JP2003147528A - 金属酸化物フィルム堆積用前駆体化合物及びそれを使用したフィルム堆積方法 - Google Patents

金属酸化物フィルム堆積用前駆体化合物及びそれを使用したフィルム堆積方法

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JP2003147528A
JP2003147528A JP2001346011A JP2001346011A JP2003147528A JP 2003147528 A JP2003147528 A JP 2003147528A JP 2001346011 A JP2001346011 A JP 2001346011A JP 2001346011 A JP2001346011 A JP 2001346011A JP 2003147528 A JP2003147528 A JP 2003147528A
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carbon atoms
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alkyl group
precursor compound
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JP2001346011A
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Shin Hyun-Kokku
ヒュン−コック・シン
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Shipley Co LLC
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属酸化物フィルムの堆積に有用な前駆体化
合物を提供する。 【解決手段】該前駆体化合物は、式(1)を有する。 ここで、Mは、金属元素であり;x及びyは、1から4
の整数であり;Rは、水素、フルオロ、1から4の炭素
原子を含有するアルキル基、ペルフルオロアルキル基又
はペルフルオロアリール基であり;RおよびRは、
独立して1から8の炭素元素を含有するアルキル基、ペ
ルフルオロアルキル基又はアルコキシアルキル基であ
り;Aはペルフルオロアルキルアルコキシ又はアルコキ
シアルキルアルコキシである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、金属酸化物フィルム堆積用化合
物及びそれを使用したフィルムの化学的蒸着法に関す
る。特に、本発明は、高集積半導体素子のキャパシタへ
の適用に好適な高誘電率を有する物質の堆積に有用な前
駆体化合物の調製法及び本前駆体化合物を使用する珪素
のような基体上に形成した電極層への高誘電金属酸化物
フィルムの堆積方法に関する。
【0002】半導体素子の増大する集積及び小型化に向
かう傾向に従い、記憶素子セルの面積、例えば、DRA
M(ダイナミックランダムアクセスメモリー)の面積
は、急速に縮小し、それ故、斯かる小領域における十分
なキャパシタンスの確保は、DRAMキャパシタの重要
な要因として重要になってきた。
【0003】キャパシタンスは、キャパシタに使用され
る誘電物質の誘電率及び誘電フィルムの面積の増加に比
例し、フィルム厚さの増加に反比例するので、小型化D
RAMの制限されるセル面積内で十分なキャパシタンス
を得るためには、次の三方法により企図され得る:フィ
ルム厚さを減少すること;キャパシタ構造を変化させる
ことにより誘電物質の利用可能面積を増加すること;又
は高誘電物質を使用して誘電率を改良すること。
【0004】限られた小面積内のキャパシタにおける誘
電フィルムの利用可能な面積を最大化する三次元立体構
造形態のキャパシタの構築は、非常に複雑な構造になる
はずである。それ故、キャパシタへの三次元立体構造の
適用は、プロセスの複雑性の増加及び256メガ以上、
即ち1ギガ世代のDRAMの高い生産コスト故に限られ
たものである。
【0005】第二に、キャパシタンスは、誘電フィルム
の厚さを減少させることにより確保され得る。しかし、
慣用のNO(Si/SiO)複合誘電物質が使
用されるとき、誘電フィルムの厚さは、セル当たり25
fFから30fFの最小キャパシタンスが得られるよう
誘電フィルムの厚さは40Aから45Aに減少されるべき
である。しかしながら、そのような厚さの減少は、トン
ネル効果によるリーク電流の増加又はα‐粒子によるソ
フトエラーの増加を引き起こし得るので、素子の信頼性
減少の深刻な問題が提起される。
【0006】第三に、高誘電体は、SiO/Si
/SiOのONO又はSi /SiOのNO
等の現在使用されている低誘電体の代わりに誘電物質と
して使用され得る。
【0007】そのように条件下で、高集積記憶素子を製
造することにおいてキャパシタの誘電物質として高誘電
フィルムを使用することによりキャパシタンスを確保す
ることが、最も好ましい。
【0008】この目的のため、酸化バリウム(Ba
O)、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化チタン
(TiO)からなる(Ba、Sr)TiOのBS
T、Pb1− ‐LaZr1−yTiのPLZ
T又はPb(Zr、Ti)OのPZT等の強誘電物質
が、これらは現時点では最も使用されている高誘電フィ
ルムであるが、256メガ以上の次世代DRAMのキャ
パシタ用誘電フィルム材料として優先的に選択される。
【0009】斯かるBST及びP(L)ZTフィルム
は、ゾル‐ゲル法、スパッター法、化学蒸着(CVD)
等によって調製され得る。これらのフィルム調製法の中
で、CVD法は、選択的堆積又はステップカバレッジ等
のある種の特性に鑑みて他の堆積法より特に優ってい
る。それ故、CVD法は、セル面積の減少のためフィル
ム堆積における良好なステップカバレッジを要求する次
世代半導体素子において有用なフィルムを調製するのに
最も好適な方法である。
【0010】化学蒸着によるBST及びPZTフィルム
の形成は、前駆体と呼ばれる有機金属化合物を使用して
達成される。
【0011】バリウム(Ba)化合物としてのバリウム
(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジ
オネート)、ストロンチウム(Sr)化合物としての
ストロンチウム(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,
5‐ヘプタンジオネート)、鉛(Pb)化合物として
の鉛(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタ
ンジオネート)、ジルコニウム(Zr)化合物として
のジルコニウム(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,
5‐ヘプタンジオネート)又はチタン(Ti)化合物
としてのチタン(イソプロポキシド)又はチタン(イ
ソプロポキシド)(2,2,6,6‐テトラメチル‐
3,5‐ヘプタンジオネート)等の化合物は、現在ま
でに知られている従前の他のバリウム、ストロンチウ
ム、鉛、ジルコニウム、チタン化合物と比較して相対的
に好適な化学堆積特性を有するので、それらは、BST
及びPZTフィルム堆積用前駆体として最も広範囲に使
用されてきた。
【0012】しかしながら、化学蒸着用前駆体として現
在比較的良好な特性を示す斯かる化合物は、また、不利
益をも有する。バリウム(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐3,5‐ヘプタンジオネート)、ストロンチウム
(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジ
オネート)、鉛(2,2,6,6‐テトラメチル‐
3,5‐ヘプタンジオネート)、及びジルコニウム
(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジ
オネート)化合物は、低蒸気圧を有する固体であ
る。それ故、フィルム堆積に要求される蒸気圧を得るた
めに200℃以上の高温にまで加熱されるべきであるの
で、フィルム堆積操作過程でのそのような高温加熱故に
部分的に分解され得るし、更に前駆体のデリバリー量を
再現性よく調節するのは難しい。
【0013】これに反し、チタン(イソプロポキシド)
又はチタン(イソプロポキシド) (2,2,6,6
‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオネート)化合
物は、酸化チタンが該他の金属化合物と比較して相対的
に高い蒸気圧を有するために、所望の組成比よりも多い
量で堆積されるという問題を有している。
【0014】斯かる欠点は、半導体を調製する上で最も
重要な要因と見なされるプロセスの再現性に致命的な悪
影響を与える。
【0015】斯かる不利益を克服するひとつの試みとし
て、化学蒸着の前駆体としてアルコキシド及びカルボン
酸塩に基づく有機化合物配位子を有するバリウム、スト
ロンチウム及び鉛化合物を使用することが図られた。し
かしながら、これらの化合物は、また、低蒸気圧及び熱
不安定性の問題を提起するので、CVD用前駆体分野で
の改善を提供することはできなかった。
【0016】他の試みとして、最近、テトラヒドロフラ
ン及びエチルアルコールの混合溶液に溶解した従前の化
合物の溶液が、前駆体として使用された。これらの前駆
体溶液は、調節された一定量の前駆体溶液を前駆体容器
から気化器への直接液体注入又は液体デリバリーシステ
ムの手段で提供し、瞬間的蒸発を誘発し、それによりプ
ロセスの再現性を確保すると云う明確なアプローチを達
成することにより、化合物の熱不安定性の問題及び一定
量で前駆体をデリバリーするという問題を部分的に解決
できた。
【0017】しかしながら、これらの前述の化合物は、
テトラヒドロフラン内で低溶解度を有するので、限定さ
れた濃度を有する希薄溶液の形態でのみ前駆体デリバリ
ーシステムに使用され得る。それ故、前駆体溶液の斯か
る希釈濃度のために、堆積速度は、一般的には溶液濃度
に依存するが、未だ次世代記憶素子用のキャパシタ用高
誘電フィルムの調製には十分でない。低溶解度のため
に、気化器に再添加される溶液の溶媒は、蒸発されない
で気化器に残る一部の固体化合物を十分に溶解できず、
それ故、固体化合物は蓄積し、気化器の閉鎖を引き起こ
し得る。
【0018】特に、従前のチタン化合物の場合に、溶液
内のチタン化合物の蒸気圧は、他の金属化合物と比較し
て相対的に高い。従って、チタン化合物は、酸化チタン
が望ましい組成比を超える量において堆積操作過程で存
在するという問題を有している。
【0019】従って、BST及びPZTフィルムの堆積
用の上記した従前の前駆体溶液を改善し、種々の有機金
属化合物についての前駆体溶液の選択範囲を拡大する配
位子を使用する、金属酸化物フィルム堆積用の前駆体化
合物を提供する必要がある。
【0020】本発明の上記目的は、下記式(1)で定義
される、金属酸化物フィルム堆積用前駆体化合物を提供
することにより達成され得る:
【0021】
【化11】
【0022】ここで、Mは、周期律表の2A、3A、4
A、5A、3B、4B、5B及び8B族の群から選択さ
れ;x及びyは、1から4の整数である、但しx及びy
の合計は2から5の整数である;Rは、水素、フルオ
ロ、1から4の炭素原子を含有するアルキル基、ペルフ
ルオロアルキル基又はペルフルオロアリール基であり;
およびRは、独立に1から8の炭素原子を含有す
るアルキル基、ペルフルオロアルキル基又はアルコキシ
アルキル基であり;Aは、式(2)を有するペルフルオ
ロアルキルアルコキシ又はアルコキシアルキルアルコキ
シである:
【0023】
【化12】
【0024】ここで、Rは、水素、フルオロ、又は1
から4の炭素原子を含有するアルキル又はペルフルオロ
アルキルであり、R及びRは、同一か又は異なり、
水素、フルオロ、又は1から4炭素原子を有するアルキ
ル又はアルコキシであり、Rは、1から4の炭素原子
を含有するアルキル又はペルフルオロアルコキシ、又は
アミド基である;及びl及びmは、0から4の整数であ
り;Lは、ルイス塩基であり;及びnは、0以上の整数
である。
【0025】前駆体化合物は、液体としてのアルコキシ
ド及びベータジケトネートの混合液体を有する金属塩と
ルイス塩基とを反応させることにより得られる。
【0026】本発明は、又、ルイス塩基に溶解した上記
の前駆体化合物の溶液を提供する。
【0027】本発明は、更に酸素中で上記の前駆体化合
物との接触過程で、基体を300から600℃の温度で
加熱する工程を含む、基体上に金属酸化物フィルムを堆
積する方法を提供する。
【0028】図1は、本発明に従い化学堆積の手段で珪
素基体上に堆積したフィルムのX線回折分析の結果を示
した図である。
【0029】式(2)の化合物として、式(5)で表さ
れるアルコキシアルキルアルコキシド化合物が、好まし
く選択され、ここで、R14は、1から5の炭素原子を
有するアルキル基である。
【0030】
【化13】
【0031】式(5)により表される化合物の内、式
(6)の2‐アルコキシエトキシドが好ましい、ここ
で、R、R及びRは、水素であり、それぞれl及
びmは、1である。式(6)の化合物として、R14
CHである化合物、即ち、式(7)で表される2‐メ
トキシエトキシド、又はR14がCである化合
物、即ち、式(8)で表される2‐エトキシエトキシド
が、好ましく選択される。
【0032】
【化14】
【0033】式(1)において、Lは、金属中心に対し
非共有電子対を提供することができるルイス塩基であ
る。好ましくは、Lは、式(3)又は(4)を有するヘ
テロ環式アミンである。
【0034】
【化15】 ここで、Rは、水素又は1から4の炭素原子を含有す
るアルキル基であり;R 、R、R10及びR
13は、同一かまたは異なり、水素、又は1から2の炭
素原子を含有するアルキル基である;kは、2から8の
整数であり;Xは、酸素、又は水素もしくは1から4の
炭素原子を含有する窒素である;及びf及びgは、1か
ら3の整数である。
【0035】好適なルイス塩基には、アジリジン、アゼ
チジン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミ
ン、ヘプタメチレンイミン、モルホリン及びピペラジン
等が含まれるがこれらに限定されない。
【0036】式(3)のルイス塩基化合物は、好ましく
は式(9)によって表されるアジリジン、式(10)に
よって表されるピロリジン又は式(11)によって表さ
れるピペリジンである;
【0037】
【化16】
【0038】ここで、R及びRは、上記式(3)に
おいて定義された通りであり、R15からR22及びR
23からR32は、同一かまたは異なり、水素、又は1
から2の炭素原子を含有するアルキル基である。
【0039】式(4)の化合物は、好ましくは式(1
2)によって表されるモルホリン及び式(13)によっ
て表されるピペラジンから選択される:
【0040】
【化17】
【0041】ここで、Rは、式(3)で定義された通
りであり、R33からR40及びR からR48は、
同一かまたは異なり、水素、1から2の炭素原子を含有
するアルキル基である。
【0042】式(10)の化合物は、好ましくは式(1
4)で表されるピロリジン化合物である。式(14)の
化合物の内、R及びR15がメチル、R16
18、R 19及びR22が水素である化合物、即ち、
式(15)の1,2‐ジメチルピロリジン;RがCH
、R15からR22が水素である化合物、即ち、式
(16)の1‐メチルピロリジン;及びRがC
、R15からR22が水素である化合物、即ち、
式(17)の1‐ブチルピロリジンが好ましい。式(1
1)のピペリジンは、好ましくは、Rがメチル又はエ
チル、及びR23、R24、R 26、R28、R30
31及びR32が独立して水素又はメチルである化合
物、即ち、式(18)のアルキルピペリジンであり、特
にR、R23、R24、R31及びR32がメチル、
26、R28及びR30が水素である式(19)の
1,2,2,6,6‐ペンタメチルピペリジン、又は式
(20)及び(21)の、1‐メチルピペリジン及び1
‐エチルピペリジンが、特に好ましい。
【0043】
【化18】
【0044】上記式(14)において、Rは、式
(3)で定義された通りであり、R15、R16、R
18、R19,R21及びR22は、独立して水素又は
メチルである。
【0045】
【化19】
【0046】式(4)の化合物の内、式(12)のモル
ホリン化合物、特に式(22)の4‐メチルモルホリン
及び(23)の式4‐エチルモルホリンが、好ましい。
式(13)のピペラジン化合物の内、式(24)の1,
4‐ジメチル‐ピペラジンが好ましく用いられる。
【化20】
【0047】式(1)で定義されたような、本発明の前
駆体化合物は、下記の反応機構1で示されるように、ベ
ータ‐ジケトンを金属アルコキシドに添加し、好ましく
は滴下添加により添加し;完全に混合物を撹拌し;混合
物にペルフルオロアルキルアルコール又はアルコキシア
ルキルアルコールを加え;50℃において6時間のよう
な一定時間、混合物を撹拌し;真空下で混合物を乾燥さ
せ;混合物とヘテロ環式アミンとを反応させ;次に混合
物を蒸留させることにより、容易に調製され得る。
【0048】
【化21】 上記反応機構1において、M、x、y、R、R
、A、L及びnは、上記式(1)で定義された通り
である。
【0049】加えて、本発明は、金属酸化物フィルム堆
積用前駆体化合物の溶液を提供し、その溶液は、式
(3)及び(4)で定義されたようなルイス塩基溶媒に
式(1)の前駆体化合物を溶解することにより調製され
る。
【0050】本前駆体化合物の溶液を調製する上で、式
(10)のピロリジン、式(11)のピペリジン、式
(12)のモルホリン又は式(13)のピペラジンを使
用することが好ましい。
【0051】より好ましくは、Rがメチル及びR15
からR22は水素である式(10)のピロリジン、即
ち、式(16)の1‐メチルピロリジンが使用され得
る。より特定的には、Rがメチル、及びR23からR
32が水素である式(11)のピペリジン、即ち、式
(20)の1‐メチルピペリジン及びRがエチル、R
23からR32が水素である式(11)のピペリジン、
即ち、式(21)の1‐エチルピペリジンが使用され得
る。より好ましくは、Rがエチル、R33からR
が水素である式(12)のモルホリン、即ち、式(2
3)の4‐エチルモルホリンが使用され得る。より特定
的には、Rがメチル、R41からR48が水素である
式(13)のピペラジン、即ち、式(24)の1,4‐
ジメチルピペラジンが好ましい。
【0052】特に、ベータ‐ジケトネートが、2,2,
6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオネート
(以後、「テトラメチルヘプタンジオネート」と略称す
る)であり、金属Mが2A族のストロンチウム(S
r)、もしくはバリウム(Ba)、4A族の鉛(P
b)、5A族のビスマス(Bi)、3B族のランタン
(La)、4B族のチタンもしくはジルコニウム、又は
5Bのタンタル(Ta)である、式(1)の化合物が式
(3)又は(4)のヘテロ環式アミンに溶解された溶液
を、液体注入デリバリーシステムに前駆体溶媒として使
用するのが好ましい。より特定的には、2A族のストロ
ンチウム又はバリウム又は4B族のチタンが、BST又
はPZTフィルム用の前駆体溶液として好ましく使用さ
れる。
【0053】式(3)又は(4)のルイス塩基に溶解し
た式(1)の化合物の前駆体溶液は、他の金属化合物の
溶液との混合物の形態で長期間保管された場合でさえ、
沈殿又は分解を生じさせず、化合物(1)の高溶解度の
ために高濃度で調製され得る。加えて、金属中心に対し
電子対を提供することができるルイス塩基溶媒の高溶解
度及び独特の特性故にバリウム、ストロンチウム及びチ
タン化合物のような多くの化合物の混合溶液を調製する
ことが可能である。それ故、本発明に基づく前駆体溶液
は、化学的堆積の手段で高集積DRAMキャパシタの高
誘電フィルムの堆積には理想的な前駆体溶液である。
【0054】更に、本発明は、上記の前駆体化合物又は
前駆体溶液から金属酸化物フィルムを有効に堆積させる
ために、従来の堆積操作過程で酸素を供給させながら、
300℃から600℃の範囲の堆積温度まで加熱される
基体上への高誘電フィルムの化学的堆積法を提供する。
【0055】更に、該フィルムの化学的堆積を遂行する
上で、プロセスガスの励起源として熱エネルギー又はプ
ラズマを利用し又はバイアスを基体に適用することが好
ましい。
【0056】従って、本発明者は、式(1)の前駆体化
合物の調製を参考として、具体的に本発明を説明するこ
とを意図している。例示のためだけの目的で、式(2
5)のチタン化合物は、BST及びPZTフィルム双方
の堆積に使用され、他の金属化合物のそれと類似の蒸気
圧を有する、
【0057】
【化22】
【0058】ここで、RからR及びl及びmは、式
(2)に定義の通りであり、R14は式(5)に定義の
通りであり、混合配位子としてテトラメチルヘプタンジ
オネート及びアルコキシアルキルアルコキシドを含有す
る。斯かる化合物の混合溶液は、溶媒として式(3)又
は(4)のルイス塩基化合物を使用して調製され得る。
【0059】式(25)の化合物の中で、RからR
が水素であり、l及びmが1である化合物、即ち、式
(26)によって表されるチタン(アルコキシエトキ
シ)(2,2,6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプ
タンジオネート)を選択することが好ましい。
【0060】
【化23】
【0061】上記式(26)において、R14は、好ま
しくは1から5の炭素原子を含有するアルキル基であ
る。R14がメチルである化合物、即ち、式(27)で
表されるチタン(メトキシエトキシ)‐(2,2,
6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオネート)
及びR14がエチルである化合物、即ち、式(28)
で表されるチタン(エトキシエトキシ)(2,2,
6,6‐テトラメチル‐3,5‐ヘプタンジオネート)
がより好ましい。
【0062】
【化24】
【0063】液体前駆体デリバリーシステムを使用して
化学堆積プロセスにおいて本化合物の前駆体溶液を使用
することは、次の効果を提供する。
【0064】最初に、BST及びPZTフィルム堆積用
に慣用的に使用されているチタン化合物とは異なり、式
(25)のチタン化合物は、Ba、Sr、Pb及びZr
化合物のような他の金属化合物と同様な蒸発温度及び蒸
気圧を有しているけれども、液体前駆体デリバリーシス
テムを使用した化学蒸着により、他の金属化合物との混
合溶液の形態で調製されることができ、所望の組成比
が、BST及びPZTフィルムを堆積する上で達成され
得る。更に、式(25)のチタン化合物の使用は、又、
堆積フィルム内でチタン化合物の凝集、それは他の金属
化合物と比較して従前のチタン化合物の高蒸気圧により
引き起こされ得ていたものであるが、を防止する。
【0065】第二に、式(25)の化合物は、溶媒とし
て使用されるヘテロ環式アミンルイス塩基配位子内で高
い溶解度を有するので、高濃度で前駆体溶液を使用する
ことが可能であり、フィルム堆積速度の改良が期待され
得る。
【0066】第三に、混合溶液がテトラヒドロフランの
ような従前の溶媒を使用して調製されるとき、BST及
びPZT堆積用の前駆体混合溶液は、しばしばその溶液
において溶質化合物間の反応性とそれらの低い溶解度の
ために沈殿をもたらし得る。理論に拘束されることを望
むわけではないが、式(3)及び(4)に定義されるよ
うなヘテロ環式アミンルイス塩基が、溶媒として使用さ
れるとき、ルイス塩基による金属化合物の溶媒和は、溶
媒化合物間の化学反応を防止し、更に、高溶解度が維持
され、それにより、如何なる沈殿をも生じさせないと信
じられる。
【0067】一般に、2以上の前駆体溶液は、別個のデ
リバリー管を経由して別の前駆体貯蔵器から堆積反応器
にデリバリーされるべきである。しかしながら、本発明
に基づく混合溶液は、上記特性を有するので、唯一のデ
リバリー管を経由して一つの容器から堆積反応器にデリ
バリーされることができ、それにより堆積操作を単純化
することができる。
【0068】本発明に基づく式(1)の化合物の中で、
BST及びPZTフィルム堆積用双方の混合溶液におい
て混合配位子及びそれらの前駆体溶液として使用される
テトラメチルヘプタンジオネート及びアルコキシアルキ
ルアルコキシドを有する式(25)の化合物は、次の方
法を通して調製され得る。その方法の全操作は、空気と
の接触に起因する化合物の劣化を防止するために不活性
ガスとして窒素又はアルゴンガス流下で遂行されるべき
である。
【0069】以後、本発明に基づく化合物及び前駆体溶
液の調製法が、下記の実施例によりより具体的に例示さ
れる。
【0070】実施例1 チタン(2‐メトキシエトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)の合成 窒素ガス流化で、387g(2.1モル)のテトラメチ
ルヘプタンジオンが、室温で284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に滴下により添加され、混合
物は、室温にて約3時間撹拌された。それから、304
g(4モル)の2‐メトキシエタノールが、室温にて混
合物に添加され、反応を終了させるため50℃にて6時
間、還流しながら撹拌された。
【0071】反応が終了した後で、揮発性副生成物を除
去するためチタン(2‐メトキシエトキシ)(テトラ
メチルヘプタンジオネート)を含有する混合物は、7
0℃において真空下で乾燥され、575gの濃い黄色の
液体が得られた。
【0072】乾燥された濃い黄色の液体は、真空(10
−2トル)を維持しながら140℃にて蒸留され、淡黄
色の蒸留物をドライアイスで冷却された容器中で凝縮し
た。最初の蒸留物は、上記したものと同一操作により1
40℃で精製され、519gの高純度淡黄色のチタン
(2‐メトキシエトキシ)(テトラメチルヘプタンジ
オネート)を得た。
【0073】本発明に従いチタン(2‐メトキシエトキ
シ)(テトラメチルヘプタンジオネート)を調製す
る化学反応が次の反応機構2で表され、NMR(核磁気
共鳴)分析によって測定された分析値及び高純度のチタ
ン(2‐メトキシエトキシ) (テトラメチルヘプタン
ジオネート)の観察された物理データが下記の表1に
おいて示される。
【0074】
【化25】
【0075】実施例2 チタン(1‐メトキシ‐2‐プロポキシ)(テトラメ
チルヘプタンジオネート)の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンは、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に添加され、次に混合物は、
室温で3時間、撹拌された。それから、1‐メトキシ‐
2‐プロパノール361g(4モル)が、混合物に添加
され、50℃にて6時間撹拌され反応を終了させた。
【0076】反応が終了した後で、揮発性副生成物を除
去するため、混合物は、70℃において真空下で乾燥さ
れ、504gの固体チタン(1‐メトキシ‐2‐プロポ
キシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)が得ら
れた。
【0077】結果として生じる固体チタン(1‐メトキ
シ‐2‐プロポキシ)(テトラメチルヘプタンジオネ
ート)は、真空下(10−2トル)150℃にて昇華
され、生成物は精製された。
【0078】本発明に従い、チタン(1‐メトキシ‐2
‐プロポキシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)
を調製する化学反応は、次の反応機構3により表さ
れ、下記表1において示されるようにNMR分析により
測定された分析値及び観察された物理データから、生じ
た生成物はチタン(1‐メトキシ‐2‐プロポキシ)
(テトラメチルヘプタンジオネート)と同定された。
【0079】
【化26】
【0080】実施例3 チタン(1‐メトキシ‐2‐ブトキシ)(テトラメチ
ルヘプタンジオネート) の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンは、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に滴下され、次に混合物は、
撹拌された。それから、1‐メトキシ‐2‐ブタノール
417g(4モル)が、混合物に添加され、反応を完了
させた。反応混合物は、真空下で乾燥され、521gの
固体チタン(1‐メトキシ‐2‐ブトキシ)(テトラ
メチルヘプタンジオネート)が得られた。
【0081】乾燥チタン(1‐メトキシ‐2‐ブトキ
シ)(テトラメチルヘプタンジオネート)は、真空
下160℃にて昇華され、生成物は精製された。
【0082】チタン(1‐メトキシ‐2‐ブトキシ)
(テトラメチルヘプタンジオネート)を調製する化学
反応は、次の反応機構4により表され、下記表1におい
て示されるようにNMR分析により測定された分析値及
び観察された物理データから、生じた生成物はチタン
(1‐メトキシ‐2‐ブトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)と同定された。
【0083】
【化27】
【0084】実施例4 チタン(3‐メトキシ‐1‐ブトキシ)(テトラメチ
ルヘプタンジオネート) の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンは、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に滴下され、次に混合物は、
撹拌された。それから、3‐メトキシ‐1‐ブタノール
417g(4モル)が、混合物に添加され、反応を完了
させた。
【0085】反応が完了した後で、混合物は、約70℃
において真空下で乾燥され、次に真空下で145℃にて
二度蒸留され、559gの淡黄色液体の高純度のチタン
(3‐メトキシ‐1‐ブトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)が得られた。
【0086】チタン(3‐メトキシ‐1‐ブトキシ)
(テトラメチルヘプタンジオネート)を調製する化学
反応は、次の反応機構5により表され、下記表1におい
て示されるようにNMR分析により測定された分析値及
び観察された物理データから、生じた生成物はチタン
(3‐メトキシ‐1‐ブトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)と同定された。
【0087】
【化28】
【0088】実施例5 チタン(2‐エトキシエトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンが、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に滴下により撹拌されながら
添加され、それから、361g(4モル)の2‐エトキ
シエタノールが、混合物に添加された。反応が完了した
ら、反応混合物は、真空下70℃にて乾燥され、652
gの濃い黄色の液体が得られた。
【0089】乾燥された濃い黄色の液体は、真空下で1
60℃にて蒸留され、最初の淡黄色の蒸留物をドライア
イスで冷却された容器中で凝縮した。最初の蒸留物は、
上記したものと同一操作により精製され、551gの高
純度の淡黄色チタン(エトキシエトキシ)(テトラメ
チルヘプタンジオネート)を得た。
【0090】本発明に従い、チタン(2‐エトキシエト
キシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)を調製
する化学反応は、次の反応機構6により表され、高純度
のチタン(2‐メトキシエトキシ)(テトラメチルヘ
プタンジオネート)のNMR分析により測定された
分析値及び観察された物理的特性は、下記表1において
示される。
【0091】
【化29】
【0092】実施例6 チタン(3‐エトキシ‐1‐プロポキシ)(テトラメ
チルヘプタンジオネート)の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンは、撹拌しながら284g(1
モル)のチタン(イソプロポキシド)に滴下され、3
‐エトキシ‐1‐プロパノール417g(4モル)が、
混合物に添加され、撹拌された。
【0093】反応が完了した後で、混合物は、70℃に
おいて真空下で乾燥され、640gの液体生成物が得ら
れた。乾燥された濃い黄色の液体は、それから170℃
において真空下で蒸留され、557gの淡黄色の高純度
のチタン(3‐エトキシ‐1‐プロポキシ)(テトラ
メチルヘプタンジオネート)が得られた。
【0094】本発明に従い、チタン(3‐エトキシ‐1
‐プロポキシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)
を調製する化学反応は、次の反応機構7によって表さ
れ、高純度のチタン(3‐エトキシ‐1‐プロポキシ)
(テトラメチルヘプタンジオネート)は、次の表1
で示されるようなNMRによって測定された分析値及び
観察された物理的特性を有する。
【0095】
【化30】
【0096】実施例7 チタン(3,3‐ジエトキシ‐1‐プロポキシ)(テ
トラメチルヘプタンジオネート)の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンが、撹拌しながら284g(1
モル)のチタン(イソプロポキシド)に滴下により添
加され、それから、593g(4モル)の3,3‐ジエ
トキシ‐1‐プロパノールが、添加された。反応が完了
したとき、反応混合物は、真空下70℃にて乾燥され、
次に真空下で150℃にて2回蒸留され、631gの淡
黄色の高純度の液体チタン(3,3‐ジエトキシ‐1‐
プロポキシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)
が得られた。
【0097】チタン(3,3‐ジエトキシ‐1‐プロポ
キシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)を調製
する化学反応は、次の反応機構8により表され、下記表
1において示されるNMR分析により測定された分析値
及び観察された物理データから、生じた生成物はチタン
(3,3‐ジエトキシ‐1‐プロポキシ)(テトラメ
チルヘプタンジオネート)と同定された。
【0098】
【化31】
【0099】実施例8 チタン(2‐プロポキシエトキシ)(テトラメチルヘ
プタンジオンート)の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンが、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に撹拌されつつ滴下され、2
‐プロポキシエタノール417g(4モル)が、室温に
おいて混合物に添加され、撹拌された。
【0100】反応が完了した後で、混合物は、70℃に
おいて真空下で乾燥され、658gの液体が得られた。
乾燥された濃い黄色の液体は、155℃において真空下
で蒸留され、590gの淡黄色の高純度のチタン(2‐
プロポキシエトキシ)(テトラメチルヘプタンジオネ
ート)が得られた。
【0101】本発明に従い、チタン(2‐プロポキシエ
トキシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)を調
製する化学反応は、次の反応機構9によって表され、高
純度のチタン(2‐プロポキシエトキシ)(テトラメ
チルヘプタンジオネート)は、次の表1で示されるN
MRによって測定された分析値及び観察された物理的特
性を有する。
【0102】
【化32】
【0103】実施例9 チタン(2‐ブトキシエトキシ)(テトラメチルヘプ
タンジオネート)の合成実施例1の操作に従い、38
7g(2.1モル)のテトラメチルヘプタンジオンが、
284g(1モル)のチタン(イソプロポキシド)
滴下により添加され、それから撹拌された。次に、47
3g(4モル)の2‐ブトキシエタノールが、混合物に
添加された。反応が完了したら、反応混合物は、真空下
70℃にて乾燥され、、濃い黄色の液体が得られ、それ
から真空下で165℃において蒸留され、603gの淡
黄色の高純度のチタン(2‐ブトキシエトキシ)(テ
トラメチルヘプタンジオネート)が得られた。
【0104】チタン(2‐ブトキシエトキシ)(テト
ラメチルヘプタンジオネート)を調製する化学反応
は、次の反応機構10により表され、高純度のチタン
(2‐ブトキシエトキシ)(テトラメチルヘプタンジ
オネート)のNMR分析により測定された分析値及
び観察された物理データは、下記表1に示される。
【0105】
【化33】
【0106】実施例10 チタン(2‐イソプロポキシエトキシ)(テトラメチ
ルヘプタンジオネート) の合成 実施例1の操作に従い、387g(2.1モル)のテト
ラメチルヘプタンジオンが、284g(1モル)のチタ
ン(イソプロポキシド)に滴下により添加され、それ
から、撹拌された。次に417g(4モル)の2‐イソ
プロポキシエタノールが、混合物に添加された。反応が
完了したら、反応混合物は、真空下70℃にて乾燥さ
れ、黄色液体が得られ、それから真空下で170℃にお
いて蒸留され、596gの淡黄色の高純度のチタン(2
‐イソプロポキシエトキシ)(テトラメチルヘプタン
ジオネート)が得られた。
【0107】本発明に従い、チタン(2‐イソプロポキ
シエトキシ)(テトラメチルヘプタンジオネート)
を調製する化学反応は、次の反応機構11により表さ
れ、高純度のチタン(2‐イソプロポキシエトキシ)
(テトラメチルヘプタンジオネート)のNMR分析
により測定された分析値及び観察された物理データは、
下記表1に示される。
【0108】
【化34】
【0109】
【表1】
【0110】実施例11 バリウムテトラメチルヘプタンジオネート、ストロンチ
ウムテトラメチルヘプタンジオネート及びチタン(2‐
メトキシエトキシ)(テトラ‐メチルヘプタンジオネ
ート)の混合前駆体溶液の調製。5.74gのバリウ
ムテトラメチルヘプタンジオネート、3.0gのストロ
ンチウムテトラメチルヘプタンジオネート及び14.4
gのチタン(2‐メトキシエトキシ)(テトラメチル
ヘプタンジオネート)が、混合された。生じた混合物
は、300mlの精製された無色1‐エチルピペリジン
に溶解され、バリウムテトラメチルヘプタンジオネー
ト、ストロンチウムテトラメチルヘプタンジオネート及
びチタン(2‐メトキシエトキシ)(テトラメチルヘ
プタンジオネート)を含有する淡黄色混合溶液が調製
された。この混合溶液は、6ヶ月貯蔵後においても如何
なる沈殿又は退色も形成しなかった。
【0111】実施例12 実施例11で調製された淡黄色混合溶液8mlは、20
0℃で加熱しながら1×10−2トルの真空圧を使用し
て蒸発され、次に350℃から550℃にまでに加熱さ
れた珪素基体上に堆積される900Åの窒化チタン(T
iN)基体上に化学堆積された。堆積されたBSTフィ
ルムは、XRD(X線回折)の手段により分析され、そ
のフィルムは、バリウム、ストロンチウム、チタン及び
酸素構成成分からなることが示された。上記実施例から
判るように、本発明に基づく前駆体化合物及び混合溶液
は、長期間の貯蔵後でさえ如何なる分解又は沈殿も生じ
させず、良好な溶解度故に高濃度の前駆体溶液を調製
し、液体注入器又は液体デリバリーシステム等の蒸発器
に目詰まりを生じさせない良好な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従い化学堆積の手段で珪素基
体上に堆積したフィルムのX線回折分析の結果を示した
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒュン−コック・シン 大韓民国442−470キュンキ−ドー,スウォ ン,パルダル−グ,ヨントン−ドン・989 −2,サルグゴル・ヒュンダイ・アパート メント・ナンバー727−1702 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB78 AB91 4H049 VN05 VP01 VR44 VU24 VW01 4K030 AA11 BA01 BA17 BA22 BA42 FA01 FA10 JA10 KA20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)の、金属酸化物フィルム堆積用前
    駆体化合物: 【化1】 ここで、Mは、周期律表の2A、3A、4A、5A、3
    B、4B、5B及び8B族からなる群から選択される金
    属元素であり;x及びyは、1から4の整数であり、但
    し、x及びyの合計は、2から5の整数である;Rは、
    水素、フルオロ、1から4の炭素原子を含有するアルキ
    ル基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアリー
    ル基であり;RおよびRは、独立して1から8の炭
    素元素を含有するアルキル基、ペルフルオロアルキル基
    又はアルコキシアルキル基であり;Aは、式(2)を有
    するペルフルオロアルキルアルコキシ又はアルコキシア
    ルキルアルコキシである、 【化2】 ここで、Rは、水素、フルオロ、又は1から4の炭素
    原子を有するアルキル又はペルフルオロアルキルであ
    り;R及びRは、同一か又は異なり、水素、フルオ
    ロ、1から4の炭素原子を有するアルキル又はアルコキ
    シであり;Rは、1から4の炭素原子を有するアルキ
    ル又はペルフルオロアルコキシ又はアミド基であり、l
    及びmは0から4の整数であり;Lは、金属に対し非共
    有電子対を提供することができるルイス塩基であり;及
    びnは、0以上の整数である。
  2. 【請求項2】Mが、カルシウム、ストロンチウム、バリ
    ウム、鉛、ビスマス、ランタン、チタン、ジルコニウム
    及びタンタルからなる群から選択される請求項1に記載
    の前駆体化合物。
  3. 【請求項3】Mがジルコニウム及びチタンからなる群か
    ら選択され;x及びyの合計が4であり;nが0である
    請求項1に記載の前駆体化合物。
  4. 【請求項4】Mがチタンであり;xが2であり及びyが
    2である請求項3に記載の前駆体化合物。
  5. 【請求項5】式(25)を有する請求項4に記載の前駆
    体化合物: 【化3】 ここで、Rは、水素、フルオロ、又は1から4の炭素
    原子を有するアルキル又はペルフルオロアルキルであ
    り;R及びRは、同一かまたは異なり、水素、フル
    オロ又は1から4の炭素原子を有するアルキル又はアル
    コキシであり;l及びmは0から4の整数であり;及び
    14は1から5の炭素原子を含有するアルキル基であ
    る。
  6. 【請求項6】Aが式(5)を有する請求項1に記載の前
    駆体化合物: 【化4】 ここで、Rは、水素、フルオロ、又は1から4の炭素
    原子を有するアルキル又はペルフルオロアルキルであ
    り;R及びRは、同一かまたは異なり、水素、フル
    オロ又は1から4の炭素原子を有するアルキル又はアル
    コキシであり;l及びmは0から4の整数であり;及び
    14は1から5の炭素原子を含有するアルキル基であ
    る。
  7. 【請求項7】R、R及びRがそれぞれ水素であ
    り;l及びmのそれぞれは、1であり;及びR14はメ
    チル又はエチルである請求項6に記載の前駆体化合物。
  8. 【請求項8】Lが式(3)又は式(4)のヘテロ環式ア
    ミンである請求項1に記載の前駆体化合物: 【化5】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり;R及びRは、同一かまたは
    異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有するアル
    キル基であり;R10からR13は、同一かまたは異な
    り、水素、又は1から2の炭素原子を含有するアルキル
    基であり、Xは、酸素、又は水素を有する窒素又は1か
    ら4の炭素原子を有するアルキル基であり;f及びg
    は、1から3の整数であり;及びkは、2から8の整数
    である。
  9. 【請求項9】Rが、水素、又は1から4の炭素原子を
    含有するアルキルであり;Rが、水素であり;R
    が、水素、又は1から2の炭素原子を含有するアルキ
    ル基であり;及びkが、2である請求項8に記載の前駆
    体化合物、
  10. 【請求項10】ヘテロ環式アミンが式(10)を有する
    請求項8に記載の前駆体化合物: 【化6】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり;R15からR22は、同一かま
    たは異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有する
    アルキル基である。
  11. 【請求項11】ヘテロ環式アミンが式(11)を有する
    請求項8に記載の前駆体化合物: 【化7】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり、R23からR32は、同一かま
    たは異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有する
    アルキル基である。
  12. 【請求項12】ヘテロ環式アミンが式(12)を有する
    請求項8に記載の前駆体化合物: 【化8】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり;R23からR40は、同一かま
    たは異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有する
    アルキル基である。
  13. 【請求項13】ヘテロ環式アミンが式(13)を有する
    請求項8に記載の前駆体化合物: 【化9】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり;R41からR48は、同一かま
    たは異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有する
    アルキル基である。
  14. 【請求項14】a)ベータ‐ジケトンを金属アルコキシ
    ドに添加して反応混合物を形成し;b)反応混合物にペ
    ルフルオロアルキルアルコール又はアルコキシアルキル
    アルコールを添加し;c)反応混合物を撹拌し;及び反
    応混合物とルイス塩基とを反応させる工程を含む請求項
    1に記載の前駆体化合物を調製する方法。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の前駆体化合物及び式
    (3)又は式(4)のヘテロ環式アミンを含む溶液、 【化10】 ここで、Rは、水素、又は1から4の炭素原子を含有
    するアルキル基であり;R及びRは、同一かまたは
    異なり、水素、又は1から2の炭素原子を含有するアル
    キル基であり;R10からR13は、同一かまたは異な
    り、水素、又は1から2の炭素原子を含有するアルキル
    基であり;Xは、酸素、又は水素を有する窒素又は1か
    ら4の炭素原子を含有するアルキル基であり;f及びg
    は、1から3の整数であり;及びkは、2から8の整数
    であり;ここで、ヘテロ環式アミンは前駆体化合物を溶
    解させるに十分な量で存在する。
  16. 【請求項16】請求項1に記載の前駆体化合物との接触
    の過程において、酸素中で300から600℃の温度ま
    で基体を加熱する工程を含む、基体上に金属酸化物フィ
    ルムを堆積させる方法。
  17. 【請求項17】更に、熱、プラズマ又は基体に適用され
    るバイアスから選択される励起源を使用して前駆体化合
    物を蒸発させる工程を含む、請求項16に記載の方法。
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