JP2000111885A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2000111885A
JP2000111885A JP27758798A JP27758798A JP2000111885A JP 2000111885 A JP2000111885 A JP 2000111885A JP 27758798 A JP27758798 A JP 27758798A JP 27758798 A JP27758798 A JP 27758798A JP 2000111885 A JP2000111885 A JP 2000111885A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
bis
hydroxyphenyl
display device
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Pending
Application number
JP27758798A
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English (en)
Inventor
Shintaro Kishimoto
伸太郎 岸本
Keishin Handa
敬信 半田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Publication of JP2000111885A publication Critical patent/JP2000111885A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のプラスチック基板に比べ、低複屈折率
で厚肉の大型LCDに好適な樹脂基板を用いた液晶表示
素子の提供。 【解決手段】 粘度平均分子量10000〜3500
0、可視光線の透過率80%以上及びガラス転移温度1
40℃以上であるポリカーボネート樹脂からなる厚さが
0.10〜2.0mm及び表面粗さ(Ra)0.1μ以
下のシート状成形体であって、その両面に厚さ0.3〜
15μのコート膜を少なくとも一層有し、且つ少なくと
も片面に更にガスバリア膜及び/又は透明導電膜を有
し、その状態における平均リターデーション(Δnd)
が5nm以下であることを特徴とする液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に関
する。詳しくは、特定のポリカーボネート樹脂基板を用
いる液晶表示素子に関する。本発明に用いるポリカーボ
ネート樹脂基板は、現在液晶ディスプレイ(LCD)等
に使用されているガラス基板の代替として用いられるも
のであり、従来のプラスチックフィルム製LCD基板
(以下、「PF−LCD」と略記することがある)では
達成し得なかった低複屈折率と基板厚みを有しながら、
更に優れた耐熱性、表面平坦性、耐衝撃性、耐薬品性、
耐溶剤性、水蒸気バリア性、酸素ガスバリア性等を有し
ている。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、電子手帳、ポケットベ
ル、携帯情報端末、小型ノートパソコン等のLCDを搭
載した携帯型機器が著しく普及してきている。現在これ
らに搭載の液晶表示素子にはガラス基板が広く用いられ
ているものの、携帯型機器には更なる「軽量化」、「薄
型化」、「割れ難さ」が要求されるようになってきてお
り、ガラス基板に比べて軽くて割れにくいPF−LCD
の開発が盛んに行われ、携帯電話等の小型LCD分野で
は一部PF−LCDが実用化されつつある。
【0003】これまでPF−LCDに使用される樹脂と
しては、高い光線透過率を有し且つ高い耐熱性を有する
熱可塑性の非晶性透明樹脂が代表的であり、具体的には
ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリイミド、環状構造を含む非晶質ポリオレフィ
ン等がPF−LCDとして検討されてきた。例えば特開
昭60−222241号公報には、溶媒キャスト法によ
り製造したポリエーテルスルホン樹脂基板にアンカーコ
ートを塗布し、その上に透明電極膜であるインジウムチ
ンオキサイド膜(ITO膜)を形成させてなる透明導電
性フィルムが提案されている。しかしながら、かかる溶
媒キャスト法によるポリエーテルスルホン製基板におい
ては、表面精度を保ちながら溶媒を揮散させることが工
業的に困難となる為、フィルム厚を100ミクロン以上
にすることができない欠点があった。その為、LCD用
基板としての自己支持特性上、或いは均一なセルギャッ
プを確保する上で好適な100ミクロン厚より厚いシー
トを製造できない問題があった。
【0004】また押出成形方法により作製されたポリエ
ーテルスルホン製基板では、押し出しシートの光学的歪
み値自体が大きいだけでなく、シート面内での光学的歪
み値の分布も大きく、光学特性上目的とする高品質のシ
ートを得ることが困難であった。更に押出シート中には
ダイライン、ゲル化物、フィッシュアイ等が発生し易
く、表面精度ムラの発生する欠点もあった。特にロール
走行方向に高低差数十ミクロンの筋状に発生するダイラ
インは、コーティング後100ミクロンを超える筋とし
て残る場合もあるため、これを使用した液晶パネルでは
表示ムラとして現れ、大きな欠点となっていた。またポ
リエーテルスルホン樹脂の比重は1.37であり、ポリ
カーボネート樹脂の比重1.20に比べて大きいため液
晶表示素子の軽量化効果に劣るという欠点も有してい
た。
【0005】特開平7−126375号公報には、熱可
塑成形されたポリカーボネート平板の光学的歪みを解消
するために、保護フィルムを貼付したポリカーボネート
樹脂シートをガラス転移温度以上で加熱処理してなる光
学用ポリカーボネートシートが提案されている。しかし
ながら、ガラス転移温度以上の熱処理は、成型時の凍結
歪みが力学的変形を伴って解消されることから、上記の
方法では、成型時に付与された平板の平坦性を再現性良
く維持させることが困難であり、結果として、押出成形
平板の光学的歪みを十分に解消することができず、光学
的特性上又表面の平坦精度上、目的の品質の基板を得る
ことができなかった。
【0006】また、特開平8−211376号公報、特
開平8−267689号公報には、溶媒キャスト法によ
るポリカーボネート樹脂製PF−LCDが開示されてい
る。かかる溶媒キャスト法の場合、表面精度を保ちなが
ら溶媒を蒸発させることが工業的に困難であり、基板と
しての自己支持特性上、或いは均一なセルギャップコン
トロール上、LCD用基板として好適な100ミクロン
より厚いシートを得ることができなかったため、STN
−LCDへの応用が困難であるため、小型のTN−LC
D用途のみにしか使用できないのが現状であった。更に
この自己支持性のないポリカーボネート製PF−LCD
は、PVAを延伸して製膜された偏光板が熱や湿度によ
り変形を起こした場合、これに追従してLCD基板が反
ってしまう問題も有していた。更にリターデーションの
値も10nm以上であり大型、高精細なLCD画面を得
られない欠点もあった。
【0007】またポリアリレート樹脂製PF−LCD、
ポリイミド製PF−LCDは溶剤キャスティング法によ
り製造されるが、汎用溶剤に溶解しにくい欠点を有し、
その乾燥にも高温を要するためフィルムが黄色く着色す
る問題も有していた。また、溶剤キャスティング法故、
溶剤の揮発を充分に行うためフィルム厚みも100ミク
ロン程度が限度であり、更に複屈折も10nm以下に下
げることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のPF−LCDについては大画面に対応できるような自
己支持性やセルギャップコントロールを可能にするのに
十分な厚みや、低複屈折が達成されていなかった。本発
明は、かかる現状において従来技術の問題点を解決すべ
くなされたものである。即ち、本発明の目的は、LCD
基板として自己支持性を発現するのに必要な100ミク
ロン以上の基板厚みにおいて従来に無い低複屈折率を有
し、更に表面平滑性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、ガ
スバリア性、耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂製
基板を用いた液晶表示素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を重ねた結果、特定のポリカーボネー
ト樹脂成形体に特定の熱プレス処理を施すことにより得
られた優れた表面平坦性と低複屈折率を有したポリカー
ボネート基板に、耐溶剤性、耐薬品性、ガスバリア性、
透明導電性膜を付与することによりLCD基板として優
れた性能が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、粘度平均分子量1
0000〜35000、可視光線の透過率80%以上及
びガラス転移温度140℃以上であるポリカーボネート
樹脂からなる厚さが0.10〜2.0mm及び表面粗さ
(Ra)0.1μ以下のシート状成形体であって、その
両面に厚さ0.3〜15μのコート膜を少なくとも一層
有し、且つ少なくとも片面に更にガスバリア膜及び/又
は透明導電膜を有し、その状態における平均リターデー
ション(Δnd)が5nm以下であることを特徴とする
液晶表示素子、にある。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるポリカーボネ
ート樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が140℃以上で
あることが必要である。Tgが140℃未満のポリカー
ボネート樹脂では、LCD製造工程上に含まれる種々の
加熱処理(ITO高温スパッタリング、ポリイミド配向
膜焼成、異方誘電コネクタ圧着、基板洗浄後の乾燥等)
で要求される耐熱性が十分ではなく、基板変形や表面平
坦性低下等が発生するので好ましくない。本発明に使用
されるポリカーボネート樹脂のTgについては、上記L
CD製造工程における耐熱性の必要性により140℃以
上あれば問題ないが、透明導電膜の更なる低抵抗化のた
めには、より高温においてスパッタリングを実施するこ
とが好ましいためポリカーボネート樹脂のTgは、好ま
しくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、特
には180℃以上であることが好ましい。
【0012】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
の可視光の光線透過率は、0.10〜2.00mmの厚
さにおいて好ましくは80%以上であり、85%以上で
あることがより好ましい。光線透過率が80%未満であ
るとLCDを組み上げた後、画面が暗くなる場合がある
ため好ましくない。本発明に使用されるポリカーボネー
ト樹脂組成物の粘度平均分子量
【0013】
【数2】
【0014】については、10000〜35000のも
のが好適に用いられる。
【0015】
【数3】
【0016】が10000未満であると、基板の耐衝撃
性低下により該LCD搭載機器の落下時にLCD基板が
割れる場合があるため好ましくない。逆に
【0017】
【数4】
【0018】が35000を越えると複屈折の値が十分
に低い値とならない場合があり好ましくない。かかる特
性を考慮すると、粘度平均分子量
【0019】
【数5】
【0020】は、10000〜35000であり、好ま
しくは11000〜28000であり、特には1200
0〜22000の範囲のものが好適に用いられる。本発
明のポリカーボネート樹脂基板の熱プレス処理後の末端
OH量については700ppm未満であることが好まし
く、より好ましくは500ppm以下であり、特には3
50ppm以下が好ましい。末端OH量が700ppm
以上であると、耐衝撃性等の機械的物性の低下が著し
く、また熱プレス処理後にポリカーボネート樹脂基板と
プレス板との密着が強固であり、剥がす際に基板が割れ
てしまい、基板が製造できない場合があるため好ましく
ない。
【0021】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
二価フェノール化合物とホスゲン又は炭酸ジエステル等
のカーボネート前駆体とを主たる成分とし、必要に応じ
て末端停止剤を反応させて、界面重合法又は溶融重合法
により得ることができる。上記の二価フェノール化合物
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)プロパン、1−フェニル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4′−ジ
ヒドロキシテトラフェニルメタン、9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレン、フェノールフタレイ
ン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4′−ジヒド
ロキシ−ビフェニル、メチレンビスフェノール、4,
4′−エチリデンビスフェノール、2,2′−メチレン
ビス(4−メチルフェノール)、4,4′−メチリデン
−ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−
(1−メチル−エチリデン)ビス(2−メチルフェノー
ル)、4,4′−(1−メチルエチリデン)ビス(2,
6−ジメチルフェノール)、4,4′−エチリデンビス
フェノール等が挙げられる。これらは、二種以上の混合
物としても良い。
【0022】また、上記の二価フェノール化合物と共に
共重合成分として、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−n−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−n−ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−n−ペンタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−n−ヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−n−ヘプタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−n−オクタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ノナン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−デカン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)トルイルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−(4−エチルフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−(4−n−プロピルフェ
ニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4
−イソプロピルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−(4−n−ブチルフェニル)メタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−ペンチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−
ヘキシルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−(4−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−(4−クロロフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(2−フルオロ
フェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
(2−クロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)テトラフルオロフェニルメタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)テトラクロロフェニルメタン、ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、ビス(3−フェニル−4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3
−エチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン
等の中心炭素に水素原子が結合しているビスフェノール
類、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−ブ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−n−
ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
n−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−n−オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−n−ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−n−デカン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン(通称ビスフェ
ノールP)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−ナフチルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−トルイルエタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−(4−エチルフェニル)エ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
(4−n−プロピルフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−イソプロピル
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−(4−n−ブチルフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ペン
チルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−(4−ヘキシルフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−
フルオロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−(4−クロロフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2−
フルオロフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−(2−クロロフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−テトラ
フルオロフェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−テトラクロロフェニルエタン等の中
心炭素に一つのメチル基が結合しているビスフェノール
類、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールC)、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−イソブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フル
オロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の中心炭素に二つ
のメチル基が結合しているビスフェノール類、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−ジフェニルメタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1−
ジフェニルメタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−ジフェニルメタン等のジフェニル
メタン誘導体であるビスフェノール類、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(通称ビス
フェノールZ)、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−イソブチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン等のシクロヘキサン誘導体である
ビスフェノール類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3
−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−イソブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン等の3,3,5−トリメチルシクロヘキサン誘導
体であるビスフェノール類、9,9−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−イソブチル−
4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン等のフルオレン誘導体であるビ
スフェノール類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロノナン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロデカン等のシクロアルカン誘
導体であるビスフェノール類、4,4′−ビフェノール
等の芳香族環が直接結合したビスフェノール類、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン等のスルホン誘導体であるビスフェノ
ール類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)
エーテル、ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(3,5−ジフルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)エーテル等のエーテル結合を有す
るビスフェノール類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−イソブチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−フ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド等のスルフィド結合を有するビスフェノール類、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド、ビス(3−イソブチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス
(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド等のスルホキシド誘導体であるビスフェノール
類、フェノールフタレイン等のヘテロ原子含有脂肪族環
を有するビスフェノール類、ヒドロキノン、レゾルシノ
ール、メチルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン
類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類、ビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)ジフルオロメタン、1,1−ビス(2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)パ
ーフルオロエタン、2,2−ビス(2,3,5,6−テ
トラフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロ
プロパン等の炭素−水素結合のないビスフェノール類等
から選択される一種以上を使用することができる。かか
る共重合成分の使用量は、ポリカーボネート樹脂の所望
のガラス転移温度を損なわない範囲から選択される。
【0023】中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、4,4′−
(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール(通称ビス
フェノールP)、4,4′−シクロヘキシリデンビスフ
ェノール誘導体(通称ビスフェノールZ誘導体、下記構
造式(I)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン
(通称ビスフェノールS)等の二価フェノール化合物
が、工業的に入手容易であり、ガラス転移温度140℃
以上で、波長550nmにおける光線透過率が85%以
上の粘度平均分子量10000〜35000のポリカー
ボネート樹脂が界面重合法又は溶融重合法によって容易
に製造できるため好適に用いられる。
【0024】またビスフェノールZ誘導体(式(I))
においては、R1 〜R10=Hである二価フェノール化合
物、R1 、R2 、R3 、R5 、R6 =H、R4 、R7
CH 3 、R8 〜R10=Hである二価フェノール化合物、
1 、R2 、R3 、R5 、R 6 =H、R4 、R7 、R8
=CH3 、R9 〜R10=Hである二価フェノール化合
物、R1 〜R6 =H、R7 〜R8 =CH3 、R9 〜R10
=Hである二価フェノール化合物等が挙げられるが、入
手容易性や耐熱性の観点からR1 〜R10=Hである二価
フェノール化合物又はR1 、R2 、R3 、R5 、R6
H、R4 、R7 、R8 =CH3 、R9 〜R10=Hである
二価フェノール化合物が好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 及びR10は、それぞれ独立し
て、水素原子又はメチル基を表す) 本発明のポリカーボネート樹脂基板に使用されるポリカ
ーボネート樹脂は、上記二価フェノール化合物の中から
選ばれる一種類の二価フェノール化合物から界面重合法
又は溶融重合法により製造されたポリカーボネート樹脂
をそのまま用いる方法、或いは二価フェノール化合物か
ら界面重合法又は溶融重合法により製造されたポリカー
ボネート樹脂の複数種を押出機を使用して溶融混練する
方法やメチレンクロライド等の可溶媒中で溶液混合する
方法等により複数混合する方法により製造される。
【0027】また上記二価フェノール化合物の中から選
ばれる二種類以上の二価フェノール化合物を共重合成分
として界面重合法又は溶融重合法により共重合ポリカー
ボネート樹脂を製造する方法や、かかる共重合ポリカー
ボネート樹脂に更に異種二価フェノール化合物由来のポ
リカーボネート樹脂を溶融混練法や溶液混合法により混
合する方法で得ることも出来る。
【0028】本発明のポリカーボネート樹脂基板のプレ
ス処理に使用される押出成形体又は射出成形板の成形方
法に関しては、Tダイ等のスリット状ダイスから溶融樹
脂を平板状に押し出す等の公知の押し出し成形法や射出
成形法を使用することができる。面積や厚み等に特に制
限はないが、押出成形体や射出成形体中に焼けや異物、
気泡等が存在しているとプレス処理後のポリカーボネー
ト基板まで残存するので好ましくない。本発明のポリカ
ーボネート樹脂基板を製造するための熱プレス処理温度
は、
【0029】
【数6】
【0030】式(1)の温度範囲にあることが好まし
い。Tが、
【0031】
【数7】
【0032】よりも低いと複屈折の低減効果が十分では
なく、目的とする5nm以下のリターデーションのポリ
カーボネート樹脂基板が得られない場合があり好ましく
ない。一方、Tが
【0033】
【数8】
【0034】より高いとポリカーボネート樹脂基板を熱
プレスした後の黄色着色や機械的物性の低下が起こる場
合があるため好ましくない。熱プレス処理を実施する雰
囲気は、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガス雰
囲気下又は真空中が好ましいが、中でも特に真空中が好
ましい。通常の大気中で熱プレスを実施すると、熱プレ
ス処理後にポリカーボネート樹脂基板をプレス板から剥
離するのが困難であったり、表面平坦性が損なわれた
り、機械的物性が著しく低下したり、着色が起こる場合
があるため好ましくない。不活性ガス雰囲気中で実施す
る場合、酸素ガス濃度は10容量%以下、好ましくは5
容量%以下、特には1容量%以下であることが好まし
い。
【0035】また真空中で実施する場合、基板とプレス
板の間に発生する隙間が生じても、気泡として残存する
ことは無く、製造条件としてより適切である。真空中で
実施の場合は、系内の圧力は100mmHg以下、好ま
しくは50mmHg以下、特には30mmHg以下であ
ることが好ましい。本発明におけるポリカーボネート樹
脂基板を製造するための熱プレス処理時間は、熱処理温
度Tに到達した時点から通常1〜60分程度であるが、
ポリカーボネート樹脂の熱劣化防止の観点から、2〜2
0分が好ましく、特には3〜10分程度が好ましい。6
0分以上の熱プレス処理では着色、物性低下が激しく、
1分未満では複屈折の低減が十分ではない場合があり好
ましくない。
【0036】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
組成物層の厚さは、0.10〜2.0mm、好ましくは
0.2〜1.5mmである。0.10mm未満では基板
が自重により撓みやすく、従来のガラス基板を使用した
LCD製造プロセスに使用しにくい傾向があり、更にS
TN型LCDにおいては、そのセルギャップのバラツキ
を0.1μ以下に調節することが困難であり、これを使
用した液晶パネルでは表示ムラが現れる場合があり好ま
しくない。逆に2.0mmを越えると従来の0.70〜
1.50mmのガラス基板と同じ重量となり、軽量化の
目的から外れてしまう場合があるので好ましくない。
【0037】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
基板の表面粗度(Ra)は、0.1μ以下であることが
好ましい。Raが0.1μを超えてもTN液晶の表示パ
ネルには使用できるが、STN液晶表示パネル用ではセ
ル面内でのバラツキを0.1μ以下に調節することが要
求されるためR(a)が0.1μを超えると表示ムラが
生じてしまう場合があるので好ましくない。良質な画質
を得るためには0.1μ以下、好ましくは0.05μ以
下、特には0.01μ以下であることが好ましい。
【0038】また本発明のポリカーボネート樹脂組成物
にはLCD基板としての性能を損なわない範囲に於いて
慣用の成分、例えば光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、可塑剤、
増粘剤、離型剤、衝撃性改良剤、難燃剤等を含み得て種
々な成形法で成形するのが良い。これらの添加剤に関し
ては成形時に原料と共に投入することもできるし、表面
に塗布することもできる。
【0039】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
基板を熱プレス処理するための平面板は、R(a)が
0.1μ以下の表面平坦性を有し、ポリカーボネート樹
脂の溶融温度以上の温度やプレス圧力で変形や化学的な
劣化が起こらず、またポリカーボネート樹脂に着色・分
子量低下等の化学的な変質作用をもたらさず、熱プレス
処理圧力でも物理的に変形の起こらない材質であれば特
に制限はないが、通常上記条件を満たす材質としては、
無機材料又は金属材料が挙げられ、耐熱ガラス板やステ
ンレス製鋼板が好適に使用でき、中でもステンレス製鋼
板が好ましい。
【0040】本発明の熱プレス処理において加熱・冷却
時間は特に限定されないが、通常5分から120分の範
囲であることが好ましい。加熱時間が5分未満では複屈
折率値が十分に低減できない場合があり、120分より
長いとポリカーボネート樹脂の劣化が起こるため好まし
くない。熱プレス処理のプレス圧力P(g/cm2 )に
ついては、10〜1000(g/cm2 )であることが
好ましく、より好ましくは20〜500(g/cm2
であり、40〜200(g/cm2 )が特に好ましい。
10(g/cm2 )未満では、プレス時、プレス板鏡面
からの転写精度が十分では無い場合があり、1000
(g/cm2 )を超えると、プレス温度を上げても樹脂
の複屈折値が目標まで低減されない場合があり好ましく
ない。
【0041】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
基板の複屈折とは、基板の製膜方向と幅方向とがなす面
内の複屈折を指し、光学的位相差で表す。この複屈折値
が光学位相差で15nmを超えると液晶表示素子に組み
上げた際、画質に色滲み等の問題が発生する。良好な画
質を得るための複屈折値は好ましくは平均で10nm以
下、より好ましくは平均で5nm以下、特には平均で2
nm以下であることが好ましい。
【0042】衝撃強度については、液晶表示素子組み上
げ後の取り扱いの問題、特に携帯使用機器に装着した際
の割れにくさの観点から、衝撃強度がデュポン法衝撃試
験において、破壊エネルギー値が600gf・cm未満
では、例えばコンクリート床上に落とした場合に割れる
可能性が高いため好ましくない。この破壊エネルギー値
については、好ましくは900gf・cm以上、より好
ましくは2000gf・cm以上、特には3000gf
・cm以上であることが好ましい。
【0043】本発明のポリカーボネート樹脂基板を用い
た液晶表示素子の層構成としては、シート状成形体であ
るポリカーボネート樹脂基板の両面にコート膜を少なく
とも一層有し、且つ少なくとも片面にガスバリア膜及び
/又は透明導電膜を有するものである。具体的には、例
えばポリカーボネート樹脂基板の両側にコート膜を一層
有し、且つ一方のコート膜の上に透明導電膜、また他方
のコート膜の上にガスバリア膜、更にコート膜を有する
もの(層構成1)、ポリカーボネート樹脂基板の両側に
コート膜を一層有し、一方のコート膜の上に順次ガスバ
リア膜、コート膜及び透明導電膜を有するもの(層構成
2)、ポリカーボネート樹脂基板の両側にコート膜を一
層有し、一方のコート膜の上に順次ガスバリア膜、コー
ト膜及び透明導電膜を有し、また他方のコート膜の上に
ガスバリア膜、更にコート膜を有するもの(層構成3)
等が挙げられる。これらの中、層構成1及び2のものが
好ましい。
【0044】 (層構成1) 透明導電膜 厚さ50〜3000Å コート膜 厚さ0.3〜15μ ポリカーボネート樹脂基板 厚さ0.10〜2.00mm コート膜 厚さ0.3〜15μ ガスバリア膜 厚さ50〜1000Å コート膜 厚さ0.3〜15μ
【0045】 (層構成2) 透明導電膜 厚さ50〜3000Å コート膜 厚さ0.3〜15μ ガスバリア膜 厚さ50〜1000Å コート膜 厚さ0.3〜15μ ポリカーボネート樹脂基板 厚さ0.10〜2.00mm コート膜 厚さ0.3〜15μ
【0046】本発明に使用される透明導電膜を形成する
透明電導性物質としては、酸化インジウム、酸化スズ、
金、銀、ニッケル、銅等が挙げられ、これらは単独又は
混合して使用することができる。このうち、通常酸化イ
ンジウム99〜90重量%と酸化スズ1〜10重量%と
の混合物よりなるインジウムチンオキサイドが透明性と
導電性のバランスの観点から特に好ましい。透明導電膜
を形成する方法は従来から公知の方法を用いて行うこと
ができ特に制限されるものではなく、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、
プラズマガンを使用した真空蒸着法等を用いて行うこと
ができるが、透明導電膜と保護コートとの密着性の観点
から真空蒸着法、イオンプレーディング法、スパッタリ
ング法が好ましく、ITOエッチング性の観点から中で
もスパッタリング法が特に好ましい。またITO膜の厚
さは、透明性及び導電性のバランスの観点から通常50
〜3000Åの範囲であり、より好ましくは200〜2
000Åである。
【0047】ITO製膜温度T(℃)の範囲は、室温≦
T≦Tg−10℃の範囲で実施可能であるが、ITO膜
のシート抵抗値の低抵抗値化の観点から100℃以上が
好ましく、150℃以上でITO膜形成することが特に
好ましい。本発明に使用されるガスバリア膜は、液晶パ
ネル内への水分子や酸素分子の侵入による気泡発生、液
晶化合物の劣化を防止する目的で積層する。ガスバリア
膜としては、高バリア能、高透明性を有し基板上に高い
表面精度で薄膜状に積層できる物質なら特に制限はな
く、無機系化合物、有機系化合物が挙げられるが、無機
系化合物が高い透明性や酸素ガス及び水蒸気に対して極
めて高いバリア性を有するため特に好ましい。
【0048】無機系化合物としては、金属、非金属、亜
金属の酸化物、窒化物が挙げられ、具体例としては、酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化イン
ジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸
化金、酸化クロム、珪素酸化物、酸化コバルト、酸化ジ
ルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、
酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマ
ス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデ
ン、酸化バナジウム、酸化バリウム、窒化珪素等が挙げ
られるが、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性、透明性
の観点から、珪素酸化物、酸化アルミニウム、窒化珪素
が好ましく、中でも珪素酸化物、窒化珪素がより好まし
く、珪素酸化物が特に好ましい。尚、無機酸化物には、
微量の金属、非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、
また、可撓性を向上させるために適宜炭素又はフッ素が
含まれていても良い。無機系化合物によるガスバリア膜
を形成する方法は従来から公知の方法を用いて行うこと
ができ特に制限されるものではなく、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等
を用いて行うことができるが、透明導電膜と保護コート
との密着性の観点から真空蒸着法、イオンプレーティン
グ法、スパッタリング法が好ましい。
【0049】かかる無機酸化物からなるガスバリア層の
厚さに特に制限はなく、無機酸化物の種類等によっても
異なるが、酸化珪素膜の場合、酸素ガスバリア性、水蒸
気バリア性、透明性の観点から、膜厚は50〜1000
Åが好ましい。50Å未満では十分なバリア性が得るこ
とができず、1000Åを超えるとバリア効果は殆ど増
大せず、透明性が損なわれる傾向にあるため望ましくな
い。
【0050】本発明に使用されるコート膜には、LCD
製造工程において使用される有機溶剤、アルカリ溶液、
酸性溶液、擦傷からポリカーボネート基板を保護する効
果がある。具体的には架橋性高分子が好ましく光硬化性
樹脂や熱硬化性樹脂が好適に使用できる。架橋高分子を
構成する有機モノマー化合物としては、イソアミルアク
リレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリ
コールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール
アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリ
レート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポ
リエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノール
エチレンオキサイド付加物アクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレ
ート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アク
リロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエ
チル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキシ
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等
の単官能アクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウ
リルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、
メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、フェノキシメタクリレ
ート、イソボニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート四
級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化
物、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタ
クリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタ
クリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、グリシジルメタクリレート、2−メタクリロイロ
キシエチルアシッドホスフェート、γ−メタアクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン等の単官能メタクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメ
チロールトリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジアクリ
レート、等の二官能アクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート等の三官能アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラアクリレート等の四官能アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の六官能
アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いても複
数混合して用いても良い。
【0051】ラジカル重合開始剤としては、UV照射に
よってラジカル発生するものであれば特に制限はない
が、下記の開始剤が入手容易であり好ましい。ベンゾフ
ェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタ
ン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン
−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,
4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン
−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H
−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙
げられ、これらは単独でも複数混合して使用しても良
い。有機モノマー化合物に対するラジカル重合開始剤の
添加量は1〜15重量%程度が好ましい。1重量%未満
或いは15重量%を超えて添加すると、硬化膜の耐溶剤
性、耐薬品性が目標に達しないことがあるので好ましく
ない。
【0052】本発明に使用されるシリコーン系硬化性樹
脂としては、公知の種々アルコキシシラン化合物が使用
できる。アルコキシシラン化合物の例を挙げると、トリ
メチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等の
モノアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、テ
トラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラ
アルコキシシラン類等である。また透明性を損なわない
範囲において基板とシリコーン硬化性樹脂の接着性を向
上させる目的でアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂等を添加又は下塗りすること
ができる。
【0053】本発明のコート膜を形成するモノマー化合
物の塗布方法は公知の方法を用いて良く、スプレーコー
ト法、フローコート法、ロールコート法、マイヤーバー
コート法、エアナイフ法、キスコート法、アークグラビ
ア法、ジェットリバース法、キス・ディッピング法、リ
ップコータ法、コンマリバース法、コンマダイレクト
法、バーコート法、グラビアダイレクト法、オフセット
グラビア法、ロールコート法、スピンコート法、ディッ
プコート法、ラミネートコート法等が挙げられるが、膜
厚の制御しやすさの観点からロールコート法、ディップ
コート法、スピンコート法が好ましい。またモノマー混
合物の粘度調整のため有機溶剤による希釈をしても良
い。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、2−エトキシエタノール、n−ヘキサ
ン、エチレングリコール、シクロヘキサン、石油エーテ
ル、ケロシン、リグロイン等、ポリカーボネート樹脂を
侵さない物を用いるのが好ましい。コート膜の厚みは、
0.3〜15μの範囲であり、好ましくは0.5〜12
μ、特には0.7〜10μの範囲が好ましい。厚みが
0.3μより薄いと耐溶剤性、耐薬品性、耐刷傷性の観
点から好ましくなく、15μより厚いと基板屈曲時にI
TO膜にクラック等の破損が発生する場合があり好まし
くない。
【0054】本発明による液晶表示素子用ポリカーボネ
ート基板は、40℃、90%RHにおける水蒸気バリア
量が2.0g/m2 ・24hr・atm以下、より好ま
しくは1.5g/m2 ・24hr・atm以下、1.0
g/m2 ・24hr・atm以下であることが好まし
い。更に40℃、90%RHにおける酸素ガス透過量は
1.0cc/m2 ・24hr・atm以下、より好まし
くは0.5cc/m2 ・24hr・atm以下、特には
0.1cc/m2 ・24hr・atm以下であることが
好ましい。バリア性が上記条件を達成していないと、液
晶パネル内に気泡等が発生しやすく、長期信頼性の観点
から好ましくない。
【0055】本発明のポリカーボネート樹脂基板を用い
た液晶表示素子のシート抵抗値は使用用途によって異な
るが、1300Å程度のITO膜を基板上に形成した状
態で60(Ω/□)以下、より好ましくは50 (Ω/
□)以下、特には40 (Ω/□)以下であることが好ま
しい。60 (Ω/□)を超えるシート抵抗値では、小型
サイズLCDやモノクロ表示LCD用途にしか使用する
ことができないので好ましくない。
【0056】本発明の液晶表示素子用ポリカーボネート
樹脂基板は、アルカリ水溶液に曝されるITO膜のパタ
ーンニング工程、基板上に有機溶剤に溶解させたポリイ
ミドを塗布した後、焼成しポリイミド配向膜を形成する
配向膜形成工程で十分な耐薬品性及び溶剤性を有してい
ることが望ましく、40℃、3.5%苛性ソーダ水溶液
10分浸漬後、次いで85℃においてN−メチル−2−
ピロリドンに10分接触後における透明導電膜のシート
抵抗値の変化が±15%以内、より好ましくは±10%
以内、更には±5%であることが好ましい。±15%を
超えると透明導電膜をパターンニング後、断線等の問題
が発生するため好ましくない。本発明のポリカーボネー
ト樹脂基板を用いた液晶表示素子は、波長550nmに
おける光線透過率が70%以上必要であり、75%以上
であることがより好ましい。70%未満であると液晶画
面が暗くなるので好ましくない。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、原料ポリカーボネ
ート樹脂の物性、熱プレス基板の諸特性、硬化性コート
の組成等は次の通りである。 <ガラス転移温度>ASTM D3418に準拠して測
定した。 <基板厚み>シックネスゲージにより基板厚みを測定し
た。
【0058】<膜の厚さ>実施例及び比較例により得ら
れたポリカーボネート樹脂基板のガスバリア薄膜と導電
膜については、シートの断面を透過型電子顕微鏡(日立
製作所製、H−600型)で観察し、薄膜の厚さを測定
した。 <耐溶剤性>耐溶剤性については、実施例及び比較例に
より得られたエッチング前のITO製膜付きポリカーボ
ネート樹脂基板を85℃でN−メチル−2−ピロリドン
を滴下し10分した後の基板の表面外観、ITO膜の表
面抵抗値(Ω/□)を測定した。
【0059】<耐薬品性>耐薬品性については、ITO
製膜した基板を40℃の3.5重量%苛性ソーダ水溶液
にドブ漬けした後の、基板の外観、ITO膜の表面抵抗
値(Ω/□)を評価した。 <複屈折率>自動複屈折測定装置((株)オーク製作
所、ADR−150N)を用い、垂直入射によりシング
ルパスのリターデーション値(R値、単位;nm)を測
定した。
【0060】<表面抵抗値の測定>三菱化学(株)製の
四端子法抵抗測定器(ロレスターMP)を用いて、表面
抵抗値(Ω/□)を測定した。 <光線透過率>(株)日立製作所の分光光度計を使用
し、波長550nmでの透過率を測定した。
【0061】<表面の粗さ(Ra)>表面粗さ測定器
((株)東京精密製、サーフコーム575A)を用い、
ダイヤモンド針(1μmR、90°円錐)、測定長さ
0.5mm、カットオフ値0.16mm、測定速度0.
06mm/秒及び直線補正の条件で測定した。 <酸素透過率>ASTM D−3985に準拠して、酸
素透過率測定装置(OX−TRAN10/50H)を使
用し、温度40℃、相対湿度90%RHの条件下で測定
した。本測定装置は0.1cc以下の酸素透過量領域に
測定精度がないため、実施例中においては0.1cc以
下の測定値はすべて「<0.1」と表記した。尚、測定
に用いたサンプルはITO膜をスパッタリングしていな
い状態のポリカーボネート樹脂基板を用いた。
【0062】<透湿度試験>東洋精機(株)製の透湿度
試験器を使用して、温度40℃、相対湿度90%RHの
条件下でJIS Z−0208に準拠して測定した。
尚、測定に用いたサンプルはITO膜をスパッタリング
してしない基板を用いた。 <耐衝撃強度試験>デュポン法落球試験により測定し
た。測定装置は東洋精器社製落球試験器を使用し、被測
定サンプルが破損若しくはヒビが入る最低の落球のエネ
ルギーで最低破壊エネルギー値を表した。
【0063】<屈曲試験>基板を35mm円柱にITO
膜を内側にして10秒巻き付け保持した後、ITO膜表
面抵抗値、ガスバリア性等の諸物性を評価した。実施例
表においては、屈曲試験後、ITO膜の表面抵抗値に1
%以上の悪化が認められた場合は「×」とし、変化が1
%以内の場合は「○」とした。
【0064】<液晶表示素子の作製>基板のITO膜上
にトップコート及びポリイミド配向膜を約500Åを形
成した後、この基板の間に液晶材料を注入し、シール部
材で封止し、更に外方向側表面に偏光板を積層し、液晶
表示素子を作製した。これにより工程上で発生する問
題、液晶画面の画質、長期信頼性等を評価した。実施例
表において液晶画面の画質が良好な場合は「○」、色滲
み等が発生し画質が劣る場合は「×」とした。また液晶
表示素子組み上げ後、23℃50%RH環境下に7日間
静置した後、画面が良好な場合は「○」、画面内に黒点
等の欠陥が発生した場合は「×」とした。 <粘度平均分子量>ウベローデ型キャピラリー粘度計を
用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定
し、以下の式により粘度平均分子量
【0065】
【数9】
【0066】を求めた。
【0067】
【数10】
【0068】<末端OH量測定>四塩化チタン/酢酸法
(Makromol Chem., 88, 215
(1965))により比色定量を行った。 <UV硬化性コート組成> (組成1)ペンタエリスリトールトリアクリレート(共
栄社化学(株)製 ライトアクリレートPE−3A)3
0重量部、エポキシアクリレート(日本化薬(株)製
カヤラッドR130)30重量部、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトエステル
HOA)20重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(東レダウコーニング(株)製 SZ6
030)20重量部、光開始剤(チバ・スペシャリティ
・ケミカルズ(株)製 ダロキュア1173)5重量部
【0069】(組成2)ジメチロールトリシクロデカン
ジアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトアクリレ
ートDCP−A)30重量部、エポキシアクリレート
(日本化薬(株)製 カヤラッドR130)30重量
部、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(共栄社
化学(株)製 ライトアクリレートDTMP−4A)4
0重量部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ(株)製 イルガキュア1800)5重量部
【0070】(組成3)ネオペンチルグリコールジアク
リレート(共栄社化学(株)製 ライトアクリレートN
P−A)40重量部、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート(共栄社化学(株)製 DPE−6A)20
重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(共
栄社化学(株)製 ライトアクリレートTMP−A)4
0重量部、光開始剤ダロキュア1173 5重量部
【0071】(組成4) <シリコーン系熱硬化性コート組成> アンカーコート: A液=エピコート828(油化シェルエポキシ(株)
製、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂) B液=エポメートB002(同社製、複素環式ジアミン
変性物) A/B=2/1(重量%比) バーコーターにて3.2ミクロン厚に塗布した後、熱硬
化させた。 硬化条件:熱風循環式オーブン、80度×3時間 シロキサン層:テトラメトキシシラン(東京化成(株)
製)/ジメチルジメトキシシラン(東京化成(株)製)
/γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成
(株)製)/0.01NHCl 12g バーコーターにて3.0ミクロン厚に塗布した後、熱硬
化させた。 硬化条件:熱風循環式オーブン、130度×2時間
【0072】実施例1 粘度平均分子量19300、Tg=183℃のポリカー
ボネートP(顆粒状)を東芝射出成型機(IS−45
M)により成形温度320℃、金型温度90℃にて80
mm×80mm×2.0mm厚の平板を射出成形した。
この射出板の末端OH量は280ppmであった。次い
で、成形板を両面が表面粗さRa=0.004μに加工
されたステンレス製平板2枚で挟むことにより、真空中
(20mmHg)で熱プレス処理を行った。プレス温度
は270℃、プレス時間は20分、プレス時の圧力は6
0g/cm2 、使用したスペーサの厚みは0.400m
mであった。
【0073】ステンレス板からのポリカーボネート基板
の剥離は、ステンレス板の表面温度が120℃になった
ところで剥がした。ポリカーボネート板の厚みは平均
0.399mmであり、この段階で剥がしたポリカーボ
ネート基板の衝撃強度試験を実施したところ10000
gf・cm以上の最低破壊エネルギー値を示した。本基
板の複屈折は、シングルパスのリターデーションで基板
全面で2nm以下の範囲にあり、表面粗さはRa=0.
005μであった。このポリカーボネート樹脂基板の光
線透過率は89.8%であった。
【0074】次いで該熱プレス板を10cm角にカット
した後、スピンコーターにセットし、モノマー組成1の
コート液を3mL中心部に滴下し、300rpmで20
秒、次いで1500rpmで10秒の条件でコートし
た。次いで出力4kw高圧水銀ランプにより紫外線を照
射総量5.0J/cm2 となるよう照射して保護コート
を硬化させた。コート膜の厚さは3.2μであった。同
条件で反対面にもコート膜を作製した。
【0075】両面コート膜を形成したポリカーボネート
基板にSiO2 をターゲット材料として110℃にて2
00Åの膜厚でRFスパッタリングした後、この上にも
スピンコーターによりモノマー組成1によるコート膜を
形成した。この基板について40℃、90%RHにおけ
る酸素ガス透過量と水蒸気透過量を測定したところ、酸
素ガス透過量は0.10g/m2 ・24hr・atm以
下であり、水蒸気透過量は0.30g/m2 ・24hr
・atm以下であった。SiO2 をスパッタリングした
面とは反対側の面にもITO(SnO 10重量%)を
110℃にて膜厚1300Åとなるようスパッタリング
した。ITO膜の表面抵抗値を測定したところ、28.
6 (Ω/□)であった。この段階で表面粗さを測定した
ところ、Ra=0.005μmであった。次いで該基板
を40℃で3.5重量%苛性ソーダ水溶液に10分浸漬
した後、表面抵抗値を測定したところ、28.6 (Ω/
□)であった。更に85℃のオーブン中でN−メチル−
2−ピロリドンをITO膜上に滴下し10分経った後、
エタノールで洗浄し乾燥後のシート抵抗値は28.6
(Ω/□)であった。
【0076】更に該基板のITO膜上にトップコート及
びポリイミド配向膜を約500Åを形成した後、この基
板の間に液晶材料を注入し、シール部材で封止し、更に
外方向側表面に偏光板を積層し、液晶表示素子を得た。
製造工程において何ら問題は発生しなかった。この様に
して得られた液晶表示素子の画質は、ガラス基板を用い
た液晶表示素子と同等の性能を有していた。
【0077】実施例2 実施例1において粘度平均分子量32300、Tg=1
87℃のポリカーボネートPを使用した以外は実施例1
と同様な実験を行った。 実施例3 実施例1において粘度平均分子量12100、Tg=1
71℃のポリカーボネートPを使用した以外は実施例1
と同様な実験を行った。
【0078】実施例4 実施例1において粘度平均分子量19200、Tg=1
48℃のポリカーボネートPを使用した以外は実施例1
と同様な実験を行った。 実施例5 実施例1において窒素気流下で熱プレス処理を行う代わ
りに、窒素気流下(10Nm3 /hr、酸素ガス濃度
0.4%以下)で行った以外は実施例1と同様な実験を
行った。
【0079】実施例6 実施例1において基板の厚みを1.85mmとした以外
は、実施例1と同様な実験を行った。 実施例7 実施例1において基板の厚みを0.12mmとした以外
は、実施例1と同様な実験を行った。
【0080】実施例8 実施例1において熱プレス圧力を600g/cm2 とし
た以外は実施例1と同様な実験を行った。 実施例9、10、11 実施例1においてモノマー組成1に変えてモノマー組成
2、3、4を使用した以外は実施例1と同様な実験を行
った。
【0081】実施例12 実施例1においてスピンコーターに変えてバーコーター
を使用し、厚さ12.0μのコート膜を形成させた以外
は実施例1と同様な実験を行った。 実施例13 実施例1においてSiO膜厚を750Åとした他は実施
例1と同様な実験を行った。
【0082】実施例14 実施例1と同様な実験から得られたポリカーボネート基
板両面に実施例1と同様にコート膜をスピンコートし
た。次いでこの上にSiO2 ターゲット材として膜厚2
00Åとなるようにスパッタリングした。更にSiO2
膜上に組成1のコート膜をスピンコートで形成した後、
次いで110℃においてITO膜を膜厚1300Åとな
るようにスパッタリングした。この上にトップコート及
びポリイミド配向膜を約500Åを形成した。次にこの
基板の間に液晶材料を注入し、シール部材で封止し、更
に外方向側表面に偏光板を積層し、液晶表示素子を得
た。製造工程において何ら問題は発生しなかった。この
様にして得られた液晶表示素子の画質は、ガラス基板を
用いた液晶表示素子と同等の性能を有していた。
【0083】実施例15 原料としてポリカーボネートZ(粘度平均分子量218
00、Tg=172℃)を使用した以外は、実施例1と
同様な実験を行った。 実施例16 原料としてポリカーボネートA及びポリカーボネートP
の50/50(重量%比)混合物(二軸押出機により3
20℃にて溶融混合を実施した)、粘度平均分子量20
300、Tg=166℃を使用した以外は、実施例1と
同様に製作、評価を行った。
【0084】実施例17 原料としてポリカーボネートA及びポリカーボネートZ
の30/70(重量%比)混合物(二軸押出機により3
20℃にて溶融混練を実施した)、粘度平均分子量19
800、Tg=165℃を使用した以外は、実施例1と
同様に製作、評価を行った。
【0085】実施例18 原料としてポリカーボネートA/ポリカーボネートP/
ポリカーボネートZの1/1/1(重量比)混合物(二
軸押出機により320℃にて溶融混練を実施した)、粘
度平均分子量18900、Tg=168℃を使用した以
外は実施例1と同様な実験を行った。
【0086】実施例19 原料としてビスフェノールA/ビスフェノールS=75
/25(モル%比)の共重合体を重合し、粘度平均分子
量21000、Tg=171℃のポリカーボネート樹脂
を使用した以外は実施例1と同様な実験を行った。 実施例20 原料としてビスフェノールA/ビスフェノールZ=50
/50(モル%比)の共重合体を重合し、粘度平均分子
量19800、Tg=161℃のポリカーボネート樹脂
を使用した以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0087】実施例21 原料としてビスフェノールA/ビスフェノールP/ビス
フェノールS=1/1/1(モル比)の共重合体を界面
重合法により重合し、粘度平均分子量18500、Tg
=178℃のポリカーボネート樹脂を使用した以外は実
施例1と同様な実験を行った。 実施例22 原料としてビスフェノールA/ビスフェノールZ誘導体
である1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン=50/50(モル
%)の共重合体を界面重合法により重合して得た粘度平
均分子量21500、Tg=205℃を使用した以外は
実施例1と同様な実験を行った。
【0088】実施例23 原料としてビスフェノールA/ビスフェノールZ誘導体
(実施例23で使用)=50/50(モル%)の共重合
体を界面重合法により重合して得た粘度平均分子量22
000、Tg=205℃のポリカーボネート樹脂100
重量部にポリカーボネートA 70重量部を320℃に
て溶融混練して得たTg=179℃、粘度平均分子量1
9500のポリカーボネート樹脂を使用した以外は実施
例1と同様な実験を行った。
【0089】実施例24 実施例1においてITO製膜温度を160℃にした以外
は実施例1と同様な実験を行った。 実施例25 ポリカーボネートA 50重量部とポリカーボネートP
50重量部をメチレンクロライド500重量部に撹拌
しながら均一に溶解させた後、メチレンクロライドを減
圧留去した。原料として該ポリカーボネート樹脂塊を1
40℃にて24時間減圧乾燥したものを粉砕処理した顆
粒状ポリカーボネート樹脂を使用した以外は実施例1と
同様な実験を行った。粘度平均分子量20100、Tg
=168℃であった。
【0090】実施例26 ポリカーボネートA/ポリカーボネートP/ポリカーボ
ネートZを1/1/1の重量部比でメチレンクロライド
に撹拌しながら均一に溶解させた後、メチレンクロライ
ドを減圧留去した。原料として該ポリカーボネート樹脂
塊を140℃にて24時間減圧乾燥したものを粉砕処理
した顆粒状ポリカーボネート樹脂を使用した以外は実施
例1と同様な実験を行った。粘度平均分子量1920
0、Tg=167℃であった。
【0091】比較例1 実施例1において粘度平均分子量8000、Tg=13
2℃のポリカーボネートAを使用した以外は、実施例1
と同様にした。本基板は非常に脆く、デュポン法落球試
験値は520(gf/cm)であった。また該基板は液
晶画面組み上げ工程で反りを生じ、組み上げた液晶画面
には滲みが発生し、低画質の液晶表示素子が得られた。
【0092】比較例2 実施例1において粘度平均分子量45000、Tg=1
73℃のポリカーボネートPを使用した以外は、実施例
1と同様にした。複屈折は、平均で38.4nmと著し
く悪化し、該基板から組み上げた液晶画面には滲みが発
生した。 比較例3 実施例1において熱プレス処理をオーブン(大気)中で
実施した以外は、実施例1と同様な実験を行った。プレ
ス板からポリカーボネート板が剥がれ難く、剥がす際割
れてしまったため次の工程に進むことが出来なかった。
【0093】比較例4 実施例1において熱プレス温度を190℃とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。複屈折は、平均で9
8.2nmと著しく悪化し、該基板から組み上げた液晶
画面には滲みが発生した。 比較例5 実施例1において熱プレス温度を380℃とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。プレス板からポリカー
ボネート板が剥がれ難く、剥がす際割れてしまったため
次の工程に進むことが出来なかった。
【0094】比較例6 実施例1において熱プレス圧力を5g/cm2 とした以
外は実施例1と同様な実験を行った。複屈折は、平均で
80.0nmと著しく悪化し、該基板から組み上げた液
晶画面には滲みが発生した。 比較例7 実施例1において熱プレス圧力を3000g/cm2
した以外は実施例1と同様な実験を行った。複屈折は、
平均で60.5nmと著しく悪化し、該基板から組み上
げた液晶画面には滲みが発生した。
【0095】比較例8 実施例1において熱プレス処理の際、表面粗さがRa=
0.3μのステンレス板を使用した以外は実施例1と同
様な実験を行った。本基板により組み上げた液晶表示素
子は、色滲みが発生した。また7日後パネル内に黒い点
が数点発生した。 比較例9 実施例1において、コート液8重量部に対して、エチル
セロソルブ(2−エトキシエタノール)92重量部を加
えスピンコートし、膜厚0.16μのコート膜を形成し
た以外は実施例1と同様な実験を行った。耐NMP試験
及びアルカリ試験で基板表面に変形が認められ、液晶画
面組み上げ工程へは進めなかった。
【0096】比較例10 実施例1において、バーコーターを使用して約18.3
μの保護コートを形成した以外は実施例1と同様な実験
を行った。屈曲させるとITOの抵抗値が67(Ω/
□)に上昇し、目視でITO膜にクラックも観察でき
た。本基板を使用し液晶画面組み上げた所、画面が暗い
ものが得られた。
【0097】比較例11 実施例1と同様な実験から得た熱プレス板を10cm角
にカットした後コート膜を形成せず、そのままSiO2
をターゲット材料として110℃にて200Åの膜厚で
RFスパッタリングした。次いでSiO2 をスパッタリ
ングした面とは反対側の面にもITO(SnO 10重
量%)を110℃にて膜厚1300Åとなるようスパッ
タリングした。ITO膜のシート抵抗値を測定したとこ
ろ、34.2 (Ω/□)であった。この段階で表面粗さ
を測定したところ、Ra=0.005μmであった。次
いで該基板を耐アルカリ試験後、シート抵抗値を測定し
たところ、79.7(Ω/□)であり、耐NMP試験後
のシート抵抗値は∞(Ω/□)となったため、LCD組
み上げ工程には進めなかった。
【0098】比較例12 実施例1においてSiO2 膜上にコート膜を形成しなか
った他は実施例1と同様な実験を行った。酸素ガス透過
量、水蒸気透過量が著しく増加した他に、液晶表示素子
を組み上げたところ、7日後パネル内に黒い点が数点発
生した。 比較例13 実施例1においてSiO2 を20Åとなるようにスパッ
タリングした以外は実施例1と同様な実験を行った。液
晶表示素子を組み上げたところ、7日後パネル内に黒い
点が数点発生した。
【0099】比較例14 実施例1において末端OH量1200ppm、Tg=1
52℃、粘度平均分子量14300のポリカーボネート
Pを使用した以外は実施例1と同様な実験を行った。熱
プレス処理後、鏡面平板から剥離することが困難であ
り、剥がそうとすると割れてしまい次の工程へは進めな
かった。 比較例15 粘度平均分子量19300、Tg183℃のポリカーボ
ネートPをTダイ付き押出機に投入し、ダイスから押し
出されたシートを表面温度200℃に調整した冷却ドラ
ム上にキャスティングして、平均厚さ0.161mmの
シートを得た。得られたシートにはダイラインによる透
過ムラが僅かに観察された。本シート基板に実施例1と
同様な実験を行って組み上げた液晶画面には滲みが発生
した。
【0100】比較例16 粘度平均分子量19300、Tg183℃のポリカーボ
ネートPを15重量部をメチレンクロライド85重量部
に溶解した後、アプリケーターにより鋼板上に流延した
後、溶媒を室温で徐々に乾燥した。残留メチレンクロラ
イドが10重量%になった後、120℃にて残留メチレ
ンクロライドが0.1重量%になるまで乾燥し、95ミ
クロン厚の透明フィルムを得た。本フィルムを使用して
組み上げた液晶画面には滲みが発生した。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】
【表9】
【0110】
【表10】
【0111】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、優れた表面平
坦性及び低複屈折率を有したポリカーボネート樹脂基板
に耐溶剤性、耐薬品性、ガスバリア性、透明導電性膜を
付与しているので、LCD基板として優れた性能が得ら
れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JA02 JA06 JA09 JB03 JB13 JD08 JD14 4F100 AA33 AK25 AK45A AK49 AK52 AR00C AR00D AT00B BA03 BA04 BA05 BA07 BA10B BA10C BA10D CA30 EJ20A GB41 JA05A JA07A JA20A JA20B JD02C JG01D JK15A JN01A JN01D JN30 YY00 YY00A YY00B 4J029 AA09 AB07 AC02 AD01 AD07 AD10 AE04 BB13A BD09A BD09C BH02 KB02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量10000〜3500
    0、可視光線の透過率80%以上及びガラス転移温度1
    40℃以上であるポリカーボネート樹脂からなる厚さが
    0.10〜2.0mm及び表面粗さ(Ra)0.1μ以
    下のシート状成形体であって、その両面に厚さ0.3〜
    15μのコート膜を少なくとも一層有し、且つ少なくと
    も片面に更にガスバリア膜及び/又は透明導電膜を有
    し、その状態における平均リターデーション(Δnd)
    が5nm以下であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 シート状成形体がポリカーボネート樹脂
    の押出成形体又は射出成形体を不活性ガス雰囲気下又は
    100mmHg以下の真空下、下記式(1)で表される
    温度Tにおいて、表面粗さ(Ra)が0.1μ以下の表
    面を有する金属材料又は無機材料よりなる平面にて上下
    より10〜1000(g/cm2 )の圧力にて熱プレス
    処理して得られたものである請求項1に記載の液晶表示
    素子。 【数1】
  3. 【請求項3】 下記(A)ないし(F)の積層構成から
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示
    素子。 (A)…透明導電膜 厚さ:50〜3000Å (B)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ (C)…ポリカーボネート樹脂基板 厚さ:0.10〜2.0mm (D)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ (E)…ガスバリア膜 厚さ:50〜1000Å (F)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ
  4. 【請求項4】 下記(G)ないし(L)の積層構成から
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示
    素子。 (G)…透明導電膜 厚さ:50〜3000Å (H)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ (I)…ガスバリア膜 厚さ:50〜1000Å (J)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ (K)…ポリカーボネート樹脂基板 厚さ:0.10〜2.0mm (L)…コート膜 厚さ:0.3〜15μ
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂が、2,2−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)非置換若しくはメチル置換
    シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
    ホン又は1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)3,
    3,5−トリメチルシクロヘキサンを全ジオール成分
    中、これらの合計量で50重量%以上用いたものである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 二価フェノール化合物が1,1−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)3,3,5−トリメチルシ
    クロヘキサンであることを特徴とする請求項5に記載の
    液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 コート膜がその分子内にアクリル基を1
    〜6個含有する有機アクリレート化合物及び/又はその
    分子内にメタクリル基を1〜6個含有する有機メタクリ
    レート化合物の重合体からなることを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 コート膜がシリコーン系硬化物であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液
    晶表示素子。
  9. 【請求項9】 透明導電膜がインジウムチンオキサイド
    であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに
    記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 透明導電膜インジウムチンオキサイド
    製膜時の基板温度が150℃以上であることを特徴とす
    る請求項1ないし9のいずれかに記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 ガスバリア膜が厚さ50〜1000Å
    の酸化珪素膜であることを特徴とする請求項1ないし1
    0のいずれかに記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかにおけ
    る透明導電膜を除いた層構成の液晶表示素子用ポリカー
    ボネート樹脂基板において、40℃における90%RH
    における水蒸気透過量が2.0g/m2 ・24hr・a
    tm以下、且つ同条件における酸素ガス透過量が1.0
    cc/m2 ・24hr・atm以下であることを特徴と
    する液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 透明導電膜の表面抵抗値が40(Ω/
    □)以下であることを特徴とする請求項1ないし12の
    いずれかに記載の液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 波長550nmにおける光線透過率が
    75%以上であることを特徴とする請求項1ないし13
    のいずれかに記載の液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 40℃において3.5%苛性ソーダ水
    溶液に10分浸漬後、次いで85℃においてN−メチル
    −2−ピロリドンに10分接触させた後の透明導電膜の
    表面抵抗値の変化が±15%以内であることを特徴とす
    る請求項1ないし14のいずれかに記載の液晶表示素
    子。
  16. 【請求項16】 ポリカーボネート樹脂組成物のTgが
    160℃以上であることを特徴とする請求項1ないし1
    5のいずれかに記載の液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 ポリカーボネート樹脂組成物のTgが
    180℃以上であることを特徴とする請求項1ないし1
    5のいずれかに記載の液晶表示素子。
  18. 【請求項18】 ポリカーボネート樹脂基板の末端OH
    量が700ppm未満であることを特徴とする請求項1
    ないし17のいずれかに記載の液晶表示素子。
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