JP2000119209A - 芳香族多官能ビニルエーテル、重合性組成物及びその硬化物 - Google Patents

芳香族多官能ビニルエーテル、重合性組成物及びその硬化物

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JP2000119209A
JP2000119209A JP10287581A JP28758198A JP2000119209A JP 2000119209 A JP2000119209 A JP 2000119209A JP 10287581 A JP10287581 A JP 10287581A JP 28758198 A JP28758198 A JP 28758198A JP 2000119209 A JP2000119209 A JP 2000119209A
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Rieko Ogiwara
利恵子 荻原
Kenju Otsuki
建樹 大槻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低臭気性で皮膚刺激性が弱く、大気中の酸素に
よって硬化反応が阻害されない重合性組成物を提供する
こと。 【解決手段】環状テルペン系多価フェノール系化合物の
フェノール性水酸基をビニルエーテル化して得られる多
官能ビニルエーテル、重合開始剤を含有する重合性組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な芳香族多官能
ビニルエーテル、及び該芳香族多官能ビニルエーテルを
含む重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型
樹脂などの重合性組成物は主に、インキ、塗料、接着
剤、レジスト、製版材などの多くの分野で用いられてい
る。その主剤としてはアクリレート系モノマーや多官能
アクリレート化合物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アクリレー
ト系モノマーには皮膚刺激性や臭気性が強く、作業性に
問題がある。そこで、最近、低臭気性で皮膚刺激性が少
ないビニルエーテル化合物が注目されるようになった。
また、ビニルエーテル化合物はカチオン重合性でその硬
化速度が速いということなどからアクリレート系化合物
の欠点(硬化の際に酸素による阻害を受けること)を改
善できる。しかしながら、市場ではアクリレート系化合
物に比べてその種類が少なく、価格的にも高価なため十
分ニーズに対応できていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、 (1)環状テルペン系多価フェノール系化合物のフェノ
ール性水酸基をビニルエーテル化した構造を有する芳香
族多官能ビニルエーテル。 (2)下記式(1)で表される請求項1記載のビニルエ
ーテル。
【0005】
【化7】 (式中Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ア
ルケニル基または水酸基を表し、互いに同一であっても
異なっていても良い。Vは、水素原子または一般式−
{R−O−}−CH=CH(Rは炭素数1〜1
0の直鎖または枝分かれ状のアルキレン基を、qは0〜
10の整数をそれぞれ表す。)で表されるビニルエーテ
ル基を示す。x及びyはそれぞれの置換基の数を示し、
x=1〜3、y=1〜2の整数である。また、Rは式
(a)または式(b)
【0006】
【化8】
【0007】
【化9】
【0008】(式(b)中、R及びVは前記と同じ意味
を表す。)を表し、Rが式(b)であるときy=1で
ある。尚、式(1)中のシクロヘキサン骨格中の任意の
炭素原子は最大3個までの置換基を有し得るものとす
る。また、式(1)中の全ての置換基Vの水素原子/ビ
ニルエーテル基の比は式(1)の分子全体の平均値とし
て0/100〜70/30(モル比)である。) (3)下記式(2)〜(4)で表される化合物の単独も
しくは混合物である請求項1記載のビニルエーテル、
【0009】
【化10】
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】(4)重合開始剤及び上記(1)〜(3)
のいずれか1項に記載の芳香族多官能ビニルエーテルを
含む重合性組成物、 (5)上記(4)記載の重合性組成物を硬化して得られ
る硬化物 を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族多官能ビニルエー
テルは、環状テルペン系多価フェノール系化合物のフェ
ノール性水酸基をビニルエーテル化して得ることができ
る。本発明において用いる環状テルペン系多価フェノー
ル系化合物は環状骨格を持つテルペン系化合物にフェノ
ール性水酸基を有する化合物を付加させたもので、式
(5)で表されるものが好ましい。式(5)の化合物
は、市販のものが入手可能である。
【0014】
【化13】
【0015】(式中R、x及びyは式(1)における
のと同じ意味を表す。但し、Rが式(b)のとき式
(b)中のVは全て水素原子であるものとする。) 上記においてビニルエーテル化法としては環状テルペン
系多価フェノール系化合物と、アセチレンまたは一般式
(6) Z−{R−O−}−CH=CH (6) (式中Zはハロゲン原子、Rは炭素数1〜10の直鎖
または枝分かれ状のアルキレン基を、rは1〜10の整
数をそれぞれ表す。)で表されるハロアルキレンオキシ
ビニル化合物を塩基性化合物の存在下で反応させる方法
が挙げられる。
【0016】用いうる式(6)の化合物の具体例として
は、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニル
エーテル、ブロムエチルビニルエーテルなどが挙げられ
る。式(6)の化合物の使用量は、環状テルペン多価フ
ェノール系化合物のOH基1モル当量に対して通常0.
1モル以上、好ましくは、0.3モル以上、特に好まし
くは1〜3モルである。
【0017】本発明において用いる環状テルペン系多価
フェノール系化合物は、例えばα−ピネン、β−ピネ
ン、ジペンテン、リモネン、α−フェランドレン、β−
フェランドレン、α−シクロペンタジエンのディールス
・アルダー反応物であるジシクロペンタジエンにフェノ
ール、オルソクレゾール、パラクレゾール、キシレノー
ル、テトラメチルフェノール、オルソブロムフェノー
ル、パラブロムフェノール、1−ナフトール、2−ナフ
トール、2−メチル−1ーナフトール、4−ブロムー1
−ナフトール、2−ブロム−1−ナフトールなどを付加
させて得られ、式(2)、(3)又は(4)におけるV
の全てが水素原子である化合物が好ましい。これらの化
合物は単独のみならず二種類以上混合して使用してもよ
い。
【0018】環状テルペン系多価フェノール系化合物に
アセチレンを付加させる反応は水酸化カリウム、カリウ
ムアルコラート、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコ
ラートなどを触媒にして公知の方法で行われる。反応圧
力は通常、常圧〜100kg/cm 、好ましくは常
圧〜50kg/cm で行われ、反応温度は通常30
〜250℃、好ましくは60〜200℃、反応時間は4
〜15時間、好ましくは6〜12時間であるがこれらに
限定されるものではない。反応終了後反応物を蒸留など
で精製して目的物を得ることができる。
【0019】また、環状テルペン系多価フェノール系化
合物と式(6)のハロアルキレンオキシビニル化合物を
塩基性化合物の存在下で反応させる場合、使用しうる塩
基性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属化合
物、ナトリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラ
ート及び、金属ナトリウムなどのアルカリ金属などが挙
げられ、その使用量は、環状テルペン多価フェノール系
化合物のOH基1.0モル当量に対して通常0.5〜1
0モル、好ましくは1.0〜3.0モルである。またこ
の時、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ベンジル
トリエチルアンモニウム・クロライド、トリオクチルメ
チルアンモニウム・クロライド、テトラブチルアンモニ
ウム硫酸水素塩、ジシクロヘキシル−18−クラウン−
6、ジベンゾ−18−クラウン−6、18−クラウン−
6、ポリエチレングリコール400などの相間移動触媒
を併用すれば反応はより促進される。相間移動触媒の使
用量は、環状テルペン系多価フェノール系化合物のOH
基1.0モル当量に対して通常0.1〜20モル%、好
ましくは0.5〜10モル%である。
【0020】前記反応は、不活性溶媒、例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルスルホン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾ
リドンのような非プロトン性極性溶媒等の溶媒中で行な
ってもよい。反応温度は通常30〜150℃、好ましく
は60〜110℃、反応時間は通常5〜12時間、好ま
しくは6〜10時間である。また反応で生成した水を反
応系外に除去しながら反応を進行させることもできる。
反応終了後、反応混合液を室温まで冷却し、メチルエチ
ルケトンやメチルイソブチルケトンなどで有機層を抽出
し有機層を数回水洗することで、未反応の環状テルペン
系多価フェノール系化合物、副生した無機塩を除去し、
有機層を無水硫酸ナトリウムなどの乾燥剤で乾燥後、減
圧下で溶剤を除去することにより目的物を得ることがで
きる。
【0021】こうして得られた本発明の芳香族多官能ビ
ニルエーテル、重合開始剤、及びその他必要に応じて種
々の重合性化合物、染料、顔料、可塑剤、無機充填剤、
溶剤などを混合して本発明の重合性組成物を得ることが
できる。重合開始剤としては、熱重合開始剤、光ラジカ
ル又は光カチオン重合開始剤などのラジカル重合やイオ
ン(カチオン)重合を起こしうるものであれば特に制限
はない。用いうる熱重合開始剤の具体例としては、過酸
化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−
2−4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンカルボニトリル等が挙げられる。用いうる光ラジカ
ル重合開始剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノイソ
アミルベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾ
エート等が挙げられる。用いうる光カチオン重合開始剤
の具体例としては、特公昭53−32831号、特公昭
52−14277号、特公昭52−14278号、特公
昭52−14279号、特公昭52−25686号、特
公昭61−34752号、特開昭54−53181号、
特開昭54−95686号、特公昭61−36530
号、特公昭59−19581号、特公昭63−6568
8号、特開昭55−164204号、特公昭60−30
690号、特公昭63−36332号、特公平1−39
423号、特公平2−10171号、特公平5−157
21号、特公平4−62310号、特公昭62−576
53号、特公平3−12081号、特公平3−1208
2号、特公平3−16361号、特公昭63−1209
2号、特公昭63−12093号、特公昭63−120
95号、特公昭63−12094号、特公平2−379
24号、特公平2−35764号、特公平4−1337
4号、特公平4−75908号、特公平4−73428
号、特公昭53−32831号、特開平2−15084
8号、特開平2−296514号、米国特許第4,06
9,055号、米国特許第4,069,056号、米国
特許第3,703,296号等に記載されているスルホ
ニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩、ヨードニウム塩、アルソニウム塩、鉄・アレー
ン錯体などが挙げられる。これらの重合開始剤は本発明
の芳香族多官能ビニルエーテルに対して通常0.01〜
50重量%、好ましくは0.1〜20重量%使用され、
本発明の硬化物を得る際に本発明の芳香族多官能ビニル
エーテルと混合してもよいし、本発明の重合性組成物中
に混合してもよい。
【0022】本発明の硬化物は、本発明の芳香族多官能
ビニルエーテルをそのまま、好ましくは本発明の重合性
組成物として、加熱又は活性エネルギー線を照射する
か、或いはこれらの組み合わせにより得ることができ
る。活性エネルギーを照射する場合の適当なエネルギー
線としては、超高、高、中、低圧水銀ランプ、キセノン
ランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍
光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌
灯、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオ
ンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネ
オンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体
レーザー、YAGレーザー、発光ダイオード、CRT光
源などから得られる2000オングストロームから70
00オングストロームの波長を有する電磁波エネルギー
や電子線、X線、放射線等の高エネルギー線が挙げられ
る。エネルギー線への暴露時間は、エネルギー線の強
度、塗膜厚やカチオン重合性物質によるが、通常は0.
1秒〜10秒程度で十分である。しかし、比較的厚い塗
装物についてはそれ以上の照射時間をかけたほうが好ま
しい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほと
んどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カ
チオン重合を促進するため加熱やサーマルヘッド等によ
る熱エネルギーを併用することも場合によっては好まし
い。
【0023】
【発明の効果】本発明の芳香族多官能ビニルエーテルは
低皮膚刺激性の重合性化合物としてコーティング剤、イ
ンキ、塗料、接着剤、レジスト、製版材などの種々の分
野で極めて有用である。特に光カチオン重合開始剤を含
有する本発明の重合性組成物は硬化速度が速く、酸素に
よる重合阻害がほとんど無いという特徴を示す。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0025】実施例1 温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌
装置のついた反応器に1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−p−メンタン80g、ジメチルスルホキシド
110mlを仕込み溶解させた後、水酸化ナトリウム3
0gを加え、70℃で30分攪拌した。次いで2−クロ
ルエチルビニルエーテル80gを反応器内の温度を70
℃に保ちながら60〜90分間かけて滴下した。さらに
75〜80℃で6時間反応を続けて完結させた。反応液
を室温に冷却し、析出した食塩や未反応の水酸化ナトリ
ウムを減圧濾過にて濾別した。濾液を分液ロートに移
し、水洗を5回繰り返し、有機層に無水硫酸ナトリウム
を加えて一夜放置した。これを濾過後、メチルエチルケ
トン、過剰のクロルエチルビニルエーテルを減圧留去し
て生成物114gを得た。この生成物の赤外線吸収スペ
クトルには1610cm−1、975cm−1にビニル
基による吸収、1200cm−1にエーテル結合による
吸収が認められ、3400cm−1付近の水酸基による
吸収が完全に消失していることより目的とする本発明の
芳香族多官能ビニルエーテルであることを確認した。さ
らに、H-NMRで残存−OH基量を求めたところ
0.3%であった。(化合物A)
【0026】実施例2 温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌
装置のついた反応器に1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−p−メンタン/2,8−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−p−メンタン=70/30の混合物(ヤ
スハラケミカル社製、商品名;YP−90)50g、ジ
メチルスルホキシド70mlを仕込み溶解させた後、水
酸化ナトリウム18gを加え、70℃で30分攪拌し
た。次いで2−クロルエチルビニルエーテル41gを反
応器内の温度を70℃に保ちながら60〜90分間かけ
て滴下した。さらに75〜80℃で6時間反応を続けて
完結させた。反応液を室温に冷却し、メチルエチルケト
ン150g、水100gを加え、有機層へ目的化合物を
抽出し、水層へ無機塩、未反応原料を溶解さた。分液ロ
ートで水層を分別し、有機層の水洗を5回繰り返し、有
機層に無水硫酸ナトリウムを加えて一夜放置した。これ
を濾過後、メチルエチルケトン、過剰のクロルエチルビ
ニルエーテルを減圧留去して生成物65gを得た。この
生成物の赤外線吸収スペクトルには1610cm−1
975cm−1にビニル基による吸収、1200cm
−1にエーテル結合による吸収が認められ、3400c
−1付近の水酸基による吸収が完全に消失しているこ
とより目的とする本発明の芳香族多官能ビニルエーテル
であることを確認した。さらに、H−NMRで残存−
OH基量を求めたところ3.4%であった。(化合物
B)
【0027】実施例3 温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌
装置のついた反応器に1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BAS
F社製、商品名;BISP−TMC)75g、ジメチル
スルホキシド110mlを仕込み溶解させた後、水酸化
ナトリウム28.5gを加え、70℃で30分攪拌し
た。次いで2−クロルエチルビニルエーテル76gを反
応器内の温度を70℃に保ちながら60〜90分間かけ
て滴下した。さらに75〜80℃で6時間反応を続けて
完結させた。反応液を室温に冷却し、析出した食塩や未
反応の水酸化ナトリウムを減圧濾過にて濾別した。濾液
を分液ロートに移し、水洗を5回繰り返し、有機層に無
水硫酸ナトリウムを加えて一夜放置した。これを濾過
後、メチルエチルケトン、過剰のクロルエチルビニルエ
ーテルを減圧留去して生成物106gを得た。この生成
物の赤外線吸収スペクトルには1610cm−1、97
5cm−1にビニル基による吸収、1200cm−1
エーテル結合による吸収が認められ、3400cm−1
付近の水酸基による吸収が完全に消失していることより
目的とする本発明の芳香族多官能ビニルエーテルである
ことを確認した。さらに、H-NMRで残存−OH基
量を求めたところ0%であった。(化合物C)
【0028】実施例4 実施例1で得られた化合物A10重量部にPCI−20
4(光カチオン重合開始剤、日本化薬社製)0.4重量
部を溶解し重合性組成物とし、硬化速度評価及び硬化物
評価を行った。結果を表1に示した。
【0029】実施例5 実施例2で得られた化合物B10重量部にPCI−20
40.4重量部を溶解し重合性組成物とし、硬化速度評
価及び硬化物評価を行った。結果を表1に示した。
【0030】実施例6 実施例3で得られた化合物10重量部にPCI−220
(光カチオン重合開始剤、日本化薬社製)0.2重量部
を溶解し重合性組成物とし、硬化速度評価及び硬化物評
価を行った。結果を表1に示した。
【0031】比較例1 トリメチロールプロパントリビニルエーテル(3官能ビ
ニルエーテル、BASF社製)10重量部にPCI−2
040.4重量部を溶解した。これを実施例4と同様に
評価を行った。結果を表1に示した。
【0032】比較例2 ERL−4221(2官能脂環式エポキシ、UCC社
製)10重量部にPCI−2040.4重量部を溶解し
た。これを、実施例4同様に評価を行った。結果を表1
に示した。
【0033】硬化速度 重合性組成物をPETフィルム上にバーコーターNo.
04にて塗布後、所定光量紫外線を照射した。硬化判定
は指触タックフリーの点とした。 密着性 重合性組成物を各種基板上にバーコーターNo.04に
て塗布後、900mJ/cm紫外線照射し、硬化膜を
得た。得られた硬化膜にセロハンテープによるクロスカ
ットテストを行った。評価は、○:剥離しない、×:剥
離で行った。
【0034】
【表1】 実施例 比較例 4 5 6 1 2 硬化速度(mJ/cm) 15 15 15 15 44 密着性 ポリカーボネート ○ ○ ○ ○ ○ 紙(油性インキが印刷してある) ○ ○ ○ ○ × ポリエステルフィルム ○ ○ ○ × ○ アクリル樹脂 ○ ○ ○ × ×
【0035】表1より明らかなとおり、本発明の芳香族
ビニルエーテル化合物を含む重合性組成物は、硬化速度
が速く、密着性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB46 AB99 AC21 AC43 BA02 BA29 BA32 BA65 BB20 BB22 BB24 BC10 BC11 BC19 4J027 AH03 AJ06 CB04 CB09 CB10 CC02 CC03 CC05 CC06 CC07 CC08 CD08 CD09 CD10 4J100 AB15P AE75P BA03P BA07P BC04P BC43P CA01 CA04 CA06 CA31 HA53 HE20 JA01 JA03 JA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状テルペン系多価フェノール系化合物の
    フェノール性水酸基をビニルエーテル化した構造を有す
    る芳香族多官能ビニルエーテル。
  2. 【請求項2】下記式(1)で表される請求項1記載のビ
    ニルエーテル。 【化1】 (式中Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ア
    ルケニル基または水酸基を表し、互いに同一であっても
    異なっていても良い。Vは、水素原子または一般式−
    {R−O−}−CH=CH(Rは炭素数1〜1
    0の直鎖または枝分かれ状のアルキレン基を、qは0〜
    10の整数をそれぞれ表す。)で表されるビニルエーテ
    ル基を示す。x及びyはそれぞれの置換基の数を示し、
    x=1〜3、y=1〜2の整数である。また、Rは式
    (a)または式(b) 【化2】 【化3】 (式(b)中、R及びVは前記と同じ意味を表す。)を
    表し、Rが式(b)であるときy=1である。尚、式
    (1)中のシクロヘキサン骨格中の任意の炭素原子は最
    大3個までの置換基を有し得るものとする。また、式
    (1)中の全ての置換基Vの水素原子/ビニルエーテル
    基の比は式(1)の分子全体の平均値として0/100
    〜70/30(モル比)である。)
  3. 【請求項3】下記式(2)〜(4)で表される化合物の
    単独もしくは混合物である請求項1記載のビニルエーテ
    ル。 【化4】 【化5】 【化6】 (式(2)〜(4)中R及びVは、式(1)におけるの
    と同じ意味を表す。)
  4. 【請求項4】重合開始剤及び請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の芳香族多官能ビニルエーテルを含む重合性組
    成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の重合性組成物を硬化して得
    られる硬化物。
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