JP2000111830A

JP2000111830A - 装着型表示装置

Info

Publication number: JP2000111830A
Application number: JP10301669A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Fukuda; 達也福田; Shoji Suenaga; 尚司末永
Original assignee: Pioneer Electronic Corp
Current assignee: Pioneer Corp
Priority date: 1998-10-08
Filing date: 1998-10-08
Publication date: 2000-04-21

Abstract

(57)【要約】【課題】装着中の観察者が良好な映像を観察する事が
でき、且つ、緊急状態に迅速に対応して行動する場合の
多い自動車などの移動体内においても、観察者が装着し
たまま周囲の状況を迅速且つ良好に確認することのでき
る装着型表示装置を提供することを目的とする。【解決手段】移動体の乗員に対し映像を表示するため
の装着型表示装置であって、映像信号を発生する映像信
号発生手段と、乗員に装着され該乗員の眼球に映像信号
による映像を導いて表示する表示手段と、移動体の緊急
状態を検出する緊急状態検出手段と、緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて映像信号による映像の表示
を停止させる制御手段とを備え、表示手段は、映像信号
を画像に変換する画像表示素子と、画像に基づく映像を
装着された該乗員の眼球に導いて表示すると共に該映像
及び装着された該乗員に対する外界から導入される外界
像を該乗員の眼球へ導くための光学手段を備えることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の頭部等に
装着して映像を観察するための装着型表示装置に関し、
特に移動体内の観察者の周囲に緊急状態が生じた場合
に、観察者が装着したまま迅速に周囲の状況を確認する
ことのできる装着型表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、大画面による映像を個人で楽しむ
ことのできるヘッドマウントディスプレイ（以下、ＨＭ
Ｄという）が知られている。これは、例えばヘッドバン
ド等により観察者の頭部に固定したうえで該観察者の左
右の眼球を含む顔面の一部を覆うように装着して用いる
ゴーグルタイプ等の装着型の映像表示装置であり、その
筐体内には、ＨＭＤに供給される映像信号を小さな画面
によって画像に変換するための小型のＣＲＴや液晶表示
素子などの画像表示素子や、画像表示素子により変換さ
れた画像を観察者の左右の眼球に導く光路を形成するた
めの反射鏡やレンズなどの光学部品などが設けられてい
る。

【０００３】ＨＭＤは、上記画像表示素子によって映像
信号を画像に変換し、変換された画像を光学部品によっ
て拡大してＨＭＤを装着中の観察者の左右の眼球に導く
ことにより観察者に対し映像を表示する。したがって、
観察者は、ＨＭＤを用いることにより大画面による映像
を個人で楽しむことができる。

【０００４】また、従来、ＨＭＤを装着したまま観察者
が外界を観察することができるように筐体の一部に開口
部を設けると共に該開口部を蓋う液晶シャッタを取り付
けた構成のＨＭＤが知られている。これによれば、観察
者が必要に応じて液晶シャッタに印加する電圧のＯＮ／
ＯＦＦ切替動作を行うことによりＨＭＤを装着したまま
開口部に設けられた液晶シャッタを通して外界の観察を
選択的に行うことができる。

【０００５】つまり、ＨＭＤを用いて映像を観察する場
合は外界からの光が邪魔となるので、通常は観察者が外
界を観察できないように液晶シャッタを切り替えること
により外界からの光が筐体内に入るのを遮断する。ま
た、観察者は必要に応じて適宜液晶シャッタを切り替え
ることにより、鮮明な映像と外界の観察を選択的に行う
ことができる。

【０００６】従来のＨＭＤは以上のように構成されるの
で、小型で可搬性を有するため、観察者は希望する場所
に容易に持ち運ぶことができ、その場所で映像を楽しむ
ことができる。

【０００７】また、ＨＭＤは、例えば使用中の観察者が
移動中の自動車等の乗員であっても安定して映像を観察
することができる。即ち、自動車の移動中にＨＭＤを使
用中の各乗員が振動や衝撃を受けてもＨＭＤが頭部にし
っかり固定されるので、各乗員は表示される映像を上記
振動や衝撃に影響されることなく集中して楽しむことが
できる。また、各乗員はそれぞれ希望する映像を希望す
る時間内において他の乗員に迷惑をかけないで個人で集
中して楽しむことができる。

【０００８】このように、ＨＭＤは自動車などの移動体
内で各乗員が映像を集中して楽しむのに好適な映像表示
装置であり、今後ますます移動体内における需要が見込
まれる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】一方、自動車などの移
動体においては、移動中に急ブレーキが踏まれたり、急
ハンドルが切られる場合には、各乗員は姿勢が不安定或
いは危険な状態となりすばやく姿勢を立て直す必要があ
る。

【００１０】また、移動体が交通事故等の非常事態に遭
遇した場合は、各乗員は一刻も早く車外へ避難しなけれ
ばならない。このような場合には、各乗員は周囲の状況
を確認しながらこれらの緊急状態に迅速に対応して行動
する必要がある。

【００１１】ところが、乗員がＨＭＤを装着して映像を
観察中は、映像そのものに集中するあまり上記緊急状態
に対する認識が遅れがちとなる場合がある。また、映像
を観察中に緊急状態をいち早く察知したとしても周囲の
状況を見るために液晶シャッタを乗員が自ら切り替える
時間が必要であり、その分周囲の状況を確認するまでに
相当な時間を要するので、危険回避が遅れがちとなる。

【００１２】本発明は、上述の問題点に鑑みなされたも
のであり、装着中の観察者が良好な映像を観察する事が
でき、且つ、緊急状態に迅速に対応して行動する場合の
多い自動車などの移動体内においても、観察者が装着し
たまま周囲の状況を迅速且つ良好に確認することのでき
る装着型表示装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
移動体の乗員に対し映像を表示するための装着型表示装
置であって、映像信号を発生する映像信号発生手段と、
乗員に装着され該乗員の眼球に映像信号による映像を導
いて表示する表示手段と、移動体の緊急状態を検出する
緊急状態検出手段と、緊急状態検出手段が検出する緊急
状態に応じて映像信号による映像の表示を停止させる制
御手段とを備え、表示手段は、映像信号を画像に変換す
る画像表示素子と、画像に基づく映像を装着された該乗
員の眼球に導いて表示すると共に該映像及び装着された
該乗員に対する外界から導入される外界像を該乗員の眼
球へ導くための光学手段を備えることを特徴とする。

【００１４】また、請求項２記載の発明は、移動体の乗
員に対し映像を表示するための装着型表示装置であっ
て、映像信号を発生する映像信号発生手段と、乗員に装
着され該乗員の眼球に映像信号による映像を導いて表示
する表示手段と、移動体の緊急状態を検出する緊急状態
検出手段と、緊急状態検出手段が検出する緊急状態に応
じて映像信号による映像の表示を停止させる制御手段と
を備え、表示手段は、映像信号を画像に変換する画像表
示素子と、画像に基づく映像を装着された該乗員の眼球
に導いて表示すると共に該映像及び装着された該乗員に
対する外界から導入される外界像を該乗員の眼球へ導く
ための光学手段と、外界像を光学手段へ選択的に導入す
るべく外界像を光学手段に対し選択的に遮断又は遮断解
除する切替手段とを備え、制御手段は、緊急状態検出手
段が検出する緊急状態に応じて、遮断中の切替手段を遮
断解除させることにより、外界像を光学手段に導入させ
ることを特徴とする。

【００１５】また、請求項３記載の発明は、請求項１に
記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊急状態
検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出
力し、緊急制御信号により映像信号発生手段の映像信号
の発生を停止させることにより、映像信号による映像の
表示を停止させることを特徴とする。

【００１６】また、請求項４記載の発明は、請求項２に
記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊急状態
検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出
力し、緊急制御信号により映像信号発生手段の映像信号
の発生を停止させると共に、遮断中の切替手段を遮断解
除させることにより外界像を光学手段に導入させること
を特徴とする。

【００１７】また、請求項５記載の発明は、請求項１又
は３に記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊
急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信
号を出力し、緊急制御信号により表示手段の映像の表示
を停止させることにより、映像信号による映像の表示を
停止させることを特徴とする。

【００１８】また、請求項６記載の発明は、請求項２又
は４に記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊
急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信
号を出力し、緊急制御信号により表示手段の映像の表示
を停止させると共に、遮断中の切替手段を遮断解除させ
ることにより外界像を光学手段に導入させることを特徴
とする。

【００１９】また、請求項７記載の発明は、請求項１又
は３に記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊
急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信
号を出力し、緊急制御信号により映像信号発生手段が発
生する映像信号を表示手段に供給するのを停止させるこ
とにより、映像信号による映像の表示を停止させること
を特徴とする。

【００２０】また、請求項８記載の発明は、請求項２又
は４に記載の装着型表示装置において、制御手段は、緊
急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて緊急制御信
号を出力し、緊急制御信号により映像信号発生手段が発
生する映像信号を表示手段に供給するのを停止させると
共に、遮断中の切替手段を遮断解除させることにより外
界像を光学手段に導入させることを特徴とする。

【００２１】また、請求項９記載の発明は、請求項１〜
８に記載の装着型表示装置において、緊急状態検出手段
は、移動体に装備されたナビゲーション装置或いは該移
動体の駆動制御装置が出力する該移動体の加速又は減速
動作に応じた出力信号を検出することにより緊急状態を
検出することを特徴とする。

【００２２】また、請求項１０記載の発明は、請求項１
〜８に記載の装着型表示装置において、緊急状態検出手
段は、移動体に装備されたナビゲーション装置或いは該
移動体の駆動制御装置が出力する該移動体の移動中にお
ける移動方向の変更動作に応じた出力信号を検出するこ
とにより緊急状態を検出することを特徴とする。

【００２３】

【作用】本発明によれば、表示手段を装着中の移動体の
乗員が映像を観察中に、緊急状態が生じた場合に、緊急
状態検出手段がこれを検出し、制御手段が緊急状態検出
手段の検出する緊急状態に応じて映像信号の表示を停止
させるので、観察者が光学手段によって外界と共に映像
を観察中の場合は、観察者は緊急状態に応じて外界を迅
速且つ良好に確認することができる。又、切替手段によ
って外界像が光学手段に対し遮断された状態で観察者が
映像を観察中の場合は、制御手段が緊急状態検出手段が
検出する緊急状態に応じて遮断中の切替手段を遮断解除
させるので、観察者は緊急状態に応じて外界を迅速且つ
良好に確認することができる。

【００２４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な各実施形態
について図をもとに説明する。なお、以下に説明する各
実施形態における装着型表示装置は、移動体としての自
動車に装備されると共に移動中の当該自動車の乗員が使
用している場合によって説明する。図１は、本発明の第
１の実施形態における装着型表示装置のブロック図であ
る。同図に示すように、装着型表示装置は、映像信号発
生手段１と、表示手段２と、緊急状態検出手段３と、制
御手段４と、を備えて構成される。

【００２５】映像信号発生手段１は、例えば、画像情報
が記録されたＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ等の記録媒体を再生
するための車載用のプレーヤによって構成され、映像再
生指令に応じて画像情報に基づく映像信号を発生（ここ
では再生）して表示手段２に供給する。

【００２６】表示手段２は、筐体にヘッドバンドが取り
付けられたゴーグルタイプの表示器であり、ヘッドバン
ドによって筐体が観察者の左右の眼球を含む顔面の一部
を蓋う位置に装着される。

【００２７】図２は、表示手段２の概略構造図であり、
図３は表示手段２を観察者（本実施形態では自動車の乗
員）が装着した状態を示す図である。

【００２８】これらの図からわかるように、筐体内に
は、例えば液晶表示素子からなる画像表示素子２ａ、ハ
ーフミラーなどによって形成された光学系の光路からな
る光学手段２ｂが観察者の左右の眼球に対応する位置に
取り付けられている。また、観察者の各眼球と対向する
筐体の一部には観察者が装着した状態における観察者の
周囲（外界）が観察可能な開口部が設けられていて、該
開口部を蓋うように例えば液晶シャッタからなる切替手
段２ｃが取り付けられている。

【００２９】表示手段２は、映像信号発生手段１から供
給される映像信号を、図示せぬ映像信号駆動制御装置な
どを介して画像表示素子２ａに供給し、画像表示素子２
ａにより画像に変換して当該画像に基づく映像を生成
し、光学手段２ｂの光路に沿って観察者の眼球に導いて
表示する。

【００３０】また、表示手段２は、観察者が装着した状
態における観察者の外界からの外界像を、マイコンなど
からなる制御手段４の制御動作により観察者の眼球に選
択的に導いて表示することができる。

【００３１】つまり、表示手段２は、観察者が装着した
状態における観察者の周囲（外界）からの外界像を切替
手段２ｃに導入する。切替手段２ｃは、制御手段４の制
御により外界像を遮断解除（または遮断）することで上
記外界像を光学手段２ｂに選択的に導入する。

【００３２】したがって、表示手段２は、制御手段４が
切替手段２ｃを制御することにより装着中の観察者に対
し外界像を表示または表示停止することができる。

【００３３】一方、緊急状態検出手段３は、自動車の緊
急状態を検出する手段であり、自動車の移動中に急ブレ
ーキが踏まれたり、急ハンドルが切られたり、自動車が
追突或いは衝突等して乗員の姿勢が不安定或いは危険と
なる状態を緊急状態として検出して制御手段４に緊急制
御信号を供給する。

【００３４】より具体的には、自動車の移動中に急ブレ
ーキが踏まれたり、急ハンドルが切られたり、或いは自
動車が追突或いは衝突等した場合に、自動車の駆動制御
装置が出力する加速或いは減速動作に応じた出力信号を
検出して、当該出力信号の大きさが所定の閾値を超えた
場合に緊急状態を検出して制御手段４に緊急制御信号を
供給する。

【００３５】制御手段４は、緊急制御信号が供給される
と映像信号発生手段１及び表示手段２を制御して観察者
に対し映像または外界のいずれか一方を選択的に表示す
るように制御を行う。つまり、制御手段４は、映像表示
指令により観察者に対し映像を表示させると共に外界像
の表示を停止させる制御を行い、緊急状態検出手段３が
自動車の緊急状態を検出した場合にはこれに応じて、観
察者に対し映像の表示を停止させると共に外界像の表示
をさせる制御を行う。

【００３６】以下、制御手段４が映像信号発生手段１及
び表示手段２に対して行う具体的な制御動作について図
１及び図４をもとに説明する。図４は表示手段２を装着
した観察者において、この観察者の一方の眼球付近を表
した断面図である。

【００３７】先ず、観察者に対し映像を表示する場合を
説明する。制御手段４は、映像再生指令に応じて映像信
号発生手段１を制御して映像信号を発生させて表示手段
２の画像表示素子２ａに供給させる。

【００３８】画像表示素子２ａは、図４に示すようにこ
こではバックライト２ａａと液晶表示パネル２ａｂから
なる液晶表示素子で構成されていて、供給される映像信
号を液晶表示パネル２ａｂによって画像に変換すると共
に制御手段４がバックライト２ａａを点灯させて当該画
像に基づく鮮明な映像を生成する。生成された映像は、
同図に示すように、ハーフミラーからなる光学手段２ｂ
によって反射して観察者の眼球に導かれる。

【００３９】また、制御手段４は、液晶シャッタからな
る切替手段２ｃを制御して外界像を遮断停止させて外界
像を光学手段２ｂに対し導入させることにより観察者に
対し外界像を表示停止させる。

【００４０】これにより、観察者は、通常映像を観察す
る場合は、外界像を含まない鮮明な映像を観察すること
ができる。

【００４１】次に、観察者が映像を観察中に自動車が緊
急状態となった場合を説明する。

【００４２】自動車が緊急状態となった場合は、上述し
たように、緊急状態検出手段３がこれを検出して制御手
段４に緊急制御信号を供給する。したがって、制御手段
４は、緊急制御信号が供給されると緊急状態と判断して
映像信号発生手段１に対し映像信号の発生を停止させる
ことにより観察者に対し映像の表示を停止させると共
に、遮断中の切替手段２ｃを遮断解除させて外界像を光
学手段２ｂに対し導入させることにより観察者に外界像
を表示させる。

【００４３】これにより、観察者が映像を観察中に自動
車が緊急状態となった場合には、観察者が表示手段２を
装着したまま外界を迅速且つ良好に確認することができ
る。

【００４４】次に、本発明の第２の実施形態について説
明する。

【００４５】図５は、本発明の第２の実施形態における
装着型表示装置のブロック図である。第２の実施形態に
おける装着型表示装置は、図５に示すように、図１の各
構成のうち表示手段２の代りに表示手段５を備えて構成
される。表示手段５は、表示手段２の各構成から切替手
段２ｃを除いて構成される。

【００４６】また、図６は、表示手段５を装着した観察
者において、この観察者の一方の眼球付近を表した断面
図である。同図からわかるように、表示手段５は、観察
者が装着中に映像の表示または表示停止にかかわらず常
時筐体の開口部から外界像が観察できる構成を有する。

【００４７】したがって、第２の実施形態において観察
者に対し映像を表示する場合は、制御手段４は先に述べ
た第１の実施形態と同様の制御動作を行うことにより、
観察者が外界像の観察と共に映像を観察することができ
る。

【００４８】また、本実施形態では、バックライト２ａ
ａが点灯した状態で鮮明な映像が表示されるので、外界
との光のコントラストが大きくなり、その結果、観察者
は映像を観察する場合に外界像がほとんど気にならな
い。これにより、観察者は、通常映像を観察する場合
は、外界像を気にすることなく鮮明な映像を観察するこ
とができる。

【００４９】また、観察者が映像を観察中に自動車が緊
急状態となった場合は、緊急状態検出手段３がこれを検
出して制御手段４に緊急制御信号を供給する。したがっ
て、制御手段４は、緊急制御信号が供給されると緊急状
態と判断して映像信号発生手段１に対し映像信号の発生
を停止させると共に、画像表示素子２ａのバックライト
２ａａを消灯及び液晶表示パネル２ａｂの駆動停止を行
うことにより観察者に対し映像の表示を停止させると共
に、観察者に外界像を良好に表示させる。

【００５０】これにより、観察者が映像を観察中に自動
車が緊急状態となった場合には、観察者が表示手段２を
装着したまま外界を迅速且つ良好に確認することができ
る。

【００５１】なお、上述した第１の実施形態では、制御
手段４が緊急状態に応じて、映像信号発生手段１に対し
映像信号の発生を停止させることにより観察者に対し映
像の表示を停止させるようにしたが、制御手段４は、画
像表示素子２ａが映像を表示するのを停止させることで
光学手段２ｂへの映像の導入を停止させて観察者に対し
映像の表示を停止するようにしても良いし、これらの制
御を併用しても良い。

【００５２】また、制御手段４が緊急状態に応じて行う
映像の表示停止制御動作はこれに限らず、例えば、制御
手段４が、映像表示中に映像信号発生手段１から表示手
段２へ供給される映像信号を、緊急状態に応じて表示手
段２に対して遮断することにより観察者への映像の表示
を停止させるようにしても良い。

【００５３】図７、図８はこの一例を示すその他の実施
形態における装着型表示装置のブロック図である。

【００５４】図７の装着型表示装置は、図１における装
着型表示装置の各構成に加えて、映像信号発生手段１と
表示手段２の間に遮断装置６を設けて構成される。

【００５５】遮断装置６は、映像信号発生手段１が発生
する映像信号が表示手段２に供給されるのを遮断または
遮断解除するための遮断器であり、制御手段４の制御に
よって遮断または遮断解除が行われる。即ち、本実施形
態では、制御手段４は、緊急制御信号が供給されると緊
急状態と判断して遮断装置６を遮断させることにより表
示手段２に対し映像信号発生手段１からの映像信号を供
給停止させることにより観察者に対し映像の表示を停止
させることができる。

【００５６】また、図８の装着型表示装置は、図５にお
ける装着型表示装置の各構成に加えて、映像信号発生手
段１と表示手段２の間に遮断装置６を設けて構成され
る。

【００５７】本実施形態では、制御手段４は、緊急制御
信号が供給されると緊急状態と判断して遮断装置６を遮
断させることにより表示手段２に対し映像信号発生手段
１からの映像信号を供給停止させることにより観察者に
対し映像の表示を停止させることができる。

【００５８】なお、上述した図７及び図８のその他の実
施形態において、観察者に対し映像の表示を停止させる
場合に、制御手段４は、遮断装置６の制御動作に加え
て、映像信号発生手段１に対し映像信号の発生を停止さ
せる制御動作を併用しても良いし、画像表示素子２ａが
映像を表示するのを停止させる制御動作を併用しても良
いし、これらの制御をすべて併用しても良い。

【００５９】また、上述した各実施形態では、移動体を
自動車として説明したが、これに限らず、本発明におけ
る移動体は、その乗員が不安定な姿勢または移動体から
脱出が必要となる緊急事態が起こりうる移動体であれば
良い。

【００６０】また、表示手段２は、供給される映像信号
を画像表示素子２ａによって画像に変換して得られる映
像をハーフミラーからなる光学手段２ｂによって反射し
て観察者の眼球に導いて表示するように構成したが、光
学手段は、画像表示素子２ａによって画像に変換して得
られる映像をレンズなどを用いて拡大して観察者の眼球
に導いて表示するように構成しても良いし、観察者の網
膜上に直接映像を導いて結像するように構成しても良
い。

【００６１】また、画像表示素子２ａは、液晶表示素子
に限らず、ＥＬ素子や蛍光管による画像表示素子であっ
ても良い。

【００６２】また、緊急状態に応じて制御手段４が行う
映像の表示停止は、一時的なものであっても良い。つま
り、制御手段４は、緊急状態に応じて所定時間の映像の
表示を行い、所定時間経過後は、映像の表示を再開する
ように制御しても良い。

【００６３】また、緊急状態検出手段３は、自動車の駆
動制御装置が出力する加速或いは減速動作に応じた出力
信号を検出して、当該出力信号の大きさが所定の閾値を
超えた場合に緊急状態を検出して制御手段４に緊急制御
信号を供給するように構成したが、本発明はこれに限ら
ず、緊急状態検出手段３は、移動体に装備されたナビゲ
ーション装置が備える車速センサ等の出力信号や地図情
報等が記録されたＣＤ−ＲＯＭからの出力を検出するこ
とにより緊急状態を検出するようにしても良いし、ナビ
ゲーション装置が受信する衛星または放送電波からの各
種情報に基づき出力される緊急信号を検出することによ
り緊急状態を検出するようにしても良い。また、移動体
に温度センサや煙センサなどを設けてこれらのセンサ出
力によって緊急状態を検出するようにしても良い。

【００６４】

【発明の効果】本発明によれば、表示手段を装着中の移
動体の乗員が映像を観察中に、緊急状態が生じた場合
に、緊急状態検出手段がこれを検出し、制御手段が緊急
状態検出手段の検出する緊急状態に応じて映像信号の表
示を停止させるので、観察者が光学手段によって外界と
共に映像を観察中の場合は、観察者は緊急状態に応じて
外界を迅速且つ良好に確認することができる。又、切替
手段によって外界像が光学手段に対し遮断された状態で
観察者が映像を観察中の場合は、制御手段が緊急状態検
出手段が検出する緊急状態に応じて遮断中の切替手段を
遮断解除させるので、観察者は緊急状態に応じて外界を
迅速且つ良好に確認することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態における装着型表示装
置のブロック図である。

【図２】表示手段の概略構造図である。

【図３】表示手段を観察者が装着した状態を示す図であ
る。

【図４】第１の実施形態における表示手段を装着中の観
察者の一方の眼球付近を表した断面図である。

【図５】本発明の第２の実施形態における装着型表示装
置のブロック図である。

【図６】第２の実施形態における表示手段を装着中の観
察者の一方の眼球付近を表した断面図である。

【図７】その他の実施形態における装着型表示装置のブ
ロック図である。

【図８】その他の実施形態における装着型表示装置のブ
ロック図である。

【符号の説明】

１…・・映像信号発生手段２、５…・・表示手段２ａ…・・画像表示素子２ａａ…・・バックライト２ａｂ…・・液晶表示パネル２ｂ…・・光学手段２ｃ…・・切替手段３…・・緊急状態検出手段４…・・制御手段６…・・遮断装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動体の乗員に対し映像を表示するため
の装着型表示装置であって、映像信号を発生する映像
信号発生手段と、前記乗員に装着され該乗員の眼球に前記映像信号による
映像を導いて表示する表示手段と、前記移動体の緊急状態を検出する緊急状態検出手段と、前記緊急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて前記
映像信号による映像の表示を停止させる制御手段と、を
備え、前記表示手段は、前記映像信号を画像に変換する画像表
示素子と、前記画像に基づく映像を前記装着された該乗
員の眼球に導いて表示すると共に該映像及び前記装着さ
れた該乗員に対する外界から導入される外界像を該乗員
の眼球へ導くための光学手段を備えることを特徴とする
装着型表示装置。
【請求項２】移動体の乗員に対し映像を表示するため
の装着型表示装置であって、映像信号を発生する映像
信号発生手段と、前記乗員に装着され該乗員の眼球に前記映像信号による
映像を導いて表示する表示手段と、前記移動体の緊急状態を検出する緊急状態検出手段と、前記緊急状態検出手段が検出する緊急状態に応じて前記
映像信号による映像の表示を停止させる制御手段と、を
備え、前記表示手段は、前記映像信号を画像に変換する画像表
示素子と、前記画像に基づく映像を前記装着された該乗
員の眼球に導いて表示すると共に該映像及び前記装着さ
れた該乗員に対する外界から導入される外界像を該乗員
の眼球へ導くための光学手段と、前記外界像を前記光学
手段へ選択的に導入するべく前記外界像を前記光学手段
に対し選択的に遮断又は遮断解除する切替手段とを備
え、前記制御手段は、前記緊急状態検出手段が検出する緊急
状態に応じて、遮断中の前記切替手段を遮断解除させる
ことにより、外界像を前記光学手段に導入させることを
特徴とする装着型表示装置。
【請求項３】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記映像信号発生手段の映像信号
の発生を停止させることにより、前記映像信号による映
像の表示を停止させることを特徴とする請求項１に記載
の装着型表示装置。
【請求項４】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記映像信号発生手段の映像信号
の発生を停止させると共に、遮断中の前記切替手段を遮
断解除させることにより外界像を前記光学手段に導入さ
せることを特徴とする請求項２に記載の装着型表示装
置。
【請求項５】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記表示手段の映像の表示を停止
させることにより、前記映像信号による映像の表示を停
止させることを特徴とする請求項１又は３に記載の装着
型表示装置。
【請求項６】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記表示手段の映像の表示を停止
させると共に、遮断中の前記切替手段を遮断解除させる
ことにより外界像を前記光学手段に導入させることを特
徴とする請求項２又は４に記載の装着型表示装置。
【請求項７】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記映像信号発生手段が発生する
映像信号を前記表示手段に供給するのを停止させること
により、前記映像信号による映像の表示を停止させるこ
とを特徴とする請求項１又は３に記載の装着型表示装
置。
【請求項８】前記制御手段は、前記緊急状態検出手段
が検出する緊急状態に応じて緊急制御信号を出力し、前
記緊急制御信号により前記映像信号発生手段が発生する
映像信号を前記表示手段に供給するのを停止させると共
に、遮断中の前記切替手段を遮断解除させることにより
外界像を前記光学手段に導入させることを特徴とする請
求項２又は４に記載の装着型表示装置。
【請求項９】前記緊急状態検出手段は、前記移動体に
装備されたナビゲーション装置或いは該移動体の駆動制
御装置が出力する該移動体の加速又は減速動作に応じた
出力信号を検出することにより前記緊急状態を検出する
ことを特徴とする請求項１〜８に記載の装着型表示装
置。
【請求項１０】前記緊急状態検出手段は、前記移動体
に装備されたナビゲーション装置或いは該移動体の駆動
制御装置が出力する該移動体の移動中における移動方向
の変更動作に応じた出力信号を検出することにより前記
緊急状態を検出することを特徴とする請求項１〜８に記
載の装着型表示装置。