JPS6337921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内視鏡をE.O.G（C₂H₄O）による消
毒時に用いる破裂防止管に関する。

近時、使用済の内視鏡の外側および鉗子導入管
や鉗子操作ワイヤー案内管等の内蔵管内の洗浄、
消毒が厳格に行なわれるようになつて来た。そし
てこの洗浄、消毒は自動機で行なわれることが多
いために内視鏡は全体が水密および気密構造とな
つているものが主流となつて来ている。

このように水密および気密構造になつている内
視鏡を消毒する方法として種々の方法があるが、
その１つに近時E.O.Gによる消毒がある。これ
は、ガス室内に内視鏡を納めてガス室内を陰圧に
し、それによつて内視鏡内蔵管内の空気も抜き、
次にこのガス室内にE.O.Gを入れて充満させるこ
とにより内視鏡の外側と共に内蔵管内にもE.O.G
を入れて消毒を行なうものである。

しかし、この消毒過程において、ガス室内を陰
圧にしたときに、内視鏡の可撓管部特に先部にあ
るアングル部の軟質外被が内圧によつてふくらん
でしまい、ひどい場合には破裂してしまうことが
ある。

本考案は上記の欠点を解決することを目的と
し、すべりのよい材質により周面に通気孔をあけ
た管体を作成し、内視鏡の可撓管部をこの管体内
に挿入してガス室内に納めることによりガス室内
を急激に陰圧にしたとき可撓管部の過度の膨張を
防止して破裂を無くすようにしたことを特徴とす
る。

以下に本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は使用状態を示す側面図であり、１は内
視鏡であつて柄部２およびそれに続く可撓管部３
とライトガイドコード４等から成立つており、可
撓管部３の先部には通常アングル部があつて柔軟
な外被５で被われている。

６は破裂防止管であつてすべりの良い質例えば
テフロン等でできており、その内径は可撓管部３
があそびをもつて挿入でき、しかも内壁と可撓管
部３の外周面との間に形成できる隙間Ｓがあまり
大きくならない程度となつている。そして周面に
は複数個の通気穴７があけられており、外気およ
びガスが管体内に自由に出入できるようになつて
いる。また、長さは可撓管部３全長が入り、後端
が柄部２に係止し得るようになつており、例えば
第３図に示す如く後端部が肉厚となつている
か、第３図に示す如く内側に係止溝を有して、
内視鏡外周に突条を形成しておいてもよく、さら
には第３図に示す如く係止溝と突条の状態を上
記とは逆にしておいてもよく、その他種々の形態
が考えられ、そのどれでもよい。

なお、破裂防止管を例えば通気性の小孔を有す
る素材で製造した場合には通気孔を穿設する必要
は無い。

以上の構成を有する破裂防止管によると、破裂
防止管６内に可撓管部３を挿入して破裂防止管６
を柄部２に係止して一体とした状態にしてE.O.G
のガス室内に納める。

そして、一旦ガス室内を陰圧にするが、その際
可撓管部３特にアングル部の外被５は外部の急激
な圧力低下によつて点線で示す如くふくらむが、
そのふくらみは破裂防止管６の内径内で留まり、
その結果外被５が破裂するようなことはない。さ
らに他の可撓管部３においてもふくらみが生じて
も上記と全く同様に破裂防止管６の内径内に留ま
るために破裂事故は生じない。

また、第２図に示す如く、破裂防止管６に内視
鏡のアングル部の外被５が当接する個所に圧力セ
ンサー８を付けておくことにより、外被５のふく
らみの具合がわかり、これによつてこの内視鏡の
気密性が保たれているか否かの判断を行なうこと
ができる。つまり、気密性が悪く空気が抜けてし
まう場合には外被５のふくらみが少なくなつて圧
力センサーの圧力が所定圧にならず、気密でなく
なつていることが解かる。

第４図は他の実施例を示し、破裂防止管６を可
撓管部３全長でなく、比較的柔軟なアングル部の
外被５部を被う程度の長さにした実施例であり、
比較的弱い陰圧で行なうことができるような場合
に適用され、上記と同様の材質で、しかも同様の
径で周面には複数個の通気孔７を有し、一側端に
弾性体製の止口９がつけてあり、この止口９側か
ら可撓管部３のアングル部を挿入してガス室内に
納めることにより、ガス室内の急激な圧力低下に
よつて外被３は点線の如くふくらむが破裂防止管
６によつてふくらみは制限されて破裂は防止され
る。この場合、可撓管部３の他の部分は外被５に
比較して硬い素材であるために上記したような比
較的弱い陰圧で行なう場合にはこの部分での膨張
は少ない。

以上のようにしてガス室内を陰圧にすることに
より内視鏡１の内蔵管内も少しづつ陰圧となり、
全体が完全に引圧となつた処で、E.O.Gをガス室
内に注入すると、ガスはガス室内および内蔵管内
さらに通気孔７を介して可撓管部３の外周面に行
き亘り、通常60゜〜70℃の温度内で一定時間保持
することにより消毒を行なうことができる。

以上の構成、作用を有する本考案によると、す
べりの良い材質によつて周面に通気孔を設け、し
かも内視鏡の可撓管部がらくに挿入できる程度の
内径とした破裂防止管内に可撓管部を挿入するこ
とにより、E.O.Gのガス室内で急激に陰圧にした
場合に生ずる可撓管部の外被の膨張を制限して破
裂を防止することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の使用状態を示す側
断面図、第２図は圧力センサーを取付けた場合の
使用状態を示す側断面図、第３図，，は破
裂防止管の後端部の例を示す断面図、第４図は他
の実施例を示す側断面図である。 １……内視鏡、３……可撓管部、５……アング
ル部の外被、６……破裂防止管、７……通気孔、
８……圧力センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. すべりの良い材料で周面に複数の消毒ガスを通
   す通気孔を有し、内視鏡の可撓管部があそびをも
   つて挿入できる程度の内径とし、その周面の内視
   鏡アングル部の外被が当接する個所に圧力センサ
   ーを設けると共に可撓管部の全長もしくはその一
   部を挿入止着できるようにしたことを特徴とする
   内視鏡可撓管部の破裂防止管。