JP2000118156A - 熱転写受容シート - Google Patents

熱転写受容シート

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JP2000118156A
JP2000118156A JP10295315A JP29531598A JP2000118156A JP 2000118156 A JP2000118156 A JP 2000118156A JP 10295315 A JP10295315 A JP 10295315A JP 29531598 A JP29531598 A JP 29531598A JP 2000118156 A JP2000118156 A JP 2000118156A
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知行 ▲高▼田
Tomoyuki Takada
Naoki Kubo
直樹 久保
Shigeo Hayashi
滋雄 林
Satoyuki Okimoto
智行 沖本
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント後、受容シート部を剥離シート部から
剥がす際に受容シート部に皺が入りやすいという問題を
解決する。 【解決手段】表面側より、受容層、フィルム支持体、粘
着剤層、剥離層、及び剥離基体を少なくとも有し、前記
受容層、フィルム支持体及び粘着剤層を含む受容シート
部が、前記剥離層及び剥離基体を含む剥離シート部より
剥離可能な熱転写受容シートにおいて、前記フィルム支
持体が、下記(1)式の物性を満足することを特徴とす
る熱転写受容シート。 クラークこわさ/折れ曲率半径 ≧15 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写受容シート
(以下、単に受容シートとする)に関するものである。
更に詳しく述べるならば、昇華性染料、溶融インク等に
より任意の画像が形成でき、かつ、形成された画像を任
意の物品に貼着することができる受容シートに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルプリンター、特に鮮明な
フルカラー画像がプリント可能な熱転写プリンターが注
目されてきた。熱転写プリンターは熱により昇華若しく
は溶融して移行する染料を含有する染料層とを有する熱
転写シートと、フィルム支持体の片面に前記熱転写シー
トの染料を受容する受容層を有する受容シートを用い、
染料層と受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから
供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃
度だけ受容層上に転写して画像を形成するものである。
具体的には熱転写シートにイエロー、マゼンタ、シアン
の3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料を
保持せしめ、各色の染料を受容シートに順に繰り返し転
写することによってフルカラー画像が得られる。
【0003】特に、昇華性を有する染料を用いた昇華転
写により、写真に近い高品質な画像を得ることが可能で
あり、昇華型熱転写記録方式により形成した画像の新た
な用途の一つとして、例えば名刺に当該名刺の人物画像
を形成する場合のように、任意の物品に転写画像を貼着
することが注目されている。このようなシール用途に適
した受容シートとしては、画像が形成される受容シート
部と、その受容シート部を支持する剥離シート部とから
なり、画像形成後に剥離シート部を受容シート部から剥
離除去し、受容シート部を任意の物品に貼着できるよう
にしたシール用受容シートが提案されている。
【0004】シール用受容シートに関する技術として
は、特開昭64−82988号公報において、離型シー
ト/離型処理層からなるセパレータ部(剥離紙層)と、
上記粘着層/シート基材/受容層からなる受容シート部
との間で剥離可能であり、かつ受容シート部およびセパ
レータ部にハーフカット処理を施したものが示されてい
る。また、特開平9−300832号公報において、受
容シート用支持体として特定の積層フィルムを用いるこ
とにより、発色濃度が高く、優れた画像が得られること
が提案されている。
【0005】しかしながら、これらの従来の技術では、
プリント後シール部分を剥がす際に受容シート部に皺が
入りやすいという問題があり、改善が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】プリント後、受容シート
部を剥離する際の皺の発生については、同じフィルム材
料でも、フィルムの延伸条件、厚さ、空隙率、剥離方向
(MD,CD方向など)、等種々の条件が影響するもの
と推測され、その予測は困難であったが、鋭意検討した
結果、受容シートのフィルム支持体が、下記(1)式の
物性範囲を満足することにより、剥離皺が生じないこと
が判明したものである。 クラークこわさ/折れ曲率半径 ≧15 (1)
【0007】即ち、本発明は、表面側より、受容層、フ
ィルム支持体、粘着剤層、剥離層、及び剥離基体を少な
くとも有し、前記受容層、フィルム支持体及び粘着剤層
を含む受容シート部が、前記剥離層及び剥離基体を含む
剥離シート部より剥離可能な熱転写受容シートにおい
て、前記フィルム支持体が、下記(1)式の物性を満足
することを特徴とする熱転写受容シートである。 クラークこわさ/折れ曲率半径 ≧15 (1)
【0008】また、前記フィルム支持体が、複数の樹脂
フィルムの積層体からなることが好ましい。更にまた、
複数の樹脂フィルムの積層体が、空隙率15〜50%の
フィルムと、ポリエチレンテレフタレートフィルムを含
む積層体であり、空隙率15〜50%のフィルム上に受
容層を形成することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の受容シートの層構成は、
基本的に、受容層、フィルム支持体、粘着剤層、剥離
層、及び剥離基体を順次積層したものとなっており、こ
れらの層のうち、受容層、フィルム支持体及び粘着剤層
から受容シート部が構成され、剥離層及び剥離基体から
剥離シート部が構成される。
【0010】そして、受容シートのフィルム支持体が、
下記(1)式の物性範囲を満足することが特徴である。 クラークこわさ/折れ曲率半径 ≧15 (1) ここで、クラークこわさ(”こわさ(クラーク)”とも
いう)は、JIS P8143に基づいて求められる。
また、折れ曲率半径は、図1に示すように、フィルム支
持体をセットし、フィルム基材に折れが生じる長さL
(mm)を測定し、L/2(mm)を折れ曲率半径とするも
のである。
【0011】フィルム支持体の”クラークこわさ/折れ
曲率半径”の値が、その剥がれ方向において15以上の
場合には、プリント後に受容シート部(シール部分)を
剥がす際の皺発生は認められないが、15未満では皺の
発生が観察される。”クラークこわさ/折れ曲率半径”
の値は、MD,CDの両方向において15以上であるの
が好ましく、さらに18以上が好ましい。なお、MD方
向、CD方向のどちらかが15未満の場合、15未満の
方向に剥離をしないように剥離方向を指示する矢印等を
余白部分に印刷する、一方向に剥離するようにめくりし
ろを形成する、剥離方向が一方向となるようにハーフカ
ットに非切断部分を形成する、できるだけ15に近い値
となるように調節するなどの構成を施すことが好まし
い。
【0012】フィルム支持体としては、上記の条件を満
足するものであれば特に限定するものではなく、ポリオ
レフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレンな
ど)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレ
ートなど)、ナイロン等が使用できる。また、フィルム
としては内部に空隙を有するフィルムであってもよく、
実質的に内部に空隙を有さないフィルムであってもよ
い。また単層構造のフィルムであっても多層構造フィル
ムであってもよい。空隙を有するフィルムとしては発泡
剤により内部を発泡処理したフィルムや、延伸により内
部を多孔質にしたフィルムが例示できる。多層構造フィ
ルムとしては、成形時に2層以上を押出して延伸する多
層構造フィルム(例えば合成紙)などが使用できる。空
隙を有するフィルムは、プリント感度が良好となるので
好ましい。
【0013】また、2種類のフィルムを積層した積層体
の使用も可能である。例えば、表面側にポリプロピレン
系フィルム、裏面側にポリエステル系フィルムを積層し
た2層積層支持体を用い、表面側に受容層を設け、裏面
側に粘着剤層を形成して用いる場合について、表面側・
裏面側ともに厚さ約50μmのフィルムを選択し、裏面
側に一定の空隙率(約4%)を有するフィルムを用いて
検討した結果、表面側フィルムの空隙率が15〜50%
の範囲において、”クラークこわさ/折れ曲率半径”の
値は15〜30の範囲となる。
【0014】このように、積層体の場合、各フィルムの
材質、こわさ、厚み、空隙率などを選択し、組み合わせ
ることにより”クラークこわさ/折れ曲率半径”の値を
調節することができる。なお、表・裏両面のフィルムの
厚さは、10〜100μmの範囲が実用上好ましく、裏
面側フィルムについては、空隙率が小さいほど剥離皺は
生じにくいが、クッション性等が低下して画質が低下す
る場合があり、空隙率は3〜30%が好ましい。
【0015】本発明のシート状支持体に用いる樹脂フィ
ルムに空隙構造を形成するには、熱可塑性樹脂に、無機
顔料及び/又は該熱可塑性樹脂とは非相溶性の樹脂を含
有させた溶融混合物を、溶融押出機によって単層あるい
は多層のフィルムとし、さらに1ないし2軸に延伸すれ
ばよい。この延伸フィルムの空隙率は、樹脂および顔料
の種類、混合割合、延伸条件等によって決まるため、こ
れらの条件を調節することで、空隙率を適宜コントロー
ルすることができる。なお、延伸フィルム中の空隙の割
合を示す空隙率、あるいはボイドの体積比率は、原材料
の真の比重と、形成された層の見かけの厚さとの関係か
ら求めることができる。
【0016】空隙を有する延伸フィルムに用いる熱可塑
性樹脂としては、結晶性および延伸性がよく、ボイドの
形成も容易なポリプロピレンなどのポリオレフィン、あ
るいはポリエステル(ポリエチレンテレフタレートな
ど)などを主成分とし、適宜小量の他の熱可塑性樹脂を
併用したものが用いられる。無機顔料としては、平均粒
子径が1〜20μmの顔料が好ましく、炭酸カルシウ
ム、クレー、けいそう土、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、シリカ等を例示することができる。また、樹脂中
に含有する無機顔料の含有率は、体積で2〜30%が適
当である。一般に延伸フィルムを製造する場合には、延
伸後のフィルムを延伸時の温度あるいはそれより少し高
い温度で加熱処理して残留応力を減少させ、フィルムに
耐熱性や寸法安定性を付与している。本発明に用いる延
伸フィルムの場合も同様に加熱処理によって、フィルム
の構造や物性を調整することができる。
【0017】更に、再現性よくフルカラー画像をプリン
トするためには、受容層を設ける面のベック平滑度が高
いほどよいが、1000秒以上であればほぼ充分な効果
が得られる。例えば、空隙構造を有する2軸延伸フィル
ムを主体として形成される層の表面に、フィルムの厚さ
の20%を越えない範囲で他のフィルム、例えば1.0
〜15μmの厚さの空隙構造を含まない延伸フィルムを
積層してもよく、また共押して延伸により形成すること
も可能である。
【0018】本発明のフィルム支持体として、少なくと
も1層がポリエステル共重合物を主成分とするフィルム
であると、耐熱性に優れ、剛度があるので取り扱い性に
優れるため好ましい。ここで、ポリエステル共重合物と
しては、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し
構成単位とするものが好ましい。このようなポリエステ
ル共重合物中には、酸化防止剤、帯電防止剤、増白剤、
紫外線吸収剤等の公知の各種添加剤を含有させてもよ
い。ポリエステル系フィルムに空隙を設ける方法として
は、公知の方法が採用でき、特に限定するものではない
が、ポリエステル共重合物とそのポリエステル共重合物
に非相溶な樹脂とを混合して二軸延伸し、その樹脂フィ
ルム中にミクロボイドを形成することにより得る方法が
均一な空隙が形成でき好ましい。
【0019】ポリエステル共重合物に非相溶な樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニ
トリル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン−アクリル共重合体等をあげること
ができる。また、ポリエステル共重合物には、白色無機
顔料を5〜30重量%含有してもよい。白色無機顔料と
しては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケ
イ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭
酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルクなど、ある
いはこれらの混合物を挙げることができる。
【0020】本発明において、積層体のフィルム支持体
を使用する場合、表面側(受容層を形成する側)フィル
ムとして、空隙率が15〜50%の範囲にあるポリプロ
ピレンや、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の使
用が好ましい。その空隙率が15%未満では、断熱効果
が乏しく、記録画像の濃度が低くなるため、良好な記録
画像を得るためには、15%以上、好ましくは30%以
上の空隙率が必要である。また、それが50%を越える
と表面層の強度が不足するので好ましくない。一方、裏
面側(粘着剤層側に設けられる側)フィルムの空隙率
は、表面側フィルムの空隙率よりも、小さい方が好まし
い。
【0021】フィルム基材の積層方法としては、共押出
しにより、発泡樹脂層と未発樹脂層からなるフイルム積
層体を形成してもよく、またポリエーテル系、ポリエス
テル系などの高分子樹脂成分に、ポリイソシアネート
系、エポキシ系等の硬化剤を配合した接着剤、あるいは
アクリル系、ウレタン系樹脂にイソシアネート系、エポ
キシ系の硬化剤を配合した粘着剤を用いたドライラミネ
ート法、ポリオレフィン系樹脂を用いた溶融押出しサン
ドイッチラミネート法などが挙げられる。
【0022】受容シートのフィルム支持体の厚さは、2
0〜300μmの範囲が好ましい。支持体の厚さが20
μm未満であると得られる受容シートの機械的強度が不
十分となるばかりでなく、その硬さや、変形に対する反
発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカ
ールを十分に防止できないという不都合を生じることが
ある。また厚さが300μmを越えると、得られる受容
シートの厚さの増大は、当然プリンター内蔵受容シート
収容枚数の低下を招く。この場合、所定枚数の受容シー
トを収容しようとすれば、プリンターの容積を大きくし
なければならず、プリンターのコンパクト化が困難とな
る。
【0023】受容シートの受容層は、昇華転写用、溶融
転写用のそれぞれ公知の受容層が適用できる。昇華転写
用を代表して説明すると、染料染着性の高い樹脂を主成
分とし、架橋剤、融着防止剤、および紫外線吸収剤等を
適宜加えた塗液を塗布乾燥した層である。染料染着性の
高い樹脂としては、セルロース系樹脂、ポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、アクリル系樹脂等が用いられる。また、架橋剤
にはイソシアネート化合物およびエポキシ化合物等、紫
外線吸収剤にはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、フェニルサリシレート系およびシアノアクリレート
系化合物等、融着防止剤にはアクリルシリコン系樹脂、
さらに滑剤および離型剤等が用いられる。これら受容層
成分は架橋剤を介して架橋反応を起こすものが望まし
い。受容層の塗工量は0.1〜20.0g/m 2の範囲
が好ましい。
【0024】本発明で使用する受容シートにおいて、受
容シート部裏面(受容層に対し反対側)或いは剥離シー
ト部裏面上に、走行性向上、静電気の防止、受容シート
相互の擦れによる受容層の損傷防止、さらにはプリント
した受容シートを重ね置きしたとき、受容層からそれに
接触隣接する受容シート裏面への染料の移行の防止など
を目的として背面被覆層が形成されていてもよい。
【0025】背面被覆層には、接着剤として有効な樹脂
が含まれ、且つ、この樹脂は、受容シートの走行性、受
容層面の傷つき防止の為にも有効なものである。このよ
うな樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレ
タン樹脂、メラミン樹脂等、並びにこれらの樹脂の反応
硬化物を用いることができる。
【0026】また背面被覆層には帯電防止処理のために
各種の導電剤を添加することができる。導電剤として
は、カチオン系ポリマーを用いることが望ましい。カチ
オン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイミ
ン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチ
オン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉等
が好ましく用いられる。背面被覆層の塗工量は、0.3
〜15g/m2 の範囲内にあることが望ましい。0.3
g/m2 未満であると、受容層と裏面とが擦れ合った時
受容層の傷つきを十分に防止できないことがあり、また
15g/m2 を越えると、効果が飽和し不経済である。
【0027】本発明の受容シートにおいて、剥離シート
部は、剥離基体と剥離剤層とを有するものであり、各々
従来のシール用受容シートと同様に構成することができ
る。剥離基体としては、グラシン紙または顔料コート紙
にポリエチレン等をラミネートしたポリラミ原紙、ポリ
プロピレンを主成分とした合成紙、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、多孔質性ポリエチレンテレフタレー
トフィルム等が用いられる。
【0028】剥離剤としては、公知のシリコーン系、長
鎖アルキル系等の剥離剤が使用できる。剥離剤の剥離基
体への塗工方法は、グラビアコーターやバーコーター等
の公知の手段によって行うことができ、この場合の塗工
量は、固形分で0.3〜1.5g/m2 、であることが
好ましく、より好ましくは、0.5〜1.2g/m2
ある。この塗工量が0.3g/m2 未満では、剥離性能
のバラツキが大きく、また、それが1.5g/m2 を越
えると、経済性の面から不利になるため、必要性に乏し
い。
【0029】本発明において、フィルム支持体の裏面
(受容層を形成しない面)上の粘着剤層を形成する粘着
剤としては、アクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系、シ
リコーン系等の公知の粘着剤を使用することができる。
粘着剤は剥離シート部の剥離剤層表面に塗工し乾燥した
後、これを、表面側に受容層を有するフィルム支持体の
裏面に貼り合わせしてもよいし、フィルム支持体の裏面
上に粘着剤を塗工乾燥後、これに剥離シート部の剥離剤
層の表面を貼り合わせてもよい。粘着剤には、必要に応
じて、架橋剤や充填剤を添加することができる。
【0030】粘着剤層は、10〜30g/m2 の塗布量
(固形分)で形成されることが好ましい。10g/m2
未満では粘着効果が乏しく、また30g/m2 以上では
経済性の面から必要性に乏しい。受容シート部と剥離シ
ート部との剥離力については、90mm/分の剥離スピー
ドで測定した場合、JIS−Z−0237に規定される
剥離力が、20〜150mN/25mmの範囲が好まし
く、50〜130mN/25mmがより好ましい。
【0031】本発明における各塗工層は、バーコータ
ー、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコー
ター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーターな
ど公知のコーターを用いて塗工、乾燥して形成すること
ができる。なお、本発明の受容シートは、受容シート部
にハーフカット処理(受容シート部をカットし、剥離シ
ート部はカットしない加工)を施すと、実用的なシール
の構成となるので好ましい。
【0032】
【実施例】下記実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、特に断らない限り「%」および
「部」はすべて「重量%」および「重量部」を示す。
【0033】実施例1 「フィルム支持体の作製」フィルム支持体として、ポリ
プロピレンを主成分とし、内部に空隙を有する厚さ38
μmのフィルム(商標:350LLG−202、Mob
il製)と、ポリエチレンテレフタレートを主成分と
し、内部に空隙を有する厚さ38μmのフィルム(商
標:W900J38、ダイアホイル製)を、ウレタン型
接着剤を用いドライラミネート方式で積層、貼合した。 「受容層の形成」フィルム支持体のポリプロピレン面上
に、染料受容層形成のため、下記組成の受容層用塗液を
固形分8g/m2の割合でダイコーティング法により塗
工、乾燥した。 [受容層用塗液] ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡製) 100部 シリコーン樹脂(商標:KF393、信越シリコン製) 3部 イソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品製) 5部 トルエン 300部
【0034】「剥離シート部の作製」ポリエチレンテレ
フタレートを主成分とし、内部に空隙を有する厚さ10
0μmのフィルム(商標:100E60、東レ製)を剥
離基体として用い、その一方の面に、シリコン系剥離剤
(商標:BY24−312/SRX212=100/
0.8WET、東レダウ・コーニングシリコーン製)を
固形分で0.6g/m2となるように、グラビアコーテ
ィング法で塗工、乾燥して剥離層を形成し、更に剥離層
の反対面に下記の組成からなる帯電防止層用塗液を固形
分で1g/m2となるように、バーコーティング法で塗
工、乾燥して帯電防止層を形成し、剥離シート部を作製
した。 [帯電防止層用塗液] アクリル樹脂(商標:リカボンドSAR−615A、中央理化製)100部 エポキシ硬化剤(商標:リカボンドSAR−615B、中央理化製) 5部 導電剤(商標:ST2000H、三菱油化成) 75部 シリカ顔料(商標:P78A、水沢化学製) 30部
【0035】「受容シートの作製」フィルム支持体の受
容層を形成していない面に、下記の組成からなる粘着剤
層用塗液を固形分塗布量が16g/m2となるようにバ
ーコーティング法により塗工、乾燥して、粘着剤層を形
成し、上記剥離シート部の剥離層と、粘着剤層を重ね合
わせて貼着することによって受容シートを得た。
【0036】実施例2 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」ポリプロピレンを主成分と
し、内部に空隙を有し厚さ38μmのフィルム(商標:
350LLG−202、Mobil製)と、ポリエチレ
ンテレフタレートを主成分とし、内部に空隙を有する厚
さ50μmのフィルム(商標:50E63SS、東レ
製)を、ウレタン型接着剤を用いドライラミネート方式
で積層、貼合したものを用いた。なお、ポリプロピレン
側に受容層を、ポリエチレンテレフタレート側に粘着剤
層を形成した。
【0037】実施例3 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」ポリプロピレンを主成分と
し、空隙を有する厚さ38μmのフィルム(商標:35
0LLG−202、Mobil製)と、ポリエチレンテ
レフタレートを主成分とし、実質的に内部に空隙を有さ
ない厚さ50μmのフィルム(商標:PETS50、帝
人製)を、ウレタン型接着剤を用いドライラミネート方
式で積層、貼合したものを用いた。なお、ポリプロピレ
ン側に受容層を、ポリエチレンテレフタレート側に粘着
剤層を形成した。
【0038】実施例4 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」酸化チタン(0.3μm)を
3重量%含有する極限粘度0.65のポリエチレンテレ
フタレートチップにM.F.I.5の結晶性ポリプロピ
レンホモポリマーチップを10重量%ブレンド配合した
組成物を押出機で溶融混練した。別に、極限粘度0.6
50のポリエチレンテレフタレートチップ原料のみを押
出機で溶融混練した。上記両溶融混合物をそれぞれダイ
に供給して、290℃の押出機で共押出し、冷却して空
隙を含まない2層構造無延伸フィルムを作製し、これを
85℃で縦方向に3倍、横方向に95℃で3.2倍延伸
し、240℃で5秒間処理して、最終的に、見かけ比重
0.98(空隙率30%)を有する厚さ45μmの延伸
多孔質フィルム層と、空隙を含まない厚さ25μmの延
伸非孔質フィルム層とからなる2層構造の複合フィルム
を得た。なお、延伸多孔質フィルム層側に受容層を、延
伸非孔質フィルム層側に粘着剤層を形成した。
【0039】実施例5 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」フィルム状支持体としてポリ
エチレンテレフタレートを主成分とし、空隙を有する厚
さ50μmのフィルム(商標:50E63S、東レ製)
を用い、その一方の面上に、染料受容層形成のため、下
記組成の受容層用塗液を固形分8g/m2の割合でダイ
コーティング法により塗工、乾燥した。
【0040】比較例1 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」ポリエチレンテレフタレート
を主成分とし、内部に空隙を有する厚さ50μmのフィ
ルム(商標:50QE09、東レ製)と、ポリエチレン
テレフタレートを主成分とし、内部に空隙を有する厚さ
50μmのフィルム(商標:W900J38、ダイアホ
イル製)を、ウレタン型接着剤を用いドライラミネート
方式で積層、貼合したものを用いた。なお、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(商標:50QE09)側に
受容層を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商
標:W900J38)側に粘着剤層を形成した。
【0041】比較例2 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」ポリエチレンテレフタレート
を主成分とし、内部に空隙を有する厚さ50μmのフィ
ルム(商標:50QE09、東レ製)と、ポリエチレン
テレフタレートを主成分とし、実質的に内部に空隙を有
さない厚さ25μmのフィルム(商標:透明PET T
−60、東レ製)を、ウレタン型接着剤を用いドライラ
ミネート方式で積層、貼合したものを用いた。なお、空
隙を有するフィルム側に受容層を形成し、実施的に空隙
を有さないフィルム側に粘着層を形成した。
【0042】比較例3 実施例1のフィルム支持体として、下記のフィルム支持
体を用いた以外は実施例1と同様にして受容シートを得
た。 「フィルム支持体の作製」ポリエチレンテレフタレート
を主成分とし、内部に空隙を有する厚さ75μmのフィ
ルム(商標:75QE02、東レ製)を用いた。
【0043】評価 上記各実施例及び比較例で用いたフィルム支持体、及び
得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法によ
り測定を行った。
【0044】〔クラークこわさ〕受容シート層用のフィ
ルム支持体について、JIS P 8143に準拠する
装置を用い、試験片は幅30mmで長さは75mm以上
の必要に応じた長さで行った。測定はMD、CD方向に
ついて行った。
【0045】〔折れ曲率半径〕フィルム支持体を、図1
のようにセットし、画像受容シート部基材に折れが生じ
る長さL(mm)を測定する。L/2(mm)を折れ曲
率半径とした。測定はMD、CD方向について行った。
【0046】〔クラークこわさ/折れ曲率半径〕クラー
クこわさ/折れ曲率半径をMD、CD方向について計算
し、その値の小さい方向の値を表1に示す。なお、表1
中の( )内は評価した方向を示す。
【0047】〔剥離皺の程度〕得られた受容シートを前
記測定方向とが同一方向になるように、印画受容シート
部を剥離シート部に対して180度剥離を行った。受容
層形成面に生じる剥離皺の程度を目視により観察し、シ
ワが全くない(○)、シワが僅かに認められる(△)、
シワが著しく外観も不良(×)、の3段階で評価し、表
1に示す。なお、表1中の( )内は評価した方向を示
す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の受容シートは、プリント画質が
優れ、形成された画像シートを任意の物品に貼着するた
めに剥離する際、受容層形成面に剥離皺を生じることが
なく、実用的価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明でいうフィルム支持体の折れ曲
率半径を説明するための測定の概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖本 智行 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 2H111 AA26 AA27 CA02 CA03 CA04 CA05 CA13 CA25 4F100 AK01B AK07 AK42B AK51G AT00B AT00E BA05 BA10A BA10E CB05C DC11B DJ00B JD14A JG03 JK04 JK12 JL13C JL14D YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面側より、受容層、フィルム支持体、粘
    着剤層、剥離層、及び剥離基体を少なくとも有し、前記
    受容層、フィルム支持体及び粘着剤層を含む受容シート
    部が、前記剥離層及び剥離基体を含む剥離シート部より
    剥離可能な熱転写受容シートにおいて、前記フィルム支
    持体が、下記(1)式の物性を満足することを特徴とす
    る熱転写受容シート。 クラークこわさ/折れ曲率半径 ≧15 (1)
  2. 【請求項2】前記フィルム支持体が、複数の樹脂フィル
    ムの積層体である請求項1記載の熱転写受容シート。
  3. 【請求項3】複数の樹脂フィルムの積層体が、空隙率1
    5〜50%のフィルムと、ポリエチレンテレフタレート
    フィルムを含む積層体であり、空隙率15〜50%のフ
    ィルム上に受容層を形成する請求項2記載の熱転写受容
    シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006075734A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写受像シート及びその製造方法
JP2019059181A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 大日本印刷株式会社 離型シート

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WO2006075734A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写受像シート及びその製造方法
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