JP2000116594A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2000116594A JP10289644A JP28964498A JP2000116594A JP 2000116594 A JP2000116594 A JP 2000116594A JP 10289644 A JP10289644 A JP 10289644A JP 28964498 A JP28964498 A JP 28964498A JP 2000116594 A JP2000116594 A JP 2000116594A
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秀俊 齋藤
Masaichi Higuma
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泰行 二木
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孝浩 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧蒸気滅菌時等、内視鏡が高温下、或いは、
陰圧下に曝された際、可撓管が破裂することを防止した
内視鏡を提供すること。 【解決手段】可撓管部13は、螺旋管15と、網状管1
6と、柔軟なエラストマーからなる外皮17とで構成さ
れている。折れ止め21は、ゴム部材で形成されてお
り、外皮14の外表面を締め付けるように配置されてい
る。この折れ止め20によって被われている可撓管部1
3には、内孔13aと外部とを連通する通気孔18が形
成してある。この通気孔18の外部側開口は折れ止め2
0によって塞がれている。そして、内視鏡1の内部空間
の空気が膨張していくと、内部の空気は通気孔18を通
って折れ止め20を押圧する。すると、この折れ止め2
0の内周面と可撓管部13の外周面との間に隙間が形成
され、この隙間を通って空気が外部に漏れ出て、可撓管
部13を一定の膨張状態に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用後の滅菌をオ
ートクレーブ装置で行う挿入部が軟性な内視鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療分野で使用される内視鏡は、内視鏡
挿入部を体腔内に挿入して、臓器などを観察したり、内
視鏡の処置具チャンネル内に挿入した処置具を用いて、
各種治療や処置を行う。このため、一度使用した内視鏡
や処置具を他の患者に再使用する場合、内視鏡や処置具
を介しての患者間感染を防止する必要から、検査・処置
終了後に洗滌、消毒を行わなければならなかった。
【0003】これら内視鏡及びその附属品の消毒滅菌処
理としてはエチレンオキサイドガス(EOG)等のガス
や、消毒液を使用していた。しかし、周知のように滅菌
ガス類は、猛毒であり、滅菌作業の安全を確保するため
に作業行程が煩雑になるという問題があった。また、滅
菌後に、機器に付着したガスを取り除くためのエアレー
ションに時間がかかるので、滅菌後、直ちに機器を使用
することができないという問題があった。さらに、ラン
ニングコストが高価になるという問題があった。
【0004】一方、消毒液の場合には、消毒薬液の管理
が煩雑であり、消毒液を廃棄処理するために多大な費用
がかかるという問題があった。
【0005】近年では、煩雑な作業を伴わず、滅菌後直
ちに使用が可能で、ランニングコストが安価なオートク
レーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡機器の消毒滅菌処
理の主流になりつつある。
【0006】このオートクレーブ滅菌は、一般滅菌とも
いわれ、滅菌行程の前に真空にし、高温水蒸気で細部ま
で短時間で滅菌し、滅菌行程終了後に乾燥のために真空
にするものであり、米国規格ANSI/AAMIST3
7−1992には滅菌行程において約2気圧、132℃
で4分間さらすように規定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気密を
確保した内視鏡や一般的な水密を確保した内視鏡では、
高温下、或いは陰圧下に曝したとき、前記内視鏡本体内
部が陽圧であることにより内視鏡内部の空気が膨張し、
例えば可撓管を構成する他の部材に比べて内圧に対して
弱い部材である外皮が破裂するおそれがあった。これ
は、実公平5−19043号公報に示されているよう
に、前記可撓管が、弾性帯状板をスパイラル状に巻いた
螺旋管と、この螺旋管の外側に設けられる網管と、この
網管の外側全周にわたり被着される外皮とで構成されて
いるためである。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、高圧蒸気滅菌時等、内視鏡が高温下、或いは、陰
圧下に曝された際、圧力に対して弱い部材が破裂するこ
とを防止した可撓管を有する内視鏡を提供することを目
的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡は、柔軟
な可撓管と、この可撓管と他部材との連結部に設けた弾
性を有する折れ止めとを備えた内視鏡であって、前記可
撓管は、前記折れ止めによって被われる部分に、この可
撓管の内部空間と外部とを連通する少なくとも1つの貫
通穴を有している。
【0010】この構成によれば、内視鏡を例えば高圧蒸
気滅菌のために、高温下、或いは、陰圧下に曝して、内
視鏡内部の空気が一定量まで膨張したとき、内部の膨張
した空気が、折れ止めの内周面側に位置する可撓管の貫
通穴を通って、折れ止めを押し広げるように作用する。
そして、この折れ止めの内周面と可撓管の外周面との間
に形成された隙間を通って、空気が外部に漏れ出てい
く。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1及び図2は本発明の一実施形
態に係り、図1は内視鏡の構成を説明する斜視図、図2
は折れ止めによって覆われている部分における可撓管の
構成を示す断面図である。
【0012】図1に示すように本実施形態の内視鏡1
は、体腔内に挿入される細長で柔軟性を有する挿入部2
と、この挿入部2の基端側に設けられる操作部3と、こ
の操作部3の外周面に一端を連結した細長で柔軟な少な
くともライトガイドファイバーを内挿するユニバーサル
ケーブル4と、このユニバーサルケーブル4の他端に設
けられ、図示しない光源装置に着脱自在な光源用コネク
タ5と、この光源用コネクタ5から分岐する細長で柔軟
な電気信号を伝送する信号線を挿通するカメラケーブル
6と、このカメラケーブル6の端部に設けられ、図示し
ないカメラコントロールユニットに着脱自在なカメラコ
ネクタ7とで主に構成されている。
【0013】前記挿入部2は、先端側から順に、硬質部
材で形成した先端硬質部11、複数の湾曲コマを連接し
て例えば上下方向に湾曲動作する湾曲部12、柔軟な軟
性部材で形成した可撓管である可撓管部13を連接して
構成されている。
【0014】前記可撓管13の、前記操作部3を構成す
る本体部材に連結固定される、基端部には、連結部分を
保護する弾性を有する部材で形成された折れ止め20が
被せられている。また、前記ユニバーサルケーブル4の
操作部3及び光源用コネクタ5との連結部である両端部
にもそれぞれ折れ止め21,22が被せられており、前
記カメラケーブル6の光源用コネクタ5及びカメラコネ
クタ7との連結部である両端部にも折れ止め23,24
が被せられている。
【0015】なお、前記操作部3には前記湾曲部12を
所望の方向に湾曲させるための操作レバー3aが設けら
れており、この操作レバー3aを操作することによっ
て、前記湾曲部12の先端に配置されている図示しない
湾曲駒に連結されている操作ワイヤを牽引して湾曲部1
2を湾曲させ、先端硬質部11の先端面を所望の方向に
向けることができるようになっている。
【0016】図2に示すように前記可撓管部13は、内
周側から順にステンレスなど金属製の弾性帯状板をスパ
イラル状に巻いて形成した螺旋管15と、この螺旋管1
5の外側に配置されたステンレス線又はタングステン線
などの金属線を編組して形成した網状管16と、この網
状管16の外側に被着される柔軟なエラストマーからな
る外皮17とで構成されている。
【0017】前記折れ止め21は、例えばゴム部材で形
成されており、外皮14の外表面を締め付けるように配
置される。すなわち、前記折れ止め21の先端部分の内
径寸法は、前記可撓管部13基端部の外径寸法よりも小
さく設定してあるので、折れ止め21の締め付け力によ
って内周面が前記外皮14の外表面に密着した状態にな
っている。このため、この折れ止め21の外部に触れた
流体が、前記外皮14の外周面と折れ止め21の内周面
との間から侵入することを防止している。
【0018】この折れ止め20によって被われている可
撓管部13には、この可撓管部13の内部空間である内
孔13aと、可撓管部13外部とを連通する少なくとも
1つの貫通穴である通気孔18が形成してある。この通
気孔18は、前記網状管16及び外皮17を貫通してお
り、この通気孔18の外部側開口は前記折れ止め20に
よって塞がれている。
【0019】なお、前記ユニバーサルケーブル4に設け
られる折れ止め21,22及び前記カメラケーブル6に
設けられる折れ止め23,24も前記折れ止め20と同
様に構成されている。
【0020】また、前記可撓管部13の内部空間に操作
部3の内部空間介して連通する内部空間を有するユニバ
ーサルケーブル4の折れ止め21,22によって覆われ
る両端部や、前記ユニバーサルケーブル4の内部空間に
光源用コネクタ5の内部空間を介して連通する内部空間
を有するカメラケーブル6の折れ止め23,24によっ
て覆われる両端部にはそれぞれ上述した通気孔18と同
様の通気孔が形成してある。
【0021】上述のように構成した内視鏡1の作用を説
明する。使用後の内視鏡1を高圧蒸気滅菌をするため、
例えば高温下、或いは、陰圧下に曝すと内視鏡1の内部
空間の空気が膨張していく。このとき、内視鏡1の内部
空間の空気がある一定量まで膨張すると、内部の空気は
通気孔18を通って弾性を有する部材で形成されている
折れ止め20を押圧する。すると、この折れ止め20の
内周面と可撓管部13の外周面との間に隙間が形成さ
れ、この隙間を通って空気が外部に漏れ出て、一定の膨
張状態に保持される。
【0022】なお、通気孔の開口は、内部空間の空気が
膨張していない通常状態では折れ止めの内周面が密着し
て塞がれているので、内視鏡を薬液などの流体中に浸漬
させた場合でも内部に流体等が侵入しない。
【0023】このように、可撓管の、弾性を有する折れ
止めによって覆われる部分に、この可撓管の内部空間と
外部とを連通する通気孔を形成したことにより、高圧蒸
気滅菌時等、内視鏡が高温下、或いは、陰圧下に曝され
て内部空間の空気が膨張したとき、この膨張した空気に
よって押し広げられて形成される折れ止めと可撓管との
隙間から空気が漏れ出て可撓管の外皮が破裂することを
防止することができる。
【0024】なお、前記内視鏡が操作部に接眼部を設け
た、いわゆる光学式内視鏡の場合には前記カメラケーブ
ルは不要であり、前記光源用コネクタの側部には前記カ
メラケーブルは備えられていない。
【0025】また、前記可撓管部13の外皮17を耐熱
性を有するシリコン系樹脂で形成する場合、このシリコ
ン系樹脂で形成した外皮の内径寸法を、組立上、網状管
の外径寸法より小さく設定することができない。このた
め、外皮17の網状管16に対する締め付け力量が小さ
くなってしまい、このことにより、この外皮17が網状
管いるゆるに対して軸方向や周方向に位置ずれするおそ
れがある。これを防止するため、図3に示すように網状
管16の外周面に対して外皮17の締め付け力量を増大
させるための突起部40を1つ以上形成している。
【0026】この突起部40としては、例えば図に示す
リング状部材41を半田や接着剤などの固定部材42で
固定したものである。前記リング状部材41は、内径寸
法を前記網状管16の外径寸法と略同一に形成してあ
る。なお、前記突起部40を形成する部材は前記リング
状部材41に限定されるものではなく、網状管16の外
周面より突出する突起部40を形成するように構成され
るものであればよい。
【0027】このことにより、耐熱性を有するシリコン
系樹脂で形成した外皮が網状管に対して軸方向や周方向
に位置ずれすることが防止されるとともに、オートクレ
ーブ滅菌時に内視鏡が高温下に曝された際外皮が熱によ
って劣化することが防止される。
【0028】ところで、従来の内視鏡では、湾曲部を湾
曲操作する操作レバーなどの摺動部にグリースを塗布し
ていた。しかし、摺動部にグリースを塗布した内視鏡を
オートクレーブ滅菌装置で滅菌すると、熱によってグリ
ースが溶け出して外観が悪くなるという問題があった。
また、摺動部に塗布したグリースが溶け出すことによっ
て、摺動部の抵抗が大きくなるという問題があった。こ
のため、オートクレーブ滅菌装置で滅菌した場合でも操
作部の見栄えが悪くなったり、摺動部の摺動性が悪化す
ることのない内視鏡が望まれていた。
【0029】図4は操作部の操作レバーの概略構成を説
明する図である。図に示すように操作部3に設けられて
いる操作レバー3aは、前記本体部材31に形成されて
いる透孔31aに回動自在に配設される軸部32の一端
部に螺合固定されている。この軸部32の他端部にはワ
イヤ33の一端部を接続固定したドラム部34が螺合固
定されている。
【0030】前記透孔31aの内周面には、例えば、フ
ッ素樹脂、硫化化合物、カーボン、窒化化合物で形成さ
れた固体潤滑部材35が配置されている。前記フッ素樹
脂は、例えばPTFEパウダーでもよい。前記硫化化合
物は、例えば二硫化モリブデン、二硫化タングステンで
もよい。前記カーボンは、例えば人工黒鉛でもよい。前
記窒化化合物は、例えば窒化ホウ素でもよい。一方、前
記軸部32の外周面には前記固体潤滑部材35と同様な
固体潤滑部材36が配置されている。すなわち、前記軸
部32と本体部材31とはそれぞれの部材31,32に
配置した固体潤滑部材35,36を介して回動自在に構
成されている。
【0031】また、前記固体潤滑部材36を配置した軸
部32の外周面にはOリング37を配するためのOリン
グ溝32aが形成してある。このOリング溝32aに嵌
め込まれたOリング37が本体部材31の透孔31aの
内周面に密着することによって操作部3内部の水密を確
保している。
【0032】上述のように構成されている操作レバー3
aを、本体部材31に対して回動させると、この操作レ
バー3aの操作に追従して軸部32及びドラム部34が
回動してワイヤ33が牽引され、前記湾曲部12が湾曲
動作する。このとき、透孔31aの内周面及び軸部32
の外周面に固体潤滑部材35,36が設けられているの
で、本体部材31と軸部32との間の摺動抵抗は小さ
い。また、内視鏡を高温下に曝したばあいでも固体潤滑
部材35,36が溶けることはない。
【0033】このように、摺動部にグリースを塗布する
代わりに、固体潤滑部材を配置したことにより、高圧蒸
気滅菌の際に、グリースが溶け出して発生する、外観の
不具合や摺動性の低下を防止することができる。
【0034】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0035】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0036】(1)可撓管と、この可撓管と他部材との
連結部に設けた弾性を有する折れ止めとを備えた内視鏡
において、前記可撓管の、前記折れ止めによって被われ
る部分に、この可撓管の内部空間と外部とを連通する少
なくとも1つの貫通穴を有する内視鏡。
【0037】(2)前記可撓管は、内視鏡の挿入部を構
成する可撓管部である付記1記載の内視鏡。
【0038】(3)前記可撓管は、内部に少なくともラ
イトガイドファイバーが挿通するユニバーサルケーブル
である付記1記載の内視鏡。
【0039】(4)前記可撓管は、内部に電気信号を伝
送する信号線が挿通するカメラケーブルである付記1記
載の内視鏡。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
圧蒸気滅菌時等、内視鏡が高温下、或いは、陰圧下に曝
された際、圧力に対して弱い部材が破裂することを防止
した可撓管を有する内視鏡を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1及び図2は本発明の一実施形態に係り、図
1は内視鏡の構成を説明する斜視図
【図2】折れ止めによって覆われている部分における可
撓管の構成を示す断面図
【図3】シリコン系樹脂で形成した外皮に対する網状管
の構成例を示す図
【図4】操作部の操作レバーの概略構成を説明する図
【符号の説明】
13…可撓管部 13a…内孔 15…螺旋管 16…網状管 17…外皮 18…通気孔 20…折れ止め
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 羊介 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 齋藤 秀俊 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 樋熊 政一 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 二木 泰行 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 岸 孝浩 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 剛明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H040 BA24 DA03 DA15 DA16 DA21 4C061 AA00 BB00 CC00 DD03 FF22 FF24 GG09 JJ03 JJ11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟な可撓管と、この可撓管と他部材と
    の連結部に設けた弾性を有する折れ止めとを備えた内視
    鏡において、 前記可撓管は、前記折れ止めによって被われる部分に、
    この可撓管の内部空間と外部とを連通する少なくとも1
    つの貫通穴を有することを特徴とする内視鏡。
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