JP2000114907A - フィルタ - Google Patents

フィルタ

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JP2000114907A
JP2000114907A JP10280990A JP28099098A JP2000114907A JP 2000114907 A JP2000114907 A JP 2000114907A JP 10280990 A JP10280990 A JP 10280990A JP 28099098 A JP28099098 A JP 28099098A JP 2000114907 A JP2000114907 A JP 2000114907A
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Japan
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conductor
filter
inductor
capacitor
sheet
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JP10280990A
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Yoshimasa Hayashi
芳昌 林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】周波数特性が可変なフィルタを提供する。 【解決手段】基体20内部上層に、2つの螺旋構造のイ
ンダクタ30a,30bおよび水平に広がる電極30c
を含む信号伝送路用導体30を形成するとともに、基体
20内部下層に、2つの螺旋構造のインダクタ31a,
31bおよび水平に広がる電極31cを含むインダクタ
ンス調整用導体31を形成し、また、この基体20内部
の、信号伝送路用導体30とインダクタンス調整用導体
31との間に、水平に広がるグランド電極32を形成
し、この基体20内部の、信号伝送路用導体30の上層
およびインダクタンス調整用導体31の下層に、それぞ
れ、水平に広がる電圧印加用電極33,34を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローパスフィル
タ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、あるいは
バンドエリミネーションフィルタなどとして用いられる
フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インダクタおよびキャパシタ
からなるフィルタや、インダクタおよびキャパシタに他
の受動素子を組み合わせて構成されたフィルタが知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらフィルタを構成
するインダクタのインダクタンス、およびキャパシタの
キャパシタンスは固定された値となる。従って、そのイ
ンダクタおよびキャパシタを備えたフィルタは、固定さ
れた周波数特性しか持つことができない。
【0004】このため、そのフィルタを電子機器内に実
装すると、所望の周波数特性が得られなかったり、ある
いは必要な信号成分まで除去されてしまうことがあり、
この場合、周波数特性が固定されたフィルタを実装し直
したりしなければならない。また、電子機器に、周波数
特性が固定されたフィルタを用いると、インピーダンス
の不整合などのために信号波形が歪められるという問題
を生じることもある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、周波数特性が
可変なフィルタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明のフィルタは、磁性体材料と誘電体材料との双方を
含む混合材料からなる基体と、その基体内部に形成され
た、フィルタ回路を構成してなる、少なくとも1つのイ
ンダクタおよび少なくとも1つのキャパシタとを備えた
フィルタにおいて、上記フィルタ回路を構成するインダ
クタが、螺旋を描きながら所定方向に延びる導体である
とともに、上記フィルタ回路を構成するキャパシタが、
上記混合材料を間に挟んで互いに対向して広がる一対の
導体であり、上記基体内部の、上記インダクタに対し上
記所定方向に並ぶ位置に形成された、螺旋を描きながら
その所定方向に延びる導体からなるインダクタンス調整
用インダクタと、上記基体内部に形成された、上記キャ
パシタを構成する一対の導体を間に置いて互いに対向し
て広がる一対の導体からなるキャパシタンス調整用キャ
パシタとを備えたことを特徴とする。
【0007】本発明のフィルタは、フィルタ回路を構成
するインダクタとは別に、インダクタンス調整用インダ
クタを備えている。このインダクタンス調整用インダク
タは、螺旋を描きながら所定方向に延びるものであるた
め、そのインダクタンス調整用インダクタに電流が流れ
ると、そのインダクタから上記所定方向に磁束が発生す
る。さらに、このインダクタンス調整用インダクタは、
フィルタ回路を構成するインダクタに対し、上記の所定
方向に並ぶ位置に配置されているため、インダクタンス
調整用インダクタから磁束が発生すると、その磁束によ
り、フィルタ回路を構成するインダクタのインダクタン
スが変化する。また、本発明のフィルタは、フィルタ回
路を構成するキャパシタとは別に、キャパシタンス調整
用キャパシタを備えている。このキャパシタンス調整用
キャパシタは、フィルタ回路を構成するキャパシタを成
す一対の導体を間に置いて互いに対向して広がる一対の
導体からなるものである。このため、そのキャパシタン
ス調整用キャパシタを成す一対の導体の間に電圧が印加
されると、フィルタ回路を構成するキャパシタのキャパ
シタンスが変化する。このように、本発明のフィルタ
は、フィルタ回路を構成するインダクタのインダクタン
ス、およびキャパシタのキャパシタンスを変化させるた
めのインダクタンス調整用インダクタおよびキャパシタ
ンス調整用キャパシタを備えている。従って、フィルタ
回路の周波数特性を変化させることができ、フィルタ回
路の周波数特性を所望の周波数特性に合わせることがで
きる。
【0008】ここで、本発明のフィルタは、上記フィル
タ回路を構成するインダクタと、上記インダクタンス調
整用インダクタが、同一円筒状をなす位置に形成されて
いるとともに、上記フィルタ回路を構成するキャパシタ
をなす一対の導体と、上記キャパシタンス調整用キャパ
シタをなす一対の導体が互いに重なった位置において全
て同一方向に広がる導体であってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0010】図1は、本発明のフィルタの一実施形態を
示す斜視図である。
【0011】図1に示すフィルタ10は直方体形状の基
体20を備えており、この基体20の側面の角には、端
子電極11,12,13,14が形成されている。ま
た、基体20の側面20aには、端子電極15,17が
形成され、反対側の側面20bには、端子電極16,1
8が形成されている。この基体20内部には、螺旋構造
を有する導体、および、水平に広がる導体が形成されて
いる。
【0012】図2は、この基体20内部に形成された導
体を、その基体を透視して模式的に示す斜視図、図3
は、その側面図である。
【0013】この基体20内部上層には、信号が伝送す
る信号伝送路を構成する信号伝送路用導体30が形成さ
れている。この信号伝送路用導体30は、螺旋を描きな
がら上下方向に延びる2つのインダクタ30a,30b
を含んでおり、この信号伝送路用導体30の端30d,
30eは、それぞれ基体20の側面20c,20dに露
出している。この信号伝送路用導体30は、その信号伝
送路用導体30が経由する経路の、2つのインダクタ3
0a,30bに挟まれる部分に、水平に広がる電極30
cを含んでいる。また、この基体20内部下層には、信
号伝送路用導体30の2つのインダクタ30a,30b
のインダクタンスを調整するインダクタンス調整用電流
路を構成するインダクタンス調整用導体31が形成され
ている。このインダクタンス調整用導体31は、信号伝
送路用導体30の2つのインダクタ30a,30bそれ
ぞれの下方に並ぶ位置に、螺旋を描きながら上下方向に
延びる2つのインダクタ31a,31bを含んでいる。
つまり、信号伝送路用導体30が含む2つのインダクタ
30a,30bそれぞれと、インダクタンス調整用導体
31が含む2つのインダクタ31a,31bそれぞれ
が、同一円筒状をなす位置に形成されている。これらイ
ンダクタ30a,30b,31a,31bの巻数は互い
に同じ巻数である。また、このインダクタンス調整用導
体31の端31d,31eは、それぞれ基体20の側面
20c,20dに露出している。尚、この2つのインダ
クタ31a,31bは、本発明にいうインダクタンス調
整用インダクタに相当するものである。
【0014】また、このインダクタンス調整用導体31
は、そのインダクタンス調整用導体31が経由する経路
の、2つのインダクタ31a,31bに挟まれる部分
に、水平に広がる電極31cを含んでいる。この基体2
0内部の、信号伝送路用導体30とインダクタンス調整
用導体31との間には、水平に広がるグランド電極32
(図3参照)が形成されており、このグランド電極32
の端32a,32bは、それぞれ、基体20の側面20
a,20bに露出している。また、この基体20内部
の、信号伝送路用導体30の上層およびインダクタンス
調整用導体31の下層には、それぞれ、水平に広がる電
圧印加用電極33,34(図3参照)が形成されてお
り、この電圧印加用電極33,34それぞれの端33
a,34aは、それぞれ基体20の側面20b,20a
に露出している。この基体20側面の角に形成された端
子電極11,12(図1参照)は、それぞれ、信号伝送
路用導体30の端30d,30eに接続されており、端
子電極13,14は、それぞれ、インダクタンス調整用
導体31の端31d,31eに接続されている。また、
基体20の側面20aに形成された端子電極15,17
(図1参照)は、それぞれ、図2に示す電圧印加用電極
34の端34aおよびグランド電極32の端32aに接
続され、側面20bに形成された端子電極16,18
は、それぞれ、図2に示す電圧印加用電極33の端33
aおよびグランド電極32の端32bに接続されてい
る。
【0015】以下に、図1に示すフィルタ10の製造方
法について、図4を参照しながら説明する。
【0016】図4は、そのフィルタが備えている基体を
構成する各セラミックスグリーンシートを積層順に並べ
て示した平面図である。図4において、右上側のセラミ
ックスグリーンシートが基体20の上面側であり、左下
側のセラミックスグリーンシートが基体20の下面側で
ある。
【0017】先ず、基体20の材料を用意する。基体2
0の材料としては、リラクサ系、チタン酸バリウムなど
の高誘電率材料と、NiZn−フェライト、NiZnC
u−フェライトなどの磁性体材料との混合材料や、ある
いはこの混合材料に焼結助剤を加えた材料などが好適に
用いられる。この材料でセラミックスグリーンシート
(以下、単にシートと呼ぶ)21を形成し、そのシート
21表面に、一端51aがシート21の縁にまで達す
る、電圧印加用電極34(図2,図3参照)を成す電極
パターン51を印刷する。その後、この電極パターン5
1が印刷されたシート21表面に、シート22_1を積
層し、そのシート22_1表面に、一端52b,53b
がこのシート22_1の縁にまで延在する2つの導体パ
ターン52,53を印刷する。その後、そのシート22
_1表面にシート22_2を積層する。このシート22
_2は、位置A,Bそれぞれに、下層に形成されたシー
ト22_1に印刷された各導体パターン52,53の一
端52a,53aそれぞれを露出する貫通孔が設けられ
ている。このシート22_2をシート22_1に積層し
た後、シート22_2の表面に、位置A,Bそれぞれに
形成された貫通孔が充填されるように、円周の一部が切
り欠かれた形状の2つの導体パターン52,53を印刷
する。これら2つの導体パターン52,53は、ぞれぞ
れ、シート22_2の位置A,Bの貫通孔を充填してい
るため、シート22_1,22_2それぞれに印刷され
た導体パターン52どうしは互いに接続され、また、導
体パターン53どうしも互いに接続される。尚、この図
4では、各シートに印刷される導体それぞれの、互いに
接続される端どうしを破線で繋いで示してある。シート
22_2に導体パターン52,53を印刷した後、さら
にシートの積層および導体パターンの印刷を繰り返すこ
とにより、円周の一部が切り欠かれた形状の2つの導体
パターン52,53が印刷されたシート22_3,22
_4を順次積層する。シート22_3,22_4につい
ても、シート22_2と同様に、点A,Bの位置に貫通
孔が設けられており、その貫通孔を充填するように導体
パターン52,53が印刷されている。これにより、シ
ート22_1,22_2,22_3,22_4の導体パ
ターン52どうしが電気的に接続されれるとともに、導
体パターン53どうしも電気的に接続され、導体パター
ン52どうしの接続による螺旋構造のインダクタ31a
(図2参照)、および、導体パターン53どうしの接続
による螺旋構造のインダクタ31b(図2参照)が形成
される。シート22_4に導体パターン52,53を印
刷した後、シート22_5を積層する。このシート22
_5は、位置A,Bそれぞれに、下層に形成されたシー
ト22_4に印刷された各導体パターン52,53の一
端52a,53aそれぞれを露出する貫通孔が設けられ
ている。このシート22_5をシート22_4に積層し
た後、シート22_5の表面に、位置A,Bに形成され
た貫通孔を充填し、かつ電極31c(図2参照)を成す
電極パターン54aを有する導体パターン54を印刷す
る。これにより、電極31cを有するとともに、導体パ
ターン52どうしの接続により形成されたインダクタ3
1a、および、導体パターン53どうしの接続により形
成されたインダクタ31bが互いに接続されたインダク
タンス調整用導体31(図2参照)が形成される。イン
ダクタンス調整用導体31を形成した後、シート22_
5の表面にシート23を積層し、そのシート23表面
に、グランド電極32(図2参照)を成す電極パターン
55を印刷する。この電極パターン55の一端55a,
55bは、そのシート23表面の縁にまで達している。
電極パターン55を印刷した後、シート23の表面にシ
ート24_1を積層し、そのシート24_1表面に、電
極30c(図2参照)を成す電極パターン56cを有す
る導体パターン56を印刷する。その後、そのシート2
4_1にシ−ト24_2を積層する。このシート24_
2は、位置A,Bそれぞれに、下層に形成されたシート
24_1に印刷された導体パターン56の端56a,5
6bそれぞれを露出する貫通孔が設けられている。シー
ト24_1にシ−ト24_2を積層した後、シート24
_2の表面に、位置A,Bそれぞれに形成された貫通孔
が充填されるように、円周の一部が切り欠かれた形状の
2つの導体パターン57,58を印刷する。その後、さ
らにシートの積層および導体パターンの印刷を繰り返す
ことにより、円周の一部が切り欠かれた形状の2つの導
体パターン57,58が印刷されたシート24_3,2
4_4と、端57b,58bが縁にまで延在する2つの
導体パターン57,58が印刷されたシート24_5と
を順次積層する。これにより、シート24_2,24_
3,24_4,24_5の導体パターン57どうしの接
続による螺旋構造のインダクタ30a(図2参照)、お
よび、導体パターン58どうしの接続による螺旋構造の
インダクタ30b(図2参照)が形成されるとともに、
シート24_1に印刷された導体パターン56により、
互いに接続されたインダクタ31a,31bが形成さ
れ、信号伝送路用導体30(図2参照)が形成される。
その後、シート24_5表面にシート25を積層し、そ
のシート25表面に、一端59aがシート25の縁にま
で達する、電圧印加用電極33(図2参照)を成す電極
パターン59を印刷する。その後、この電極パターン5
9が印刷されたシート25にシート26を積層する。こ
れにより、図2に示すように、信号伝送路用導体30、
インダクタンス調整用導体31、グランド電極32、お
よび電圧印加用電極33,34が内部に形成された基体
20が作製される。この作製された基体20側面の角
に、シート24_5に印刷された2つの導体パターン5
7,58それぞれの端57b,58b(この端57b,
58bは、それぞれ、図2において、信号伝送路用導体
30の端30d,30eに相当する)に接続される端子
電極11,12(図1参照)と、シート22_1に印刷
された2つの導体パターン52,53それぞれの端52
b,53b(この端52b,53bは、それぞれ、図2
において、インダクタンス調整用導体31の端31d,
31eに相当する)に接続される端子電極13,14を
形成し、さらに、シート21,25に印刷された電極パ
ターン51,59それぞれの端51a,59a(この端
51a,59aは、それぞれ、図2において、電圧印加
用電極34,33の端34a,33aに相当する)に接
続される端子電極15,16、およびシート23に印刷
された電極パターン55の端55a,55b(この端5
5a,55bは、それぞれ、図2において、グランド電
極32の端32a,32bに相当する)に接続される端
子電極17,18を形成することにより、図1に示すフ
ィルタ10が作製される。
【0018】このフィルタ10が備えている信号伝送路
用導体30は電極30c(図2参照)を含んでおり、こ
の電極30cの下層には、水平に広がるグランド電極3
2が形成されている。従って、このフィルタ10には、
この電極30cおよびグランド電極32からなるキャパ
シタ40(図3参照)が形成されている。また、信号伝
送路用導体30は、インダクタ30a,30bを含んで
いる。従って、このフィルタ10は、インダクタ30
a,30bおよびキャパシタ40からなるローパスフィ
ルタ回路が構成されている。
【0019】また、このフィルタ10は、信号伝送路用
導体30とは別にインダクタンス調整用導体31を備え
ている。このインダクタンス調整用導体31は2つのイ
ンダクタ31a,31bを備えているため、そのインダ
クタンス調整用導体31に電流を流すと、インダクタ3
1a,31bから上下方向に磁束が発生する。従って、
インダクタンス調整用導体31のインダクタ31a,3
1bから発生した磁束により、信号伝送路用導体30の
2つのインダクタ30a,30bのインダクタンスが変
化する。例えば、信号伝送路用導体30を伝送する信号
を担持する電流が、端30d(端子電極11)から入力
され端30e(端子電極12)から出力される場合、そ
の信号伝送路用導体30が備えているインダクタ30a
の内側には矢印y方向(下方)に向かう磁束が発生し、
インダクタ30bの内側には矢印x方向(上方)に向か
う磁束が発生する。一方、インダクタンス調整用導体3
1に、端31d(端子電極13)から端31e(端子電
極14)に向かって流れる電流を供給すると、インダク
タ31aには矢印x方向に向かう磁束が発生し、インダ
クタ31bには矢印y方向に向かう磁束が発生する。従
って、インダクタ30a,30bのインダクタンスは減
少する。また、インダクタンス調整用導体31に供給さ
れる電流の流れる向きを逆向き(電流が、端31eから
端31dに向かって流れる向き)にすると、今度は逆
に、インダクタ31aの内側には矢印y方向に向かう磁
束が発生するとともに、インダクタ31bの内側には矢
印x方向に向かう磁束が発生し、信号伝送路用導体30
のインダクタ30a,30bのインダクタンスは増加す
る。従って、インダクタンス調整用導体31に供給され
る電流の大きさや向きを変化させることにより、信号伝
送路用導体30の2つのインダクタ30a,30bのイ
ンダクタンスを所望の値に調整することができる。
【0020】また、このフィルタ10は、基体20内部
の上層および下層に、水平に広がる電圧印加用電極3
3,34を備えているため、この基体20内部には、こ
の一対の電圧印加用電極33,34からなるキャパシタ
が形成されている。この一対の電圧印加用電極33,3
4は、キャパシタ40(図3参照)を構成する電極30
cおよびグランド電極32を間に置いて対向しているた
め、この一対の電圧印加用電極33,34間に印加する
電圧を調整することにより、キャパシタ40のキャパシ
タンスが変化する。つまり、電圧印加用電極33,34
間に印加する電圧を調整することにより、キャパシタ4
0のキャパシタンスを所望の値に調整することができ
る。この一対の電圧印加用電極33,34と、キャパシ
タ40(図3参照)をなす電極30cおよびグランド電
極32は、互いに重なった位置において全て同一方向に
広がる電極である。尚、この一対の電圧印加用電極3
3,34からなるキャパシタは、本発明にいうキャパシ
タンス調整用キャパシタに相当するものである。
【0021】従って、フィルタ10は、インダクタンス
調整用導体31に電流を流さず、かつ、電圧印加用電極
33,34間に電圧が印加されなければ、固定した周波
数特性を持つローパスフィルタとして動作するが、イン
ダクタンス調整用導体31に電流を流し、電圧印加用電
極33,34間に電圧を印加することにより、基体20
内部に形成されたインダクタ30a,30bのインダク
タンスおよびキャパシタ40のキャパシタンスを所望の
値に調整することができ、フィルタ10に所望の周波数
特性を持たせることができる。電圧印加用電極33,3
4の間の印加電圧を変化させることにより、このキャパ
シタ40のキャパシタンスを、電圧印加のない時と比べ
約0%から約80%変化させることができる。
【0022】この電圧印加用電極33,34に印加する
電圧を変化させる方法としては、例えば、このフィルタ
10を回路上に搭載した後に、端子電極15,16の間
に電圧電源および可変抵抗器を接続して抵抗値を変える
という方法を採用することができる。
【0023】従来のフィルタは、周波数特性が固定され
ているため、周波数特性が適合していないままのフィル
タが回路基板に実装されることがある。この場合、所望
の周波数特性が得られず、必要な信号成分が除去される
ことがあり、フィルタを回路基板に実装し直すことが必
要であった。これに対し、本実施形態のフィルタ10
は、前述したように、インダクタ30a,30bのイン
ダクタンスおよびキャパシタ40のキャパシタンスを所
望の値に調整することができるため、フィルタ10を回
路基板に実装し直すことは不要である。また、このフィ
ルタ10は、前述したように、信号伝送路用導体30の
2つのインダクタ30a,30bのインダクタンスを制
御できるため、インピーダンスの整合が容易に行なえ
る。
【0024】尚、本実施形態では、インダクタンス調整
用導体31は電極31cを含んでいる。従って、電極3
0cとグランド電極32からなるキャパシタ40とは別
に、電極31cとグランド電極32からなるキャパシタ
41(図3参照)も形成されている。インダクタンス調
整用導体31が電極31cを含んでいることから、フィ
ルタ10の基体20の内部構造は、その基体20の中央
部に水平に広がるグランド電極32を中心とした上下対
称の構造となっている。このように、上下対称の構造と
することにより、信号伝送路用導体30をインダクタン
ス調整用導体として用い、インダクタンス調整用導体3
1を信号伝送路用導体として用いることもできる。つま
り、フィルタ10を、インダクタ30a,30bおよび
キャパシタ40からなるローパスフィルタ回路が構成さ
れたフィルタではなく、インダクタ31a,31bおよ
びキャパシタ41からなるローパスフィルタ回路が構成
されたフィルタとみることもできる。従って、フィルタ
10を回路基板に実装するときに、フィルタ10の上下
の向きを管理する必要がなく、上下逆に実装してしまう
ことによる不良の発生が防止できる。尚、フィルタ10
が上下逆に実装されないように、そのフィルタ10上下
の向きを管理するのであれば、インダクタンス調整用導
体31に電極31cを備えなくてもよい。
【0025】また、本実施形態では、信号伝送路用導体
30のインダクタ30a,30bと、インダクタンス調
整用導体31のインダクタ31a,31bの巻数は互い
に同じ巻数であるが、信号伝送路用導体30のインダク
タ30a,30bと、インダクタンス調整用導体31の
インダクタ31a,31bの巻数を互いに異なる巻数に
してもよい。このように、インダクタの巻数を異ならせ
ることにより、フィルタ10を回路基板に実装するとき
のフィルタ10の上下の向きに応じて、フィルタ特性を
変えることができる。
【0026】また、本実施形態では、ローパスフィルタ
として作用するフィルタについて説明したが、本発明の
フィルタは、ローパスフィルタに限られるものではな
く、例えばハイパスフィルタとして作用するフィルタに
ついても、ハイパスフィルタを構成するインダクタおよ
びキャパシタそれぞれについて、インダクタンス調整用
導体およびキャパシタンス調整用導体を備えることによ
り、やはり周波数特性が可変なフィルタが得られる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周波数特性が可変なフィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタの一実施形態を示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示す基体20内部に形成された導体を、
その基体を透視して模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示す基体20内部に形成された導体を、
その基体を透視して模式的に示す側面図である。
【図4】フィルタが備えている基体を構成する各セラミ
ックスグリーンシートを積層順に並べて示した平面図で
ある。
【符号の説明】
10 フィルタ 11,12,13,14,15,16,17,18 端
子電極 20 基体 20a,20b,20c,20d 側面 21,22_1,22_2,22_3,22_4,22
_5,23,24_1,24_2,24_3,24_
4,24_5,25,26 セラミックスグリーンシー
ト 30 信号伝送路用導体 30a,30b,31a,31b インダクタ 30c,31c 電極 30d,30e,31d,31e,32a,32b,3
3a,34a,51a,52a,52b,53a,53
b,55a,55b,56a,56b,57b,58
b,59a 端 31 インダクタンス調整用導体 32 グランド電極 33,34 電圧印加用電極 40,41 キャパシタ 51,54a,55,56c,59 電極パターン 52,53,54,56,57,58 導体パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E070 AA05 AB07 CB03 CB13 CB17 CB20 DB08 EA01 MM02 5E082 AA01 AB03 BB01 BC11 DD08 DD20 EE04 EE35 FF05 FF14 FG06 FG27 GG10 5J024 AA02 DA04 DA29 DA35 EA01 EA02 EA03 EA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体材料と誘電体材料との双方を含む
    混合材料からなる基体と、該基体内部に形成された、フ
    ィルタ回路を構成してなる、少なくとも1つのインダク
    タおよび少なくとも1つのキャパシタとを備えたフィル
    タにおいて、 前記フィルタ回路を構成するインダクタが、螺旋を描き
    ながら所定方向に延びる導体であるとともに、前記フィ
    ルタ回路を構成するキャパシタが、前記混合材料を間に
    挟んで互いに対向して広がる一対の導体であり、 前記基体内部の、前記インダクタに対し前記所定方向に
    並ぶ位置に形成された、螺旋を描きながら該所定方向に
    延びる導体からなるインダクタンス調整用インダクタ
    と、 前記基体内部に形成された、前記キャパシタを構成する
    一対の導体を間に置いて互いに対向して広がる一対の導
    体からなるキャパシタンス調整用キャパシタとを備えた
    ことを特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ回路を構成するインダクタ
    と、前記インダクタンス調整用インダクタが、同一円筒
    状をなす位置に形成されているとともに、前記フィルタ
    回路を構成するキャパシタをなす一対の導体と、前記キ
    ャパシタンス調整用キャパシタをなす一対の導体が互い
    に重なった位置において全て同一方向に広がる導体であ
    ることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014110434A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Pstek Co Ltd 高電力用可変インダクタとこれを用いたフィルタ
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