JPWO2005035823A1 - β−ジケトナト配位子を有する金属錯体および金属含有薄膜の製造方法 - Google Patents

β−ジケトナト配位子を有する金属錯体および金属含有薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 CVD法により金属薄膜を製造する方法に有利に用いることのできる新規なβ−ジケトナト金属錯体を提供する。【解決手段】 下記式で表わされる金属錯体:【化1】[上記式において、Xは、特定構造のシリルエーテル基を表し、Yは、上記のシリルエーテル基或はアルキル基を表し、Zは、水素原子或はアルキル基を表し、Mは、Lu、Ir、Pd、Ni、V、Ti、Zr、Hf、Al、Ga、In、Sn、Pb、Zn、Mn、It、Cr、Mg、Co、Fe、またはAgを表し、nは、金属原子Mの価数を表す。

Description

本発明は、新規なβ−ジケトナト配位子を有する金属錯体、および該金属錯体を用いて化学気相蒸着法(CVD法)により金属薄膜あるいは金属酸化物薄膜などの金属含有薄膜を製造する方法に関する。
第VIII族金属に属するルテニウムあるいはイリジウムなどの貴金属の薄膜あるいはそれらの酸化物薄膜が、DRAMやFeRAM等の半導体メモリの薄膜電極形成用材料として検討されている。それは、これらの貴金属が電極形成用材料として優れた電気特性を有するからである。また、パラジウムあるいはニッケルの薄膜は、シリコン半導体で使用される銅配線における銅核発生の密度向上や銅配線とその下地との密着性を向上させるための利用が検討されている。
これらの金属薄膜の製造方法としては、PVD法とCVD法が利用できるが、今後のデバイスの微細化傾向を考慮すれば、均一な薄膜の製造し易いCVD法での成膜が好ましい方法であり、それに適した原料化合物の提供が必要となる。
ルテニウム、イリジウム、パラジウムあるいはニッケル含有薄膜をCVD法で形成させる化合物としては、各金属のβ−ジケトナト錯体が知られている。しかし、ルテニウム、イリジウム、パラジウムおよびニッケルのβ−ジケトナト錯体は融点が高いため、CVD装置内における原料輸送の際に、配管途中での閉塞の懸念があり、CVD法に用いる金属原料としては問題がある。また、CVD法による成膜速度が小さく、対象薄膜の生産性の面でも問題を抱えたものである。
特許文献1には、2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオンあるいは2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオンのルテニウム錯体あるいはイリジウム錯体が提案されており、これらの錯体は相対的に融点が低いというものの、いずれの錯体でも融点は110℃以上と高く、CVD法に用いる金属原料としては問題である。
特許文献2には、炭素数の多いアルキル基を有するβ−ジケトンを配位子とする、ルテニウム錯体が提案されている。この錯体は室温で液体であることから、CVD装置の配管閉塞の問題は解決されるものの、ルテニウム膜の成膜速度は、従来のトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム錯体のそれと変わらず、ルテニウム薄膜の工業的生産性の点では依然として問題を抱えている。
特許文献3および4には、生成した薄膜のホモロジーを改善するため、それぞれトリス(2,4−オクタンジオナト)ルテニウム錯体(式(I)の化合物)およびトリス(2,4−オクタンジオナト)イリジウム錯体について、シス−トランス異性体分離を行なう方法が提案がなされている。
ルテニウム錯体については、β−ジケトナト基とは異なるシクロペンタジエニル基のルテニウム錯体が提案されている。
特許文献5〜7には、室温で液体のビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム錯体が記載されている。しかしながら、このルテニウム錯体は有機金属であるため、水分に対して鋭敏であり、合成時や後処理での操作が煩雑である。また、市場で入手可能な三価の塩化ルテニウムを出発原料として合成する場合、目的のビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム錯体が二価であるため、還元反応操作が必要であり、そのため還元剤として金属亜鉛を使用するなど、工業的製造法としての大量生産を考えた場合に問題となる。
パラジウム錯体を用いたCVD法によるパラジウム薄膜の製造は、あまり検討されていない。特許文献8には、CVD法ではなく、超臨界エタン中で、ビス(2,2,7−トリメチルー3,5−オクタジオナト)パラジウム錯体を用いるパラジウム薄膜製造の例が記載されているが、超臨界エタン中での反応であり、実用的でない。
非特許文献1には、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル錯体を用いるCVD法によるニッケル薄膜の製造が記載されている。ただし、この錯体は、固体(融点:173℃)である。
また、半導体、電子部品、光学材料等の分野における薄膜材料としてバナジウム含有薄膜の使用が検討されている。バナジウム含有薄膜の製造方法としては、塗布熱分解法、PVD法、CVD法があるが、組成制御性及び今後のデバイスの微細化傾向を考慮すれば、均一な薄膜の製造し易いCVD法での成膜が好ましい方法であり、それに適した原料化合物の提供が必要となる。
バナジウム含有薄膜をCVD法で製造する場合においては、バナジウム源として、例えば、VO(OEt)3のようにアルコキシド基を持つ錯体が用いること知られているが、アルコキシド基を含有する錯体は、僅かの水分の存在により分解変質が起こり易く、保存が困難であるという問題がある。
特許文献9には、V(dpm)3(ここでdpmは、2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオナト基を表す。)で示されるβ−ジケトナト錯体を使用することが開示されている。このV(dpm)3錯体は、アルコキシドを含まないことから水分の存在には安定であるものの、融点が155℃と高く、原料供給時にCVD装置内における配管閉塞の恐れがあり、CVD法による薄膜製造用原料としては問題である。
周期律表第IVA族に属するチタン、ジルコニウムあるいはハフニウムなどの金属元素の酸化物を含む薄膜は、半導体、電子部品、光学部品等の分野における材料としての検討が進められており、特に、酸化ハフニウムは、トランジスタのゲート絶縁膜として、近年開発が進められている。これら元素を含有する薄膜の製造方法としては、塗布熱分解法、PVD法、CVD法があるが、成膜の組成制御性、半導体デバイスの微細化への対応性を考慮すれば、CVD法での成膜が最も好ましい方法である。
CVD法によってIVA族金属元素を含む薄膜を製造するための原料としては、Ti(OEt)4のような金属アルコラート、あるいは特許文献10乃至特許文献12に記載されているアルコキシド基とβ―ジケトナト基とを含有する金属錯体が知られている。
上記の金属錯体は、いずれもアルコキシド基を含むため、僅かの水分の存在による分解変質が懸念され、保存中あるいは合成時での溶媒中の水分管理の問題が残る。また、上記特許文献に記載の錯体のうち、一部のチタン錯体を除いて、ほとんどのチタン錯体、ジルコニウム錯体やハフニウム錯体は、室温で固体であるため、CVD装置内における原料輸送の際に、配管途中における閉塞の懸念があり、CVD法での原料としては問題である。
特許文献13には、アルコキシド基を含まないHf(dpm)4(ここでdpmは、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト基を表す)錯体が開示されている。この錯体は、水分等には比較的安定であるものの、融点が315℃と高く、原料供給時における配管の閉塞の問題があり、同様にCVD法での原料としては問題である。
第IIIB族元素に属する金属であるホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどの金属又はその化合物を含む薄膜は、半導体、電子部品、光学部品等の分野における材料としての検討が進められている。例えば、アルミニウム酸化膜は、半導体メモリのゲート絶縁膜等の電子デバイス用機能性薄膜としての使用が検討されており、またインジウム酸化膜は、透明電極膜として使用されている。これら金属を含有する薄膜の製造方法としては、塗布熱分解法、PVD法、CVD法があるが、薄膜の組成制御性及び今後のデバイスの微細化傾向を考慮すれば、均一な薄膜の製造し易いCVD法での成膜が好ましい方法であり、それに適した原料化合物の提供が必要となる。
CVD法による第IIIB族金属を含む薄膜製造用原料としては、化合物半導体製造用として用いられる、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム等のトリアルキル金属錯体があるが、これらの錯体は、僅かの水分や空気の存在により激しく変質し、また発火性があるため取り扱いが困難であるという欠点を持つ。一方、半導体メモリのゲート絶縁膜として働く酸化アルミニウム薄膜形成用としては、Al(dpm)3(dpmは、2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオナト基を表す)で代表されるβ−ジケトナトアルミニウム錯体が使用されるが、Al(dpm)3錯体は、融点265℃の固体であり、原料供給時にCVD装置内における配管閉塞の恐れがあり、CVD法による薄膜製造用原料としては問題である。また、特許文献14および特許文献15には、分子内にアルコキシド基を含有するアルミニウム錯体が開示されているが、このアルコキシド基を含む錯体も、僅かの水分の存在によって分解変質を起こすため、その保存性に問題がある。更に、特許文献16には、アルキルアルミニウムハイドライドが提案されているが、この錯体は、トリアルキルアルミニウムと同様に僅かの水分や空気により、激しく変質し、発火性もあるため取り扱いが困難である。アルミニウム以外の第IIIB族金属であるホウ素、ガリウムおよびインジウムについては、トリアルキル金属錯体以外ほとんど開発されていないのが現状であり、それら金属のβ−ジケトナト錯体、例えばトリス(アセチルアセトナト)インジウム錯体、In(dpm)3等の錯体は高融点の固体であり、CVD法による薄膜製造用原料としては問題である。
次に、第IVB族金属に属する錫、鉛の酸化物薄膜は、半導体、電子部品等の分野における材料としての検討が進められており、酸化錫、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の透明導電性薄膜やBTS(バリウム、チタン、錫酸化物)、PZT(鉛、ジルコニウム、チタン酸化物)等の酸化物強誘電体膜に第IVB族金属酸化物が使用されている。第IVB族金属を含有する薄膜の製造方法としては、塗布熱分解法、PVD法、CVD法があるが、組成制御性及び今後のデバイスの微細化傾向を考慮すれば、均一な薄膜の製造し易いCVD法での成膜が好ましい方法であり、それに適した原料化合物の提供が必要となる。
CVD法による、第IVB族金属元素を含む薄膜製造用原料としては、β−ジケトナト金属錯体が挙げられる。たとえば、Sn(AcAc)2(ここでAcAcはアセチルアセトナト基を表す)、Sn(dpm)2(dpmは、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト基を表す)である。これらのSn錯体は、水分に対して、極めて敏感であり、合成時あるいは保存時での水分管理の問題がある(特許文献17)。特許文献18では、酸化物系強誘電体であるBTS薄膜の製造用原料として、アルキル基がSnに直接結合したSn−C結合を持つテトラメチル錫(Sn(CH34と表す)を使用する記載があるが、このSn(CH34は上記のβ−ジケトナト錯体のような水分による分解の問題は回避できるものの、Sn(dpm)2の使用と比較して、得られたBTS膜は、特性的に劣る。これは、Snとアルキル基間のSn−C結合の共有結合性が強いため、Sn−O−C結合を持つSn(dpm)2錯体に比べ、Sn−C結合の分解がより起こり難いためと考えられる。同様に、Sn−C結合を有するジブチル錫ジアセテートや特許文献19に示されている(CH32Sn(dpm)2のような錫錯体においても、同様な問題がある。
一方、鉛錯体に関しては、Pb(dmp)2(特許文献20)、あるいはビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)鉛(特許文献21)のようなβ−ジケトナト鉛錯体使用の提案があるが、これらはいずれも高融点の固体であり、CVD法による成膜の際、CVD装置内の原料供給系における配管閉塞の恐れがあり、CVD法による薄膜製造用原料としては問題である。
亜鉛化合物、マンガン化合物及びイットリウム化合物に関しては、近年、半導体、電子部品等の分野の材料として、多くの研究、開発がなされている。亜鉛化合物は、太陽電池、液晶表示デバイス等の透明導電膜や表面弾性波デバイスとして、マンガン化合物は、エレクトロクロミズムデバイスや温度に対する抵抗値変化及び温度分解能が大きいことを利用してのサーミスタ素子として、また、イットリウム化合物は、酸化銅系高温超伝導体の材料としての使用や研究がなされている。これらの金属原子を含有する薄膜の製造方法としては、均一な薄膜を製造し易いCVD法による成膜が最も盛んに採用されており、それに適した原料化合物が求められている。
CVD法による亜鉛原子、マンガン原子及びイットリウム原子を含有する薄膜製造用原料としては、例えば、Zn(acac)2(acac=アセチルアセトナト基)、Zn(dpm)2(dpm=ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト基))、Mn(acac)2、Mn(acac)3、Mn(dpm)3、Y(dpm)3、Y(tod)3(tod=ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタンジオナト基))等のβ−ジケトナト基を配位子とする金属錯体が知られている。
亜鉛錯体を用いた亜鉛含有薄膜の製造例としては、例えば、Zn(dpm)2を用いてプラズマCVD法により亜鉛酸化膜を製造する方法(例えば、特許文献22及び23参照)、Zn(acac)2を用いて熱CVD法により亜鉛酸化膜を製造する方法を製造する方法(特許文献24)が知られている。しかし、いずれの亜鉛錯体も常温では固体であり、高い融点を有することから、CVD法による成膜の際、CVD装置内の原料供給系における配管閉塞の恐れがあり、工業的なCVD法による薄膜製造原料としては不適であった。
マンガン錯体を用いたマンガン含有薄膜の製造例としては、例えば、Mn(acac)3を用いてCVD法によりマンガン酸化膜を製造する方法が知られている(非特許文献2)。しかしながら、このマンガン錯体も亜鉛錯体と同様に、常温では固体であり、高い融点を有するという問題があった。
イットリウム錯体を用いたイットリウム含有薄膜の製造例としては、例えば、Y(tod)3を用いてCVD法によりイットリウム酸化膜を製造する方法が知られている(特許文献25)。しかしながら、このイットリウム錯体も亜鉛錯体と同様に、常温では固体であり、高い融点を有するという問題があった。
クロム化合物およびマグネシウム化合物に関しては、半導体、電子部品等の分野の材料として、多くの研究と開発が為されている。クロム化合物は光ファイバレーザ用のガラスの製造や鋼板表面の被膜用として、またマグネシウム化合物は、プラズマディスプレィパネルの誘電体ガラス層上の保護膜としての使用や研究がなされている。これらの金属原子を含有する薄膜の製造方法としては、均一な薄膜を製造し易いCVD法による成膜が最も盛んに採用されており、それに適した原料化合物が求められている。
CVD法によるクロム原子あるいはマグネシウム原子を含有する薄膜製造用原料としては、Cr(acac)3(acac=アセチルアセトナト基)、Cr(dpm)3(dpm=2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト基)、Mg(acac)2、Mg(dpm)2 等のβ−ジケトナト基を配位子とする金属錯体、Cr(CO)6などのカルボニル基を配位子とする金属錯体、MgCp2(Cp=シクロペンタジエニル基)などのシクロペンタジエニル基を配位子とする金属錯体が知られている。
クロム錯体を用いたクロム含有薄膜の製造例としては、Cr(dpm)3を用いてプラズマCVD法により酸化クロム膜を製造する方法(特許文献26、27)そしてCr(CO)6を用いて鋼板をクロム被覆する方法(特許文献28)が知られている。また、マグネシウム錯体を用いるマグネシウム含有薄膜の製造例としては、Mg(acac)2、Mg(dpm)2またはMgCp2を用いて熱CVD法やプラズマCVD法によりマグネシウム酸化膜を製造する方法が知られている(特許文献27、29)。しかしながら、いずれの金属錯体も常温では固体であり、高い融点を有することから、CVD法による成膜の際、CVD装置内の原料供給系における配管閉塞の恐れがあり、工業的なCVD法による薄膜製造原料としては不適当である。
なお、シリルエーテル結合を有するβ−ジケトナトを配位子とする銅錯体が、特許文献30に記載されている。
特開平9−49081号公報 特開2000−212744号公報 特開2003−55294号公報 特開2003−64019号公報 特開平11−35589号公報 特開2002−105091号公報 特開2003−55390号公報 米国特許第5789027号公報 特開2003−49269号公報 特開2001−200367号公報 特開2002−69641号公報 特開2002−69027号公報 特開2002−249455号公報 特開2001−2142689号公報 特開2003−34868号公報 特開平9−12581号公報 特開平6−234779号公報 特開平9−249973号公報 特開平7−25886号公報 特開平2002−155008号公報 特開平2003−226664号公報 特開2000−273636号公報 特開2003−89875号公報 特開2003−31846号公報 特開平9−228049号公報 特開平6−92647号公報 特開平11−3665号公報 特開平2−66171号公報 特開平10−269952号公報 WO 03/064437A1パンフレット Electrochemical and Solid-State letters,5(6)C64-C66(2002) J.Electrochemical Society,142(9),3137(1995)
本発明は、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、マンガン、イットリウム、クロム、マグネシウム、コバルト、鉄、および銀からなる群より選ばれる金属原子の新規な錯体を提供することを目的とする。また、低融点でかつ空気中での安定性に優れており、さらに成膜特性に優れていることから、CVD法による金属薄膜または金属酸化物薄膜などの金属含有薄膜形成に適した錯体を提供すること目的とする。
本発明者は、シリルエーテル結合を持つβ−ジケトナトを配位子とする金属錯体が、前記課題を解決した化合物となることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記式(1)で表わされる金属錯体:
Figure 2005035823
[式(1)において、
Xは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基を表わし、
Yは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基、あるいは炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基を表わし、
Zは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、
Mは、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、マンガン、イットリウム、クロム、マグネシウム、コバルト、鉄、および銀からなる群より選ばれる金属原子を表わし、
nは、Mで表わされる金属原子の価数(例えば、2、3、4)を表わす、
Figure 2005035823
(式(2)において、Raは、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキレン基を表わし、そしてRb、Rc、Rdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基を表わす)]にある。
本発明はまた、下記式(3)で表わされるシリルエーテル基が付いたβ−ジケトナト基を配位子として有する金属錯体(但し、金属は、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、マンガン、イットリウム、クロム、マグネシウム、コバルト、鉄、及び銀からなる群より選ばれる金属である)にある。
Figure 2005035823
[式(3)において、
Xは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基を表わし、
Yは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基、あるいは炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基を表わし、
Zは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、
Figure 2005035823
(式(2)において、Raは、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキレン基を表わし、そしてRb、Rc、Rdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基を表わす)]。
なお、Yが炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基であり、そしてZが水素原子であることが好ましい。そして、特にYが炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、Raがジメチルメチレン基であり、そしてRb、Rc、Rdがいずれも炭素原子数1〜3の直鎖のアルキル基であることが好ましい。
本発明はまた、上記式(1)の金属錯体もしくは上記式(3)で表わされるシリルエーテル基が付いたβ−ジケトナト基を配位子として有する金属錯体を気化させ、この気化させた金属錯体を熱分解させて、基板上に堆積させることにより金属含有薄膜を生成させることからなる金属含有薄膜の製造方法にもある。
なお、気化させた金属錯体の熱分解を酸素の存在下で行なうことにより、基板上に金属酸化物薄膜を生成させることができる。
本発明の金属錯体は、従来知られている対応する金属の錯体に比べ、安定性に優れ、かつ低融点であるのに加え、金属含有薄膜の成膜速度が速いことから、各種の金属含有薄膜の工業的な製造に有効である。
以下で、本発明を詳細に説明する。
本発明において、金属錯体の配位子として用いられ、シリルエーテル基が付いたβ−ジケトンの具体的な例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2005035823
これらのβ―ジケトンは、シリル化された有機酸エステルとケトンを塩基の存在下で反応させた後、生成物に酸処理を加え、蒸留あるいはカラムクロマト法等の精製手段により単離・精製する従来公知の方法で得ることができる。これらのβ―ジケトン化合物を配位子とする前記金属のβ−ジケトナト錯体は、塩基の存在下で、β−ジケトンと前記金属の塩とを反応させる公知の方法によって得ることが出来る。反応で得られた金属錯体の精製は、カラムクロマト法、あるいは蒸留法で行うことができる。
シリルエーテル基を持つβ−ジケトナト配位子を含む金属錯体の例を次に示す。下記の各式においてM2+は、二価の金属イオン(例、Ni2+、Pd2+、Sn2+、Pb2+、Zn2+、Mg2+、Co2+、Ag2+)を、M3+は3価の金属イオン(例、Lu3+、Ir3+、V3+、Al3+、B3+、Ga3+、In3+、Mn3+、Y3+、Cr3+、Fe3+)を、そしてM4+は4価の金属イオン(例、Hf4+、Zr4+、Ti4+)を表す。
Figure 2005035823
CVD法では、薄膜形成用の原料化合物を気化させる必要があるが、本発明の、シリルエーテル基を有するβ−ジケトナト配位子を含む金属錯体の気化方法としては、錯体自体を気化室に充填または搬送して気化する方法、あるいはこれら錯体を適当な溶媒(例、ヘキサン、オクタン、メチルシクロヘキサン、あるいはエチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素、そしてテトラヒドロフランあるいはジブチルエーテルなどのエーテル)で希釈した溶液を液体搬送用ポンプで気化室に導入して気化させる、いわゆる溶液法も使用できる。
基板上への蒸着については、公知のCVD法が使用できる。すなわち、減圧下または不活性ガス存在下において、本発明の金属錯体蒸気を、加熱した基板と接触熱分解させて金属薄膜を析出させる方法、あるいは水素等の還元性ガスを存在させて当該金属薄膜を析出させる方法、あるいは、酸素等の酸化性ガス下での当該元素の酸化薄膜を析出させる方法、あるいはアンモニアガス等の含窒素塩基性ガス存在下での当該元素の窒化膜を析出させる方法に使用できる。また、プラズマCVD法で、当該金属含有薄膜を析出させる方法も使用できる。
本発明のシリルエーテル基を持つβ−ジケトナト配位子を含む金属錯体を用いて蒸着により金属含有薄膜を生成させる場合の蒸着条件としては、次の条件を挙げることができる。反応系内圧力は、好ましくは1Pa〜200kPa、さらに好ましくは10Pa〜110kPaであり、基板温度は、好ましくは50〜700℃、さらに好ましくは100〜500℃であり、金属錯体の気化温度は、好ましくは50〜250℃、さらに好ましくは90〜200℃である。
酸素等の酸化性ガスを用いて金属酸化物薄膜を生成させる際の、酸化性ガスの全ガス量に対する含有割合は、好ましくは10〜90容量%、さらに好ましくは20〜70容量%である。金属錯体の蒸着に際して水素等の還元性ガスを用いる場合の、還元性ガスの全ガス量に対する含有割合は、好ましくは10〜95容量%、さらに好ましくは30〜90容量%である。金属錯体の蒸着に際してアンモニアなどの含窒素塩基性ガスを用いる場合の、含窒素塩基性ガスの全ガス量に対する含有割合は、好ましくは10〜95容量%、さらに好ましくは20〜90容量%である。
[実施例1]
2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタジオン(下記式で示されるβ−ジケトン、sopdと称す)の合成
Figure 2005035823
500mLのフラスコにナトリウムアミド 13.7g(0.351モル)をヘキサン200mLに懸濁させ、そこに2−(トリメチルシリロキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチル26.7g(0.140モル)を加えた。その溶液に3−メチル−2−ブタノン12.1g(0.141モル)を滴下し、15℃に保った。反応の進行に伴い、反応液からアンモニアガスの発生が見られた。15℃で1時間反応した後、反応液を酢酸で弱酸性にした。得られたヘキサン層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸留(101℃/8mmHg)により目的とする2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタジオンを18.8g(0.077モル、収率55%)得た。
得られた化合物は、NMR、IR、MSで同定した。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.14(s,9H)、1.14(d,6H)、1.39(s,6H)、2.44〜2.50(m,0.85H)、2.64〜2.69(m,0.15H)、3.77(s,0.3H)、5.97(s,0.85H)、15.51(s,0.85H)
IR(cm-1): 2971、1606(br)、1253,1199,1045,842
MS(m/e):244
[実施例2]
トリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム錯体[Ru(sopd)3]の合成:
100mLのフラスコに塩化ルテニウム(III)3水和物3.63g(13.9ミリモル)を入れ、エタノール30mLに溶解させた。室温で28%ナトリウムメチラート/メタノール溶液7g(36.3ミリモル)を添加し、室温下30分攪拌した。その後2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン10g(40.9ミリモル)を添加し、30分かけて100℃まで加熱した。加熱の途中にメタノール、エタノール、水を留去した。その後、温度を上げて行き、30分かけて180℃とした。その時点で、溶液は黒褐色から赤色に変化した。その後、室温に戻し、ヘキサン100mLを添加後、濾過を行い、赤色溶液を得た。水で洗浄後、乾燥、濃縮を行い、赤色液体を得た。カラムクロマト法(ヘキサン/酢酸エチル=9.5/0.5)により、目的物である橙赤色液体のトリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム錯体2.72g(3.3ミリモル、収率:24%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1545、1501、1403、1251、1199、1047、890、842
元素分析:C36699Si3Ru
測定値 C:52.7%、H:8.20%、Ru:12%
理論値 C:52.0%、H:8.37%、Ru:12.2%
MS(m/e)
測定値 :831、588、131、73
理論値(Exact mass) :831.33
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1545cm-1が現われている。このルテニウム錯体は、新規物質である。
[実施例3]
ビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)パラジウム錯体[Pd(sopd)2]の合成:
300mLのフラスコにヘキサン160mLを入れ、60%水素化ナトリウム1.2g(30ミリモル)を懸濁させた。その懸濁液に2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン6.10g(25.0ミリモル)を氷冷下、滴下した。水素の発生が見られた。その水素の発生が収まった時点で、塩化メチレン30mLに酢酸パラジウム2.80g(12.5ミリモル)を溶解させた溶液を、そのヘキサン溶液に添加した。室温で1時間反応させた後、水100mLを添加し、有機層を分液後、水洗、乾燥、濃縮を行い、橙色液体を得た。カラムクロマト法(ヘキサン/酢酸エチル=9.5/0.5)により、目的物である黄色固体のビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)パラジウム錯体5.40g(9.10ミリモル、収率:73%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2964、1556、1504、1405、1252、1198、1038、890、841
元素分析:C24466Si2Pd
測定値 C:48.3%、H:7.90%、Pd:18%
理論値 C:48.6%、H:7.82%、Pd:17.9%
MS(m/e)
測定値 :592、131、73
理論値(Exact mass) :592.19
融点:95℃
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト特有のピーク1556cm-1が現われている。このパラジウム錯体は、新規物質である。
[実施例4]
ビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ニッケル錯体[Ni(sopd)2]の合成:
100mLのフラスコに酢酸ニッケル四水和物 5.00g(20.0ミリモル)を水35mLに溶解させた水溶液に、2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン9.90g(40.6ミリモル)をヘキサン40mLに溶かした溶液を添加した。室温で攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(水10mLにNaOH1.60gを溶解)を加え室温で1時間反応させた。その後、25%アンモニア水10mLを添加し、二層を均一液とした後、分液によりヘキサン層を得て、水で洗浄後、乾燥、濃縮を行い、青緑色液体を得た。これを蒸留(185℃/0.3トール)により、目的物である暗緑色液体のビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ニッケル錯体5.67g(10.4ミリモル、収率:52%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2963、1579、1508、1413、1252、1195、1050、892、841
元素分析:C24466Si2Ni
測定値 C:52.3%、H:8.71%、Ni:11%
理論値 C:52.8%、H:8.50%、Ni:10.8%
MS(m/e)
測定値 :545、544、131、73
理論値(Exact mass) :545.48
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1579cm-1が現われている。このニッケル錯体は、新規物質である。
[実施例5]
蒸着実験(ルテニウム薄膜の製造):
実施例2で得られたRu(sopd)3錯体を用いて、CVD法による蒸着試験を実施し、成膜特性を評価した。なお、比較のため、トリス(2,4−オクタンジオナト)ルテニウム錯体を用いた蒸着試験を実施した。
蒸着試験には、図1に示す装置を使用した。気化器3(ガラス製アンプル)に入れたRu(sopd)3錯体20は、ヒーター10Bで加熱され気化し、マスフローコントローラー1Aを経て予熱器10Aで予熱後導入されたヘリウムガスに同伴し気化器を出て、反応器4に導入される。反応系内圧力は真空ポンプ手前のバルブ6の開閉により、所定圧力にコントロールされ、圧力計5によってモニターされる。ガラス製反応器の中央部はヒーター10Cで加熱可能な構造となっている。反応器に導入されたRu(sopd)3錯体は、反応器内中央部にセットされ、ヒータ10Cで所定の温度に加熱された被蒸着基板21の表面上で熱分解し、基板21上にルテニウム金属が析出する。反応器4を出たガスは、トラップ7、真空ポンプを経て、大気中に排気される構造となっている。被蒸着基板21としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
蒸着条件及び得られた膜の特性を次に示す。
[蒸着条件]
気化温度:150℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:10分
反応系内圧力:532Pa
He流量:15mL/分
[膜特性]
(1)Ru(sopd)3錯体を原料とした成膜操作の結果、基板上に膜厚100nmのRu膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。
(2)トリス(2,4−オクタンジオナト)ルテニウム錯体を原料とした成膜操作後でも基板上には膜の形成が殆ど認められなかった。
[実施例6]
蒸着実験(ニッケル薄膜の製造):
実施例4で得られたNi(sopd)2錯体について、図1に示す装置を使用し、CVD法による蒸着試験を実施した。気化器3にはNi(sopd)2錯体を充填し、ヘリウムガスに同伴し気化器を出たガスを、マスフローコントローラ1B、ストップバルブ2を経て導入された水素ガスと共に反応器4に導入し、且つ蒸着条件を次に示すように変えた他は、実施例5と同様の方法で蒸着を行なった。
蒸着条件及び得られた膜の特性を次に示す。
[蒸着条件]
気化温度:200℃
基板:SiO2/Si
基板温度:300℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:3990Pa
2流量:480mL/分
He流量:80mL/分
[膜特性]
Ni(sopd)2錯体を原料とした成膜操作の結果、基板上に膜厚50nmのNi膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。
実施例5と6の結果から、シリルエーテル基を有する本発明のβ−ジケトナト錯体が、従来公知の材料に比して、優れた成膜性を有することが分かる。
[実施例7]
トリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)バナジウム錯体(V(sopd)3)の合成:
300mLのフラスコに塩化バナジウム(III)5.20g(33.1ミリモル)をいれ、エタノール50mLに溶解させた。室温で28%ナトリウムメチラート/メタノール溶液22g(114.1ミリモル)を添加し、室温下10分攪拌した。その後2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン24.3g(99.4ミリモル)を添加し、30分室温で攪拌した。その後、ヘキサン50mLを添加し、水80mLを加えた後、分液を行い、褐色溶液を得た。水で洗浄後、乾燥、濃縮を行い、褐色液体を得た。カラムクロマト法(ヘキサン/酢酸エチル=9.5/0.5)により、目的物である褐色液体のトリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)バナジウム錯体10.6g(13.6ミリモル、収率:41%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1560、1506、1409、1252、1198、1048、890、842
元素分析:C36699Si3
測定値 C:55.0%、H:8.85%、V:6.5%
理論値 C:55.4%、H:8.90%、V:6.5%
MS(m/e)
測定値 :780、537、131、73
理論値(Exact mass) :780.37
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1560cm-1が現われている。このバナジウム錯体は、新規物質である。
[実施例8]
蒸着実験(酸化バナジウム薄膜の製造):
実施例7で得られたバナジウム錯体を用いて、CVD法による蒸着試験を実施し、成膜特性を評価した。
評価試験には、図1に示す装置を使用した。気化器3(ガラス製アンプル)に入れたバナジウム錯体20は、ヒーター10Bで加熱され気化し、マスフローコントローラー1Aを経て予熱器10Aで予熱後導入されたヘリウムガスに同伴し気化器を出る。気化器3を出たガスは、マスフローコントローラ1B、ストップバルブ2を経て導入された酸素ガスと共に反応器4に導入される。反応系内圧力は真空ポンプ手前のバルブ6の開閉により、所定圧力にコントロールされ、圧力計5によってモニターされる。ガラス製反応器の中央部はヒータ10Cで加熱可能な構造となっている。反応器に導入されたバナジウム錯体は、反応器内中央部にセットされ、ヒータ10Cで所定の温度に加熱された被蒸着基板21の表面上で酸化熱分解し、基板21上に酸化バナジウム膜が析出する。反応器4を出たガスは、トラップ7、真空ポンプを経て、大気中に排気される構造となっている。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[蒸着条件]
気化温度:150℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:15分
反応系内圧力:1330Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚30nmの酸化バナジウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のバナジウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化バナジウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[実施例9]
テトラキス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ハフニウム錯体(Hf(sopd)4)の合成:
50mLのフラスコに、ハフニウムテトラエトキシドHf(OEt)4 1.60g(4.46ミリモル)および2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン5.50g(22.5ミリモル)を入れ、徐々に温度を上げていき、2時間かけて220℃とした。その間に反応系内から、およそ1mLのエタノールの留去が見られた。その後、120℃/40Paで1時間ほど濃縮を行った後、室温でヘキサン80mLを添加した。不溶分を濾過した後、このヘキサン層を水洗、乾燥、濃縮を行い、蒸留(240℃/67Pa)により、目的物の淡黄色の固体3.0g(2.60ミリモル、収率:58%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2967、1586、1540、1509、1440、1252、1199、1047、892、841
元素分析:C489212Si4Hf
測定値 C:50.3%、H:8.10%、Hf:15.5%
理論値 C:50.0%、H:8.05%、Hf:15.5%
MS(m/e)
測定値 : 998、909、131、73
理論値 (Exact mass): 1152.51
融点: 68℃
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1586cm-1が現われている。このハフニウム錯体は、新規物質である。
[実施例10]
蒸着実験(ハフニウム酸化薄膜の製造)
実施例9で得られたHf(sopd)4錯体を用いて、CVD法による蒸着試験を、実施例8に記載の方法により実施し、成膜特性を評価した。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[蒸着条件]
気化温度:200℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:5320Pa
2流量:40mL/分
He流量:60mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚30nmの酸化ハフニウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のハフニウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化バナジウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[実施例11]
トリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)アルミニウム錯体(Al(sopd)3)の合成:
200mLのフラスコに、アルミニウムトリエトキシド5.60g(34.5ミリモル)および2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン31.3g(128.1ミリモル)を入れ、徐々に温度を上げていき、1時間かけて170℃とした。その間に反応系内から、6mLのエタノールの留去が見られた。その後、120℃/40Paで1時間ほど濃縮を行った後、室温でヘキサン80mLを添加した。不溶分を濾過した後、このヘキサン層を水洗、乾燥、濃縮を行い、褐色液体を得た。蒸留精製(190℃/53Pa)により、目的物である黄色液体のトリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)アルミニウム錯体9.25g(12.2ミリモル、収率:35%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1584、1543、1511、1452、1418、1252、1200、1048、891、841
元素分析:C36699Si3Al
測定値 C:57.8%、H:9.21%、Al:3.6%
理論値 C:57.1%、H:9.19%、Al:3.6%
MS(m/e)
測定値 :756、625、513
理論値(Exact mass) :756.41
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1584cm-1が現われている。このアルミニウム錯体は、新規物質である。
[実施例12]
トリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)インジウム錯体(In(sopd)3)の合成:
100mLのフラスコに、28%ナトリウムメチラート/メタノール溶液12g(62.2ミリモル)に、0℃にて、2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン15.5g(63.4ミリモル)を滴下した。その後、塩化インジウム四水和物6.04g(20.6ミリモル)をメタノール15mLに溶解させた塩化インジウム溶液を滴下した。0℃で30分撹拌した後、室温でヘキサン/水(1:1)100mLを添加した。分液後、ヘキサン層を水洗、乾燥、濃縮し、淡黄色液体を得た。その液を蒸留精製する(218℃/59Pa)ことにより、目的物である淡黄色液体のトリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)インジウム錯体12.2g(14.4ミリモル、収率:70%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1570、1510、1427、1252、1198、1047、890、841
元素分析:C36699Si3In
測定値 C:51.8%、H:8.18%、In:13.6%
理論値 C:51.2%、H:8.23%、In:13.6%
MS(m/e)
測定値 :846、830、713、601、131、73
理論値(Exact mass) :844.33
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1570cm-1が現われている。このインジウム錯体は、新規物質である。
[実施例13]
トリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ガリウム錯体(Ga(sopd)3)の合成:
100mLのフラスコに、28%ナトリウムメチラート/メタノール溶液10.86g(56.3ミリモル)に、0℃にて、2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン14.0g(57.3ミリモル)を滴下した。その後、塩化ガリウム3.15g(17.9ミリモル)をメタノール15mLに溶解させた塩化ガリウム溶液を滴下した。0℃で30分撹拌した後、室温でヘキサン/水(1:1)100mLを添加した。分液後、ヘキサン層を水洗、乾燥、濃縮し、淡黄色液体を得た。その液を蒸留精製する(196℃/41Pa)ことにより、目的物である淡黄色液体のトリス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)ガリウム錯体10.4g(13.0ミリモル、収率:73%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1575、1542、1512、1436、1404、1253、1199、1047、891、841
元素分析:C36699Si3Ga
測定値 C:54.4%、H:8.58%、Ga:8.7%
理論値 C:54.1%、H:8.69%、Ga:7.72%
MS(m/e)
測定値 :800、798、669、667、555、483、131、73
理論値(Exact mass) :798.35
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1575cm-1が現われている。このガリウム錯体は、新規物質である。
[実施例14]
蒸着実験(アルミニウム酸化膜、インジウム酸化膜、そしてガリウム酸化膜の製造):
実施例11で得られたAl(sopd)3錯体、実施例12で得られたIn(sopd)3錯体、そして実施例13で得られたGa(sopd)3錯体をそれぞれ用いてCVD法による蒸着試験を、実施例8に記載の方法により実施し、成膜特性を評価した。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[アルミニウム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:180℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:2660Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚30nmの酸化アルミニウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のアルミニウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化アルミニウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[インジウム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:190℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:2660Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚40nmの酸化インジウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のインジウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化インジウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[ガリウム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:180℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:2660Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚30nmの酸化ガリウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のガリウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化ガリウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[実施例15]
ビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)錫錯体(Sn(sopd)2)の合成:
200mLのフラスコに、β−ジケトンである2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオン20.0g(81.8ミリモル)を入れ、それに28%ナトリウムメチラート/メタノール溶液13g(67.4ミリモル)を加えた。
室温下で30分間攪拌した後、SnCl26.30g(33.2ミリモル)/エタノール(30mL)溶液を室温下、滴下した。滴下に伴い、白色沈殿が生じた。その懸濁溶液を濃縮後、ヘキサン50mLを添加し、固体をろ別した。得られたヘキサン層を水洗、乾燥、濃縮して、黄色液体を得た。蒸留精製(144℃/15Pa)により、目的物である黄色液体のビス(2,6−ジメチル−2−(トリメチルシリロキシ)−3,5−ヘプタンジオナト)錫錯体6.3g(10.4ミリモル、収率:31%)を得た。
得られた化合物の同定は、IR分析、元素分析、MS分析により行った。
IR(cm-1):2966、1570、1507、1404、1370、1252、1197、1047、889、841
元素分析:C24466Si2Sn
測定値 C:47.2%、H:7.88%、Sn:19%
理論値 C:47.6%、H:7.66%、Sn:19.6%
MS(m/e)
測定値 :606、363
理論値(Exact mass):606.19
IR分析では、β−ジケトン特有の1606cm-1のピークが消失し、代わりにジケトナト基特有のピーク1570cm-1が得られている。この錫錯体は、新規物質である。
[実施例16]
蒸着実験(錫酸化膜の製造):
実施例17で得られたSn(sopd)2錯体を用いて、CVD法による蒸着試験を、実施例8に記載の方法により実施し、成膜特性を評価した。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[錫酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:190℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:5320Pa
2流量:40mL/分
He流量:60mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚50nmの酸化錫膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明の錫錯体を原料として用いることにより、均一な酸化錫薄膜が成膜できたことが分かる。
[実施例17]
ビス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)亜鉛(II)(Zn(sopd)2)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液17.6g(91.0ミリモル)を加え、液温を4℃に保ちながら、2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオン23.1g(94.4ミリモル)をゆるやかに滴下し、同温度で30分間攪拌させた。次いで、塩化亜鉛(II)6.08g(44.6ミリモル)をエタノール120mLに溶解させた溶液を滴下し、攪拌しながら室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液にヘキサン100mL及び水100mLを加えた後、有機層を分液した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、濃縮物を減圧蒸留(154℃、24Pa)し、淡黄色液体として、ビス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)亜鉛(II)19.7gを得た(単離収率:80%)。
ビス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)亜鉛(II)は、下記の物性値で示される新規な化合物である。
IR(neat(cm-1)):2966、1566、1509、1410、1252、1198
(β−ジケトン特有のピーク(1606cm-1)が消失し、β−ジケトナト特有のピーク(1566cm-1)が観察された)
元素分析(C24466Si2Zn):炭素:52.9%、水素:8.33%、亜鉛:11.3%
(理論値:炭素:52.2%、水素:8.40%、亜鉛:11.8%)
MS(m/e):550、535、419、307
[実施例18]
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マンガン(III)(Mn(sopd)3)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液12.5g(64.9ミリモル)を加え、液温を4℃に保ちながら、2,6−ジメチル−2−トリメチルシロキシ−3,5−ヘプタンジオン17.0g(69.6ミリモル)をゆるやかに滴下し、同温度で30分間攪拌させた。次いで、塩化マンガン(II)四水和物6.06g(30.6ミリモル)をエタノール120mLに溶解させた溶液を滴下し、攪拌しながら室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液にヘキサン100mL及び水100mLを加えた後、有機層を分液した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、濃縮物を減圧蒸留(176℃、44Pa)し、黒褐色液体として、トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マンガン(III)2.73gを得た(単離収率:11%)。
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マンガン(III)は、以下の物性値で示される新規な化合物である。
IR(neat(cm-1)):2967、1565、1499、1414、1252、1197、1046、889、841
(β−ジケトン特有のピーク(1606cm-1)が消失し、β−ジケトナト特有のピーク(1565cm-1)が観察された)
元素分析(C36699Si3Mn):炭素:55.6%、水素:7.78%、マンガン:7.0%
(理論値:炭素:55.1%、水素:7.86%、マンガン:7.0%)
MS(m/e):784、541
[実施例19]
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム(III)(Y(sopd)3)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液16.0g(83.0ミリモル)を加え、液温を4℃に保ちながら、2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオン22.0g(90.0ミリモル)をゆるやかに滴下し、同温度で30分間攪拌させた。次いで、塩化イットリウム(III)六水和物8.11g(26.7ミリモル)をエタノール160mLに溶解させた溶液を滴下し、攪拌しながら室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液にヘキサン100mL及び水100mLを加えた後、、有機層を分液した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、濃縮物を減圧蒸留(210℃、73Pa)し、粘性のある黄色液体として、トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム(III)12.0gを得た(単離収率:55%)。
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム(III)は、下記の物性値で示される新規な化合物である。
IR(neat(cm-1)):2965、1585、1504、1412、1251、1196、1048、841
(β−ジケトン特有のピーク(1606cm-1)が消失し、β−ジケトナト特有のピーク(1585cm-1)が観察された)
元素分析(C36699Si3Y):炭素:52.3%、水素:8.66%、イットリウム:10.6%
(理論値:炭素:52.8%、水素:8.49%、イットリウム:10.9%)
MS(m/e):818、775、687、599、511、397
[実施例20]
(蒸着実験:酸化金属薄膜の製造)
実施例17〜19で得られた金属錯体(亜鉛錯体(Zn(sopd)2)、マンガン錯体(Mn(sopd)3)及びイットリウム錯体(Y(sopd)3))をそれぞれ用いてCVD法による蒸着試験を、実施例8に記載の方法により実施し、成膜特性を評価した。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[亜鉛酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:170℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:5320Pa
2流量:40mL/分
He流量:60mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚70nmの酸化亜鉛膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明の亜鉛錯体を原料として用いることにより、均一な酸化亜鉛薄膜が成膜できたことが分かる。
[マンガン酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:190℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:5320Pa
2流量:40mL/分
He流量:60mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚50nmの酸化マンガン膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のマンガン錯体を原料として用いることにより、均一な酸化マンガン薄膜が成膜できたことが分かる。
[イットリウム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:200℃
基板:SiO2/Si
基板温度:400℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:5320Pa
2流量:40mL/分
He流量:60mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚40nmの酸化イットリウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のイットリウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化イットリウム薄膜が成膜できたことが分かる。
[実施例21]
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)クロム(III)(Cr(sopd)3)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液11.3g(58.4ミリモル)を加え、液温を2℃に保ちながら、2,6−ジメチル−2−トリメチルシロキシ−3,5−ヘプタンジオン14.7g(60.2ミリモル)をゆるやかに滴下し、同温度で30分間攪拌した。次いで、塩化クロム(III)六水和物5.10g(19.2ミリモル)をメタノール20mLに溶解させた溶液を滴下し、攪拌しながら室温で1時間反応させた。反応終了後、濃縮してメタノールを留去し、濃縮液にヘキサン100mL及び水100mLを加えた後、有機層を分液した。該有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、濃縮物を減圧蒸留(190℃、51Pa)し、紫色液体として、トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)クロム(III)2.01gを得た(単離収率:13%)。
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マンガン(III)は、以下の物性値で示される新規な化合物である。
IR(neat(cm-1)):2966、1567、1505、1413、1252、1198、1047、841
(β−ジケトン特有のピーク(1606cm-1)が消失し、β−ジケトナト特有のピーク(1567cm-1)が観察された)
元素分析(C36699Si3Cr):炭素:55.8%、水素:8.81%、クロム:6.7%
(理論値:炭素:55.3%、水素:8.89%、マンガン:6.65%)
MS(m/e):781、538、279、205、131、73
[実施例22]
トリス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マグネシウム(II)(Mg(sopd)3)の合成
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mLのフラスコに、水酸化マグネシウム2.00g(34.3ミリモル)及び1,2−ジメトキシエタン40mLを加え、2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオン17.3g(70.8ミリモル)をゆるやかに滴下し、撹拌しながら室温で30分間反応させた。反応終了後、濃縮して、1,2−ジメトキシエタンを留去した後に、濃縮液に塩化メチレン80mLを加えた。該濃縮液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、濃縮物を減圧蒸留(220℃、29Pa)し、粘性のある黄色液体として、ビス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マグネシウム(II)9.01gを得た(単離収率:51%)。
ビス(2,6−ジメチル−2−トリメチルシリロキシ−3,5−ヘプタンジオナト)マグネシウム(II)は、下記の物性値で示される新規な化合物である。
IR(neat(cm-1)):2964、1588、1506、1435、1251、1195、1049、891、841
(β−ジケトン特有のピーク(1606cm-1)が消失し、β−ジケトナト特有のピーク(1588cm-1)が観察された)
元素分析(C24466Si2Mg):炭素:56.8%、水素:9.13%、マグネシウム:4.8%
(理論値:炭素:56.4%、水素:9.07%、マグネシウム:4.76%)
MS(m/e):510、495、379、251、131、73
[実施例23]
(蒸着実験:酸化金属薄膜の製造)
実施例21と22で得られた金属錯体(クロム錯体(Cr(sopd)3)及びマグネシウム錯体(Mg(sopd)2)をそれぞれ用いてCVD法による蒸着試験を、実施例8に記載の方法により実施し、成膜特性を評価した。
蒸着条件及び蒸着膜の特性を次に示す。被蒸着基板としては、7mm×40mmサイズの矩形のものを使用した。
[クロム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:190℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:3990Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚30nmの酸化クロム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のクロム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化クロム薄膜が成膜できたことが分かる。
[マグネシウム酸化膜の製造]
[蒸着条件]
気化温度:190℃
基板:SiO2/Si
基板温度:350℃
蒸着時間:30分
反応系内圧力:3990Pa
2流量:10mL/分
He流量:15mL/分
[膜特性]
成膜操作の結果、基板上に膜厚35nmの酸化マグネシウム膜(XPS分析による)が形成されていることが確認された。すなわち、本発明のマグネシウム錯体を原料として用いることにより、均一な酸化マグネシウム薄膜が成膜できたことが分かる。
蒸着装置の構成を示す図である。
符号の説明
3 気化器
4 反応器
10B 気化器ヒータ
10C 反応器ヒータ
20 原料錯体融液
21 基板

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表わされる金属錯体:
    Figure 2005035823

    [式(1)において、
    Xは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基を表わし、
    Yは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基、あるいは炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基を表わし、
    Zは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、
    Mは、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、マンガン、イットリウム、クロム、マグネシウム、コバルト、鉄、および銀からなる群より選ばれる金属原子を表わし、
    nは、Mで表わされる金属原子の価数を表わす、
    Figure 2005035823

    (式(2)において、Raは、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキレン基を表わし、そしてRb、Rc、Rdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基を表わす)]。
  2. Yが炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基であり、そしてZが水素原子である請求項1に記載の金属錯体。
  3. Yが炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、Raがジメチルメチレン基であり、そしてRb、Rc、Rdがいずれも炭素原子数1〜3の直鎖アルキル基である請求項2に記載の金属錯体。
  4. 下記式(3)で表わされるシリルエーテル基が付いたβ−ジケトナト基を配位子として有する金属錯体(但し、金属は、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、亜鉛、マンガン、イットリウム、クロム、マグネシウム、コバルト、鉄、及び銀からなる群より選ばれる金属である):
    Figure 2005035823

    [式(3)において、
    Xは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基を表わし、
    Yは、下記(2)で表わされるシリルエーテル基、あるいは炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基を表わし、
    Zは、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表わし、
    Figure 2005035823

    (式(2)において、Raは、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキレン基を表わし、そしてRb、Rc、Rdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基を表わす)]。
  5. Yが炭素原子数1〜8の直鎖または分枝のアルキル基であり、そしてZが水素原子である請求項4に記載の金属錯体。
  6. Yが炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、Raがジメチルメチレン基であり、そしてRb、Rc、Rdがいずれも炭素原子数1〜3の直鎖のアルキル基である請求項5に記載の金属錯体。
  7. 請求項1に記載の金属錯体を気化させ、この気化させた金属錯体を熱分解させて、基板上に堆積させることにより金属含有薄膜を生成させることからなる金属含有薄膜の製造方法。
  8. 気化させた金属錯体の熱分解を酸素の存在下で行なって、基板上に金属酸化物薄膜を生成させることからなる請求項7に記載の金属含有薄膜の製造方法。
  9. 金属錯体を溶媒と共に気化させる請求項7に記載の金属含有薄膜の製造方法。
  10. 溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素あるいはエーテルである請求項9に記載の金属含有薄膜の製造方法。
  11. 請求項4に記載の金属錯体を気化させ、この気化させた金属錯体を熱分解させて、基板上に堆積させることにより金属含有薄膜を生成させることからなる金属含有薄膜の製造方法。
  12. 気化させた金属錯体の熱分解を酸素の存在下で行なって、基板上に金属酸化物薄膜を生成させることからなる請求項9に記載の金属含有薄膜の製造方法。
  13. 金属錯体を溶媒と共に気化させる請求項11に記載の金属含有薄膜の製造方法。
  14. 溶媒が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素あるいはエーテルである請求項13に記載の金属含有薄膜の製造方法。
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