JP2000101358A - 帰還増幅回路 - Google Patents

帰還増幅回路

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JP2000101358A
JP2000101358A JP10266072A JP26607298A JP2000101358A JP 2000101358 A JP2000101358 A JP 2000101358A JP 10266072 A JP10266072 A JP 10266072A JP 26607298 A JP26607298 A JP 26607298A JP 2000101358 A JP2000101358 A JP 2000101358A
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signal
phase adjustment
circuit
feedback
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Hiroaki Nagai
広明 長井
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NEC Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帰還増幅回路における位相制御を正確且つ高
速に、安定化させ、さらに、回路構成を簡略化する。 【解決手段】 位相調整回路11が、局発信号源7から
の出力された局発信号信号を入力し、直交復調器12に
位相調整された信号を供給するように設けられている。
位相制御部13は、ベースバンド信号と直交復調器12
により復調された信号との位相の遅れまたは進みを判定
し、この判定結果に応じて位相調整回路11を所定の値
ずつ局発信号を位相調整するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、線形送信機や高
出力増幅器等に適用される帰還増幅回路に関し、特に、
カーテシアンループにおける非線形歪みを抑圧するため
の位相制御機能を有する帰還増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、線形送信機や高出力増幅器等に適
用される帰還増幅回路には、位相シフト(位相回り)に
よる歪み補償の悪化を防止するための各種技術が施され
ている。このような技術の一例は、例えば特開平8−7
8967号に開示されている。この公報に記載されてい
る線形送信機には、増幅歪みを低減させるため、入力信
号とフィードバック信号とを監視して最適な搬送波信号
を生成するための位相調整手段が設けられている。
【0003】図7は、この線形送信機のブロック図であ
り、図8は、図7に示される位相制御部15のブロック
図である。参照符号2,3は差動増幅器、4,5は帯域
制限フィルタ、7は局発信号源、8は直交変調器、9は
電力増幅器、10は可変減衰器、11は位相調整回路、
12は直交復調器、15は位相制御部、14はアンテナ
を示す。なお、図7では、差動増幅器2,3は減算器と
して示されている。
【0004】差動増幅器2は、入力ベースバンド信号I
(同相成分)と、線形送信機の出力信号からベースバン
ド信号に復調された復調信号(同相成分)とを入力す
る。差動増幅器2では、入力された信号の差が求めら
れ、差動同相成分として信号Iaが出力される。差動増
幅器3は、入力ベースバンド信号Q(直交成分)と、ベ
ースバンド信号に復調された復調信号(直交成分)とを
入力する。差動増幅器3では、入力された信号の差が求
められ、差動直交成分として信号Qaが出力される。こ
のような構成から明らかなように、この線形送信機は、
カーテシアンループを形成する。
【0005】帯域制限フィルタ4,5は、信号Ia,Q
aをそれぞれ入力し、所定の周波数帯域をフィルタし、
通過した信号を信号Ib,Qbとして出力する。直交変
調器8は、局発信号源7から送られる所定の周波数の信
号を、帯域制限フィルタ4,5から送られる信号Ib,
Qbにしたがって直交変調し、変調同相成分及び変調直
交成分を含む変調信号を電力増幅器9に出力する。電力
増幅器9は、変調信号を増幅し、この増幅信号をアンテ
ナ14から送信する。直交復調器12は、位相調整回路
11の出力信号を受け取るとともに、電力増幅器9から
出力された増幅信号を可変減衰器10を介して入力し、
これを復調する。位相調整回路11は、局発信号源7か
ら入力した所定周波数の局発信号を、位相制御部15か
らの位相制御信号にしたがって位相調整し、これを直交
復調器12に供給する。
【0006】位相制御部15は、ベースバンド信号I,
Qと、直交復調器12により復調された復調信号FI,
FQとの位相シフトを検出し、検出結果に基づいて位相
調整回路11を制御している。この位相制御部15の構
成を図8に示す。位相制御部15において、ベースバン
ド信号I,Q、及び復調信号FI,FQは、それぞれ入
力端子101〜104に供給される。リミッタ107a
〜107dは、各入力端子101〜104に供給された
信号の極性を示す極性信号Is,Qs,FIs,FQs
を生成する。位相回り判定回路109は、極性信号I
s,Qs,FIs,FQsを入力し、極性信号がゼロク
ロスする瞬間(信号が正から負、または負から正に変わ
る瞬間)とゼロクロスする方向(正から負、または負か
ら正への方向)とに応じ、ベースバンド信号と復調信号
との位相の遅れまたは進みを示す位相遅れ進み信号D
と、カウンタ動作信号Cdとを出力する。
【0007】カウンタ110は、カウンタ動作信号Cd
の出力に応じ、位相遅れ進み信号Dにしたがってカウン
トをアップまたはダウンする。カウンタ110のカウン
ト値を示すカウント信号は位相量設定回路111,11
2に送られる。位相量設定回路111,112は、それ
ぞれ正弦波テーブル、余弦波テーブルにしたがって演算
を行い、カウント値に対応する位相差信号を生成する。
生成された位相差信号は、D/A(digital/analog)コン
バータ113,114とによりアナログ信号に変換され
て位相制御信号PCa(Ip,Qp)として位相調整回
路11に供給される。
【0008】ここで、図9を参照して位相制御部15の
位相制御動作について説明する。まず、位相比較トリガ
として図示しないコンポーネントから信号が入力される
と、位相回り判定回路109において、入力端子101
〜104に供給されたベースバンド信号と復調信号との
位相が比較される(ステップS1,S2)。ここで、ベ
ースバンド信号Iと復調信号FIとに、または、ベース
信号信号Qと復調信号FQとに位相差が無い場合(ステ
ップS3,NO)、位相調整回路11による位相調整が
そのまま維持されるように位相制御信号PCaが出力さ
れる(ステップS4)。
【0009】ベースバンド信号Iと復調信号FIとに、
または、ベース信号信号Qと復調信号FQとに位相差が
ある場合(ステップS3,YES)、カウンタ110に
おいて位相差Δθが計測される(ステップS5)。この
後、位相量設定回路111,112において、位相差Δ
θを収束させるための演算が行われる(ステップS6,
S7)。ここでは、検出された位相差を出力される高周
波の位相差に変換した上で、位相差Δθを収束させるた
めの位相調整用のΔθ′が求められる。位相制御部15
は、求められた位相調整用のΔθ′に応じた位相制御信
号PCaを位相調整回路11に送る。
【0010】このように、特開平8−78967号に開
示されている線形送信機では、位相制御部15において
ベースバンド信号I,Qと復調信号FI,QIとの位相
差に応じた制御信号が生成され、この制御信号にしたが
って位相調整回路11が局発信号源7から出力される局
発信号の位相を調整することにより、増幅歪みの低減が
図られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】線形送信機等に用いら
れる従来の負帰還増幅回路には、以下に説明する問題点
がある。第1の問題点は、負帰還ループが成り立ってい
ない状態、つまり線形送信機がオフからオンに移行する
状態における、位相制御の処理が考慮されていない点で
ある。負帰還ループが成り立っていない場合、すなわ
ち、正帰還ループになっている場合、復調信号FI,F
Qが位相制御部15において位相の遅れまたは進みを検
出できる波形にはなっていない。このため、位相制御部
15及び位相調整回路11による位相差の補償を行うこ
とができない。仮に位相の遅れまたは進みが検出された
場合であっても、負帰還ループが成り立っていない、す
なわち、線形送信機からは所望の信号が出力されていな
いので位相制御を行う必要がない。
【0012】第2の問題点は、位相差が検出された場
合、位相制御部15内の位相回り判定回路109、カウ
ンタ110、位相量設定回路111,112において非
常に複雑な演算が必要とされる点である。通常、負帰還
ループであるためにベースバンド信号と復調信号との位
相差が線形送信機から出力される高周波信号の位相差と
等しいわけではない。そのため、位相制御部15では、
ベースバンド信号の位相差を高周波信号の位相差に変換
した上で、ベースバンド信号と復調信号との位相差が収
束するための位相量を計算する必要がある。このように
位相制御部15内で複雑な演算が行われるため、位相差
が検出されてから、実際に位相調整回路11により位相
調整が行われるまでに時間差が生じて正確な位相補償が
行われない。
【0013】また、例えば、電力増幅器9による増幅に
より、十数deg の位相回りが生じた場合、位相制御部1
5において検出されるベースバンド信号と復調信号との
位相差は数deg に収束している。このため、ベースバン
ド信号の位相差の検出結果に誤差が生じた場合、この誤
差が高周波信号の位相差に変換されることによりさらに
大きくなり正確な位相補償ができない場合がある。
【0014】そこで、この発明は、カーテシアンループ
の動作を正確且つ高速に、安定化させ、さらに、回路構
成が単純化された帰還増幅回路を提供することを課題と
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明に係る
帰還増幅回路は、所定の基準信号と帰還信号との差分に
基づいて変調信号を生成する第1の手段と、前記変調信
号を高周波信号に変換して増幅する第2の手段と、前記
増幅された高周波信号を抽出する第3の手段とを備え、
前記抽出された高周波信号を復調して前記帰還信号を生
成する帰還増幅回路であって、前記変調信号を生成する
ための局発信号の位相調整を行う位相調整回路と、前記
基準信号と前記帰還信号との位相関係を判定し、判定し
た位相関係にしたがって前記位相調整回路が所定の値分
位相調整を変更するように制御する位相制御手段とを設
けたことを特徴とする。
【0016】この帰還増幅回路によれば、位相制御手段
は、従来のようにベースバンド信号と復調信号との位相
差を検出したり、ゼロクロスの極性を判定する必要は無
く、基準信号と帰還信号との位相の関係(進み/遅れ)
を検出するだけでよい。したがって、位相制御手段の回
路構成を簡略化することが可能となる。さらに、位相調
整回路は、所定の値だけ、局発信号を位相調整すればよ
いのでこれも回路構成を簡略化することができる。
【0017】また、位相調整回路により調整される所定
の値を、帰還増幅回路を適用する装置に応じて適宜設定
することにより、高精度で高速な位相制御が実現でき
る。
【0018】また、前記位相制御手段を、前記基準信号
と前記帰還信号とのいずれの位相が進んでいるかを判定
するように構成し、前記基準信号の位相が進んでいると
判定した場合、前記位相調整回路による位相調整を所定
の値分進めるように、前記帰還信号の位相が進んでいる
と判定した場合、前記位相調整回路による位相調整を所
定の値分遅らすように、前記位相調整回路を制御するよ
うに設定してもよい。
【0019】また、前記位相制御手段を、前記基準信号
と前記帰還信号とのいずれの位相が進んでいるか、もし
くは一致しているかを判定するように構成し、前記基準
信号の位相が進んでいると判定した場合、前記位相調整
回路による位相調整を所定の値分進めるように、前記帰
還信号の位相が進んでいると判定した場合、前記位相調
整回路による位相調整を所定の値分遅らすように、位相
が一致していると判定した場合、前記位相調整回路によ
る位相調整が維持されるように、前記位相調整回路を制
御するように設定してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の帰還増幅回路を
送信機に適用した場合の実施形態を説明する。まず、こ
の送信機の基本構成と、この送信機における位相制御の
基本動作を図1及び図2を参照して説明する。
【0021】図1は、この送信機の基本構成を示すブロ
ック図であり、図2は、図1に示される位相制御部13
の構成を示すブロック図である。なお、図1では、構成
を簡略化するために、差動増幅器2,3が減算器として
示されている。また、従来技術を示した図7の線形送信
機と同一機能の要素については、同一符号を付してあ
る。
【0022】図1に示されるベースバンド信号発生器1
は、ベースバンド信号I,Qをそれぞれ差動増幅器2,
3に供給するとともに、同じくベースバンド信号I,Q
を、位相制御を行う位相制御部13に供給する。差動増
幅器2は、ベースバンド信号Iを入力するとともに、直
交復調器12から復調信号FIを入力し、これら信号の
位相差に応じた信号を帯域制限フィルタ5を介して直交
変調器8に出力する。差動増幅器3も同様に、ベースバ
ンド信号Qを入力するとともに、直交復調器12から復
調信号FQを入力し、これらの信号の位相差に応じた信
号を帯域制限フィルタ4を介して直交変調器8に出力す
る。
【0023】直交変調器8は、局発信号源7から送られ
る所定の周波数の信号を、帯域制限フィルタ4,5から
送られる信号にしたがって直交変調し、変調同相成分及
び変調直交成分を含む変調信号を電力増幅器9に出力す
る。電力増幅器9は、変調信号を増幅し、この増幅信号
をアンテナ14から送信する。
【0024】直交復調器12は、位相調整回路11の出
力信号を受け取るとともに、カプラ(方向性結合器)6
により取り込まれ、可変減衰器10により減衰された信
号を復調する。復調された信号は、差動増幅器2,3に
送られる。このように、カプラ6、可変減衰器10、及
び直交復調器12により「帰還部」が形成される。
【0025】位相調整回路11は、ベースバンド用の調
整回路であり、局発信号源7から入力した所定周波数の
局発信号を、位相制御部13からの位相制御信号にした
がって位相調整し、これを直交復調器12に供給する。
【0026】位相制御部13は、ベースバンド信号発生
器1から出力されたベースバンド信号I,Qと、直交復
調器12により復調された復調信号FI,FQとの位相
の遅れ、または進みを検出し、検出結果に基づいて位相
調整回路11を制御している。
【0027】局発信号源7は、ベースバンド信号I,Q
を送信周波数に変換、または高周波信号をベースバンド
信号に変換するための所定の中間周波数の信号を直交変
調器8及び位相調整回路11に供給する。
【0028】位相制御部13は、図2に示されるように
ゼロクロス検出部13aとカウンタ部13bとにより構
成される。なお、この実施形態では、位相の進みまたは
遅れの検出には、ベースバンド信号及び復調信号の同相
成分を用いている。ゼロクロス検出部13aは、コンパ
レータなどを適用することができ、ベースバンド信号I
と復調信号FIとを入力し、各信号のゼロクロスのタイ
ミング(信号が正から負、または負から正に変わる瞬
間)を検出する。カウンタ部13bは、ゼロクロス検出
部13aのタイミング検出にしたがってベースバンド信
号と復調信号との位相の遅れまたは進みを検出する。
【0029】次に、この送信機における位相制御の基本
動作について説明する。この位相制御は、主に位相制御
部13によって行われる。特に、この位相制御部13
は、ベースバンド信号及び復調信号の同相成分を用い、
位相差を検出するのではなく、位相の進みまたは遅れの
みを検出し、これに応じて位相調整回路11を制御して
いる。
【0030】位相制御部13において、まず、ベースバ
ンド信号Iと復調信号FIとのゼロクロスのタイミング
が検出され、ゼロクロス検出信号としてカウンタ部13
bに送られる。カウンタ部13bは、ベースバンド信号
Iまたは復調信号FIのいずれか先に入力されたゼロク
ロス検出信号をトリガとしてカウント動作を開始する。
ここでは、位相の進みまたは遅れのみが検出され、例え
ば、ベースバンド信号が遅れている場合には1をカウン
トし、進んでいる場合には0をカウントする。カウンタ
部13bは、このカウント値に応じ、ベースバンド信号
が遅れている場合にはベースバンド信号が進む方向に、
ベースバンド信号が進んでいる場合には遅れる方向に、
現在位相調整されている値よりもさらに所定の値だけ位
相を調整するための位相制御信号を位相調整回路11に
送る。
【0031】位相調整回路11は、位相制御信号にした
がって、ベースバンド信号が遅れている場合にはベース
バンド信号が進む方向に、ベースバンド信号が進んでい
る場合には遅れる方向に、局発信号源7から供給される
局発信号を所定の値ずつ位相調整する。
【0032】カウンタ部13bは、ゼロクロス検出部1
3aにより再度ゼロクロスが検出されるまで、1または
0のカウント値を保持し、これに対応する位相制御信号
を位相調整回路11に送る。これにより、位相の進みま
たは遅れに応じた位相調整が常に実現され、位相補償及
び線形歪みの補償が図れる。
【0033】この実施形態によれば、位相制御部13
は、従来のようにベースバンド信号と復調信号との位相
差を検出したり、ゼロクロスの極性を判定する必要は無
く、同相成分または直交成分の位相の進み/遅れを検出
するだけでよい。したがって、位相制御部13の回路構
成を簡略化することが可能となる。さらに、位相調整回
路11は、所定の値だけ、局発信号を位相調整すればよ
いのでこれも回路構成を簡略化することができる。
【0034】
【実施例】次に、上記送信機の位相制御部13の実施例
について具体的に説明する。 (第1実施例)図3は、位相制御部13の具体的な構成
を示した図であり、図2に示した基本構成と同一の構成
要素には同一の参照符号を付してある。
【0035】位相制御部13は、ゼロクロス検出部13
a、カウント部13b、及び位相調整回路制御部13c
によって構成されている。ゼロクロス検出部13aは、
ゼロクロス検出用のコンパレータ131a,131bが
設けられている。なお、このゼロクロス検出部13a
は、入力された信号の立ち上がり、または立下りを検出
するだけの回路でもよい。カウント部13bはカウンタ
132を有する。カウンタ132は、図示しないシステ
ムからの信号と、クロック信号とを入力し、システムか
らの信号をトリガとしてカウント動作を開始する。ここ
では、位相の進みまたは遅れのみが検出され、例えば、
ベースバンド信号が遅れている場合には1をカウント
し、進んでいる場合には0をカウントする。カウント部
13bは、ベースバンド信号Iと復調信号FIとの位相
の進みまたは遅れの関係のみを検出するので検出結果
は、1ビットの情報で示すことができる。位相調整回路
制御部13cは、D/Aコンバータ(digital/analogcon
verter)133を有する。D/Aコンバータ133は、
カウンタ132から送られる検出結果を、位相調整回路
11を制御するための位相制御信号に変換してこれを出
力する。
【0036】次に、この実施例による位相制御動作につ
いて図4のフローチャートを参照して説明する。送信機
の電源が投入され、カーテシアンループが成立すると、
図示しないシステムより、カウンタ132にトリガ信号
が送られる(ステップS11)。カウンタ132は、こ
のトリガ信号に応じてコンパレータ131a,131b
によるゼロクロスタイミングの検出を受け付け、ベース
バンド信号Iの位相に対して復調信号FIの位相が進ん
でいるのかそれとも遅れているのかを判定する(ステッ
プS12,S13)。
【0037】復調信号FIの位相が遅れている場合、D
/Aコンバータ133は、位相調整回路11が局発信号
の位相を現在調整されている位相よりさらにxdeg だけ
進めるように位相制御信号を生成、出力する(ステップ
S14)。復調信号FIの位相がベースバンド信号Iの
位相と一致している場合、D/Aコンバータ133は、
位相調整回路11の位相調整をそのまま維持するように
位相制御信号を生成、出力する(ステップS15)。
【0038】復調信号FIの位相が進んでいる場合、D
/Aコンバータ133は、位相調整回路11が局発信号
の位相を現在調整されている位相よりさらにxdeg だけ
遅らすように位相制御信号を生成、出力する(ステップ
S16)。上述の「xdeg」の値は、予め定められてい
る一定値であり、この値は、帰還増幅器に求められる性
能に応じて設定される。例えば、非常に高い変調精度が
要求されている帰還増幅器においては、「xdeg」の値
を小さく設定することにより、微細な位相制御が実現で
きる。ただし、この値を小さく設定することに応じて位
相制御が完了するまでの時間が増加する。このため、た
だ値を小さく設定するだけではなく、電力増幅器9の温
度変化に起因する位相回りの発生を考慮した上で値を設
定する必要がある。なお、実験結果によれば、xdeg =
2°である場合には変調精度を2%以下にすることが可
能となることが判明している。
【0039】以上説明した位相制御動作により、位相の
進みまたは遅れに応じた位相調整が常に実現され、位相
補償及び線形歪みの補償が図れるようになる。また、上
述の説明で参照した図4のフローチャートと、従来の動
作を示す図9のフローチャートとを比較すれば明らかな
ように、この実施例の動作では、図9の一点鎖線内に示
される複雑な演算処理を必要としない。このため、位相
制御部13の回路構成を大幅に簡略化することができ
る。
【0040】この第1実施例によれば、カーテシアンル
ープにおける負帰還ループで起こり得ない現象を制御す
る必要がなく、このため、位相制御部13に求められる
ダイナミックレンジを小さくすることができる。ここで
負帰還ループで起こり得ない現象とは、ベースバンド信
号と復調信号との位相差が±45°以上となることを意
味する。±45°以上の位相さが生じるということは、
負帰還ループが成り立っていないことを示し、これは、
位相制御を必要とする状態ではないことになる。
【0041】このように、第1実施例によれば、不要な
制御処理を避けることにより位相制御部13に求められ
るダイナミックレンジを小さく抑えることができる。さ
らに、この第1実施例によれば、位相調整回路11を高
精度、かつ、高速に制御することができる。これは、す
でにフローチャートを参照して説明したように、複雑な
演算は行わず、単純な処理を実現したことによる。これ
により、回路構成の簡略化、及び低消費電力化を実現す
ることができる。
【0042】図5にこの第1実施例による位相制御と、
従来の位相制御との差を示す。実線は、この発明による
位相制御を示し、鎖線は従来の位相制御を示す。この図
において、Aは、この発明の予め定められた一定値(x
deg)を示す。Bは、従来の位相制御において複雑な演
算を実行することによる位相制御までの時間遅れを示
し、Cは、従来の位相制御が一度の位相調整により位相
を制御しようとしたために、ずれが生じたことを示して
いる。この図からも明らかなように、第1実施例によれ
ば、高精度で高速な位相制御を実現することができる。
【0043】(第2実施例)次に、位相制御部13の第
2実施例を図6を参照して説明する。図6(a)に示さ
れる位相制御部13は、前記第1実施例のカウンタ部1
3bおよび位相調整回路制御部13cの代わりに遅れ進
み判定部13dが設けられている。
【0044】遅れ進み判定部13dは、OPアンプ13
5と、スイッチ134とを有する。OPアンプ135
は、コンパレータ135a,135bの出力信号を入力
し、入力した信号の差に応じた信号を位相制御回路11
に送信する。スイッチ134は、ベースバンド信号Iの
立ち上がり(または立ち下がり)に応じ、所定時間だけ
OPアンプ135を駆動する。
【0045】図6(b)はベースバンド信号Iに対して
復調信号FIが進んでいる場合のOPアンプ135の出
力を説明するための図面であり、図6(c)はベースバ
ンド信号Iに対して復調信号FIが遅れている場合のO
Pアンプ135の出力を説明するための図面である。ス
イッチ134は、ベースバンド信号のIの立ち下がりに
応じてOPアンプを駆動している。
【0046】図6(b),(c)に示されるように、ベ
ースバンド信号Iに対して復調信号FIが進んでいる場
合のOPアンプ135の出力は電圧0[V]となり、ベ
ースバンド信号Iに対して復調信号FIが遅れている場
合の出力は、OPアンプの増幅率に応じた電圧V1′
[V]となる。この第2実施例では、前記第1実施例と
同様にベースバンド信号と復調信号の位相の遅れまたは
進みに応じた位相制御信号が位相調整回路11に送られ
る。したがって、第1実施例と同様の効果が得られ、さ
らに、回路構成が単純化される。したがって、送信機の
生産コストを大幅に削減することができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、例えば送信機における位相制御を正確且つ
高速に、安定化させ、さらに、回路構成を簡略化するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る帰還増幅回路を適用した送信機
の基本構成図。
【図2】図1に示される送信機の位相制御部の基本構成
図。
【図3】図2に示される位相制御部の第1実施例の構成
図。
【図4】図3に示される位相制御部による位相制御動作
を説明するフローチャート。
【図5】この発明による位相制御処理と従来の位相制御
処理とを比較する図。
【図6】(a),(b),(c)は、図2に示される位
相制御部の第2実施例を説明するための図。
【図7】従来の帰還増幅回路を適用した送信機の構成
図。
【図8】図7に示される位相制御部の構成図。
【図9】図7に示される位相制御部による位相制御動作
を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ベースバンド信号発生器 2,3 差動増幅器 4,5 帯域制限フィルタ 6 カプラ 7 局発信号源 8 直交変調器 9 電力増幅器 10 可変減衰器 11 位相調整回路 12 直交復調器 13 位相制御部 130a ゼロクロス検出部 130b カウント部 130c 位相調整回路制御部 130d 遅れ進み判定部 131a,131b コンパレータ 132 カウンタ 133 D/Aコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA26 CA26 FA08 FA09 FA19 GN02 GN05 GN06 HN03 HN07 HN08 KA00 KA02 KA16 KA26 KA32 KA34 KA35 KA42 KA53 KA55 MA11 MA20 MN04 NN16 SA14 TA01 TA06 TA07 5K004 AA05 FA05 FH01 FH06 FJ17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基準信号と帰還信号との差分に基
    づいて変調信号を生成する第1の手段と、前記変調信号
    を高周波信号に変換して増幅する第2の手段と、前記増
    幅された高周波信号を抽出する第3の手段とを備え、前
    記抽出された高周波信号を復調して前記帰還信号を生成
    する帰還増幅回路において、 前記変調信号を生成するための局発信号の位相調整を行
    う位相調整回路と、 前記基準信号と前記帰還信号との位相関係を判定し、判
    定した位相関係にしたがって前記位相調整回路が所定の
    値分位相調整を変更するように制御する位相制御手段と
    を設けたことを特徴とする帰還増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記位相制御手段は、前記基準信号と前
    記帰還信号とのいずれの位相が進んでいるかを判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の帰還増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記位相制御手段は、前記基準信号の位
    相が進んでいると判定した場合は前記位相調整回路によ
    る位相調整を所定の値分進めるように、前記帰還信号の
    位相が進んでいると判定した場合は前記位相調整回路に
    よる位相調整を所定の値分遅らすように、それぞれ前記
    位相調整回路を制御することを特徴とする請求項2記載
    の帰還増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記位相制御手段は、前記基準信号と前
    記帰還信号とのいずれの位相が進んでいるか、もしくは
    一致しているかを判定することを特徴とする請求項1記
    載の帰還増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記位相制御手段は、前記基準信号の位
    相が進んでいると判定した場合、前記位相調整回路によ
    る位相調整を所定の値分進めるように、前記帰還信号の
    位相が進んでいると判定した場合は前記位相調整回路に
    よる位相調整を所定の値分遅らすように、位相が一致し
    ていると判定した場合は前記位相調整回路による位相調
    整が維持されるように、それぞれ前記位相調整回路を制
    御することを特徴とする請求項4記載の帰還増幅回路。
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