JP2000109511A - 光カチオン重合性組成物 - Google Patents

光カチオン重合性組成物

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JP2000109511A
JP2000109511A JP10286664A JP28666498A JP2000109511A JP 2000109511 A JP2000109511 A JP 2000109511A JP 10286664 A JP10286664 A JP 10286664A JP 28666498 A JP28666498 A JP 28666498A JP 2000109511 A JP2000109511 A JP 2000109511A
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ether
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weakly basic
vinyl ether
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Masanori Matsuda
正則 松田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射後十分な可使時間を確保することがで
き、かつ光カチオン重合開始後速やかに硬化し得る光カ
チオン重合性組成物を提供する。 【解決手段】 一分子中に少なくとも1つのビニルエー
テル基を有する化合物と、光カチオン重合開始剤と、可
使時間を調整するための弱塩基性物質とを含む光カチオ
ン重合性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば接着剤やシ
ーラントなどに用いることができる光カチオン重合性組
成物に関し、より詳細には、少なくとも1つのビニルエ
ーテル基を有するカチオン重合性化合物を含み、可使時
間が長くかつ硬化速度が速い光カチオン重合性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光の照射によりカチオン重合し、
硬化する光カチオン重合性組成物が、種々提案されてい
る。この種の光カチオン重合性組成物は、光の照射によ
り活性化される光カチオン重合開始剤と、活性化された
光カチオン重合開始剤によりカチオン重合が誘発される
カチオン重合性化合物とを含む。上記光カチオン重合開
始剤としては、従来、アリールジアゾニウム塩、トリア
リールスルフォニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、
ベンジルスルフォニウム塩、ホスフォニウム塩などが用
いられている。また、上記カチオン重合性化合物として
は、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン誘導体またはビ
ニルエーテル誘導体などが用いられている。
【0003】上記光カチオン重合性組成物の用途につい
ては、塗料、コーティング剤、ワニス、複合材マトリッ
クス、光造形材料、接着剤または粘着剤などが検討され
ている。特に、光カチオン重合性化合物としてエポキシ
樹脂を用いた場合、硬化物が、密着性、耐クリープ性、
耐候性、耐水性、耐熱性及び耐薬品性などに優れている
ため、上述した各種用途における利用が検討されてきて
いる(「新エポキシ樹脂」、垣内弘編著、昭晃堂、19
85年)。
【0004】ところで、光カチオン重合性化合物を上述
した各種用途において用いる場合、被着体に対する密着
性や硬化物の耐候性などの他に硬化速度が速いことが望
まれている。例えば、塗料、コーティング剤またはワニ
スなどに光カチオン重合性組成物を用いる場合、光照射
の終了と同時に重合あるいは硬化が完了していることが
求められる。
【0005】他方、光カチオン重合性化合物としてエポ
キシ樹脂を用いた場合、上述したように優れた特性を発
現し得るため、エポキシ樹脂の光カチオン重合・硬化を
利用した接着剤が提案されている。この種の接合用途に
おいては、即硬化性も求められるものの、同時に、接合
作業が可能である時間(可使時間)が十分に長いことが
求められている。すなわち、光照射が終了した後も、あ
る程度の時間、接合作業を行い得る程度の流動性、濡れ
性及び粘着性が発現していることが重要である。
【0006】しかしながら、光カチオン重合性組成物の
硬化は、光を照射後、露光面上で直ちに進行し、しかる
後、組成物内に進行していく。従って、露光後に、表面
が硬化し始めると、硬化した露光面に被着体を貼付する
ことができなくなる。すなわち、光照射後直ちに組成物
表面における硬化が進行すると、十分な可使時間を確保
することができなかった。
【0007】そこで、上記のような問題を解決するもの
として、特開昭63−248825号公報には、エポキ
シ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含む光カチオン重合
性組成物に、さらにポリ(アルキレンオキサイド)残基
部分を含む固着剤を配合することにより、光照射後の露
光面部分の硬化(いわゆる皮張りと称されている現象)
を抑制し、可使時間の延長を図る方法が開示されてい
る。
【0008】しかしながら、この先行技術に記載の方法
では、可使時間を延長し得るものの、硬化速度が低下
し、硬化性に優れているという光カチオン重合性組成物
の利点が損なわれることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の現状に鑑み、光照射後十分な可使時間を
確保し得るだけでなく、光カチオン重合の特徴である即
硬化性においても優れている光カチオン重合性組成物を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る光カチオン重合性組成物は、一分子中に少なくとも
1つのビニルエーテル基を有する光カチオン重合性化合
物と、光カチオン重合開始剤と、弱塩基性物質とを含む
ことを特徴とする。
【0011】上記弱塩基性物質としては、特に限定され
るわけではないが、請求項2に記載のように、少なくと
も1つのエーテル結合及び/またはチオエーテル結合を
含む化合物が好適に用いられる。
【0012】また、本発明に係る光カチオン重合性組成
物は、好ましくは、300〜800nmの範囲の波長成
分を含む光により感光するように構成される。以下、本
発明の詳細を説明する。
【0013】(ビニルエーテル基を有するカチオン重合
性化合物)本発明においては、光カチオン重合により硬
化する成分として、上記ビニルエーテル基を有する化合
物が用いられる。ビニルエーテル基を有する化合物とし
ては、ビニルエーテル基を分子内に少なくとも1つ有す
る限り特に限定されるものではなく、例えば、エチレン
グリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジ
ビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエー
テル、プロピレングコールジビニルエーテル、ネオペン
チルグリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジビニルエーテル、グリセロールジビニルエーテ
ル、グリセロールトリビニルエーテル、トリメチロール
プロパンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパン
ジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニル
エーテル、ジグリセロールトリビニルエーテル、ソルビ
トールテトラビニルエーテル、アリルビニルエーテル、
4−ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニル
エーテル、フェニルビニルエーテルなどのアリールビニ
ルエーテル;t−ブチルビニルエーテルなどのアルキル
ビニルエーテル類;水酸基をビニルエーテルで変性した
モノマー、オリゴマーまたはポリマーなど様々なものを
用いることができる。
【0014】(光カチオン重合開始剤)光カチオン重合
開始剤は、光の照射により活性化されてカチオン種を発
生させる触媒であり、一般的にはオニウム塩がよく知ら
れている。オニウム塩としては、ルイス酸のジアゾニウ
ム塩、ルイス酸のヨウドニウム塩、ルイス酸のスルホニ
ウム塩などが用いられる。これらの化合物の一例とし
て、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ
化リンのジフェニルヨウドニウム、六フッ化アンチモン
のジフェニルヨウドニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4
−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモン
のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩などが挙げ
られる。もっとも、本発明において用いられる光カチオ
ン重合開始剤はこれらに限定されず、光の照射によりカ
チオン種を発生させる適宜の化合物を用いることができ
る。
【0015】上記光カチオン重合開始剤として市販され
ているものを例示すると、チバガイギー社製、商品名:
イルガキュアー261、旭電化工業社製、商品名:オプ
トマーSP150、オプトマーSP151、オプトマー
SP170、オプトマーSP171、ゼネラルエレクト
リック社製、商品名:UVE−1014、サートマー社
製、商品名:CD−1012、三新化学工業社製、商品
名:サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80
L、サンエイドSI−100L、日本曹達社製、商品
名:CI2064、CI−2639、CI−2624、
CI−2481、ローヌプーラン社製、商品名:RHO
DORSIL PHOTOINITIATOR207
4、ユニオンカーバイド社製、商品名:UVI−699
0、ミドリ化学社製、商品名:BBI−103、MPI
−103、TPS−103、MDS−103、DTS−
103、NAT−103、NDS−103などを挙げる
ことができる。
【0016】上記光カチオン重合開始剤の配合割合につ
いては、特に限定されるわけではないが、ビニルエーテ
ル基を有する化合物100重量部に対し、0.001〜
50重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.01
〜30重量部の範囲であり、さらに好ましくは0.05
〜10重量部の範囲である。光カチオン重合開始剤が少
ないと十分な光カチオン重合反応が起こらないことがあ
り、多すぎると、可使時間の延長硬化と即硬化性の両立
を果たすことが困難となることがある。
【0017】(弱塩基性物質)本発明においては、可使
時間を調整するために弱塩基性物質が用いられる。弱塩
基性物質としては、特に限定されるわけではないが、官
能基としてエーテル基及び/またはチオエーテル基を有
する化合物が好適に用いられ、特に、エーテル基及び/
またはチオエーテル基のみを官能基として有する化合物
が好適に用いられる。
【0018】このような弱塩基性物質の例としては、ブ
チルエーテル、ヘキシルエーテル、ペンチルエーテル、
2−メトキシメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテルなどの直鎖アルキルエーテル類;ジシクロヘキサ
ノ−24−クラウン−8、18−クラウン−6,15−
クラウン−5などのクラウンエーテル類;アニソール、
フェニルエーテル、1,3−ジフェノキシベンゼン、
3,3′−ジメトキシビフェニルなどのアリルエーテル
類;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、7
−オキサビシクロ〔4,1,0〕ヘプタン、3−オキシ
ラニル、1,3−ジオキサンなどの環状エーテル類を挙
げることができる。
【0019】本発明において、上記弱塩基性物質の配合
割合については、特に限定されるわけではないが、好ま
しくは、ビニルエーテル基を有する化合物100重量部
に対し、0.001〜1000重量部の範囲であり、よ
り好ましくは0.01〜500重量部の範囲であり、さ
らに好ましくは0.05〜200重量部の範囲である。
弱塩基性物質の配合割合が少なすぎると十分な可使時間
を確保することが困難となることがあり、多すぎると十
分な可使時間と高い硬化速度とを両立することが困難と
なることがある。
【0020】(光照射)本発明に係る光カチオン重合性
組成物は、光を照射されることにより光カチオン重合反
応により硬化するが、好ましくは、300〜800nm
の波長成分を含む光により感光するように構成されるこ
とが望ましい。300nm未満の波長成分のみを含む光
に感光する場合には、光カチオン重合性組成物を厚く塗
布した場合、光照射面に皮張りと称されている現象が生
じやすくなることがあり、かつ表層から深部にかけて均
一に硬化しないことがある。800nmを超える波長成
分のみを含む光に感光する場合には、皮張りが生じにく
く、かつ深部にかけて均一に硬化するものの、十分な光
エネルギーを与えることが難しくなり、硬化速度を高め
ることが困難となることがある。
【0021】上記光の照射に用いられる光源について
は、300〜800nmの範囲に発光分布を有するもの
が好適に用いられ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラック
ライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハ
ライドランプ、ナトリウムランプ、蛍光灯などが用いら
れる。この場合、表層だけの硬化を防止し、内部硬化を
実現するには、300nm以下の波長成分をカットして
照射してもよい。なお、太陽光のような自然光を用いて
光カチオン重合性組成物を硬化させてもよい。
【0022】(粘度)本発明に係る光カチオン重合性組
成物の粘度については、0℃〜40℃の範囲において、
1〜1000000cps以下であることが望ましい。
粘度が1cps未満の場合には、流動性が高くなりす
ぎ、塗布すべきでない箇所まで組成物が流れやすくな
り、作業性が低下する。粘度が1000000cpsを
超えると、流動性が著しく低下し、塗布作業が困難とな
ることがある。
【0023】(その他の添加物)本発明に係る光カチオ
ン重合性組成物では、本発明の目的を阻害しない範囲
で、公知の粘着付与樹脂や増量剤などを適宜配合しても
よい。
【0024】例えば、粘着性を付与するために、ロジン
系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン
フェノール系、芳香族変性テルペン系樹脂、C5系もし
くはC9系石油系樹脂、クマロン樹脂などの粘着付与樹
脂を添加してもよい。
【0025】また、塗工性を高めるために、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴムなどの増粘剤;コロイダルシリカ、ポリビニルピロ
リドンなどのチキソトロープ剤;炭酸カルシウム、酸化
チタン、クレーなどの増量剤;ポリエステル、アクリル
ポリマー、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリビニル
エーテル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリイソ
ブチレン、ワックス類などの調整剤を添加してもよい。
【0026】さらに、接着剤を構成した場合に、硬化物
の剪断力を高めるために、ガラスバルーン、アルミナバ
ルーン、セラミックバルーンなどの無機中空体;ナイロ
ンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズなどの有機
球状体;塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーンな
どの有機中空体;ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナ
イロン、セルロース、アセテートなどの単繊維などを添
加してもよい。
【0027】(作用)請求項1に記載の発明に係る光カ
チオン重合性組成物では、カチオン重合性化合物として
一分子中に少なくとも1つ以上のビニルエーテル基を有
する化合物が用いられており、かつ弱塩基性物質が配合
されているので、光を照射した場合に、光カチオン重合
開始剤が活性化され、ビニルエーテル基を有する化合物
のカチオン重合が進行し、硬化する。この場合、上記ビ
ニルエーテル基を有する化合物と弱塩基性物質とが配合
されているので、弱塩基性物質により硬化の開始が適度
に抑制され、可使時間が延長される。また、ビニルエー
テル基を有する化合物を用いているので、硬化開始後に
は、速やかに重合・硬化し、接着強度に優れた硬化物を
与える。
【0028】すなわち、本発明は、上記ビニルエーテル
基を有する化合物と、弱塩基性物質とを用いることによ
り、従来困難であった可使時間の確保と即硬化性とを両
立させたことに特徴を有する。
【0029】請求項2に記載の発明では、弱塩基性物質
として、少なくとも1つ以上のエーテル結合及び/また
はチオエーテル結合を分子内に含む化合物が用いられ、
それによって可使時間の調整がより効果的に行われる。
【0030】請求項3に記載の発明では、300〜80
0nm以下の波長成分を含む光により感光するように光
カチオン重合性組成物が構成されているので、重合硬化
に際して表面の皮張り現象を抑制することができるとと
もに、内部まで均一に硬化させ得る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げること
により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下
の実施例に限定されるものではない。
【0032】(実施例1)30mLのサンプル瓶内にお
いて、ジエチレングリコールジビニルエーテル(BAS
F社製、品番:DVE−2)10gと、光カチオン重合
開始剤(ユニオンカーバイド社製、品番:UVI−69
90)0.1gと、弱塩基性物質としてテトラエチレン
グリコールジメチルエーテル0.1gと混合し、スター
ラーにより攪拌し、光カチオン重合性組成物を得た。
【0033】(実施例2)テトラエチレングリコールジ
メチルエーテルの配合割合を0.2gとしたことを除い
ては、実施例1と同様にして光カチオン重合性組成物を
得た。
【0034】(実施例3)テトラエチレングリコールジ
メチルエーテルの配合割合を0.5gとしたことを除い
ては、実施例1と同様にして光カチオン重合性組成物を
得た。
【0035】(実施例4)テトラエチレングリコールジ
メチルエーテルの配合割合を1gとしたことを除いて
は、実施例1と同様にして光カチオン重合性組成物を得
た。
【0036】(実施例5)30mLのサンプル瓶内で、
ジエチレングリコールジビニルエーテル10gと、光カ
チオン重合開始剤として、旭電化工業社製、商品名:オ
プトマーSP−170を0.1gと、15−クラウン−
5を0.1gとを混合し、スターラーにより攪拌し、光
カチオン重合性組成物を得た。
【0037】(比較例1)弱塩基性物質としてのテトラ
エチレングリコールジメチルエーテルを用いなかったこ
とを除いては、実施例1と同様にして光カチオン重合性
組成物を得た。
【0038】(比較例2)30mLのサンプル瓶内で脂
環式エポキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、品番:E
RL−4221)10gと、光カチオン重合開始剤(旭
電化工業社製、品番:SP−170)0.1gとを混合
し、スターラーにより攪拌し、光カチオン重合性組成物
を得た。
【0039】(比較例3)テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル0.5gをさらに加えたことを除いて
は、比較例2と同様にして光カチオン重合性組成物を得
た。
【0040】(評価)実施例及び比較例で得た各光カチ
オン重合性組成物を、PDC(光DSC)を用いて測定
し、可使時間及び総反応時間を測定した。すなわ
ち、各光カチオン重合性組成物に、365nmの波長の
光の強度が25mW/cm2 となるように15分間光を
照射した。光照射後光DSCにて反応熱の発生が確認さ
れた場合に光カチオン重合反応の開始と判断した。ま
た、反応熱の発生が終了した場合に、光カチオン重合反
応の終了と判断した。上記のようにして、光照射直後か
ら光カチオン重合が開始されるまで時間を可使時間と
し、光カチオン重合が開始されてから反応終了までの時
間を総反応時間とした。結果を下記の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、弱塩基性物質と
してのテトラエチレングリコールジメチルエーテルを加
えなかった比較例1,2では、可使時間が15秒以下と
非常に短かった。
【0043】また、比較例2,3から明らかなように、
エポキシ樹脂の中でも反応速度が速い脂環式エポキシ樹
脂を用いた場合、弱塩基性物質を加えることにより可使
時間は若干延長されるものの、それだけでは総反応時間
が著しく長くなり、即硬化性が大きく損なわれることが
わかる。
【0044】これに対して、実施例1〜5では、ジエチ
レングリコールジビニルエーテルと、テトラエチレング
リコールジメチルエーテルまたは15−クラウン−5と
を用いたため、可使時間が20秒以上と十分な長さとさ
れ、かつ総反応時間についても、45秒以下と短く、従
って、十分な可使時間の確保と即硬化性の双方を満たし
得ることがわかる。
【0045】また、実施例1〜4から明らかなように、
弱塩基性物質としてのテトラエチレングリコールジメチ
ルエーテルの配合割合を調整することにより、即硬化性
を低下させることなく、可使時間を容易に調整し得るこ
ともわかる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る光カチオン
重合性組成物では、一分子中に少なくとも1つのビニル
エーテル基を有する化合物がカチオン重合性化合物とし
て用いられており、これに光カチオン重合開始剤及び弱
塩基性物質が加えられているため、弱塩基性物質の使用
により光照射後に光カチオン重合が開始されるまでの時
間、すなわち可使時間を十分な長さとすることができ
る。しかも、上記ビニルエーテル基含有化合物と弱塩基
性物質とを併用した場合、光カチオン重合開始から反応
終了までの時間が長くなることもない。すなわち、従来
困難であった、十分な長さの可使時間と、即硬化性とを
両立することができる。
【0047】よって、本発明に係る光カチオン重合性組
成物は、例えば粘接着剤、コーキング、ワニスなどに好
適に用いることができ、接着等の作業性の向上並びに全
作業時間の短縮を図り得る。
【0048】請求項2に記載の発明では、弱塩基性物質
として、エーテル結合及び/またはチオエーテル結合を
含む化合物を用いるため、可使時間の制御をより効果的
に行い得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/10 C09K 3/10 L

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に少なくとも1つのビニルエー
    テル基を有する光カチオン重合性化合物と、光カチオン
    重合開始剤と、弱塩基性物質とを含むことを特徴とする
    光カチオン重合性組成物。
  2. 【請求項2】 弱塩基性物質が少なくとも1つのエーテ
    ル結合及び/またはチオエーテル結合を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の光カチオン重合性組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも300〜800nmの波長成
    分を含む光により感光することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の光カチオン重合性組成物。
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