JP2000119327A - シンジオタクティック1,2―ポリブタジエンの製造法およびそれに使用する鉄をベ―スにした触媒組成物 - Google Patents
シンジオタクティック1,2―ポリブタジエンの製造法およびそれに使用する鉄をベ―スにした触媒組成物Info
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Abstract
ジエンの製造に使用される、高度の触媒活性と立体選択
性をもった融通性に富みかつ廉価な触媒組成物を提供す
る。 【解決手段】 1,3−ブタジエンを重合させるための
(a)鉄含有化合物、(b)環式亜燐酸水素エステルお
よび(c)有機アルミニウム化合物から成る触媒組成物
から成る触媒組成物が提供される。本発明の触媒組成物
を使用すると、二硫化炭素およびハロゲン化溶媒のよう
な環境を劣化させる成分の使用が避けられる。触媒成分
およびその成分比を変えることによりシンジオタクティ
ック1,2−ポリブタジエンの融点を約125〜約17
5℃の間で変えることができる。単一の触媒組成物を用
い融点をこのような広い範囲で変え得る能力は非常に望
ましい能力である。シンジオタクティック1,2−ポリ
ブタジエンはプラスティックスとしてまたは通常のゴム
組成物に対する添加剤として使用することができ、交叉
結合剤を用いて通常のゴムと交叉結合させることができ
る。
Description
(b)環式亜燐酸水素エステル、および(c)有機アル
ミニウム化合物を含んで成る触媒組成物、および1,3
−ブタジエンを重合させてシンジオタクティック1,2
−ポリブタジエンを得るためのその使用に関する。シン
ジオタクティック1,2−ポリブタジエンは熱可塑性の
樹脂であり、その残留不飽和基のために通常のゴムと一
緒に硬化させることができる。
−ポリブタジエンの製造法、およびそれに使用する触媒
組成物に関する。
エンは立体規則性を有する熱可塑性樹脂であり、炭素−
炭素結合を構成する重合主鎖に関し側鎖のビニル基が交
互に反対側に位置している。使用するシンジオタクティ
ック1,2−ポリブタジエンはプラスティックスの性質
とゴムの性質とが組み合わされた独特の材料である。例
えばシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンを使
用してフィルム、繊維および成形品をつくることができ
る。またこれをゴムの中に配合し、それと一緒に硬化さ
せることができる。
エンは溶液重合、乳化重合または懸濁重合でつくること
ができる。溶液重合、乳化重合または懸濁重合からつく
られたシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンは
典型的には約195〜215℃の範囲内の融点をもって
いる。しかし加工性の理由で実際の用途に適するように
するためには、一般にシンジオタクティック1,2−ポ
リブタジエンは約195℃以下の融点をもっていること
が望ましい。
エンを製造する従来法においては、コバルト、チタン、
バナジン、クロムおよびモリブデンをベースにした種々
の遷移金属触媒系が報告されている(例えばG.C.E
astmond,A.Ledwith,S.Russ
o,P.Sigwelt編、Pergamon Pre
ss,Oxford 1989年発行、「Compre
hensive Polymer Science」第
4巻、53頁のL.PorriおよびA.Giarru
ssoの論文参照のこと)。しかしこれらの触媒系の大
部分は、触媒活性が低いか立体選択性が悪く、或る場合
には工業用には不適な低分子量の重合体または交叉結合
した重合体を生じるために、実際には全く使用されてい
ない。
−ポリブタジエンを製造するためにはコバルトを含む化
合物をベースにした次の二つの触媒系が知られている。
(1)コバルトビス(アセチルアセトネート)/トリエ
チルアルミニウム/水/トリフェニルフォスフィン系
(米国特許3,498,963号および同4,182,
813号;日本特許公告44−32426号、日本合成
ゴム株式会社(Japan Synthetic Ru
bber Co.Ltd.))、および(2)コバルト
トリス(アセチルアセトネート)/トリエチルアルミニ
ウム/二硫化炭素系(米国特許3,778,424号;
日本特許公告72−19,892号、81−18,12
7号、74−17,666号、および74−17,66
7号;日本特許公開明細書81−88,408号、81
−88,409号、81−88,410号、75−5
9,480号、75−121,380号および75−1
21,379号、宇部興産株式会社(Ube Indu
stries Ltd.))。これらのコバルトをベー
スにした触媒系もまた重大な欠点をもっている。
トリエチルアルミニウム/水/トリフェニルフォスフィ
ン系は結晶性が非常に低いシンジオタクティック1,2
−ポリブタジエンを与える。さらにこの触媒系は、重合
媒質としてハロゲン化炭化水素溶媒の中だけでしか十分
な触媒活性を示さないが、ハロゲン化溶媒には毒性の問
題が生じる。
/トリエチルアルミニウム/二硫化炭素系は触媒成分の
一つとして二硫化炭素を使用している。二硫化炭素は揮
発性が高く、不快な臭気を有し、フラッシュ点が低く毒
性があるため、使用するのが困難且つ危険であり、最小
限度の量でも大気中に逃げるのを防ぐために高価な安全
手段が必要である。さらにこの触媒系を用いて製造され
るシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンは20
0〜210℃の範囲の非常に高い融点をもち、そのため
重合体の加工が困難になる。第4の触媒成分として触媒
変性剤を使用することによりシンジオタクティック1,
2−ポリブタジエンの融点は下げることができるが、こ
のような触媒変性剤が存在すると触媒活性および重合体
の収率に悪影響がある。従ってこれら2種の従来法のコ
バルトをベースにした触媒系を工業的に使用するには多
くの制約が必要である。
系、例えば鉄(III)アセチルアセトネート/トリエ
チルアルミニウムは従来法において久しい以前から知ら
れているが、この触媒系は1,3−ブタジエンの重合に
対し触媒活性が非常に低く、また立体規則性が悪く、し
ばしばオリゴマー、低分子量の液体重合体または交叉結
合した重合体を生じる。従ってこれらの従来法の鉄をベ
ースにした触媒系は工業的に使用されていない。
点を克服し、種々の融点をもったシンジオタクティック
1,2−ポリブタジエンを製造するために、工業的に使
用する際に技術的な制約がなく、高度の触媒活性と立体
規則性を有する新規にして著しく改善された触媒組成物
を開発し提供する目的で、本出願人により熱心な研究開
発が行われて来た。
ジオタクティック性を有し、しかも従来法の上記欠点を
もたないシンジオタクティック1,2−ポリブタジエン
を提供することである。
ック1,2−ポリブタジエンを効率的に製造する方法を
提供することである。
タクティック1,2−ポリブタジエンの製造に使用され
る、高度の触媒活性と立体選択性をもった融通性に富み
かつ廉価な触媒組成物を提供することである。
の本明細書の説明から明らかになるであろう。
た触媒組成物を使用して1,3−ブタジエンを重合させ
ると、目的のシンジオタクティック1,2−ポリブタジ
エンを効率的に製造し得ることが見出された。
立体規則的に重合させてシンジオタクティック1,2−
ポリブタジエンを製造するのに使用することができ、
(a)鉄をベースにした化合物、(b)環式亜燐酸水素
エステル、および(c)有機アルミニウム化合物を含ん
で成る触媒組成物に関する。
て有効な量だけ使用して1,3−ブタジエン単量体を重
合させるシンジオタクティック1,2−ポリブタジエン
の製造法に関する。
と、多くの明確で高度に顕著な利点が実現される。例え
ば本発明の方法および触媒組成物を使用することによ
り、低い触媒使用量で比較的短い重合時間の後に高収率
でシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンを製造
することができる。それに加えもっと重要なことは、本
発明の触媒組成物は、従来法の或る種の触媒組成物二重
典型的に使用されている高度の揮発性、毒性および可燃
性をもった二硫化炭素を含んでいないから、二硫化炭素
を使用する際の毒性、不快な臭気、危険性およびそれに
伴う必要な経費が除去される。さらに、本発明の触媒組
成物は、環境的に好適な非ハロゲン化溶媒、例えば脂肪
族および脂環式炭化水素を含む広い範囲の溶媒中におい
て高度の触媒活性を示す。また、本発明の触媒組成物は
鉄をベースにしており、鉄化合物は一般に安定で毒性が
なく、廉価であり入手が容易である。さらに、本発明の
触媒組成物は非常に融通性に富み、第4の触媒成分とし
て触媒変性剤を使用する必要がなく、種々の融点をもつ
シンジオタクティック1,2−ポリブタジエンを製造す
ることができる。
分、即ち(a)鉄を含む化合物、(b)環式亜燐酸水素
エステル、および(c)アルミニウム化合物から成って
いる。
は、種々の鉄化合物を使用することができる。一般に炭
化水素溶媒、例えば芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、
または脂環式炭化水素に溶解する鉄含有化合物を使用す
ることが有利である。しかし不溶性の鉄含有化合物を重
合触媒に懸濁させるだけで触媒活性をもった化学種をつ
くることができる。従って鉄含有化合物の可溶性に関し
ては何も制限はない。
物中の鉄は種々の酸化状態、即ち0、+2、+3および
+4を含む酸化状態にあることができるが、これらに限
定されるものではない。鉄が+2の酸化状態にある2価
の鉄化合物(第1鉄化合物と呼ばれる)、および鉄が+
3の酸化状態にある3価の鉄化合物(第2鉄化合物と呼
ばれる)を使用することが好適である。本発明の触媒組
成物に使用できる適当な種類の鉄含有化合物には、カル
ボン酸鉄、鉄β−ジケトネート、鉄のアルコキシドまた
はアリーロキシド、ハロゲン化鉄、プソイドハロゲン化
鉄、および有機鉄化合物が含まれるが、これだけに限定
されるものではない。
蟻酸鉄(II)、蟻酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、
酢酸鉄(III)、アクリル酸鉄(II)、アクリル酸
鉄(III)、メタクリル酸鉄(II)、メタクリル酸
鉄(III)、吉草酸鉄(II)、吉草酸鉄(II
I)、グルコン酸鉄(II)、グルコン酸鉄(II
I)、クエン酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)、フ
マル酸鉄(II)、フマル酸鉄(III)、乳酸鉄(I
I)、乳酸鉄(III)、マレイン酸鉄(II)、マレ
イン酸鉄(III)、蓚酸鉄(II)、蓚酸鉄(II
I)、2−エチルヘキサン酸鉄(II)、2−エチルヘ
キサン酸鉄(III)、ネオドデカン酸鉄(II)、ネ
オドデカン酸鉄(III)、ナフテン酸鉄(II)、ナ
フテン酸鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)、ステ
アリン酸鉄(III)、オレイン酸鉄(II)、オレイ
ン酸鉄(III)、安息香酸鉄(II)、安息香酸鉄
(III)、ピコリン酸鉄(II)、およびピコリン酸
鉄(III)が含まれる。
の例としては、鉄(II)アセチルアセトネート、鉄
(III)アセチルアセトネート、鉄(II)トリフル
オロアセチルアセトネート、鉄(III)トリフルオロ
アセチルアセトネート、鉄(II)ヘキサフルオロアセ
チルアセトネート、鉄(III)ヘキサフルオロアセチ
ルアセトネート、鉄(II)ベンゾイルアセトネート、
鉄(III)ベンゾイルアセトネート、鉄(II)2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネー
ト、および鉄(III)2,2,6,6−テトラメチル
−3,5−ヘプタンジオネートが含まれる。
シドの幾つかの特定の例としては、鉄(II)メトキシ
ド、鉄(III)メトキシド、鉄(II)エトキシド、
鉄(III)エトキシド、鉄(II)イソプロポキシ
ド、鉄(III)イソプロポキシド、鉄(II)2−エ
チルヘキソキシド、鉄(III)2−エチルヘキソキシ
ド、鉄(II)フェノキシド、鉄(III)フェノキシ
ド、鉄(II)ノニルフェノキシド、鉄(III)ノニ
ルフェノキシド、鉄(II)ナフトキシド、および鉄
(III)ナフトキシドが含まれる。
しては、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、塩化
鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化
鉄(III)、およびヨウ化鉄(II)が含まれる。
表的な例としては、シアン化鉄(II)、シアン化鉄
(III)、シアン酸鉄(II)、シアン酸鉄(II
I)、チオシアン酸鉄(II)、チオシアン酸鉄(II
I)、アジ化鉄(II)、アジ化鉄(III)、および
フェロシアン化鉄(III)(プルシアンブルーとも呼
ばれる)が含まれる。
言葉は、少なくとも1個の共有結合の鉄−炭素結合を含
む任意の鉄化合物を意味するものとする。適当な有機鉄
化合物の幾つかの特定の例としては、ビス(シクロペン
タジエニル)鉄(II)(フェロセンとも呼ばれる)、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄(II)
(デカメチルフェロセンとも呼ばれる)、ビス(ペンタ
ジエニル)鉄(II)、ビス(2,4−ジメチルペンタ
ジエニル)鉄(II)、ビス(アリル)ジカルボニル鉄
(II)、(シクロペンタジエニル)(ペンタジエニ
ル)鉄(II)、テトラ(1−ノルボルニル)鉄(I
V)、(トリメチレンメタン)トリカルボニル鉄(I
I)、ビス(ブタジエン)カルボニル鉄(0)、(ブタ
ジエン)トリカルボニル鉄(0)、およびビス(シクロ
オクタテトラエン)鉄(0)が含まれる。
燐酸水素エステル(cyclichydrogen p
hosphite)である。環式亜燐酸水素エステルは
環式亜燐酸水素アルキレンエステルまたは環式亜燐酸水
素アリーレンエステルのいずれかであり、下記のケト−
エノール互変異性構造で表すことができる。
は置換基をもつ2価のアルキレンまたはアリーレン基で
あり、炭素数は2または6ないし20であることが好ま
しい。環式亜燐酸水素エステルは主としてケト型異性体
(上図の左側)として存在し、エノール型の異性体(上
図の右側)は少量の化学種である。この二つの互変異性
体のいずれかまたはその混合物を本発明の触媒組成物の
成分(b)として使用することができる。上記の互変異
性の平衡式の平衡定数は、温度、R基の種類、溶媒の種
類等に依存する。両方の互変異性体はいずれも水素結合
により二量体、三量体またはオリゴマーの形で会合して
いることができる。
水素エステルは、非環式亜燐酸水素エステル(通常は亜
燐酸水素ジメチルまたは亜燐酸水素ジエチル)をアルキ
レンジオールまたはアリーレンジオールとエステル交換
反応を行わせて合成することができる。このようなエス
テル交換反応の方法は当業界の専門家には公知である。
典型的にはこのエステル交換反応は非環式亜燐酸水素ジ
ヒドロカルビルとアルキレンジオールまたはアリーレン
ジオールの混合物を加熱し、エステル交換反応で分離さ
れるアルコール(通常メタノールまたはエタノール)を
蒸溜して除去し、新しく生じた環式亜燐酸水素エステル
を残す方法で行われる。
の幾つかの特定の例としては、2−オキソー(2H)−
5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサフォス
フォリナン、2−オキソー(2H)−5,5−ジメチル
−1,3,2−ジオキサフォスフォリナン、2−オキソ
ー(2H)−1,3,2−ジオキサフォスフォリナン、
2−オキソー(2H)−4−メチル−1,3,2−ジオ
キサフォスフォリナン、2−オキソー(2H)−5−エ
チル−5−メチル−1,3,2−ジオキサフォスフォリ
ナン、2−オキソー(2H)−5,5−ジエチル−1,
3,2−ジオキサフォスフォリナン、2−オキソー(2
H)−5−メチル−5−プロピル−1,3,2−ジオキ
サフォスフォリナン、2−オキソー(2H)−4−イソ
プロピル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサフ
ォスフォリナン、2−オキソー(2H)−4,6−ジメ
チル−1,3,2−ジオキサフォスフォリナン、2−オ
キソー(2H)−4−プロピル−5−エチル−1,3,
2−ジオキサフォスフォリナン、2−オキソー(2H)
−4−メチル−1,3,2−ジオキサフォスフォリナ
ン、2−オキソー(2H)−4,5−ジメチル−1,
3,2−ジオキサフォスフォリナン、2−オキソー(2
H)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジ
オキサフォスフォリナン等が含まれる。上記環式亜燐酸
水素アルキレンエステルの混合物も使用できる。
の幾つかの特定の例としては、2−オキソー(2H)−
4,5−ベンゾ−1,3,2−ジオキサフォスフォラ
ン、2−オキソー(2H)−4,5−(3’−メチルベ
ンゾ)−1,3,2−ジオキサフォスフォラン、2−オ
キソー(2H)−4,5−(4’−メチルベンゾ)−
1,3,2−ジオキサフォスフォラン、2−オキソー
(2H)−4,5−(4’−t−ブチルベンゾ)−1,
3,2−ジオキサフォスフォラン、2−オキソー(2
H)−4,5−ナフタロ−1,3,2−ジオキサフォス
フォラン等が含まれる。上記環式亜燐酸水素アリーレン
エステルの混合物も使用できる。
して有機アルミニウム化合物を含んでいる。本明細書に
おいて「有機アルミニウム化合物」という言葉は少なく
とも1個の共有結合のアルミニウム−炭素結合を含む任
意のアルミニウム化合物を意味する。一般に炭化水素重
合媒質に可溶な有機アルミニウム化合物を使用すること
が有利である。本発明の触媒組成物に使用できる好適な
種類の有機アルミニウム化合物は一般式AlRnX
3-n(n=1、2または3)で表され、ここでRは同一
または相異なることができ、アルキル、シクロアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルカリール、およびアリ
ル基から成る群から選ばれるヒドロカルビル基であり、
好ましくは1または該基を構成するのに必要な最低数か
ら最高20の炭素原子を含み、各Xは同一または相異な
ることができ、水素;ハロゲン、好ましくは塩素または
臭素:または炭素数1または6ないし20のアルコキシ
ドまたはアリーロキシドである。従って本発明の触媒組
成物に使用できる適当な種類の有機アルミニウム化合物
には、トリヒドロカルビルアルミニウム、水素化ジヒド
ロカルビルアルミニウム、二水素化ヒドロカルビルアル
ミニウム、ハロゲン化ジメチルヒドロカルビルアルミニ
ウム、二ハロゲン化ヒドロカルビルアルミニウム、ジヒ
ドロカルビルアルミニウムアルコキシド、ヒドロカルビ
ルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアル
ミニウムアリーロキシド、ヒドロカルビルアルミニウム
ジアリーロキシド等が含まれるが、これだけに限定され
ない。一般にトリヒドロカルビルアルミニウムが好適で
ある。
機アルミニウム化合物の幾つかの特定の例には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ヘキシ
ルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、ト
リシクロヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニ
ウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリベンジルア
ルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル
−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニ
ウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−
トリルアルミニウム、エチルジベンジルアルミニウム、
水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピル
アルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水
素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチル
アルミニウム、水素化ジ−n−オクチルアルミニウム、
水素化ジフェニルアルミニウム、水素化ジ−p−トリル
アルミニウム、水素化ジベンジルアルミニウム、水素化
フェニルエチルアルミニウム、水素化フェニル−n−プ
ロピルアルミニウム、水素化フェニルイソプロピルアル
ミニウム、水素化フェニル−n−ブチルアルミニウム、
水素化フェニルイソブチルアルミニウム、水素化フェニ
ル−n−オクチルアルミニウム、水素化p−トリルエチ
ルアルミニウム、水素化p−トリル−n−プロピルアル
ミニウム、水素化p−トリルイソプロピルアルミニウ
ム、水素化p−トリル−n−ブチルアルミニウム、水素
化p−トリルイソブチルアルミニウム、水素化p−トリ
ル−n−オクチルアルミニウム、水素化ベンジルエチル
アルミニウム、水素化ベンジル−n−プロピルアルミニ
ウム、水素化ベンジルイソプロピルアルミニウム、水素
化ベンジル−n−ブチルアルミニウム、水素化ベンジル
イソブチルアルミニウム、水素化ベンジル−n−オクチ
ルアルミニウム、二水素化エチルアルミニウム、二水素
化−n−プロピルアルミニウム、二水素化イソプロピル
アルミニウム、二水素化−n−ブチルアルミニウム、二
水素化イソブチルアルミニウム、二水素化−n−オクチ
ルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエ
チルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、臭化ジ
エチルアルミニウム、フッ化ジメチルアルミニウム、フ
ッ化ジエチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウ
ム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化メチルアルミニ
ウム、二臭化エチルアルミニウム、二フッ化メチルアル
ミニウム、二フッ化エチルアルミニウム、セスキ塩化メ
チルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、セ
スキ塩化イソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイ
ソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウ
ムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイ
ソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウ
ムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、
ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミ
ニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシ
ド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアル
ミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシ
ド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアル
ミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノ
キシド、イソブチルアルミニウムジフェノキシド等、お
よびこれらの混合物が含まれる。
(a)、(b)および(c)を主要成分として含んでい
る。これら3種の触媒成分(a)、(b)および(c)
の他に、当業界に公知の他の有機金属成分のような他の
触媒成分を必要に応じ加えることができる。
び触媒の成分比の広い範囲に亙り極めて高い触媒活性を
もっている。三つの触媒成分(a)、(b)および
(c)は明らかに相互作用して活性の触媒種を生じる。
従って任意の一つの触媒成分に対する最適の濃度は他の
二つの触媒成分の濃度に依存する。重合は広い範囲の触
媒濃度および触媒成分の比に亙って起こるが、最も望ま
しい性質をもった重合体は狭い範囲の触媒濃度および触
媒成分比で得られる。
ステル対鉄含有化合物のモル比(P/Fe)は約0.
5:1〜約50:1の範囲で変化することができ、さら
に好適な範囲は約1:1〜約25:1、最も好適な範囲
は約2:1〜約10:1である。有機アルミニウム化合
物対鉄含有化合物のモル比(Al/Fe)は約1:1〜
約100:1の範囲で変化することができる。しかしA
l/Feのモル比のさらに好適な範囲は約3:1〜約5
0:1、最も好適な範囲は約5:1〜約20:1であ
る。
重合速度および所望の変化率、重合温度等のような因子
に依存する。従って特定の全触媒濃度は、個々の触媒成
分を触媒として有効な量で使用しなければならないと言
う以外、明確に設定することはできない。一般に鉄含有
化合物の使用量は1,3−ブタジエン100g当たり約
0.01〜約2ミリモルの範囲で変えることができ、好
ましくは1,3−ブタジエン100g当たり約0.02
〜約1.0ミリモル、最も好ましくは1,3−ブタジエ
ン100g当たり約0.05〜約0.5ミリモルの範囲
である。所望の性質をもった重合体を生じる或る種の特
定の全触媒濃度および触媒成分比は本発明を説明する下
記実施例に例示されている。
た方法で重合体系に導入することができる。即ち、この
3種の成分を単量体/溶媒混合物の中に段階的にまたは
同時に加えることによりその場で触媒をつくることがで
きる。該成分を段階的に加える順序は重要ではないが、
鉄含有化合物、環式亜燐酸水素エステル、最後に有機ア
ルミニウム化合物の順序で成分を加えることが好適であ
る。別法として、重合系の外で適当な温度(例えば約−
20℃〜約80℃)において三つの成分を予め混合し、
得られた混合物を次いで重合系に加えることができる。
さらに触媒を予めつくり、即ち少量の1,3−ブタジエ
ンを存在させ適当な温度(例えば約−20℃〜約80
℃)において3種の触媒成分を予め混合し、その後これ
を重合させるべき単量体/溶媒混合物の主要部分に装入
することができる。触媒を予めつくるのに使用する1,
3−ブタジエン単量体の量は鉄含有化合物1モル当たり
約1〜約500モルの範囲であることができ、鉄含有化
合物1モル当たり約4〜約50モルであることが好まし
い。さらに二段階工程を用いて3種の触媒成分を重合系
に導入することもできる。この方法は先ず、上記のよう
に少量の1,3−ブタジエンを存在させ、適当な温度
(例えば約−20℃〜約80℃)において鉄含有化合物
を有機アルミニウム化合物と反応させる。得られた反応
混合物と環式亜燐酸水素エステルとを次に段階的な方法
で或いは同時に単量体/溶媒混合物の主要部分に加え
る。また別の二段階工程を使用することもできる。この
方法では先ず適当な温度(例えば約−20℃〜約80
℃)において鉄含有化合物を環式亜燐酸水素エステルと
反応させて鉄錯体をつくり、次に得られた鉄錯体と有機
アルミニウム化合物とを段階的な方法で或いは同時に単
量体/溶媒混合物の主要部分に加える。
合、触媒成分溶液に使用できる有機溶媒は芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素、並びにこれ
らの炭化水素の2種以上の混合物から成る群から選ぶこ
とができる。好ましくはこの有機溶媒はベンゼン、トル
エン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキ
サンから成る群から選ばれる少なくとも1種から成って
いる。
(a)、(b)および(c)を含む本発明の鉄をベース
にした触媒組成物はシンジオタクティック1,2−ポリ
ブタジエンの製造に対し極めて高い触媒活性を示す。従
って本発明によればさらに上記の鉄をベースにした触媒
組成物を使用してシンジオタクティック1,2−ポリブ
タジエンを製造する方法が提供される。
1,2−ポリブタジエンの製造は、上記3種の触媒成分
(a)、(b)および(c)の鉄をベースにした触媒組
成物を存在させて1,3−ブタジエンを重合させること
により実施される。上記のように、本発明の触媒組成物
の触媒成分を1,3−ブタジエン単量体と接触させるに
は種々の方法がある。
体の重合は溶媒を使用しない塊状重合によって行うこと
ができる。この塊状重合は凝縮した液相または気相のい
ずれかで行うことができる。
の1,3−ブタジエン単量体の重合は希釈剤としての有
機溶媒の中で行われる。このような場合、重合させる
1,3−ブタジエン単量体と生成した重合体との両方が
重合媒質に可溶な溶液重合系を使用することができる。
別法として、生成する重合体が不溶な溶媒を選ぶことに
より懸濁重合系を用いることもできる。両方の場合触媒
成分溶液の中に含まれる有機溶媒以外の余分な量の溶媒
を通常重合系に加える。この余分の量の溶媒は触媒成分
溶液に含まれる溶媒と同じものでも異なっているもので
も良い。通常、重合触媒として使用される触媒組成物に
関して不活性な有機溶媒を選ぶことが望ましい。希釈剤
として使用できる適当な種類の有機溶媒には脂肪族、脂
環式および芳香族の炭化水素が含まれるが、これだけに
は限定されない。適当な脂肪族の溶媒の幾つかの代表的
な例には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペン
タン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、
2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、灯油、石油ス
ピリット等が含まれる。適当な脂環式の溶媒の幾つかの
代表的な例には、シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等が含まれ
る。適当な芳香族の溶媒の幾つかの代表的な例には、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチ
ルベンゼン、メジチレン等が含まれる。上記炭化水素の
工業的混合物も使用できる。環境的な理由で脂肪族およ
び脂環式溶媒が好適である。
定の範囲には限定されない。しかし一般に、重合開始時
において重合媒質中に存在する1,3−ブタジエン単量
体の量は約3〜約80重量%の範囲であることができ、
約5〜約50重量%が好適であり、約10〜約30重量
%が最も好適である。
重合を行う際、分子量調節剤を使用して生成するシンジ
オタクティック1,2−ポリブタジエンの分子量を制御
することができる。その結果これを使用して極端に高い
分子量の重合体から低分子量の重合体に亙るシンジオタ
クティック1,2−ポリブタジエンが製造できるように
重合系の範囲を拡張することができる。使用可能な分子
量調節剤の適当な種類には、累積型(クムレン系)のジ
オレフィン(accumulated diolefi
ns)、例えばアレンおよび1,2−ブタジエン;非共
役型のジオレフィン、例えば1,6−オクタジエン、5
−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,5−シクロオク
タジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、
1,4−シクロヘキサジエン、4−ビニルシクロヘキセ
ン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,2
−ジビニルシクロヘキセン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニ
ル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよび
1,2,4−トリビニルシクロヘキサン;アセチレン
類、例えばアセチレン、メチルアセチレンおよびビニル
アセチレン;およびこれらの混合物該含まれるが、これ
だけには限定されない。分子量調節剤の使用量は、重合
に使用する1,3−ブタジエン単量体100重量部に対
する重量部(phm)で表して、約0.01〜約10p
hmの範囲であり、好ましくは約0.02〜約2ph
m、最も好ましくは約0.05〜約1phmの範囲であ
る。さらに製造されるシンジオタクティック1,2−ポ
リブタジエンの分子量は水素の存在下で1,3−ブタジ
エン単量体を重合させることにより制御することができ
る。この場合水素の分圧は約0.01〜約50気圧の範
囲で適当に選ばれる。
の重合はバッチ法、半連続法または連続法で行うことが
できる。いずれの場合も重合は窒素、アルゴンまたはヘ
リウムのような不活性保護ガスを用い酸素のない条件下
において中程度ないし激しく撹拌しながら行うことが望
ましい。本発明を実施するのに使用される重合温度は−
10℃またはそれ以下のような低温から100℃以上に
亙る高温までの広い範囲で変えることができ、約20〜
約90℃が好適な範囲である。重合熱は外部からの冷
却、1,3−ブタジエン単量体または溶媒の蒸発による
冷却、またはこの二つの方法を組み合わせて除去する。
本発明を実施するのに用いられる重合圧力も広い範囲で
変えることができ、好適な圧力範囲は約1〜約10気圧
である。
た場合、公知の重合停止剤を重合系に加えて触媒系を不
活性化した後、典型的に用いられるような共役ジエン重
合体の製造において当業界の専門家に公知の脱溶媒およ
び乾燥の通常の工程を行うことにより停止させることが
できる。典型的には触媒系を不活性化させるのに使用さ
れる重合停止剤はプロトン性の化合物であり、その中に
はアルコール、カルボン酸、無機酸および水、またはこ
れらの組み合わせが含まれるが、それだけには限定され
ない。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
のような酸化防止剤を、重合停止剤と共に、またはそれ
を添加する前または後に加えることができる。酸化防止
剤の使用量は通常重合体生成物の0.2〜1重量%であ
る。重合反応が停止した後、アルコール、例えばメタノ
ール、エタノール、またはイソプロパノールで沈澱させ
るか、または溶媒および未反応の1,3−ブタジエン単
量体を水蒸気蒸溜し、次いで濾過することによりシンジ
オタクティック1,2−ポリブタジエンを重合混合物か
ら分離することができる。次に一定の真空度において約
25〜約100℃(好ましくは約60℃)で生成物を乾
燥する。
シンジオタクティック1,2−ポリブタジエンは種々の
融点をもっているが、その融点は触媒成分およびその成
分比に依存する。望ましくはこの融点は約125〜約1
75℃の間で変化するが、約130または135℃〜約
165または170℃の間であることがさらに望まし
い。1,2−結合の含有量は約60〜約90または95
%であることが望ましく、約70〜90または95%で
あることがさらに望ましい。シンジオタクティック性は
約60〜約90または95%であることが望ましく、約
70〜90または95%であることがさらに望ましい。
ンジオタクティック1,2−ポリブタジエンは多くの用
途をもっている。これを種々のゴムと配合してその性質
を改善することができる。例えばエラストマーの中に混
入し、これらのエラストマー、特にタイヤの生の強度を
改善することができる。タイヤの支持用のカーカス(補
強用のカーカス)は製造中および硬化操作中特に変形し
易い。そのためタイヤの支持用のカーカスに使用される
ゴム組成物の中にシンジオタクティック1,2−ポリブ
タジエンを混入することは、変形を防止し或いはそれを
最低限度に抑制する上で特に有用である。またシンジオ
タクティック1,2−ポリブタジエンをタイヤの踏み面
に混入すると熱の蓄積を減少させ、タイヤの摩耗特性を
改善することができる。シンジオタクティック1,2−
ポリブタジエン製品はまた食品用のフィルムの製造およ
び多くの成形の用途に有用である。
示するが、これらの実施例は本発明を限定するものでは
ない。これらの実施例において特記しない限りすべての
割合は重量による。
スコの中で亜燐酸水素ジメチル(76.3g、0.69
3モル)と1,3−プロパンジオール(110.0g、
0.687モル)とを混合する。反応フラスコをアルゴ
ン雰囲気下に保ち、150℃に保たれたシリコーンの油
浴の中に入れる。エステル交換反応の進行はメタノール
が蒸溜することによって示される。上記温度で約2時間
加熱した後、残ったメタノールと未反応の原料とを温度
135℃、圧力150トールにおいて真空蒸溜により除
去する。残った粗製物を温度160℃、圧力2トールで
蒸溜し、非常に粘稠な無色液体として2−オキソ−(2
H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサ
フォスフォリナンを得た(128.8g、0.625モ
ル、収率91%)。生成物の適切な同定は核磁気共鳴
(NMR)分光分析法によって行った。1HNMRデー
タ(CDCl3、25℃、テトラメチルシラン基準):
δ6.88(二重線、1JHP=675Hz、1H、H−
P)、4.1(複雑な多重線、4H、OCH3)、0.
8〜1.8(複雑な多重線、14H、EtおよびB
u)。31PNMRデータ(CDCl3、25℃、85%
H3PO4外部基準):δ3.88(多重線の二重線、1
JHP=670Hz)。
ング材と孔の開いた金属のキャップで栓をし、乾燥した
窒素ガスを流して空気を追い出す。この瓶に1,3−ブ
タジエンを26.9重量%含む64gのヘキサンと18
6gの1,3−ブタジエン/ヘキサン混合物を装入す
る。この瓶に下記の触媒成分を下記の順序で加えた。
(1)0.050ミリモルの2−エチルヘキサン酸鉄
(II)、(2)0.20ミリモルの2−オキソ−(2
H)−5−ブチル−5−エチル−1,3,2−ジオキサ
フォスフォリナン、および(3)0.60ミリモルのト
リイソブチルアルミニウム。50℃に保った水浴中でこ
の瓶を5時間振盪する。0.5gの2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノールを加えて重合を停止させ
た。この重合混合物を3リットルのイソプロパノールに
加えた。濾過して重合体を分離し、真空下で60℃にお
いて恒量になるまで乾燥する。生成物の収量は48.1
g(96%)であった。示差走査熱量分析法(DSC)
で測定してこの重合体は融点が159℃であった。この
重合体の1Hおよび13C核磁気共鳴(NMR)分析を行
い、1,2−結合の含有量は84.7%、シンジオタク
ティック性は81.5%であった。ゲル透過クロマトグ
ラフ法(GPC)で決定した結果、この重合体の重量平
均分子量(Mw)は641,000、数平均分子量
(Mn)は346,000、多重分散度指標(poly
dispersity index)は1.9であっ
た。単量体の装入量、触媒成分の量および得られたシン
ジオタクティック1,2−ポリブタジエンの性質を表1
にまとめる。
変化させたこと以外実施例2の方法を繰り返した。各実
施例における単量体の装入量、触媒成分の量および得ら
れたシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンの性
質を表1にまとめる。
(II)の代わりに2−エチルヘキサン酸鉄(III)
を使用し、表2に示したように触媒比を変化させたこと
以外、実施例2の方法を繰り返した。各実施例における
単量体の装入量、触媒成分の量および得られたシンジオ
タクティック1,2−ポリブタジエンの性質を表2にま
とめる。
(II)の代わりに2−エチルヘキサン酸鉄(III)
を用い、2−オキソ−(2H)−5−ブチル−5−エチ
ル−1,3,2−ジオキサフォスフォリナンの代わりに
2−オキソ−(2H)−5,5−ジメチル−1,3,2
−ジオキサフォスフォリナンを使用し、表3に示したよ
うに触媒比を変化させたこと以外、実施例2の方法を繰
り返した。各実施例における単量体の装入量、触媒成分
の量および得られたシンジオタクティック1,2−ポリ
ブタジエンの性質を表3にまとめる。
(II)の代わりに鉄(III)アセチルアセトネート
を使用し、表4に示したように触媒比を変化させたこと
以外、実施例2の方法を繰り返した。各実施例における
単量体の装入量、触媒成分の量および得られたシンジオ
タクティック1,2−ポリブタジエンの性質を表4にま
とめる。
(II)の代わりに2−エチルヘキサン酸鉄(III)
を用い、トリイソブチルアルミニウムの代わりにトリエ
チルアルミニウムを使用し、表5に示したように触媒比
を変化させたこと以外、実施例2の方法を繰り返した。
各実施例における単量体の装入量、触媒成分の量および
得られたシンジオタクティック1,2−ポリブタジエン
の性質を表5にまとめる。
2−ブタジエンの有用性を例示するために一連の重合実
験を行った。、2−エチルヘキサン酸鉄(II)の代わ
りに2−エチルヘキサン酸鉄(III)を用い、触媒成
分を加える前に1,3−ブタジエン単量体溶液を含む重
合瓶に種々の量の1,2−ブタジエンを加えたこと以
外、実質的に実施例2と同じ方法を行った。各実施例に
おける単量体の装入量、触媒成分の量および得られたシ
ンジオタクティック1,2−ポリブタジエンの性質を表
6にまとめる。
例を参照して本発明を説明したが、添付請求の範囲に記
載された本発明の特許請求の範囲内に入る種々の変形お
よび変更をなし得ることは当業界の専門家には明白であ
ろう。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)鉄含有化合物; (b)環式亜燐酸水素エステル;および (c)有機アルミニウム化合物を含んで成ることを特徴
とする触媒組成物。 - 【請求項2】 (a)鉄含有化合物; (b)環式亜燐酸水素エステル;および (c)有機アルミニウム化合物を含んで成る触媒組成物
を触媒として有効な量存在させ1,3−ブタジエンを重
合させることを特徴とするシンジオタクティック1,2
−ポリブタジエンの製造法。
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