JP2000119204A - トラン化合物とそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

トラン化合物とそれを含有する液晶組成物

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JP2000119204A
JP2000119204A JP10293228A JP29322898A JP2000119204A JP 2000119204 A JP2000119204 A JP 2000119204A JP 10293228 A JP10293228 A JP 10293228A JP 29322898 A JP29322898 A JP 29322898A JP 2000119204 A JP2000119204 A JP 2000119204A
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liquid crystal
compound
crystal composition
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tolan
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JP10293228A
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Tomijiro Naito
富次郎 内藤
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の液晶化合物との充分な相互溶解性が得
られ、液晶組成物の構成物質として多くの液晶材料と組
み合わせて使用することができ、液晶組成物のN−I点
を高くし、液晶組成物のVthを低くし、複屈折を大きく
することができる、液晶組成物の特性改良に有用な新規
なトラン化合物の提供。さらに、液晶材料として優れた
特性を有する、本発明のトラン化合物を含有する液晶組
成物、並びに温度範囲が広く、広い視野角を持つ、この
液晶組成物を搭載した液晶表示装置の提供。 【解決手段】 一般式(I)で表されるトラン化合物、
およびそれを少なくとも一種含有する液晶組成物、並び
にこの液晶組成物を搭載する液晶表示装置。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶材料として有用
なトラン化合物に関し、さらにこのトラン化合物を含有
する液晶組成物、並びにこのトラン化合物を含有する液
晶組成物を用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、時計、電卓をはじめワ
ープロ、テレビ等に広く利用されている。これらの液晶
表示装置の中で特に多く使用されているのは、液晶材料
の光学的異方性および誘電率異方性を利用した液晶表示
装置である。
【0003】液晶表示装置に用いられる液晶材料に要求
される特性としては、液晶温度範囲が広いこと、電気光
学的に速い応答速度を得るために粘度が小さいこと、広
い視野角範囲、高いコントラストを得るために適切な複
屈折(△n)を持つこと、低い駆動電圧を得るために誘
電率異方性(△ε)が大きいこと、化学的および光学的
に安定であることなどがあげられる。
【0004】これまで、実用されている液晶組成物は通
常、室温付近に液晶相を有する化合物と、室温より高い
温度領域に液晶相を有する化合物とを混合して調整され
る。液晶表示装置が屋外で使用し得るためには−40℃
〜90℃の温度範囲で安定に存在しなければならず、ま
た誘電率異方性、屈折率異方性の温度依存性を考慮する
と、N−I点(ネマティック−等方相転移温度)付近で
は急激な変化が起こるので、N−I点の高い液晶材料が
必要となる。
【0005】駆動電圧はしきい値電圧Vthの値に依存
し、しきい値電圧Vthは誘電率異方性△εの平方根に反
比例する。そのため誘電率異方性△εが正の液晶材料を
用いると、しきい値電圧Vthを低い値に抑えることがで
きる。
【0006】また、広視野角、高コントラストを得るた
めには、液晶層のリターデーション△n・d(△nは液
晶材料の複屈折、dは液晶層の厚み)を最適化する必要
がある。しかし、実用に使用される液晶表示装置では液
晶層の厚みdが、ある限定された範囲で設定されてお
り、かつ応答速度を速くすることが要求されているため
に、液晶層の厚みdは薄くなる傾向が強まっている。よ
って、複屈折△nが大きな液晶材料が必要とされてい
る。
【0007】これまで、種々の液晶化合物が開発され、
使用されているが、以上のような特性を全て満足する単
一の液晶化合物は未だに見い出されていない。そのため
にいろいろな特性を持った数種の液晶化合物を混合した
り、あるいは非液晶化合物を混合したりして実用に供し
ているのが現状であるが、やはり、充分満足できるもの
ではない。
【0008】このように混合して用いられるトラン系の
化合物では、4−(4−アルキルシクロヘキシル)−
4’−フルオロ−トランが特開昭60−152427、
特開昭60−155142、特開昭61−5031、特
開昭61−140579などの各公報に記載されている
が、特性を満足させるには充分ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上示したように、こ
れまで、液晶組成物については種々検討されているが、
未だ完全と言われるものは見いだされていない。また、
液晶組成物に用いられる化合物は、いずれもその特性に
一長一短があり、さらに液晶表示装置によって、要求さ
れる特性の度合いも異なるため、目的に応じた特性を与
える新たな液晶化合物および、液晶添加物の出現が待ち
望まれている。そこで本発明の目的は、液晶組成物に混
合することによって、液晶組成物のN−I点を高くし、
しきい値電圧Vthを低くし、複屈折△nを大きくし、粘
性を小さくすることのできる新規なトラン化合物を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のトラン化合物は
下記一般式(I)で表されるものである。
【0011】
【化2】
【0012】(ただし、Rはアルキル基を表す。)
【0013】また、本発明の液晶組成物は、前記一般式
(I)で表されるトラン化合物を少なくとも一種含有す
るものである。
【0014】また、本発明の液晶表示装置は、前記一般
式(I)で表されるトラン化合物を、少なくとも一種含
有する液晶組成物を搭載してなる液晶表示装置である。
【0015】本発明の液晶組成物における、本発明のト
ラン化合物の配合量は、他の液晶化合物の種類、配合比
等により、一概に決められるものではないが、一般的に
は、好ましくは1ないし50重量%、さらに好ましくは
3ないし20重量%である。
【0016】本発明のトラン化合物は、液晶組成物に混
合することによって、液晶組成物のN−I点を高くし、
しきい値電圧Vthを低くし、複屈折△nを大きくするこ
とのできる優れた化合物である。
【0017】また、本発明のトラン化合物は多くの液晶
化合物と混合し、液晶組成物を製造することができる。
本発明のトラン化合物と混合可能な液晶化合物としては
エステル系、シクロヘキシルフェニル系、ビフェニル
系、ピリミジン系、ジオキサン系、トラン系などがあげ
られる。さらに、これらの液晶化合物を複数混合したも
のに本発明のトラン化合物を混合して用いることもでき
る。
【0018】本発明のトラン化合物を含有する液晶組成
物は、上述のように、液晶材料として優れた特性を有
し、またこの液晶組成物を搭載した液晶表示装置は、温
度範囲が広く、広い視野角を持つことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】前述したとおり、本発明のトラン
化合物は、前記化2における一般式(I)で表されるも
のである。
【0020】一般式(I)において、Rはアルキル基を
表す。
【0021】本発明のトラン化合物の製造方法につい
て、化3に例をあげて説明する。なお式中Rは前記した
意味を示す。
【0022】まず、置換フェニルアセチレン(a)と置
換ブロモベンゼン(b)とを、トリエチルアミン等の存
在下にて反応させ、水洗、乾燥、再結晶することにより
一般式(I)で表されるトラン化合物を得ることができ
る。
【0023】
【化3】
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定され
るものではない。また、本実施例におけるしきい値電圧
Vthは、液晶組成物をセル厚9μmのTN型液晶表示装
置に搭載して測定した値である。
【0025】(実施例1)4−プロピルシクロヘキシル
フェニルアセチレン40.6gに3−フルオロブロモベ
ンゼン26.2g、ビス(トリフェニルフォスフィン)
パラジウム(II)クロライド0.1g、ヨウ化銅0.
1g、トリフェニルフォスフィン0.8g、トリエチル
アミン300mlを加え、3時間加熱、攪拌した。反応
物を水の中へ注ぎ、塩酸で中和し、結晶を析出させる。
結晶をろ別後、水洗し、真空乾燥後、酢酸エチルとメタ
ノールの混合溶媒で再結晶を行い、化4記載の化合物3
2gを得た。この化合物はモノトロピック液晶相を有
し、I−N点(液体−ネマティック相転移温度)が92
℃であった。また、この化合物の赤外線吸収スペクトル
を図1に示す。
【0026】
【化4】
【0027】(実施例2)市販のネマティック液晶組成
物ZLI−1132(メルク社製)95重量部に、実施
例1で製造した本発明のトラン化合物を5重量部加え、
液晶組成物を作製した。
【0028】実施例2および、ZLI−1132のみか
らなる液晶組成物を比較例として、それぞれのN−I
点、Δn、粘度、Vthを測定した。その結果を次表に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2から明らかなように、本発明のト
ラン化合物は、それを含有する液晶組成物のN−I点を
高くし、またしきい値電圧Vthを低くし、さらに複屈折
△nを大きくすることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明のトラン化合物は、液晶組成物に
混合することによって、液晶組成物のN−I点を高く
し、しきい値電圧Vthを低くし、複屈折を大きくするこ
とができる。そのため、本発明のトラン化合物を含有す
る液晶組成物は液晶材料として優れた特性を有し、また
この液晶組成物を搭載した液晶表示装置は、温度範囲が
広く、広い視野角を持つ。さらに、本発明のトラン化合
物は種々の化合物との充分な相互溶解性が得られ、液晶
組成物の構成物質として多くの液晶材料と組み合わせて
使用することができ、液晶組成物の特性改良に有用なも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラン化合物の赤外線吸収スペクトル
を表す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるトラン化合物。 【化1】 (ただし、Rはアルキル基を。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトラン化合物を少なくと
    も一種含有する液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトラン化合物を少なくと
    も一種含有する液晶組成物を搭載してなる液晶表示装
    置。
JP10293228A 1998-10-15 1998-10-15 トラン化合物とそれを含有する液晶組成物 Pending JP2000119204A (ja)

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