JP2001310563A

JP2001310563A - 熱転写受像シート

Info

Publication number: JP2001310563A
Application number: JP2000127102A
Authority: JP
Inventors: Koichi Shirai; 孝一白井; Tadahiro Ishida; 忠宏石田; Katsuyuki Oshima; 克之大嶋
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 2000-04-27
Filing date: 2000-04-27
Publication date: 2001-11-06
Also published as: US6656881B2; US20020041951A1

Abstract

(57)【要約】【課題】各種のプリンターを用いても、熱転写受像シ
ートの搬送精度が向上し、カラー画像を見当ズレなく形
成することができ、また、スパイク痕が受像面に及ば
ず、画像品質に及ぼす影響が小さい熱転写受像シートを
提供することにある。【解決手段】少なくとも色材受容層２と基材１から構
成される熱転写受像シート１０において、該基材１が色
材受容層２側から、少なくとも内部にミクロボイドを有
するプラスチックフィルム３、支持体４、裏面フィルム
５の順に構成され、該裏面フィルム５を無延伸ポリオレ
フィンフィルムとすることにより、プリンターでの搬送
精度が向上し、カラー画像を見当ズレなく形成すること
ができ、また、スパイク痕が受像面に及ばず、画像品質
に及ぼす影響が小さい熱転写受像シートを得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写受像シート
に関し、更に詳しくは、熱転写受像シートにカラー画像
を形成する際に起こり易い見当ズレを防止することがで
きる熱転写受像シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】熱転写受像シートにカラー画像を形成す
る一般的な方法としては、先ず、イエロー、マゼンタお
よびシアン、更に必要に応じてブラックの３色または４
色からなる色材層が面順次に設けられた熱転写シート
と、必要に応じて色材受容層が設けられた熱転写受像シ
ートとを、ある一定の圧力で押圧された加熱デバイスと
プラテンローラーとの間を通過させる。そのとき、画像
情報に応じて加熱デバイスの発熱部分を選択的に発熱さ
せ、熱転写シートの色材層に含まれる色材を熱転写受像
シートの色材受容層に移行させて画像を形成する。熱転
写シートには３色または４色が順次設けられており、熱
転写受像シートの同一の位置に１色ずつ、３回または４
回に分けて、異なる色が順番に転写されて色が重ねら
れ、カラー画像が形成される。特に、昇華型熱転写の場
合は、熱溶融型熱転写よりも高解像度と多階調表現の点
で優れており、高画質を要求される用途に用いられてい
る。

【０００３】このようなカラー画像の形成方法の一つ
に、面順次に各色を重ね合わせる方式がある。この方式
では、１画面毎にカラー画像を形成するので、熱転写受
像シートが往復運動して、順次一方向に巻き取られる熱
転写シートから一色ごと画像が転写され、各色が重ね合
わせされる。この方式の長所は、印画スピードが速く、
シリアル方式で見られる行間の重なりがないため、位置
精度さえでていれば画像がきれいに仕上がる。しかし、
この方式の難点は、熱転写受像シートが往復運動するた
め、紙の位置決め精度に乏しく、いわゆる見当ズレが起
こりやすいこと、及び印画プリンターの小型軽量化や低
価格化を図りにくいこと等の問題がある。

【０００４】上述した方式に用いられるプリンターとし
て、従来から以下の幾つかのものが知られている。例え
ば、熱転写受像シートの一端をチャックで挟んで往復運
動させるプリンターは、独立したチャックにより往復運
動させているので搬送精度に優れている。しかし、比較
的大きなサイズ、例えばＡ３版以上の熱転写受像シート
に対しては印画し易いが、機構的に複雑で装置が大型化
し、小さいサイズの熱転写受像シートには印画しにく
く、装置価格も高価である。熱転写受像シートの一端を
プラテンローラー表面に設けられたチャックに固定して
巻き付け、プラテンローラーの回転により往復運動させ
るプリンターは、搬送精度以前の問題として、熱転写受
像シートを排出する際に紙詰まりが起こりやすいという
欠点がある。

【０００５】熱転写受像シートをゴムローラーと金属ロ
ーラーとで構成されるグリップローラーに挟んで、その
回転により往復運動させるプリンターは、構造が単純な
ので小型化が可能で装置価格も安価となるため、現在で
は最も広く用いられている。このプリンターの場合、グ
リップローラーは、用紙の滑りを防止するゴムローラー
と、その表面にエッチングで形成された高さ４０〜１０
０μｍ程度の微細な突起（以下「スパイク」という）を
熱転写受像シートに食い込ませて精度良く搬送させる金
属ローラーとで構成されている。このグリップローラー
は、元来、図面のジアゾコピーや製図用のプリンター等
のように、熱転写受像シートを往復運動させる必要のな
い単色印字装置に主に用いられていたものであるため、
このグリップローラーを用いたプリンターは、搬送精度
があまり良くなく、熱転写受像シートを往復運動させて
印画すると見当ズレが生じ易かった。ゴムローラーと金
属ローラーの押圧力を大きくすると、往復運動時の搬送
精度は向上するが、金属ローラーのスパイクが熱転写受
像シートに食い込み、スパイク痕を残す。特に、厚さが
薄い熱転写受像シートの場合には、そのスパイク痕が大
きな問題となり、中には熱転写受像シート表面の受像面
にまで貫通するものもあって、カラー印画物の品質低下
をもたらしていた。

【０００６】このような問題を解決するため、従来は、
市販のプリンターの特性、例えばそのプリンターの搬送
精度、その搬送精度を向上させるためのグリップローラ
ーの押圧力、グリップローラーの押圧力を大きくするこ
とにより起こるスパイク痕の程度等を考慮し、各種のプ
リンターのタイプに適合させた熱転写受像シートを供給
していた。例えば、搬送精度を良くするため、グリップ
ローラーの押圧力を大きくしてもスパイクの影響が受像
面に及ばないように、熱転写受像シートを厚くするなど
の対処をしていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各種の
プリンターに適合させた多くの仕様の熱転写受像シート
を供給することは、開発コストおよび製造コストを著し
く増加させる。また、スパイクの影響を小さくするため
に熱転写受像シートを厚くすることは、通常の熱転写受
像シートの好適とされる厚さや層構成が制限され、通常
有している機能、例えば風合い、コシ、光沢等の特性が
制約される場合があった。

【０００８】上記課題を解決するために、本発明の目的
は、各種のプリンターを用いても、熱転写受像シートの
搬送精度が向上し、カラー画像を見当ズレなく形成する
ことができ、また、スパイク痕が受像面に及ばず、画像
品質に及ぼす影響が小さい熱転写受像シートを提供する
ことにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、少なくとも色材受容層と基材から構成さ
れる熱転写受像シートにおいて、該基材が色材受容層側
から、少なくとも内部にミクロボイドを有するプラスチ
ックフィルム、支持体、裏面フィルムの順に構成され、
該裏面フィルムを無延伸ポリオレフィンフィルムとする
ことにより、プリンターでの搬送精度が向上し、カラー
画像を見当ズレなく形成することができ、また、スパイ
ク痕が受像面に及ばず、画像品質に及ぼす影響が小さい
熱転写受像シートを得ることができる。また、前記の裏
面フィルムの厚みが１２μｍ以上４０μｍ以下であるこ
とが好ましい。さらに、前記の裏面フィルムが直鎖状の
低密度ポリエチレンであることが望ましい。前記の支持
体と裏面フィルムとの間に１０μｍ以上のポリオレフィ
ン層を有するものが好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明を実施の形態を挙げ
て更に詳細に説明する。図１は、本発明の熱転写受像シ
ート１０である一つの実施の形態を示す断面図であり、
基材１上に色材受容層２を設け、該基材１が色材受容層
２側から、内部にミクロボイドを有するプラスチックフ
ィルム３、接着層８、支持体４、接着層９、裏面フィル
ム５の順に構成されている。尚、裏面フィルム５は無延
伸ポリオレフィンフィルムである。また、図２は本発明
の熱転写受像シート１０である他の実施の形態を示す断
面図であり、基材１上に色材受容層２を設け、該基材１
が色材受容層２側から、内部にミクロボイドを有するプ
ラスチックフィルム３、接着層８、支持体４、ポリオレ
フィン層６（接着層９）、裏面フィルム５の順に構成さ
れ、また裏面フィルムの表面に裏面層７を設けている。
図２では、ポリオレフィン層６が支持体と裏面フィルム
を接着させる接着層を兼ね備えたものである。尚、プラ
スチックフィルム、接着層、支持体、接着層、ポリオレ
フィン層、裏面フィルムのようにポリオレフィン層と接
着層を別層とすることも可能である。

【００１１】以下に、本発明の熱転写受像シートを構成
する各層の説明を行う。［基材］まず、本発明の熱転写受像シートの基材１につ
いて、説明する。基材１は、少なくとも内部にミクロボ
イドを有するプラスチックフィルム３、支持体４、無延
伸ポリオレフィンフィルムの裏面フィルム５の順に構成
されている。 [支持体]支持体４としては、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムまた
はポリエチレンテレフタレート（以下「ＰＥＴ」とい
う）フィルム等のポリエステルフィルムの単層タイプ、
あるいはこれらを接着層を介して、または介すことなく
二層以上積層した複合フィルムを用いることができる。
また、硬質塩化ビニル、アクリル、塩化ビニリデン等か
らなる樹脂フィルムまたは普通紙、合成紙もしくはセル
ロース紙等を使用することができる。これらのうちセル
ロース紙は、スパイクの食いつきがよいので好ましく用
いられる。セルロース紙の例としては、上質紙、コート
紙、アート紙、キャストコート紙または構成樹脂もしく
はゴムを含浸、塗工、内添した加工紙等が挙げられる。
支持体４の厚さは、その強度および熱転写受像シート全
体の厚さに及ぼす影響等を考慮して、通常３５〜１００
μｍ程度である。

【００１２】［内部にミクロボイドを有するプラスチッ
クフィルム］内部にミクロボイドを有するプラスチック
フィルム３は、フィルム内部に微細空隙を有するプラス
チックシートや合成紙を用いることができる。微細空隙
を有するプラスチックシート又は合成紙としては、ポリ
オレフィン、特にポリプロピレンを主体として、それに
無機顔科及び／又はポリプロピレンと非相溶なポリマー
をブレンドし、これらをボイド作製開始剤として用い、
これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックシート又
は合成紙が好ましい。これらがポリエステル等を主体と
したものの場合には、その粘弾性的あるいは熱的性質か
ら、クッション性、及び断熱性が、ポリプロピレンを主
体としたものに比較して劣るため、印画感度に劣り、か
つ濃度むらなども生じやすい。

【００１３】これらの点を考慮すると、プラスチックシ
ート及び合成紙の２０℃に於ける弾性率は５×１０⁸Ｐ
ａ〜１×１０¹⁰Ｐａが好ましい。また、これらのプラス
チックシートや合成紙は、通常、２軸延伸により成膜さ
れたものである。故に、これらは加熱により収縮する。
これらを１１０℃下で６０秒放置した場合の収縮率は、
０．５％〜２．５％である。上述のプラスチックシート
や合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層であ
っても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層
構成の場合には、その構成する全ての層に微細空隙を含
有しても良いし、微細空隙が存在しない層が存在しても
良い。そして、このプラスチックシートや合成紙には、
必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を混入させても良
い。また、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤
を設けても良い。このような内部にミクロボイドを有す
るプラスチックフィルムの厚さは、５０〜１５０μm程
度のものが好ましく、用いられる。

【００１４】上記の内部にミクロボイドを有するフィル
ムを支持体と貼り合わせ方法としては、例えば、接着層
８、９により接着させる、ドライラミネーション、ノン
ソルベント（ホットメルト）ラミネーション、ＥＣラミ
ネーション方法等の公知の積層方法が使用できるが、好
ましい方法はドライラミネーション及びノンソルベント
ラミネーション方法である。このラミネーションで用い
る接着剤の構成材料としては、ポリアクリル酸エステ
ル、アクリル系共重合体等が挙げられ、必要に応じて補
強剤、可塑剤、充填剤等を添加することができる。ま
た、ノンソルベントラミネーション方法に好適な接着剤
としては、例えば、武田薬品工業株式会社製のタケネー
トＡ−７２０Ｌが挙げられ、ドライラミネーションに好
適な接着剤としては、例えば武田薬品工業株式会社製の
タケラックＡ９６９／タケネートＡ−５（３／１）等が
挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分
で約１〜８ｇ／ｍ²、好ましくは２〜６ｇ／ｍ²の範囲で
ある。また、内部にミクロボイドを有するフィルムとし
ては、支持体上に各種のコーティング法によって微細空
隙を有する層として形成することも可能である。使用す
るプラスチック樹脂としては、ポリエステル、ウレタン
樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等の公知の樹脂を単独或は、複数を
ブレンドして使用することができる。尚、上記のラミネ
ーションは、支持体と裏面フィルムとの貼り合わせ方法
でも同様に行うことができる。

【００１５】［裏面フィルム］熱転写受像シートの裏面
側に裏面フィルム５が位置して、プリンターで搬送時に
グリップローラと接触する部分である。その裏面フィル
ムとして、本発明では無延伸ポリオレフィンフィルムを
用いて、熱転写受像シートと金属ローラーとの滑りを防
止することができる。そのため、カラー画像を形成する
往復運動時において、熱転写受像シートの搬送精度が向
上し、カラー画像を見当ズレなく形成することができ
る。その無延伸ポリオレフィンフィルムは、軟化点が１
１０℃以上が好ましく、金属ローラーのスパイクがよく
食いつき、金属ローラーと熱転写受像シートとの間で滑
りが起こらない。

【００１６】延伸の合成樹脂層はヤング率が高く、硬す
ぎるので、スパイクの食いつきが悪い。そのため、裏面
フィルムを延伸フィルムを用いると、カラー画像形成の
往復運動時に金属ローラーと熱転写受像シートとの間で
滑りが生じて搬送精度が低下し、見当ズレが起こってし
まう。また、軟化点が低すぎるフィルムでは、ワックス
様の性質を有しており、脆くて強度に乏しく、往復運動
時のスパイクの食いつきによって、変形等が起こり易
い。

【００１７】このような軟化点が１１０℃以上の無延伸
ポリオレフィンフィルムとして、特に無延伸ポリプロピ
レンフィルムは、スパイクの食いつきが良く、好まし
い。尚、ポリオレフィンフィルムは、材料が安価であ
り、コスト的にも優れている。また、裏面フィルムとし
て、無延伸ポリオレフィンフィルムの中で、低密度ポリ
エチレンフィルムを用いることで、支持体を芯材とし
て、内部にミクロボイドを有するプラスチックフィルム
と積層した時に、適正なカールバランスや基材としての
剛度を有したものが得られるため、特に好ましく用いら
れる。適度なヤング率と適度な硬さを有しているので、
スパイクの食いつきが良く、金属ローラーの回転時に、
熱転写受像シートと金属ローラーとの間のズレを起こさ
ない。また、ワックスのように脆くないので、スパイク
の食いつきによって裏面フィルムが破壊されることがな
い。

【００１８】裏面フィルムの厚さは、１２μｍ以上４０
μｍ以下であることが好ましい。厚さが１２μｍ未満の
場合は、裏面フィルムへのスパイクの食いつきが不十分
となり、カラー画像形成の往復運動時に金属ローラーと
熱転写受像シートとの間で滑りが生じて搬送精度が低下
し、見当ズレが起こるおそれがある。また、厚さが４０
μｍを超える場合は、裏面フィルムの厚さが大きくな
り、コストアップの原因になる。熱転写受像シートは、
プリンター搬送上や取扱いで、薄さが要求されることが
しばしばあり、裏面フィルムが４０μｍを超えると熱転
写受像シート全体の厚さが厚くなり、要求に応えること
ができない場合がある。そのことも含め、裏面フィルム
の厚さを１２μｍ以上４０μｍ以下に限定した。また、
上記の裏面フィルムと支持体との間に１０μｍ以上のポ
リオレフィン層６を設けた基材が好ましく、用いられ
る。この場合は、裏面フィルムの無延伸ポリオレフィン
フィルムと上記の１０μｍ以上のポリオレフィン層を２
層共押出しで同時に押出しコートして積層したものを使
用することができる。また、裏面フィルムと支持体と
を、１０μｍ以上のポリオレフィン層である接着層で貼
り合わせることも好ましく行われる。

【００１９】裏面フィルムを支持体上に形成する方法と
しては、無延伸ポリオレフィン樹脂層を予めフィルム状
に形成し、その無延伸ポリオレフィン樹脂フィルムを支
持体上にラミネートして形成する方法、調製された塗工
液を塗工して形成する方法または押出しラミネート法の
何れかで形成することができる。これらのうち、押出し
ラミネート法は、無延伸の状態の合成樹脂層を容易に形
成することができると共に、製法的にも既に確立され、
コスト的にも優れているので好ましい。塗工法は、塗工
後の乾燥に時間がかかるのでラインスピードが低下し、
押出しラミネート法より生産性が若干劣るが、実用上好
ましく用いることができる。また、裏面フィルムをラミ
ネートする方法は、受像面の内部にミクロボイドを有す
るプラスチックフィルムを支持体にラミネートすること
と、合わせて行うことにより、基材として、カール変形
の少ない、平坦な基材を作製しやすく、最も実用上、好
ましく行われる。

【００２０】また、熱転写受像シート全体の厚さが、プ
リンターの搬送適性等から１５０〜２５０μｍ程度に収
める必要があり、内部にミクロボイドを有するプラスチ
ックフィルム／支持体／裏面フィルムの層構成におい
て、但し、支持体の表面、裏面には、ラミネート用の接
着層を介在させることもでき、内部にミクロボイドを有
するプラスチックフィルム、支持体、裏面フィルムの各
厚みを調整して、基材全体の厚さと、基材としての剛度
をもたせ、カールを抑えた平面性を有する基材とする。

【００２１】［色材受容層］本発明の色材受容層２は基
材の一方の面に設けるもので、熱転写シートから移行し
てくる昇華性染料を受容し、形成された熱転写画像を維
持するためのものである。色材受容層のバインダー樹脂
として使用される熱可塑性樹脂は、例えば、ポリ塩化ビ
ニル，ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー，
ポリ酢酸ビニル，エチレン酢酸ビニル共重合体，塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体，ポリアクリルエステル，ポ
リスチレン，ポリスチレンアクリルなどのビニル系樹
脂、ポリビニルホルマール，ポリビニルブチラール，ポ
リビニルアセタールなどのアセタール系樹脂、飽和，不
飽和の各種ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、尿素樹脂，メラミン樹脂，ベンゾ
グアナミン樹脂などのポリアミド系樹脂、などがあげら
れる。これらの樹脂は、単独で使用したり、相溶する範
囲内で任意にブレンドして、用いることができる。色材
受容層２と熱転写シートとの熱融着を防止するため、必
要に応じて色材受容層上に離型剤を薄く塗布して離型層
を設けたり、離型剤を色材受容層中に含有させることが
好ましい。

【００２２】離型剤としては、受容層の内部から表面に
ブリードして、受容層表面に容易に離型層を形成するこ
とから、シリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイ
ルとしては、フェニル変性、カルビノール変性、アミノ
変性、アルキル変性、エポキシ変性、カルボキシル変
性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキル
ポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリ
エーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用い
られる。特に、下記化学式で示す変性シリコーンオイル
が、染料層との離型性に優れ、好ましく用いられる。

【化１】（式中、Ａはフェニル基等のアリール基を表し、Ｂはエ
ポキシ変性アルキル鎖を表す。また、ｌ、ｍ、ｎは１以
上の整数を表す。）

【００２３】また、ビニル変性シリコーンオイルとハイ
ドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物や、アミノ
変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオイル
の反応硬化物等の、複数の変性シリコーンオイルを反応
硬化させたり、活性水素を有する変性シリコーンオイル
と活性水素と反応する硬化剤との反応硬化物も用いられ
る。以上のような離型剤の添加量は、受容層固形分に対
し、０．５〜１０質量％が好ましい。受容層にはその他
にも、必要に応じて各種の添加剤を加えることができ
る。受容層の白色度を向上させ転写画像の鮮明度を更に
高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を
添加することができる。また、受容層には可塑剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防
止剤など公知の添加剤を必要に応じて加えることができ
る。

【００２４】上記にあげた樹脂と、上記であげた離型剤
と必要に応じて添加剤等を任意に添加し、溶剤、希釈剤
等で、十分に混練して、受容層塗工液を製造し、これ
を、上記にあげた基材の上に、例えば、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥
して、受容層を構成する。後述する中間層、裏面層等の
塗工も、上記の受容層の形成手段と同様の方法で行われ
る。また、帯電防止性を付与させるために、下記に示す
帯電防止剤を受容層塗工液に、練り込むこともできる。
帯電防止剤；脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エ
ステル、アミド類、４級アンモニウム塩、ベタイン類、
アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加
物など。帯電防止剤の添加量は、樹脂に対し、０．１〜
２．０質量％が好ましい。

【００２５】本発明の熱転写受像シートでは、色材受容
層の塗工量は、乾燥時質量で０．５ｇ／ｍ²〜４．０ｇ
／ｍ²であることが好ましい。塗工量が乾燥時質量で
０．５ｇ／ｍ²未満では、例えば、基材上に直接、色材
受容層を設けた場合には、基材の剛性等の要因でサーマ
ルヘッドとの密着が不十分なためハイライト部の画像が
ざらついてしまうという問題がある。この問題は、クッ
ション性を付与する中間層を設けることで回避すること
ができるが、色材受容層の傷つきに対して弱くなる。ま
た、高エネルギーを印加したときの表面の荒れかたは、
色材受容層の塗工量が増加すると相対的に悪くなる傾向
があり、塗工量が、乾燥時質量で４．０ｇ／ｍ²を上限
にすることが好ましい。以下本発明の塗工量（ないし塗
布量）は、特に断りのない限り、乾燥時質量で、固形分
換算の数値である。

【００２６】[中間層]中間層は、必ずしも必要とはされ
ないが、熱転写受像シートに種々の特性を付与するため
に、基材１と色材受容層２との間に設けることができ
る。例えば、層間の接着性、白色度、クッション性、帯
電防止性、反対面側の画像等を遮る隠蔽性などの特性を
中間層によって付与できる。中間層としては、従来公知
の中間層の中から適当なものを選んで用いることができ
る。中間層としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の硬
化剤その他の手法を用いて、形成することができる。具
体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオ
レフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート、アイオノマー、単官能及び／又は多官能水酸基含
有のプレポリマーをイソシアネート等で硬化させた樹脂
等を使用することができる。これらの樹脂には、必要に
応じて白色性や隠蔽性等の機能を付与するために、酸化
チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムその他公知の無
機顔料や有機フィラー、蛍光増白剤等の添加剤を加える
ことができる。その塗布厚みは乾燥状態で０．５〜３０
μｍ程度が好ましい。

【００２７】（裏面層）基材の色材受容層を設けた面と
反対の面に、熱転写受像シートの搬送性の向上や、カー
ル防止などのために、裏面層７を設けることができる。
このような機能をもつ裏面層として、アクリル系樹脂、
セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハ
ロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、アクリ
ル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラ
ー、ポリエチレンワックスなどの有機系フィラー、及び
二酸化珪素や金属酸化物などの無機フィラーを加えたも
のが使用できる。この裏面層として、上述の樹脂を硬化
剤により硬化したものを使用することがさらに好まし
い。硬化剤としては、一般的に公知のものが使用できる
が、中でもイソシアネート化合物が好ましい。裏面層樹
脂はイソシアネート化合物などと反応しウレタン結合を
形成して硬化・立体化することにより、耐熱保存性、耐
溶剤性が向上し、さらには、基材シートとの密着も良く
なる。硬化剤の添加量は、樹脂１反応基当量に対して、
１乃至２が好ましい。１未満であると、硬化終了するま
での時間が長くかかり、また、耐熱性、耐溶剤性が悪く
なる。また、２より大きいと、成膜後に経時変化が起こ
ったり、裏面層用塗工液の寿命が短いという不具合が生
じる。

【００２８】さらに、上記裏面層中には、添加剤とし
て、有機フィラーまたは無機フィラーを添加しても良
い。これらのフィラーの働きで、プリンター内での熱転
写受像シートの搬送性が向上し、また、ブロッキングを
防ぐなど熱転写受像シートの保存性も向上する。有機フ
ィラーとして、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィ
ラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックスなどが
あげられる。この中では、特にポリアミド系フィラーが
好ましい。また、無機フィラーとして、二酸化珪素や金
属酸化物などがあげられる。ポリアミド系フィラーとし
ては、分子量が１０万乃至９０万で、球状であり、平均
粒子径が０．０１乃至３０μｍが好ましく、特に分子量
が１０万乃至５０万で、平均粒子径が０．０１乃至１０
μｍがより好ましい。また、ポリアミド系フィラーの種
類では、ナイロン６やナイロン６６と比較して、ナイロ
ン１２フィラーが耐水性に優れ、吸水による特性変化が
ないためより好ましい。

【００２９】ポリアミド系フィラーは、高融点で熱的に
も安定であり、耐油性、耐薬品性なども良く、染料によ
って染着されにくい。また、分子量が１０万乃至９０万
であると磨耗することもほとんどなく、自己潤滑性があ
り、摩擦係数も低く、擦れる相手を傷つけにくい。ま
た、好ましい平均粒子径は、反射画像用熱転写受像シー
トの場合、０．１乃至３０μｍである。粒子径が小さす
ぎると、フィラーが裏面層中に隠れてしまい、十分な滑
り性の機能が発現され難くなる傾向がみられ、また、粒
子径が大きすぎると、裏面層からの突出が大きくなり、
結果的に摩擦係数を高めたり、フィラーの欠落を生じる
傾向があるので、好ましくない。裏面層の樹脂に対する
フィラーの配合比率は、０．０１質量％乃至２００質量
％の範囲が好ましい。反射画像用熱転写受像シートの場
合は、１質量％乃至１００質量％がより好ましく、透過
画像用熱転写受像シートの場合は、０．０５質量％乃至
２質量％がより好ましい。フィラーの配合比率が０．０
１質量％未満の場合には、滑り性が不十分であり、プリ
ンターの給紙時などで紙詰まりなどの支障をきたす傾向
が生じる。また、２００質量％を越える場合には、滑り
すぎて印字画像に色ずれなどが生じやすくなるため、好
ましくない。

【００３０】熱転写受像シートの受容層面もしくは裏
面、または両面の最表面に帯電防止層を設けてもよい。
帯電防止層は、帯電防止剤である、脂肪酸エステル、硫
酸エステル、リン酸エステル、アミド類、４級アンモニ
ウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エ
チレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解又は分散させた
ものを塗工して、形成することができる。帯電防止層の
塗工量は、乾燥時０．００１〜０．１ｇ／ｍ²が好まし
い。

【００３１】

【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて、本発明を
さらに具体的に説明する。尚、文中部または％とあるの
は質量基準である。（実施例１）３９μｍ厚の内部にミクロボイドを有する
ポリプロピレンフィルム（東洋紡績（株）製、トヨパー
ルＳＳＰ４２５５）に、プライマー層を乾燥時で１ｇ
／ｍ ²（三井化学（株）製、ユニトールＰ８０１）を
形成し、そのプライマー層の上に、実施例１で使用した
色材受容層を塗工量が乾燥時で３ｇ／ｍ²に塗布、乾燥
した後、色材受容層を形成した面とは反対側の面に実施
例１で使用した接着剤を塗工量が乾燥時で４ｇ／ｍ²に
塗布、乾燥し、支持体であるコート紙（日本加工製紙
（株）製、ＮＫハイコート１２７．９ｇ／ｍ²）と貼着
する。そして、上記コート紙の他方の面と、裏面フィル
ムとして４０μｍ厚のポリエチレンフィルム（東洋紡績
（株）製、Ｌ６１０１、無延伸の直鎖状の低密度ポリエ
チレンフィルム）を、上記の接着剤と同様のものを用い
て、塗工量を乾燥時４ｇ／ｍ²で貼り合わせ、実施例１
の熱転写受像シートを製造した。但し、４０μｍ厚のポ
リエチレンフィルムの接着剤層側と反対側には、下記組
成の裏面層を塗工量が乾燥時２．５ｇ／ｍ²で、予め形
成しておく。

【００３２】（色材受容層塗工液）ポリエステル樹脂（東洋紡績（株）製、バイロン２００）２０部シリコーンオイル（信越化学工業（株）製、Ｘ−２２−３０００Ｔ）２部トルエン３９部メチルエチルケトン３９部

【００３３】（接着剤層塗工液）多官能ポリオール３０部（武田薬品工業（株）製、タケラックＡ−９６９Ｖ）イソシアネート１０部（武田薬品工業（株）製、タケネートＡ−５）酢酸エチル６０部

【００３４】（裏面層塗工液）アクリル樹脂（三菱レイヨン（株）製、ＢＲ−８５）
１０部テフロン（登録商標）フィラー（ダイキン工業（株）
製、ルブロンＬ−５）０．１部メチルエチルケトン／トルエン（質量混合比１／１）
８９．９部

【００３５】（実施例２）実施例１の熱転写受像シート
において、基材の裏面フィルムを２０μｍ厚のポリエチ
レンフィルム（東洋紡績（株）製、Ｌ６１０１、無延伸
の直鎖状の低密度ポリエチレンフィルム）に変更した以
外は、実施例１と同様にして、実施例２の熱転写受像シ
ートを製造した。

【００３６】（実施例３）３９μｍ厚の内部にミクロボ
イドを有するポリプロピレンフィルム（東洋紡績（株）
製、トヨパールＳＳＰ４２５５）に、プライマー層を
乾燥時で１ｇ／ｍ ²（三井化学（株）製、ユニトール
Ｐ８０１）を形成し、そのプライマー層の上に、実施例
１で使用した組成の色材受容層を塗工量が乾燥時で３ｇ
／ｍ²に塗布、乾燥した後、色材受容層を形成した面と
は反対側の面に、実施例１で使用した接着剤を塗工量が
乾燥時で４ｇ／ｍ²に塗布、乾燥し、支持体であるコー
ト紙（日本加工製紙（株）製、ＮＫハイコート１２７．
９ｇ／ｍ²）と貼着する。そして、上記コート紙の他方
の面と、裏面フィルムとして２０μｍ厚のポリエチレン
フィルム（東洋紡績（株）製、Ｌ６１０１、無延伸の直
鎖状の低密度ポリエチレンフィルム）を、低密度ポリエ
チレン樹脂（ＬＤＰＥ）を押出しコーティング法によ
り、ＬＤＰＥ層を１５μm積層することで、支持体と裏
面フィルムを貼り合せ、実施例３の熱転写受像シートを
製造した。但し、２０μｍ厚のポリエチレンフィルムの
接着剤層側と反対側には、実施例１で使用した組成の裏
面層を塗工量が乾燥時２．５ｇ／ｍ²で、予め形成して
おく。

【００３７】（実施例４）実施例１の熱転写受像シート
において、基材の裏面フィルムを６０μｍ厚のポリエチ
レンフィルム（東洋紡績（株）製、Ｌ６１０１、無延伸
の直鎖状の低密度ポリエチレンフィルム）に変更した以
外は、実施例１と同様にして、実施例４の熱転写受像シ
ートを製造した。

【００３８】（比較例１）３９μｍ厚の内部にミクロボ
イドを有するポリプロピレンフィルム（東洋紡績（株）
製、トヨパールＳＳＰ４２５５）に、プライマー層を
乾燥時で１ｇ／ｍ ²（三井化学（株）製、ユニトール
Ｐ８０１）を形成し、そのプライマー層の上に、実施例
１で使用した組成の色材受容層を塗工量が乾燥時で３ｇ
／ｍ²に塗布、乾燥した後、色材受容層を形成した面と
は反対側の面に、実施例１で使用した接着剤を塗工量が
乾燥時で４ｇ／ｍ²に塗布、乾燥し、支持体であるコー
ト紙（日本加工製紙（株）製、ＮＫハイコート１２７．
９ｇ／ｍ²）と貼着する。そして、上記コート紙の他方
の面に、ポリエチレン樹脂を押出しコーティング法によ
り、裏面フィルムとしてＰＥＥＣ層を１５μm積層し、
比較例１の熱転写受像シートを製造した。但し、裏面フ
ィルムの支持体側と反対側には、実施例１で使用した組
成の裏面層を塗工量が乾燥時２．５ｇ／ｍ²で、形成し
ておく。

【００３９】（比較例２）比較例１の熱転写受像シート
において、基材の裏面フィルムとしてポリプロピレン樹
脂を押出しコーティング法により、ＰＰＥＣ層を１５μ
m積層した以外は、比較例１と同様にして、比較例２の
熱転写受像シートを製造した。

【００４０】（比較例３）比較例２の熱転写受像シート
において、基材の裏面フィルムとしてポリプロピレン樹
脂を押出しコーティング法により、ＰＰＥＣ層を３５μ
m積層した以外は、比較例２と同様にして、比較例３の
熱転写受像シートを製造した。

【００４１】（比較例４）３９μｍ厚の内部にミクロボ
イドを有するポリプロピレンフィルム（東洋紡績（株）
製、トヨパールＳＳＰ４２５５）に、プライマー層を
乾燥時で１ｇ／ｍ ²（三井化学（株）製、ユニトール
Ｐ８０１）を形成し、そのプライマー層の上に、実施例
１で使用した組成の色材受容層を塗工量が乾燥時で３ｇ
／ｍ²に塗布、乾燥した後、色材受容層を形成した面と
は反対側の面に、実施例１で使用した接着剤を塗工量が
乾燥時で４ｇ／ｍ²に塗布、乾燥し、支持体であるコー
ト紙（日本加工製紙（株）製、ＮＫハイコート１２７．
９ｇ／ｍ²）と貼着する。そして、上記コート紙の他方
の面と、裏面フィルムとして３９μｍ厚の内部にミクロ
ボイドを有するポリプロピレンフィルム（東洋紡績
（株）製、トヨパールＳＳＰ４２５５）を、実施例１で
使用した接着剤と同様のものを用いて、塗工量を乾燥時
４ｇ／ｍ²で貼り合わせ、比較例４の熱転写受像シート
を製造した。但し、４０μｍ厚のポリエチレンフィルム
の接着剤層側と反対側には、下記組成の裏面層を塗工量
が乾燥時２．５ｇ／ｍ²で、予め形成しておく。

【００４２】（比較例５）比較例４の熱転写受像シート
において、基材の裏面フィルムを μｍ厚の内部にミ
クロボイドを有するポリプロピレンフィルム（東洋紡績
（株）製、トヨパールＳＳＰ２１０１）に変更した以
外は、比較例５と同様にして、比較例５の熱転写受像シ
ートを製造した。

【００４３】以上の実施例と比較例の熱転写受像シート
において、以下の条件にて熱転写による画像を形成し
た。イエロー、マゼンタ及びシアンの３色の染料層を面
順次に有する、三菱電機株式会社製ＣＰ−７０００用熱
転写シートと、上記の各熱転写受像シートとを用いて、
三菱電機株式会社製ＣＰ−７０００熱転写プリンターに
て、テストパターンのカラー画像を形成した。但し、上
記プリンターは、熱転写受像シートをグリップローラ
ー、すなわちゴムローラーと、その表面にエッチングで
形成された微細な突起（スパイク）を熱転写受像シート
に食い込ませて搬送させる金属ローラーとで構成されて
いるものである。

【００４４】上記の画像形成条件により得られた画像形
成物において、以下に示す方法で、搬送性の評価を行っ
た。また、実施例及び比較例で作製した熱転写受像シー
トを、下記方法にて、耐カール性の評価を行った。

【００４５】（評価方法）（搬送性）上記の画像形成条件により得られた画像形成
物において、イエローの印画位置に対して、マゼンタ、
シアンの印画位置のずれ量をマイクロスコープで拡大し
て測定し、評価した。その評価の判断基準は以下の通り
である。 ○：ずれ量が１００μｍ未満であり、搬送性が良好であ
る。 △：ずれ量が１００μｍ以上２００μｍ未満であり、搬
送性がほぼ良好である。 ×：ずれ量が２００μｍ以上であり、搬送性が不良であ
る。

【００４６】（耐カール性）実施例及び比較例で得られ
た熱転写受像シートをＡ６サイズに切断し、但し、連続
状の熱転写受像シートの流れ方向に、Ａ６サイズの長辺
が位置するように切断し、０℃環境、２５℃８０％ＲＨ
環境、４０℃９０％ＲＨ環境に放置し、各環境下で４日
間保存し、試料を平面上に１枚置き、４隅のカールした
高さを、肉眼で測定した。４隅の高さの平均をカール高
さとした。その評価の判断基準は以下の通りである。 ○：カール高さが各環境下で１２ｍｍ未満であり、耐カ
ール性が良好である。 △：カール高さが１２ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、耐
カール性がほぼ良好である。 ×：カール高さが１５ｍｍ以上であり、耐カール性が不
良である。

【００４７】評価結果を下記表１に示す。

【表１】

【００４８】

【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写受像シート
によれば、少なくとも色材受容層と基材から構成される
熱転写受像シートにおいて、該基材が色材受容層側か
ら、少なくとも内部にミクロボイドを有するプラスチッ
クフィルム、支持体、裏面フィルムの順に構成され、該
裏面フィルムを無延伸ポリオレフィンフィルムとするこ
とにより、プリンターでの搬送精度が向上し、カラー画
像を見当ズレなく形成することができ、また、スパイク
痕が受像面に及ばず、画像品質に及ぼす影響が小さい熱
転写受像シートを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写受像シートである一つの実施形
態を示す断面図である。

【図２】本発明の熱転写受像シートである他の実施形態
を示す断面図である。

【符号の説明】

１基材２色材受容層３内部にミクロボイドを有するプラスックフィル
ム４支持体５裏面フィルム６ポリオレフィン層７裏面層８、９接着層１０熱転写受像シート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者大嶋克之東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号大日本印刷株式会社内Ｆターム(参考） 2H111 AA26 AA27 AA42 CA03 CA04 CA05 CA11 CA13 CA30 CA41 CA45

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも色材受容層と基材から構成さ
れる熱転写受像シートにおいて、該基材が色材受容層側
から、少なくとも内部にミクロボイドを有するプラスチ
ックフィルム、支持体、裏面フィルムの順に構成され、
該裏面フィルムが無延伸ポリオレフィンフィルムである
ことを特徴とする熱転写受像シート。
【請求項２】前記の裏面フィルムの厚みが１２μｍ以
上４０μｍ以下であることを特徴とする請求項１に記載
する熱転写受像シート。
【請求項３】前記の裏面フィルムが直鎖状の低密度ポ
リエチレンであることを特徴とする請求項１に記載する
熱転写受像シート。
【請求項４】前記の支持体と裏面フィルムの間に１０
μｍ以上のポリオレフィン層を有することを特徴とする
請求項１に記載する熱転写受像シート。