JP2000105230A - 水濡れ検知方法、水濡れ検知ラベル及び水濡れ検知機能付き機器 - Google Patents

水濡れ検知方法、水濡れ検知ラベル及び水濡れ検知機能付き機器

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JP2000105230A
JP2000105230A JP10288707A JP28870798A JP2000105230A JP 2000105230 A JP2000105230 A JP 2000105230A JP 10288707 A JP10288707 A JP 10288707A JP 28870798 A JP28870798 A JP 28870798A JP 2000105230 A JP2000105230 A JP 2000105230A
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electron
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Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
Masami Sakurada
政美 桜田
Junichi Takeda
淳一 竹田
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水濡れ等により故障が発生しやすい携帯電話
等の電子機器や精密機器、あるいは水濡れによって回収
再利用に著しい支障をきたすレンズ付きフィルムユニッ
トなどの、製品出荷後における水濡れを事後に検出する
ことができる水濡れ検知方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種の電子受容性顕色化合物
及び電子供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触に
より消色する発色剤組成物を用い、該発色剤組成物の消
色により水との接触経歴を検知する水濡れ検知方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、移動体通
信端末など屋外で用いられる携帯性に優れた精密機器、
レンズ付きフィルムのような回収再利用される精密機器
などの、水没、水濡れ等、不正な使用状態についての経
歴を判定できるようにした水濡れ検知方法、およびこれ
に用いる水濡れ検知ラベル、さらには該検知方法を利用
する機器類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】雨、水等が機器内部に浸透し、故障が発
生しやすい携帯電話等の電子機器や精密機器において、
メーカーの製品保証期間内に故障が発生して修理を行な
う場合、その故障の原因を特定し、メーカーの保証責任
の有無を判別する必要がある。そのため、故障の原因と
なった水濡れの経緯の確認が必要とされるが、その故障
が製品出荷後における水との接触により発生したか否か
を事後に判別することは難しい。このため、水濡れの経
歴を判別する方法の開発が強く要望されていた。
【0003】また、近年広く販売されるに至ったレンズ
付きフイルムユニット(商品名「写ルンです」等)で
は、使用済みとなったレンズ付きフイルムユニットはそ
のままの状態で現像所に集められ、撮影済みのフイルム
を取り出してフイルム現像、プリント処理などが行われ
る。この時、ユニット本体はメーカーが現像所から回収
し、分解して部品ごとに再利用の適否を検査する。そし
て、再利用可能な部品は製造ラインに再び供結され、そ
のまま製品の一部として用いられ、再利用不可の部品は
樹脂部品、金属部品など、素材ごとに分別された後、原
材料としてリサイクル利用される。しかしながら、ユニ
ット本体を構成している部品が再利用に適する品質を維
持しているか否かを判定するのに非常に手間がかかって
いるのが実状である。特に、内部への浸水や結露に曝さ
れた金属部品は錆びたりしていることが多く、こうした
部品を再利用する際に、水濡れの経歴を検知しうること
が大きな課題となっていた。
【0004】特開平5-265143号や特開平5-232635号には
水分検出手段として、水易溶性物質、脱結晶水化合物の
ように水と接触すると変色、変形するもの、具体例とし
ては、東洋濾紙社製の水分試験紙、あるいはオブラー
ト、低分子ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナト
リウムのような水易溶性物質、あるいは無水硫酸銅、無
水塩化コバルトのような脱結晶水化合物などが挙げられ
ているが、簡便性を欠いていたり、判定の明瞭性が十分
でないなどの問題があった。特開平9-325698号には、水
溶性フィルムを窓状に有する耐水溶性の水濡れ検知シー
トが開示されている。また、特開平10-2893 号には水を
はじきにくい用紙に水溶性染料を含有した水無平版用印
刷インキを印刷した水濡れ感知印刷物が開示されてい
る。前者は水濡れにより水溶性フィルムが溶解するこ
と、後者は水に濡れた際に水溶性インキが印刷部分から
溶け出して非印刷部分に染み出すことで、それぞれ視覚
的に感知するものであるが、いずれの場合も判定の目安
の明瞭さの点でまだまだ問題があった。
【0005】一方、特開昭53-82507号にはサリチル酸亜
鉛、電子供与性を有する無色の染料および非イオン性界
面活性剤を必須成分とする水消色性描写材料が、特開平
7-90214 号、同9-59547 号には電子供与性呈色化合物と
電子受容性顕色化合物の混合物よりなるインキを用いた
水消色性筆記具および筆記システムが開示されている。
しかしながら、これらの技術はいずれも電子供与性呈色
化合物と電子受容性顕色化合物よりなる発色体が水で消
色できるという性質を、水消色性の筆記具として利用し
たものである。したがってこれらが、精密機器などの水
濡れのような経歴を事後に検知しうるための十分な消色
性(高湿条件では消色せず、水との接触によって初めて
確実に、かつ速やかに消色するが、一方、一度消色すれ
ばどのような条件下でも絶対に復色しないこと、など)
を有するかどうか、また、検知に必須の信頼性を満足す
るかどうかについては、まったく予想ができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水濡れ等に
より故障が発生しやすい携帯電話等の電子機器や精密機
器、あるいは水濡れによって回収再利用に著しい支障を
きたすレンズ付きフィルムユニットなどの、製品出荷後
における水濡れを事後に検出することができる水濡れ検
知方法を提供することを目的とする。また、本発明は水
濡れを検知したい機器の外部又は内部に貼りつけること
で水濡れの経歴を検知できる水濡れ検知ラベルを提供す
ることを目的とする。さらに本発明は、上記の水濡れ検
知方法や検知ラベルにより製品出荷後の水濡れの経歴を
簡便に判定できる機能を有する機器の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の発明により達成された。 (1)少なくとも1種の電子受容性顕色化合物及び電子
供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触により消色
する発色剤組成物を用い、該発色剤組成物の消色により
水との接触経歴を検知することを特徴とする水濡れ検知
方法。 (2)少なくとも1種の電子受容性顕色化合物及び電子
供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触により消色
する発色剤組成物を支持体上に塗設したことを特徴とす
る水濡れ検知ラベル。 (3)少なくとも1種の電子受容性顕色化合物及び電子
供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触により消色
する発色剤組成物からなる水濡れ検知部を設けたことを
特徴とする水濡れ検知機能付き機器。 (4)機器がレンズ付きフィルムユニットである(3)
項記載の水濡れ検知機能付き機器。
【0008】本発明の水濡れ検知方法、水濡れ検知ラベ
ルおよび水濡れ検知機能付き機器は、電子受容性顕色性
化合物および電子供与性呈色化合物よりなる発色剤組成
物が水と接触した際に消色する性質を利用したものであ
り、使用する際の簡便性、検出手段としての感度、およ
び判定の明瞭性の点で優れている。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いることができる電子
供与性呈色化合物は、電子受容性顕色化合物の存在下に
カルボニウムカチオンを生成し、これがアミノ基などの
電子供与性基との間で安定な共鳴構造をとるような化合
物であればよく、公知の物質を含む様々な物質を用いる
ことができる。公知の電子供与性呈色化合物について
は、森賀、吉田「染料と薬品」9,84頁(化成品工業
協会、1964):「新染料便覧」242 頁(丸善、19
70); R.Garner「Reports on the progress of App
le. Chem. 」56,199頁(1971);「染料と薬
品」I9,230頁(化成品工業協会、1974);
「色材」62,288頁(1989);「染色工業」3
2,208等に記載がある。電子供与性呈色化合物は、
構造的にいくつかの系に分類できる。本発明に好ましく
用いられる系としては、ジアリールフタリド系、フルオ
ラン系、インドリルフタリド系、フェノチアジン系、ア
シルロイコアジン系、ロイコオーラミン系、スピロピラ
ン系、ローダミンラクタム系、トリアリールメタン系、
クロメン系などを挙げることができる。以下に本発明に
用いることができる電子供与性呈色化合物の代表的な具
体例について構造別に分類して、その構造式を示す。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】また、近年、620nmよりも長波の領域
で発色する電子供与性呈色化合物も知られるようになっ
てきている。この様な電子供与性呈色化合物のうち2位
と3位が環状構造を有する2,6−ジアミノフルオラン
化含物については特開平3−14878号、同3−24
4587号、同4−173288号、p−フェニレンジ
アミン部を置換基に持つフルオラン化合物については特
開昭61−284485号、特開平3−239587
号、チオフルオラン化合物については特開昭52−10
6873号、3,3−ビス(4−置換アミノフェニル)
アザフタリド化合物については特開平5−139026
号、同5−179151号、ビニル基を有するフタリド
化合物については特公昭58−5940号、同58−2
7825号、同62−24365号、フルオレン化合物
については特開昭63−94878号、特開平3−20
2386号、ビニル基を有するスルホニルメタン化合物
については特開昭60−230890号、同60−23
1766号、フェノチアジンあるいはフェノキサジン環
を有する化含物については特開昭63−199268号
に記載されている。具体例としては下記のような電子供
与性呈色化合物を挙げることができる。
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】以上の具体例は電子供与性呈色化合物の一
部であり、本発明に用いられる電子供与性呈色化合物は
これらに限定されるものではない。
【0032】本発明で用いることができる電子受容性顕
色化合物は、電子供与性呈色化合物に作用して呈色させ
る作用を有する酸性化合物であれば任意のものを使用す
ることができる。公知のものとしては、森賀著「入門、
特殊紙の化学」(昭和50年刊行)に記載されている感圧
複写紙(29〜58頁)に使用することができる物質や、特
開昭64−9540号、特開平9 −59547 号に記載されている
物質などがある。
【0033】一般的な具体例を以下に挙げる。無機化合
物として、 シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、ベントナイ
ト、カオリン、フラーズアース、酸性白土、活性白土、
モンモリロナイト、アタパルガイトなどのケイ酸塩 ZnO、TiO2 、CaSO4 、BaSO4 、Al
2(SO4)3 、PbCl2 、SnCl2 、As23 など
の無機塩を使用することができる。また、有機化合物と
して、 スルホン化イオン交換樹脂 リン酸基含有イオン交換樹脂や p−tert−ブチルフェノール−ホルマリン縮合
物、p−フェニルフェノール−ホルマリン縮合物などの
フェノールアルデヒド重合体、フェノールアセチレン重
合体など、フェノール重合体 4,4’−イソプロピリデン−ジフェノール(ビスフ
ェノールA)、p−tert−ブチルフェノール、2,
4−ジニトロフェノール、3,4−ジクロロフェノー
ル、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert
−ブチルフェノール)、p−フェニルフェノール、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチル
ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル
フェノール)、2、2’−メチレンビス(α−フェニル
−p−クレゾール)チオジフェノール、4,4’−チオ
ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、スル
ホニルジフェノールや、下記の構造で示されるようなフ
ェノール性化合物も使用できる。
【0034】
【化21】
【0035】さらに、 有機酸もしくはその金属塩のうち、サリチル酸誘導体
およびその金属塩としては、サリチル酸、3−tert
−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサ
リチル酸、3,5−ジ−tert−オクチルサリチル
酸、5−tert−ドデシルサリチル酸、3−ノニルサ
リチル酸、5−ノニルサリチル酸、5−α−メチルベン
ジルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
リチル酸、3−tert−オクチルサリチル酸、3−フ
ェニル−5−tert−オクチルサリチル酸、3−フェ
ニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、
3,5−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸
およびその亜鉛、鉛、アルミニウム塩、マグネシウム
塩、ニッケル塩等、および特開平3−138191号に
記載の化合物も使用できる。すなわち一般式(I)
【0036】
【化22】
【0037】においてR1 、R2 はそれぞれ水素原子、
アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、sec−アミル基、tert
−アミル基、シクロヘキシル基、tert−ヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、t
ert−ノニル基など)、アリール基(例えばフェニル
基、トリル基、p−メトキシフェニル基、p−アセチル
アミノフェニル基、m−アセチルフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基など)、または3級のアラルキ
ル基(例えばα,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジ
エチルベンジル基、α−メチル−α−エチルベンジル
基、α−メチル−α−プロピルベンジル基、α−メチル
−α−iso−ブチルベンジル基など)を表わし、その
中でもメチル基、tert−ブチル基、tert−アミ
ル基、tert−オクチル基、フェニル基、α,α−ジ
メチルベンジル基などが好ましい。また、R2 が水素原
子の場合は、R1 は上述の3級のアラルキル基であるこ
とが好ましい。また、R3 はR1 、R2 と同じ群から選
ばれるアルキル基、アリール基を表わし、特にメチル基
が好ましい。以下に、一般式(I)で表わされるサリチ
ル酸誘導体の具体例を示す。
【0038】
【化23】
【0039】
【化24】
【0040】一般式(I)で表わされるサリチル酸誘導
体をそのまま顕色剤として用いてもよいが、金属塩とし
た方が顕色能が高くなるのでより好ましい。金属塩に用
いる金属としては、銅、銀等のIb族金属、マグネシウ
ム、カルシウム等のIIa族金属、亜鉛、カドミウム、水
銀等のIIb族金属、アルミニウム、カリウム等の IIIb
族金属、スズ、鉛等のIVb族金属、クロム、モリブデン
等のVIa族金属、マンガン等の VIIa族金属、コバル
ト、ニッケル等のVIII族金属等が挙げられる。このう
ち、亜鉛、スズ、アルミニウム、ニッケルが好ましい。
【0041】そのほかの有機酸もしくはその金属塩とし
ては、フタル酸、無水フタル酸、マレイン酸、安息香
酸、没食子酸、o−トルイル酸、p−トルイル酸、およ
びその金属塩、ならびにオキシ安息香酸エステルとして
は、p−オキシ安息香酸エチル、n−オキシ安息香酸ブ
チル、p−オキシ安息香酸ヘプチル、p−オキシ安息香
酸ベンジル等がある。以上の中では、特にサリチル酸誘
導体およびその亜鉛塩、またはアルミニウム塩が、顕色
能、発色像の堅牢性(一度発色した色が安定している、
すなわち、水との接触以外(例えば高温、高湿度、光な
ど)では色が消えにくい)などの点で優れていて、本発
明に特に好適である。
【0042】本発明の電子受容性顕色性化合物および電
子供与性呈色化合物よりなる発色剤組成物は、任意の比
率で用いることができるが、好ましくは電子受容性顕色
剤化合物1 モルに対し電子供与性呈色化合物を0.01から
100 モル用いることが好ましく、さらに好ましくは0.1
から10モル用いることが好ましい。本発明において電子
受容性顕色性化合物および電子供与性呈色化合物よりな
る発色剤組成物は、溶剤、バインダー(油性バインダー
又は水性バインダー)に加えて用いるのが好ましい。こ
のとき、電子受容性顕色性化合物および電子供与性呈色
化合物の合計の含有量を1〜50重量%とするのが好ま
しく、3〜20重量%がさらに好ましい。好ましい溶剤
としては、エタノール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、エチレングリコール、テトラヒドロ
フラン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどがあげられる。また、好まし
いバインダーとしてはポリマーバインダー( 例えばポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロー
スおよびその誘導体、アルギン酸およびその塩、カルボ
キシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリア
クリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチ
ン、アラビアゴム、カラギナン、カンテン、ペクチン、
でんぷんなど) 、ワックス類等があげられる。さらに該
組成物は、発色濃度を上げたり、消色性を改良したり、
分散性を良くしたり、発色体や消色体の保存性を改良す
る目的から、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤
の例としては、界面活性剤(例えばポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソ
ルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビ
タンアルキルエステル、ポリプロピレングリコールの酸
化エチレン付加物等、アルキルエーテル硫酸エステルナ
トリウム、α- オレフィンスルホン酸ナトリウム、脂肪
酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、アル
キルグリコシド、アルキルスルホこはく酸ナトリウム、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンの共重合体
など)が挙げられる。また、本発明において上記の発色
剤組成物は、耐水性の支持体とともに用いることが好ま
しい。このようにすることで、発色剤組成物や水の拡散
が防止でき、水濡れ検知における消色反応を鋭敏にする
ことができる。
【0043】本発明の水濡れ検知ラベルにおいては、該
発色剤組成物のほかに、さらなる染料を併用してもよ
い。この場合、たとえば、水では消色しないインキで例
えば「水濡れ」と書かれた上を上記した本発明に用いる
発色剤組成物よりなるインキで隠蔽すれば、水濡れ時に
「水濡れ」 の文字を浮かびあがらせることが可能であ
る。本発明の検知ラベルの作成においては、裏面に粘着
剤がついた透明または不透明の支持体上に、印刷、塗
布、筆記などの手段により、上記した本発明に用いる発
色剤組成物を塗設することが好ましい。支持体として
は、原紙、上質紙、中質紙のような非塗工紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙のような塗工紙、合成
紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、バライタ
層またはα- オレフィンポリマー(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を
塗布またはラミネートした紙類、合成樹脂またはエマル
ジョン含浸紙、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸
酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリアミドなどの半合成または
合成高分子からなるプラスチックフイルム、金属が蒸着
されたプラスチックフィルム、金属箔、金属箔がラミネ
ートされたプラスチックフィルムが好ましく用いられ
る。耐水性があり、水との反応が鋭敏であるという理由
から、合成紙、プラスチックフイルム、ラミネート紙が
特に好ましい。ラベルの大きさ、形状等は特に制限はな
い。
【0044】本発明の水濡れ検知方法及び検知ラベル
は、どのような機器へも適用できるが、屋外で風雨にさ
らされたり、誤って水中に落下させることなどの多い携
帯型の小型機器類、例えばレンズ付きフィルムユニット
や携帯電話に対し好適であり、中でもレンズ付きフィル
ムユニットについては、その使用経歴が明確に判定で
き、リサイクル率の向上が見込めるため環境保護の観点
から特に有効である。これらの機器類に本発明の検知方
法による検知部位を設けて、水濡れが検知できる機器と
する場合、上述の検知ラベルを機器の内部や外部に貼り
付けても良いし、あるいは本発明に用いる発色剤組成物
を機器の適当な個所に塗布しても良い。図1に、本発明
の水濡れ検知機能付き機器の一実施態様として、本発明
の検知ラベルを貼りつけたレンズ付きフィルムユニット
を示した。図中、1はレンズ付きフィルムユニット本体
であり、2がレンズ、3がフィルムユニット、4はフィ
ルムユニットの裏ブタであり、裏ブタ4内部に本発明の
検知ラベル5が貼りつけられている。本体1内部に水が
侵入すると検知ラベル5が消色するので、裏ブタ4をあ
ければすぐに水濡れの経歴が検知できる。
【0045】
【実施例】次に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 表1に示す電子受容性顕色性化合物と電子供与性呈色化
合物の組み合わせからなる発色剤組成物をふくむ発色液
(電子受容性顕色性化合物1モルに対し、電子供与性呈
色化合物0.3モル使用。溶剤としてエチルアルコール
を使用、電子受容性顕色性化合物と電子供与性呈色化合
物の合計で10重量%の濃度)を調製し、それらを合成
紙上に印刷して発色状態、および水を付着させたときの
消色状態を目視により観測し、下記の基準で評価した。 (発色性) ○:目視で十分に色が認識できた。 △:目視で色が認識できるが、色の濃度が淡いと感じ
た。 ×:まったく認識できないか、わずかに色味が認識でき
るのみであった。 (消色性) ○:完全に無色に消色した。 △:消色したが、わずかに発色状態の色味が観察され
た。 ×:色味の濃度が多少低減したものの、色味がはっきり
認識された。 さらにそれらのサンプルを50℃のドライ条件(ドライサ
ーモ)、および45℃で湿度80%の条件(ウエットサー
モ)で各3日強制サーモテストを行ない、発色状態と消
色状態の安定性を目視で評価した。結果を表1に示し
た。なお、発色剤組成物を含む発色液は、溶剤( エタノ
ール)80 重量部、ノニオン界面活性剤(ポリエチレング
リコールエーテル)10重量部、呈色化合物5重量部、顕
色化合物5重量部を10分間加温しながら攪拌することで
調製した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 実施例1で作製した水濡れ検知ラベル(No.1、3又は
4)を用い、図1に示すような、裏ブタ4の内側に検知
ラベル5を有するレンズ付きフィルムユニットを調製
し、機器の内部への水の浸入の検知について、安定性、
信頼性を調べた。まず、このレンズ付きフィルムユニッ
ト本体を実施例1と同様の強制サーモ条件下に置き、そ
の発色状態の安定性および消色性を目視で調べた。結果
を表2に示した。次に、レンズ付きフィルムユニット本
体を水没させ、完全に消色した状態で強制サーモ条件に
かけて消色状態の安定性(復色しないかどうか)を目視
で調べた。結果を表3に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2、3に示すとおり、本発明の水濡れ検
知ラベルは、水に濡れない限り、高湿条件下でも安定な
発色状態を保ち、水に濡れると、高温あるいは高湿下に
置かれた後でも確実に消色した。しかもその消色状態
は、高温あるいは高湿下に置かれても復色することな
く、安定に保たれることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明方法においては、発色剤組成物が
水で濡れた場合のみ消色し、水に濡れる前の発色性及び
濡れた後の消色性とも安定しているので、明瞭で信頼性
の高い水濡れ検知が可能である。この方法を用いた本発
明の水濡れ検知ラベルは、水濡れを検知したい機器の外
部や内部に貼りつけるだけで、簡便に、かつ、高い信頼
性で水濡れの経歴を検知できる。また、本発明方法また
は本発明の検知ラベルによる水濡れ検知機能付き機器
は、製品出荷後の水濡れの経歴を簡便に判定できるの
で、携帯電話などの故障についてのメーカー保証責任の
有無や、レンズ付きフィルムユニットなどの回収再利用
の際の判定に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水濡れ検知機能付き機器の一実施態様
としての、水濡れ検知機能付きレンズ付きフィルムユニ
ットの説明図である。
【符号の説明】
1 本体 2 レンズ 3 フィルムユニット 4 裏ブタ 5 水濡れ検知ラベル
フロントページの続き (72)発明者 竹田 淳一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 AA05 BA04 BA07 BB01 CA02 DA08 EA20 FA11 FB05 HA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の電子受容性顕色化合物
    及び電子供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触に
    より消色する発色剤組成物を用い、該発色剤組成物の消
    色により水との接触経歴を検知することを特徴とする水
    濡れ検知方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種の電子受容性顕色化合物
    及び電子供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触に
    より消色する発色剤組成物を支持体上に塗設したことを
    特徴とする水濡れ検知ラベル。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種の電子受容性顕色化合物
    及び電子供与性呈色化合物を含んでなる、水との接触に
    より消色する発色剤組成物からなる水濡れ検知部を設け
    たことを特徴とする水濡れ検知機能付き機器。
  4. 【請求項4】 機器がレンズ付きフィルムユニットであ
    る請求項3記載の水濡れ検知機能付き機器。
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