JP2000109332A - 光ファイバ用母材の加熱炉及び加熱方法 - Google Patents

光ファイバ用母材の加熱炉及び加熱方法

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JP2000109332A JP28174098A JP28174098A JP2000109332A JP 2000109332 A JP2000109332 A JP 2000109332A JP 28174098 A JP28174098 A JP 28174098A JP 28174098 A JP28174098 A JP 28174098A JP 2000109332 A JP2000109332 A JP 2000109332A
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furnace tube
tube
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の大型化、コストの増加等を招くことな
く、炉心管の変形、座屈、自重による伸び等を防止して
長寿命化を図れる光ファイバ用母材の加熱炉及び加熱方
法を提供することにある。 【解決手段】光ファイバ用母材15を収容する炉心管1
2と、炉心管12を外部から加熱するヒータ13とを備
える光ファイバ用母材の加熱炉において、ヒータ13
を、炉心管の外周領域でかつ炉心管の周方向において所
定間隔をおいて配置される2分割のヒータ13a,13
bにより形成し、炉心管12の周方向において、温度分
布が不均一となるように炉心管12を加熱するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス微粒子を体
積させて形成された光ファイバ用母材を透明ガラス化す
る際に用いる光ファイバ用母材の加熱炉及び加熱方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバのもとになる光ファイバ用母
材は、ガラス原料と燃焼用ガスとをバーナから噴出さ
せ、形成される火炎中でガラス原料を火炎加水分解さ
せ、得られたガラス微粒子をターゲット棒に体積させて
ガラス微粒子堆積体を形成した後、このターゲット棒及
びガラス微粒子堆積体からなる多孔質ガラス母材を、加
熱炉内で加熱して透明ガラス化処理を施すことにより形
成されている。
【0003】上記透明ガラス化処理を施すための加熱炉
は、図3に示すように、炉本体1の中央部において上下
方向に伸長するように配置され、その寸法が例えば内径
300mm,外径310mmの炉心管2と、この炉心管
2を所定の長さL例えば400mmに亘って全周を取り
囲むように配置された円筒状をなすカーボン製の電気ヒ
ータ3と、をその基本構成として備えている。
【0004】上記炉本体1には、ヘリウムガスなどの不
活性ガスをその内部に供給する供給口1aが設けられ、
又、内部に炉心管2及び電気ヒータ3を取り囲む断熱材
4が配置されている。
【0005】一方、炉心管2には、ヘリウムガスなどの
不活性ガスを内部に供給する供給口2a、内部に供給さ
れた不活性ガスを排出する排出口2b、及び光ファイバ
用母材5を挿入するための挿入口2c等が設けられてい
る。また、炉心管2は、不純物を発生せずかつシール性
の高い石英ガラスにより形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成をなす加熱炉を用いて、透明ガラス化処理を行な
う場合、炉の温度が約1500°Cを超えると、炉心管
2が急激に軟化して、自重により伸び、あるいは、変形
を招くという問題があった。
【0007】すなわち、炉心管2の内径が200mm以
下で加熱長さLが数百mm程度の場合には、軟化する領
域が狭いため自重による伸び等はそれ程問題にならなか
ったが、内径が300mmを超え、全長が2000mm
以上になると、軟化した際の自重による伸びが大きくな
り、又、この伸びを抑制するべく下部を支えると座屈を
招き、炉心管2の寿命が短くなるという問題があった。
【0008】一方、炉の温度を1500°C前後あるい
はそれ以下に下げ、炉心管2が軟化しないような温度条
件下で透明ガラス化処理を行なうと、その処理速度を2
50mm/hr(時)以下に落とす必要が生じ、その結
果処理時間が長くなり、生産性が低下するという問題が
あった。
【0009】このような炉心管2の変形等に対処するべ
く、炉心管2内に圧力を与えつつ、捩じりモーメントを
加えるようにした加熱炉が、特開平4−59629号公
報に開示されているが、この公報に開示の手法において
も、炉心管2の座屈あるいは破損等を解消するのは困難
であり、捩じりモーメントを加えるための装置が必要に
なり、コストの増加及び装置の大型化を招くという問題
があった。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
成されたものでり、その目的とするところは、装置の大
型化、コストの増加等を招くことなく、炉心管の変形、
座屈、自重による伸び等を防止して長寿命化を図れる光
ファイバ用母材の加熱炉及び加熱方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、以下の如き構成
をなす発明を見出すに至った。すなわち、本発明の光フ
ァイバ用母材の加熱炉は、光ファイバ用母材を収容する
炉心管と、この炉心管を外部から加熱する加熱手段と、
を備える光ファイバ用母材の加熱炉であって、上記加熱
手段は、上記炉心管の周方向において、温度分布が不均
一となるように上記炉心管を加熱する、ことを特徴とし
ている。上記構成においては、加熱手段が、周方向にお
ける温度分布が不均一となるように炉心管を加熱するこ
とから、炉心管の周方向において、高温部分例えば炉心
管の軟化を生じる温度と、低温部分例えば炉心管の軟化
を生じない温度と、を生じさせることができる。
【0012】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いては、上記加熱手段として、上記炉心管の外周領域で
かつ上記炉心管の周方向において所定間隔をおいて配置
されるように分割されたヒータを採用することができ
る。上記構成においては、ヒータが存在する領域では軟
化を生じる温度に炉心管を加熱し、ヒータが存在しない
領域では軟化を生じない温度に炉心管を加熱することが
できる。
【0013】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いては、上記加熱手段として、上記炉心管の外周領域に
配置された円筒状のヒータを採用し、このヒータの内周
面と上記炉心管の外周面との間の周方向における一部の
領域に配置された断熱部材を有する、構成を採用するこ
とができる。上記構成においては、断熱部材が存在する
領域では軟化を生じない温度に炉心管を加熱し、断熱部
材が存在しない領域では軟化を生じる温度に炉心管を加
熱することができる。
【0014】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いては、上記加熱手段として、上記炉心管の外周領域に
配置された円筒状のヒータを採用し、このヒータが、上
記炉心管の周方向において抵抗値が不均一となるように
形成されている、構成を採用することができる。上記構
成においては、ヒータの抵抗値が、炉心管の周方向にお
いて不均一であることから、炉心管の周方向において、
抵抗値の高い領域で軟化を生じる温度に炉心管を加熱
し、抵抗値の低い領域で軟化を生じない温度に炉心管を
加熱することができる。
【0015】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いては、上記光ファイバ用母材を、上記炉心管内に収容
された状態で回転させる回転手段を有する、構成を採用
することができる。上記構成においては、炉心管内に収
容した状態で光ファイバ母材を回転させることにより、
炉心管が周方向において温度勾配をもつ場合でも、均一
に光ファイバ母材を加熱することができる。
【0016】また、本発明の光ファイバ用母材の加熱方
法は、光ファイバ用母材に透明ガラス化処理を施すべ
く、光ファイバ用母材を炉心管内に収容し、この炉心管
を外部から加熱する光ファイバ用母材の加熱方法であっ
て、上記炉心管の温度分布が、周方向において不均一と
なるように上記炉心管を加熱する、ことを特徴としてい
る。上記構成においては、炉心管の周方向における温度
分布が不均一となるように炉心管を加熱することから、
炉心管の周方向において、高温部分例えば炉心管の軟化
を生じる温度と、低温部分例えば炉心管の軟化を生じな
い温度と、を生じさせることができる。
【0017】上記構成の光ファイバ用母材の加熱方法に
おいては、上記炉心管の温度分布が、石英ガラスの熱的
変形を生じる高温度と、石英ガラスの熱的変形を生じな
い低温度とを含むようにする、構成を採用することがで
きる。上記構成においては、炉心管が石英ガラスからな
る場合に、低温度領域で炉心管が軟化しないように、高
温度領域で炉心管が軟化するように、炉心管を加熱する
ことができる。
【0018】上記構成の光ファイバ用母材の加熱方法に
おいては、上記光ファイバ用母材を上記炉心管内に収容
した状態で回転させつつ、上記炉心管を加熱する、構成
を採用することができる。上記構成においては、炉心管
内に収容した状態で光ファイバ母材を回転させることに
より、炉心管が周方向において温度勾配をもつ場合で
も、均一に光ファイバ母材を加熱することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に基づき説明する。図1は、本発明に係る光ファ
イバ用母材の加熱炉の第1実施形態を示すものであり、
(a)は縦断面図、(b)は(a)中のE−E部におけ
る横断面図である。この実施形態に係る加熱炉10は、
炉本体11と、炉本体11の中央部に配置されて内部に
光ファイバ用母材15を収容する石英ガラス製の炉心管
12と、この炉心管12の外周を所定の長さLに亘って
囲むように配置された加熱手段としてのカーボン製の電
気式のヒータ13と、をその基本構成として備えてい
る。
【0020】上記炉本体11には、ヘリウムガスなどの
不活性ガスをその内部に供給する供給口11aが設けら
れ、又、その内部に、炉心管12及びヒータ13を取り
囲む断熱材14が配置されている。
【0021】上記炉心管12は、内径が300mm,外
径が310mmの略円筒状をなし、その下端部において
ヘリウムガスなどの不活性ガスを内部に供給する供給口
12a、上方において内部に供給された不活性ガスを排
出する排出口12b及び光ファイバ用母材15を挿入す
るための挿入口12c等が設けられている。
【0022】上記ヒータ13は、図1(b)に示すよう
に、炉心管12の周方向において2分割された第1ヒー
タ部13aと第2ヒータ部13bとにより形成されてい
る。すなわち、炉心管12の外周において、中心角で約
180°離れた相対向する2箇所に、幅20mmのヒー
タ13が存在しない領域Sがそれぞれ形成されている。
尚、このヒータ13は、高さLが400mmであり、こ
の高さ(長さ)Lに亘る領域において炉心管12を加熱
することができる。
【0023】このような構成において、ヒータ13(1
3a,13b)により、炉心管12を加熱する場合は、
ヒータ13が存在する領域では、石英ガラスの熱的変形
を生じる高温度すなわち1500°Cを超える温度、例
えば1550°C〜1600°Cに炉心管12を加熱
し、ヒータ13が存在しない領域Sでは、石英ガラスの
熱的変形を生じない低温度すなわち炉心管12が軟化し
ない温度例えば1500°C以下の温度に加熱すること
ができる。
【0024】したがって、炉心管12そのものの機械的
強度は、ヒータ13が存在しない領域Sに対応する部分
で確保され、その一方で、ヒータ13が存在する領域を
介して、光ファイバ母材15を所望の温度に加熱するこ
とができる。これにより、光ファイバ母材15の透明ガ
ラス化処理を行ないつつ、炉心管12の変形、座屈、自
重による伸び等を防止できる。
【0025】本実施形態に係る加熱炉10を用いて、ヒ
ータ13の温度を1550°Cに設定し、光ファイバ母
材15の透明ガラス化処理を行なったところ、1ヵ月後
においても、炉心管12の伸びは1mm以下であり、1
年後の降温時まで炉心管12の交換は不要であった。こ
の間、外径260mmの光ファイバ母材15(スートプ
リフォーム)を500mm/hr(He=100SL
M、CL2=2SLM)で問題なく透明ガラス化でき
た。また、ヒータ13の温度を1500°Cに設定した
場合、不良なく透明ガラス化できる速度は250mm/
hr以下であった。
【0026】以上述べた実施形態においては、ヒータ1
3を2分割としたが、これに限定されるものではなく、
その他複数に分割し、これに対応して複数のヒータが存
在しない領域Sを設けることも可能である。
【0027】また、上記第1実施形態において、光ファ
イバ用母材15を、炉心管12内に収容した状態で回転
させる回転手段を設け、この回転手段により、光ファイ
バ母材15を回転させつつ加熱することにより、炉心管
12が周方向において温度勾配をもつ場合でも、均一に
光ファイバ母材に透明ガラス化処理を施すことができ
る。
【0028】図2は、本発明に係る光ファイバ用母材の
加熱炉の第2実施形態を示すものであり、(a)は縦断
面図、(b)は(a)中のF−F部における横断面図で
ある。この実施形態に係る加熱炉20は、ヒータ23を
変更しかつ断熱部材26を追加した以外は、前述第1実
施形態と同様に、炉本体21と、炉本体21の中央部に
配置されて内部に光ファイバ用母材15を収容する石英
ガラス製の炉心管22と、をその基本構成として備えて
いる。
【0029】上記炉本体21には、ヘリウムガスなどの
不活性ガスをその内部に供給する供給口21aが設けら
れ、又、内部に炉心管22及びヒータ23を取り囲む断
熱材24が配置されている。
【0030】上記炉心管22は、内径が300mm,外
径が310mmの略円筒状をなし、その下端部において
ヘリウムガスなどの不活性ガスを内部に供給する供給口
22a、上方において内部に供給された不活性ガスを排
出する排出口22b及び光ファイバ用母材15を挿入す
るための挿入口22c等が設けられている。
【0031】加熱手段としてのヒータ23は、図2
(b)に示すように、炉心管22の周方向全域を囲むよ
うな円筒状に形成されており、又、高さLが400mm
であり、この高さ(長さ)Lに亘る領域において炉心管
22を加熱できるようになっている。
【0032】上記円筒状のヒータ23の内周面と炉心管
22の外周面との間の周方向における一部の領域、すな
わち、径方向において相対向する2箇所に、断熱部材2
6(26a,26b)が配置されている。
【0033】このような構成において、ヒータ23によ
り、炉心管22を加熱する場合は、断熱部材26が存在
しない領域Rでは、石英ガラスの熱的変形を生じる高温
度すなわち1500°Cを超える温度、例えば1550
°C〜1600°Cに炉心管22を加熱し、断熱部材2
6(26a,26b)が存在する領域では、石英ガラス
の熱的変形を生じない低温度すなわち炉心管22が軟化
しない温度例えば1500°C以下の温度に加熱するこ
とができる。
【0034】したがって、炉心管22そのものの機械的
強度は、断熱部材26が存在する領域に対応する部分で
確保され、その一方で、断熱部材26が存在しない領域
を介して、光ファイバ母材15を所望の温度に加熱する
ことができる。これにより、光ファイバ母材15の透明
ガラス化処理を行ないつつ、炉心管22の変形、座屈、
自重による伸び等を防止できる。
【0035】本実施形態に係る加熱炉20を用いて、ヒ
ータ23の温度を1550°Cに設定し、光ファイバ母
材15の透明ガラス化処理を行なったところ、1ヵ月後
においても、炉心管22の伸びは1mm以下であり、1
年後の降温時まで炉心管22の交換は不要であった。こ
の間、外径260mmの光ファイバ母材15(スートプ
リフォーム)を500mm/hr(He=100SL
M、CL2=2SLM)で問題なく透明ガラス化でき
た。また、ヒータ23の温度を1500°Cに設定した
場合、不良なく透明ガラス化できる速度は250mm/
hr以下であった。
【0036】以上述べた第2実施形態においては、断熱
部材26を2箇所に配置する構成としたが、これに限定
されるものではなく、その他複数の箇所に分割して配置
することも可能である。
【0037】また、上記第2実施形態において、光ファ
イバ用母材15を、炉心管22内に収容した状態で回転
させる回転手段を設け、この回転手段により、光ファイ
バ母材15を回転させつつ加熱することにより、炉心管
22が周方向において温度勾配をもつ場合でも、均一に
光ファイバ母材に透明ガラス化処理を施すことができ
る。
【0038】本発明に係る加熱炉のその他の実施形態と
して、炉心管の外周に配置される円筒状のヒータを、炉
心管の周方向において抵抗値が不均一となるように形成
したものを採用することもできる。
【0039】この実施形態の場合においては、ヒータの
抵抗値が、炉心管の周方向において不均一であることか
ら、炉心管の周方向において、抵抗値の高い領域で、石
英ガラスの熱的変形を生じる高温度すなわち1500°
Cを超える温度、例えば1550°C〜1600°Cに
炉心管を加熱し、抵抗値の低い領域で、石英ガラスの熱
的変形を生じない低温度すなわち炉心管が軟化しない温
度例えば1500°C以下の温度に炉心管を加熱するこ
とができる。
【0040】したがって、炉心管そのものの機械的強度
は、ヒータの抵抗値が低い領域に対応する部分で確保さ
れ、その一方で、ヒータの抵抗値が高い領域を介して、
光ファイバ母材を所望の温度に加熱することができる。
これにより、光ファイバ母材の透明ガラス化処理を行な
いつつ、炉心管の変形、座屈、自重による伸び等を防止
できる。
【0041】
【発明の効果】以上述べた本発明の光ファイバ用母材の
加熱炉によれば、光ファイバ用母材を収容する炉心管
を、その外部から加熱する加熱手段が、上記炉心管の周
方向において、温度分布が不均一となるように上記炉心
管を加熱するようにしたことから、炉心管の周方向にお
いて、高温部分例えば炉心管の軟化を生じさせる温度及
び低温部分例えば炉心管の軟化を生じさせない温度を含
む温度勾配を生じるように、炉心管を加熱することがで
きる。これにより、所望の透明ガラス化処理を行ないつ
つ、炉心管の熱的変形、座屈、自重による伸び等を防止
でき、炉心管の寿命を延ばすことができる。
【0042】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いて、上記加熱手段として、炉心管の外周領域でかつ炉
心管の周方向において所定間隔をおいて配置されるよう
に分割されたヒータを採用した場合は、ヒータが存在す
る領域では軟化を生じる温度に炉心管を加熱し、ヒータ
が存在しない領域では軟化を生じない温度に炉心管を加
熱することができる。
【0043】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いて、上記加熱手段として、炉心管の外周領域に配置さ
れた円筒状のヒータを採用し、このヒータの内周面と上
記炉心管の外周面との間の周方向における一部の領域に
断熱部材を設ける場合は、断熱部材が存在する領域では
軟化を生じない温度に炉心管を加熱し、断熱部材が存在
しない領域では軟化を生じる温度に炉心管を加熱するこ
とができる。
【0044】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いて、上記加熱手段として、炉心管の外周領域に配置さ
れた円筒状のヒータを採用し、このヒータを、上記炉心
管の周方向において抵抗値が不均一となるように形成し
た場合は、ヒータの抵抗値が、炉心管の周方向において
不均一であることから、炉心管の周方向において、抵抗
値の高い領域で軟化を生じる温度に炉心管を加熱し、抵
抗値の低い領域で軟化を生じない温度に炉心管を加熱す
ることができる。
【0045】上記構成の光ファイバ用母材の加熱炉にお
いて、上記光ファイバ用母材を、上記炉心管内に収容さ
れた状態で回転させる回転手段を設けた場合は、炉心管
内に収容した状態で光ファイバ母材を回転させることに
より、炉心管が周方向において温度勾配をもつ場合で
も、均一に光ファイバ母材を加熱することができ、これ
により、所望の透明ガラス化処理を施すことができる。
【0046】また、本発明の光ファイバ用母材の加熱方
法によれば、光ファイバ用母材を炉心管内に収容し、こ
の炉心管の温度分布が、周方向において不均一となるよ
うに上記炉心管を加熱することから、炉心管の周方向に
おいて、高温部分例えば炉心管の軟化を生じる温度と、
低温部分例えば炉心管の軟化を生じない温度と、を生じ
させることができる。これにより、所望の透明ガラス化
処理を行ないつつ、炉心管の熱的変形、座屈、自重によ
る伸び等を防止でき、炉心管の寿命を延ばすことができ
る。
【0047】上記構成の光ファイバ用母材の加熱方法に
おいて、上記炉心管の温度分布が、石英ガラスの熱的変
形を生じる高温度と、石英ガラスの熱的変形を生じない
低温度とを含むようにすることで、炉心管が石英ガラス
からなる場合に、低温度領域で炉心管が軟化しないよう
に、高温度領域で炉心管が軟化するように、炉心管を加
熱することができる。
【0048】上記構成の光ファイバ用母材の加熱方法に
おいて、上記光ファイバ用母材を炉心管内に収容した状
態で回転させつつ、上記炉心管を加熱することにより、
炉心管が周方向において温度勾配をもつ場合でも、均一
に光ファイバ母材を加熱することができ、これにより、
所望の透明ガラス化処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用母材の加熱炉の第1
実施形態を示すものであり、(a)は縦断面図、(b)
は(a)中のE−E部における横断面図である。
【図2】本発明に係る光ファイバ用母材の加熱炉の第2
実施形態を示すものであり、(a)は縦断面図、(b)
は(a)中のF−F部における横断面図である。
【図3】従来の光ファイバ用母材の加熱炉を示すもので
あり、(a)は縦断面図、(b)は(a)中のA−A部
における横断面図である。
【符号の説明】
10 加熱炉 11 炉本体 11a 供給口 12 炉心管 12a 供給口 12b 排出口 12c 挿入口 13,13a,13b ヒータ(加熱手段) 15 光ファイバ母材 20 加熱炉 21 炉本体 21a 供給口 22 炉心管 22a 供給口 22b 排出口 22c 挿入口 23 ヒータ(加熱手段) 24,24a,24b 断熱部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ用母材を収容する炉心管と、
    前記炉心管を外部から加熱する加熱手段と、を備える光
    ファイバ用母材の加熱炉であって、 前記加熱手段は、前記炉心管の周方向において、温度分
    布が不均一となるように前記炉心管を加熱する、ことを
    特徴とする光ファイバ用母材の加熱炉。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、前記炉心管の外周領域
    でかつ前記炉心管の周方向において所定間隔をおいて配
    置されるように分割されたヒータである、ことを特徴と
    する請求項1記載の光ファイバ用母材の加熱炉。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、前記炉心管の外周領域
    に配置された円筒状のヒータであり、前記ヒータの内周
    面と前記炉心管の外周面との間の周方向における一部の
    領域に配置された断熱部材を有する、ことを特徴とする
    請求項1記載の光ファイバ用母材の加熱炉。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、前記炉心管の外周領域
    に配置された円筒状のヒータであり、前記ヒータは、前
    記炉心管の周方向において抵抗値が不均一となるように
    形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の光フ
    ァイバ用母材の加熱炉。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバ用母材を、前記炉心管内
    に収容された状態で回転させる回転手段を有する、こと
    を特徴とする請求項1ないし4いずれか1つに記載の光
    ファイバ用母材の加熱炉。
  6. 【請求項6】 光ファイバ用母材に透明ガラス化処理を
    施すべく、前記光ファイバ用母材を炉心管内に収容し、
    前記炉心管を外部から加熱する光ファイバ用母材の加熱
    方法であって、 前記炉心管の温度分布が、周方向において不均一となる
    ように前記炉心管を加熱する、ことを特徴とする光ファ
    イバ用母材の加熱方法。
  7. 【請求項7】 前記炉心管の温度分布が、石英ガラスの
    熱的変形を生じる温度と、石英ガラスの熱的変形を生じ
    ない温度とを含むようにする、ことを特徴とする請求項
    6記載の光ファイバ用母材の加熱方法。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバ用母材を前記炉心管内に
    収容した状態で回転させつつ、前記炉心管を加熱する、
    ことを特徴とする請求項6又は7記載の光ファイバ用母
    材の加熱方法。
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