JP2000104115A - 結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法 - Google Patents

結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法

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JP2000104115A JP10273869A JP27386998A JP2000104115A JP 2000104115 A JP2000104115 A JP 2000104115A JP 10273869 A JP10273869 A JP 10273869A JP 27386998 A JP27386998 A JP 27386998A JP 2000104115 A JP2000104115 A JP 2000104115A
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Tomoyuki Yokota
智之 横田
Masakazu Niikura
正和 新倉
Yoshitaka Adachi
吉隆 足立
Toshiro Tomita
俊郎 富田
Narikazu Matsukura
功和 枩倉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 顕著な細粒を得ることができる加工、冷却方
法による、強靭な高張力鋼。 【解決手段】 重量%で、C:0.03〜0.9、S
i:0.01〜1.0、Mn:0.01〜5.0、A
l:0.001〜0.5、N:0.001〜0.1を含
有し、さらにNb:0.003〜0.5、Ti:0.0
03〜0.5の1種以上を含有し、残部がFeおよび不
可避的不純物からなり、かつ、C+(12/14)N≧
(12+48)Ti+(12/48)Nb+0.03を
満たす鋼片を鋳造ままもしくは加熱後、圧延するかもし
くは圧延することなくそのまま一度500℃〜室温まで
冷却した後に、再び加熱し、700〜550℃で熱間圧
延を行うに際して、1パスの圧下率を20%以上として
1パスまたはパス間時間を10秒以内とした連続する2
パス以上の加工を歪速度を1〜200秒、総歪量を0.
8〜5となる条件で行った後、放冷する、結晶粒の微細
な高張力鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延によって
製造される鋼製品(薄鋼板、厚鋼板、線材、型鋼、棒鋼
など)において、その基本特性たる強度・靭性に優れた
高張力鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼製品の軽量化、鋼構造物の使用
条件の過酷化にともない、より強靭で安全性の高い鋼の
開発が求められている。この様な要求に対し、従来、鋼
板の製造方法を改善し、金属組織の結晶粒の細粒化を図
り、鋼の強度、靭性を改善するための圧延方法が開発さ
れてきた。この様な方法の例としては、いわゆる制御圧
延法が上げられ、加速冷却法と組み合わせた製造法とし
て、特開昭63−223124号公報や特開昭63−1
28117号公報などに示されている。
【0003】これら従来法に示されている制御圧延法で
は、比較的高温のオーステナイト(以下、γと略記)の
再結晶温度域において圧延パス間で生じる静的再結晶を
利用し、γ粒を細粒化する。次いで、鋼板の温度が低下
するのを待ち、γの再結晶が生じない温度域(未再結晶
温度域)で、再び圧延を行うことによってγの結晶中に
転位などの欠陥を導入することが行われている。この様
な欠陥は、γがフェライト等に変態するに際して、γ粒
界と同様に、フェライト等の変態生成組織の核生成場所
となるため、冷却時に多数の結晶粒を一斉に生成させ、
金属組織をいっそう微細にすることが可能だからであ
る。しかし、このような方法で得られるフェライトの粒
径は小さいといってもせいぜい5μm程度であり、より
結晶粒を微細化する方法が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は制御圧延や加
速冷却といった従来の結晶粒微細化手段では得られない
ような顕著な細粒を得ることができる加工、冷却方法に
より、強靭な高張力鋼の製造方法を提供することを目的
とする。上記課題を解決する手段として、以下の製造方
法を創案した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、その要旨とするところは、 (1) 重量%で、C:0.03〜0.9%、Si:
0.01〜1.0%、Mn:0.01〜5.0%、A
l:0.001〜0.5%、N:0.001〜0.1%
を含有し、さらにNb:0.003〜0.5%、Ti:
0.003〜0.5%の1種以上を含有し残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、かつ、C%+(12/1
4)N%≧(12/48)Ti%+(12/48)Nb
%+0.03%を満たす鋼片を鋳造ままもしくは加熱
後、圧延するかもしくは圧延することなくそのまま一度
500℃〜室温までの温度に冷却した後に、再び加熱
し、700℃以下550℃以上の温度で熱間圧延を行う
に際して、1パスの圧下率を20%以上として1パスま
たはパス間時間を10秒以内とした連続する2パス以上
の加工を歪速度を1〜200/秒、総歪量を0.8以上
5以下となる条件で行った後、放冷することを特徴とす
る結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
【0006】(2)前記700℃以下550℃以上の熱
間圧延に先だって、鋼片を500℃〜室温までの温度に
冷却後、Ac3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度
に加熱し、圧延するかもしくは圧延することなくそのま
ま500℃〜室温までの温度に冷却速度を0.1〜50
℃/秒として冷却することを特徴とする前記(1)に記
載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。 (3)Ac3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度へ
の加熱に先だって、Ac 3 点〜1350℃の温度に加熱
して鋼片の均一化処理を行った後圧延するかもしくは圧
延することなくそのまま500℃以下〜室温まで0.1
〜50℃/秒の冷却速度で冷却することを特徴とする前
記(2)に記載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
【0007】(4)重量%で、C:0.03〜0.9
%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.01〜5.
0%、Al:0.001〜0.5%、N:0.001〜
0.1%を含有し、さらに、Nb:0.003〜0.5
%、Ti:0.003〜0.5%の1種以上を含有し残
部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、C%+
(12/14)N%≧(12/48)Ti%+(12/
48)Ti%+(12/48)Nb%+0.03%を満
たす鋼片を鋳造ままもしくは加熱後、圧延するかもしく
は圧延することなくそのまま一度500℃〜室温までの
温度に冷却した後に、再び加熱してAc3 点〜1250
℃の温度で熱間加工を行うに際して、熱間圧延の最後に
放冷時のAr3 点以上の温度から0.1〜50℃/秒の
冷却速度で、700℃以下550℃以上の温度であっ
て、当該冷却速度でのAr3 点+50℃以下Ar3 点−
50℃の温度まで冷却を行った後、直ちに1パスの圧下
率を20%以上として1パスまたはパス間時間を10秒
以内とする連続する2パス以上の加工を歪速度を1〜2
00/秒とし、その総歪量を0.8以上5以下となる条
件で行った後、放冷することを特徴とする結晶粒の微細
な高張力鋼の製造方法。
【0008】(5)Ac3 〜1250℃の加熱に先だっ
て、Ac3 点〜1350℃の温度に加熱し、鋼片の均一
化処理を行った後、圧延するかもしくは圧延することな
くそのまま500℃以下〜室温まで0.1〜50℃/秒
の冷却速度で冷却することを特徴とする前記(4)に記
載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。 (6)熱間圧延終了後90秒以内に、室温以上500℃
未満の温度まで1〜50℃/秒以下の冷却速度で強制冷
却することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか
に記載の結晶粒の非常に微細な高張力鋼の製造方法。 (7)強制冷却後に、300℃〜Ac1 の温度で焼き戻
しを行うことを特徴とする前記(6)に記載の結晶粒に
微細な高張力鋼の製造方法。
【0009】(8)鋳片が、重量%で、V:0.001
〜0.5%を、さらに含有することを特徴とする前記
(1)〜(7)のいずれかに記載の結晶粒の非常に微細
な高張力鋼の製造方法。 (9)鋳片が、重量%で、Mo:0.01〜1%、N
i:0.01〜5%、Cr:0.01〜3%、Cu:
0.01〜3%、B:0.0001〜0.003%の1
種以上を、さらに含有することを特徴とする前記(1)
〜(8)のいずれかに記載の結晶粒の微細な高張力鋼の
製造方法。 (10)鋼片が、重量%で、REM:0.002〜0.
10%、Ca:0.0003〜0.0030%の1種以
上を、さらに含有することを特徴とする前記(1)〜
(9)のいずれかに記載の結晶粒の微細な高張力鋼の製
造方法にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、従来の制御圧延による細粒化方法を冶金的
な見地から検討してみると前述したように、主に以下の
効果によるものであると考えられる。 比較的高温のオーステナイト(以下、γと略記)の再
結晶温度域において圧延パス間で生じる静的再結晶を利
用し、γ粒を細粒化する。 さらに、比較的低温であるところのγの再結晶が生じ
ない温度域(未再結晶温度域)で圧延を行うことによっ
て、γの結晶中に転位などの欠陥を多数導入する。
【0011】上記のようなγ粒界や転位などの欠陥
は、γがフェライト等に変態するに際して、変態生成組
織の核生成場所となるため、金属組織を微細にする。こ
れらのうち〜はいずれもフェライト等の変態生成組
織の核生成場所を提供するものであって、これにより最
終的なフェライトの結晶粒径を微細にするものであり、
いずれもオーステナイトからフェライトへの変態時に発
生するフェライト粒数を増加させ微細化を図る。しか
し、このような変態を利用した微細化では通常の鋼のオ
ーステナイトからフェライトへの変態開始温度は750
℃から800℃と比較的高温であり結晶粒成長が速いた
めにせいぜい5μm程度の結晶粒しか得られない。
【0012】また、強制冷却によりフェライト変態の温
度を強制的に低下させることができるがこのような場合
には生成するフェライトが針状であったり、ベイナイト
が生成するなど靱性の観点から好ましくない組織とな
る。そこで本発明者らは、上記のような変態を利用した
細粒化の限界を打破し、著しい細粒のフェライト組織を
得る方法として、以下を発明した。 (1)フェライトとパーライト、ベイナイト、マルテン
サイトの混合組織を適正な前処理を経て大歪みで加工
し、冷却することによって、フェライト粒を圧延途中、
ロール下において再結晶(以下、動的再結晶と呼称)を
生じせしめることにより、フェライト結晶粒を極めて微
細にすることができる
【0013】(2)適正な前処理を行った鋼材をオース
テナイト温度域へ再加熱後した後の強制冷却中のAr3
点直上〜直下においては金属組織はオーステナイトもし
くはオーステナイトと若干のフェライトを含む混合組織
である。これを大歪みで加工することによって、圧延途
中にロール下においてオーステナイトを微細なフェライ
トに変態(以下、動的変態と呼称)させることができ
る。さらにこのようにして生成した微細フェライトはさ
らに変態と同時にロール下において動的再結晶するとみ
られ、フェライト結晶粒を極めて微細とすることができ
る。動的変態による微細フェライトの生成は、ひきつづ
いてほぼ同時に起こるフェライトの動的再結晶による微
細化を促進する。 (3)上記加工方法に対して、結晶粒成長の抑制等によ
り顕著な硬化を有するNbまたはTiのいずれかまたは
両方を必須元素として添加することによりフェライトの
微細化を顕著に促進する。
【0014】本発明の根幹となる技術の要点は以下の通
りである。 (1)フェライトの動的再結晶による微細化 フェライトの動的再結晶により結晶粒は1μm以下に微
細化できる。このときの、微細かつ均一なフェライト粒
を得るためには以下のような前処理、加工および冷却に
関する条件が必要である。まず、動的再結晶を生じせし
める加工前の組織は、フェライトとパーライト、ベイナ
イト、マルテンサイトなどの第2相との混合組織が望ま
しい。これは、第2相とフェライトの間の変形抵抗差の
ためフェライトがより加工されやすくなることと加工に
よりフェライトが伸延、再結晶する際に第2相により分
断されているために極めて薄く伸び、再結晶後の粒成
長、合体も押さえられる為と考えられる。
【0015】このような前組織としてはフェライトとパ
ーライトに比較してフェライトとベイナイトまたはマル
テンサイトとの混合組織が望ましく、この目的でフェラ
イトを再結晶させる為の加工を行う700℃以下550
℃以上の温度への再加熱に先だって、鋼片を一度Ac3
点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度に再加熱し、圧
延等による熱間加工を行うかあるいはそのまま500℃
以下の温度まで0.1〜50℃/秒で冷却する。また、
このようなAc3 点近傍の加熱を行うのは、前組織をで
きるだけ微細な組織とするためで、このとき金属組織は
微細なオーステナイトとAc3 点以下の加熱では微細な
フェライトを僅かに含む組織となっており、これを冷却
することにより微細なフェライトと微細なベイナイトの
またはマルテンサイトの混合組織が得られる。しかし、
このような処理を行った場合、鋼片の含有元素の偏析に
よって不均一な組織を呈しやすい。これを回避するため
さらに、Ac3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度
への再加熱の前にAc3 点〜1350℃の温度に再加熱
し、鋼片の均一化処理を行うことにより均一な微細粒を
得ることができる。
【0016】次に、このようにして得られた前組織(フ
ェライトとベイナイトまたはマルテンサイトとの混合組
織)を再加熱して、加工を行いフェライトを微細に再結
晶させるのであるが、この時の再加熱温度は、フェライ
トとベイナイトまたはマルテンサイトといった第2相
(正確には、これらの組織中に含有されるセメンタイ
ト)が共存する温度でなければならず、本発明の主眼は
第2相が微量に存在するフェライト主体の組織を動的再
結晶させることによるのでフェライトの組織分率がある
程度(少なくとも60%程度)必要であるが、これを安
定的に達成するには加工前の加熱温度は、700℃以下
であることが必要である。また、加工による動的再結晶
後の粒成長を抑制する観点からも加工温度は700℃以
下であることが望ましい。しかし、加工温度が低すぎる
と原子の拡散が著しく遅延し安定的に動的再結晶を生じ
させられないこのような観点から550℃以上の温度で
加工することが必要である。
【0017】また、加工における歪み量および歪み速度
は安定的に動的再結晶を生じさせ、かつ再結晶後の結晶
粒径を微細にできるように設定することが必要である。
動的再結晶は加工による歪み量がある値以上に大きな場
合に限って発生し、歪み速度は遅いほど生成しやすい。
しかし、歪み速度が遅い場合には、得られる結晶粒は歪
み速度が速い場合比較して大きい傾向がある。また、歪
み速度が大きすぎると動的再結晶が生じず、加工時の荷
重も極めて大きくなる。このような特性を鑑み、動的再
結晶により均一化と微細な金属組織を得る条件を実験的
に検討した結果、本発明の温度範囲では0.8以上の歪
みが必要で、適当な歪み速度の範囲は概ね0.1〜20
0/秒であった。
【0018】次に、上記の加工は1パスで行っても2パ
ス以上で行ってもパス間時間を短時間とすればその効果
は基本的に変わらない。本発明の温度範囲では加工温度
が比較的低くパス間での回復がそれほど速くなくパス間
時間を10秒以内とすれば、その間の回復は小さく、多
パスでの歪みがほぼ累積するからである。但し、1パス
当たりの圧下率を増加させパス数を低減させるほど細粒
化効果は大きい。最後に、上記の加工により加工直後に
は極めて微細なフェライト組織を得ることができるが、
これを加工終了後、速やかに冷却するはフェライトの結
晶粒成長を抑制を可能とし、より微細な組織を得ること
を可能とする。また、加工時の第2相を調質、軟化させ
るために加工、冷却後に焼き戻しを行うことで結晶粒の
非常に微細な鋼の製造ができる。
【0019】(2)オーステナイトの動的変態による微
細化 (1)ではフェライトの動的再結晶により結晶粒は1μ
m以下に微細化するための条件について述べた。ここで
は、加工中のフェライト変態(動的変態)およびそれに
引き続いて生じるフェライトの動的再結晶による微細化
の条件について説明する。まず、加工中の変態(動的変
態)とは、鋼片の冷却過程において平衡変態温度Ae3
点以下の温度であって、当該冷却速度での変態温度Ar
3 点直上の温度で強度の加工を行うことによって、加工
のエネルギーにより変態が誘発され加工中に変態が生じ
る現象であり、加工によるエネルギーが散逸しないこと
や何らかの理由により変態が遅延している部分があれば
その部分のオーステナイトは強度に加工されることによ
って変態が促進されることによって、微細かつ均一な変
態組織が得られる。また、同時に加工中に変態したフェ
ライト粒は引き続いて加工され、再結晶することによて
フェライト粒はいっそう微細化されると考えているとこ
ろである。
【0020】このような方法による場合にも、微細かつ
均一なフェライト粒を得るためには以下のような前処
理、加工および冷却に関する条件が必要である。まず、
動的変態を生じせしめる加工前の組織は、基本的にはオ
ーステナイトであるが、結晶粒径が微細であれば、この
フェライトは加工により再結晶し十分微細となるので、
フェライトとの混合組織であっても良い。この目的で鋼
片を動的変態させるための加工を行う温度は、Ar3
近傍の温度範囲Ar3 +50℃〜Ar3 −50℃とする
ことが必要である。加工温度が高すぎては動的変態が生
じず、低過ぎれば加工前に生成してしまった比較的粗大
なフェライト粒が多く生成し、加工を行っても微細化が
十分になされない。
【0021】また、加工前のオーステナイトをできるだ
け微細にしておくことは動的変態が生じやすくすること
や変態後のフェライトの細粒化の観点から有効である。
このような観点から、一連の加工のなかで動的変態を生
じさせる加工の以前にオーステナイトの再結晶による結
晶粒の微細化を行うための加工を行うことや鋼片の前処
理として再加熱の前に鋼片を一度Ac3 点〜1350℃
の温度に加熱し、圧延等による熱間加工を行うかあるい
は加工を行わずにそのまま500℃以下の温度まで0.
1〜50℃/秒で冷却することは前組織の微細化を可能
とし最終的フェライト組織の微細化をさらに促進する。
【0022】次に、このようにして得られた前組織(オ
ーステナイトまたはオーステナイトと若干のフェライト
との混合組織)を強加工してオーステナイトを微細なフ
ェライトに動的変態させるのであるが、この時の加工温
度は、加工前の組織をオーステナイトまたはオーステナ
イトが若干のフェライト含む程度の温度でなければなら
ず、このような観点から、Ar3 点直上であるが、Ar
3 +50℃以下Ar3−50℃以上の温度とすることが
必要である。また、動的変態による微細フェライトが十
分な量生成するためには、加工温度が熱力学的平衡温度
Ae3 点より100℃程度低い温度(概ね700℃以
下)であることが必要がある。
【0023】また、同時に本法では加工中に動的変態が
生じた後に変態して生成したフェライトが同じく動的に
再結晶すると考えられるので、(1)に述べたと同様
に、加工による動的再結晶後の粒成長を抑制する観点か
ら加工温度は700℃以下であることが望ましいが、加
工温度が低すぎると原子の拡散が著しく遅延し安定的に
動的再結晶を生じさせられない。このような観点から5
50℃以上の温度で加工することが必要である。以上の
観点から、加工温度はAr3 +50℃以下Ar3−50
℃以上であって、700℃以下550℃以上の温度が良
い。
【0024】次に、加工における歪み量および歪み速度
は安定的に動的変態および動的再結晶を生じさせ、かつ
動的再結晶後の結晶粒径を微細にできるように設定する
ことが必要である。動的変態に伴って生成する微細粒の
量は加工による歪み量にともなって増加し、結晶粒も微
細化する。また、動的変態そのものは歪み速度は遅いほ
ど発生しやすいが、歪み速度が遅い場合には、生成した
フェライトが比較的に大きくなるとともに変態後に引き
続いて加工を受けても再結晶せず扁平粒となり等軸粒が
得られない。このような特性を鑑み、動的再結晶により
均一化つ微細な金属組織を得る条件を実験的に検討した
結果、本発明の温度範囲では、ほぼ、フェライトの動的
再結晶の場合と同様な条件であるところの必要歪み量
0.8以上、適当な歪み速度の範囲は概ね1〜200/
秒であることが判明した。
【0025】次に、上記の加工は1パスで行っても2パ
ス以上で行ってもパス間時間を短時間とすればその効果
は基本的に変わらない。本発明の温度範囲では加工温度
が比較的低くパス間での回復がそれほど速くなくパス間
時間を10秒以内とすれば、その間の回復は小さく、多
パスでの歪みがほぼ累積するからである。但し、1パス
当たりの圧下率を増加させパス数を低減させるほど細粒
化効果は大きい。最後に、上記の加工により加工直後に
は極めて微細なフェライト組織を得ることができるが、
これを加工終了後、速やかに冷却するはフェライトの結
晶粒成長を抑制を可能とし、選りすぐれた特性を得るこ
とを可能とする。また、加工時の第2相を調質、軟化さ
せるために加工、冷却後に焼き戻しを行うことで結晶粒
の非常に微細な鋼の製造ができるのである。
【0026】(3)Nb、Tiによる粒成長抑制 上記の細粒化方法に対して、結晶粒成長の抑制等により
顕著な硬化を有するNbまたはTiのいずれかまたは両
方を必須元素として添加する。以下には、各成分、製造
条件の限定の理由について述べる。Cは鋼の強化を行う
のに有効な元素であり0.03%未満では十分な強度が
得られない。一方、その含有量が0.9%を越えると、
溶接性を劣化させる。Siは脱酸元素として、また、鋼
の強化元素として有効であるが、0.01%未満の含有
量ではその効果がない。一方、1.0%を越えると、鋼
の表面性状を損なう。
【0027】Mnは鋼の強化に有効な元素であり、0.
01%未満では十分な効果が得られない。一方、その含
有量が5.0%を越えると鋼の加工性を劣化させる。
Alは脱酸元素として添加されるが0.001%未満の
含有量ではその効果がなく、0.1%を越えると、鋼の
表面性状を劣化させる。Ti、Nbは、いずれも微量の
添加で結晶粒の微細化と析出強化の面で有効に機能す
る。特に、これらによる結晶粒の微細化の効果は顕著な
ので靭性を劣化させない範囲で使用する。このような観
点からその添加量の上限を0.5%とする。また、その
添加量の下限を0.003%とするのはこれ未満では効
果がないからである。
【0028】Vは、析出強化の面で有効に機能するので
靭性を劣化させない範囲で使用しても良い。このような
観点からその添加量の上限を0.5%とする。また、そ
の添加量の下限を0.001%とするのはこれ未満では
効果がないからである。Cu,Ni,Cr,Mo,Bは
いずれも鋼の焼入れ性を向上させる元素であり、本発明
の場合、その添加により鋼の強度を高めることができ
る。しかし、過度の添加は鋼の靭性および溶接性を損な
うため、0.01%≦Cu≦3.0%、0.01%≦N
i≦5.0%、0.01%≦Cr≦3.0%、0.01
%≦Mo≦1.0%、0.0001%≦B≦0.003
%に限定する。Cu,Ni,Cr,Moのそれぞれの下
限を0.01%、Bの下限を0.0001%としたのは
これ未満では効果がないからである。
【0029】REM、CaはSの無害化に有効である
が、添加量が少ないとその効果が無く、また、過度の添
加は靭性を損なうためREMについては0.002〜
0.10%、Caについては0.0003〜0.003
0%に限定する。 その他、不可避的不純物であるP、
Sの含有量はそれぞれ0.02%以下、0.008%以
下が好ましい。
【0030】次に、本発明における製造条件に付いて述
べる。 本発明はいかなる鋳造条件で鋳造された鋼片に
ついても有効であるので、特に鋳造条件を特定する必要
はない。また、本発明の根幹となる加工の方法は、一
度、変態を完了させた後で550℃〜700℃に加熱
し、その温度域でフェライトの動的再結晶を生じさせる
加工を行う方法(請求項1に関する方法)と一度オース
テナイト温度域に加熱し、その冷却過程でオーステナイ
トを動的に変態させさらに動的に再結晶させる加工を行
う方法(請求項3に関する方法)があり、それぞれその
処理に先だって、組織微細化のための再加熱・加工処理
や均一化のための均熱・加工処理を行うものである。
【0031】請求項1に示す前者の方法の場合には、鋳
片を鋳造後、一度冷却することなく圧延を行った後かあ
るいはそのまま圧延をせずに一度500℃〜室温の温度
まで冷却した後に再び700℃以下550℃以上の温度
に再加熱し、700℃以下550℃以上の温度で熱間加
工を行うに際して、一連の熱間加工のうち、1パスの圧
下率を20%以上として1パスまたはパス間時間を10
秒以内とした連続する2パス以上の加工を700℃以下
550℃以上の温度かつ圧延の歪速度を1〜200/秒
とし、その総歪量を0.8以上5以下となる条件で加工
を行い、その後、放冷もしくは請求項5に示す熱間加工
終了後90秒以内に室温〜500℃の温度まで1℃/秒
〜50℃/秒以下の冷却速度で強制冷却し、必要に応じ
て請求項6に示す300℃〜Ac1 の温度で焼き戻しを
行う。
【0032】また、上記700℃以下550℃以上の温
度に再加熱に先だって、鋼片を一度500℃以下の温度
まで冷却した後に再びAc3 点−100℃〜Ac3 点+
50℃の温度に再加熱し、圧延等による熱間加工を行う
かあるいはそのまま500℃〜室温の温度まで0.1〜
50℃/秒で冷却する請求項2に示す前処理を行う。さ
らには、このAc3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の
温度への再加熱に先だって、Ac3 点〜1350℃の温
度に再加熱し、請求項4に示す鋼片の均一化処理を行
う。
【0033】まずここで、700℃以下550℃以上の
温度で熱間加工を行うに際して、鋳片を鋳造後、一度冷
却することなく圧延を行った後かあるいはそのまま圧延
をせずに一度500℃以下の温度まで冷却した後に再び
700℃以下550℃以上の温度に再加熱して行うの
は、鋳造後に直接熱間加工を行ってから冷却しても熱間
加工を行わずして冷却しても、一度500℃以下に冷却
して完全に金属組織を変態させてから再び700℃以下
550℃以上の温度に再加熱すれば、鋼の金属組織はフ
ェライトとパーライト、ベイナイト、マルテンサイトの
混合組織となり本発明の基本的な要件を満たすからであ
る。
【0034】また、700℃以下550℃以上の温度に
再加熱した際の金属組織を微細化に有利な微細なフェラ
イトとベイナイトの混合組織状態とするためには、70
0℃以下550℃以上の温度への再加熱に先だって、鋼
片を一度500℃〜室温の温度まで冷却した後に再びA
3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度に再加熱
し、圧延等による熱間加工を行うかあるいはそのまま5
00℃〜室温の温度まで0.1〜50℃/秒で冷却する
ことが必要である。この処理において、再加熱温度をA
3 点−100℃〜Ac3 点+50℃としたのは、金属
組織を一度微細なオーステナイトまたは微細なオーステ
ナイトと微細なフェライトの混合組織とするためであ
り、再加熱後の冷却速度を0.1〜50℃/秒としたの
はオーステナイトを微細なフェライトと微細に分散した
ベイナイトの混合組織とするためである。
【0035】再加熱温度がAc3 +50℃以上の温度で
は、オーステナイトが無駄に粒成長し、金属組織の微細
化が図れないからであり、Ac3 点−100℃以下で
は、加熱前に存在していた比較的大きなフェライト粒が
多く残存するために、加工前の組織として望まれる微細
なフェライトとベイナイトの混合組織状態が得られない
からである。また、冷却速度が0.1℃/秒以下では冷
却時の変態によるフェライトの微細化は期待できず粗大
なフェライト組織となってしまう。また、冷却速度が5
0℃/秒以上ではフェライトが生成せず全体がベイナイ
トやマルテンサイトの金属組織となってしまう。なお、
この再加熱の際には、冷却過程で圧延等による熱間加工
を行ってもよい。
【0036】さらに、上記のAc3 点−100℃〜Ac
3 点+50℃への再加熱の前にAc 3 点〜1350℃の
温度に再加熱し、鋼片の均熱化処理を行うことにより偏
析等に起因する金属組織の不均一を回避し、700℃以
下550℃以上の温度の加工による金属組織の微細化を
鋼片内で均一に生じさせるために有効だからである。こ
こで、均熱化温度をAc3 点以上としたのは、これ以下
の温度では温度が低すぎ十分に元素の拡散が生じないた
め均一な状態が得られないからである。また、1350
℃以上に加熱すると金属組織の粗大化が顕著となり、後
の金属組織微細化に好ましくないからである。
【0037】また、均熱化処理後に0.1〜50℃/秒
の冷却速度で冷却を行うのは、均熱処理により均一に拡
散した原子をできるだけそのままの状態に保持したいか
らである。冷却速度0.1℃/秒未満では、フェライト
変態時に生じる元素の分配(フェライト−オーステナイ
ト間で生じる元素の移動)を回避できないがこれを回避
するためには50℃/秒で十分だからである。なお、こ
の均熱化処理の際には、冷却過程で圧延等による熱間加
工を行ってもよい。
【0038】次に、フェライトの動的再結晶生じさせる
加工は、700℃〜550℃で行う必要がある。これ
は、700℃以上の温度では、逆変態によりオーステナ
イトの体積分率が増加し、フェライト部分を微細化でき
たとしてもそれが一部分に過ぎず、目的とする組織が得
られないからである。それは、同一条件で加工を受けた
フェライト部分とオーステナイト部分では結晶粒径はフ
ェライト部分の方がかなり微細だからである。また、動
的再結晶したフェライト部分の粒径も加工温度が高くな
るに従って大きくなる傾向があり、加工温度はできるだ
け低い方が好ましい。しかしながら、加工温度が低すぎ
ると原子の拡散が生じにくくなり、再結晶が起こりにく
くなる。このような場合、加工されたフェライト粒は単
に扁平するだけとなり、微細な整粒組織が得られない。
そこで、安定的にフェライトの動的再結晶が生じるため
には550℃以上の温度域で加工を行う必要がある。
【0039】次に、700℃〜550℃での加工におけ
る歪み量は、この温度域で加工中に組織全体に再結晶が
生じ、かつ再結晶後の結晶粒径が微細であることが必要
である。組織全体に再結晶が生じるためには加工量が一
定量以上必要であり、このような観点から一連の加工に
よる総歪み量は0.8以上が必要である。また、歪み量
は0.8以上確保されれば、大きければ大きいほど良い
が、通常の圧延等の加工においては5以上の歪み量を確
保するのは難しい。そこで本発明では与える歪み量の上
限を5とした。
【0040】また、加工時の歪み速度は小さいほど動的
再結晶は生じやすく、歪み速度が大きいほど生じにく
い。一方、歪み速度が小さいと加工中の転位の減少(動
的回復)が大きく、その結果、再結晶後に得られる結晶
粒径は大きく、歪み速度が大きいほど結晶粒径は小さ
い。このような動的再結晶の生じ易さと再結晶後の結晶
粒径の両者を考慮すると歪み速度には適正な範囲が存在
する。この観点から加工中の歪み速度は1/秒以上20
0/秒以下と限定した。1/秒未満では加工に要する時
間が長すぎこの間に転位の回復が生じてしまい、フェラ
イト中に多数の転位を導入することができず、動的再結
晶が生じたとしても微細な結晶粒を得られないからであ
る。
【0041】また、加工時の歪み速度を200/秒以下
としたのはこれ以上に歪み速度では、700℃〜550
℃の温度域で動的再結晶を生じさせるのが難しいからで
ある。また、上記の圧延は、1パスで行うことが望まし
いが、多パスで行う場合には、パス間時間を10秒以内
とすることが必要である。これはパス間時間を10秒超
とするとパス間でフェライトの回復が生じてしまい歪み
の累積効果が得られないからである。
【0042】次に、動的再結晶を生ぜしめる一連の熱間
加工に引き続いて、請求項6に示す強制冷却を行う方法
について説明する。まず、強制冷却の効果は、加工後に
得られた微細なフェライト組織がその後の放冷の間に結
晶粒成長によって成長し、微細組織が損なわれることを
抑制するためである。本発明においてはこのような観点
から動的変態を生じさせる熱間加工に引き続いて、90
秒以内に強制冷却を開始し、室温〜500℃の温度まで
を1〜50℃/秒で冷却を行うことの有効性を規定して
いる。ここで、冷却開始を加工終了から90秒以内とし
たのは、加工時に動的再結晶により生成した微細なフェ
ライト組織が粒成長によって粗大化するのを防止するた
めに可及的に速やかに冷却を開始することを意味するも
ので、これを超えてからの冷却ではその効果が最大限に
発揮されず、加工後に放冷した場合とあまり変わらなく
なり、強制冷却の効果が顕著に現れないからである。
【0043】つぎに、冷却の終了温度を室温〜500℃
としたのは、500℃超の温度ではまだ温度が高すぎ、
原子の拡散が容易に生じ、加工によって得られた微細な
フェライト組織の粒成長を抑制できないからであり、室
温以上としたのはこれ以下の温度への冷却は通常の水冷
等では容易に実施できないからである。また、請求項7
は上記のような強制冷却を行った際にはフェライト中に
固溶している炭素原子がセメンタイトとして析出せず室
温でもフェライト中に過飽和となって固溶し、著しい靭
性の劣化を生じさせる可能性がある。このような場合、
300℃〜Ac1 点の温度で焼き戻しを行うことによっ
て、固溶炭素をセメンタイトとして析出させ強度靭性の
優れた金属組織とすることができる。焼き戻し処理はこ
のような目的のために実施するものであり、300℃未
満では温度が低すぎ炭素原子が容易に拡散せず焼き戻し
が短時間で実施できないからであり、Ac 1 点以下とし
たのはこれを超えると逆変態が生じてしまい、せっかく
生成した微細組織を破壊してしまうからである。
【0044】次に、請求項4に示す後者の方法の場合に
ついて説明する。請求項3に示す方法の場合には、鋼片
を鋳造後、冷却すること無くそのまま熱間圧延を開始し
ても一度500℃〜室温の温度まで冷却した鋼片をAc
3 点〜1250℃に再加熱した後に圧延を開始しても良
い。また、この方法では上記の再加熱の後、熱間加工を
行うに際して、一連の熱間加工の最後にAr3 点以上の
温度から0.1〜50℃/秒の冷却速度で700℃以下
550℃以上の温度であって当該冷却速度でのAr3
+50℃〜Ar3 点−50℃の温度まで冷却を行い、直
ちに1パスの圧下率を20%以上として1パスまたはパ
ス間時間を10秒以内とする連続する2パス以上の加工
をかつ圧延の歪速度を1/秒〜200/秒とし、その総
歪量を0.8以上5以下となる条件で加工を行い、その
後、放冷もしくは請求項5に示す熱間加工終了後90秒
以内に室温〜500℃の温度まで0.1℃/秒〜50℃
/秒以下の冷却速度で強制冷却し、必要に応じて請求項
7に示す300℃〜Ac1 の温度で焼き戻しを行う。
【0045】また、上記Ac3 点〜1250℃の温度へ
の再加熱に先だって、鋼片を一度500℃〜室温の温度
まで冷却した後に再びAc3 点〜1350℃の温度に再
加熱し、圧延等による熱間加工を行うかあるいはそのま
ま500℃以下の温度まで0.1〜50℃/秒で冷却す
る請求項5に示す鋼片の均一化処理を行う。まず、上記
の方法で、鋼片を鋳造後、冷却すること無くそのまま熱
間圧延を開始しても一度500℃〜室温の温度まで冷却
した鋼片をAc3 点〜1250℃に再加熱した後に圧延
を開始しても良いのは、鋳造後直接でも、鋳造後加工を
行った後でも、鋳造後に冷却し再度オーステナイト温度
域に加熱した場合のいずれの方法でも初期組織をオース
テナイト単相とすることが可能でいずれも本発明の目的
を達成することができるからである。ここで再加熱の温
度をAc3 点以上としたのはこれ未満では圧延時の鋼の
金属組織が加熱前に残存していた粗大なフェライトとオ
ーステナイトの不均一な混合組織となり最終的な鋼の金
属組織を微細化できないからである。また再加熱温度の
上限を1250℃としたのはこれを超える温度では鋼の
金属組織が粗大化し、所望の結晶粒の微細化効果が得ら
れないからである。
【0046】さらに、上記のAc3 点〜1250℃への
再加熱にさきだってAc3 点〜1350℃の温度に再加
熱するのは、鋼片の均熱化処理を行うことにより偏析等
に起因する金属組織の不均一を回避するとともに金属組
織を一度変態させておくことによって初期組織を微細に
し、引き続くAc3 点〜1250℃の再加熱時のオース
テナイトを微細化することにより最終加工による金属組
織の微細化や鋼片内で微細流を均一に生じさせるために
有効だからである。ここで、均熱化温度をAc 3 点以上
としたのは、これ以下の温度では温度が低すぎ十分に元
素の拡散が生じないため均一な状態が得られないからで
ある。また、1350℃以上に加熱すると金属組織の粗
大化が顕著となり好ましくないからである。また、均熱
化処理後に0.1〜50℃/秒の冷却速度で冷却を行う
のは、均熱処理により均一に拡散した原子をできるだけ
そのままの状態に保持したいからである。冷却速度0.
1℃/秒未満では、フェライト変態時に生じる元素の分
配(フェライト−オーステナイト間で生じる元素の移
動)を回避できない。また、これを回避するためには5
0℃/秒で十分だからである。なお、この均熱化処理の
際には、冷却過程で圧延等による熱間加工を行ってもよ
い。
【0047】次に、金属組織を微細にする加工について
説明する。本発明法が利用する冶金原理は、過冷却され
たオーステナイトを強加工することによって生じる加工
中に変態する動的変態とそれに引き続くフェライトの動
的再結晶である。従って、加工前の金属組織は強制冷却
により、過冷却状態にあるオーステナイト組織が好まし
い。このような目的で、本発明法では鋼片を鋳造後直接
かまたはAc3 点〜1250℃に再加熱した後に熱間加
工を行うに際して、一連の熱間加工の最後に放冷時のA
3 点以上の温度から0.5〜50℃/秒の冷却速度で
700℃以下550℃以上の温度であって当該冷却速度
でのAr3 点+50℃〜Ar3 点−50℃の温度まで冷
却を行う。
【0048】ここで、放冷時のAr3 点以上の温度から
0.1〜50℃/秒の冷却速度で冷却するのは、オース
テナイトを未変態の状態で過冷却の状態とするためであ
り、Ar3 点未満の温度から冷却したのでは、冷却開始
前に粗大なフェライトが生成してしまっており、その後
に冷却を行っても冷却後の加工でに動的変態を生じさせ
ることができず、金属組織を微細化することができな
い。また、この強制冷却の冷却速度を0.1℃/秒以上
としたのはこれ未満の冷却速度では、冷却中に生じるフ
ェライトの生成を抑制することができず、上記と同様に
オーステナイトをみ変態のまま過冷却状態にすることが
できないからであり、冷却速度の上限を50℃/秒とし
たのは通常の水冷等により得られる上限の冷却速度だか
らである。また、この冷却の終了温度を当該冷却速度に
おけるAr3 +50℃以下Ar3−50℃以上であっ
て、700℃以下550℃以上の温度としたのは、以下
の理由による。
【0049】まず、本発明法においては冷却終了直後に
実施される熱間加工時に生じる動的変態により鋼片全体
に渡って均一な微細粒を得るためには、熱力学的考察か
ら加工温度がAe3 点より100℃以上低い温度(概ね
700℃以下)であることが必要があり、また、冷却中
に変態が生じてしまわないために当該冷却速度でのAr
3 温度直上で冷却を終了することが望ましい。また、本
発明法では加工中に動的変態が生じた後に、変態して生
成したフェライトも加工中に動的に再結晶すると考えら
れるので、加工による動的再結晶後の粒成長を抑制する
観点からも加工温度は700℃以下であることが望まし
い。しかし、加工温度が低すぎると原子の拡散が著しく
遅延し安定的に動的再結晶を生じさせられないため55
0℃以上の温度が好ましい。
【0050】以上の観点から、冷却終了温度は、Ar3
+50℃以下Ar3 −50℃以上であって、700℃以
下550℃以上の温度と規定した。ここで、冷却終了温
度をAr3 +50℃以下Ar3 −50℃以上としたの
は、上記した理由から本来Ar 3 点直上が冷却終了温度
として好ましいが、工業的実現性の見地から若干のオー
ステナイトの過冷却度の低下と加工前のフェライトの生
成を許容して定めた。冷却終了温度がAr3 +50℃を
超えると加工時のオーステナイトの過冷却度が低下し、
加工により安定的に動的変態を生じさせることができず
微細組織を得られない。また、Ar3 −50℃未満では
加工前に生成する粗大なフェライトの量が多すぎ、加工
により安定的に動的変態を生じさせることができず微細
組織を得られない。また、冷却終了温度が700℃超で
は、加工時のオーステナイトの過冷却度が低下し、加工
により安定的に動的変態を生じさせることができないば
かりか、加工後の粒成長により微細組織を得られない。
また、冷却終了温度が550℃未満では原子の拡散が著
しく遅延し安定的に動的変態や動的再結晶が生じにく
く、微細整粒のフェライト組織を得られない。
【0051】次に、冷却後の加工における歪み量および
歪み速度について説明する。当該の加工における歪みと
歪み速度は、安定的に動的変態を生じさせ、さらにそれ
に引き続く動的再結晶とにより結晶粒を微細にできるよ
うに設定することが必要である。まず、動的変態に伴っ
て生成する微細粒の量は加工による歪み量にともなって
増加し、結晶粒も微細化する。また、動的変態そのもの
は歪み速度は遅いほど発生しやすいが、歪み速度が遅い
場合には、生成したフェライトが大きく、さらに変態後
に引き続いて加工を受けても再結晶せず扁平粒となり等
軸粒が得られない。また、歪み速度が極度に速すぎる場
合には動的変態が生じにくく、適正な歪み速度範囲が存
在する。このような特性を鑑み、動的変態とその後の動
的再結晶により均一化かつ微細な金属組織を得る条件を
実験的に検討した結果、本発明の温度範囲ではほぼ、フ
ェライトの動的再結晶の場合と同様な条件であるところ
の必要歪み量0.8以上であって、大きければ大きいほ
ど良いが、通常の圧延等の加工においては5以上の歪み
量を確保するのは難しいので与える歪み量の上限を5と
した。
【0052】また、同様に適当な歪み速度の範囲は概ね
1〜200/秒であり、歪み速度の範囲をこの範囲に規
定した。歪み速度1/秒未満では加工に要する時間が長
すぎこの間に動的変態によって生じるフェライトが微細
とならず、動的再結晶も生じない。また、加工時の歪み
速度を200/秒以下としたのはこれ以上に歪み速度で
は、700℃〜500℃の温度域で動的再結晶を生じさ
せるのが難しいからである。
【0053】次に、上記の加工は1パスで行っても2パ
ス以上で行ってもパス間時間を短時間とすればその効果
は基本的に変わらない。本発明の温度範囲では加工温度
が比較的低くパス間での回復がそれほど速くなくパス間
時間を10秒以内とすれば、その間の回復は小さく、多
パスでの歪みがほぼ累積するからである。但し、1パス
当たりの圧下率を増加させパス数を低減させるほど細粒
化効果は大きい。最後に、上記の加工は、1パスで行う
ことが望ましいが、多パスで行う場合には、パス間時間
を10秒以内とすることが必要である。これはパス間時
間を10秒超とするとパス間でフェライトの回復が生じ
てしまい歪みの累積効果が得られないからである。
【0054】次に、動的再結晶を生ぜしめる一連の熱間
加工に引き続いて、請求項6に示す強制冷却を行う方法
について説明する。まず、強制冷却の効果は、加工後に
得られた微細なフェライト組織がその後の放冷の間に結
晶粒成長によって成長し、微細組織が損なわれることを
抑制するためである。本発明においてはこのような観点
から動的変態を生じさせる熱間加工に引き続いて、90
秒以内に強制冷却を開始し、室温〜500℃の温度まで
を1〜50℃/秒で冷却を行うことの有効性を規定して
いる。ここで、冷却開始を加工終了から90秒以内とし
たのは、加工時に動的変態により生成した微細なフェラ
イト組織が粒成長によって粗大化するのを防止するため
に可及的に速やかに冷却を開始することを意味するもの
で、これを超えてからの冷却ではその効果が最大限に発
揮されず、加工後に放冷した場合とあまり変わらなくな
り、強制冷却の効果が顕著に現れないからである。つぎ
に、冷却の終了温度を室温〜500℃としたのは、50
0℃超の温度ではまだ温度が高すぎ、原子の拡散が容易
に生じ、加工によって得られた微細なフェライト組織の
粒成長を抑制できないからであり、室温以上としたのは
これ以下の温度への冷却は通常の水冷等では容易に実施
できないからである。
【0055】また、請求項7は上記のような強制冷却を
行った際にはフェライト中に固溶している炭素原子がセ
メンタイトとして析出せず室温でもフェライト中に過飽
和となって固溶し、著しい靭性の劣化を生じさせる可能
性および加工後に僅かに残留したオーステナイトが高炭
素のマルテンサイトやベイナイトに変態し、著しい靭性
の劣化を生じさせる可能性がある。このような場合、3
00℃〜Ac1 点の温度で焼き戻しを行うことによっ
て、固溶炭素をセメンタイトとして析出させ強度靭性の
優れた金属組織とすることができる。焼き戻し処理はこ
のような目的のために実施するものであり、300℃未
満では温度が低すぎ炭素原子が容易に拡散せず焼き戻し
が短時間で実施できないからであり、Ac1 点以下とし
たのはこれを超えると逆変態が生じてしまい、せっかく
生成した微細組織を破壊してしまうからである。
【0056】
【実施例】次に、本発明の実施例によって発明の有効性
を示す。表1は実施例の鋼の成分を示すものである。な
お、表中で、下線印で示した鋼は比較鋼であることを示
しており、本発明に一致しない項目も下線で示してあ
る。次にこのような成分の鋼を用い種々の製造条件で製
造した鋼片について得られた結晶粒径、硬度、硬度から
TS=Hv/3×9.8(MPa)を用いて推定された
引っ張り強度を製造条件とともに表2〜5に示す。いず
れの鋼の場合も本発明法の要件を満たす鋼は結晶粒径が
非常に微細である、また、強度特性を有することが推定
される。本発明法により結晶粒径が非常に微細な鋼の製
造が可能であり、強度、靭性に優れた高張力鋼を製造す
ることが可能であり本発明は有効である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明法によれば結
晶粒径が非常に微細な鋼の製造が可能であり、強度、靭
性に優れた高張力鋼を安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000001199 株式会社神戸製鋼所 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 (72)発明者 藤岡 政昭 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 萩原 行人 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 阿部 義男 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 横田 智之 東京都千代田区丸の内1−1−2 日本鋼 管株式会社内 (72)発明者 新倉 正和 東京都千代田区丸の内1−1−2 日本鋼 管株式会社内 (72)発明者 足立 吉隆 大阪府大阪市中央区北浜4−5−23 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 富田 俊郎 大阪府大阪市中央区北浜4−5−23 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 枩倉 功和 兵庫県神戸市中央区脇浜町1−3−18 株 式会社神戸製鋼所内 (72)発明者 難波 茂信 兵庫県神戸市中央区脇浜町1−3−18 株 式会社神戸製鋼所内 Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA06 AA08 AA11 AA12 AA14 AA15 AA16 AA17 AA19 AA21 AA22 AA23 AA24 AA31 AA35 AA36 AA40 BA01 BA02 CA02 CB01 CC01 CC02 CC03 CC04 CD01 CD02 CD03 CF01 CF02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.03〜0.9%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.01〜5.0%、 Al:0.001〜0.5%、 N:0.001〜0.1%を含有し、さらに、Nb:
    0.003〜0.5%、 Ti:0.003〜0.5%の1種以上を含有し残部が
    Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、C%+(1
    2/14)N%≧(12/48)Ti%+(12/4
    8)Nb%+0.03%を満たす鋼片を鋳造ままもしく
    は加熱後、圧延するかもしくは圧延することなくそのま
    ま一度500℃〜室温までの温度に冷却した後に、再び
    加熱し、700℃以下550℃以上の温度で熱間圧延を
    行うに際して、1パスの圧下率を20%以上として1パ
    スまたはパス間時間を10秒以内とした連続する2パス
    以上の加工を歪速度を1〜200/秒、総歪量を0.8
    以上5以下となる条件で行った後、放冷することを特徴
    とする結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記700℃以下550℃以上の熱間圧
    延に先だって、鋼片を500℃〜室温までの温度に冷却
    後、Ac3 点−100℃〜Ac3 点+50℃の温度に加
    熱し、圧延するかもしくは圧延することなくそのまま5
    00℃〜室温までの温度に冷却速度を0.1〜50℃/
    秒として冷却することを特徴とする請求項1に記載の結
    晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 Ac3 点−100℃〜Ac3 点+50℃
    の温度への加熱に先だって、Ac3 点〜1350℃の温
    度に加熱して鋼片の均一化処理を行った後圧延するかも
    しくは圧延することなくそのまま500℃以下〜室温ま
    で0.1〜50℃/秒の冷却速度で冷却することを特徴
    とする請求項2に記載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、 C:0.03〜0.9%、 Si:0.01〜1.0%、 Mn:0.01〜5.0%、 Al:0.001〜0.5%、 N:0.001〜0.1%を含有し、さらに、Nb:
    0.003〜0.5%、 Ti:0.003〜0.5%の1種以上を含有し残部が
    Feおよび不可避的不純物からなり、かつ、C%+(1
    2/14)N%≧(12/48)Ti%+(12/4
    8)Ti%+(12/48)Nb%+0.03%を満た
    す鋼片を鋳造ままもしくは加熱後、圧延するかもしくは
    圧延することなくそのまま一度500℃〜室温までの温
    度に冷却した後に、再び加熱してAc3 点〜1250℃
    の温度で熱間加工を行うに際して、熱間圧延の最後に放
    冷時のAr3 点以上の温度から0.1〜50℃/秒の冷
    却速度で、700℃以下550℃以上の温度であって、
    当該冷却速度でのAr3 点+50℃以下Ar3 点−50
    ℃の温度まで冷却を行った後、直ちに1パスの圧下率を
    20%以上として1パスまたはパス間時間を10秒以内
    とする連続する2パス以上の加工を歪速度を1〜200
    /秒とし、その総歪量を0.8以上5以下となる条件で
    行った後、放冷することを特徴とする結晶粒の微細な高
    張力鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 Ac3 〜1250℃の加熱に先だって、
    Ac3 点〜1350℃の温度に加熱し、鋼片の均一化処
    理を行った後、圧延するかもしくは圧延することなくそ
    のまま500℃以下〜室温まで0.1〜50℃/秒の冷
    却速度で冷却することを特徴とする請求項4に記載の結
    晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱間圧延終了後90秒以内に、室温以上
    500℃未満の温度まで1〜50℃/秒以下の冷却速度
    で強制冷却することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の結晶粒の非常に微細な高張力鋼の製造方法。
  7. 【請求項7】 強制冷却後に、300℃〜Ac1 の温度
    で焼き戻しを行うことを特徴とする請求項6に記載の結
    晶粒に微細な高張力鋼の製造方法。
  8. 【請求項8】 鋳片が、重量%で、V:0.001〜
    0.5%を、さらに含有することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の結晶粒の非常に微細な高張力鋼
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 鋳片が、重量%で、 Mo:0.01〜1%、 Ni:0.01〜5%、 Cr:0.01〜3%、 Cu:0.01〜3%、 B:0.0001〜0.003%の1種以上を、さらに
    含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
  10. 【請求項10】 鋼片が、重量%で、 REM:0.002〜0.10%、 Ca:0.0003〜0.0030%の1種以上を、さ
    らに含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の結晶粒の微細な高張力鋼の製造方法。
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