのモル比は、非晶質の高ビニルポリブタジエ
ンゴムまたはシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンのいずれかを製造する
のに必要とされる厳密なAl/Fe モル比を変えることが判明したので、これ
らのAl/Feモル比は必ずしも一貫していない。
【0078】 そして、非晶質の高ビニルポリブタジエンからシンジオタクチック1,2−ポ
リブタジエンへの転移は漸次的であること、またAl/Fe モル比が例えば、
約9:1から約11:1までの中間領域にある場合には、非晶質の高ビニルポリ
ブタジエンとシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンのブレンドが生成する
ことが判明した。使用される有機アルミニウム化合物のタイプ、亜リン酸水素エ
ステルのタイプ、及び鉄含有化合物に対する 亜リン酸水素エステルのモル比に
依ってこの中間領域は変わるかもしれないことが了解される。
【0079】 本発明の触媒組成物により製造される共役ジエンポリマーは、数多くの用途を
有する。例えば、応力ベクトル、磨耗抵抗、及び転がり抵抗の最適なバランスを
有するタイヤトレッドを製造するのに使用されるゴム組成物においてこの非晶質
高ビニルポリブタジエンを使用することができる。ゴムの性質を改善するために
、このシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを種々のゴムとブレンドする
ことができる。例えば、特にタイヤにおけるエラストマーのグリーン強度を改善
するために、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンをエラストマーに含ま
せることができる。タイヤの支持用あるいは補強用カーカスは、特にタイヤの形
成及び硬化工程時に歪み易い。この理由のために、タイヤの支持用カーカスに使
用されるゴム組成物中にこのシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含ま
せることは、この歪みを防止または最小化するのに特段の有用性を有する。加え
て、タイヤトレッド組成物中にシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含
ませることは、タイヤの発熱を低減し、引き裂き及び磨耗特性を改善することが
できる。また、このシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、フィルム及
び包装材料の製造においても、そして多くの成形用途においても有用である。
【0080】 本発明の実施を明示するために、下記に開示される一般的な実験の部に説明す
るように、次の実施例を準備し、試験した。しかしながら、この実施例を本発明
の範囲を限定するものと解釈すべきでない。クレームが、本発明を限定する役割
を果す。
【0081】 (実施例) 実施例1 オーブン乾燥した1−リットルのガラス瓶を自己−シール性ゴムライナーと孔
のあいた金属キャップでキャップした。この瓶を乾燥窒素ガス流で完全にパージ
し、27gのヘキサンと、22.4重量%の1,3−ブタジエンを含有する22
3gの1,3−ブタジエン/ヘキサンのブレンドを供給した。この瓶に次の触媒
成分を次の順序で添加した:(1)0.050ミリモルの2−エチルヘキサン酸
鉄(III)、(2)0.20ミリモルのビス(2−エチルヘキシル)亜リン酸
水素エステル、及び(3)0.20ミリモルのトリイソブチルアルミニウム。こ
の瓶を65°Cに維持した水浴中で4時間ゆすった。1.0gの2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノールを含有する10mLのイソプロパノールを添加
することにより、この重合を停止した。この重合混合物を3リットルのイソプロ
パノールで凝固させた。得られた非晶質の高ビニルポリブタジエンを真空下60
°Cで一定の重量まで乾燥した。このポリマーの収量は47.5g(95%)で
あった。示差走査型熱量計(DSC)により測定すると、このポリマーは−30
°Cのガラス転移温度を有し、溶融温度を有しなかった。このポリマーの赤外分
光分析は、66.2%の1、2−結合含量、29.0%のシス−1,4結合含量
、及び4.8%のトランス−1,4結合含量を示した。ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィ(GPC)により求めると、このポリマーは、131,000の
重量平均分子量(Mw)、62,000の数平均分子量(Mn)、及び2.1の多
分散性指数(Mw/Mn)を有していた。モノマー供給量、触媒成分量、及び得ら
れる非晶質の高ビニルポリブタジエンの性質を表Iに要約する。
【0082】
【表1】
【0083】 実施例2−4 実施例2−4においては、触媒成分比を表Iに示すように変えたことを除いて
、実施例1に述べた手順を繰り返した。モノマー供給量、触媒成分量、及び各実
施例で製造された非晶質の高ビニルポリブタジエンの性質を表Iに要約する。
【0084】 表Iで明らかなように、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル
比を増加するのに従い、得られる非晶質の高ビニルポリブタジエンの1,2−結
合含量は、シス−1,4−結合含量とトランス−1,4−結合含量の減少に伴っ
て増加する。
【0085】 実施例5−7 実施例5−7においては、 表IIに示すように2−エチルヘキサン酸鉄(I
II)に対するトリイソブチルアルミニウムの高モル比を使用したことを除いて
、実施例1〜4に述べた手順を繰り返した。これらの実験においては、非晶質の
高ビニルポリブタジエンゴムの代わりに結晶質のシンジオタクチック1,2−ポ
リブタジエンを得た。このポリマーのDSC分析は溶融温度を示した。モノマー
の供給量、触媒成分量、及び各実施例で製造されたシンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンの性質を表IIに要約する。
【0086】
【表2】
【0087】 実施例 5−7で得られた結果を実施例1−4で得られた結果と比較すると、
鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比を変えることにより、本
発明の触媒組成物により合成されたポリマーの微細構造を制御することができる
ことが示される。一般に、鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル
比を低くすると、非晶質の高ビニルポリブタジエンの生成が促進され、それに対
して、 鉄含有化合物に対する有機アルミニウム化合物のモル比を高くすると、
結晶質のシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの生成が促進される。
【0088】 実施例8−14 実施例8−14においては、 亜リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)を亜
リン酸水素ジネオペンチルで置き換え、2−エチルヘキサン酸鉄(III)に対
するトリイソブチルアルミニウムのモル比を高くし、そして重合を50 °Cで
4時間行ったことを除いて、実施例1−4に述べた手順を繰り返した。これらの
実験においては、非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムの代わりに結晶質のシン
ジオタクチック1,2−ポリブタジエンを得た。このポリマーのDSC分析は溶
融温度を示した。モノマー供給量、触媒成分量、及び各実施例で製造されたシン
ジオタクチック1,2−ポリブタジエンの性質を表IIIに要約する。
【0089】
【表3】
【0090】 実施例15−20 実施例15−20においては、 亜リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)を
2−オキソ− (2H) −5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサホス
ホリナンで置き換え、2−エチルヘキサン酸鉄(III)に対するトリイソブチ
ルアルミニウムのモル比を高くし、そして重合を50 °Cで 5時間行ったこと
を除いて、実施例1−4に述べた手順を繰り返した。これらの実験においては、
非晶質の高ビニルポリブタジエンゴムの代わりに結晶質のシンジオタクチック1
,2−ポリブタジエンを得た。このポリマーのDSC分析は溶融温度を示した。
モノマー供給量、触媒成分量、及び各実施例で製造されたシンジオタクチック1
,2−ポリブタジエンの性質を表IVに要約する。
【0091】
【表4】
【0092】 上記の実施例で特定の手段, 材料及び態様を参照しながら、本発明を説明し
たが、添付の特許請求の範囲で示すような本発明の範囲内に入る種々の改変及び
変更は、当該技術の熟練者には明白であろう。それゆえ、本発明は、開示されて
いる特定物に限定されず、この特許請求の範囲内のすべての均等物に及ぶ。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年1月28日(2002.1.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、 xは1 から100までの整数であり, yは2 から100までの整数 であり、そして各R4は同一であるか、あるいは異なってもよいが、1価の有機
基である) の一つにより定義される少なくとも一つの化合物、 を含んでなる有機アルミニウム化合物を化合させることにより生成する触媒組成 物であって、上記触媒組成物が100グラムのモノマー当り0.01から1.0 ミリモルまでの鉄含有化合物を含む、 触媒として有効な量の触媒組成物の存在下
で共役ジエンモノマーを重合させる段階を含んでなる、共役ジエンポリマーを製
造する方法。
【化2】 により定義される非環式亜リン酸水素エステル、またはケト−エノール互変異性
体構造
【化3】 により定義される環状亜リン酸水素エステル、又はそれらの混合物であり、式中 、R1とR2は同一であるか、あるいは異なってもよいが、1価の有機基であり、 そしてR3は2価の有機基である請求項1から3までのいずれかの方法。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)鉄含有化合物、 (b)亜リン酸水素エステル、及び (c)有機アルミニウム化合物、 ここで触媒組成物は100グラムのモノマー当り約0.01から約1.0ミリモ
    ルまでの鉄含有化合物を含む、 を化合させることにより生成する触媒として有効な量の触媒組成物の存在下で共
    役ジエンモノマーを重合させる段階を含んでなる、共役ジエンポリマーを製造す
    る方法。
  2. 【請求項2】 (a)鉄含有化合物、 (b)亜リン酸水素エステル、及び (c)共役ジエンモノマーの存在下の有機アルミニウム化合物、 を化合させることにより生成する触媒として有効な量の触媒組成物の存在下で共
    役ジエンモノマーを重合させる段階を含んでなる、共役ジエンポリマーを製造す
    る方法。
  3. 【請求項3】 (a)鉄含有化合物、 (b)亜リン酸水素エステル、及び (c)有機アルミニウム化合物、 を化合させることにより生成する触媒組成物であって、該鉄含有化合物に対する
    該有機アルミニウム化合物のモル比が相対的に低い触媒組成物により1,3−ブ
    タジエンモノマーを重合させる段階を含んでなる方法により製造されるポリブタ
    ジエンポリマー。
  4. 【請求項4】 該鉄含有化合物に対する該亜リン酸水素エステルのモル比が
    約 0.5:1から約50:1までである請求項1もしくは2の方法、または請
    求項3のポリマー。
  5. 【請求項5】 該共役ジエンモノマーが1,3−ブタジエンモノマーである
    請求項1もしくは2の方法、または請求項3のポリマー。
  6. 【請求項6】 該鉄含有化合物に対する該有機アルミニウム化合物のモル比
    が1:1から約7:1までである請求項2の方法、または請求項3のポリマー。
  7. 【請求項7】 該亜リン酸水素エステルが次のケト−エノール互変異性体構
    造 【化1】 により定義される非環式亜リン酸水素エステル、または次のケト−エノール互変
    異性体構造 【化2】 により定義される環状亜リン酸水素エステルである請求項1もしくは2の方法、
    または請求項3のポリマー。
  8. 【請求項8】 R1とR2がアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル
    、アルケニル、シクロアルケニル、置換アルケニル、アリール、アリル、置換ア
    リール、アラルキル、アルカリール、またはアルキニル基であり、各基は約20
    個までの炭素原子を含有し、そしてR3がアルキレン、シクロアルキレン、置換
    アルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、置換
    アルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、または置換アリーレン基
    であり、各基は約20個までの炭素原子を含有する請求項7の方法またはポリマ
    ー。
  9. 【請求項9】 該有機アルミニウム化合物が式 AlRn3-n(式中、各R
    は同一であるか、あるいは異なってもよいが、1価の有機基であり、各 Xは同
    一であるか、あるいは異なってもよいが、水素原子、カルボキシレート基、アル
    コキシド基、またはアリールオキシド基であり、nは1、2または3を含む整数
    である)により定義される少なくとも一つの化合物を含んでなる請求項8の方法
    またはポリマー。
  10. 【請求項10】 該 (a), (b) 及び (c)を共役ジエンモノマーの
    存在下化合させる請求項1の方法。
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