JP2000109486A - 高誘電性膜堆積のための錯体および堆積方法 - Google Patents

高誘電性膜堆積のための錯体および堆積方法

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ヒュン−クック・シン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高誘電性膜堆積のための錯体および堆積方法
を提供する。 【解決手段】 式、 【化1】 〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、第IVA族、
第IIIB族、第IVB族、第VB族または第VIII
A族から選択される金属であり;Lは有機アミンであ
り;nは1より大きい整数であり;さらにxおよびyは
0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数である。〕
の有機金属化合物が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は概して薄膜の蒸着に関する。特
に、概して、半導体における使用のための誘電性薄膜の
蒸着に関する。
【0002】DRAM(ダイナミックランダムアクセス
メモリ)のセルの面積は、高集積化、および半導体デバ
イスとメモリデバイスの小型化の傾向に伴って減少して
いる。DRAMコンデンサーでの主要な問題は、小さな
領域で高いキャパシタンスを維持することである。コン
デンサーの容量は誘電定数およびコンデンサーにおける
薄膜面積の増加に比例する。また、それは膜の厚さの増
加に逆比例する。よって、小型化されたDRAMデバイ
スの容量を増加させるために、薄膜の厚さは減少される
べきであり、コンデンサーの構造は誘電性物質の有効面
積が最小化されるように改造されるべきであり、高い誘
電性の物質が誘電体として使用され、または限定された
DRAMデバイスにおいて誘電定数が増加されるべきで
ある。
【0003】例えば、限定されたスペース内でコンデン
サ中の誘電体薄膜の有効面積(effective a
rea)を最大化するために、3次元構造を有するセル
が構築される。よって、4メガDRAMの有効面積を増
加させるために、2次元構造が3次元構造、すなわち、
スタックまたは溝構造を有するコンデンサーに改変され
た。16メガまたは64メガDRAMデバイスにおいて
は、構造は、複雑な3次元構造を有するフィンシリンダ
ー(fin cylinder)またはクラウン(cr
own)構造のようにより複雑になる。しかし、上述の
方法はコンデンサーの複雑な構造を要求し、1ギガクラ
スのような、256メガクラスより大きいDRAMデバ
イスについては製造するのが困難であり、結果として、
より高い製造コストが必要となる。よって、コンデンサ
ーに3次元構造を適用するには制限がある。
【0004】キャパシタンスは誘電体膜の厚さを減少す
ることにより、増加されることができる。25〜30f
F(femptoFarrads)の最小キャパシタン
スを維持するために従来の組合せられた「NO」(また
は、Si/SiO)誘電体を使用するコンデン
サーにおいて、3次元構造が有効面積の増加のために使
用されたとしても、誘電体膜厚は40−45オングスト
ローム(Å)に減少しなければならない。しかし、厚さ
の減少は、トンネリング(tunneling)に起因
するリーク電流の増加を引き起こすか、またはデバイス
の信頼性に影響を与える、アルファ−粒子によるソフト
エラーを引き起こすであろう。
【0005】現在入手可能な、「ONO」(または、S
iO/SiN/SiO)および「NO」(また
は、Si/SiO)のような低い誘電定数の誘
電体は、高い誘電定数の誘電体と置換されなければなら
ない。現在、256メガクラスのような、次世代メモリ
デバイスの製造方法におけるコンデンサの十分なキャパ
シタンスを確保する1つの方法は、コンデンサの誘電体
膜のために高い誘電性の物質を使用することである。こ
れらの材料は多くの企業および研究所によって研究され
ている。
【0006】コンデンサーの誘電体として高い誘電定数
の物質が使用される場合には、製造の困難性、コンデン
サー構造の複雑化、デバイスの低い信頼性等のような欠
点が克服されることができる。現在、研究されている高
い誘電定数の物質としては、酸化バリウム(BaO)、
酸化ストロンチウム(SrO)および酸化チタン(Ti
)を含む「BST」または(Ba,Sr)Ti
、およびPb1−xLaZr1−yのような
「PLZT」またはPb(Zr,Ti)Oのような
「PZT」が挙げられる。これらの誘電性物質は次世代
DRAMデバイスにおけるコンデンサーに使用されるこ
とが期待される。
【0007】特性としては、BSTはパラエレクトリッ
ク(paraelectric)であり、次世代DRA
Mデバイスにおける誘電体として適し、P(L)ZTは
強誘電性物質であり、強誘電性物質の特異的な特性の1
つである、自己誘導された(self−induce
d)分極特性を有する。P(L)ZT物質は、持久性メ
モリデバイスのためのコンデンサーのための誘電体に適
する。これらの物質は、半導体企業および関連する団体
によって研究されている。BSTおよびP(L)ZT薄
膜は、ゾル−ゲル法、スパッタリング、または化学蒸着
法(「CVD」)によって製造されることができる。
【0008】CVD法による薄膜の形成が選択された堆
積方法である。この方法は、他の堆積方法と比較した場
合に、改良されたステップカバレージ(step co
verage)堆積を有している。良好なステップカバ
レージ堆積が低減したセル面積を有するデバイスのため
に必要とされる。この方法は、次世代半導体デバイスの
製造に適する、蒸着プロセスの間の良好なステップカバ
レージも有する。
【0009】有機金属化合物先駆物質を使用してBST
の薄膜が形成される。そのような化合物の例としては、
バリウム化合物である、Ba(2,2,6,6−テトラ
メチル−3,5−ヘプタンジオネート)、ストロンチ
ウム化合物である、Sr(2,2,6,6−テトラメチ
ル−3,5−ヘプタンジオネート)、およびチタン化
合物である、Ti(イソプロポキシド)またはTi
(イソプロポキシド)(2,2,6,6−テトラメチ
ル−3,5−ヘプタンジオネート)が挙げられる。こ
れらの化合物はBST薄膜蒸着のための先駆物質として
広く使用され、それらは他のバリウム、ストロンチウム
またはチタンの他の化合物と比べて、特に化学蒸着法に
適する。
【0010】Ba(2,2,6,6−テトラメチル−
3,5−ヘプタンジオネート)およびSr(2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)
は、BST薄膜形成における化学蒸着法のための優れ
た特性を有するが、それらは欠点を有している。これら
の化合物は蒸気圧が低く、薄膜蒸着に必要とされる適切
な蒸気圧を達成するために200℃以上の加熱を必要と
する。しかし、薄膜蒸着の間に、高い温度は先駆物質の
部分的な熱分解を引き起こし、よって半導体デバイス製
造方法における再現性に影響を与える。さらに、これら
の先駆物質は固体であり、先駆物質リザーバーから薄膜
蒸着反応器への、先駆物質の移送を制御するのが困難で
ある。これは製造方法の困難性の一因ともなる。これら
の先駆物質の低い蒸気圧は結果として遅い薄膜蒸着速度
をもたらすので、方法の経済性という点で有効ではな
い。
【0011】問題を克服するために、アルコキシドおよ
びカルボキシレート誘導体のリガンドを有する、バリウ
ムおよびストロンチウムがBST薄膜化学蒸着先駆物質
として使用された。これらの化合物は固体であり、よっ
て、BST−CVD法における先駆物質として、それら
は低い蒸気圧および低い熱安定性しか有していない。
【0012】解決のための1つの試みは、溶媒としてテ
トラヒドロフランを用いた溶液中に、Ba(2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)
およびSr(2,2,6,6−テトラメチル−3,5
−ヘプタンジオネート)である先駆物質化合物を存在
させることであった。これらの先駆物質溶液は先駆物質
溶液容器に移送されることができ、または熱不安定性の
影響を軽減し、均一な先駆物質材料を提供するために、
制御された供給速度の下でダイレクトリキッドインジェ
クターまたは液体移送系を使用することにより気化器に
移送され、フラッシュ気化をさせることができる。問題
は部分的に解決され、製造方法における再現性が改善さ
れた。
【0013】上述の化合物、Ba(2,2,6,6−テ
トラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)またはS
r(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタン
ジオネート)のテトラヒドロフランへの溶解性は低
く、そのような溶液は稀釈溶液先駆物質としてのみ使用
可能であったが、液体移送装置においては依然使用され
ることができた。低い蒸着速度は溶液中の先駆物質の濃
度に依存するので、次世代メモリデバイス製造において
はBST薄膜の蒸着速度は適さない。しばしば、その低
い溶解性のせいで、気化しなかった残査固体化合物は気
化器中に残っており、溶液の新たなバッチが添加された
としても、残査固体化合物は、その低い溶解性のため再
溶解されることができない。このため、化合物は気化器
中に蓄積し、気化器が詰まる。
【0014】必要な薄膜を提供し、膜を形成するのに充
分に高い蒸気圧および公知の先駆物質よりも速い速度を
有し、堆積方法において使用される気化器を詰まらせな
い蒸着先駆物質の必要性が引き続き存在している。
【0015】特定の有機金属化合物が、公知の高い誘電
性の先駆物質、特に半導体製造に使用されるCVD法の
ためのBST先駆物質の問題を解決することが見出され
た。本発明は式、
【0016】
【化5】
【0017】〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、
第IVA族、第IIIB族、第IVB族、第VB族また
は第VIIIA族から選択される金属であり;Lは有機
アミンであり;nは1より大きい整数であり;さらにx
およびyは0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数
である。〕の有機金属化合物を提供する。
【0018】本発明は、上述の有機金属化合物を含む、
高い誘電性の薄膜堆積先駆物質組成物も提供する。本発
明は、不活性雰囲気下で、リガンドとしてテトラメチル
ヘプタンジオネート、またはテトラメチルヘプタンジオ
ネートとイソプロポキシドの混合物を有する金属を、ル
イス塩基と反応させる工程を含む、式、
【0019】
【化6】
【0020】〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、
第IVA族、第IIIB族、第IVB族、第VB族また
は第VIIIA族から選択される金属であり;Lは有機
アミンであり;nは1より大きい整数であり;さらにx
およびyは0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数
である。〕の有機金属化合物を製造する方法をさらに提
供する。
【0021】本発明は、キャリアガスおよび反応ガスと
してアルゴン、ヘリウム、水素、酸素またはこれらの混
合物を使用し、350〜700℃に加熱された基板上
に、高い誘電性の薄膜を蒸着する工程を含み、薄膜先駆
物質が式I、
【0022】
【化7】
【0023】〔式中、MはIIA族、IIIA族、IV
A族、IIIB族、IVB族、VB族またはVIIIA
族から選択される金属であり;Lは有機アミンであり;
nは1より大きい整数であり;さらにxおよびyは0〜
4の整数であり、x+yが2〜4の整数である。〕の有
機金属化合物である、高い誘電性の薄膜を形成する方法
をさらに提供する。
【0024】本発明は、公知の蒸着先駆物質溶液の問題
を解決しつつ、バリウム、ストロンチウムまたはチタン
からのBST薄膜の蒸着において、蒸着先駆物質として
使用される有機金属化合物の広範囲の選択を提供する。
上述の問題を解決するために、本発明は、金属塩リガン
ドを形成し、それをルイス塩基と反応することにより得
られる、式Iによって定義される薄膜蒸着先駆物質錯体
化合物を提供する。そのようなルイス塩基は、2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート
(以降、テトラメチルヘプタンジオネート)、またはイ
ソプロポキシドとテトラメチルヘプタンジオネートから
なる混合されたリガンドである。
【0025】
【化8】
【0026】式Iにおいては、MはIIA族、IIIA
族、IVA族、IIIB族、IVB族、VB族またはV
IIIA族元素から選択される金属であり;xおよびy
は0〜4の整数であり;x+yは2〜4の整数であり;
Lは金属Mの中心に与えられることができる非共有電子
対を有するルイス塩基であり;さらにnは1より大きい
整数である。好適なルイス塩基は、イソプロピルアミ
ン、エチレンジアミン、または式IIもしくは式III
によって示される複素環式アミン、すなわち、アジリジ
ン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチ
レンイミン、ヘプタメチレンイミン、モルホリンおよび
ピペラジン、から選択される1以上のような有機アミン
である。
【0027】
【化9】
【0028】式IIにおいては、Rは水素または炭素数
1〜4のアルキル基であり、RおよびRはそれぞれ
独立して、水素、または炭素数1〜2のアルキル基であ
り、さらにmは2〜8の整数である。
【0029】
【化10】
【0030】式IIIにおいては、Rは式IIにおける
ものと同じであり、R21、R22、R23およびR
24は、それぞれ独立して、水素、または炭素数1〜2
のアルキル基であり、Xは酸素、または炭素数1〜4の
アルキル基を有している窒素であり、さらにkおよびl
はそれぞれ独立して1〜3の整数である。式IIで示さ
れる化合物の中では、好ましい化合物は式IVで示され
るアジリジン、式Vで示されるピロリジン、および式V
Iで示されるピペリジンである。式IIIで示される化
合物の中では、好ましい化合物は式VIIで示されるモ
ルホリンおよび式VIIIで示されるピペラジンであ
る。
【0031】
【化11】
【0032】上述の式IVにおいては、RおよびR
式IIで定義されたものと同じである。
【0033】
【化12】
【0034】上述の式Vにおいては、Rは式IIで定義
されたものと同じであり、さらにR 〜R10はそれぞ
れ独立して、水素または炭素数1〜2のアルキル基であ
る。
【0035】
【化13】
【0036】式VIにおいては、Rは式IIで定義され
たものと同じであり、R11〜R はそれぞれ独立し
て、水素または炭素数1〜2のアルキル基である。
【0037】
【化14】
【0038】上述の式VIIにおいては、Rは式IIで
定義されたものと同じであり、R 〜R32はそれぞ
れ独立して、水素または炭素数1〜2のアルキル基であ
る。
【0039】
【化15】
【0040】上述の式VIIIにおいては、Rは式II
で定義されたものと同じであり、R 33〜R40はそれ
ぞれ独立して、水素または炭素数1〜2のアルキル基で
ある。
【0041】式IIによって示されるルイス塩基がピロ
リジンの場合には、好ましい化合物は式IXで示される
アルキルピロリジンである。式IXにおいては、Rは炭
素数1〜4のアルキル基であり、さらにR、R、R
、R、RおよびR10はそれぞれ独立して水素ま
たはメチル基である。
【0042】
【化16】
【0043】式IXによって示される化合物の例として
は、RおよびRがCHであり、さらにR、R
、RおよびR10が水素である、1,2−ジメチ
ルピロリジン(式X);RがCHであり、さらにR
〜R10が水素である、1−メチルピロリジン(式X
I);さらにRがCであり、さらにR〜R10
が水素である、1−ブチルピロリジン(式XII)が挙
げられる。ルイス塩基が、式VIで示されるピペリジン
の場合には、好ましい化合物は、Rがメチルまたはエチ
ルであり、R11、R12、R14、R16、R18
19およびR がメチルである、式XIIIで示さ
れるアルキルピペリジンである。式XIIIのアルキル
ピペリジンの中では、好ましい化合物は、R、R11
12、R 19およびR20がメチルであり、R14
16およびR18が水素である、1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジン(式XIV);および、それ
ぞれ式XVおよび式XVIで示される、1−メチルピペ
リジンおよび1−エチルピペリジンである。
【0044】
【化17】
【0045】式IIIの化合物においては、ルイス塩基
が式VIIのモルホリンの場合には、好ましい化合物は
4−メチルモルホリン(式XVII)および4−エチル
モルホリン(式XVIII)である。式VIIIのピペ
ラジンの中では、好ましい化合物は1,4−ジメチルピ
ペラジン(式XIX)とジエチルアルミニウムハイドラ
イドの反応生成物であり、その得られた錯体はアルミニ
ウム薄膜蒸着における化学蒸着先駆物質として使用され
る。
【0046】
【化18】
【0047】よって、好ましいルイス塩基は式IVのア
ジリジン、式Vのピペリジン、式VIIのモルホリンで
ある。ルイス塩基は、1,2−ジメチルピロリジン、1
−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−メチルピペ
リジン、1−エチルピペリジン、1−ブチルピペリジ
ン、1,2−ジメチルピペリジン、4−メチルモルホリ
ンおよび4−エチルモルホリンであるのがより好まし
い。特に好ましい式Iの化合物はバリウムテトラメチル
ヘプタンジオネートイソプロピルアミン、バリウムテト
ラメチルヘプタンジオネートエチレンジアミン、ストロ
ンチウムテトラメチルヘプタンジオネートイソプロピル
アミンまたはストロンチウムテトラメチルヘプタンジオ
ネートエチレンジアミンである。
【0048】また、式Iの化合物においては、Mはスト
ロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)のような第
IIA族;鉛(Pb)のような第IVB族;ランタン
(La)のような第IIIA族;チタン(Ti)および
ジルコニウム(Zr)のような第IVA族;および白金
のような第VIIIA族から選択される金属である。式
Iの化合物は式Iで定義されるようなルイス塩基Lに溶
解され、先駆物質溶液を配合することができる。金属
は、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉛、ラン
タン、チタン、ジルコニウムまたは白金であるのが好ま
しい。これらの金属を含んでいる化合物はイソプロピル
アミン、エチレンジアミン、ピロリジンまたはピペラジ
ンに溶解され、液体移送系を用いる薄膜蒸着法での先駆
物質溶液として用いられた。特に、第IIA族のストロ
ンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)、および第I
VB族の鉛(Pb)を含む化合物は、BST薄膜および
PZT薄膜蒸着法における先駆物質溶液として適する。
【0049】他の金属化合物が先駆物質溶液に添加さ
れ、混合された先駆物質溶液を形成することができる。
式Iの先駆物質は、ストロンチウム、バリウム、鉛、ラ
ンタン、チタン、ジルコニウムまたは白金から選択され
る2以上の金属の混合物を含むことが好ましい。本発明
の先駆物質溶液は長期間貯蔵されることができ、貯蔵の
間、沈殿および分解が観察されない。さらに、化合物は
非常に可溶性で、高濃度の先駆物質溶液を製造すること
ができる。特に、バリウム、ストロンチウムおよびチタ
ン化合物の高い溶解性および溶媒の特性は、先駆物質の
混合溶液の容易な配合を提供する。そのような溶液は、
高い誘電定数の誘電体薄膜蒸着を有する次世代DRAM
コンデンサーの化学蒸着のための理想的な先駆物質溶液
である。
【0050】溶液が式XXにより示される化合物と、式
Iで定義されるルイス塩基から配合される場合につい
て、次世代半導体デバイス製造におけるコンデンサーの
ためのBSTおよびPZT薄膜蒸着のための本発明の先
駆物質溶液が説明される。特に、イソプロピルアミンま
たはエチレンジアミンのようなルイス塩基の溶液につい
て説明される。
【0051】
【化19】
【0052】上述の式XXにおいては、Mはカルシウ
ム、バリウム、ストロンチウムまたは鉛のような2価金
属である。液体移送系を使用する誘電体薄膜の化学蒸着
法における本発明の先駆物質溶液の使用の期待される結
果は以下に示される。
【0053】第1に、ルイス塩基であるアミン化合物中
での式XXの化合物の溶解性は高いので、広範囲の濃度
にわたって、高濃度の溶液または低い濃度の溶液を製造
することが可能である。よって、BSTおよびPZT薄
膜蒸着法のための様々な濃度の先駆物質溶液が製造され
ることができる。
【0054】第2に、アミン中での式XXの化合物の高
い溶解性は、液体移送系における気化器内の気化されな
かった残査化合物の再溶解を可能にする。追加の先駆物
質溶液による、再溶解後の再気化は固形物の蓄積を妨
げ、よって気化器の詰まりが軽減されることができる。
【0055】第3には、高濃度の先駆物質溶液が使用さ
れることができるので、蒸着速度が速められることがで
きる。第4には、テトラヒドロフランのような従来の溶
媒が、式XXで示される、バリウム、ストロンチウムお
よびチタンイソプロポキシドを含む溶液と混合すること
による先駆物質溶液の製造に使用される場合には、溶質
の相互作用および溶質の低い溶解性のために沈殿が生じ
る場合がある。式Iにおいて定義される様なルイス塩基
の溶媒が使用される場合には、溶媒和が起こり、溶質の
間の相互作用が妨げられ、化合物の高い溶解性のために
沈殿が生じない。
【0056】上述の混合された溶液の利点は1以上の先
駆物質溶液が、先駆物質溶液リザーバーから気化器へ、
各溶液リザーバーに接続された個々のチューブを使用す
ることなく移送されることができることである。言い換
えれば、誘電体薄膜蒸着法において、先駆物質溶液は容
器内で混合され、1つのチューブで移送されることがで
き、これにより蒸着方法を簡単にすることができる。
【0057】テトラメチルヘプタンジオネート、または
イソプロポキシドとテトラメチルヘプタンジオネートの
混合物のようなリガンドを有する、本発明の式Iの金属
化合物、および本発明の化合物をルイス塩基であるアミ
ン化合物中に溶解することによる先駆物質溶液の製造方
法が以下に述べられる。反応の前に、溶液は、空気と接
触することを妨げるために、窒素またはアルゴンのよう
な不活性ガスストリーム下で取り扱われなければならな
い。
【0058】式(I)の有機金属化合物は、リガンドと
してテトラメチルヘプタンジオネート、またはテトラメ
チルヘプタンジオネートとイソプロポキシドの混合物を
有する金属をルイス塩基と不活性雰囲気下で反応させる
ことにより製造され、式I、
【0059】
【化20】
【0060】〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、
第IVA族、第IIIB族、第IVB族、第VB族また
は第VIIIB族から選択される金属であり;Lは非共
有電子対を金属に提供できるルイス塩基である有機アミ
ンであり;nは1より大きい整数であり;さらにxおよ
びyは0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数であ
る。〕の化合物を得ることができる。好ましい金属およ
びルイス塩基は上述した通りである。
【0061】テトラメチルヘプタンジオネートリガン
ド、またはイソプロポキシドとテトラメチルヘプタンジ
オネートの混合されたリガンドを有する、水分を含まな
い、純粋な式Iの金属化合物はルイス塩基(L)に溶解
され、反応式1に従って先駆物質溶液が製造された。こ
の方法において、先駆物質溶液は容易に製造されること
ができる。
【0062】
【化21】
【0063】反応式1においては、L、M、xおよびy
は式Iで定義されたものであり、nは、電子対を与える
ためにルイス塩基として溶質金属原子に結合され、次い
で加溶媒分解を通じて解離する、溶媒分子の数を表す数
である。本発明の有機金属化合物が化学蒸着法において
使用される場合には、式Iの有機金属化合物は典型的に
はルイス塩基に溶解され、アルゴン、ヘリウム、水素、
酸素またはこれらの混合物をキャリアガスおよび反応ガ
スとして使用して、高い誘電性の薄膜が、350〜70
0℃の温度に加熱された基板上に化学蒸着される。典型
的には、プロセスガスは熱エネルギー、プラズマによっ
て、または基板上へのバイアスの適用によって励起され
る。式Iの化合物の混合物が本方法において使用される
ことができる。蒸着法においては、式Iの先駆物質がス
トロンチウム、バリウム、鉛、ランタン、チタン、ジル
コニウムまたは白金から選択される2以上の金属の混合
物を含むことが好ましい。本発明の先駆物質溶液の製造
は実施例で詳細に論じられる。
【0064】実施例1:バリウムテトラメチルヘプタン
ジオネートイソプロピルアミン先駆物質の製造 300ミリリットル(mL)の無水エタノールが、41
g(0.3モル)のバリウムを有する、氷水で冷却され
た容器に、窒素ストリーム下で、ゆっくりと添加され、
白色のバリウムエトキシドサスペンションを沈殿させ
た。内容物は、水素ガスの発生が止むまで、室温で約3
時間撹拌された。水素ガスの発生が止んだ後、111g
(0.6モル)の2,2,6,6−テトラメチル−3,
5−ヘプタンジオネートおよび100mLの無水ヘキサ
ンが室温でバリウムエトキシドエタノールサスペンショ
ンに添加された。次いで、混合物は完全に溶解され、約
3時間撹拌され、エタノール中のバリウムテトラメチル
ヘプタンジオネート(Ba(C11)サス
ペンションを得た。
【0065】反応が完了した後、混合物中の揮発性成分
が90℃、真空下で、除去され、148gの白色固体の
バリウムテトラメチルヘプタンジオネートが得られた。
乾燥された固体バリウムテトラメチルヘプタンジオネー
トは、230℃、10−2トルの圧力下で昇華され、ド
ライアイスで冷却された凝縮器に集められ、白色結晶を
得た。次いで、第1の昇華物からの結晶は再度昇華さ
れ、130gのバリウムテトラメチルヘプタンジオネー
トの白色結晶を得た。純粋な無色のイソプロピルアミン
が、昇華で得られたバリウムテトラメチルヘプタンジオ
ネートの結晶に添加され、白色結晶が溶解されて、バリ
ウムテトラメチルヘプタンジオネートイソプロピルアミ
ンの明黄色溶液が得られた。得られた溶液中の揮発性成
分は室温で真空下で除去され、明黄色の固体を得、それ
は確認のためプロトン核磁気共鳴分析によって分析され
た。結果は表1に示され、得られた化合物は、nが任意
の数である式XXIを有していることが確認された。
【0066】
【化22】
【0067】イソプロピルアミン溶媒は、融点および沸
点のような物理特性において、バリウムテトラメチルヘ
プタンジオネートの変化を引き起こした。この実施例の
反応経路は次の反応式によって示される。
【0068】
【化23】
【0069】実施例2:バリウムテトラメチルヘプタン
ジオネートエチレンジアミン先駆物質の製造。 実施例1に従って製造されたバリウムテトラメチルヘプ
タンジオネートに、無色で、純粋なエチレンジアミンが
添加され、黄色のバリウムテトラメチルヘプタンジオネ
ートエチレンジアミン先駆物質溶液を得、溶液中の揮発
性成分が真空下で除去され、黄色の固体を得、それはプ
ロトン核磁気共鳴によって分析された。バリウムテトラ
メチルヘプタンジオネートがエチレンジアミンと錯体化
合物を形成したことが確認された。分析データと物理特
性は表1に示される。バリウムテトラメチルヘプタンジ
オネートと組み合わせられ、錯体化合物を形成されたエ
チレンジアミンは、融点および沸点のような物理特性を
変化させたが、化学特性を変化させなかった。
【0070】実施例3:ストロンチウムテトラメチルヘ
プタンジオネートイソプロピルアミン先駆物質の製造。 26グラム(g)(0.3モル)のストロンチウムが氷
水で冷却された容器内に置かれ、300mLの無水エタ
ノールが窒素ストリーム下で撹拌しつつ容器に添加さ
れ、白色のストロンチウムエトキシドサスペンションを
得、次いで、水素の発生が止むまで室温で約5時間撹拌
された。水素の発生が止んだとき、111g(0.6モ
ル)の2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタ
ンジオネートおよび200mLの無水で、純粋なヘキサ
ンが、エタノール中のストロンチウムエトキシドサスペ
ンションに添加された。混合物の完全な溶解後、混合物
はさらに約3時間撹拌され、ストロンチウムテトラメチ
ルヘプタンジオネート(Sr(C1119
を含む溶液混合物を得た。
【0071】反応の完了後、混合物中の揮発性成分は9
0℃、真空下で除去され、135gの固体のストロンチ
ウムテトラメチルヘプタンジオネートが得られた。乾燥
された固体のストロンチウムテトラメチルヘプタンジオ
ネートが230℃、10−2トルの圧力下で昇華され、
ドライアイスで冷却された凝縮器に集められ、122g
の白色のストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネー
トの結晶を得た。昇華で得られたストロンチウムテトラ
メチルヘプタンジオネートに、無色で純粋なイソプロピ
ルアミンが添加され、白色結晶の溶解後、明黄色のスト
ロンチウムテトラメチルヘプタンジオネートイソプロピ
ルアミン溶液が得られた。得られた溶液中の揮発性成分
は室温で真空下で完全に除去され、明黄色の固体を得
た。固体はプロトン核磁気共鳴によって、確認のために
分析をされた。結果は表1に示され、得られた化合物
は、nが任意の数の式XXIIの錯体化合物であった。
【0072】
【化24】
【0073】実施例4:ストロンチウムテトラメチルヘ
プタンジオネートエチレンジアミン先駆物質の製造。 実施例3と同量のストロンチウムが、ルイス塩基として
エチレンジアミンが使用されたことを除き、実施例3の
方法により処理され、明緑色のストロンチウムテトラメ
チルヘプタンジオネートエチレンジアミン溶液を得た。
得られた溶液は真空乾燥され、明黄色の固体化合物を
得、次いでプロトン核磁気共鳴によって分析され、化合
物がストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネートエ
チレンジアミンであることを確認した。物理特性の分析
データは表1に示される。
【0074】
【表1】
【0075】実施例5:バリウムテトラメチルヘプタン
ジオネートとストロンチウムテトラメチルヘプタンジオ
ネートの混合物およびイソプロピルアミンからの錯体化
合物の製造。 20g(0.15モル)のバリウムと13g(0.15
モル)のストロンチウムをそれぞれ用いて、実施例1の
方法が行われ、バリウムテトラメチルヘプタンジオネー
トおよびストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネー
トを得、次いでそれらは一緒に混合された。純粋な無色
のイソプロピルアミンが混合物に添加され、混合物を溶
解し、明緑色の溶液を得た。溶液中の揮発性成分は除去
され、得られた固体が核磁気共鳴によって分析された。
結果は、バリウムテトラメチルヘプタンジオネートとス
トロンチウムテトラメチルヘプタンジオネートが錯体化
合物を形成していることを示した。結果は、イソプロピ
ルアミンが溶質の化学特性ではなく、溶質の物理特性の
変化を引き起こしたことを示した。
【0076】実施例6:バリウムテトラメチルヘプタン
ジオネート、ストロンチウムテトラメチルヘプタンジオ
ネートおよびイソプロポキシチタンテトラメチルヘプタ
ンジオネートからの、混合されたイソプロピルアミン錯
体先駆物質溶液の製造。 バリウムテトラメチルヘプタンジオネートの結晶(10
g)、ストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネート
の結晶(4.5g)およびイソプロポキシチタンテトラ
メチルヘプタンジオネートの結晶(10g)が混合さ
れ、次いで、混合物は200mLの純粋な無色のイソプ
ロピルアミンに溶解され、バリウムテトラメチルヘプタ
ンジオネート、ストロンチウムテトラメチルヘプタンジ
オネート、およびイソプロポキシチタンテトラメチルヘ
プタンジオネートからなる錯体化合物の混合物を含む明
黄色の溶液を得た。得られた溶液は長期間静置された
が、沈殿も変色も観察されなかった。
【0077】試験例 実施例6からの明黄色溶液8mLが200℃に加熱さ
れ、加熱の間圧力は1×10−2トルに低減され、溶液
を蒸発させ、300℃〜330℃に加熱された、窒化チ
タンで被覆された900オングストロームの厚さのシリ
コン基板に化学蒸着を行った。この蒸着法から得られた
BST薄膜は、オージェ電子分光法(AES)によって
分析され、薄膜はバリウム、ストロンチウム、チタンお
よび酸素からなることを示し、これは図1に示される。
【0078】上述の実施例および試験によって確認され
るように、本発明の先駆物質化合物溶液は、長い貯蔵期
間にわたり分解も、沈殿もせず、高い誘電性の物質の蒸
着に役立つ。優れた溶解性は、ダイレクトリキッドイン
ジェクターまたは液体移送系を詰まらせない、高濃度の
先駆物質溶液の製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の先駆物質化合物を用いて得ら
れたBST薄膜のオージェ電子分光法の結果の図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 7/24 C07F 7/24 7/28 7/28 F 15/00 15/00 F C23C 16/18 C23C 16/18 H01L 21/312 H01L 21/312 A 27/108 27/10 651 21/8242

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式、 【化1】 〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、第IVA族、
    第IIIB族、第IVB族、第VB族または第VIII
    A族から選択される金属であり;Lは有機アミンであ
    り;nは1より大きい整数であり;さらにxおよびyは
    0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数である。〕
    の有機金属化合物。
  2. 【請求項2】 金属がカルシウム、ストロンチウム、バ
    リウム、鉛、ランタン、チタン、ジルコニウムまたは白
    金から選択される請求項1記載の有機金属化合物。
  3. 【請求項3】 Lが式IIまたは式III、 【化2】 〔式中、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り;RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素
    数1〜2のアルキル基であり;R21、R22、R23
    およびR24はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜
    2のアルキル基であり;Xは酸素、または炭素数1〜4
    のアルキル基を有する窒素であり;mは2〜8の整数で
    あり;さらにkおよびlはそれぞれ独立して1〜3の整
    数である。〕のアミンから選択される請求項1記載の有
    機金属化合物。
  4. 【請求項4】 Lがアジリジン、ピロリジン、ピペリジ
    ン、モルホリンまたはピペラジンから選択される請求項
    3記載の有機金属化合物。
  5. 【請求項5】 Lが1,2−ジメチルピロリジン、1−
    メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、1,2,
    2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−メチルピペ
    リジン、1−エチルピペリジン、1−ブチルピペリジ
    ン、1,2−ジメチルピペリジン、4−メチルモルホリ
    ンまたは4−エチルモルホリンから選択される請求項4
    記載の有機金属化合物。
  6. 【請求項6】 化合物がバリウムテトラメチルヘプタン
    ジオネートイソプロピルアミン、バリウムテトラメチル
    ヘプタンジオネートエチレンジアミン、ストロンチウム
    テトラメチルヘプタンジオネートイソプロピルアミンま
    たはストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネートエ
    チレンジアミンから選択される請求項1記載の有機金属
    化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1の有機金属化合物を含む、高い
    誘電性の薄膜堆積先駆物質組成物。
  8. 【請求項8】 イソプロピルアミン、エチレンジアミ
    ン、ピロリジンまたはピペリジンから選択される有機溶
    媒をさらに含む、請求項7記載の高い誘電性の薄膜堆積
    先駆物質組成物。
  9. 【請求項9】 不活性雰囲気下で、リガンドとしてテト
    ラメチルヘプタンジオネート、またはテトラメチルヘプ
    タンジオネートとイソプロポキシドの混合物を有する金
    属を、ルイス塩基と反応させる工程を含む、式、 【化3】 〔式中、Mは第IIA族、第IIIA族、第IVA族、
    第IIIB族、第IVB族、第VB族または第VIII
    A族から選択される金属であり;Lは有機アミンであ
    り;nは1より大きい整数であり;さらにxおよびyは
    0〜4の整数であり、x+yが2〜4の整数である。〕
    の有機金属化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 キャリアガスおよび反応ガスとしてア
    ルゴン、ヘリウム、水素、酸素またはこれらの混合物を
    使用し、350〜700℃に加熱された基板上に、高い
    誘電性の薄膜を蒸着する工程を含み、薄膜先駆物質が式
    I、 【化4】 〔式中、MはIIA族、IIIA族、IVA族、III
    B族、IVB族、VB族またはVIIIA族から選択さ
    れる金属であり;Lは有機アミンであり;nは1より大
    きい整数であり;さらにxおよびyは0〜4の整数であ
    り、x+yが2〜4の整数である。〕の有機金属化合物
    である、高い誘電性の薄膜を形成する方法。
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