JP2000103738A - 血管内皮細胞増殖促進剤 - Google Patents

血管内皮細胞増殖促進剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた血管内皮細胞増殖促進剤、血管新生促進
剤および人工臓器や医療用具に使用しうる優れた材料を
提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で表されるグルクロン
酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化
合物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物また
は塩の溶媒和を有効成分として含む血管内皮細胞増殖促
進剤、一般式(1)で表される化合物を有効成分とし
て含む細胞培養用組成物、一般式(1)で表される化
合物または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造と
して有する高分子を有効成分とする血管内皮細胞増殖促
進用コーティング剤、一般式(1)で表される化合物
または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造として
有する高分子を材料として用いた血管内皮細胞増殖促進
用成型物、前記成型物および/または前記コーティン
グ剤を使用して製造した血管内皮細胞被覆型人工臓器、
血管内皮細胞被覆型医療用具および細胞培養用器材。式
(1) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルクロン酸誘導
体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合物を
有効成分として含む血管内皮細胞増殖促進剤および細胞
培養用組成物に関する。また、前記化合物を側鎖構造に
もつ高分子物質を用いて製造した血管内皮細胞被覆型人
工臓器、血管内皮細胞被覆型医療用具および細胞培養用
器材に関する。
【0002】
【従来の技術】血管内皮細胞は、全身の血管内腔を連続
して被覆する一層の細胞群である。正常な血管内皮細胞
は、血管透過性の抑制、血管内腔の抗血栓化、血
管平滑筋の弛緩、収縮の調節、血管壁細胞の遊走や増
殖の制御のような多彩な機能を果たしており、血管内皮
細胞は血管を血管たらしめる中心的存在であると言われ
ている。
【0003】ヒトは血管とともに老いるといわれてお
り、血管壁は年齢とともに障害を受ける。血管壁が障害
を受けて破綻すると、血管の破綻は心筋梗塞、大動脈
瘤、脳卒中、あるいは壊死といった循環器疾患の形で現
れる。血管壁の破綻の最大の原因は動脈硬化である。
【0004】現在の動脈硬化の治療又は予防は、そのほ
とんどが脂質代謝の改善という面からのアプローチであ
り、薬剤としては抗高脂血症剤が汎用されている。その
他、動脈硬化部位の血管の閉塞を防ぐ目的で抗血小板剤
や抗血液凝固剤が投与される。しかし、これらの薬剤
は、血管壁の破綻を積極的に治療するものではなく、破
綻の原因の一つである高脂血症あるいは破綻の進展原因
の一つである血栓形成を押さえ込むことによって破綻の
進展を防ぐという間接的な作用を期待するものである。
【0005】動脈硬化の発症、進展には、血管内皮細胞
の損傷や機能喪失が重要かつ不可欠であるとされてい
る。前述のように、従来の療法では、治療を行ううえで
最も重要な血管の破綻の根本的原因の解消、即ち血管内
皮細胞の再生および機能回復については単純に生体がも
つ修復機能に依存するのみであった。従って、損傷を受
けて本来の機能を喪失した血管内皮細胞の再生や機能回
復を促進する、いわゆる「血管内皮再生療法」は従来の
治療法の欠点を克服し得る極めて有用な治療法であると
いえる。しかし、血管内皮再生療法に利用しうる薬剤は
実用化されておらず、優れた薬剤の開発が望まれてい
る。血管内皮再生療法の例としては、実験的に傷害した
ウサギの血管内皮障害部位に血管内皮細胞成長因子(VE
GF)の遺伝子を導入してVEGFを発現させ、その有効性を
検討した報告(Asahara, T. et al.,Circulation, 94,
3291, 1996)などがある。
【0006】経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)は、血管
内に入れたバルーンカテーテルを膨らませ(バルーニン
グ)、動脈硬化の進展によってできた狭窄部位を拡張す
る手法であり、冠動脈硬化症の確立された治療法の一つ
である。しかし、術後6ヶ月以内に30〜50%の患者
に再狭窄が認められ、大きな問題となっている。再狭窄
は、バルーニングによって引き起こされ、急激に進行す
る一種の動脈硬化症であるといえる。これまで、バルー
ニングの手技の工夫やカテーテルの改良などとともに様
々な薬剤を用いた治療が試みられてきたが、未だに充分
であるとは言い難く、より優れた治療法や薬剤の開発が
期待されている。血管内皮再生療法ならば、PTCA後の再
狭窄を効果的に予防できると考えられ(前記のAsahara
らの報告を参照されたい)、これに用いる優れた薬剤の
開発が期待されている。
【0007】心筋梗塞などの虚血性疾患の予後は、多く
の因子によって影響を受けるが、側副血行路の発達の程
度は、最も重要な予後決定因子の一つであると考えられ
ている。側副血行路の充分な発達があれば、狭窄や閉塞
(梗塞)が生じても、虚血や組織の壊死が押さえられ、
梗塞サイズの縮小や予後の改善が得られる。従来、側副
血行路形成の機序として、血管内圧や血流の変化が重要
視されてきたが、側副血行路形成時に血管内皮細胞や血
管平滑筋細胞にDNA合成を伴う細胞分裂像が認められ
ることが報告され、側副血行路の形成過程は、単に既存
の吻合血管の物理的要因による拡張だけでなく、少なく
ともその一部は血管壁構成細胞の増殖が関与する血管新
生過程であると理解されるようになっている。近年、
「血管新生療法」という新しい治療法によって虚血性心
疾患を治療しようとする試みがなされている(例えば、
Yanagisawa-Miwa, A. et al., Science, 257, 1401, 19
92)。血管新生療法とは、虚血組織周辺の血管新生を促
進することによって積極的に側副血行路を確保し、虚血
組織を保護しようとする試みであり、"pharmacological
bypass therapy(薬物投与によるバイパス形成療法)"
ともいえる新しい治療法である。しかし、未だに実用化
には至っておらず、これに用いることのできる優れた薬
剤や治療法の開発が期待されている。また、血管新生促
進活性をもつ物質(例えば、線維芽細胞成長因子)を創
傷の治療に利用する試みがなされている(Hockel, M. e
t al., Arch. Surg., 128, 423, 1993などを参照された
い)。
【0008】人工臓器とは、心臓、血管、心臓弁、肺、
膵臓、腎臓、肝臓、皮膚、粘膜などの各種の生体組織お
よび臓器の機能を人工的な材料を用いた成型物やそれを
部品として用いた装置によって補助あるいは代行しよう
とするものである。人工臓器は、生体内に埋入したり、
血管へのカニュレーションによって引き出した血液を接
触させることによってその機能を発揮するため、それら
に用いる材料は生体に害を与えることなく使用できる性
質、つまり、生体適合性をもたなければならない。人工
臓器の生体適合性を規定する最も重要な生体の反応は血
栓形成反応である。血栓形成を避けるために、血液と接
触しても血栓を形成しない材料、すなわち、抗血栓性材
料の開発が試みられてきた。体内で血液と直接触れるの
は血管内皮を構成する血管内皮細胞であり、正常な血管
内皮細胞の上では血栓は形成されない。当然のことでは
あるが、最も優れた抗血栓性材料は天然の抗血栓性材料
である血管内皮細胞といえる。本来の臓器と同様に人工
臓器の血液接触面が血管内皮細胞で被覆されていれば、
血栓形成反応は起こらない。血管内皮細胞の抗血栓性を
積極的に利用した人工臓器を開発する試みとして新生内
膜治癒促進型人工血管などの臨床応用が試みられてお
り、ある程度の成果が得られている(例えば、Noishik
i, Y. et al., Trans. Am. Soc. Artif. Intern. Organ
s., 27, 309, 1986)。これまで、細胞親和性の高い材
料を用いたり、成型物の有孔性を高くすることによって
細胞侵入を促進するなどといった方法でアプローチがな
されているが、血管内皮細胞の成長を促進する物質を利
用して血管内皮細胞の被覆を促進するといった試みはほ
とんどなされていない。
【0009】また、人工臓器以外にも、血液と接触する
機会のある医療用具にも抗血栓性をもつ材料を用いるこ
とが望ましい。特に、ステントのように血管内に留置さ
れる体内埋め込み用医療用具は長期間血液と接触し続け
ることからも高い生体適合性(抗血栓性)をもつことが
要求される。これらの理由からも、より優れた抗血栓性
材料の開発が期待されている。
【0010】さらに、血管内皮細胞の成長促進作用をも
つ物質は細胞培養用組成物や細胞培養用器材の材料とし
ても利用可能である。
【0011】なお、本発明者らは、特願平10-120425号
において本発明の血管内皮細胞増殖促進剤に使用する式
(1)の化合物が血小板粘着凝集抑制作用を有すること
を示したが、血管内皮細胞増殖促進作用については開示
していない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の記述から明らか
なように、優れた血管内皮細胞増殖促進物質および血管
内皮細胞増殖促進作用をもつ高分子物質の提供は医療上
ならびに細胞生物学的実験を行ううえでの重要な課題で
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、一般式
(1)に示される化合物、その薬理学的に許容される塩
および溶媒和物または塩の溶媒和物が優れた血管内皮細
胞増殖促進作用および血管新生促進作用を有することを
見いだし、さらに、その化合物を側鎖構造として有する
高分子物質が優れた血管内皮細胞増殖促進作用を有する
ことを見いだして本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は一般式(1)で表され
るグルクロン酸誘導体およびグルコサミン誘導体を構造
中に有する化合物、その薬理学的に許容される塩および
溶媒和物または塩の溶媒和物を有効成分として含む血管
内皮細胞増殖促進剤を提供する。
【0015】本発明の血管内皮細胞増殖促進剤は血管内
皮再生療法または血管新生療法のための治療薬または予
防薬として有用である。
【0016】本発明はまた、一般式(1)で表される化
合物または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造と
して有する高分子を有効成分として含む細胞培養用組成
物を提供する。
【0017】本発明はさらに、一般式(1)で表される
化合物または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造
として有する高分子を有効成分とする血管内皮細胞増殖
促進用コーティング剤を提供する。
【0018】本発明はさらに、一般式(1)で表される
化合物または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造
として有する高分子を材料として用いた血管内皮細胞増
殖促進用成型物を提供する。
【0019】本発明はさらに、前記成型物および/また
は前記コーティング剤を使用して製造した血管内皮細胞
被覆型人工臓器を提供する。
【0020】本発明はさらに、前記成型物および/また
は前記コーティング剤を使用して製造した血管内皮細胞
被覆型医療用具を提供する。
【0021】本発明はさらに、前記成型物および/また
は前記コーティング剤を使用して製造した細胞培養用器
材を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】[本発明の血管内皮細胞増殖促進
剤に使用する化合物]本発明の血管内皮細胞増殖促進剤
中に有効成分として含まれる化合物は、下記一般式
(1)で表される グルクロン酸誘導体およびグルコサ
ミン誘導体を構造中に有する化合物、その薬理学的に許
容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物である。
【0023】式(1)
【化17】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
を表す。式(2)〜(5)中、R12は水素原子、保護基
または下記式(6)〜(8)を表し、R13は水素原子ま
たは保護基を表す。ただし、R12およびR13が水素原子ま
たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
合あるいはシス結合のどちらであってもよい。
【0024】式(2) −OR12 式(3) −NHR13 式(4) −CH2R13 式(5) −SR13 式(6)
【化18】 式(7)
【化19】 式(8)
【化20】 また、R12が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
(8)中、R15、R19およびR28を除くR14〜R30は同一ま
たは異なって水素原子または保護基を表し、R15、R19
よびR28はアジド基または下記式(9)を表す。
【0025】式(9) −NR31R32 式(9)中、R31およびR32は、同一または異なり水素原
子または保護基を表す。
【0026】式(1)中、R2〜R8は同一または異なって
水素原子または保護基を表す。
【0027】式(1)中、R9〜R11は、同一または異な
って水素原子または保護基を表す。
【0028】式(1)中、nは0〜25の整数を表す。
(ただし、nが0のときは、R1は式(2)、R12は式
(8)で表される基である。)
【0029】式(1)および式(6)〜(8)中、保護
基は互いに同一または異なり、置換されていてもよい炭
素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換さ
れていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖の
アルケニル、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の
アシル、置換されていてもよい芳香族アシル、または置
換されていてもよい芳香族アルキルであり、またR15、R
19およびR28を除くR2〜R30の任意の保護基2つが一緒に
なって、置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアル
キリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環
状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、
または、置換されていてもよいフタロイルを形成しても
よい。
【0030】また、nが2〜25の場合、R2〜R8は、繰
り返し単位ごとに同一であっても異なっていてもよ
い。] すなわち、本発明の血管内皮細胞増殖促進剤中に有効成
分として含まれる式(1)で表される化合物は、下記式
(10)で表されるD-グルコサミン誘導体と式(11)で表
されるD-グルクロン酸誘導体が結合した構造を有する。
【0031】式(10)
【化21】 [式(10)中、R31〜R36は水素原子または保護基を表
す。]式(11)
【化22】 [式(11)中、R37は水酸基または保護基を表し、R38
R41は水素原子または保護基を表す。] 式(1)において、nは0〜25の整数を表すが、nが0
のときR1は式(2)、R12は式(8)で表される基であ
る。すなわち、式(1)の化合物は下記式(12)で表さ
れる。
【0032】式(12)
【化23】 本発明でいう保護基とは、Theodra W. Green著の“Prod
uctive Groups in Organic synthesis”;第2判;1991
年刊に表されている各種の保護基を含むものである。
【0033】上記式(1)〜(12)中で示される保護基
は、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖また
は分枝鎖のアルキルとしては例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル、ペン
チル、オクチル、メトキシメチル、第三級ブチルチオメ
チル、1-エトキシエチル、シロキシメチルまたは2-メト
キシエトキシメチルなどを表し、置換されていてもよい
炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニルとし
ては、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニ
ル、ブテニルまたはオクテニルなどを表し、置換されて
いてもよい1〜8の直鎖または分枝鎖のアシルとして
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリルまたはピバロイル、またはハロゲン化アシルなど
を表し、ハロゲン化アシルとしては例えば、クロロアセ
チル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフ
ルオロアセチルなどを表し、置換されていてもよい芳香
族アシルとしては例えば、ベンゾイル、パラクロロベン
ゾイルなどを表し、置換されていてもよい芳香族アルキ
ルとしては、例えば置換されていてもよいベンジル、置
換されていてもよいジフェニルメチルまたは置換されて
いてもよいトリフェニルメチルなどを表し、置換されて
いてもよいベンジルとしては、例えば4-メトキシベンジ
ルなどを表す。さらに、式(1)〜(12)中で示される
保護基は、R15、R19およびR28を除くR2〜R30の任意の保
護基2つが一緒になって、1つの保護基を表してもよ
く、即ち置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアル
キリデン、置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環
状アルキリデン、置換されていてもよいベンジリデン、
または、置換されていてもよいフタロイルを形成しても
よい。置換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキ
リデンとしては例えば、プロピリデン、ブチリデンまた
はオクチリデンなどを表し、置換されていてもよい炭素
原子数3〜8の環状アルキリデンとしては例えば、シク
ロペンチリデン、シクロヘキシリデンまたはシクロヘプ
チリデンなどを表す。水酸基の保護基としては置換され
ていてもよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖アシ
ル、置換されていてもよい芳香族アルキル、置換されて
いてもよい炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアル
ケニルまたは置換されていてもよいベンジリデンなどが
好ましく、さらに好ましくはアセチル、ベンジル、1-プ
ロペニルまたはベンジリデンなどを表し、アミノ基の保
護基としては、置換されていてもよい炭素原子数1〜8
の直鎖または分枝鎖のアシルまたは置換されていてもよ
いフタロイルなどが好ましく、さらに好ましくはアセチ
ルまたはフタロイルなどを表し、カルボキシル基の保護
基としては、置換されていてもよい炭素原子数1〜8の
直鎖または分枝鎖のアルキルまたは置換されていてもよ
い芳香族アルキルなどが好ましく、さらに好ましくは、
メトキシル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチルまた
はジフェニルメチルなどを表す。上記の保護基は、同一
の化合物中で互いに同一でも異なっていてもよく、任意
に選ばれる。
【0034】式(1)中のnは0〜25の整数であり、
好ましくは、0〜 10、特に好ましくは0〜5、さら
に好ましくは0〜2である。
【0035】R1は上記の記載に合致するものであればよ
いが、特に、前記式(6)〜(8)であること、すなわ
ち、式(1)の化合物が下記式(13)〜(15)であるこ
とが好ましい。
【0036】式(13)
【化24】 式(14)
【化25】 式(15)
【化26】 また、さらに前記式(13)〜(15)において、R15
R19、R28が前記式(9)であることが特に好ましい。
【0037】本発明における薬理学的に許容される塩と
は、式(1)の化合物を治療に必要な量を投与する場合
に、生体に対して悪影響を及ぼさない、あるいは、式
(1)の化合物の有効な薬理学的な性質を塩としたこと
で損なわない塩であることを意味する。具体例として
は、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩など
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩;フッ化水
素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの
ハロゲン化水素酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオ
ロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などの低級
アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p-トル
エンスルホン酸塩などのアリールスルホン酸塩;フマル
酸塩、コハク酸、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、
マレイン酸塩などの有機酸塩;およびグルタミン酸塩、
アスパラギン酸塩などのアミノ酸塩をあげることができ
る。またさらに、式(1)の化合物およびその塩は、薬
理学的に許容される各種の溶媒、例えば水、有機溶媒、
緩衝液などとの溶媒和物や結晶多形のものなども含まれ
る。
【0038】式(1)の化合物は置換基の種類によって
不斉炭素原子を有し、不斉中心の存在に基づく光学異性
体が存在する場合がある。本発明の化合物には、各々の
異性体、および、それらの混合物のすべてが含まれる。
例えば、ある光学異性体とその鏡像異性体(エナンチオ
マー)との混合物、特に、等量混合物であるラセミ体、
また、あるいは、ある光学異性体とそのジアステレオマ
ーとの混合物も含まれる。
【0039】[式(1)の化合物の製造法]当然のこと
ではあるが、本発明の血管内皮細胞増殖促進剤に使用す
る化合物を得る方法には種々の方法がある。例えば、グ
ルクロン酸誘導体やグルコサミン誘導体などを原料にし
て有機化学的手法によって中間体あるいは目的化合物を
合成・修飾する方法や多糖を酸やアルカリなどを用いて
分解して中間体あるいは目的化合物を得る方法などの有
機化学的手法、グルクロン酸やN-アセチルグルコサミン
などを原料にして転移酵素や分解酵素の逆反応などを利
用して中間体あるいは目的化合物を合成・修飾する方法
や多糖を酵素を用いて分解して中間体あるいは目的化合
物を得る方法などの生化学的手法、あるいは、微生物や
細胞に酵素の遺伝子を導入して原料、中間体あるいは目
的化合物、または合成・修飾に用いる酵素を得るなどの
遺伝子工学的手法などを、単独あるいは組み合わせて用
いる方法をあげることができる。
【0040】式(1)の化合物の好ましい製造法は前記
の特願平10-120425号に詳しく記載されている。
【0041】[本発明の血管内皮細胞増殖促進剤、およ
びその投与方法、投与量および剤形]本発明の血管内皮
細胞増殖促進剤は、式(1)の化合物、その薬理学的に
許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物の少な
くとも一つをを有効成分として含む。
【0042】本発明の血管内皮細胞増殖促進剤は、通
常、全身的または局所的に、そして経口的または非経口
的に投与される。投与量は、疾患の種類、症状の程度、
投与対象の年齢や体重などの諸条件をもとに総合的に判
断し、最適な量を適宜決定するべきであり、特に限定さ
れない。しかし、通常、本発明の血管内皮細胞増殖促進
剤に有効成分として含まれる式(1)の化合物の量とし
て、成人では1日当たり経口投与の場合0.01〜100mg/k
g、非経口投与の場合0.001〜10mg/kgである。投与は必
要に応じて1日1回ないし複数回に分けて行われる。
【0043】本発明の血管内皮細胞増殖促進剤の投与
は、固体組成物、液体組成物およびその他の組成物の経
口投与、注射剤、外用剤、坐剤などの非経口投与のいず
れの形態であってもよく、必要に応じて最適な方法が選
択される。本発明の血管内皮細胞増殖促進剤は、式
(1)の化合物、その薬理学的に許容される塩および溶
媒和物または塩の溶媒和物の少なくともひとつを有効成
分として含有し、これに通常の製剤化に用いられる担
体、賦形剤、その他の添加剤を加えて当業者に公知の方
法で調製することができる。製剤用の担体や賦形剤とし
ては、例えば、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デン
プン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴ
ム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリ
コールなどやその他常用されるものをあげることができ
る。
【0044】経口投与のための固体組成物としては、錠
剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが用いられ
る。このような固体組成物においては、少なくともひと
つの活性物質(有効成分)が少なくともひとつの不活性
な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、デ
ンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウムなどと混合される。組成物は、常法にした
がって不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、ステアリ
ン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸
カルシウムのような崩壊剤、グルタミン酸またはアスパ
ラギン酸のような溶解補助剤を含んでいてもよい。錠剤
または丸剤は、必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣や胃
溶性または腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、
2つ以上の層で被覆してもよい。さらに、ゼラチンのよ
うな吸収されうる物質のカプセルも含まれる。
【0045】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤などを含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールなどを含んでいてもよ
い。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁
剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤な
どを含んでいてもよい。
【0046】非経口投与のための注射剤としては、無菌
の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれ
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、注射用水
および注射用生理食塩液が含まれる。非水性の溶液剤、
懸濁剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタ
ノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録
商標)などが含まれる。このような組成物は、さらに防
腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、乳
糖)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらは、
例えば、精密ろ過膜によるろ過滅菌、高圧蒸気滅菌のよ
うな加熱滅菌、あるいは、殺菌剤の配合などの通常の滅
菌方法によって無菌化することが可能である。また、無
菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の
注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0047】非経口投与のためのその他の血管内皮細胞
増殖促進剤としては式(1)の化合物の少なくともひと
つを有効成分として含み、常法によって処方される外用
液剤、軟膏剤、塗布剤、坐剤、経皮剤、点眼剤などが含
まれる。
【0048】[本発明で使用する高分子およびその製造
法]本発明で使用する高分子とは、式(1)の化合物を
側鎖構造として有する高分子化合物のことである。これ
らの高分子の製造に用いる主鎖となるポリマーは生体適
合性ポリマーであることが好ましく、例えば、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、
エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネイ
ト、シリコン、ポリメチルメタクリレート、ポリ四フッ
化エチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ABS樹脂、ポリアセタールおよび
これらの誘導体を挙げることができる。主鎖と側鎖の間
には適当なスペーサを入れることもでき、これによって
側鎖に柔軟性を付与することができる。また、式(1)
の化合物を側鎖構造に有する複数の高分子化合物のブロ
ックコポリマーであってもよい。さらには、式(1)の
化合物に加えて、ヘパリンなどの血栓形成抑制物質やウ
ロキナーゼなどの血栓溶解酵素などの抗血栓作用を有す
る物質を併せて結合してもよい。
【0049】当然のことながら、本発明で使用する高分
子は製造法によって限定されるものではなく、目的とす
るものが得られるのであれば、どのような方法を用いて
も差し支えない。これらの高分子を得るには種々の方法
があり、それらの方法を単独あるいは組み合わせて用い
ることができる。これらの製造法は当業者に公知であ
る。例えば、主鎖となるポリマーのモノマーに本発明の
化合物を結合した後、重合反応を行い主鎖ポリマーを形
成してもよく、あるいは主鎖ポリマーに本発明の化合物
を結合してもよい。
【0050】式(1)の化合物はグルクロン酸誘導体や
グルコサミン誘導体といった生体成分の誘導体をその構
造中にもつことからもわかるように生体適合性が高く、
生体に悪影響を及ぼすことが少なく、仮に高分子から式
(1)の化合物が脱落したとしても生体に悪影響を及ぼ
すことが少ない。
【0051】[本発明のコーティング剤、成型物および
その製造法]本発明はさらに、式(1)の化合物または
前記高分子の少なくともひとつを有効成分とする血管内
皮細胞増殖促進用コーティング剤を提供する。このよう
なコーティング剤は式(1)の化合物または高分子を適
当な溶媒に溶解、分散し、人工臓器や医療用具などに塗
布、含浸、スプレーコーティングなどの方法によりコー
ティングすることができる。
【0052】本発明の血管内皮細胞増殖促進用成型物
は、式(1)の化合物または前記高分子の少なくともひ
とつを材料として用いて製造されるものであり、その使
用目的に応じてつくられる。したがって、材料のもつ本
来の性質を損ねない範囲であれば、どのような方法によ
ってつくられても差し支えない。本発明の成型物を得る
には、化合物や高分子を別に製造した成型物にコーティ
ングする方法、化合物を別に製造した成型物と結合させ
る方法、化合物や高分子を含む材料から直接成型する方
法など、種々の方法があり、それらの方法を単独あるい
は組み合わせて用いることができる。
【0053】本発明の成型物は、優れた血管内皮細胞成
長促進作用を有するため、人工臓器、医療用具の部品あ
るいはそれ自体として用いることができる。成型物の形
状は用いる材料の性質にもよるが、その使用目的に応じ
て、フィルム状物、膜状物、管状物、板状物、網状物、
繊維状物、布状物などのいずれかの形状にすることがで
きる。
【0054】[本発明の人工臓器およびその製造法]本
発明の血管内皮細胞被覆型人工臓器は、式(1)本発明
の化合物あるいは本発明の高分子の少なくともひとつを
材料として、または、本発明の成型物の少なくともひと
つを部品として用いて製造されるものであり、その使用
目的に応じてつくられる。また、このようにして製造さ
れた人工臓器あるいはその他の方法で製造された従来型
の人工臓器に、さらに本発明のコーティング剤を塗布し
て製造することもできる。したがって、材料あるいは部
品のもつ本来の性質を損ねない範囲であれば、どのよう
な方法によってつくられても差し支えない。
【0055】本発明の血管内皮細胞被覆型人工臓器の例
としては、人工血管、人工心臓、心臓ペースメーカー、
人工心臓弁、人工腎臓、人工肺、人工心肺、人工膵臓、
人工骨、人工関節、人工靭帯などをあげることができ
る。
【0056】[本発明の医療用具およびその製造法]本
発明の血管内皮細胞被覆型医療用具は、式(1)本発明
の化合物あるいは本発明の高分子の少なくともひとつを
材料として、または、本発明の成型物の少なくともひと
つを部品として用いて製造されるものであり、その使用
目的に応じてつくられる。また、このようにして製造さ
れた医療用具あるいはその他の方法で製造された従来型
の医療用具に、さらに本発明のコーティング剤を塗布し
て製造することもできる。したがって、材料あるいは部
品のもつ本来の性質を損ねない範囲であれば、どのよう
な方法によってつくられても差し支えない。
【0057】本発明の血管内皮細胞被覆型医療用具の例
としては、カニューレやステントなどをあげることがで
きる。
【0058】[本発明の細胞培養用組成物]本発明の細
胞培養用組成物は従来の細胞培養用組成物に式(1)の
化合物または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造
として有する高分子を添加して製造することができる。
式(1)の化合物または前記化合物の少なくともひとつ
を側鎖構造として有する高分子を添加する細胞培養用培
地には、例えば199培地、MEM(イーグルの最小必須培
地)、BME(イーグルの基本培地)、DMEM(ダルベッコ
変法イーグル培地)、RPMI1640,Ham's F12培地、MCDB1
04,MCDB153を含むがこれに限定されない。本発明の細
胞培養用組成物を用いて培養することのできる細胞に
は、魚類細胞、両生類細胞、鳥類細胞、哺乳動物細胞な
どの脊椎動物の細胞を含むが、これに限定されない。式
(1)の化合物は顕著な血管内皮細胞増殖促進作用およ
び血管新生促進作用を有することから、本発明の細胞培
養用組成物は哺乳動物細胞、特に血管内皮細胞の培養時
に用いて、試験研究用の培養に利用できることはもちろ
んのこと、細胞成長因子(例えば、VEGF)のような有用
物質の生産に用いたり、火傷の治療用の人工培養皮膚の
ような治療用組織の製造にも利用することができる。
【0059】[本発明の細胞培養用器材]本発明の細胞
培養用器材は、式(1)の化合物あるいは本発明の高分
子の少なくともひとつを材料として、または、本発明の
成型物の少なくともひとつを部品として用いて製造され
るものであり、その使用目的に応じてつくられる。ま
た、このようにして製造された細胞培養用器材あるいは
その他の方法で製造された従来型の細胞培養用器材に、
さらに本発明のコーティング剤を塗布して製造すること
もできる。したがって、材料あるいは部品のもつ本来の
性質を損ねない範囲であれば、どのような方法によって
つくられても差し支えない。
【0060】本発明の細胞培養用器材の例としては、シ
ャーレ、フラスコ、マイクロプレート、ボトルなどをあ
げることができる。
【0061】[式(1)の化合物および高分子の血管内
皮細胞増殖促進作用]種々の式(1)の化合物の血管内
皮細胞増殖促進作用をウシ大動脈内皮細胞を用いて測定
した。その結果、試験に用いた式(1)の化合物はいず
れも低濃度で優れた増殖促進作用を示した。また、式
(1)の化合物は、血管内皮細胞に特異的に作用し、血
管内皮細胞の増殖を促進するサイトカインとして知られ
る血管内皮細胞成長因子(VEGF)と相乗的に作用し、よ
り優れた血管内皮細胞増殖促進作用を示した。これは、
式(1)の化合物が生体由来の内因性および治療目的で
投与あるいは誘導された外因性のVEGFと相乗的に作用す
ることによって、より優れた血管内皮細胞増殖促進作用
を発現することを示すものである。
【0062】本発明で使用する前記高分子をコーティン
グしたマイクロプレートでウシ大動脈内皮細胞を培養
し、血管内皮細胞増殖促進作用を測定した。その結果、
本発明の高分子(本発明の成型物)はいずれも優れた増
殖促進作用を示した。
【0063】[式(1)の化合物の血管新生促進作用]
種々の式(1)の化合物の血管新生促進作用をウシ大動
脈内皮細胞を用いて測定した。その結果、式(1)の化
合物はいずれも優れた血管新生促進作用を示した。
【0064】
【発明の効果】式(1)の化合物およびその薬理学的に
許容される塩および溶媒和物または塩の溶媒和物は、優
れた血管内皮細胞増殖促進作用と優れた血管新生促進作
用を有し、これらの作用に基づく治療薬として有用であ
る。具体的には、血管内皮再生療法あるいは血管新生療
法に用いる治療薬および予防薬(血管内皮細胞増殖促進
剤、血管新生促進剤)として有用である。さらに具体的
には、循環器疾患(急性心筋梗塞、不安定狭心症、慢性
安定型狭心症、陳旧性心筋梗塞、心房細動による血栓塞
栓症、汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)、冠動脈バ
イパス術後のグラフト閉塞、経皮的冠動脈形成術(PTC
A)後の冠動脈の狭窄および閉塞、人工心臓弁置換術後
の血栓性合併症(血栓栓塞症、血栓弁)、肺血栓・栓塞
症、脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗
塞)、末梢動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓
血管炎、血行再建術後の閉塞)、糸球体腎炎,ネフロー
ゼ症候群、その他の血栓症など(本態性血小板症、血栓
性血小板減少性紫斑病(TPP)、溶血性尿毒症症候群、
抗リン脂質抗体症候群、川崎病、子癇、ベーチェット
病)の治療および予防、創傷(褥瘡などを含む慢性皮膚
潰瘍、糖尿病性潰瘍、火傷、角膜創傷、化学療法・放射
線療法を受けた癌患者の口腔粘膜炎、皮膚移植などの各
種手術後の創傷、胃腸組織の損傷など)の治療に対して
有効である。
【0065】式(1)の化合物およびこれを側鎖構造と
して有する高分子は優れた血管内皮細胞増殖促進作用を
有し、血管内皮細胞の被覆を促進するため、抗血栓性を
必要とする成型物をつくるための材料あるいはコーティ
ング剤として有用である。また、これらの化合物、高分
子および成型物は優れた血管内皮細胞増殖促進作用を有
し、血管内皮細胞の被覆を促進するため、抗血栓性を必
要とする人工臓器、医療用具の部品あるいはそれ自体と
して有用である。
【0066】さらに、式(1)の化合物または前記化合
物の少なくともひとつを側鎖構造として有する高分子は
細胞培養用組成物の成分として有用であり、式(1)の
化合物およびこれを側鎖構造として有する高分子は細胞
培養用器材としての利用が期待できる。
【0067】
【実施例】以下の実施例において、化合物製造例、高分
子製造例、成型物製造例、血管内皮細胞増殖促進作用試
験例、血管新生促進作用試験例および製剤製造例、をあ
げて本発明をさら詳しく説明する。なお、当然のことで
はあるが、本発明は以下の実施例に記載された物質、処
方および方法に限定されるものではなく、特許の請求の
範囲に含まれるすべての物質、処方および方法を含むも
のである。
【0068】実施例1:化合物製造例1 4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシ
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-
エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例
2)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピラン
ウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-
D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウ
ロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-
グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロ
ノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グ
ルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノ
シル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グル
コピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3Gl
cNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例3)]および4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキ
サ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-
2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-
グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グ
ルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ
1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例4)]の
製造ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;
商品名「ヒアルロン酸FCH」)30gを蒸留水3Lに溶解
し、40℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム
水溶液で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hy
alurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商
品名「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸
ナトリウム1mgあたり0.5濁度減少単位となるように添
加し、40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画
分子量10kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ
過(ミリポア製)によって溶液中から酵素を除去した。
凍結乾燥することによって溶媒を除去し、分解物(27.4
g)を得た。
【0069】分解物を陰イオン交換クロマトグラフ法
(カラム:YMC-Pack IEC-AX,溶離液:A;水,B;0.4M NaC
l;リニアグラジェント(30分),検出:UV(232nm))によ
って分画し(化合物例1、2、3、4の順に溶出)、化
合物例1〜4を含む画分を得た。各画分をゲルろ過法
(担体:セファデックスG-10,溶離液:水)によって脱
塩後、凍結乾燥して化合物1〜4(白色粉末)を得た。
収量は、それぞれ、化合物例1:1.7g,化合物例2:5.9g,
化合物例3:3.4g,化合物例4:2.2gであった。各化合物
はナトリウム塩として得られた。
【0070】化合物例1〜4は下記式(16)で表される
化合物である。式(16)において、nは1〜4の整数を
示し、nが1のとき化合物例1、2のとき化合物例2、
3のとき化合物例3、4のとき化合物例4を示す。
【0071】下記式(16)
【化27】 高速液体クロマトグラフ法(カラム:TSKgel DEAE-5PW,
溶離液:A;水,B;0.3MNaCl;リニアグラジェント(20
分),検出:UV(232nm);面積百分率法)によって測定し
た各化合物の純度は97%以上であった。化合物例1〜4
の各々のウロン酸含量をグルクロノラクトンを標準品と
してBitterとMuirの方法(Bitter,T.,Muir,H.:Anal.Bio
chem.,4,330(1962).) によって、ヘキソサミン含量を3
N塩酸中100℃で16時間加水分解後、グルコサミン塩酸塩
を標準品としてBoasの方法(ただし、樹脂処理なし;Bo
as,N.,F.:J.Biol.Chem.,204,553(1953).)によって分析
したところ、各化合物例の分析値はほぼ理論値通りであ
った。
【0072】実施例2:化合物製造例2 4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシ
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
(化合物例1)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-
エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グル
コピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオ
キシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコ
ピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキ
シ-β-D-グルコピラノース[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4
GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc(化合物例
2)]の製造 ヒアルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製;商品
名「ヒアルロン酸FCH」)60gを蒸留水3Lに溶解し、40
℃となるように加温した。0.1M水酸化ナトリウム水溶液
で溶液のpHを6.0に調整した後、Streptomyces hyalurol
yticus由来のヒアルロニダーゼ(天野製薬製;商品名
「ヒアルロニダーゼ“アマノ”」)をヒアルロン酸ナト
リウム1mgあたり1濁度減少単位となるように添加し、
40℃で100時間反応を行った。反応後、公称分画分子量1
0kの親水性ポリエーテルスルフォン製の限外ろ過(ミ
リポア製)によって溶液中から酵素を除去した。凍結乾
燥することによって溶媒を除去し、分解物(53.7g)を
得た。
【0073】分解物を陰イオン交換クロマトグラフ法
(カラム:TSKgel DEAE-5PW,溶離液:A;水,B;0.5M 酢
酸ナトリウム水溶液;リニアグラジェント(A/B(90/10)
→A/B(60/40);40分),検出:UV(232nm))によって分画
し(化合物例1、2の順に溶出)、化合物例1および2
を含む画分を得た。各画分から凍結乾燥することによっ
て水を除去した。凍結乾燥した各画分をエタノールで洗
浄して塩を除去し、再度水に溶解した後に凍結乾燥して
化合物例1、2(白色粉末)を得た。収量は、それぞ
れ、化合物例1:18.1g,化合物例2:29.5gであった。各
化合物はナトリウム塩として得られた。
【0074】高速液体クロマトグラフ法(カラム:TSKge
l Amide-80,溶離液:アセトニトリル/水/酢酸/トリエ
チルアミン(65/35/2/1,v/v),流速:1.0mL/分,カラム
温度:80℃,検出:UV(232nm);面積百分率法)によって
測定した各化合物の純度は97%以上であった。ウロン酸
含量とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によっ
て分析したところ、値はほぼ理論値通りであった。
【0075】実施例3:化合物製造例3 4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシ
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-
(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcN
AcOH(化合物例5)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキ
サ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-
2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-
グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グ
ルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコピラニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAc
β1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcOH(化
合物例6)]の製造 50mgの化合物例1を50mLの3mg/mL水素化ホウ素ナトリ
ウム水溶液に溶解し、室温で1時間処理した。5mLの6
M酢酸を加えて反応を停止し、50mLのメタノールを加え
た後、エバポレーターを用いて乾固した。さらに、50mL
のメタノールの添加および乾固を2回繰り返した。乾固
によって残った固形物を5mLの水に溶解し、実施例1と
同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍結乾燥して化合物
例5(白色粉末;44.7mg)を得た。
【0076】同様の方法で化合物例2を原料として用い
て化合物例6を得た。
【0077】化合物例5および化合物例6は式(17)で
表される化合物である。式(17)において、nは1〜2
の整数を示し、nが1のとき化合物5を、2のとき化合
物6を示す。
【0078】式(17)
【化28】 化合物5および6の純度を実施例2に示した方法によっ
て測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量と
ヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分析
したところ、分析値はほぼ理論値通りであった。
【0079】実施例4:化合物製造例4 4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシ
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロン酸
[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcA(化合物例7)]、4-
デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル
-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピ
ラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1
→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラ
ノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロン酸[ΔHex
Aβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcA(化
合物例8)の製造 化合物例1をReissigらの方法(Reissig,J.,L.,Stromin
ger,J.L.,Leloir,L.,F.:J.Biol.Chem.,217,959(195
3).)に準じてpH9のホウ酸緩衝液中で加熱した。反応
液中のホウ酸を実施例3と同様にホウ酸メチルとして除
去し、実施例1と同様にゲルろ過法によって脱塩後、凍
結乾燥して化合物例7(白色粉末)を得た。50mgの化合
物例1を原料としたとき、43.1mgの化合物例7を得た。
【0080】同様に、50mgの化合物例2を原料としたと
き、44.8mgの化合物例8(白色粉末)を得た。
【0081】化合物例7および化合物8はは式(18)で
表される化合物である。式(18)において、nは0〜1
の整数を示し、nが0のとき化合物7を、1のとき化合
物8を示す。
【0082】式(18)
【化29】 化合物例7および8の純度を実施例2に示した方法によ
って測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量
とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分
析したところ、分析値はほぼ理論値通りであった。
【0083】実施例5:化合物製造例5 4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシ
ル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコ
ピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロニトー
ル[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAOH(化合物例
9)]、4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピラン
ウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-
D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウ
ロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-
グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロ
ニトール[ΔHexAβ1→3GlcNAcβ1→4GlcAβ1→3GlcNAc
β1→4GlcAOH(化合物例10)]の製造 化合物例7を実施例3と同様の方法で処理して化合物例
9(白色粉末)を得た。20mgの化合物例7を原料とした
とき、15.9mgの化合物例9を得た。
【0084】同様に、20mgの化合物例8を原料としたと
き、17.8mgの化合物例10(白色粉末)を得た。
【0085】化合物例9および化合物10はは式(19)
で表される化合物である。式(19)において、nは0〜
1の整数を示し、nが0のとき化合物9を、1のとき化
合物10を示す。
【0086】式(19)
【化30】 化合物9および10の純度を実施例2に示した方法によ
って測定したところ、98%以上であった。ウロン酸含量
とヘキソサミン含量を実施例1に示した方法によって分
析したところ、分析値はほぼ理論値通りであった。
【0087】実施例6:高分子化合物製造例 ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレ
オ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセト
アミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-
O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトア
ミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分子例
1)、ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L
-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1
→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-ア
セトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→
4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセ
トアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分
子例2)、ポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-
α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1→3)-O
-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-
(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1
→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-ア
セトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→
4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセ
トアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])(高分
子例3)およびポリ(N-p-ビニルベンジル-[O-4-デオ
キシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4-エンピランウロノシル-(1
→3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラ
ノシル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→
3)-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノ
シル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)
-O-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシ
ル-(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O
-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-
(1→4)-3-O-β-D-グルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-
アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコンアミド])
(高分子例4)の製造 10gの化合物例1を蒸留水5mLに溶解し、メタノール45
mLを加えて混和した。その液を40℃に加温したヨウ素の
メタノール溶液(17.1g/200mL)に加えて40℃で30分間
放置した。4%水酸化カリウム/メタノール溶液をヨウ
素の色が消失するまで徐々に添加した。反応液を氷冷
し、析出した沈殿をろ取した。沈殿を冷エタノール、冷
エーテルの順で洗浄し、エタノール/水(90/10,w/w)か
ら再結晶することによってカリウム塩を得た。カリウム
塩を蒸留水50mLに溶解し、イオン交換樹脂(アンバーラ
イトIR-12B(H+型))を充填したカラムに通液して凍結
乾燥した。凍結乾燥物にメタノールを加えて減圧濃縮し
て結晶を得た。結晶に少量のメタノールを加えて溶か
し、さらにエタノールを加えて脱水濃縮するという操作
を5回繰り返した後、減圧乾固してラクトン化した化合
物例1(7.4g)を得た。
【0088】7gのラクトン化した化合物例1をメタノ
ール50mLに溶解し、p-アミノメチルスチレンのメタノー
ル溶液(2.5g/0.5mL)を加熱還流下で加えた。120分間
加熱還流した後、アセトン200mLを加えて結晶化した。
結晶をメタノールより2回再結晶させて精製結晶(N-p-
ビニルベンジル-[O-4-デオキシ-α-L-スレオ-ヘキサ-4
-エンピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-
デオキシ-β-D-グルコピラノシル-(1→4)-3-O-β-D-グ
ルコピランウロノシル-(1→3)-O-2-アセトアミド-2-デ
オキシ-β-D-グルコンアミド];3.3g)を得た。
【0089】2gの精製結晶を水2mLに溶解し、重合開
始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム(0.2mol%)を添
加した。窒素下で60℃にて24時間加熱して重合反応を行
った。重合後、液をメタノール中に注入して、重合体を
析出させた。メタノールをデカンテーションで除き、重
合体を分離した。重合体を水に溶解し、メタノールから
析出させる再沈殿法によって重合体を精製して高分子例
1(1.4g)を得た。
【0090】同様の方法で化合物例2を原料として用い
て高分子例2を、化合物例3を原料として用いて高分子
例3を、化合物例4を原料として用いて高分子例4を得
た。
【0091】高分子例1〜4は下記式(20)で表される
化合物である。式(20)において、nは1〜4の整数を
示し、nが1のとき高分子例1、2のとき高分子例2、
3のとき高分子例3、4のとき高分子例4を示す。
【0092】光散乱法によって高分子例1〜4の重量平
均分子量を測定したところ、約4万であった。
【0093】式(20)
【化31】
【0094】実施例7:成型物製造例 化合物例1〜4固定ポリエチレン管(成型物例1〜4)
の製造 Larmら(Larm,O.,Lasson,R.,Olsson,P.:Biomat.Med.De
v.Art.Org.,11,161(1983).)の方法に準じて製造を行っ
た。化合物例1とポリエチレンイミン活性化ポリエチレ
ン管(1.8mmID×100cmL)を0.15M NaCl中、NaB(CN)H3
pH3.5,50℃で2時間反応させて化合物例1固定ポリエ
チレン管(成型物例1)を得た。
【0095】同様の方法で、化合物例2を原料として成
型物例2、化合物例3を原料として成型物例3、化合物
例4を原料として成型物例4を得た。
【0096】実施例8:式(1)の化合物の血管内皮細
胞増殖促進作用1 試験には、細胞としてウシ大動脈血管内皮細胞(継代数
3)、培地として10%FCS(ウシ胎児血清)、100 units
/mLペニシリンG、100μg/mLストレプトマイシンを
含むMEMを用いた。96ウエルのマイクロプレートに細
胞を4x103個/ウエル(4x104/mL;100μL)となるよう
に播種し、既定の終濃度(0, 0.1, 0.5, 1, 5, 10 μg
/mL)となるように式(1)の化合物(化合物例1〜1
0)(10μL;培地に溶解)を添加した。37℃、5% CO2
の条件下で20時間培養した後、化合物の血管内皮細胞
増殖に対する作用(指標として、5-ブロモデオキシウリ
ジン(BrdU)の取り込み量を採用)を「細胞増殖ELISA,
BrdU発色キット」(ベーリンガー・マンハイム社製)
を用いて測定した。
【0097】比較例として、比較化合物1および2につ
いても同様に試験を行った。比較化合物は下記の式(2
1)で示される化合物である。式(21)において、nは
1または2の整数を示し、1のとき比較化合物1(表
中、比較1)、2のとき比較化合物2(表中、比較2)
を示す。比較化合物1および2は、実施例2に準じて調
製した。ただし、ヒアルロニダーゼにはウシ睾丸由来の
ものを用い、検出は206nmにて行った。化合物の純度は9
7%以上であり、ウロン酸含量とヘキソサミン含量はほぼ
理論値とおりであった。
【0098】式(21)
【化32】 次の式を用いて、各化合物の血管内皮細胞増殖促進作用
を評価した。
【0099】促進率(%)=(各化合物添加試験のBrdU
取り込みの増加量)÷(対照試験のBrdU取り込みの増加
量)x100 得られた結果を表1に示した。
【0100】
【表1】 表1に示したように、化合物例1〜10はいずれも優れ
た血管内皮細胞増殖促進作用を示した。
【0101】実施例9:式(1)の化合物の血管内皮細
胞増殖促進作用2 血管内皮細胞成長因子(VEGF)との相互作用を検討する
ために試験を行った。VEGFにはヒト組換え型のもの(血
管内皮細胞成長因子、ヒト、組換体、生化学用:和光純
薬製)を用いた。
【0102】試験は実施例8と同様に行ったが、化合物
添加と同時にVEGF(終濃度10ng/mL)を添加した。比較
試験として、VEGF単独添加試験(VEGFのみ添加の試験)
および陰性対照試験(化合物もVEGFも無添加の試験)も
行った。血管内皮細胞増殖に対する作用は実施例8と同
様に測定した。
【0103】次の式を用いて、各化合物の血管内皮細胞
増殖促進作用を評価した。
【0104】促進率(%)=(各化合物添加試験のBrdU
取り込みの増加量)÷(陰性対照試験のBrdU取り込みの
増加量)x100 得られた結果を表2に示した。
【0105】
【表2】 なお、表2において、化合物濃度0の欄に示す促進率
は、VEGFを単独添加した場合の促進率を示す。式(1)
の化合物の単独添加試験の結果を示す表1および表2の
結果から、試験した化合物はいずれもVEGFと相乗的に作
用し、優れた血管内皮細胞増殖促進作用を示した。
【0106】実施例10:式(1)の化合物の血管新生
促進作用1 氷水浴中で冷却しながらNaHCO3不含の10倍濃縮MEM 1
容量に対して再構成緩衝液(500mM NaOH, 260mM NaHC
O3, 200mM HEPES)1容量を混和した後、0.3%コラーゲ
ン塩酸溶液(pH3.0)8容量を加えてよく混和し、コラ
ーゲン溶液とした。24ウエルのマイクロプレートにコ
ラーゲン溶液0.5mLを分注し、37℃、30分間保温してゲ
ルを固めた。コラーゲンゲル上にウシ大動脈血管内皮細
胞(継代数3〜8)を5x104個/ウエルで播種し、37℃
で約3時間培養して細胞を接着させた。その後、培地を
取り除き、コラーゲン溶液0.5mLを重層して37℃、30分
間保温してゲルを固めた後、各濃度の化合物例1〜4を
含む1mL/ウエルの2% FBS-MEM培地を加えて37℃で3
日間CO2インキュベーター内で培養した。3日間培養
後、形成された血管様の管腔(新生血管)を位相差顕微
鏡下、倍率100倍で撮影した。写真をトレースし、マ
イクロコンピューターイメージングデバイス(ニューロ
サイエンス社製)を用いて画像解析を行い、単位面積当
たりの血管様管腔の長さを測定した。対照試験として、
化合物を含まない培地で培養したものについて同様に血
管様管腔の長さを測定した。
【0107】次の式を用いて、各化合物のもつ血管新生
促進作用を評価した。
【0108】促進率(%)={(各試験の管腔長)−
(対照試験の管腔長)}÷(対照試験の管腔長)x10
0 得られた結果を表3に示す。
【0109】
【表3】 表3に示すように、化合物1〜4はいずれも優れた血管
新生促進作用を示した。
【0110】実施例11:式(1)の化合物の血管新生
促進作用2 化合物例1および2の血管新生促進作用をラットを用い
たディフュージョンチャンバー法によって評価した。す
なわち、ディフュージョンチャンバー(膜孔径0.45μm;
ミリポア社製)を組み立て、各濃度(0, 10-8, 10-7, 1
0-6, 10-5 M)の化合物1および2の生理食塩液溶液200
μLを封入した。
【0111】Wistar系ラット(オス;体重200-250g)に
ペントバルビタールを腹腔内投与(10mg/匹)して麻酔
した後、背部を刈毛して希ヨードチンキで消毒した。筋
肉を傷つけないように皮膚を切開し、上記の液封入済み
ディフュージョンチャンバー皮下と筋膜との間に移植し
た。切開部を縫合し、1週間飼育後、麻酔したラットの
背部を切開しチャンバーを露出させ、血管新生の様子を
観察後、チャンバーを筋肉ごと切除してホルマリンで固
定した。
【0112】結果を表4に示した。表中、+、±、−は
それぞれ新生血管誘導が陽性、擬陽性、陰性であったこ
とを示す。
【0113】
【表4】 表に示すように、化合物例1および2はいずれも優れた
血管新生促進作用を示した。
【0114】実施例12:本発明の化合物の急性毒性 本発明化合物の代表例(化合物例1〜10)について、
ラット(体重300〜400g,Wistar系,オス)を用いて急
性毒性試験を行ったところ、LD50は500mg/kg以上であっ
た。
【0115】実施例13:高分子化合物から製造される
成型物の血管内皮細胞増殖促進作用 高分子例1〜4の0.01w/v%水溶液をそれぞれ調製し、9
6ウエルのポリスチレン製マイクロプレートに0.5mL/
ウエルで分注、室温で一晩静置後、液を除去することに
よりプレートのコートを行った。これらのコート済みプ
レートを用いて実施例8と同様にウシ大動脈由来の血管
内皮細胞の培養を行った。対照試験として未コートのプ
レートを用いた培養を行った。増殖促進作用を実施例8
と同様に測定し、次の式を用いて各高分子例(各成型
物)の血管内皮細胞増殖促進作用を評価した。
【0116】促進率(%)=(各試験のBrdU取り込みの
増加量)÷(対照試験のBrdU取り込みの増加量)x10
0 得られた結果を表5に示した。
【0117】
【表5】 表5に示したように、高分子例1〜4はいずれも優れた
血管内皮細胞増殖促進作用を示した。
【0118】実施例14:製剤製造例錠剤の製造1 化合物例1 10g ポリエチレングリコール6000 10g ラウリル硫酸ナトリウム 1.5g トウモロコシデンプン 3g 乳糖 25g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 上記成分を秤量する。ポリエチレングリコール6000を70
〜80℃に加熱し、そこに化合物例1、ラウリル硫酸ナト
リウム、トウモロコシデンプンおよび乳糖を混合した
後、冷却する。固化した混合物を粉砕器にかけ造粒し、
顆粒を得る。顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合
後、圧縮打錠して重量250mgの錠剤とする。
【0119】錠剤の製造2 化合物例2 30g 乳糖 55g ジャガイモデンプン 12g ポリビニルアルコール 1.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g 上記の成分を秤量する。化合物例2、乳糖、ジャガイモ
デンプンを均一に混合する。混合物にポリビニルアルコ
ールの水溶液を加え、湿式顆粒造粒法により顆粒を調製
する。顆粒を乾燥し、ステアリン酸マグネシウムを混合
後、圧縮打錠して重量200mgの錠剤とする。
【0120】カプセル剤の製造 化合物例3 10g 乳糖 25g トウモロコシデンプン 5g 微結晶セルロース 9.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 上記の成分を秤量する。ステアリン酸マグネシウム以外
の4成分を均一に混合する。ステアリン酸マグネシウム
を加えた後、さらに数分間混合する。混合物をNo.1の
ハードカプセルに200mgずつ充填し、カプセル剤とす
る。
【0121】散剤の製造 化合物例4 20g 乳糖 79g ステアリン酸マグネシウム 1g 上記成分を秤量する。すべての成分を均一に混合して20
%散剤とする。
【0122】坐剤の製造 化合物例2 10g ポリエチレングリコール1500 18g ポリエチレングリコール4000 72g 化合物例2を乳鉢でよく研磨して微細な粉末とした後、
熔融法によって1gの直腸坐剤とする。
【0123】注射剤の製造 化合物例6 0.1g 塩化ナトリウム 0.9g 水酸化ナトリウム 適量 注射用水 100mL 上記成分を秤量する。3成分を注射用水に溶解、ろ過滅
菌後、10mLアンプルに5mLずつ分注し、熔封して注射剤
とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C07H 7/033 4C090 // C07H 7/033 C08B 37/00 G C08B 37/00 C12N 5/00 B (72)発明者 森山 茂 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 玉井 忠和 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 (72)発明者 西川 正純 茨城県つくば市和台16−2 マルハ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 4B029 AA08 AA21 BB11 CC02 CC08 GA02 GB09 GB10 4B065 AA90X BB01 BC01 BC03 BC07 BC41 BC50 CA44 4C057 CC04 EE03 4C081 AA01 AA14 AB32 BA06 BA13 CD052 DC03 4C086 AA01 AA02 EA02 EA22 EA25 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA44 4C090 AA09 BA69 BB02 BB18 BB21 BB33 BB35 BB36 BB53 BB62 DA23 DA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるグルクロン酸
    誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合
    物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
    塩の溶媒和物を有効成分として含む血管内皮細胞増殖促
    進剤。式(1) 【化1】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
    を表す。式(2)〜(5)中、R12は水素原子、保護基
    または下記式(6)〜(8)を表し、R13は水素原子ま
    たは保護基を表す。ただし、R12およびR13が水素原子ま
    たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
    合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR12 式(3) −NHR13 式(4) −CH2R13 式(5) −SR13 式(6) 【化2】 式(7) 【化3】 式(8) 【化4】 また、R12が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
    (8)中、R15、R19およびR28を除くR14〜R30は同一ま
    たは異なって水素原子または保護基を表し、R15、R19
    よびR28はアジド基または下記式(9)を表す。式
    (9) −NR31R32 式(9)中、R31およびR32は、同一または異なり水素原
    子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
    は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
    R9〜R11は、同一または異なって水素原子または保護基
    を表す。式(1)中、nは0〜25の整数を表す。(た
    だし、nが0のときは、R1は式(2)、R12は式(8)で
    表される基である。)式(1)および式(6)〜(8)
    中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていて
    もよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキ
    ル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖また
    は分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子
    数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシ
    ル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであ
    り、またR15、R19およびR28を除くR2〜R30の任意の保護
    基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子
    数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原
    子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよい
    ベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイ
    ルを形成してもよい。また、nが2〜25の場合、R2〜R
    8は、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていて
    もよい。]
  2. 【請求項2】血管内皮再生療法のための治療薬または予
    防薬として使用する請求項1記載の血管内皮細胞増殖促
    進剤。
  3. 【請求項3】血管新生療法のための治療薬または予防薬
    として使用する請求項1記載の血管内皮細胞増殖促進
    剤。
  4. 【請求項4】下記一般式(1)で表されるグルクロン酸
    誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合
    物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
    塩の溶媒和物: 式(1) 【化5】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
    を表す。式(2)〜(5)中、R12は水素原子、保護基
    または下記式(6)〜(8)を表し、R13は水素原子ま
    たは保護基を表す。ただし、R12およびR13が水素原子ま
    たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
    合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR12 式(3) −NHR13 式(4) −CH2R13 式(5) −SR13 式(6) 【化6】 式(7) 【化7】 式(8) 【化8】 また、R12が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
    (8)中、R15、R19およびR28を除くR14〜R30は同一ま
    たは異なって水素原子または保護基を表し、R15、R19
    よびR28はアジド基または下記式(9)を表す。 式(9) −NR31R32 式(9)中、R31およびR32は、同一または異なり水素原
    子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
    は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
    R9〜R11は、同一または異なって水素原子または保護基
    を表す。式(1)中、nは0〜25の整数を表す。(た
    だし、nが0のときは、R1は式(2)、R12は式(8)で
    表される基である。)式(1)および式(6)〜(8)
    中、保護基は互いに同一または異なり、置換されていて
    もよい炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖のアルキ
    ル、置換されていてもよい炭素原子数2〜8の直鎖また
    は分枝鎖のアルケニル、置換されていてもよい炭素原子
    数1〜8のアシル、置換されていてもよい芳香族アシ
    ル、または置換されていてもよい芳香族アルキルであ
    り、またR15、R19およびR28を除くR2〜R30の任意の保護
    基2つが一緒になって、置換されていてもよい炭素原子
    数3〜8のアルキリデン、置換されていてもよい炭素原
    子数3〜8の環状アルキリデン、置換されていてもよい
    ベンジリデン、または、置換されていてもよいフタロイ
    ルを形成してもよい。また、nが2〜25の場合、R2〜R
    8は、繰り返し単位ごとに同一であっても異なっていて
    もよい。]または前記化合物の少なくともひとつを側鎖
    構造として有する高分子を有効成分として含む細胞培養
    用組成物。
  5. 【請求項5】下記一般式(1)で表されるグルクロン酸
    誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合
    物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
    塩の溶媒和物: 式(1) 【化9】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
    を表す。式(2)〜(5)中、R12は水素原子、保護基
    または下記式(6)〜(8)を表し、R13は水素原子ま
    たは保護基を表す。ただし、R12およびR13が水素原子ま
    たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
    合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR12 式(3) −NHR13 式(4) −CH2R13 式(5) −SR13 式(6) 【化10】 式(7) 【化11】 式(8) 【化12】 また、R12が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
    (8)中、R15、R19およびR28を除くR14〜R30は同一ま
    たは異なって水素原子または保護基を表し、R15、R19
    よびR28はアジド基または下記式(9)を表す。 式(9) −NR31R32 式(9)中、R31およびR32は、同一または異なり水素原
    子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
    は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
    R9〜R11は、同一または異なって水素原子または保護基
    を表す。式(1)中、nは0〜25の整数を表す。(た
    だし、nが0のときは、R1は式(2)、R12は式(8)で
    表される基である。) 式(1)および式(6)〜(8)中、保護基は互いに同
    一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜
    8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよ
    い炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、
    置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換
    されていてもよい芳香族アシル、または置換されていて
    もよい芳香族アルキルであり、またR15、R19およびR28
    を除くR2〜R30の任意の保護基2つが一緒になって、置
    換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、
    置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリ
    デン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置
    換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。ま
    た、nが2〜25の場合、R2〜R8は、繰り返し単位ごと
    に同一であっても異なっていてもよい。] または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造として
    有する高分子を有効成分とする血管内皮細胞増殖促進用
    コーティング剤。
  6. 【請求項6】下記一般式(1)で表されるグルクロン酸
    誘導体およびグルコサミン誘導体を構造中に有する化合
    物、その薬理学的に許容される塩および溶媒和物または
    塩の溶媒和物: 式(1) 【化13】 [式(1)中、R1は保護基または下記式(2)〜(5)
    を表す。式(2)〜(5)中、R12は水素原子、保護基
    または下記式(6)〜(8)を表し、R13は水素原子ま
    たは保護基を表す。ただし、R12およびR13が水素原子ま
    たは保護基である場合、R1はCOOR4に対してトランス結
    合あるいはシス結合のどちらであってもよい。 式(2) −OR12 式(3) −NHR13 式(4) −CH2R13 式(5) −SR13 式(6) 【化14】 式(7) 【化15】 式(8) 【化16】 また、R12が式(6)〜(8)である場合、式(6)〜
    (8)中、R15、R19およびR28を除くR14〜R30は同一ま
    たは異なって水素原子または保護基を表し、R15、R19
    よびR28はアジド基または下記式(9)を表す。 式(9) −NR31R32 式(9)中、R31およびR32は、同一または異なり水素原
    子または保護基を表す。式(1)中、R2〜R8は同一また
    は異なって水素原子または保護基を表す。式(1)中、
    R9〜R11は、同一または異なって水素原子または保護基
    を表す。式(1)中、nは0〜25の整数を表す。(た
    だし、nが0のときは、R1は式(2)、R12は式(8)で
    表される基である。) 式(1)および式(6)〜(8)中、保護基は互いに同
    一または異なり、置換されていてもよい炭素原子数1〜
    8の直鎖または分枝鎖のアルキル、置換されていてもよ
    い炭素原子数2〜8の直鎖または分枝鎖のアルケニル、
    置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアシル、置換
    されていてもよい芳香族アシル、または置換されていて
    もよい芳香族アルキルであり、またR15、R19およびR28
    を除くR2〜R30の任意の保護基2つが一緒になって、置
    換されていてもよい炭素原子数3〜8のアルキリデン、
    置換されていてもよい炭素原子数3〜8の環状アルキリ
    デン、置換されていてもよいベンジリデン、または、置
    換されていてもよいフタロイルを形成してもよい。ま
    た、nが2〜25の場合、R2〜R8は、繰り返し単位ごと
    に同一であっても異なっていてもよい。] または前記化合物の少なくともひとつを側鎖構造として
    有する高分子を材料として用いた血管内皮細胞増殖促進
    用成型物。
  7. 【請求項7】請求項6記載の成型物および/または請求
    項5記載のコーティング剤を使用して製造した血管内皮
    細胞被覆型人工臓器。
  8. 【請求項8】請求項6記載の成型物および/または請求
    項5記載のコーティング剤を使用して製造した血管内皮
    細胞被覆型医療用具。
  9. 【請求項9】請求項6記載の成型物および/または請求
    項5記載のコーティング剤を使用して製造した細胞培養
    用器材。
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