JP3115914B2 - エアーバッグの製法 - Google Patents
エアーバッグの製法Info
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Description
突時、乗員を危険から保護するためのエアーバッグの構
造に関する。さらに詳しくは、一枚の布帛よりなり、折
り畳み重なり部を接合することにより袋形状とした軽
量、かつ、収納性が良好で簡単に製造できるエアーバッ
グに関する。
状に裁断した2枚の布地の外周部をミシン縫製、あるい
は、接着剤接着によって接合して袋形状を形成するか、
円形状に一重部と二重部を織成することによって袋形状
を形成したものが用いられている。
は、自動車などの衝突時にガス発生装置(以下インフレ
ーターという)が作動して、発生したガスの圧によりバ
ッグが瞬時に展張したとき、エアーバッグに加わる内圧
によりバッグの接合部分からのバーストのおそれがある
ことであった。そのためエアーバッグは、信頼性、安全
性の面より用いる布帛強力を過剰に大きくする必要があ
り、また、接合部の補強や目どめ処理などで製造工程も
複雑となり、エアーバッグとして高重量、嵩高となって
収納面からも問題となっていた。
め、接合部分からのバーストのおそれがないエアーバッ
グ、即ち、周辺部に接合部がないエアーバッグの開発が
切望されていた。
部分にバーストのおそれがなく、軽量で収納性が良好な
エアーバッグの製法を提供しようとするものである。
形の布帛の各隅が、該正四角形の一辺の1/2より多く
内側に折り畳まれて各折り畳み部の辺が相互に重なり合
い、該重なり合い部が相互に接合して袋形状を形成して
おり、かつ、該重なり合い部側の中央にインフレーター
取りつけ部を有することを特徴とするエアーバッグの製
法、である。
織布、あるいは、これらの複合体など、繊維糸条からな
る平面シートをいうが、エアーバッグの耐圧性やバッグ
製造工程中の扱い易さなどから織布が好ましい。織布は
繊維糸条のマルチフィラメントヤーン、加工糸、テープ
ヤーン、スプリットヤーン、あるいは、これらの複合糸
からなる平織、バスケット織、格子織、朱子織、綾織な
どの織布である。
イロン6、66、46などのポリアミド繊維、ポリパラ
フェニレンテトラミド繊維などのアラミド繊維、ポリア
ルキレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、全芳
香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維などが挙げられ
る。本発明に用いる布帛はエアーバッグの排気方式に応
じて、基布排気方式であれば糸使いデニール、織密度、
目付などの調整により所要の通気性を有せしめるか、部
分不通気性化加工を行なったものが好ましい。また、ベ
ントホール排気方式であれば完全不通気性化加工を行な
ったものが好ましい。
クロロプレンゴム、シリコンゴム、難燃性アクリルゴ
ム、難燃性ウレタン樹脂などの難燃性エラストマーによ
るコーティング、トッピング、ラミネートなどの被覆加
工であるが、特に難燃化が要求されないときには、SB
R、NBR.NR.ウレタンなどのエラストマー加工で
もよい。
ラストマーあるいは非難燃性エラストマーによる部分コ
ーティング、あるいはエアーバッグのドライバー側のみ
のコーティングなどの被覆加工が好ましい。また、基布
排気方式であっても必要に応じて難燃化加工を施すこと
が好ましい。
ことが必要である。本発明は、一枚の正四角形の布帛を
袋状とすることが重要なことである。かかる正四角形の
布帛の一辺の長さは、エアーバッグの大きさ、容量に応
じて適宜選定すればよいが、通常70〜150cm位の
ものを用いる。本発明は、正四角形の布帛の4つの隅を
それぞれ正四角形の一辺の1/2より多く内側に折り畳
むことが必要である。
より多く折り畳むとは、各折り畳みによって生ずる夫々
の直角三角形の直角をはさむ辺、即ち、折り畳み部の辺
が次に折り畳んだ折り畳み部の辺と相互に重なり合うだ
けの量で折り畳むことをいう。上記の重なり合う量は接
合部の強力あるいは作業性などから重ね代として1〜6
cm程度が好ましい。従って、折り畳み量は正四角形の
一辺の1/2プラス0.5〜3cm程度となる。
合った中央部、即わち、重なり合い部の中央部にインフ
レーターの取りつけ部を有せしめる場合には、通常、正
四角形の布帛の折り畳み量は一辺の1/2プラス4〜8
cm程度とすることが好ましい。これによって重なり合
い部の重ね代は8〜16cmとなり、インフレーターの
取りつけ部を有せしめることが容易となる。
つけ部は4枚の重なり合い部にあるため特別な補強は必
要としない。なお、インフレーターの取りつけ部が4枚
の重なり合い部からはずれるときには必要に応じて補強
を行なうことが望ましい。本発明は正四角形の4隅の折
り畳みによって生ずる重なり合い部を相互に接合する。
この接合によりエアーバッグに加わる内圧の力は接合部
で剪断力として働くこととなる。
ー、高周波ウエルダーなどによる溶着接合、ゴム系ある
いは樹脂系接着剤による接着接合、ホットメルト系接着
剤による熱接着接合、これらとミシン縫製との併用接合
などが用いられるが重ね代を面で接合することが肝要で
ある。特に、接着剤接合、ホットメルト剤接着接合など
の接着接合が効果的で比較的容易に行ないえるため好ま
しい。しかし、布帛の糸間に接着剤が浸透しすぎると好
ましくない。この場合、接着剤はあらかじめ正四角形の
布帛の折り畳みによる重なり合い部となる位置に付与し
ておいてもよく、また、折り畳みの都度、その部分に接
着剤を付与してもよい。
にまで及ばないよう、溶着しない材料によるセパレータ
ーなどを併用することが好ましい。本発明によって得ら
れるエアーバッグは正四角形の布帛の4隅が折り畳みに
よる重なり合い部の接合によって得られるものであるか
ら、その形状は四角形の袋形状となる。この四角形袋形
状の4隅は必要に応じて折り曲げ固定するか、あるいは
先端をカットしてベントホールとしてもよい。
角形の布帛の4隅にあらかじめインフレーターと同寸法
の切欠部や切り込み部を形成しておくか、重ね合わせ後
にこれを形成してもよい。本発明のエアーバッグの製法
によると、従来のような高強力高重量の織物を使用しな
くてもバーストなどのおそれがないエアーバッグが得ら
れる。また、軽量、かつ、収納性の面でも良好なものが
得られ、従来のような複雑な製造工程を必要とせず簡単
な製法である。
経、緯糸密度が46/本インチ、の平織物(幅82c
m)の片面にクロロプレンゴムをコーティングした。
(固型分塗布量50g/m2 )。この布帛を長さ方向に
82cmカットし、縦、横82cmの正四角形の布帛を
得た。この正四角形の布帛の4隅をコーティング面を内
側にしてそれぞれ43cm折り畳んで重ね合わせ部を接
合した(重ね代4cm)。
トメルトフィルム(共重合ナイロンフィルム)を重ね代
と同寸法として重ね合わせ部分の間にはさみ込み、18
0℃で熱圧着した。引張り試験による接合部の剪断強力
は布帛強力とほぼ同じ67kg/1cm幅であった。接
合部の中央に中心から4.5cmの切り込みを放射線状
に計8本入れ直径9cmのインフレーターの取りつけ部
を形成した。得られたエアーバッグは正四角形で一辺の
長さが55cm、空気充填(内圧0.01kg/cm2
時)の内容積は約50リットルであった。
0gと非常に軽量、柔軟で、コンパクトに折り畳みが可
能でハンドルへの収納性は良好である。得られたエアー
バッグの内部にゴム風船を入れて、風船の中に空気を内
圧2.0kg/cm2 まで充填したがエアーバッグの破
裂や損傷は全く起らなかった。
経、緯とも55本/インチの格子織物(糸7本毎に2本
引き揃え糸を配した、幅100cmのもの)にウレタン
エラストマーを片面コーティング(固型分塗布量35g
/m2 )した。このコーティング布帛を長さ方向に10
0cmカットして、一辺が100cmの正四角形の布帛
を得た。この正四角形の布帛の4隅をコーティング面を
内側にしてそれぞれ55cm折り畳んで、重ね合わせ部
を接合した(重ね代10cm)。
/m2 塗布して糸の間に浸透しないようにして接着し
た。引張り試験による接合部の接着強力(剪断力)は布
帛強力とほぼ同じ65kg/1cm幅であった。接合部
の中央(4枚重ね部)に直径9cmのインフレーター取
りつけのための切欠部を設けた。得られたエアーバッグ
は正四角形で一辺の長さが62cm、空気充填(内圧
0.01kg/cm2 時)の内容積は約60リットルで
あった。
に折り畳みができ、収納性は良好であった。この得られ
たエアーバッグは内部にゴム風船を入れて空気を充填す
る試験で内圧20kg/cm2 でも破裂、損傷、破壊は
起らなかった。かくしてなる実施例1、2のような本発
明によって得られるエアーバッグは接合部での力のかか
り方は剪断力となり、接合部の強力は非常に強いものと
なる。
隅を折り畳むことにより得られるエアーバッグが得られ
るから、インフレーターから最長となるエアーバッグの
4隅は布帛の伸びにくい経糸、緯糸の方向となり、ま
た、最短となるエアーバッグの縁部は布帛の伸びやすい
バイヤス方向となるため内圧のかかり方が均一となり、
エアーバッグの耐圧性は更に向上する。
帛の折り畳み重ね接合によるものであるため、接合部の
特別な補強あるいは目どめなどは必要としない。そのた
め製造工程も極めて単純であり、簡単に製造できる。さ
らに、本発明のエアーバッグの製法は正四角形の布帛を
用いるものであるから材料ロスが全く発生しないため、
コスト面でも極めて有利となる。
辺が59cmの正四角形の布帛2枚をとりコーティング
面を内側にして重ね合わせて、周囲四辺を接着幅4cm
で実施例1と同様のホットメルトフィルムを間にはさん
で接合し、一辺が55cmの四角形袋体とした。引張り
試験で接合部には剥離力がかかり、剥離強力は2kg/
1cmと極めて弱く、この四角形袋体に実施例1と同様
にしてゴム風船を入れて空気を充填したところ、0.1
kg/cm2 で接合部が破壊した。
ン糸により縫製して接合した以外は比較例1と同様にし
て一辺が55cmの四角形袋体とした。引張り試験では
縫製部に剥離力がかかり、剥離強力(縫製部の強力)は
35kg/cmであった。この四角形袋体にインフレー
ター取りつけ部を形成し、実施例1と同様にしてゴム風
船を入れて空気を充填したところ1.3kg/cm2 で
縫製部が破壊した。
ッグはガス圧により展張したときにエアーバッグの縁部
には接合部が位置しないため、布帛の強力がそのままエ
アーバッグの耐圧強力となるものである。また、本発明
のエアーバッグ製法によると布帛の低目付化、低デニー
ル化が可能となり、軽量、柔軟、低嵩高性で収納性良好
なエアーバッグが得られる。
模式的に示す断面図(図7A−A面で切断)
模式的に示す断面図(図7B−B面で切断)
布帛の一隅を折り畳んだ状態を示す平面図
目の隅を折り畳んだ状態を示す平面図
状態を示す平面図
平面図
一例を示す平面図
Claims (1)
- 【請求項1】 正四角形の布帛の各隅が、該正四角形の
一辺の1/2より多く内側に折り畳まれて各折り畳み部
の辺が相互に重なり合い、該重なり合い部が相互に接合
して袋形状を形成しており、かつ、該重なり合い部側の
中央にインフレーターの取りつけ部を有することを特徴
とするエアーバッグの製法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP23953991A JP3115914B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | エアーバッグの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23953991A JP3115914B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | エアーバッグの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0577342A JPH0577342A (ja) | 1993-03-30 |
JP3115914B2 true JP3115914B2 (ja) | 2000-12-11 |
Family
ID=17046317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23953991A Expired - Fee Related JP3115914B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | エアーバッグの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3115914B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017093303A1 (de) * | 2015-12-03 | 2017-06-08 | Trw Automotive Safety Systems Gmbh | Fahrzeugsicherheitssystem, baugruppe für ein fahrzeugsicherheitssystem und verfahren zum herstellen eines fahrzeugsicherheitssystems |
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---|---|---|---|---|
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GB2386586B (en) | 2002-03-19 | 2005-06-08 | Autoliv Dev | Improvements in or relating to an air-bag |
GB2389819A (en) | 2002-06-18 | 2003-12-24 | Autoliv Dev | Airbag formed from a single element of fabric |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP23953991A patent/JP3115914B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0577342A (ja) | 1993-03-30 |
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