JP2000103975A - ローダミン誘導体および色素、色変換膜ならびに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ローダミン誘導体および色素、色変換膜ならびに有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2000103975A
JP2000103975A JP10273972A JP27397298A JP2000103975A JP 2000103975 A JP2000103975 A JP 2000103975A JP 10273972 A JP10273972 A JP 10273972A JP 27397298 A JP27397298 A JP 27397298A JP 2000103975 A JP2000103975 A JP 2000103975A
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carbon atoms
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JP10273972A
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English (en)
Inventor
Hideji Ikeda
秀嗣 池田
Hisayuki Kawamura
久幸 川村
Shigeaki Mizogami
惠彬 溝上
Yoshio Hironaka
義雄 弘中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光変換能を有し、かつ高い変換効率にお
いて青色から赤色への変換が可能な新規ローダミン誘導
体と、該ローダミン誘導体からなる色素、色変換膜およ
び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。 【解決手段】下記一般式で表されるローダミン誘導体。 【化1】 〔式中のR1 〜R8 およびYは、水素原子、アルキル基
などを示し、Xは酸素原子または硫黄原子を示し、Ar
1 はアルキル基、アリール基などを示し、pは1または
2、qは0または1、Aはカウンターイオンを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化学構造を
有するローダミン誘導体と、該ローダミン誘導体からな
る色素および色変換膜ならびに有機エレクトロルミネッ
センス素子に関する。さらに詳しくは、有機エレクトロ
ルミネッセンス素子のフルカラー化を実現するのに有用
性の高いローダミン誘導体と、それを用いた色素および
色変換膜ならびに有機エレクトロルミネッセンス素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光を利用した有機エレクトロルミ
ネッセンス素子は、自己発光のため視認性が高く、また
完全固体素子であることからその軽量化や薄型化を図る
ことが容易である上、低電圧でも駆動できることから、
ディスプレイにおける発光素子としての利用が期待され
ている。
【0003】このように、有機エレクトロルミネッセン
ス素子は優れた性能を有しているのであるが、フルカラ
ー化されたディスプレイを実現するためには、なお解決
すべき課題があり、これを解決するための提案が種々な
されている。たとえば、特開昭57−157487号公
報においては、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色
で発光するエレクトロルミネッセンス材料をマトリック
ス状に配置する方法を提案しているが、この場合、有機
エレクトロルミネッセンス材料は湿式のパターニングが
行い難いため、高精細のディスプレイが作製し難いとい
う難点がある。
【0004】また、特開平1−315988号公報にお
いては、白色発光するエレクトロルミネッセンス素子と
カラーフィルターを組合わせて、RGBの三原色を取り
出す方法を提案しているが、この場合には、パターニン
グは容易であるが、得られる各色の輝度が白色光源輝度
よりも著しく減少するという難点がある。さらに、特開
平3−152897号公報においては、光源として青色
発光するエレクトロルミネッセンス素子を用い、これに
よって励起された色素の蛍光変換により緑色や赤色の発
光を得る方法を提案しているが、この場合には、上記カ
ラーフィルターを用いる場合に較べて、輝度の損失が少
ない点で優れた方法であるが、ここで使用されている蛍
光変換膜の青色から赤色への変換効率が充分でないとい
う難点がある。
【0005】そして、このような蛍光変換膜には、ロー
ダミン系やフェノキサゾン系の蛍光顔料が用いられてい
るが、既存の化合物では充分に高い変換効率において青
色から赤色への変換を達成し得る性能の発現が困難であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術における問題を解消し、充分に高い変換効率に
において青色から赤色への変換を達成し得る性能を有す
る新規な化合物と、これを用いた色素、色変換膜および
有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため種々検討を重ねた結果、特定の化学構造
を有する新規なローダミン誘導体を見出した。そして、
この新規なローダミン誘導体が高い変換効率において青
色光を赤色光に変換するための材料として有用性が高い
ことを確認し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 〔1〕下記一般式(1)で表されるローダミン誘導体。
【0009】
【化4】
【0010】〔式(1)中、R1 〜R8 およびYは、そ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、
炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数2〜30の
アルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数
1〜30のハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキ
シアルキル基、炭素数7〜30のアリールアルキル基で
あり、かつR1 とR2 、R1 とR5 、R2 とR6 、R3
とR4 、R3 とR7 およびR4 とR8 とは相互に結合し
て窒素原子を含む5員環または6員環を形成していても
よく、Xは酸素原子または硫黄原子であり、pは1また
は2の整数であり、qは1または0であり、Ar1 は、
核炭素数6〜30のアリール基、またはハロゲン原子、
炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロア
ルキル基、ジアリールアミノ基もしくは炭素数1〜30
のアルコキシ基で置換された核炭素数6〜30のアリー
ル基または下記一般式(2)、
【0011】
【化5】
【0012】(式(2)中、Ar2 〜Ar4 は、それぞ
れ独立に水素原子、核炭素数6〜30のアリール基、ま
たはハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素
数1〜30のハロアルキル基、ジアリールアミノ基もし
くは炭素数1〜30のアルコキシ基で置換された核炭素
数6〜30のアリール基であり、nは0または1の整数
であり、mは1から4の整数であり、R9 は、水素原子
または炭素数1〜18のアルキル基である)で表される
置換ビニルフェニル基を表し、AはF- 、Cl-、Br
- 、I- 、ClO4 - 、BF4 - 、1/2 ZnCl4 2-
下記一般式(3)および下記一般式(4)、
【0013】
【化6】
【0014】(式(3)中のR10〜R13および式(4)
中のR14は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコ
キシ基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数2
〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル
基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数2〜30
のアルコキシアルキル基、炭素数7〜30のアリールア
ルキル基であり、rは1〜5の整数である)でそれぞれ
表されるテトラアリールホウ素イオンまたはスルホネー
トイオンである。(ただし、qが0の場合にはAは存在
しない)〕 〔2〕一般式(1)におけるXが、酸素原子である前記
〔1〕記載のローダミン誘導体。 〔3〕一般式(1)におけるR1 〜R8 が、それぞれ独
立に水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であ
る、前記〔1〕または〔2〕記載のローダミン誘導体。 〔4〕一般式(1)におけるAr1 が、炭素数6〜14
のアリール基である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに
記載のローダミン誘導体。 〔5〕一般式(2)におけるAr2 〜Ar4 が、それぞ
れ独立に、炭素数6〜12のアリール基である、前記
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のローダミン誘導体。 〔6〕一般式(1)におけるR1 〜R4 が、それぞれ独
立に水素原子またはエチル基である、前記〔1〕〜
〔5〕のいずれかに記載のローダミン誘導体。 〔7〕一般式(1)におけるR5 〜R8 が、それぞれ独
立に水素原子またはエチル基である、前記〔1〕〜
〔6〕のいずれかに記載のローダミン誘導体。 〔8〕一般式(1)で表されるローダミン誘導体からな
る色素。
〔9〕樹脂中に一般式(1)で表されるローダミン誘導
体を含有させてなる色変換膜。 〔10〕一対の電極間に少なくとも有機発光層を挟持さ
せてなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
該有機発光層に一般式(1)で表されるローダミン誘導
体を含有させてなる有機エレクトロルミネッセンス素
子。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のローダミン誘導体は、前
記一般式(1)で表されるものであるが、この一般式
(1)中のR1 〜R8 が表す炭素数1〜30のアルキル
基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2−ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、
ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、2−エ
チルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、
コレステリル基などが挙げられる。
【0016】また、式(1)中のR1 〜R8 が表す炭素
数3〜30のシクロアルキル基の具体例としては、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロドデシル基、2−デカヒドロナ
フチル基などが挙げられ、炭素数2〜30のアルケニル
基の具体例としては、ビニル基、アリル基、クロチル
基、3,3−ジメチルアリル基、オレイル基などが挙げ
られ、炭素数2〜30のアルキニル基の具体例として
は、エテニル基、プロパルギル基などが挙げられ、炭素
数1〜30のハロアルキル基の具体例としては、クロロ
メチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基な
どが挙げられ、炭素数1〜30のアルコキシアルキル基
の具体例としては、メトキシメチル基、2−メトキシエ
チル基、2−(2−メトキシエトキシ) エチル基、2−
(2−(2−メトキシエトキシ) エトキシ) エチル基な
どが挙げられ、炭素数7〜30のアリールアルキル基の
具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基な
どが挙げられる。
【0017】また、前記式(1)中のAr1 および前記
式(2)中のAr2 〜Ar4 が表す核炭素数6〜30の
アリール基、またはハロゲン原子、炭素数1〜30のア
ルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、ジアリー
ルアミノ基または炭素数1〜30のアルコキシ基で置換
された核炭素数6〜30のアリール基の具体例として
は、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、4−プ
ロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ペンチ
ルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、t−ブチルフ
ェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(N,
N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−フェニルフェ
ニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フェナ
ントリル基、1−アントラセニル基、1−テトラセニル
基、1−ピレニル基、1−ペリレニル基、4−ピリジル
基、2−キノリニル基、4−トリフルオロメチルフェニ
ル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル) フェニル基、4−クロロフェ
ニル基、4−ブロモフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−エトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェ
ニル基などを挙げることができる。
【0018】さらに、前記式(2)〜(4)におけるR
9 〜R14が表すアルキル基やアルコキシ基などの具体例
は、上記式(1)中のR1 〜R8 におけるこれらの具体
例と同様な基が挙げられる。つぎに、前記一般式(1)
で表されるローダミン誘導体の具体例としては、下記に
示すものが好適なものとして挙げられる。なお、下記の
構造式中の表示において、Meはメチル基、Etはエチ
ル基、Phはフェニル基をそれぞれ表し、これら表示
は、後述の実施例での化学構造式の表示も同様である。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
【化24】
【0037】
【化25】
【0038】
【化26】
【0039】つぎに、前記ローダミン誘導体の製造方法
は、その合成原料として、下記一般式(5)で表される
置換フタル酸または一般式(6)で表される置換無水フ
タル酸と、下記一般式(7)で表されるアミノフェノー
ル誘導体またはアミノチオフェノール誘導体を、無溶媒
または1,2−ジクロロベンゼンなどの不活性溶媒中、
160℃ないし溶媒の沸点の温度において反応させる。
【0040】
【化27】
【0041】〔式(5)〜(7)中のAr1 、R1 、R
2 、R5 、R6 、Xは、いずれも前記式(1)における
Ar1 などと同一の意味を有する〕これら一般式(5)
で表される置換フタル酸および一般式(6)で表される
酸無水物の具体例としては、4−フェニルフタル酸、4
−(4−メチルフェニル)フタル酸、4−(4−トリフ
ルオロメチルフェニル)フタル酸、4−〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕フタル酸、4−(1
−ナフチル)フタル酸、4−(9−フェナントリル)フ
タル酸、4−〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェ
ニル〕フタル酸、4−(3−トリフルオロメチル)フタ
ル酸、4,5−ジフェニルフタル酸、4,5−ビス(4
−メチルフェニル)フタル酸、4,5−ビス(1−ナフ
チル)フタル酸、4−(2,2−ジフェニルビニル)フ
タル酸4−〔2−フェニル−2−(4−t−ブチルフ
ェニル)ビニル〕フタル酸、4−〔2−フェニル−2−
(2−ナフチル)ビニル〕フタル酸、4−〔2−フェニ
ル−2−(4−フェニルフェニル)ビニル〕フタル酸、
4−〔2,2−ビス(4−t−ブチルフェニル)ビニ
ル〕フタル酸、4−〔2,2−ビス(4−n−ヘキシル
フェニル)ビニル〕フタル酸、4−〔2,2−ビス(4
−フェニルフェニル)ビニル〕フタル酸、4−〔2−フ
ェニル−2−(4−ピリジル)ビニル〕フタル酸、4−
〔2,2−ビス(3−メチルフェニル)ビニル〕フタル
酸、4−〔2−フェニル−2−(4−ジフェニルアミノ
フェニル)ビニル〕フタル酸およびこれらの酸無水物が
挙げられる。
【0042】また、一般式(7)で表されるアミノフェ
ノール誘導体としては、N.N−ジメチル−3−アミノ
フェノール、N,N−ジエチル−3−アミノフェノー
ル、N,N−ジブチル−3−アミノフェノール、3−エ
チルアミノ−4−メチルフェノール、8−ヒドロキシジ
ュロリジン、N−メチル−N−ベンジル−3−アミノフ
ェノール、N−メチル−N−フェニル−3−アミノフェ
ノール、3−(デカヒドロイソキノリン−1−イル)−
フェノール、N,N−ジイソブチル−3−アミノフェノ
ール、N−エチル−N−シクロヘキシル−3−アミノフ
ェノール、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−3−
アミノフェノール、3−(ピロリジン−1−イル)フェ
ノール、3−(ピペリジン−1−イル)フェノール、3
−(モルホリン−1−イル)フェノールなどが挙げら
れ、アミノチオフェノール誘導体としては、N,N−ジ
エチル−3−アミノチオフェノール、N,N−ジブチル
−3−アミノチオフェノールなどが挙げられる。
【0043】このようにしてローダミン誘導体を製造す
る際、キサンテン環上の置換基が左右対称な化学構造の
ローダミン誘導体を合成する場合には、前記フタル酸誘
導体1当量に対して、前記アミノフェノール誘導体2当
量を反応させればよい。また、キサンテン環上の置換基
が左右非対称な化学構造のローダミン誘導体を合成する
場合には、前記フタル酸誘導体1当量に対して、1当量
のアミノフェノール誘導体を反応させた後、別種のアミ
ノフェノール誘導体を1当量反応させればよい。
【0044】つぎに、この反応に用いる前記一般式
(5)で表される置換フタル酸は、下記の方法により製
造することができる。第一の製造方法の一例を示すと、
その第一工程においては、下記のごとく、置換基を有す
る無水フタル酸の酸無水物基をエステル化することによ
って保護する工程である。
【0045】
【化28】
【0046】この場合、硫酸やトルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸などのプロトン酸を触媒として、不活性
溶媒中、溶媒の還流温度で加熱すればよい。この不活性
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素溶媒や、クロロホルムなどのハロゲン化炭
化水素溶媒を使用すると、生成水を共沸混合物として系
外に除くことができ、反応が速やかに進行するので好ま
しい。また、不活性溶媒を使用することなく、アルコー
ルそのものを溶媒として大過剰に用いることもできる。
この場合には、モレキュラーシーブなどを用い、生成水
を除去しながら反応させると、反応を速やかに進行させ
ることができる。ここで用いるアルコールとしては、メ
タノールやエタノール、プロパノール、シクロヘキサノ
ールなどの脂肪族飽和アルコール、ベンジルアルコール
などのアラルキルアルコールが好適である。
【0047】ついで、第二工程では、下記のように、エ
ステル化された置換フタル酸の側鎖メチル基をハロゲン
化する反応を行う工程である。
【0048】
【化29】
【0049】この場合に用いるハロゲン化剤としては、
臭素、N-ブロモスクシンイミドなどが好ましい。そし
て、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタンなどの
不活性溶媒中、過酸化ベンゾイルやアゾビスイソブチロ
ニトリルなどのラジカル開始剤を触媒量加え、溶媒還流
温度において反応させる。第三工程は、下記のようにハ
ロゲン化された置換フタル酸に、亜りん酸エステル類を
反応させてホスホン酸を製造する工程である。
【0050】
【化30】
【0051】ここで用いる亜りん酸エステル類として
は、亜りん酸トリエチル、亜りん酸トリメチルなどが好
ましく、これらを反応させる場合には、無溶媒下、10
0℃前後の温度で反応させればよい。第四工程は、下記
のように、いわゆるホーナー反応によりジアリールケト
ンと亜りん酸エステル類からオレフィンを製造する工程
である。
【0052】
【化31】
【0053】この反応は、ジメチルスルホキシドなどの
不活性溶媒中、カリウムt−ブトキシドなどの塩基を加
えて、室温で攪拌下に反応させればよい。第五工程は、
下記のとおり、エステルの加水分解を行って、目的とす
るフタル酸誘導体を得る工程である。
【0054】
【化32】
【0055】ここでは、メタノール、エタノールなどの
両親媒性溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリ
ウム水溶液などのアルカリ水溶液を加えて、溶媒の還流
温度において反応させればよい。また、このフタル酸誘
導体から、前記一般式(5)で表される無水フタル酸を
製造する場合には、上記で得たフタル酸誘導体に、通常
使用される無水酢酸や五酸化リンなどの脱水剤を加え、
トルエン、キシレンなどの不活性溶媒中、室温ないし溶
媒の還流温度で反応させればよい。
【0056】また、別法として、以下に示す第二の方法
によって、フタル酸誘導体を製造することもできる。こ
の場合の第一工程においては、下記のように、アリール
ハライドを典型金属化合物に変換する反応である。
【0057】
【化33】
【0058】上記式で、典型金属Mの具体例としては、
B(OH)2 、Sn(C4 9 3、ZnClが挙げら
れる。ここで、有機ホウ素化合物〔Mが、B(O
H)2 〕に変換する場合、まずアリールハライドを、エ
ーテルやテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、ブチ
ルリチウム、金属リチウムなどのリチオ化剤でリチオ化
した後、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリメチルな
どのホウ酸エステルと反応させてアリールホウ酸エステ
ルとする。ついで、これを塩酸水溶液などで加水分解す
ることにより、有機ほう素化合物を得ることができる。
【0059】なお、アリールホウ酸エステルを得る別法
として、金属マグネシウムとアリールハライドを反応さ
せアリールグリニャール試薬とした後、ホウ酸トリイソ
プロピル、ホウ酸トリメチルなどのホウ酸エステル類と
反応させる方法を採用してもよい。また、アリールハラ
イドとジボロン酸ピナコールエステルを、触媒量のビス
(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロ
リドと三倍量の酢酸カリウムの存在下に、ジメチルスル
ホキシドを溶媒として、約80℃に加熱してアリールボ
ロン酸ピナコールエステルとし、これを塩酸水溶液など
により加水分解する方法を採用してもよい。
【0060】また、有機スズ化合物〔Mが、Sn(C4
9 3 〕に変換する場合には、アリールハライドを、
エーテルやテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、ブ
チルリチウム、金属リチウムなどのリチオ化剤でリチオ
化した後、トリブチルクロロスズなどを反応させる方法
を採用することにより、有機スズ化合物を得ることがで
きる。
【0061】なお、このアリールスズ化合物を得る別法
として、金属マグネシウムとアリールハライドを反応さ
せアリールグリニャール試薬とした後、これにトリブチ
ルクロロスズなどを反応させる方法を採用してもよい。
さらに、有機亜鉛化合物〔Mが、ZnCl〕に変換する
場合には、アリールハライドを、エーテルやテトラヒド
ロフランなどの不活性溶媒中、ブチルリチウム、金属リ
チウムなどのリチオ化剤でリチオ化した後、無水塩化亜
鉛などを反応させることにより、有機亜鉛化合物を得る
ことができる。
【0062】なお、このアリール亜鉛化合物を得る別法
として、金属マグネシウムとアリールハライドを反応さ
せアリールグリニャール試薬とした後、これに無水塩化
亜鉛などを反応させる方法を採用してもよい。つぎに、
第二工程では、下記のように、ハロゲン化されたフタル
酸無水物をエステル化することにより保護する工程であ
る。
【0063】
【化34】
【0064】この工程においては、硫酸などのプロトン
酸を触媒として、不活性溶媒中、溶媒の還流温度におい
て上記エステル化を行うことができる。ここで用いる不
活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素溶媒やクロロホルムなどのハロゲン系
炭化水素溶媒を用いると、生成する水を共沸混合物とし
て系外に除去できるので、反応が速やかに進行すること
から好ましい。また、この不活性溶媒を使用することな
く、アルコールを溶媒として大過剰に用いることもでき
る。この場合には、モレキュラーシーブなどを用いる
と、生成水を除去することができるので、反応が速やか
に進行する。ここで用いるアルコールとしては、例えば
メタノール、エタノール、プロパノール、シクロヘキサ
ノールなどの脂肪族飽和アルコールや、ベンジルアルコ
ールなどのアラルキルアルコールが好適である。
【0065】つぎに第三工程では、下記のとおり、ハロ
ゲン化フタル酸エステルと上記典型金属化合物との遷移
金属触媒によるカップリング反応である。
【0066】
【化35】
【0067】この反応において、典型金属化合物が有機
ホウ素化合物〔Mが、B(OH)2〕の場合は、一般に
鈴木反応と呼称されており、ハロゲン化されたフタル酸
エステルと有機ホウ素化合物を、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)や、酢酸パラジウム
(II)+トリス(o−トリル)ホスフィンなどのパラ
ジウム化合物を触媒とし、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸
カリウム水溶液などの無機塩基またはトリエチルアミン
などの有機塩基を使用し、トルエンやジメチルホルムア
ミド、ジメトキシエタンなどの不活性溶媒中で加熱する
ことにより反応させることができる。
【0068】典型金属化合物がスズ化合物〔Mが、Sn
(C4 9 3 〕の場合は、トルエン、キシレンなどの
芳香族系溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)などのパラジウム化合物を触媒と
して、溶媒の沸点付近に加熱することによってカップリ
ング反応を行うことができる。典型金属化合物が有機亜
鉛化合物〔Mが、ZnCl〕の場合は、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル系溶媒中、1,1−ビスジフェニル
ホスフィノフェロセンパラジウム(II)ジクロリドな
どのパラジウム化合物を触媒として、溶媒の沸点付近に
加熱することによってカップリング反応を行うことがで
きる。この場合、助触媒として沃化銅などを加えると反
応が速やかに進行する。
【0069】第四工程は、下記のようにエステルの加水
分解する工程であり、エタノールなどの両親媒性溶媒
中、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液な
どのアルカリ水溶液を加えて、溶媒の還流温度に加熱し
て反応させることにより、目的の化合物が得られる。
【0070】
【化36】
【0071】また、前記一般式(1)におけるAr1
2個有する化合物を得る場合には、つぎに示すような方
法によればよい。第一工程では、たとえばジクロロ無水
フタル酸を用いて、これをエステルに変換する。
【0072】
【化37】
【0073】第二工程においては、下記のとおりジハロ
ゲン化フタル酸エステルと上記典型金属化合物とのカッ
プリング反応を行う。
【0074】
【化38】
【0075】この反応は、基本的にはさきに述べた鈴木
反応と同じ反応条件下で達成されるが、ジクロロフタル
酸エステルの場合はクロロ基の反応性が低いため、たと
えば1,1’−ビス( ジフェニルホスフィノ) フェロセ
ンニッケル(II)ジクロリドや、酢酸パラジウム(I
I)+1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
+フッ化セシウム/N−メチルピロリドンの系で反応を
行なうのが好ましい。
【0076】第三工程は、下記のようにエステルの加水
分解を行う工程であり、上記の加水分解工程と同様に行
えばよい。
【0077】
【化39】
【0078】つぎに、このようにして得られたローダミ
ン誘導体は、下記のように、これをエステル化すること
により、ローダミン誘導体のエステルを得ることができ
る。そして、さらにイオン交換反応を行なうことによ
り、種々の対イオンを有する化合物に変換することが可
能である。
【0079】
【化40】
【0080】ここで用いるエステル化剤としては、たと
えば、ジメチル硫酸などの硫酸エステル類、ベンゼンス
ルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、クロ
ロベンゼンスルホン酸エステル、ブロモベンゼンスルホ
ン酸エステルなどが好適である。このエステル化に際し
て用いる溶媒としては、ローダミンのカルボキシル基の
求核性を高めるために、ジメチルホルムアミドなどの非
プロトン性極性溶媒が好ましい。
【0081】一般にローダミン誘導体は、溶媒の性質や
酸、塩基などにより、下記のように、互変異性体を生成
する。これらすべての互変異性体およびこれらの混合物
も本発明のローダミン誘導体に含まれる。
【0082】
【化41】
【0083】ここで、プロトン性溶媒とは、ヘテロ原子
に結合したプロトンを有する溶媒のことであり、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール類、ブチルアミン、ジエチルアミン、ピペリ
ジン、モルホリン、アニリンなどの脂肪族あるいは芳香
族の一級アミンや二級アミンが挙げられる。また、非プ
ロトン性溶媒とは、上記以外の溶媒のことであり、例え
ばクロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化
水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、エチルエーテ
ル、メチルt-ブチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられ
る。
【0084】また、プロトン酸としては、例えば塩酸、
臭化水素酸、硫酸、過塩素酸などの鉱酸、メタンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸類、酢
酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸類が挙げられ
る。そして、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、アニリ
ンなどの有機塩基が挙げられる。
【0085】つぎに、本発明における色素は、前記一般
式(1)で表される化学構造を有するローダミン誘導体
からなる色素である。そして、このローダミン系色素を
樹脂中に分散させることによって、本発明の色変換膜を
得ることができる。この色変換膜は、光源からの光によ
り励起された場合に発光する。
【0086】本発明の色変換膜においては、前記一般式
(I)で表される化学構造を有するローダミン系色素を
樹脂中に分散させるのであるが、これ以外の色素を同時
に樹脂中に分散させてもよい。本発明の色素と併用して
もよい色素としてはクマリン系色素やペリレン系色素、
フタロシアニン系色素、スチルベン系色素、シアニン系
色素、ポリフェニレン系色素、前記一般式(I)で表さ
れる以外の化学構造を有するローダミン系色素などがあ
る。
【0087】これらの色素を分散させる樹脂としては、
可視光の透過率が50%を超える透明度を有し、かつ熱
膨張率が小さいものが好ましい。さらに、色変換膜をパ
ターン加工し平面的に分離配置するために、フォトリソ
グラフィー法が適用できる感光性樹脂が好ましい。この
ような条件を満足するものとしては、例えばアクリル酸
系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系
等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料が挙
げられる。また、印刷法による場合には、透明な樹脂を
用いた印刷インキ(メジウム)が好適に用いられる。こ
れら樹脂の具体例をあげれば、ポリ塩化ビニル樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン
酸樹脂、ポリアミド樹脂のオリゴマーまたはポリマー、
ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースなどがある。さらに、その他にも芳香族スル
ホンアミド樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂な
どを用いてもよい。これらの樹脂は、1種単独で用いて
もよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0088】本発明の色変換膜は、上記色素を樹脂中に
分散して透光性基板上に製膜する方法によって製造す
る。この場合、樹脂に分散させる色素の含有割合は、通
常、0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜
5重量%である。また、製膜方法については、とくに制
約はなく、通常のキャスト法、スピンコート法、蒸着
法、電解法、印刷法などを採用すればよいが、これらの
中でも特にスピンコート法が好適である。
【0089】このようにして製膜される色変換膜の膜厚
は、入射光を所望の波長に変換するため、これに必要な
膜厚とする必要がある。この膜厚としては、通常、1〜
100μm、好ましくは1〜20μmの範囲内において
適宜選定される。また、この色変換膜の製膜時に用いら
れる透光性基板としては、波長400〜700nmの可
視光領域の光の透過率が50%以上であり、かつ平滑な
基板であるものが好ましい。このような透光性基板とし
ては、たとえば、ガラス基板や合成樹脂板が用いられ
る。ガラス板としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・
ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミケイ酸ガ
ラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、
石英などが挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポ
リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリ
スルフォン樹脂などが挙げられる。
【0090】この色変換膜は、有機エレクトロルミネッ
センス素子を用いたディスプレイをフルカラー化する際
に使用され、その場合の光源としては有機エレクトロル
ミネッセンス素子が好適であるが、これに限定されるも
のではなく、例えばLED、冷陰極管、無機エレクトロ
ルミネッセンス素子、蛍光灯、白熱灯などであってもよ
い。
【0091】そして、この色変換膜を透過する光の品位
をさらに改善するには、所望の波長に変換する別のカラ
ーフィルターを併設し、色純度を調整することにより、
さらに高精細化を図ることができる。ここで併設するカ
ラーフィルターとしては、例えばペリレン系顔料、レー
キ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラ
キノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系
顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔
料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン
系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジ
オキサジン系顔料などを1種単独で、あるいは2種以上
を混合した色素のみを用いたカラーフィルター、または
これら色素をバインダー樹脂中に溶解させてカラーフィ
ルターに成形したものを用いることができる。
【0092】つぎに、この色変換膜を使用する際の形態
としては、下記の構成がある。 (1) 光源/色変換膜 (2) 光源/透光性基板/色変換膜 (3) 光源/色変換膜/透光性基板 (4) 光源/透光性基板/色変換膜/透光性基板 (5) 光源/色変換膜/カラーフィルター (6) 光源/透光性基板/色変換膜/カラーフィルタ
ー (7) 光源/色変換膜/透光性基板/カラーフィルタ
ー (8) 光源/透光性基板/色変換膜/透光性基板/カ
ラーフィルター (9) 光源/透光性基板/色変換膜/カラーフィルタ
ー/透光性基板 (10)光源/色変換膜/カラーフィルター/透光性基
板 ここで例示した構成は、個々の構成要素を順次積層して
作成してもよいし、貼合わせて作成してもよい。
【0093】つぎに、本発明の有機エレクトロルミネッ
センス素子は、一対の電極間に少なくとも発光層を挟持
してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
その発光層などに前記一般式(I)で表される化学構造
を有するローダミン誘導体を含有させてなる有機エレク
トロルミネッセンス素子である。この有機エレクトロル
ミネッセンス素子は、これを作製する材料および素子構
成については従来の有機エレクトロルミネッセンス素子
と同様である。
【0094】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子について、その素子構成の代表的な例を示すと、下記
ののとおりである。 陽極/発光層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/陰極 陽極/発光層/電子注入層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 陽極/有機半導体層/発光層/陰極 陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極 陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/陰極 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入
層/陰極 そして、前記一般式(1)で表される化学構造を有する
ローダミン誘導体は、上記の構成要素のうちのいずれか
の層に含有させる。このローダミン誘導体の含有割合
は、0.01〜50モル%、好ましくは0.01〜10
モル%である。この含有割合は、ローダミン誘導体を含
有させた層のみについての含有割合を示す値である。
【0095】この有機エレクトロルミネッセンス素子
は、透光性基板の上に形成する。この透光性基板は、前
記色変換膜の製膜時に用いる透光性基板と同様の材質の
ものを適宜選択して使用すればよい。つぎに、上記陽極
としては、仕事関数の大きい、たとえば4エレクトロン
ボルト以上の金属や合金、電気伝導性化合物またはこれ
らの混合物を電極物質とするものが好適に用いられる。
この電極物質の具体例としては、Auなどの金属、Cu
I、ITO、SnO2 、ZnOなどの導電性材料が挙げ
られる。そして、これらの電極物質は、蒸着法やスパッ
タリング法などの方法により、上記透光性基板の上に薄
膜を形成させて、これを陽極とする。
【0096】このようにして形成された陽極より、発光
層からの発光を取り出す場合、陽極の該光に対する透過
率が10%よりも大となるようにするとよい。また、陽
極のシート抵抗は、数百Ω/□以下となるようにするの
が好ましい。そして、前記性能を確保するためには、陽
極の材料にもよるが、陽極の膜厚としては、通常10n
m〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択
すればよい。
【0097】つぎに、有機エレクトロルミネッセンス素
子の発光層については、下記の機能を併せ持つものが好
適に用いられる。 1)注入機能;電界印加時に、陽極または正孔注入層よ
り正孔を注入することができ、陰極または電子注入層よ
り電子を注入することができる機能 2)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力
で移動させる機能 3)発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これ
を発光に繋げる機能 ただし、この場合、正孔の注入され易さと電子の注入さ
れ易さには違いがあってもよく、また正孔と電子の移動
度で表される輸送機能には大小があってもよいが、いず
れか一方の電荷を移動させることが好ましい。
【0098】つぎに、有機エレクトロルミネッセンス素
子の発光層に用いる発光材料は、主として有機化合物で
あり、これらは希望する色調に適合するものを適宜選択
して使用する。このような観点から、具体的な色調と化
合物の関係を分類すると下記のとおりである。紫外域か
ら紫色の発光を得る場合には、下記の一般式
【0099】
【化42】
【0100】〔式中のXは、下記
【0101】
【化43】
【0102】(式中のnは2〜5の整数を示す)で表さ
れる基を示し、Yは、下記
【0103】
【化44】
【0104】で表される基を示す。〕で表される化合物
が好適に使用される。さらに、この一般式で表される化
合物において、その式中のフェニル基、フェニレン基、
ナフチル基に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、水酸基、スルホニル基、カルボニル
基、アミノ基、ジメチルアミノ基またはジフェニルアミ
ノ基などの置換基を1個または複数個有するものであっ
てもよい。また、この式中の芳香環の相互間に飽和5員
環、6員環を形成した化合物であってもよい。さらに、
これらフェニル基、フェニレン基、ナフチル基の結合位
置はパラ位において相互に結合したものが、透光性基板
との結合性がよく、平滑な蒸着膜を形成することから特
に好ましい。
【0105】上記式で表される化合物についての具体例
を示せば、下記のとおりである。
【0106】
【化45】
【0107】
【化46】
【0108】これら化合物の中でも、特にp−クォータ
ーフェニル誘導体、p−クインクフェニル誘導体が好ま
しい。また、青色から緑色の発光を得るには、たとえば
ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオ
キサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキシ
ノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物を使用すれば
よい。
【0109】これら化合物の具体例としては、たとえば
特開昭59−194393号公報に記載の化合物やケミ
ストリー オブ シンセティック ダイズ(1971)
の628〜637頁および640頁に記載の化合物を用
いることができる。また、金属キレート化オキシノイド
化合物としては、特開昭63−295695号公報に記
載の化合物を用いることができ、その代表例として、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウムなどの8−ヒド
ロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピントリジオ
ンなどが用いられる。またスチリルベンゼン系化合物と
しては、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許
第0373582号明細書に記載の化合物を用いること
ができる。また、特開平2−252793号公報に記載
のジスチリルピラジン誘導体や、欧州特許第03877
15号明細書に記載のポリフェニル系化合物も発光層の
材料として用いることもできる。
【0110】さらに、上記の蛍光増白剤、金属キレート
化オキシノイド化合物およびスチリルベンゼン系化合物
の他に、たとえば、12−フタロペリノン〔J. App
l.Phys.,第27巻,L713(1988年)〕、
1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,
4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン〔以上、
Appl. Phys. Lett.,第56巻,L799
(1990年)〕、ナフタルイミド誘導体(特開平2−
305886号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−1
89890号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平
2−216791号公報、第38回応用物理学関係連合
講演会で浜田らが開示したオキサジアゾール誘導体)、
アルダジン誘導体(特開平2−220393号公報)、
ピラジリン誘導体(特開平2−220394号公報)、
シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号
公報)、ピロロピロール誘導体(特開平2−29689
1号公報)、スチリルアミン誘導体(Appl. Phy
s. Lett.,第56巻,L799(1990年)、ク
マリン系化合物(特開平2−191694号公報)、国
際特許公報WO90/13148やAppl. Phy
s. Lett.,vol58,18,P1982(199
1)に記載されている高分子化合物なども、発光層の材
料として用いることができる。
【0111】本発明では、特に発光層の材料として、芳
香族ジメチリディン系化合物(欧州特許第038876
8号明細書、特開平3−231970号公報)を用いる
ことが好ましい。具体例としては、4,4’−ビス
(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニ
ル、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフ
ェニルおよびそれらの誘導体を用いることができる。ま
た、特開平5−258862号公報等に記載されている
一般式(Rs−Q)2 −Al−O−L〔ただし、Lはフ
ェニル部分を含む炭素原子6〜24個の炭化水素基であ
り、O−Lはフェノラート配位子であり、Qは置換8−
キノリノラート配位子を表し、Rsはアルミニウム原子
に置換8−キノリノラート配位子が2個を上回り結合す
るのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラ
ート環置換基を表す〕で表される化合物を用いることも
できる。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム
(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)
(1−ナフトラート)アルミニウム(III)などを用
いることができる。
【0112】さらに、特開平6−9953号公報に記載
されているドーピングを用いた高効率の青色と緑色の混
合発光を得るようにしてもよい。この場合、ホストとし
ては上記の発光材料、ドーパントとしては青色から緑色
までの強い蛍光色素、例えばクマリン系あるいは上記に
記載のホストとして用いられているものと同様な蛍光色
素を挙げることができる。具体的にはホストとして、ジ
スチリルアリーレン骨格の発光材料、特に好ましくは
4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニ
ル、ドーパントとしてはジフェニルアミノビニルアリー
レン、特に好ましくは、N,N−ジフェニルアミノビニ
ルベンゼンを用いることができる。
【0113】つぎに、白色の発光を得る発光層としては
特に制限はないが、たとえば下記のものを用いることが
できる。 1)有機エレクトロルミネッセンス積層構造体の各層の
エネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光
させるもの(欧州特許第0390551号公報) 2)1)と同じくトンネル注入を利用する素子で、具体
例として白色発光素子を用いるもの(特開平3−230
584号公報) 3)二層構造の発光層からなるもの(特開平2−220
390号公報および特開平2−216790号公報) 4)発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる
材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報) 5)青色発光体(蛍光ピーク380〜480nm)と緑
色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに
赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207
170号公報) 6)青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が
赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体
を含有する構成のもの(特開平7−142169号公
報) これらの中では、5)の構成のものがとくに好ましく用
いられる。
【0114】また、赤色蛍光体としては、本発明のロー
ダミン系色素を用いることが好ましいが、これ以外のも
のを併用することができる。本発明のローダミン系色素
と併用するのに好適な赤色蛍光体としては、たとえば下
記のものがある。
【0115】
【化47】
【0116】つぎに、上記材料を用いて発光層を形成す
る方法としては、たとえば蒸着法、スピンコート法、L
B法等の公知の方法を適用することができる。発光層
は、特に分子堆積膜であることが好ましい。この分子堆
積膜は、気相状態の材料化合物から沈着され形成された
薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体
化され形成された膜であり、通常この分子堆積膜は、L
B法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構
造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違に
より区分することができる。
【0117】また、樹脂などの結着剤と材料化合物とを
溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等
により薄膜化することにより発光層を形成(特開昭57
−51781号公報参照)することもできる。このよう
にして形成される発光層の膜厚については特に制限はな
く、状況に応じて適宜選択することができるが、通常、
5nm〜5μmの範囲が好ましい。この発光層は、上記
材料の1種または2種以上からなる一層で構成してもよ
いし、また、前記発光層とは別種の化合物からなる発光
層を積層した構造を有するものであってもよい。
【0118】つぎに、正孔注入層については、必ずしも
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に必要なも
のではないが、発光性能の向上のために用いた方が好ま
しいものである。この正孔注入層は、発光層への正孔注
入を促進し、あるいは容易にする層であって、正孔移動
度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5エレクト
ロンボルト以下と小さい。このような正孔注入層として
は、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料を
用いて構成することが好ましく、さらに正孔の移動度
が、たとえば104 〜106 V/cmの電界印加時に、
少なくとも10-6cm2 /V・秒であるものが好まし
い。
【0119】このような正孔注入材料については、前記
の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、
従来から、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料とし
て慣用されているものや、エレクトロルミネッセンス素
子の正孔注入層に使用される公知のものの中から任意の
ものを選択して用いることができる。この正孔注入材料
の具体例としては、たとえば、トリアゾール誘導体(米
国特許3,112,197号明細書等)、オキサジアゾ
ール誘導体(米国特許3,189,447号明細書
等)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号
公報等)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,
615,402号明細書、同第3,820,989号明
細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−
555号公報、同51−10983号公報、特開昭51
−93224号公報、同55−17105号公報、同5
6−4148号公報、同55−108667号公報、同
55−156953号公報、同56−36656号公報
等)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国
特許第3,180,729号明細書、同第4,278,
746号明細書、特開昭55−88064号公報、同5
5−88065号公報、同49−105537号公報、
同55−51086号公報、同56−80051号公
報、同56−88141号公報、同57−45545号
公報、同54−112637号公報、同55−7454
6号公報等)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第
3,615,404号明細書、特公昭51−10105
号公報、同46−3712号公報、同47−25336
号公報、特開昭54−53435号公報、同54−11
0536号公報、同54−119925号公報等)、ア
リールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号
明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,2
40,597号明細書、同第3,658,520号明細
書、同第4,232,103号明細書、同第4,17
5,961号明細書、同第4,012,376号明細
書、特公昭49−35702号公報、同39−2757
7号公報、特開昭55−144250号公報、同56−
119132号公報、同56−22437号公報、西独
特許第1,110,518号明細書等)、アミノ置換カ
ルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書
等)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,2
03号明細書等)、スチリルアントラセン誘導体(特開
昭56−46234号公報等)、フルオレノン誘導体
(特開昭54−110837号公報等)、ヒドラゾン誘
導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭
54−59143号公報、同55−52063号公報、
同55−52064号公報、同55−46760号公
報、同55−85495号公報、同57−11350号
公報、同57−148749号公報、特開平2−311
591号公報等)、スチルベン誘導体(特開昭61−2
10363号公報、同第61−228451号公報、同
61−14642号公報、同61−72255号公報、
同62−47646号公報、同62−36674号公
報、同62−10652号公報、同62−30255号
公報、同60−93455号公報、同60−94462
号公報、同60−174749号公報、同60−175
052号公報等)、シラザン誘導体(米国特許第4,9
50,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−2
04996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−
282263号公報)、特開平1−211399号公報
に記載の導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリ
ゴマー)などがある。
【0120】正孔注入層の材料としては上記のものを使
用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭6
3−2956965号公報等)、芳香族第三級アミン化
合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,12
7,412号明細書、特開昭53−27033号公報、
同54−58445号公報、同54−149634号公
報、同54−64299号公報、同55−79450号
公報、同55−144250号公報、同56−1191
32号公報、同61−295558号公報、同61−9
8353号公報、同63−295695号公報等)、特
に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0121】また、米国特許第5,061,569号に
記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、
たとえば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−
フェニルアミノ)ビフェニルや、特開平4−30868
8号公報に記載のトリフェニルアミンユニットが、3つ
スターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス
(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)
トリフェニルアミンなどを挙げることができる。
【0122】また、前記発光層の材料として示した芳香
族ジメチリディン系化合物のほか、p型−Si、p型−
SiC等の無機化合物を、正孔注入層の材料として使用
することができる。つぎに、上記の正孔注入層を形成す
る方法としては、上述の正孔注入材料を、たとえば真空
蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知
の方法により薄膜化する方法を採用刷ればよい。この正
孔注入層の膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜
5μmである。この正孔注入層は、上述した材料の1種
または2種以上からなる一層で構成してもよいし、また
は前記正孔注入層とは別種の化合物からなる正孔注入層
を積層した構造を有するものであってもよい。
【0123】また、前記有機半導体層は、発光層への正
孔注入または電子注入を促進し、あるいは容易にする層
であって、10-10 S/cm以上の導電率を有するもの
が好適である。この様な有機半導体層の材料としては、
含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公
報に記載の含アリールアミンオリゴマーなどの導電性オ
リゴマーや、含アリールアミンデンドリマーなどの導電
性デンドリマーなどを用いることができる。
【0124】つぎに、前記電子注入層は、必ずしも本発
明の有機エレクトロルミネッセンス素子に必要なもので
はないが、発光性能の向上のためには用いた方が好まし
いものである。この電子注入層は、発光層への電子の注
入を促進し、あるいは容易にする層であって、電子移動
度が大きく、アフィニティレベルが通常3エレクトロン
ボルトと大きい。この電子注入層に用いられる電子伝達
化合物としては、より低い電界強度で電子を発光層に輸
送する材料が好ましく、さらに電子の移動度が、例えば
104 〜106 V/cmの電界印加時に、少なくとも1
-6cm2 /V・秒であるものが好ましい。この電子伝
達化合物としては、前記の好ましい性質を有するもので
あれば特に制限はなく、従来から、光導伝材料において
電子の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機
エレクトロルミネッセンス素子の電子注入層に使用され
ている公知の電子伝達化合物の中から任意に選択して用
いることができる。
【0125】この電子注入層に用いられる具体的な材料
としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の
金属錯体が好適である。そして、これら材料を用いた場
合、特に陰極との付着性がよく、このために電子移動度
が大である。この電子注入層の中でも、特に陰極との付
着性のよい材料を用いて形成された層は、付着改善層と
称される。この8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導
体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−
キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリン)のキレー
トを含む金属キレートオキシノイド化合物がある。そし
て、さらに具体的には、トリス(8−キノリノール)ア
ルミニウムを電子注入材料として用いることができる。
【0126】この他の電子伝達化合物としては、下記の
一般式で表されるオキサジアゾール誘導体が挙げられ
る。
【0127】
【化48】
【0128】〔式中のAr1 、Ar2 、Ar3 、A
5 、Ar6 、Ar9 は、それぞれ置換または無置換の
アリール基を示し、それぞれ互いに同一であってもよ
く、異なっていてもよい。また、Ar4 、Ar7 、Ar
8 は、置換または無置換のアリーレン基を示し、それぞ
れ同一であってもよく、異なっていてもよい。〕 上記のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル
基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げ
られる。またアリーレン基としては、フェニレン基、ナ
フチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリ
レニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。また、こ
れらへの置換基としては、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基などが挙
げられる。この電子伝達化合物は、薄膜形成性のよいも
のが好ましい。
【0129】上記電子伝達化合物の具体例としては、下
記のものが挙げられる。
【0130】
【化49】
【0131】そして、上記電子注入層を形成する方法と
しては、たとえば真空蒸着法、スピンコート法、キャス
ト法、LB法などの公知の方法により薄膜化することが
できる。電子注入層の膜厚は、特に制限はないが、通常
は5nm〜5μmである。この電子注入層は、上述した
材料の1種または2種以上からなる一層で構成されても
よいし、または前記電子注入層とは別種の化合物からな
る電子注入層を積層したものであってもよい。
【0132】つぎに、陰極としては、仕事関数の小さ
い、具体的には4エレクトロンボルト以下の金属や合
金、電気伝導性化合物およびそれらの混合物を電極物質
とするものが用いられる。このような電極物質の具体例
としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マ
グネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミ
ニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合
金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。
【0133】この陰極は、これら電極物質を蒸着法やス
パッタリング法などの方法により、薄膜を形成させるこ
とにより作製することができる。そして、前記発光層か
らの光を陰極から取り出す場合、陰極における該光の透
過率が10%より大であることが好ましい。また、陰極
としてのシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましく、膜
厚は、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200
nmである。
【0134】つぎに、本発明の有機エレクトロルミネッ
センス素子を作製する方法については、上記の材料およ
び各層の形成方法にしたがって、陽極、発光層、必要に
応じて正孔注入層、および/または電子注入層を形成
し、さらに陰極を順次形成すればよい。また、上記と逆
の順序で、陰極から陽極へと作製してもよい。つぎに、
透光性基板上に、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入
層/陰極を順次設けた構成の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を作製する場合の具体的な方法について説明す
る。
【0135】まず、適当な透光性基板上に、蒸着法やス
パッタリング法により、陽極材料からなる薄膜を、その
膜厚が1μm以下、好ましくは10〜200nmとなる
ように形成して陽極を作製する。つぎに、この陽極の上
に、正孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、正孔注
入材料を真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、L
B法などにより製膜することができるが、均質な膜が得
られ易く、かつピンホールが発生しにくいなどの点から
真空蒸着法によのが好ましい。真空蒸着法により正孔注
入層を形成する場合の蒸着条件は、用いる正孔注入材料
の種類や、目的とする正孔注入層の結晶構造、キャリア
(電荷)の移動度などにより異なるが、蒸着源温度50
〜450℃、真空度10-7〜10-3torr、蒸着速度
0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、
膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選択すればよい。
【0136】そして、この正孔注入層上に発光層を設け
る。発光層の形成についても所望の有機発光材料を、真
空蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、キャス
ト法などにより薄膜化すればよいが、均質な膜が得られ
易く、かつピンホールが発生しにくいなどの点から真空
蒸着法によるのが特に好ましい。真空蒸着法により発光
層を形成する場合の蒸着条件は、使用する化合物により
異なるが、一般的には正孔注入層と同様な条件の範囲内
から選択すればよい。
【0137】ついで、この発光層の上に、電子注入層を
設ける。電子注入層の形成においても、上記正孔注入層
や発光層と同様、均質な膜を得る必要から真空蒸着法に
よって形成するのが好ましい。この場合の蒸着条件は、
正孔注入層や発光層と同様の条件範囲から選択すること
ができる。ここで、前記一般式(1)で表される化学構
造を有するローダミン誘導体は、上記のいずれの層に含
有させてもよいが、その場合、いずれの層に含有させる
かにより異なるが、真空蒸着法を用いる場合には、この
ローダミン誘導体を他の材料と共蒸着することができ
る。また、スピンコート法を用いる場合には、これを他
の材料と混合して製膜することにより含有させることが
できる。
【0138】最後に、上記で得られた電子注入層の上
に、陰極を積層して有機エレクトロルミネッセンス素子
を得ることができる。この陰極は、金属から構成される
ので、蒸着法やスパッタリング法により形成することが
できる。しかしながら、下地の有機物層を製膜時の熱に
よる損傷から守るために、真空蒸着法が好ましい。この
有機エレクトロルミネッセンス素子の作製時には、陽極
の形成から陰極の形成に至るまでの間、外気に接触させ
ることなく、真空下で順次積層して作製することが好ま
しい。
【0139】そして、この有機エレクトロルミネッセン
ス素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極
を−の極性にして、5〜40Vの電圧を印加することに
より、発光を観測することができるが、逆の極性で電圧
を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。さら
に、交流電圧を印加した場合には、陽極が+、陰極が−
の極性になった時のみ、均一な発光が観測される。ここ
で印加する交流の波形は任意でよい。
【0140】
〔実施例1〕
(1)4−メチルフタル酸ジエチルの合成 4−メチルフタル酸無水物16g(99ミリモル)をエ
タノール80ミリリットルに溶解し、硫酸1ミリリット
ルを加えた後、これをモレキュラーシーブ3Aを充填し
たソックスレー抽出器により9時間還流した。
【0141】ついで、得られた反応混合物を濃縮し、残
渣を酢酸エチル100ミリリットルに溶解し、水100
ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ミ
リリットル、飽和食塩水30ミリリットルで洗浄した
後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、溶媒を留去し、
さらに減圧乾燥することにより、4−メチルフタル酸ジ
エチルの無色液体21.8g(収率93%)を得た。 (2)4−ブロモメチルフタル酸ジエチルの合成 上記(1)で得られた4−メチルフタル酸ジエチル2
1.8g(92ミリモル)とN−ブロモスクシンイミド
17g(96ミリモル)を四塩化炭素250ミリリット
ルに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.6g
(3.7ミリモル)を加えて、メカニカルスターラーで
激しく攪拌しながら、100℃において2時間加熱して
反応させた。
【0142】ついで、得られた反応混合物をショートカ
ラム(シリカゲル/ジクロロメタン)を用いて精製し、
4−ブロモメチルフタル酸ジエチルの黄色液体30.6
gを得た。 (3)3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホ
スホン酸ジエチルの合成 上記(2)で得られた4−ブロモメチルフタル酸ジエチ
ル30.6g(57ミリモル)に、亜りん酸トリエチル
13ミリリットル(76ミリモル)を混合し、100℃
において2時間攪拌下に反応させた。
【0143】ついで、得られた反応混合物をアスピレー
タ減圧下に蒸留して、未反応の亜リン酸トリエチルを除
去した。さらに、その残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル/ヘキサン+ジクロロメタン=2:1)で
精製して、3,4−ビス( エトキシカルボニル) ベンジ
ルホスホン酸ジエチルの黄色オイル16.7g(収率7
9%)を得た。 (4)4−(2,2−ジフェニルエテニル)フタル酸ジ
エチルの合成 上記(3)で得られた3,4−ビス(エトキシカルボニ
ル)ベンジルホスホン酸ジエチル3g(8.1ミリモ
ル)と、ベンゾフェノン1.5g(8.2ミリモル)
を、ジメチルスルホキシド10ミリリットルに溶解し、
カリウムt−ブトキシド0.9g(8.0ミリモル)を
加えて、アルゴン気流下に、室温で6時間攪拌して反応
させた。
【0144】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル120ミリリットルで抽出し、有
機層を水100ミリリットルで2回洗浄した後、飽和食
塩水50ミリリットルで1回洗浄した。ついで、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒留去して黄色オイルを得た。
さらに、これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/
ヘキサン+20%酢酸エチル)で精製して、4−(2,
2−ジフェニルエテニル)フタル酸ジエチルの淡黄色オ
イル2.7g(収率83%)を得た。 (5)4−(2,2−ジフェニルエテニル) フタル酸の
合成 上記(4)で得られた4−(2,2−ジフェニルエテニ
ル)フタル酸ジエチル2.7g(6.7ミリモル)を、
エタノール10ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム
水溶液1.5g(27ミリモル)を加えて、8時間還流
下に反応を行った。
【0145】得られた反応混合物を水100ミリリット
ルで希釈し、クロロホルム50ミリリットルで洗浄した
後、水層を5%濃度の塩酸を加えて酸性にした。つい
で、酢酸エチル100ミリリットルで抽出して、有機層
を飽和食塩水30ミリリットルで洗浄した。さらに、硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、減圧乾燥
し、4−(2,2−ジフェニルエテニル) フタル酸の黄
色アモルファス固体1.9g(収率82%)を得た。 (6)ローダミン誘導体の合成 上記(5)で得られた4−(2,2−ジフェニルエテニ
ル) フタル酸1.9g(5.5ミリモル)を、1,2−
ジクロロベンゼン10ミリリットルに懸濁し、アルゴン
気流下、ディーンスタークトラップを取り付けて、この
懸濁液を180℃に加熱した。
【0146】ついで、この懸濁液に、N,N−ジエチル
−3−アミノフェノール0.9gを加え、さらにN,N
−ジエチル−3−アミノフェノール0.45gを1時間
おきに2回加えた。3時間後に、反応混合物を放冷し、
カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続
いて酢酸エチル+20%メタノール)で精製して紫色ア
モルファス固体1.1g(収率31%)を得た。
【0147】ここで得られた固体は、1 H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.35(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜7.6(20H,m)の吸収が観
察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン
誘導体であることが確認された。
【0148】
【化50】
【0149】〔実施例2〕 (1)4−〔2−フェニル−2−(4−t−ブチルフェ
ニル) エテニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル3.6g(9.7ミリモル)と、4−t−ブ
チルベンゾフェノン2.3g(9.7ミリモル)をジメ
チルスルホキシド12ミリリットルに溶解し、さらにカ
リウムt−ブトキシド1.1g(9.7ミリモル)を加
えて、アルゴン気流下に、室温で9時間攪拌下に反応を
行った。
【0150】得られた反応混合物を水100ミリリット
ルで希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出した
後、有機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、黄色オイル
を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/
ヘキサン+20%酢酸エチル)で精製して、4−〔2−
フェニル−2−(4−t−ブチルフェニル) エテニル〕
フタル酸ジエチルの淡黄色オイル2.8g(収率63
%)を得た。 (2)4−〔2−フェニル−2−(4−t−ブチルフェ
ニル) エテニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
t−ブチルフェニル)エテニル〕フタル酸ジエチル2.
8g(6.1ミリモル)をエタノール10ミリリットル
に溶解し、水酸化カリウム水溶液1.4g(25ミリモ
ル)を加えて、9時間還流下に反応させた。
【0151】ついで、反応混合物を水100ミリリット
ルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。さらに、酢
酸エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食
塩水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥して、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2−フェ
ニル−2−(4−t−ブチルフェニル) エテニル〕フタ
ル酸の黄色アモルファス固体2.2g(収率90%)を
得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
t−ブチルフェニル)エテニル〕フタル酸2.2g
(5.5ミリモル)を、1.2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタ
ークトラップを取り付けて、この懸濁液を180℃に加
熱した。この懸濁液に、N,N−ジエチル−3−アミノ
フェノール0.9gを加え、さらにN,N−ジエチル−
3−アミノフェノール0.45gを、1時間おきに2回
加えた。3時間後、反応混合物を放冷し、カラムクロマ
トグラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチ
ル+20%メタノール)で精製して、紫色アモルファス
固体0.8g(収率21%)を得た。
【0152】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、1.33(9H,s)、
3.36(8H,q,J=7Hz)、6.3〜7.7
(19H,m)の吸収が観察され、この結果、下記の化
学構造を有するローダミン誘導体であることが確認され
た。
【0153】
【化51】
【0154】〔実施例3〕 (1)4−〔2−フェニル−2−(2−ナフチル) エテ
ニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス( エトキシカルボニル) ベンジルホスホン
酸ジエチル1.9g(5.1ミリモル)と、2−ベンゾ
イルナフタレン1.2g(5.1ミリモル)を、ジメチ
ルスルホキシド6ミリリットルに溶解し、カリウムt−
ブトキシド0.6g(5.4ミリモル)を加えて、アル
ゴン気流下に、室温において4時間攪拌し、一晩放置し
て反応させた。
【0155】得られた反応混合物を水60ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+20%酢酸エチル)で精製して、4−
〔2−フェニル−2−(2−ナフチル) エテニル〕フタ
ル酸ジエチルの淡黄色オイル1.6g(収率70%)を
得た。 (2)4−〔2−フェニル−2−(2−ナフチル) エテ
ニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(2−
ナフチル) エテニル〕フタル酸ジエチル1.6g(3.
5ミリモル)を、エタノール10ミリリットルに溶解
し、水酸化カリウム水溶液0.8g(14ミリモル)を
加えて、5時間還流下に反応させた。
【0156】得られた反応混合物を水80ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2−フェ
ニル−2−(2−ナフチル) エテニル〕フタル酸の淡黄
色アモルファス固体1.4gを得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2−フェニル−2−(2−
ナフチル) エテニル〕フタル酸1.4g(3.6ミリモ
ル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸
濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタークトラップを
取り付けて、この懸濁液を180℃に加熱した。つい
で、これにN,N−ジエチル−3−アミノフェノール
0.6gを加え、さらにN,N−ジエチル−3−アミノ
フェノール0.3gを1時間おきに2回加えた。3時間
後、反応混合物を放冷し、カラムクロマトグラフィ(シ
リカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチル+10%メタ
ノール)で精製して紫色アモルファス固体0.45g
(収率18%)を得た。
【0157】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.16
(12H,t,J=7Hz)、3.35(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜7.8(22H,m)の吸収が観
察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン
誘導体であることが確認された。
【0158】
【化52】
【0159】〔実施例4〕 (1)4−〔2−フェニル−2−(4−フェニルフェニ
ル)エテニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル1.8g(4.8ミリモル)と、4−フェニ
ルベンゾフェノン1.2g(4.8ミリモル)を、ジメ
チルスルホキシド6ミリリットルに溶解し、カリウムt
−ブトキシド0.5g(4.8ミリモル)を加えて、ア
ルゴン気流下に、室温において7時間攪拌して反応させ
た。
【0160】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+20%酢酸エチル)で精製して、4−
〔2−フェニル−2−(4−フェニルフェニル) エテニ
ル〕フタル酸ジエチルの淡黄色オイル1.8g(収率7
9%)を得た。 (2)4−〔2−フェニル−2−(4−フェニルフェニ
ル) エテニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
フェニルフェニル) エテニル〕フタル酸ジエチル1.8
g(3.8ミリモル)を、エタノール10ミリリットル
に溶解し、水酸化カリウム水溶液0.8g(14ミリモ
ル)を加えて、5時間還流下に反応させた。
【0161】得られた反応混合物を水80ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2−フェ
ニル−2−(4−フェニルフェニル) エテニル〕フタル
酸の淡黄色アモルファス固体1.4g(収率88%)を
得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
フェニルフェニル) エテニル〕フタル酸1.4g(3.
3ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリッ
トルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタークト
ラップを取り付けて、この懸濁液を180℃に加熱し
た。ついで、これにN,N−ジエチル−3−アミノフェ
ノール0.5gを加え、さらにN,N−ジエチル−3−
アミノフェノール0.3gを1時間おきに2回加えた。
3時間後、反応混合物を放冷し、カラムクロマトグラフ
ィ(シリカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチル+20
%メタノール)で精製して紫色アモルファス固体0.8
g(収率21%)を得た。
【0162】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.15
(12H,t,J=7Hz)、3.34(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜6.6(18H,m)の吸収が観
察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン
誘導体であることが確認された。
【0163】
【化53】
【0164】〔実施例5〕 (1)4−〔2,2−ビス(4−t−ブチルフェニル)
エテニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル3.5g(9.4ミリモル)と、4,4’−
ジ−t−ブチルベンゾフェノン2.8g(9.4ミリモ
ル)を、ジメチルスルホキシド12ミリリットルに溶解
し、カリウムt−ブトキシド1.1g(9.4ミリモ
ル)を加えて、アルゴン気流下に、室温において5時間
攪拌し、一晩放置して反応させた。
【0165】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−
〔2,2−ビス(4−t−ブチルフェニル) エテニル〕
フタル酸ジエチルの淡黄色オイル2.2g(収率46
%)を得た。 (2)4−〔2,2−ビス(4−t−ブチルフェニル)
エテニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2,2−ビス(4−t−ブ
チルフェニル〕エテニル) フタル酸ジエチル2.2g
(4.3ミリモル)を、エタノール10ミリリットルに
溶解し、水酸化カリウム水溶液1.0g(18ミリモ
ル)を加えて、7時間還流下に反応させた。
【0166】得られた反応混合物を水80ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2,2−
ビス(4−t−ブチルフェニル) エテニル〕フタル酸の
淡黄色アモルファス固体1.9g(収率97%)を得
た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2,2−ビス(4−t−ブ
チルフェニル) エテニル〕エテニル) フタル酸1.9g
(4.3ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタ
ークトラップを取り付けて、この懸濁液を180℃に加
熱した。ついで、これにN,N−ジエチル−3−アミノ
フェノール0.7gを加え、さらにN,N−ジエチル−
3−アミノフェノール0.35gを1時間おきに2回加
えた。3時間後、反応混合物を放冷し、カラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチル
+10%メタノール)で精製して赤色アモルファス固体
0.9g(収率29%)を得た。
【0167】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.33(18H,
s)、3.36(8H,q,J=7Hz)、6.3〜
7.7(18H,m)の吸収が観察され、この結果、下
記の化学構造を有するローダミン誘導体であることが確
認された。
【0168】
【化54】
【0169】〔実施例6〕 (1)4−〔2,2−ビス(4−ヘキシルフェニル)エ
テニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル2.0g(5.4ミリモル)と、4,4’−
ジ−t−ブチルベンゾフェノン1.9g(5.4ミリモ
ル)を、ジメチルスルホキシド7ミリリットルに溶解
し、カリウムt−ブトキシド0.6g(5.4ミリモ
ル)を加えて、アルゴン気流下に、室温において5時間
攪拌し、一晩放置して反応させた。
【0170】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−
〔2,2−ビス(4−ヘキシルフェニル) エテニル〕フ
タル酸ジエチルの無色オイル1.5g(収率49%)を
得た。 (2)4−〔2,2−ビス(4−ヘキシルフェニル) エ
テニル〕フタル酸の合成上記(1)で得られた4−
〔2,2−ビス(4−ヘキシルフェニル〕エテニル) フ
タル酸ジエチル1.5g(2.6ミリモル)を、エタノ
ール15ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液
0.6g(11ミリモル)を加えて、11時間還流下に
反応させた。
【0171】得られた反応混合物を水80ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2,2−
ビス(4−ヘキシルフェニル) エテニル〕フタル酸の淡
黄色アモルファス固体1.1g(収率83%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2,2−ビス(4−ヘキシ
ルフェニル) エテニル〕エテニル) フタル酸1.1g
(2.1ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタ
ークトラップを取り付けて、この懸濁液を180℃に加
熱した。ついで、これにN,N−ジエチル−3−アミノ
フェノール0.4gを加え、さらにN,N−ジエチル−
3−アミノフェノール0.15gを1時間おきに2回加
えた。3時間後、反応混合物を放冷し、カラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチル
+10%メタノール)で精製して紫色アモルファス固体
0.9g(収率29%)を得た。
【0172】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.89
(6H,bs)、1.16(12H,t,J=7H
z)、1.2〜1.8(16H,m)、2.62(4
H,t,J=7Hz)、3.35(8H,q,J=7H
z)、6.3〜6.4(4H,m)、6.59(2H,
d,J=8Hz)、6.85(1H,d,J=8H
z)、7.0〜7.2(10H,m)、7.69(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0173】
【化55】
【0174】〔実施例7〕 (1)4−〔2,2−ビス(4−フェニルフェニル)エ
テニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル2.0g(5.4ミリモル)と、4,4’−
ジフェニルベンゾフェノン1.8g(5.4ミリモル)
を、ジメチルスルホキシド10ミリリットルに溶解し、
カリウムt−ブトキシド0.6g(5.4ミリモル)を
加えて、アルゴン気流下に、室温において7時間攪拌
し、一晩放置して反応させた。
【0175】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、これ
をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+1
0%酢酸エチル)で精製し、4−〔2,2−ビス(4−
フェニルフェニル) エテニル〕フタル酸ジエチルの淡黄
色アモルファス固体0.47g(収率16%)を得た。 (2)4−〔2,2−ビス(4−フェニルフェニル) エ
テニル〕フタル酸の合成上記(1)で得られた4−
〔2,2−ビス(4−フェニルフェニル〕エテニル) フ
タル酸ジエチル0.47g(0.9ミリモル)を、エタ
ノール15ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶
液0.2g(3.6ミリモル)を加えて、9時間還流下
に反応させた。
【0176】得られた反応混合物を水80ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔2,2−
ビス(4−フェニルフェニル) エテニル〕フタル酸の淡
黄色アモルファス固体0.36g(収率81%)を得
た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2,2−ビス(4−フェニ
ルフェニル) エテニル〕フタル酸0.36g(0.73
ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリット
ルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタークトラ
ップを取り付けて、この懸濁液を180℃に加熱した。
ついで、これにN,N−ジエチル−3−アミノフェノー
ル0.24gを加え、3時間攪拌して反応させた。得ら
れた反応混合物を放冷し、カラムクロマトグラフィ(シ
リカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸エチル+20%メタ
ノール)で精製して紫色アモルファス固体80mg(収
率14%)を得た。
【0177】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.15
(12H,t,J=7Hz)、3.35(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜6.4(4H,m)、6.64
(2H,d,J=8Hz)、6.8〜7.8(22H,
m)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造を有
するローダミン誘導体であることが確認された。
【0178】
【化56】
【0179】〔実施例8〕 (1)4−〔2−フェニル−2−(4−ピリジル)エテ
ニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル2.0g(5.4ミリモル)と、4−ベンゾ
イルピリジン1g(5.5ミリモル)を、ジメチルスル
ホキシド7ミリリットルに溶解し、カリウムt−ブトキ
シド0.6g(5.4ミリモル)を加えて、アルゴン気
流下に、室温において7時間攪拌し、一晩放置して反応
させた。
【0180】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+50%酢酸エチル)で精製し、4−〔2
−フェニル−2−(4−ピリジル) エテニル〕フタル酸
ジエチルの淡黄色オイル1.3g(収率60%)を得
た。 (2)4−〔2−フェニル−2−(4−ピリジル) エテ
ニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
ピリジル) エテニル〕フタル酸ジエチル1.3g(3.
2ミリモル)を、エタノール10ミリリットルに溶解
し、水酸化カリウム水溶液0.7g(13ミリモル)を
加えて、6時間還流下に反応させた。
【0181】得られた反応混合物を水10ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で中性にした。ついで、生成
した固体を濾別し、水により洗浄した後、減圧乾燥し
て、4−〔2−フェニル−2−(4−ピリジル) エテニ
ル〕フタル酸の黄色固体0.84g(収率76%)を得
た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
ピリジル) エテニル〕フタル酸0.84g(2.45ミ
リモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリットル
に懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタークトラッ
プを取り付けて、この懸濁液を180℃に加熱した。つ
いで、これにN,N−ジエチル−3−アミノフェノール
0.4gを加え、さらに1時間後にN,N−ジエチル−
3−アミノフェノール0.4gを加えて、3時間攪拌し
て反応させた。得られた反応混合物を放冷し、カラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続いて酢酸
エチル+50%メタノール)で精製して紫色アモルファ
ス固体0.75g(収率49%)を得た。
【0182】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.18
(12H,t,J=7Hz)、3.37(8H,q,J
=7Hz)、6.4〜6.6(6H,m)、6.7〜
7.8(11H,m)、8.5〜8.6(2H,m)の
吸収が観察され、この結果、下記の化学構造を有するロ
ーダミン誘導体であることが確認された。
【0183】
【化57】
【0184】〔実施例9〕 (1)4−〔2,2−ビス(3−メチルフェニル)エテ
ニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル1.6g(4.8ミリモル)と、3,3’−
ジメチルベンゾフェノン1g(4.8ミリモル)を、ジ
メチルスルホキシド7ミリリットルに溶解し、カリウム
t−ブトキシド0.6g(5.4ミリモル)を加えて、
アルゴン気流下に、室温において5時間攪拌し、一晩放
置して反応させた。
【0185】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製し、4−
〔2,2−ビス(3−メチルフェニル) エテニル〕フタ
ル酸ジエチルの淡黄色オイル1.3g(収率63%)を
得た。 (2)4−〔2,2−ビス(3−メチルフェニル) エテ
ニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2,2−ビス(3−メチル
フェニル) エテニル〕フタル酸ジエチル1.3g(3.
0ミリモル)を、エタノール10ミリリットルに溶解
し、水酸化カリウム水溶液0.7g(13ミリモル)を
加えて、6時間還流下に反応させた。
【0186】得られた反応混合物を水20ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出して、有機層を飽和食
塩水30ミリリットルで洗浄した。さらに、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−
〔2,2−ビス(3−メチルフェニル) エテニル〕フタ
ル酸の淡黄色アモルファス固体1.0g(収率90%)
を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2,2−ビス(3−メチル
フェニル) エテニル〕フタル酸1.0g(2.7ミリモ
ル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸
濁し、アルゴン気流下に、ディーンスタークトラップを
取り付けて、この懸濁液を180℃に加熱した。つい
で、これにN,N−ジエチル−3−アミノフェノール
0.44gを加え、さらに、1時間後にN,N−ジエチ
ル−3−アミノフェノール0.44gを加えて、3時間
攪拌して反応させた。得られた反応混合物を放冷し、カ
ラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、続い
て酢酸エチル+10%メタノール)で精製して紫色アモ
ルファス固体0.44g(収率24%)を得た。
【0187】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.16
(12H,t,J=7Hz)、2.28(3H,s)、
2.35(3H,s)、3.35(8H,q,J=7H
z)、6.3〜7.3(17H,m)、7.69(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0188】
【化58】
【0189】〔実施例10〕 (1)4−〔2−フェニル−2−(4−ジフェニルアミ
ノフェニル)エテニル〕フタル酸ジエチルの合成 3,4−ビス(エトキシカルボニル)ベンジルホスホン
酸ジエチル1.8g(4.8ミリモル)と、4−ジフェ
ニルアミノベンゾフェノン1.7g(4.8ミリモル)
を、ジメチルスルホキシド17ミリリットルに溶解し、
カリウムt−ブトキシド0.6g(5.4ミリモル)を
加えて、アルゴン気流下に、室温において10時間攪拌
して反応させた。
【0190】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を飽和食塩水50ミリリットルで洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して黄色オ
イルを得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製し、4−〔2
−フェニル−2−(4−ジフェニルアミノフェニル) エ
テニル〕フタル酸ジエチルの淡黄色アモルファス固体
1.1g(収率40%)を得た。 (2)4−〔2−フェニル−2−(4−ジフェニルアミ
ノフェニル) エテニル〕フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
ジフェニルアミノフェニル) エテニル〕フタル酸ジエチ
ル1.1g(1.9ミリモル)を、エタノール20ミリ
リットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液0.4g
(7.1ミリモル)を加えて、4時間還流下に反応させ
た。
【0191】得られた反応混合物を水20ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出して、有機層を飽和食
塩水30ミリリットルで洗浄した。さらに、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−
〔2−フェニル−2−(4−ジフェニルアミノフェニ
ル) エテニル〕フタル酸の淡黄色アモルファス固体1.
0g(収率100%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−〔2−フェニル−2−(4−
ジフェニルアミノフェニル) エテニル〕フタル酸1.0
g(2.0ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5
ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、ディーンス
タークトラップを取り付けて、この懸濁液を180℃に
加熱した。ついで、これにN,N−ジエチル−3−アミ
ノフェノール0.32gを加え、さらに、1時間後に
N,N−ジエチル−3−アミノフェノール0.32gを
加えて、3時間攪拌して反応させた。得られた反応混合
物を放冷し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢
酸エチル、続いて酢酸エチル+10%メタノール)で精
製して紫色アモルファス固体0.3g(収率19%)を
得た。
【0192】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.36(8H,q,J
=7Hz)、6.4〜6.5(4H,m)、6.60
(2H,d,J=8Hz)、7.0〜7.6(23H,
m)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造を有
するローダミン誘導体であることが確認された。
【0193】
【化59】
【0194】〔実施例11〕 (1)4−ブロモフタル酸ジエチルの合成 4−ブロモ無水フタル酸10g(44ミリモル)をエタ
ノール80ミリリットルに懸濁し、硫酸1ミリリットル
を加え、モレキュラーシーブ3Aを充填したソックスレ
ー抽出器を取り付けて8時間還流した。ついで、反応混
合物を濃縮し、残渣を酢酸エチル100ミリリットルに
溶解し、水50ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液100ミリリットル、飽和食塩水30ミリリット
ルの順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒
を留去し、減圧乾燥して、4−ブロモフタル酸ジエチル
の無色液体12.2g(収率92%)を得た。 (2)4−t−ブチルフェニルボロン酸の合成 アルゴン雰囲気下、マグネシウム0.7g(29ミリモ
ル)を、無水テトラヒドロフラン10ミリリットルに懸
濁し、微量の沃素を加え室温で10分間攪拌した。つい
で、4−t−ブチルブロモベンゼン5g(23ミリモ
ル)の無水テトラヒドロフラン溶液15ミリリットルを
徐々に滴下し、2時間還流して、グリニャール試薬を調
整した。
【0195】つぎに、アルゴン雰囲気下、ほう酸トリイ
ソプロピル10ミリリットル(43ミリモル)を、無水
テトラヒドロフラン2ミリリットルに溶解し、ドライア
イス/メタノール浴で−70℃に冷却した。これに、さ
きに調整したグリニャール試薬を徐々に滴下し、反応混
合物を室温に戻した。ついで、反応混合物をエーテル5
0ミリリットルで希釈し、10%塩酸50ミリリットル
を加え、室温で10分間攪拌した。つぎに、有機層を分
離し、飽和食塩水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して、淡褐色オイル
を得た。さらに、このオイルをカラムクロマトグラフィ
(シリカゲル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製し
て、4−t−ブチルフェニルボロン酸の無色ペースト
1.1g(収率27%)を得た。 (3)4−(4−t−ブチルフェニル) フタル酸ジエチ
ルの合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル1.7
g(5.6ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.2g(0.17ミリモル)
を、トルエン10ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウ
ム水溶液1.1g(10ミリモル)と、上記(2)で得
られた4−t−ブチルフェニルボロン酸1.1g(6.
2ミリモル)のエタノール溶液3ミリリットルを加え、
90℃において9時間攪拌し、一晩放置した。
【0196】ついで、得られた反応混合物を酢酸エチル
100ミリリットルで希釈し、有機層を分取して、その
有機層を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリッ
トル、飽和食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、淡褐
色オイルを得た。ついで、このオイルをカラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%酢酸エチル)
で精製して、4−(4−t−ブチルフェニル) フタル酸
ジエチルの無色オイル1.9g(収率96%)を得た。 (4)4−(4−t−ブチルフェニル) フタル酸の合成 上記(3)で得られた4−(4−t−ブチルフェニル)
フタル酸ジエチル1.9g(5.4ミリモル)を、エタ
ノール10ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶
液1.2g(21ミリモル)を加えて、4時間還流下に
反応させた。
【0197】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出した。つぎに、有機層
を飽和食塩水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−
(4−t−ブチルフェニル) フタル酸の淡褐色固体1.
5g(収率93%)を得た。 (5)ローダミン誘導体の合成 上記(4)で得られた4−(4−t−ブチルフェニル)
フタル酸0.8g(2.7ミリモル)を、1,2−ジク
ロロベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下
に、180℃に加熱した。
【0198】ついで、これにN,N−ジエチル−3−ア
ミノフェノール0.44g(2.7ミリモル)を加え、
1 時間後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノフェノ
ール0.44g(2.7ミリモル)を加えた。5 時間
後、反応混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグラ
フィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+3
0%メタノール)で精製し紫色アモルファス固体(a)
を0.38g(収率24%)得た。
【0199】ここで得られた固体(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.
17(12H,t,J=7Hz)、1.38(9H,
s)、3.36(8H,q,J=7Hz)、6.3〜
6.5(4H,m)、6.66(2H,d,J=9H
z)、7.22(1H,d,J=8Hz)、7.49
(2H,d,J=9Hz)、7.62(2H,d,J=
9Hz)、7.84(1H,dd,J=8Hz,2H
z)、8.19(1H,d,J=2Hz)の吸収が観察
され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘
導体であることが確認された。
【0200】
【化60】
【0201】また、上記固体(a)についで、紫色のア
モルファス固体(b)0.26g(収率16%)が得ら
れた。ここで得られた固体(b)は、1 H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、1.31(9H,s)、
3.36(8H,q,J=7Hz)、6.3〜6.5
(4H,m)、6.65(2H,d,J=9Hz)、
7.39(1H,d,J=2Hz)、7.50(2H,
d,J=8Hz)、7.78(1H,dd,J=8H
z,2Hz)、8.03(1H,d,J=8Hz)の吸
収が観察され、この結果、下記の化学構造を有するロー
ダミン誘導体であることが確認された。
【0202】
【化61】
【0203】〔実施例12〕 (1)3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸の合成 アルゴン雰囲気下、マグネシウム0.7g(29ミリモ
ル)を、無水テトラヒドロフラン10ミリリットルに懸
濁し、微量のジブロモエタンを加えて、室温で10分間
攪拌した。ついで、3−トリフルオロメチルブロモベン
ゼン5g(22ミリモル)の無水テトラヒドロフラン溶
液15ミリリットルを徐々に滴下し、5時間還流して、
グリニャール試薬を調整した。
【0204】アルゴン雰囲気下、ほう酸トリイソプロピ
ル7ミリリットル(30ミリモル)を、無水テトラヒド
ロフラン2ミリリットルに溶解し、ドライアイス/メタ
ノール浴で−70℃に冷却した。これに、さきに調整し
たグリニャール試薬を徐々に滴下し、−70℃で30分
間攪拌した。反応混合物を室温に戻して、2 時間後に反
応混合物をエーテル100ミリリットルで希釈し、10
%濃度の塩酸50ミリリットルを加え、室温で1 時間攪
拌した。有機層を分離し、飽和食塩水30ミリリットル
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去
して淡黄色オイルを得た。このオイルを5%濃度の水酸
化カリウム水溶液50ミリリットルに溶解し、エーテル
50ミリリットルで洗浄し、水層を5%濃度の塩酸で酸
性にしてエーテル100ミリリットルで抽出した。さら
に、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、3−トリフ
ルオロメチルフェニルボロン酸の白色固体1.7g(収
率41%)を得た。 (2)4−(3−トリフルオロメチルフェニル)フタル
酸ジエチルの合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル2.2
g(7.3ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)
を、トルエン13ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウ
ム水溶液1.5g(14ミリモル)と、3−トリフルオ
ロメチルフェニルボロン酸1.7g(8.9ミリモル)
のエタノール溶液4ミリリットルを加えて、90℃で1
0時間攪拌し、一晩放置した。
【0205】つぎに、得られた反応混合物を酢酸エチル
10ミリリットルで希釈し、有機層を分取し、この有機
層を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリット
ル、飽和食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した。
さらに、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得
られた淡褐色オイルを、カラムクロマトグラフィ(シリ
カゲル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4
−(3−トリフルオロメチルフェニル)フタル酸ジエチ
ルの白色固体2.5g(収率94%)を得た。 (3)4−(3−トリフルオロメチルフェニル) フタル
酸の合成 上記(2)で得られた4−(3−トリフルオロメチルフ
ェニル) フタル酸ジエチル2.5g(6.8ミリモル)
を、エタノール10ミリリットルに溶解し、水酸化カリ
ウム水溶液1.5g(27ミリモル)を加えて、4時間
還流した。ついで、得られた反応混合物を水50ミリリ
ットルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして酢酸エチ
ル100ミリリットルで抽出した。得られた有機層を飽
和食塩水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−(3
−トリフルオロメチルフェニル) フタル酸の淡黄色針状
晶1.9g(収率90%)を得た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(3)で得られた4−(3−トリフルオロメチルフ
ェニル) フタル酸1.0g(3.2ミリモル)を、1,
2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴ
ン気流下に、180℃に加熱した。これに、N,N−ジ
エチル−3−アミノフェノール0.5g(3.2ミリモ
ル)を加え、1 時間後、さらにN,N−ジエチル−3−
アミノフェノール0.5g(3.2ミリモル)を加えて
反応させ、5時間後に、反応混合物を室温まで放冷し
た。
【0206】ついで、得られた反応混合物をカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エ
チル+30%メタノール)で精製し、紫色のアモルファ
ス固体(a)1.3g(収率67%)を得た。ここで得
られた固体(a)は、1 H−NMR(CDCl3 、TM
S基準)による測定から、δ1.20(12H,t,J
=7Hz)、3.39(8H,q,J=7Hz)、6.
4〜6.5(4H,m)、6.71(2H,d,J=8
Hz)、7.4〜7.9(6H,m)、8.25(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0207】
【化62】
【0208】また、上記固体(a)についで、紫色のア
モルファス固体(b)0.26g(収率13%)が得ら
れた。ここで得られた固体(b)は、1 H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.36(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜6.5(4H,m)、6.65
(2H,d,J=9Hz)、7.4〜7.9(6H,
m)、8.10(1H,d,J=7Hz)の吸収が観察
され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘
導体であることが確認された。
【0209】
【化63】
【0210】〔実施例13〕 (1)4−(4−メチルフェニル) フタル酸ジエチルの
合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル1.5
g(5.0ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.2g(0.17ミリモル)を
トルエン10ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウム水
溶液1.0g(9.4ミリモル)と、4−メチルフェニ
ルボロン酸0.8g(5.9ミリモル)のエタノール溶
液3ミリリットルを加えて、10時間還流し、一晩放置
した。
【0211】ついで、得られた反応混合物を酢酸エチル
100ミリリットルで希釈し、有機層を分取し、、有機
層を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリット
ル、飽和食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した。
つぎに、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得
られた無色オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−
(4−メチルフェニル) フタル酸ジエチルの白色針状晶
1.5g(収率96%)を得た。 (2)4−(4−メチルフェニル) フタル酸の合成 上記(1)で得られた4−(4−メチルフェニル) フタ
ル酸1.5g(4.8ミリモル)を、エタノール10ミ
リリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液1.1g
(20ミリモル)を加えて、4時間還流下に反応させ
た。
【0212】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にした。そし
て、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を
飽和食塩水30ミリリットルで洗浄した。さらに、硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、
4−(4−メチルフェニル) フタル酸の白色固体1.1
g(収率90%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−(4−メチルフェニル) フタ
ル酸1.1g(4.3ミリモル)を、1,2−ジクロロ
ベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下、1
80℃に加熱した。ついで、これにN,N−ジエチル−
3−アミノフェノール0.7g(4.3ミリモル)を加
え、1 時間後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノフ
ェノール0.7g(4.3ミリモル)を加えた。5 時間
後、反応混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグラ
フィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+3
0%メタノール)で精製し、紫色アモルファス固体1.
0g(収率42%)を得た。
【0213】ここで得られた固体(a)は、1 H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.
18(12H,t,J=7Hz)、2.24(3H,
s)、3.37(8H,q,J=7Hz)、6.3〜
6.5(4H,m)、6.70(2H,d,J=9H
z)、7.2〜7.9(6H,m)、8.21(1H,
s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造を有
するローダミン誘導体であることが確認された。
【0214】
【化64】
【0215】また、上記固体(a)についで、紫色のア
モルファス固体(b)0.38g(収率16%)が得ら
れた。ここで得られた固体(b)は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、2.35(3H,s)、
3.36(8H,q,J=7Hz)、6.3〜6.5
(4H,m)、6.66(2H,d,J=9Hz)、
7.1〜7.8(6H,m)、8.03(1H,d,J
=8Hz)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構
造を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0216】
【化65】
【0217】〔実施例14〕 (1)3,5−ビス( トリフルオロメチル) フェニルボ
ロン酸の合成 アルゴン雰囲気下、マグネシウム0.5g(21ミリモ
ル)を、無水テトラヒドロフラン10ミリリットルに懸
濁し、微量のジブロモエタンを加えて、室温で10分間
攪拌した。ついで、3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)ブロモベンゼン5g(17ミリモル)の無水テトラ
ヒドロフラン溶液15ミリリットルを徐々に滴下し、4
時間還流して、グリニャール試薬を調整した。
【0218】アルゴン雰囲気下、ほう酸トリイソプロピ
ル8ミリリットル(35ミリモル)を、無水テトラヒド
ロフラン2ミリリットルに溶解し、ドライアイス/メタ
ノール浴で−70℃に冷却した。これに、さきに調整し
たグリニャール試薬を徐々に滴下し、−70で30分間
攪拌した。反応混合物を室温に戻して、一晩放置した。
ついで、反応混合物をエーテル100ミリリットルで希
釈し、10%濃度の塩酸50ミリリットルを加え、室温
で1 時間攪拌した。有機層を分離し、飽和食塩水30ミ
リリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去して淡黄色オイルを得た。このオイルをカラ
ムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%酢
酸エチル)で精製して、3,5−ビス( トリフルオロメ
チル) フェニルボロン酸の淡褐色ペースト1g(収率2
3%)を得た。 (2)4−〔3,5−ビス( トリフルオロメチル) フェ
ニル〕フタル酸ジエチルの合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル1.0
g(3.3ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.1g(0.09ミリモル)を
トルエン7ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウム水溶
液0.7g(6.6ミリモル)および上記(1)で得ら
れた3,5−ビス( トリフルオロメチル) フェニルボロ
ン酸1.0g(3.9ミリモル)のエタノール溶液2ミ
リリットルを加えて、16時間還流した。
【0219】ついで、得られた反応混合物を酢酸エチル
100ミリリットルで希釈し、有機層を分取し、有機層
を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、
飽和食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した。さら
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られ
た淡褐色オイルを、カラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−
〔3,5−ビス( トリフルオロメチル) フェニル〕フタ
ル酸ジエチルの白色固体1.1g(収率77%)を得
た。 (3)4−〔3,5−ビス( トリフルオロメチル) フェ
ニル〕フタル酸の合成 上記(2)で得られた4−〔3,5−ビス( トリフルオ
ロメチル) フェニル〕フタル酸ジエチル1.1g(2.
5ミリモル)を、エタノール6ミリリットルに溶解し、
水酸化カリウム水溶液0.6g(11ミリモル)を加え
て、4時間還流した。
【0220】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして酢酸エ
チル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水
30ミリリットルで洗浄した。さらに、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔3,
5−ビス( トリフルオロメチル) フェニル〕フタル酸の
白色固体0.87g(収率95%)を得た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(3)で得られた4−〔3,5−ビス( トリフルオ
ロメチル)フェニル〕フタル酸0.87g(2.3ミリ
モル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに
懸濁し、アルゴン気流下に、180℃に加熱した。これ
にN,N−ジエチル−3−アミノフェノール0.4g
(2.3ミリモル)を加え、1 時間後に、さらにN,N
−ジエチル−3−アミノフェノール0.4g(2.3ミ
リモル)を加えた。4 時間後、反応混合物を室温まで放
冷し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチ
ル、その後酢酸エチル+20%メタノール)で精製し、
紫色アモルファス固体0.44g(収率28%)を得
た。
【0221】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.21
(12H,t,J=7Hz)、3.41(8H,q,J
=7Hz)、6.4〜6.5(4H,m)、6.73
(2H,d,J=9Hz)、7.35(1H,d,J=
8Hz)、7.87(1H,d,J=8Hz)、7.9
2(1H,s)、8.12(1H,s)、8.30(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有する、ローダミン誘導体であることが確認された。
【0222】
【化66】
【0223】〔実施例15〕 (1)1−ナフチルボロン酸の合成 アルゴン雰囲気下、1−ブロモナフタレン5g(24ミ
リモル)を無水エーテル50ミリリットルに溶解し、メ
タノール/ドライアイス浴で−70℃に冷却した。これ
にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.55モル/
リットル)16ミリリットトル(25ミリモル)を徐々
に滴下し、−70で1時間攪拌後、室温で2時間攪拌し
た。反応混合物を再び−70℃に冷却し、ほう酸トリイ
ソプロピル10ミリリットル(43ミリモル)の無水エ
ーテル溶液10ミリリットルを加えて、−75℃で1時
間攪拌して室温で2日間放置した。
【0224】得られた反応混合物に10%濃度の塩酸水
溶液50ミリリットルを徐々に加え、室温で4時間攪拌
した。反応混合物をエーテル50ミリリットルで希釈
し、有機層を分取し、飽和食塩水30ミリリットルで洗
浄した。さらに、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留
去して得られた淡黄色固体をヘキサンで洗浄して、1−
ナフチルボロン酸の白色固体3.0g(収率73%)を
得た。 (2)4−(1−ナフチル) フタル酸ジエチルの合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル1.5
g(5.0ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.2g(0.17ミリモル)を
トルエン10ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウム水
溶液1.1g(10ミリモル)と、上記(1)で得られ
た1−ナフチルボロン酸1.0g(5.8ミリモル)の
エタノール溶液3ミリリットルを加えて、20時間還流
した。
【0225】ついで、得られた反応混合物を酢酸エチル
100ミリリットルで希釈し、有機層を分取し、有機層
を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、
飽和食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した。つぎ
に、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られ
た淡褐色オイルを、カラムクロマトグラフィ(シリカゲ
/ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−(1
−ナフチル) フタル酸ジエチルの淡褐色オイル1.7g
(収率95%)を得た。 (3)4−(1−ナフチル) フタル酸の合成 上記(2)で得られた4−(1−ナフチル) フタル酸ジ
エチル1.7g(4.9ミリモル)をエタノール10ミ
リリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液1.1g
(20ミリモル)を加えて、5時間還流した。
【0226】つぎに、反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして酢酸エチル10
0ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30ミリ
リットルで洗浄した。つぎに、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去して、減圧乾燥し、4−(1−ナフチ
ル) フタル酸の白色アモルファス固体1.4g(収率9
6%)を得た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(3)で得られた4−(1−ナフチル) フタル酸
0.7g(2.4ミリモル)を1,2−ジクロロベンゼ
ン5ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、180
℃に加熱した。これにN,N−ジエチル−3−アミノフ
ェノール0.4g(2.4ミリモル)を加え、1 時間
後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノフェノール
0.4g(2.4ミリモル)を加えた。5時間後、反応
混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグラフィ(シ
リカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+30%メタ
ノール)で精製し、紫色アモルファス固体(a)0.4
2g(収率30%)を得た。
【0227】ここで得られた固体(a)は、1 H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.
19(12H,t,J=7Hz)、3.39(8H,
q,J=7Hz)、6.3〜6.5(4H,m)、6.
76(2H,d,J=8Hz)、7.3〜7.9(9
H,m)、8.13(1H,s)の吸収が観察され、こ
の結果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であ
ることが確認された。
【0228】
【化67】
【0229】また、上記固体(a)についで、紫色のア
モルファス固体(b)0.24g(収率17%)が得ら
れた。ここで得られた固体(b)は、1 H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.36(8H,q,J
=7Hz)、6.3〜6.4(4H,m)、6.75
(2H,d,J=8Hz)、7.3〜7.9(9H,
m)、8.11(1H,d,J=7Hz)の吸収が観察
され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘
導体であることが確認された。
【0230】
【化68】
【0231】〔実施例16〕 (1)9−フェナントリルボロン酸の合成 アルゴン雰囲気下、9−ブロモフェナントレン5g(1
9ミリモル)を無水エーテル50ミリリットルに溶解
し、メタノール/ドライアイス浴で−70℃に冷却し
た。これにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.5
5モル/リットル)13ミリリットル(20ミリモル)
を徐々に滴下し、−70℃で1時間攪拌後、室温で2時
間攪拌した。反応混合物を再び−70℃に冷却し、ほう
酸トリイソプロピル8ミリリットル(35ミリモル)の
無水エーテル溶液10ミリリットルを加えて、−70℃
で1時間攪拌して室温で一晩放置した。
【0232】ついで、得られた反応混合物に10%濃度
の塩酸水溶液50ミリリットルを徐々に加え、室温で2
時間攪拌した。反応混合物をエーテル50ミリリットル
で希釈し、有機層を分取して、飽和食塩水30ミリリッ
トルで洗浄した。そして、硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去して得られた淡黄色固体をヘキサン+30%
クロロメタンで洗浄して、9−フェナントリルボロン酸
の白色固体1.4g(収率33%)を得た。 (2)4−(9−フェナントリル) フタル酸ジエチルの
合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル1.1
g(3.7ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.1g(0.09ミリモル)を
トルエン7ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウム水溶
液0.8g(7.5ミリモル)と、1−フェナントリル
ボロン酸1.0g(4.5ミリモル)のエタノール溶液
3ミリリットルを加えて、15時間還流した。
【0233】つぎに、得られた反応混合物を酢酸エチル
100ミリリットルで希釈し、有機層を分取し、有機層
を5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、
飽和食塩水30ミリリットルで洗浄した。つぎに、硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた黄色オ
イルを、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサ
ン+10%酢酸エチル)で精製して、4−(9−フェナ
ントリル) フタル酸ジエチルの淡黄色ペースト1.4g
(収率94%)を得た。 (3)4−(9−フェナントリル) フタル酸の合成 上記(2)で得られた4−(9−フェナントリル) フタ
ル酸ジエチル1.4g(3.5ミリモル)をエタノール
10ミリリットルに溶かし、水酸化カリウム水溶液0.
8(14ミリモル)を加え、5時間還流した。
【0234】ついで、反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして酢酸エチル10
0ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30ミリ
リットルで洗浄した。つぎに、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去して、減圧乾燥し、4−(9−フェナン
トリル) フタル酸の淡黄色固体1.1g(収率92%)
を得た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4−(9−フェナントリル) フタ
ル酸1.1g(3.2ミリモル)を、1,2−ジクロロ
ベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下に、
180℃に加熱した。これにN,N−ジエチル−3−ア
ミノフェノール0.53g(3.2ミリモル)を加え、
1時間後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノフェノ
ール0.53g(3.2ミリモル)を加えた。4 時間
後、反応混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグラ
フィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+3
0%メタノール)で精製し、紫色アモルファス固体
(a)0.9g(収率44%)を得た。
【0235】ここで得られた固体(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.
20(12H,t,J=7Hz)、3.39(8H,
q,J=7Hz)、6.4〜6.5(4H,m)、6.
80(2H,d,J=9Hz)、7.34(1H,d,
J=8Hz)、7.6〜8.0(8H,m)、8.21
(1H,s)、8.7〜8.8(2H,m)の吸収が観
察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン
誘導体であることが確認された。
【0236】
【化69】
【0237】また、上記固体(a)についで、紫色アモ
ルファス固体(b)0.5g(収率25%)を得た。こ
こで得られた固体(a)は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ1.17(12
H,t,J=7Hz)、3.36(8H,q,J=7H
z)、6.4〜6.5(4H,m)、6.82(2H,
d,J=9Hz)、7.40(1H,s)、7.5〜
7.9(8H,m)、8.14(1H,d,J=8H
z)、8.6〜8.8(2H,m)の吸収が観察され、
この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体で
あることが確認された。
【0238】
【化70】
【0239】〔実施例17〕 (1)4−(2,2−ジフェニルビニル) フェニルボロ
ン酸の合成 アルゴン雰囲気下、4−(2,2−ジフェニルビニル)
ブロモベンゼン5g(15ミリモル)を、無水エーテル
50ミリリットルに溶解し、メタノール/ドライアイス
浴で−70℃に冷却した。これにn−ブチルリチウムの
ヘキサン溶液(1.55モル/リットル)10ミリリッ
トル(16ミリモル)を徐々に滴下し、−70℃で1時
間攪拌後、室温で2時間攪拌して反応させた。
【0240】ついで、得られた反応混合物を、再び−7
0℃に冷却し、ほう酸トリイソプロピル7ミリリットル
(30ミリモル)の無水エーテル溶液10ミリリットル
を加えて、−70℃で1時間攪拌し、室温で一晩放置し
た。つぎに、反応混合物に10%濃度の塩酸水溶液50
ミリリットルを徐々に加え、室温で2時間攪拌した。そ
して、反応混合物をエーテル50ミリリットルで希釈
し、有機層を分取し、飽和食塩水30ミリリットルで洗
浄した。さらに、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留
去して得られた淡黄色オイルを、カラムクロマトグラフ
ィ(シリカゲル/ヘキサン+50%酢酸エチル)で精製
して、4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニルボロ
ン酸の白色アモルファス固体0.8g(収率18%)を
得た。 (2)4−〔4−(2,2−ジフェニルビニル) フェニ
ル〕フタル酸ジエチルの合成 アルゴン雰囲気下、4−ブロモフタル酸ジエチル0.7
g(2.3ミリモル)と、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム0.06g(0.05ミリモル)
を、トルエン5ミリリットルに溶解し、炭酸ナトリウム
水溶液0.5g(4.7ミリモル)と、上記(1)で得
られた4−(2,2−ジフェニルビニル) フェニルボロ
ン酸0.8g(2.7ミリモル)のエタノール溶液2ミ
リリットルを加えて、10時間還流して反応させた。
【0241】得られた反応混合物を酢酸エチル100ミ
リリットルで希釈し、有機層を分取し、その有機層を5
%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、飽和
食塩水30ミリリットルでそれぞれ洗浄した。ついで、
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた濃
褐色オイルを、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/
ヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、4−〔4−
(2,2−ジフェニルビニル) フェニル〕フタル酸ジエ
チルの無色ペースト1.0g(収率78%)を得た。 (3)4−〔4−(2,2−ジフェニルビニル) フェニ
ル〕フタル酸の合成 上記(2)で得られた4−〔4−(2,2−ジフェニル
ビニル) フェニル〕フタル酸ジエチル1.0g(2.1
ミリモル)を、エタノール10ミリリットルに溶解し、
水酸化カリウム水溶液0.5g(8.9ミリモル)を加
えて、5時間還流下に反応させた。
【0242】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にして酢酸エチル10
0ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30ミリ
リットルで洗浄した。ついで、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4−〔4−(2,2
−ジフェニルビニル) フェニル〕フタル酸の淡黄色固体
0.9g(収率98%)を得た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(3)で得られた4−〔4−(2,2−ジフェニル
ビニル) フェニル〕フタル酸0.9g(2.0ミリモ
ル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸
濁し、アルゴン気流下、180℃に加熱した。これに
N,N−ジエチル−3−アミノフェノール0.34g
(2.0ミリモル)を加え、1時間後、さらにN,N−
ジエチル−3−アミノフェノール0.34g(2.0ミ
リモル)を加えた。5時間後、反応混合物を室温まで放
冷し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチ
ル、その後酢酸エチル+30%メタノール)で精製し、
紫色アモルファス固体(a)0.2g(収率14%)を
得た。
【0243】ここで得られた固体(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.
17(12H,t,J=7Hz)、3.37(8H,
q,J=7Hz)、6.3〜6.5(4H,m)、6.
67(2H,d,J=9Hz)、7.0〜7.5(16
H,m)、7.81(1H,d,J=8Hz)、8.1
8(1H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化
学構造を有するローダミン誘導体であることが確認され
た。
【0244】
【化71】
【0245】また、上記固体(a)についで、紫色アモ
ルファス固体(b)0.07g(収率5%)を得た。こ
こで得られた固体(a)は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ1.17(12
H,t,J=7Hz)、3.36(8H,q,J=7H
z)、6.3〜6.5(4H,m)、6.65(2H,
d,J=9Hz)、7.0〜7.3(16H,m)、
7.73(1H,d,J=8Hz)、8.02(1H,
d,J=8Hz)の吸収が観察され、この結果、下記の
化学構造を有するローダミン誘導体であることが確認さ
れた。
【0246】
【化72】
【0247】〔実施例18〕 (1)4,5−ジクロロフタル酸ジエチルの合成 4,5−ジクロロ無水フタル酸10g(46ミリモル)
を、エタノール80ミリリットルに懸濁し、硫酸1ミリ
リットルを加えて、モレキュラーシーブ3Aを充填した
ソックスレー抽出器を取り付けて、10時間還流下に反
応させた。
【0248】ついで、得られた反応混合物を濃縮し、残
渣を酢酸エチル100ミリリットルに溶解し、水100
ミリリットル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ミ
リリットル、飽和食塩水30ミリリットルの順に洗浄し
た。つぎに、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去
し、減圧乾燥して、4,5−ジクロロフタル酸ジエチル
の白色針状晶11.8g(収率88%)を得た。 (2)4,5−ジフェニルフタル酸ジエチルの合成 上記(1)で得られた4,5−ジクロロフタル酸ジエチ
ル1.5g(5.2ミリモル)と、フェニルボロン酸
1.5g(13ミリモル)を、N−メチルピロリドン2
0ミリリットルに溶解し、フッ化セシウム3.2g(2
1ミリモル)と、酢酸パラジウム0.12g(0.5ミ
リモル)および1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパン0.4g(1ミリモル)を加えて、アルゴン雰
囲気下に、11時間、100℃で攪拌して反応させた。
【0249】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽
出し、有機層を1%濃度の塩酸100ミリリットルで2
回、5%濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリット
ル、飽和食塩水30ミリリットルで洗浄した。つぎに、
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた褐
オイルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサ
ン+10%酢酸エチル)で精製して、4,5−ジフェニ
ルフタル酸ジエチルの淡黄色オイル1.0g(収率51
%)を得た。 (3)4,5−ジフェニルフタル酸の合成 上記(2)で得られた4,5−ジフェニルフタル酸ジエ
チル1.0g(2.7ミリモル)を、エタノール10ミ
リリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液0.6g
(11ミリモル)を加えて,6時間還流下に反応させ
た。
【0250】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、5%塩酸で酸性にし、酢酸エチル1
00ミリリットルで抽出した後、有機層を飽和食塩水5
0ミリリットルで洗浄した。つぎに、硫酸マグネシウム
で乾燥し、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4,5−ジフ
ェニルフタル酸の白色固体0.8g(収率93%)を得
た。 (4)ローダミン誘導体の合成 上記(3)で得られた4,5−ジフェニルフタル酸0.
8g(2.5ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン
5ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流下,180℃に
加熱した。これにN,N−ジエチル−3−アミノフェノ
ール0.4g(2.5ミリモル)を加え、1時間後、さ
らにN,N−ジエチル−3−アミノフェノール0.4g
(2.5ミリモル)を加えた。4 時間後、反応混合物を
室温まで放冷し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル
/酢酸エチル、その後酢酸エチル+30%メタノール)
で精製し、紫色のアモルファス固体0.65g(収率4
2%)を得た。
【0251】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.37(8H,q,J
=7Hz)、6.4〜6.5(4H,m)、6.77
(2H,d,J=8Hz)、7.1〜7.2(11H,
m)、8.04(1H,s)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であるこ
とが確認された。
【0252】
【化73】
【0253】〔実施例19〕 (1)4,5−ビス(4−メチルフェニル) フタル酸ジ
エチルの合成 4,5−ジクロロフタル酸ジエチル1.5g(5.2ミ
リモル)と、4−メチルフェニルボロン酸1.8g(1
3ミリモル)を、N−メチルピロリドン20ミリリット
ルに溶解し、フッ化セシウム3.2g(21ミリモル)
と、酢酸パラジウム0.12g(0.5ミリモル)およ
び1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.
4g(1ミリモル)を加えて、アルゴン雰囲気下、12
時間、100℃で攪拌して反応させた。
【0254】ついで、反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を1%濃度の塩酸100ミリリットルで2回、5%
濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、飽和食
塩水30ミリリットルの順で洗浄した。つぎに、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた褐色オイ
ルを、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン
+10%酢酸エチル)で精製して、4,5−ビス(4−
メチルフェニル) フタル酸ジエチルの淡黄色オイル0.
85g(収率41%)を得た。 (2)4,5−ビス4−メチルフェニル) フタル酸の合
成 上記(1)で得られた4,5−ビス(4−メチルフェニ
ル) フタル酸ジエチル0.9g(2.2ミリモル)を、
エタノール10ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム
水溶液0.5g(8.9ミリモル)を加えて、4時間還
流下に反応させた。
【0255】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にし、酢酸エチル10
0ミリリットルで抽出した。ついで、有機層を飽和食塩
水50ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去し、減圧乾燥して、4,5−ビス4
−メチルフェニル) フタル酸の白色固体0.65g(収
率85%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(1)で得られた4,5−ビス(4−メチルフェニ
ル) フタル酸0.65g(1.9ミリモル)を、1,2
−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴン
気流下,180℃に加熱した。これにN,N−ジエチル
−3−アミノフェノール0.3g(1.9ミリモル)を
加え、1時間後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノ
フェノール0.3g(1.9ミリモル)を加えた。4 時
間後、反応混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグ
ラフィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+
30%メタノール)で精製し、紫色アモルファス固体0
43g(収率35%)を得た。
【0256】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、2.24(3H,s)、
2.33(3H,s)、3.35(8H,q,J=7H
z)、6.3〜6.4(4H,m)、6.75(2H,
d,J=8Hz)、6.94(4H,s)、7.08
(4H,s)、7.18(1H,s)、7.99(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0257】
【化74】
【0258】〔実施例20〕 (1)4,5−ビス(1−ナフチル)フタル酸ジエチル
の合成 4,5−ジクロロフタル酸ジエチル1.4g(4.8ミ
リモル)と、1−ナフチルボロン酸2.0g(12ミリ
モル)をN−メチルピロリドン18ミリリットルに溶解
し、フッ化セシウム3.0g(20ミリモル)と、酢酸
パラジウム0.1g(0.5ミリモル)および1,3−
ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン0.37g
(0.9ミリモル)を加えて、アルゴン雰囲気下、22
時間、100℃で攪拌して反応させた。
【0259】得られた反応混合物を水50ミリリットル
で希釈し、酢酸エチル100ミリリットルで抽出し、有
機層を1%濃度の塩酸100ミリリットルで2回、5%
濃度の炭酸カリウム水溶液100ミリリットル、飽和食
塩水30ミリリットルの順で洗浄した。ついで、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた褐色オイ
ルをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+
10%% 酢酸エチル)で精製して、4,5−ビス(1−
ナフチル)フタル酸ジエチルの淡黄色固体1.1g(収
率49%)を得た。 (2)4,5−ビス(1−ナフチル) フタル酸の合成 上記(1)で得られた4,5−ビス(1−ナフチル)フ
タル酸ジエチル1.1g(2.3ミリモル)を、エタノ
ール10ミリリットルに溶解し、水酸化カリウム水溶液
0.5g(8.9ミリモル)を加えて、3時間還流下に
反応させた。
【0260】ついで、得られた反応混合物を水50ミリ
リットルで希釈し、5%濃度の塩酸で酸性にし、酢酸エ
チル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水
50ミリリットルで洗浄した。つぎに、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、溶媒を留去して、減乾燥し、4,5−ビス
(1−ナフチル) フタル酸の白色固体1.0g(収率1
00%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 上記(2)で得られた4,5−ビス(1−ナフチル)フ
タル酸1.0g(2.4ミリモル)を、1,2−ジクロ
ロベンゼン10ミリリットルに懸濁し、アルゴン気流
下、180℃に加熱した。これにN,N−ジエチル−3
−アミノフェノール0.4g(2.4ミリモル)を加
え、1 時間後、さらにN,N−ジエチル−3−アミノフ
ェノール0.4g(2.4ミリモル)を加えた。5時間
後、反応混合物を室温まで放冷し、カラムクロマトグラ
フィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+3
0%メタノール)で精製し、紫色のアモルファス固体
0.7g(収率41%)を得た。
【0261】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17
(12H,t,J=7Hz)、3.37(8H,q,J
=7Hz)、6.4〜6.6(6H,m)、6.8〜
7.9(15H,m)、8.15(1H,s)の吸収が
観察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミ
ン誘導体であることが確認された。
【0262】
【化75】
【0263】〔実施例21〕実施例1で得られたローダ
ミン誘導体0.48g(0.77ミリモル)と、4−ク
ロロベンゼンスルホン酸オクタデシル0.7g(1.6
ミリモル)を、ジメチルホルムアミド1ミリリットルに
溶解し、150℃において、6時間攪拌下に反応させ
た。
【0264】ついで、得られた反応混合物を放冷し、イ
ソプロピルエーテル20ミリリットルで3回洗浄し、残
渣をアセトン20ミリリットルに溶解させ、これにナト
リウムテトラフェニルボレート0.3g(0.88ミリ
モル)のアセトン溶液1ミリリットルを加えて、2 時間
還流下に反応させた。さらに、得られた反応混合物を濃
縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、不溶物をろ別
後、ろ液をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジク
ロロメタン)で精製して、濃赤色ペースト0.7g(収
率76%)を得た。
【0265】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.87
(3H,bt,J=6Hz)、1.14(12H,t,
J=7Hz)、1.25(32H,s)、3.31(8
H,q,J=7Hz)、3.89(2H,t,J=6H
z)、6.5〜6.6(4H,m)、6.7〜7.1
(16H,m)、7.2〜7.4(19H,m)、7.
93(1H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の
化学構造を有するローダミン誘導体であることが確認さ
れた。
【0266】
【化76】
【0267】〔実施例22〕実施例13で先に得られた
ローダミン誘導体0.5g(0.94ミリモル)と、4
−クロロベンゼンスルホン酸オクタデシル0.8g
(1.8ミリモル)を、ジメチルホルムアミド1ミリリ
ットルに溶解し、150℃において、6時間攪拌下に反
応させた。
【0268】ついで、得られた反応混合物を放冷し、イ
ソプロピルエーテル20ミリリットルで3回洗浄し、残
渣をアセトン20ミリリットルに溶解させ、これにナト
リウムテトラフェニルボレート0.35g(1.0ミリ
モル)のアセトン溶液1ミリリットルを加えて、2 時間
還流下に反応させた。さらに、得られた反応混合物を濃
縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、不溶物をろ別
後、ろ液をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジク
ロロメタン)で精製して、濃赤色ペースト0.7g(収
率67%)を得た。
【0269】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.87
(3H,bt,J=6Hz)、1.21(12H,t,
J=7Hz)、1.25(32H,s)、2.45(3
H,s)、3.39(8H,q,J=7Hz)、4.0
0(2H,t,J=7Hz)、6.6〜7.9(33
H,m)、8.45(1H,s)の吸収が観察され、こ
の結果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であ
ることが確認された。
【0270】
【化77】
【0271】〔実施例23〕実施例18で得られたロー
ダミン誘導体0.3g(0.51ミリモル)と、4−ク
ロロベンゼンスルホン酸オクタデシル0.5g(1.1
ミリモル)を、ジメチルホルムアミド1ミリリットルに
溶解し、150℃において、6時間攪拌下に反応させ
た。
【0272】ついで、得られた反応混合物を放冷し、イ
ソプロピルエーテル20ミリリットルで3回洗浄し、残
渣をアセトン20ミリリットルに溶解させ、これにナト
リウムテトラフェニルボレート0.2g(0.56ミリ
モル)のアセトン溶液1ミリリットルを加えて、2 時間
還流下に反応させた。さらに、得られた反応混合物を濃
縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、不溶物をろ別
後、ろ液をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジク
ロロメタン)で精製して、濃赤色ペースト0.34g
(収率57%)を得た。
【0273】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.87
(3H,bt,J=6Hz)、1.20(12H,t,
J=7Hz)、1.25(32H,s)、3.39(8
H,q,J=7Hz)、4.03(2H,bt,J=6
Hz)、6.6〜7.5(37H,m)、8.34(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0274】
【化78】
【0275】〔実施例24〕4−(2,2−ジフェニル
ビニル) フタル酸1.0g(2.9ミリモル)を、1,
2−ジクロロベンゼン5ミリリットルに懸濁し、アルゴ
ン気流下、180℃に加熱した。これに、3−N−エチ
ルアミノ−4−メチルフェノール0.44g(2.9ミ
リモル)を加え、1時間後、さらに3−N−エチルアミ
ノ−4−メチルフェノール0.44g(2.9ミリモ
ル)を加えた。4時間後、反応混合物を室温まで放冷
し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル/酢酸エチ
ル、その後酢酸エチル+30%メタノール)で精製し、
紫色アモルファス固体0.44gと、これに続いて紫色
アモルファス固体0.37gを得た。
【0276】ついで、まず、先に得られた固体を5%濃
度の塩酸で処理し、赤色固体0.46g(収率25%)
を得た。ここで得られた固体は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ1.31(6
H,bt,J=7Hz)、1.96(6H,s)、3.
28(4H,q,J=7Hz)、6.36(4H,
s)、6.9〜7.4(13H,m)、7.75(1
H,s)の吸収が観察され、この結果、下記の化学構造
を有するローダミン誘導体であることが確認された。
【0277】
【化79】
【0278】つぎに、後で得られた固体を5%濃度の塩
酸で処理し、赤色固体0.34g(収率18%)を得
た。ここで得られた固体は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ1.31(6
H,bt,J=7Hz)、1.99(6H,s)、3.
26(4H,q,J=7Hz)、6.36(4H,
s)、6.9〜7.3(13H,m)、7.80(1
H,d,J=8Hz)の吸収が観察され、この結果、下
記の化学構造を有するローダミン誘導体であることが確
認された。
【0279】
【化80】
【0280】〔実施例25〕 (1)ローダミン誘導体の前駆体(ロイコ体)の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル)フタル酸1g(2.
9ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミリリッ
トルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加熱し
た。これに、8−ヒドロキシジュロリジン1.1g
(5.8ミリモル)を2回に分けて1時間おきに加え
た。180℃で4時間攪拌した後、カラムクロマトグラ
フィ(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+3
0%メタノール)で精製して、紫色のアモルファス固体
0.47gを得た。 (2)ローダミン誘導体の合成 上記(1)において得られた前駆体0.47g(0.7
ミリモル)と、4−クロロベンゼンスルホン酸オクタデ
シル0.6g(1.3ミリモル)を、ジメチルホルムア
ミド1ミリリットルに溶解し、150℃において8時間
攪拌して反応させた。
【0281】つぎに、得られた反応混合物を放冷し、イ
ソプロピルエーテル20ミリリットルで3回洗浄し、残
渣をアセトン20ミリリットルに溶解し、ナトリウムテ
トラフェニルボレート0.26g(0.76ミリモル)
のアセトン溶液1ミリリットルを加えて、1 時間還流下
に反応させた。得られた反応混合物を濃縮し、残渣をジ
クロロメタンに溶解し、不溶物をろ別後、ろ液をカラム
クロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン)で精
製して、青紫色アモルファス固体0.34g(収率39
%)を得た。
【0282】ここで得られた固体は、 1H−NMR(C
DCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.87
(3H,bt)、1.26(32H,s)、1.8〜
2.0(8H,m)、2.55(4H,bt)、2.8
8(4H,bt)、3.22(8H,bt)、3.93
(2H,bt)、6.40(s)、6.51(s)〔T
otal;2H〕、6.8〜7.5(33H,m)、
7.9〜8.1(1H,m)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体の混合物
であることが確認された。
【0283】
【化81】
【0284】〔実施例26〕 (1)N−メチル−N−ベンジル−3−アミノアニソー
ルの合成 3−ブロモアニソール3.0g(16ミリモル)と、N
−メチル−N−ベンジルアミン2.3g(19ミリモ
ル)を、トルエン80ミリリットルに溶解し、トリス
(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.04g
(0.044ミリモル)および2,2’−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル0.08g
(0.13ミリモル)ならびにナトリウムt−ブトキシ
ド2.2g(23ミリモル)を加えて、アルゴン雰囲気
下、80℃において、11時間攪拌して反応させた。
【0285】ついで、得られた反応混合物に、水100
ミリリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して黄色オイルを得た。これをカラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+5%酢酸エチ
ル)で精製して、N−メチル−N−ベンジル−3−アミ
ノアニソールの黄色液体1.6g(収率44%)を得
た。 (2)N−メチル−N−ベンジル−3−アミノフェノー
ルの合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)20ミリリットル(20ミリモ
ル)に、室温でN−メチル−N−ベンジル−3−アミノ
アニソール2.2g(9.7ミリモル)のジクロロメタ
ン溶液10ミリリットルを徐々に滴下し、反応混合物を
一晩放置した。
【0286】得られた反応混合物を、水浴で冷却し、水
10ミリリットルを注意深く滴下し、さらに飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。ついで、酢酸
エチル100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩
水30ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した後、溶媒を留去して得られた暗黄色オイルをカラム
クロマトグラィ(シリカゲル/ヘキサン+30%酢酸エ
チル)で精製して、N−メチル−N−ベンジル−3−ア
ミノフェノールの黄色オイル1.7g(収率82%)を
得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル) フタル酸0.8g
(2.3ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加
熱した。これに、N−メチル−N−ベンジル−3−アミ
ノフェノール1.0g(4.7ミリモル)を、1 時間お
きに2回に分けて加え、反応させた。
【0287】得られた反応混合物を、180℃で4時間
攪拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマトグラフィ
(シリカゲル/酢酸エチル、その後酢酸エチル+10%
メタノール)で精製して、ピンク色固体(a)0.21
g(収率13%)を得た。ここで得られた固体(a)
は、 1H−NMR(CDCl3 、TMS基準)による測
定から、δ3.03(6H,s)、4.54(4H,
s)、6.3〜6.7(6H,m)、6.8〜7.3
(23H,m)、7.64(1H,s)の吸収が観察さ
れ、この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘導
体であることが確認された。
【0288】
【化82】
【0289】また、上記ピンク色固体(a)に続いて、
赤色ペースト(b)0.23g(収率14%)が得られ
た。ここで得られた物質(b)は、 1H−NMR(CD
Cl3 、TMS基準)による測定から、δ3.06(6
H,s)、4.55(4H,s)、6.3〜6.7(6
H,m)、6.9〜7.4(23H,m)、7.73
(1H,d,J=8Hz)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であるこ
とが確認された。
【0290】
【化83】
【0291】〔実施例27〕 (1)N−メチル−N−フェニル−3−アミノアニソー
ルの合成 3−ブロモアニソール3g(16ミリモル)と、N−メ
チルアニリン2g(19ミリモル)を、トルエン80ミ
リリットルに溶解し、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)ジパラジウム0.04g(0.044ミリモル)お
よび2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,
1’−ビナフチル0.08g(0.13ミリモル)なら
びにナトリウムt−ブトキシド2.2g(23ミリモ
ル)を加えて、アルゴン雰囲気下、80℃で16時間攪
拌して反応させた。
【0292】ついで、得られた反応混合物に、水100
ミリリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して褐色オイルを得た。これをカラムク
ロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%酢酸エ
チル)で精製して、N−メチル−N−フェニル−3−ア
ミノアニソールの黄色オイル1,8g(収率53%)を
得た。 (2)N−メチル−N−フェニル−3−アミノフェノー
ルの合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)17ミリリットル(17ミリモ
ル)に、室温で上記(1)で得られたN−メチル−N−
フェニル−3−アミノアニソール1.8g(8.5ミリ
モル)のジクロロメタン溶液10ミリリットルを徐々に
滴下し、反応混合物を一晩放置した。
【0293】ついで、得られた反応混合物を水浴で冷却
し、水10ミリリットルを注意深く滴下して、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。酢酸エチル
100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して得られた暗褐色オイルをカラムクロ
トグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+30%酢酸エチ
ル)で精製して、N−メチル−N−フェニル−3−アミ
ノフェノールの褐色オイル1.4g(収率83%)を得
た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2,−ジフェニルビニル)フタル酸1.2g
(3.5ミリモル)を1,2−ジクロロベンゼン5ミリ
リットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下に、180℃に加
熱した。これに、N−メチル−N−フェニル−3−アミ
ノフェノール1,4g(7.0ミリモル)を、1時間お
きに2回に分けて加えた。反応混合物を180℃で4時
間攪拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマトグラフ
ィ(シリカゲル/ヘキサン+30%酢酸エチル)で精製
して、紫色アモルファス固体0.34g(収率14%)
を得た。
【0294】ここで得られた固体(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ3.
30(6H,s)、6.50(4H,s)、6.60
(2H,s)、6.70(1H,s)、6.88(1
H,d,J=8Hz)、7.0〜7.4(21H,
m)、7.62(1H,s)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であるこ
とが確認された。
【0295】
【化84】
【0296】また、上記固体(a)に続いて、紫色アモ
ルファス固体(b)0.08g(収率3%)が得られ
た。ここで得られた固体(b)は、 1H−NMR(CD
Cl3 、TMS基準)による測定から、δ3.32(6
H,s)、6.50(4H,s)、6.58(2H,
m)、6.70(1H,m)、6.92(1H,m)、
7.0〜7.3(21H,m)、7.71(1H,d,
J=8Hz)の吸収が観察され、この結果、下記の化学
構造を有するローダミン誘導体であることが確認され
た。
【0297】
【化85】
【0298】〔実施例28〕 (1)3−(2−デカヒドロイソキノリニル)アニソー
ルの合成 3−ブロモアニソール3.0g(16ミリモル)と、デ
カヒドロイソキノリン2.7g(19ミリモル)を、ト
ルエン80ミリリットルに溶解し、トリス(ジベンジリ
デンアセトン)ジパラジウム0.04g(0.044ミ
リモル)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)−1,1’−ビナフチル0.08g(0.13ミリ
モル)ならびにナトリウムt−ブトキシド2.2g(2
3ミリモル)を加えて、アルゴン雰囲気下、80℃で1
1時間攪拌して反応させた。
【0299】つぎに、得られた反応混合物に水100ミ
リリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50ミ
リリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去して淡褐色オイルを得た。これをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%酢酸エチ
ル)で精製して、3−(2−デカヒドロイソキノリニ
ル)アニソールの黄色オイル2.6g(収率66%)を
得た。 (2)3−(2−デカヒドロイソキノリニル)フェノー
ルの合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)21ミリリットル(21ミリモ
ル)に、室温で、3−(2−デカヒドロイソキノリニ
ル) アニソール2.6g(11ミリモル)のジクロロメ
タン溶液10ミリリットルを徐々に滴下し、反応混合物
を一晩放置した。
【0300】ついで、得られた反応混合物を水浴で冷却
し、水10ミリリットルを注意深く滴下して、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。酢酸エチル
100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して得られた淡褐色オイルをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+30%酢酸エチ
ル)で精製して、3−(2−デカヒドロイソキノリニ
ル)フェノールの淡黄色オイル1.6g(収率71%)
を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル)フタル酸1.3g
(3.8ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加
熱した。これに、3−(2−デカヒドロイソキノリニ
ル) フェノール1.8(7.8ミリモル)を、1 時間お
きに2回に分けて加えて反応させた。
【0301】ついで、反応混合物を180℃で5時間攪
拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマトグラフィ
(シリカゲル/ヘキサン+50%酢酸エチル)で精製し
て、紫色ペースト(a)0.25g(収率9%)を得
た。ここで得られた物質(a)は、 1H−NMR(CD
Cl3 、TMS基準)による測定から、δ1.0〜1.
8(24H,m)、2.8〜3.6(8H,m)、6.
54(4H,s)、6.60(2H,s)、6.84
(1H,d,J=8Hz)、7.0〜7.3(12H,
m)、7.64(1H,s)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であるこ
とが確認された。
【0302】
【化86】
【0303】また、上記ペースト(a)に続いて、紫色
ペースト(b)0.16g(収率6%)が得られた。こ
こで得られた物質(b)は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ1.3〜1.9
(24H,m)、2.9〜3.6(8H,m)、6.5
4(4H,s)、6.59(2H,s)、6.90(1
H,s)、7.0〜7.3(12H,m)、7.72
(1H,d,J=8Hz)の吸収が観察され、この結
果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であるこ
とが確認された。
【0304】
【化87】
【0305】〔実施例29〕 (1)N,N−ジイソブチル−3−アミノアニソールの
合成 3−ブロモアニソール3.0g(16ミリモル)と、ジ
イソブチルアミン2.5g(19ミリモル)を、トルエ
ン80ミリリットルに溶解し、トリス(ジベンジリデン
アセトン)ジパラジウム0.04g(0.044ミリモ
ル)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1,1’−ビナフチル0.06g(0.14ミリモル)
ならびにナトリウムt−ブトキシド2.2g(23ミリ
モル)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃で23時間攪
拌して反応させた。
【0306】ついで、得られた反応混合物に水100ミ
リリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50ミ
リリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去して赤褐色オイルを得た。これをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+7%酢酸エチ
ル)で精製して、N,N−ジイソブチル−3−アミノア
ニソールの黄色オイル0.55g(収率15%)を得
た。 (2)N,N−ジイソブチル−3−アミノフェノールの
合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)5ミリリットル(5ミリモル)
に、室温でN,N−ジイソブチル−3−アミノアニソー
ル0.55g(2.3ミリモル)のジクロロメタン溶液
5ミリリットルを徐々に滴下し、反応混合物を一晩放置
した。
【0307】ついで、得られた反応混合物を水浴で冷却
し、水10ミリリットルを注意深く滴下して、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。酢酸エチル
100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して、N,N−ジイソブチル−3−アミ
ノフェノールの淡褐色オイル0.38g(収率75%)
を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル)フタル酸0.3g
(0.9ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加
熱した。これに、N,N−ジイソブチル−3−アミノフ
ェノール0.38g(1.7ミリモル)を1時間おきに
2回に分けて加えて反応させた。
【0308】ついで、得られた反応混合物を、180℃
で4時間攪拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%酢酸エチル)
で精製して、紫色ペースト(a)0.1g(収率15
%)を得た。ここで得られた物質(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.
89(24H,d,J=7Hz)、2.09(4H,
m,J=7Hz)、3.15(8H,d,J=7H
z)、6.3〜6.4(4H,m)、6.53(2H,
d,J=8Hz)、6.92(1H,d,J=8H
z)、7..07(1H,s)、7.2〜7.3(11
H,m)、7.64(1H,s)の吸収が観察され、こ
の結果、下記の化学構造を有するローダミン誘導体であ
ることが確認された。
【0309】
【化88】
【0310】また、上記ペースト(a)に続いて、ピン
ク色固体(b)0.06g(収率9%)が得られた。こ
こで得られた物質(b)は、 1H−NMR(CDC
3 、TMS基準)による測定から、δ0.91(24
H,d,J=7Hz)、2.12(4H,m,J=7H
z)、3.16(8H,d,J=7Hz)、6.3〜
6.4(4H,m)、6.49(2H,d,J=8H
z)、6.75(1H,s)、6.94(1H,s)、
7.0〜7.3(11H,m)、7.71(1H,d,
J=8Hz)の吸収が観察され、この結果、下記の化学
構造を有するローダミン誘導体であることが確認され
た。
【0311】
【化89】
【0312】〔実施例30〕 (1)N−エチル−N−シクロヘキシル−3−アミノア
ニソールの合成 3−ブロモアニソール3.0g(16ミリモル)と、N
−メチルシクロヘキシルアミン2.4g(19ミリモ
ル)を、トルエン80ミリリットル溶解し、トリス(ジ
ベンジリデンアセトン)ジパラジウム30.16g
(0.17ミリモル)および2,2’−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル0.24g
(0.56ミリモル)ならびにナトリウムt−ブトキシ
ド2.2g(23ミリモル)を加え、アルゴン雰囲気
下、80℃で23時間攪拌して反応させた。
【0313】ついで、得られた反応混合物に水100ミ
リリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50ミ
リリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去して褐色オイルを得た。これをカラムクロマ
トグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+3%酢酸エチル、
続いてヘキサン+10%酢酸エチル)で精製して、N−
エチル−N−シクロヘキシル−3−アミノアニソールの
淡黄色オイル2.0g(収率54%)を得た。 (2)N−エチル−N−シクロヘキシル−3−アミノフ
ェノールの合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)17ミリリットル(17ミリモ
ル)に、室温でN−エチル−N−シクロヘキシル−−3
−アミノアニソール2.0g(8.6ミリモル)のジク
ロロメタン溶液10ミリリットルを徐々に滴下し、反応
混合物を一晩放置した。
【0314】ついで、得られた反応混合物を水浴で冷却
し、水10ミリリットルを注意深く滴下して、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。酢酸エチル
100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して得られた暗褐色オイルをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+30%酢酸エチ
ル)で精製して、N−エチル−N−シクロヘキシル−3
−アミノフェノールの黄色オイル1.2g(収率64
%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル)フタル酸0.9g
(2.6ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加
熱した。これに、N−エチル−N−シクロヘキシル−3
−アミノフェノール1.2g(5.4ミリモル)を1時
間おきに2回に分けて加え反応させた。
【0315】ついで、得られた反応混合物を、180℃
で4時間攪拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%酢酸エチル)
で精製して、紫色アモルファス固体(a)0.5g(収
率26%)を得た。ここで得られた物質(a)は、 1
−NMR(CDCl3 、TMS基準)による測定から、
δ1.16(6H,t,J=7Hz)、1.3〜2.0
(20H,m)、3.29(4H,q,J=7Hz)、
3.57(2H,m)、6.3〜6.5(4H,m)、
6.58(2H,d,J=8Hz)、6.77(1H,
d,J=8Hz)、6.92(1H,s)、7.1〜
7.3(11H,m)、7.68(1H,s)の吸収が
観察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミ
ン誘導体であることが確認された。
【0316】
【化90】
【0317】また、上記固体(a)に続いて、紫色アモ
ルファス固体(b)0.5g(収率26%)が得られ
た。ここで得られた物質(b)は、 1H−NMR(CD
Cl3 、TMS基準)による測定から、δ1.17(6
H,t,J=7Hz)、1.2〜2.0(20H,
m)、3.31(4H,q,J=7Hz)、3.58
(2H,m)、6.3〜6.5(4H,m)、6.58
(2H,d,J=8Hz)、6.72(1H,s)、
6.92(1H,s)、7.1〜7.3(11H,
m)、7.73(1H,d,J=8Hz)の吸収が観察
され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン誘
導体であることが確認された。
【0318】
【化91】
【0319】〔実施例31〕 (1)N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−3−アミ
ノアニソールの合成 3−ブロモアニソール3.0g(16ミリモル)と、ビ
ス(2−エチルヘキシル)アミン4.6g(19ミリモ
ル)を、トルエン80ミリリットルに溶解し、トリス
(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム30.16g
(0.17ミリモル)および2,2’−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル0.20g
(0.45ミリモル)ならびにナトリウムt−ブトキシ
ド2.2g(23ミリモル)を加え、アルゴン雰囲気
下、80℃で35時間攪拌して、反応させた。
【0320】ついで、得られた反応混合物に水100ミ
リリットルを加えて有機層を分取し、飽和食塩水50ミ
リリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を留去して赤褐色オイルを得た。これをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン、続いてヘキサン
+5%酢酸エチル)で精製して、N,N−ビス(2−エ
チルヘキシル)−3−アミノアニソールの黄色オイル
3.1g(収率56%)を得た。 (2)N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−3−アミ
ノフェノールの合成 アルゴン気流下、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液
(1モル/リットル)17ミリリットル(17ミリモ
ル)に、室温で、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)
−3−アミノアニソール3.1g(6.6ミリモル)の
ジクロロメタン溶液5ミリリットルを徐々に滴下し、反
応混合物を一晩放置した。
【0321】ついで、得られた反応混合物を水浴で冷却
し、水10ミリリットルを注意深く滴下して、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて中性とした。酢酸エチル
100ミリリットルで抽出し、有機層を飽和食塩水30
ミリリットルで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去して得られた暗褐色オイルをカラムクロ
マトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+10%酢酸エチ
ル)で精製して、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)
−3−アミノフェノールの淡褐色オイル1.8g(収率
80%)を得た。 (3)ローダミン誘導体の合成 4−(2,2−ジフェニルビニル)フタル酸0.9g
(2.6ミリモル)を、1,2−ジクロロベンゼン5ミ
リリットルに懸濁し、アルゴン雰囲気下、180℃に加
熱した。これに、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)
−3−アミノフェノール1.8g(5.4ミリモル)
を、1 時間おきに2回に分けて加え、反応させた。
【0322】ついで、得られた反応混合物を、180℃
で5時間攪拌し、室温まで放冷した後、カラムクロマト
グラフィ(シリカゲル/ヘキサン+20%酢酸エチル)
で精製して、赤色ペースト(a)0.48g(収率19
%)を得た。ここで得られた物質(a)は、 1H−NM
R(CDCl3 、TMS基準)による測定から、δ0.
95(24H,bt,J=7Hz)、1.26(32
H,s)、1.7〜1.9(4H,m)、3.23(8
H,d,J=7Hz)、6.3〜6.4(4H,m)、
6.66(2H,d,J=8Hz)、6.89(1H,
d,J=8Hz)、7.09(1H,s)、7.1〜
7.4(11H,m)、7.74(1H,s)の吸収が
観察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミ
ン誘導体であることが確認された。
【0323】
【化92】
【0324】また、上記ペースト(a)に続いて、赤色
のペースト(b)0.44g(収率18%)が得られ
た。ここで得られた物質(b)は、 1H−NMR(CD
Cl3 、TMS基準)による測定から、δ0.89(2
4H,bt,J=7Hz)、1.27(32H,s)、
1.7〜1.9(4H,m)、3.24(8H,d,J
=7Hz)、6.3〜6.4(4H,m)、6.53
(2H,d,J=8Hz)、6.74(1H,s)、
6.96(1H,s)、7.0〜7.3(11H,
m)、7.75(1H,d,J=8Hz))の吸収が観
察され、この結果、下記の化学構造を有するローダミン
誘導体であることが確認された。
【0325】
【化93】
【0326】〔実施例32〕色素として、クマリン6お
よびローダミン6Gを用い、蛍光変換材料として実施例
1で得られたローダミン誘導体を用いて、これら3成分
をいずれも10mgづつサンプル瓶に入れた。ついで、
バインダー樹脂として、ベンゾグアナミン樹脂(シンロ
イヒ社製)1g、また溶媒としてエチルセルソルブ1g
を、上記サンプル瓶に入れ、これらを溶媒に溶解させ
た。
【0327】このようにして得られた溶液を、市販のス
ライドガラス上に数滴乗せ、スピンコーターを用いて、
500rpmの回転速度で20秒間スライドガラスを回
転させ、この溶液から溶媒を揮散させて薄膜を得た。さ
らに、この薄膜を80℃のホットプレート上で15分間
乾燥させ、色変換膜を作製した。ここで得られた色変換
膜の膜厚は、表面粗さ計(DEKTAK3030)を用
いて測定した。
【0328】つぎに、このようにして得られた色変換膜
の性能についての評価をした。まず、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の発光を取り出しているガラス基板上
に、不活性液体(スリーエム社製;フロリナート70
C)を数滴塗布し、この色変換膜を、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の基板上に貼り合わせた。ついで、該
素子を駆動し、色変換膜を通過して出力された光を、色
彩色差計(ミノルタ製;CS0)により測定して、発光
輝度およびCIE色度座標の評価をした。なお、光源と
なる有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は2
00cd/m2 であり、CIE色度座標は(0.16
4,0.243)であった。これら評価結果を、第1表
に示す。
【0329】〔実施例33〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例2で
得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32と
同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜について
実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0330】〔実施例34〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例3で
得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32と
同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜について
実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0331】〔実施例35〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例4で
得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32と
同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜について
実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0332】〔実施例36〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例5で
得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32と
同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜について
実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0333】〔実施例37〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例8で
得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32と
同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜について
実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0334】〔実施例38〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例10
で得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32
と同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜につい
て実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0335】〔実施例39〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例11
で得られた固体(a)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0336】〔実施例40〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例11
で得られた固体(b)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0337】〔実施例41〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例12
で得られた固体(a)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0338】〔実施例42〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例12
で得られた固体(b)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0339】〔実施例43〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例14
で得られたローダミン誘導体を用いた他は、実施例32
と同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜につい
て実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0340】〔実施例44〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例15
で得られた固体(a)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0341】〔実施例45〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例15
で得られた固体(b)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0342】〔実施例46〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例17
で得られた固体(a)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0343】〔実施例47〕蛍光変換材料として、実施
例1で得られたローダミン誘導体に代えて、実施例17
で得られた固体(b)のローダミン誘導体を用いた他
は、実施例32と同様にして色変換膜を作製した。この
色変換膜について実施した性能評価の結果を、第1表に
示す。
【0344】〔比較例1〕蛍光変換材料として、従来か
らよく知られているローダミンBを用いた他は、実施例
32と同様にして色変換膜を作製した。この色変換膜に
ついて実施した性能評価の結果を、第1表に示す。
【0345】
【表1】
【0346】〔実施例48〕本例では、本発明のローダ
ミン誘導体を発光層に含有する有機エレクトロルミネッ
センス素子の作製例を示す。まず、ガラス基板(縦25
mm,横75mm、厚さ1.1mm)の上に、インジウ
ム・スズ酸化物からなる透明性アノードを設けた。この
透明性アノードの厚さは、約750オングストロームと
した。
【0347】つぎに、この透明性アノードを設けたガラ
ス基板を、真空蒸着装置(日本真空技術社製)に装入し
て、10-6Torrの減圧下に、透明性アノードの上
に、4,4’,4”−トリス〔N−(m−トリル)−N
−フェニルアミノ〕トリフェニルアミンを、2オングス
トローム/秒の蒸着速度で蒸着して600オングストロ
ームの厚さの正孔注入層を形成した。ついで、この正孔
注入層の上に、N,N’−(ナフチル−1−イル)−
N,N’−ジフェニルベンジジンを2オングストローム
/秒の蒸着速度で蒸着して200オングストロームの厚
さの正孔輸送層を形成した。
【0348】さらに、この正孔輸送層の上に、前記実施
例1で得られたローダミン誘導体と、4,4’−ビス
(2,2−ジフェニルビニル−1−イル)−1,1’−
ビフェニルとを同時蒸着して、400オングストローム
の厚さの発光層を形成した。この場合の蒸着速度は、前
記実施例1で得られたローダミン誘導体の蒸着速度が1
オングストローム/秒であり、4,4’−ビス(2,2
−ジフェニルビニル−1−イル)−1,1’−ビフェニ
ルの蒸着速度が50オングストローム/秒であった。そ
して、この発光層の上に、トリス(8−キノリノール)
アルミニウムのみを蒸着速度2オングストローム/秒で
蒸着して200オングストロームの厚さの電子注入層を
形成した。
【0349】最後に、この電子注入層の上に、マグネシ
ウムと銀とを同時蒸着することにより、2000オング
ストロームの厚さの陰極を形成した。この場合のマグネ
シウムの蒸着速度は20オングストローム/秒であり、
銀の蒸着速度は1オングストローム/秒であった。この
ようにして得られた素子の両極間に、8Vの電圧を印加
すると、電流密度は2.7mA/cm2 であり、輝度9
0cd/m2 の赤色発光であった。また、この場合の発
光効率は、1.3lm/Wであった。
【0350】
【発明の効果】本発明のローダミン誘導体は、蛍光変換
物質として有用性が高く、特に青色から赤色への変換効
率の高い色変換膜の形成材料や有機エレクトロルミネッ
センス素子の構成材料として好適に用いることができ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 BB00 BB06 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 4H056 BA02 BB04 BB05 BC01 BD01 BD05 BF01 BF02 BF03 BF04 BF24F BF25F BF26F BF28F BF29F BF33 BF34 FA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるローダミン
    誘導体。 【化1】 〔式(1)中、R1 〜R8 およびYは、それぞれ独立に
    水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜3
    0のシクロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル
    基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜30の
    ハロアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシアルキル
    基、炭素数7〜30のアリールアルキル基であり、かつ
    1 とR2 、R1 とR5 、R2 とR6 、R3 とR4 、R
    3 とR7 およびR4 とR8 とは、相互に結合して窒素原
    子を含む5員環または6員環を形成していてもよく、X
    は酸素原子または硫黄原子であり、pは1または2の整
    数であり、qは1または0であり、Ar1 は、核炭素数
    6〜30のアリール基、またはハロゲン原子、炭素数1
    〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル
    基、ジアリールアミノ基もしくは炭素数1〜30のアル
    コキシ基で置換された核炭素数6〜30のアリール基ま
    たは下記一般式(2)、 【化2】 (式(2)中、Ar2 〜Ar4 は、それぞれ独立に水素
    原子、核炭素数6〜30のアリール基、またはハロゲン
    原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30の
    ハロアルキル基、ジアリールアミノ基もしくは炭素数1
    〜30のアルコキシ基で置換された核原子数6〜30の
    アリール基であり、nは0または1の整数であり、mは
    1から4の整数であり、R9 は、水素原子または炭素数
    1〜18のアルキル基である)で表される置換ビニルフ
    ェニル基を表し、AはF- 、Cl-、Br- 、I- 、C
    lO4 - 、BF4 - 、1/2 ZnCl4 2- 、下記一般式
    (3)または下記一般式(4)、 【化3】 (式(3)中のR10〜R13および式(4)中のR14は、
    それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3
    0のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素
    数3〜30のシクロアルキル基、炭素数2〜30のアル
    ケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基、炭素数1〜
    30のハロアルキル基、炭素数2〜30のアルコキシア
    ルキル基、炭素数7〜30のアリールアルキル基であ
    り、rは1〜5の整数である)でそれぞれ表されるテト
    ラアリールホウ素イオンまたはスルホネートイオンであ
    る。(ただし、qが0の場合にはAは存在しない)〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)におけるXが、酸素原子で
    ある請求項1記載のローダミン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)におけるR1 〜R8 が、そ
    れぞれ独立に水素原子または炭素数1〜18のアルキル
    基である請求項1または2記載のローダミン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(1)におけるAr1 が、炭素数
    6〜14のアリール基である請求項1〜3のいずれかに
    記載のローダミン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(2)におけるAr2 〜Ar
    4 が、それぞれ独立に炭素数6〜12のアリール基であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のローダミン誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(1)におけるR1 〜R4 が、そ
    れぞれ独立に水素原子またはエチル基である請求項1〜
    5のいずれかに記載のローダミン誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(1)におけるR5 〜R8 が、そ
    れぞれ独立に水素原子またはエチル基である請求項1〜
    6のいずれかに記載のローダミン誘導体。
  8. 【請求項8】 一般式(1)で表されるローダミン誘導
    体からなる色素。
  9. 【請求項9】 樹脂中に一般式(1)で表されるローダ
    ミン誘導体を含有させてなる色変換膜。
  10. 【請求項10】一対の電極間に少なくとも有機発光層を
    挟持させてなる有機エレクトロルミネッセンス素子にお
    いて、該有機発光層に一般式(1)で表されるローダミ
    ン誘導体を含有させてなる有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
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