JP2000108829A - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JP2000108829A
JP2000108829A JP10281513A JP28151398A JP2000108829A JP 2000108829 A JP2000108829 A JP 2000108829A JP 10281513 A JP10281513 A JP 10281513A JP 28151398 A JP28151398 A JP 28151398A JP 2000108829 A JP2000108829 A JP 2000108829A
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JP
Japan
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cloth
airbag
inflator
textile
film body
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JP10281513A
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Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温ガスに耐え、軽量かつコンパクトな
折畳みが可能なエアバッグを提供すること。 【解決手段】 本体基布を貼合して袋状になし、この本
体基布の高温ガスの影響を受けやすい部位にフィルム体
を取り付けたエアバックであって、このフィルム体は3
50℃以上の融点又は分解点を有することを特徴とする
軽量かつコンパクト化したエアバッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車などの車
両に取り付けられ衝突時などに乗員を保護するエアバッ
グであって、耐熱性に優れ、軽量且つ折畳収納性の良い
エアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】乗員保護のための安全装置として、車輌
の衝突時などに乗員が室内の部位に衝突する、いわゆる
二次衝突から保護するためのエアバッグシステムが普及
しており、運転席、助手席、後席の乗員の前方からの衝
撃に対するもの、あるいは側方からの衝撃に対するもの
(サイドバッグ)など、適用形態も多様化してきてい
る。
【0003】このような適用部位の増加に伴い、個々の
エアバッグシステムは軽くてコンパクトなものが要求さ
れるようになり、システムを構成する部位は小型化およ
び軽量化を考慮した設計がなされている。エアバッグを
瞬時に膨脹させるためのガス発生装置であるインフレー
タについても、コンパクトで軽いものを利用するように
なってきているが、そのために選択されるガス発生剤の
組成により発生ガスの温度が高くなる場合がある。
【0004】このようなインフレータに対応するため、
エアバッグ本体や補強などのために使用される基布に耐
熱性に優れた素材を用いたり、部分的に耐熱性被覆材を
用いることがある。特にインフレータ取付口周縁はイン
フレータの発生する高温のガスの影響を最も受けやすい
ので、このような部位は補強布や縫糸などを保護するた
めにシリコーン系樹脂をコートした基布やアラミド系繊
維などの耐熱性に優れる材料を使用してきた。
【0005】例えば実公昭57−56923号公報には
インフレータ取付口の補強用としてガラス繊維の織布に
ゴムを積層した複合布を用いる提案がなされている。し
かしながら、補強布としての耐熱性に優れる一方でイン
フレータ取付口周縁が粗硬になって折畳性に問題を生ず
るとともに、エアバッグ全体として重くなるとの問題を
有している。
【0006】また特開平8−310324号公報には、
インフレータ取付口周縁などを高温のガスから保護する
ための耐炎化繊維布帛の使用が開示されている。しかし
ながら、耐炎化繊維そのものの耐熱性は極めて高いもの
の、機械的強度が十分でなく耐炎化繊維布帛単独で使用
できない場合が多く、これを補強するための別の部材と
組み合わせることになって、やはり耐熱性と軽量かつコ
ンパクトであることの両立は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記課題
を解決するためになされたもので、インフレータが発生
する高温のガスに耐え得るとともに、エアバッグ全体と
して軽量かつコンパクトな折畳が可能なエアバッグを提
供し、もってエアバッグシステムの軽量コンパクト化に
資するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明の軽量エアバッ
グは、(1)本体基布を貼合して袋状のエアバッグにす
るについて、この本体基布の高温ガスの影響を受けやす
い部位に350℃以上の融点または分解点であるフィル
ム体を取り付けたものである、(2)またフィルム体
は、インフレータ取り付け口の補強材、防炎材、ガス偏
向材またはベントホール補強材、テザーベルトのいずれ
かに適用される。これらの二以上に当該フィルム体を適
用することもできる、(3)さらに好ましくは、軽量基
布として、本体基布に200デニール以下の原糸による
150g/m2以下の目付けの織物を本体基布に用いる
と、バッグ全体として軽量で且つ前記(1)または
(2)の構成により折畳み性が良好で、熱的負荷に耐え
て展開するエアバッグとなる。
【0009】この発明のエアバッグは、インフレータが
噴出する高温ガスの影響を受けやすい部位に350℃以
上、好ましくは400℃以上の融点または分解点を有す
るフィルム体を用いることに特徴がある。融点又は分解
点が上記に満たない材料からなるフィルム体では、イン
フレータを軽量コンパクトにすべく選択される構造およ
びそのために使用される薬剤の組成、封入量などの条件
によっては、十分な耐熱性を有しないことがある。
【0010】本発明のフィルム体は、例えばポリイミド
(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテ
ルスルホン(PES)、メタ系あるいはパラ系のアラミ
ド、ポリベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール、液晶ゲルポリビニルアルコー
ル、ポリアリレート(PAr)などから形成される。こ
れらの一種または二種以上のフィルム体を積層させ、あ
るいは複数の異なる樹脂同士をブレンドし、または共重
合させるなどしたものからフィルム体を形成してもよ
い。これらの中でもパラ系アラミドフィルム、特にポリ
パラフェニレンテレフタルアミドフィルムは極めて高い
耐熱性を有するとともに引張強度、引き裂き強度にも優
れており、エアバッグに適用して展開時の衝撃にも十分
に耐える材料として最も好適である。
【0011】フィルム体の厚みは、本用途における機械
的要求性、エアバッグの折畳収納性、全体質量に基づい
て選択すればよい。通常5〜50μm、好ましくは10
〜40μmとするが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0012】本発明のエアバッグの一部を構成するフィ
ルム体は、インフレータからの高温のガスの影響を受け
やすい部位、すなわちインフレータ取付口、防炎体、ガ
ス偏向体、ベントホール補強体、テザーベルトのいずれ
か一または二以上に適用することができる。上記部位を
少なくとも部分的にフィルム体で覆うか、フィルム体で
上記部材の少なくとも一部を構成する。すなわち、これ
ら部位の一箇所に用いてもよいし、さらに一部分に用い
てもよいし、それらの複数または全てに用いてもよい。
フィルム体で上記部位そのものを構成して力学的強度が
不足するときはエアバッグ全体質量や折畳性を大きく阻
害しない程度で織編物、不織布あるいはメッシュ状の布
帛または耐熱性に多少劣るものの高強力高弾性のフィル
ムやシートを高耐熱シート体の一面側にラミネートした
り、高耐熱シートでサンドイッチ状に組み合わせて補強
してもよい。
【0013】本発明のフィルム体とエアバッグ本体基布
などとの接合は、化学的方法、すなわち、エポキシ系、
アクリル系、ウレタン系、エステル系、フェノール系、
シリコーン系などの比較的耐熱特性の優れた接着剤を用
いる方法、物理的方法、すなわち、縫糸による縫い合わ
せ、金属プレートなどのリテーナによる挟持、高周波や
超音波などによる溶着などの方法、あるいは上記の複数
を組み合わせるなどして行えばよい。
【0014】本発明のエアバッグ本体は、単一基布を折
曲げて一部と他の部分とを対向させ、または複数の構成
基布を重ねて、対向する部分の周縁部同士を貼合すなわ
ち縫合、溶着、接合などして袋状にしたもので、この基
布に使用する織布は通常エアバッグに用いられているナ
イロン66、ポリエステルなどの原糸から構成すればよ
い。特に耐熱性を要する場合にあっては、これらより融
点もしくは分解点の高い材料を選択するのがよい。原糸
は840デニール以下、好ましくは420デニール以下
の太さのものを用いればよい。200デニール以下の原
糸を用いた、目付150g/m2以下の織物は、軽量の
エアバッグを構成する上で極めて有用である。織物は平
織、斜子織、リップストップ織など、通常用いられる組
織により構成できる。
【0015】本発明のエアバッグを構成する織物は、イ
ンフレータの性能、エアバッグの容積、使用部位などに
より、ゴムや樹脂などを積層塗布して不通気性加工を行
ってもよいし、全く不通気性加工を施さない、いわゆる
ノンコート織物でもよい。ノンコート織物の場合、精
練、乾燥、熱セットなどを行えばよく、熱セット温度等
の条件は、通気性、機械特性などを考慮して選定すれば
よい。
【0016】また本発明のエアバッグ本体基布以外の部
位のうち、耐熱性のフィルム体を用いない部位には、本
体基布として通常用いられている基布、またはそれと異
なる補強用織布、例えばナイロン66の840デニー
ル、420デニールまたは315デニールなどのものを
用いて製造された厚手の織物を単一でまたは複数枚用い
てもよい、さらに耐熱性のフィルム体を用いない場合に
は、部材に耐熱性を付与するために、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、耐熱性ゴムなどを塗布し
てもよいし、アラミド繊維などの耐熱性繊維を用いた布
を使用してもよい。
【0017】本発明のエアバッグの適用部位は、運転
席、助手席、後席など通常前方からの衝撃に対するエア
バッグや、乗員の側方に設けられるサイドバッグなどの
中から適宜選択すればよく、エアバッグの袋体の裁断形
状も、円形、長円形、楕円形、矩形、多角形、あるいは
これらの組み合わせなどの種々の形状をとることがで
き、個々の適用条件において要望される展開時のエアバ
ッグ形状を満足するものであればよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本発明をよ
り具体的に説明する。実施例の中で、エアバッグの性能
評価は以下の方法によった。
【0019】(1)バッグ質量 作成したバッグの質量を測定した。数値は比較例1の質
量を100としたときの相対値で示した。
【0020】(2)展開試験 運転席用インフレータ(非アザイド型、60リットルに
おける最高タンク圧185kPa)、固定金具、樹脂製
カバーを使用し、エアバッグを折畳んでモジュールに組
み込み、85℃で4時間予熱後、展開試験を行い、展開
後のバッグの状態を観察した。
【0021】(実施例1)ナイロン66繊維420d/
70f(原糸強度9.2g/d)を用いて、織物密度経
及び緯52.5本/吋の平織物を製織し、この織物を精
練、熱セットし、経及び緯54本/吋のノンコート織物
を得た、次にこのノンコート織物から図1および図2の
ような外径φ720mmの円形布1、2を裁断し、一方
の円形布1の中央部にインフレータ取付口としてφ70
mmの開口3を設け、さらに円形布1にはベントホール
としてφ35mmの円形穴4を2箇所設けた。インフレ
ータ取付口3を補強するために、前記ノンコート織物か
ら外径φ220mm、内径φ70mmのドーナツ状の布
5を三枚裁断した(図3)。
【0022】図4に示すように、円形布1の中央部に前
記ドーナツ状の布5三枚を、円形布1と補強布のそれぞ
れの織物の糸軸方向を合わせて重ね、縫い目径φ195
mm(外層、一部分のみ破線で示した)、φ135mm
(中層、一部分のみ破線で示した)、φ76mm(内
層)の三層のステッチライン6、7、8を同心円状に形
成して縫合わせた。縫糸は上糸、下糸ともナイロン66
系の5番手糸を用い、運針数3.5針/cmの本縫いで
あった。そして、補強布が縫い合わされた円形布1の中
央部に穴径φ5.5mmのインフレータ取付け用通孔9
を前記ステッチラインと同心円状に等間隔で4箇所穿設
した。穿設した通孔は開口3の穴中心に対して直径上に
並ぶ2つは前記糸軸の径または緯方向に沿うように配列
している。
【0023】円形布1と2を互いに糸軸を45゜ずらし
た位置になるように重ね合わせて、外周縁から20mm
内側を外周縁に沿うように縫い合わせた。縫糸は上糸が
ナイロン66の5番手糸、下糸がナイロン66の8番手
糸で、運針数は3.5針/cmの二重環縫い(二列)で
ある。
【0024】得られたエアバッグを取付口から反転して
外周の縫代(耳)を内側に入れた。次に、外径φ260
mm、内径φ70mmのドーナツ状に裁断し、前記エア
バッグの取付け用通孔に合わせて4箇所の通孔11を穿
設したアラミドフィルム(旭化成工業(株)製アラミカ
フィルム、厚さ12μm、分解点約500℃)のフィル
ム体10(図5)をインフレータ取付口3からエアバッ
グの内側に入れ、図示しないリテーナの4本の取り付け
ボルトを取り付け用通孔に通して図示しないインフレー
タで挟持固定した。これをエアバッグモジュールに組み
込んで展開試験に供した。
【0025】展開後のバッグは、インフレータ取付口周
縁に溶融などによる穴あきもみられず、高温のガスによ
っても影響されなかった。バッグ質量は表1の通りで軽
量である。
【0026】下記の比較例の記述中、前記実施例1と同
一の形状の構成部材については同一の符号を付して説明
を省略する。
【0027】(比較例1)実施例1において3枚のノン
コート円形布5を2枚とし、かつその上のアラミドフィ
ルム体に代えて防炎布としてシリコンコートした基布を
用いた点を除いて、実施例1と同一のエアバッグを製作
し、展開試験に供した。防炎布はナイロン66繊維42
0d/70fの平織物で、織物密度は径、緯ともに46
本/吋、シリコーンの塗布量は40g/m2であった。
インフレータ取付口補強用として図3に符号5で示した
ようなドーナツ状の円形布を2枚裁断し、取付口補強布
固定の縫い目のうち外層と中層は防炎布にカバーされて
エアバッグ内方に露出しないように縫製の手順を変更し
てエアバッグを作成した。
【0028】展開後のエアバッグは、インフレータ取付
口の周縁の損傷を認めなかった。バッグ質量は表1にお
ける基準値(100)としたが、実施例1に比べて大で
あり、実施例1に比べて折畳み性も劣る。防炎布は下層
の補強用布の縫い目を覆うように縫合するので、縫合工
程が多い。
【0029】(比較例2)図5において符号10を付し
て示した耐熱フィルム体としてポリエチレンナフタレー
トフィルム(帝人(株)製、テオネックス、厚さ40μ
m、融点272℃)からなるものを用いた他、実施例1
に準じてエアバッグを作成した。
【0030】展開試験においては、フィルム体が溶融
し、またインフレータ取付口の周縁の補強布および縫糸
のそれぞれ一部が溶融し、耐熱性は要求レベルを満足し
なかった。
【0031】 (表1) 耐熱フィルムの バッグ比質量 展開試験 融点又は分解点 実施例1 約500℃ 93 損傷なし 比較例1 − 100 損傷なし 比較例2 272℃ 94 取付口補強布一部溶融 縫糸一部溶融 穴空きあり
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、イ
ンフレータの高温のガスの影響を受けやすい部材に耐熱
性に優れたフィルム体を用いるかそのようなフィルム体
で遮蔽することにより、軽量で折畳み収納性に優れ、且
つ耐熱的にも優れたエアバッグを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグに使用する一方の基布の説
明図。
【図2】図1の基布に組み合わせる他方の基布の説明
図。
【図3】本発明のエアバッグに使用する補強布の説明
図。
【図4】補強布の基布への縫合法の説明図。
【図5】耐熱フィルム体の説明図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体基布を貼合して袋状になし、この本
    体基布の高温ガスの影響を受けやすい部位にフィルム体
    を取り付けたエアバックであって、このフィルム体は3
    50℃以上の融点又は分解点を有することを特徴とする
    軽量かつコンパクト化したエアバッグ。
  2. 【請求項2】 フィルム体は、インフレータ取り付け口
    の補強材、防炎材、ガス偏向材、ベントホール補強材ま
    たはテザーベルトのすくなくともいずれか一に適用され
    る請求項1記載のエアバッグ。
  3. 【請求項3】 本体基布は200デニール以下の原糸に
    よる150g/m2以下の目付けの織物である請求項1
    または2記載のエアバッグ。
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