JP2007013431A - 歪み補償回路および歪み補償方法 - Google Patents

歪み補償回路および歪み補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の送信機よりも変調信号と復調信号との位相誤差を低減することで、増幅器の歪み補償の精度を向上させる。
【解決手段】 フィードバック方式により歪み補償を行う送信機100は、移相器7の実際の電圧対移相特性に従い移相器7の印加電圧を制御する位相補正器13を備える。また、位相補正器13は移相器7の実際の電圧対移相特性を記憶させる記憶素子14を有する。移相器7の実際の電圧対移相特性は、位相補正器13で単位電圧毎に印加電圧を増加して移相器7を制御し、その際にトレーニング位相検出器11が検出した位相誤差と移相器7の印加電圧とに基づいて記憶素子14に記憶する。そして、送信機100は、移相器7の実際の電圧対移相特性に基づいて送信波に対するトレーニングを行い、トレーニングにより生成した負帰還信号を変調信号に加算することで、増幅器4に対する歪み補償を行い無線送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、増幅器に対する歪み補償を行う歪み補償回路および歪み補償方法に関するものである。
無線送信を行う際、増幅器において高い増幅効率で送信波の電力増幅を行うと、増幅器の入力電力対出力電力特性や入力電力対位相回転特性に歪みが発生する。そして、歪みの発生により送信波のスペクトルが広がり隣接チャネルに電力が漏洩し、漏洩した電力(隣接チャネル漏洩電力)の影響により隣接チャネルを使用する無線機と混信を起こすなど、通信性能の劣化を起こす。
そこで、無線送信機では、増幅器への入力信号の位相に対する逆位相の出力信号を入力に戻して入力信号に加算する負帰還回路を用いることにより増幅器に対する歪み補償を行っている。
無線送信機は、例えば、送信データをベースバンド変調して同相成分Iと直交成分Qとのベースバンド変調信号を生成し、ベースバンド変調信号を直交変調して送信波を生成する。そして、この無線送信機の負帰還回路は、送信波(上記出力信号)を直交復調した復調信号をベースバンド変調信号(上記入力信号)の逆移相でベースバンド変調信号に加算する。また、負帰還回路では、ベースバンド変調信号の逆移相と復調信号との位相差分、復調処理に使用するローカル波(ローカル信号、搬送波)を移相して復調信号の位相をベースバンド変調信号の逆位相にする。
負帰還回路により歪み補償する回路を以下、フィードバック方式歪み補償回路とする。
また、ベースバンド変調信号を変調信号とする。
また、変調信号の逆位相と復調信号の位相との位相差を位相誤差とする。
また、変調信号の同相成分IをI、直交成分QをQ、復調信号の同相成分IをI’、直交成分QをQ’とする。
図8は、従来の送信機200を示す構成図である。
フィードバック方式歪み補償回路を使用した従来の送信機200について、図8に基づいて以下に説明する。
ベースバンド変調信号生成回路1から出力された変調信号に対して直交変調器3は発振機6から出力されるローカル波を用いて直交変調を行い送信波を生成する。この送信波を増幅器4にて増幅し、カプラ5にて送信波を増幅器8に分岐する。
次に、直交復調器9は増幅器8で増幅された送信波を入力する。直交復調器9では、発振機6から出力されるローカル波を用いて送信波の復調を行い復調信号を生成する。トレーニング位相検出器11はベースバンド変調信号生成回路1から出力された変調信号と直交復調器9から出力された復調信号とを入力し、変調信号と復調信号の位相誤差を検出する。移相器7は、トレーニング位相検出器11の検出した位相誤差に対して、線形の電圧対移相特性(理想的な電圧対移相特性)における電圧量を印加電圧とし、発振機6から出力されるローカル波を移相する。直交復調器9は移相器7が移相したローカル波を用いて送信波の復調を行い位相誤差を補正した復調信号を生成する。
そして、加算器2が直交復調器9が生成した復調信号を変調信号に加算し、直交変調器3が復調信号の加算された変調信号の直交変調を行い送信波を生成し、増幅器4にて送信波の増幅を行い、アンテナ12にて送信波の発信を行う。
特開2000−196692号公報 特開平06−030059号公報
図9は、電圧制御型の移相器7の電圧対移相特性を例示する図である。
上述のように、従来の送信機200では、移相器7の電圧対移相特性を線形特性(理想的な電圧対移相特性)として扱い、変調信号と復調信号との位相誤差に対応する印加電圧で移相器7を制御してローカル波を移相し、位相誤差を補正した復調信号を生成している。
但し、移相器7の実際の電圧対移相特性は、図9に例示したように、線形特性ではなく非線形特性である。さらに、移相角、電圧によっては理想的な電圧対移相特性と実際の電圧対移相特性との差が大きい場合がある。
このため、移相器7の電圧対移相特性を線形特性として位相誤差に対応する電圧で移相器7を制御した場合、移相器7でのローカル波の実際の移相角度は位相誤差と異なり、位相誤差を十分に補正できず、増幅器4の歪み補償を十分に行えない場合があった。つまり、隣接チャネル漏洩電力などの性能劣化につながっていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来の送信機よりも変調信号と復調信号との位相誤差を低減することで、増幅器の歪み補償の精度を向上させることを目的とする。また、各デバイス(送信機の構成機器)の周波数特性(位相回転の周波数依存性)に合わせて特定のチャネルを使用するように組まれた歪み補償回路で、他のチャネルを使用する場合にも高い精度で歪み補償が可能な送信機、つまり、広帯域で歪み補償が可能な送信機を実現することを目的とする。
本発明の歪み補償回路は、入力信号と復調信号との位相誤差を検出し、検出した位相誤差を出力する位相検出器と、位相誤差毎に対応する前記移相器への印加電圧値を記憶する記憶素子を有し、前記位相検出器から位相誤差を入力し、前記記憶素子に記憶されている印加電圧値であり入力した位相誤差に対応する印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御する移相制御器とを備えたことを特徴とする。
歪み補償回路において、移相器の実際の電圧対移相特性を記憶素子に記憶し、位相誤差に対応する印加電圧値で移相器を制御する移相制御器を備えたことにより、従来の送信機よりも変調信号と復調信号との位相誤差を低減し、増幅器の歪み補償の精度を向上することができる。また、位相誤差を低減することで、広帯域での歪み補償送信が可能となる。
実施の形態1.
ここで、負帰還回路において入力信号に加算する信号を負帰還信号とする。
また、歪み補償するための負帰還(入力信号に負帰還信号を戻すループ)を補償ループとする。
また、補償ループにおいて負帰還信号を生成する処理をトレーニングとする。
また、復調信号を生成し、変調信号と復調信号との位相誤差を検出し、位相誤差に応じてローカル波を移相し、再び復調信号を生成する、トレーニングでの繰り返し処理をトレーニングループとする。
また、トレーニングループでの復調信号の位相をループ位相とする。
また、トレーニングループで検出した(変調信号と復調信号との)位相誤差をループ位相差とする。
図1は、実施の形態1における送信機100の構成図である。
実施の形態1における送信機100の構成機器について、図1に基づいて以下に説明する。
実施の形態1における送信機100は、前記した従来の送信機200と同様に、ベースバンド変調信号生成回路1、加算器2、直交変調器3、増幅器4、カプラ5、発振機6、移相器7、増幅器8、直交復調器9、スイッチ10、トレーニング位相検出器11、アンテナ12を備える。
また、実施の形態1における送信機100は位相補正器13を備え、位相補正器13は記憶素子14を有する。
ベースバンド変調信号生成回路1は送信データをベースバンド変調して生成した同相成分I(I)と直交成分Q(Q)とを変調信号として出力する。
加算器2は入力した2つの信号の加算を行う。
直交変調器3は同相成分Iの信号と直交成分Qの信号とを入力しローカル波を使用して直交変調を行い送信波を生成し出力する。
増幅器4と増幅器8は入力波を電力増幅して出力する。また、増幅器8での増幅率は低いため、増幅器8での歪みの影響は無いものとして扱うことができる。
カプラ5は入力波の出力を分岐する。
発振機6はローカル波を生成して出力する。
移相器7は入力波を移相する。移相器7の移相角度は印加電圧と関連する。
直交復調器9はローカル波を使用して入力波を直交復調し生成した同相成分I(I’)と直交成分Q(Q’)とを復調信号として出力する。
スイッチ10はオン/オフにより信号の入出力を制御する。
トレーニング位相検出器11は入力した2つの信号の位相誤差を検出し出力する。トレーニング位相検出器11は、例えば、図2に示すような2つの信号(Q,Q’)のループ位相差を、2つの信号のゼロクロス点の時間差を測定することにより検出する。ここで、ゼロクロス点とは振幅が0であり互いの信号の位相差が180°となる時刻を指す。
アンテナ12は無線により送信波の受発信を行う。
位相補正器13は、位相誤差を入力し、移相器7の電圧対移相特性に基づき入力した位相誤差に対応する電圧(量)で移相器7を制御する。
記憶素子14は非線形特性である移相器7の実際の電圧対移相特性について、移相角度に対応する電圧値を記憶する。ここで、移相角度は位相誤差に対応する。
そして、ベースバンド変調信号生成回路1は出力側で加算器2とトレーニング位相検出器11とに接続している。加算器2は入力側でベースバンド変調信号生成回路1と(スイッチ10を介して)直交復調器9とに接続し、出力側で直交変調器3に接続している。直交変調器3は入力側で加算器2と発振機6とに接続し、出力側で増幅器4に接続している。増幅器4は入力側で直交変調器3に接続し、出力側でカプラ5を介してアンテナ12と増幅器8とに接続している。アンテナ12は入力側でカプラ5を介して増幅器4に接続している。増幅器8は入力側でカプラ5を介して増幅器4に接続し、出力側で直交復調器9に接続している。直交復調器9は入力側で増幅器8と移相器7とに接続し、出力側でトレーニング位相検出器11と(スイッチ10を介して)加算器2とに接続している。トレーニング位相検出器11は入力側でベースバンド変調信号生成回路1と直交復調器9とに接続し、出力側で位相補正器13に接続している。位相補正器13は入力側でトレーニング位相検出器11に接続し、出力側で移相器7に接続している。移相器7は入力側で位相補正器13と発振機6とに接続し、出力側で直交復調器9に接続している。発振機6は出力側で直交変調器3と移相器7とに接続している。
図3は、実施の形態1における送信機100の処理を示すフローチャートである。
実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理の流れについて、図3に基づいて以下に説明する。
送信機100は、送信データを示すベースバンド変調信号を直交変調・増幅して送信波を生成し(送信波生成ステップ)、送信波を直交復調して負帰還信号を生成し(トレーニングステップ)、負帰還信号を加算したベースバンド変調信号を直交変調・増幅して歪み補償した送信波を生成し発信する(歪み補償発信ステップ)。
<送信波生成ステップ>
まず、ベースバンド変調信号生成回路1が送信データをベースバンド変調して生成した同相成分I(I)と直交成分Q(Q)とを変調信号として出力する(S101)。
次に、直交変調器3がベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号(I,Q)を入力し、発振機6の発振するローカル波を使用して直交変調を行い、送信波を生成し出力する(S102)。
次に、増幅器4が直交変調器3の出力した送信波を入力し増幅して出力する(S103)。
<トレーニングステップ>
次に、直交復調器9は、増幅器4が出力しカプラ5と増幅器8を経由した送信波を入力し、発振機6の発振したローカル波を使用して送信波を直交復調し生成した同相成分I(I’)と直交成分Q(Q’)とを復調信号として出力する。このとき、移相器7の印加電圧を0とし、移相器7によるローカル波の移相は行わない(S104)。
次に、トレーニング位相検出器11がベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号である直交成分Q(Q)と直交復調器9の出力した復調信号である直交成分Q(Q’)とを入力し、入力した2つの信号(Q,Q’)の位相誤差を検出し出力する(S105)。
次に、位相補正器13が、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差を移相器7が移相するローカル波の移相角度として、移相角度に対応する移相器7の印加電圧値を記憶素子14から取得する。所望の移相角度に対応する移相器7の印加電圧値が記憶素子14に記憶されていない場合、位相補正器13は記憶素子14に記憶されている移相角度に対応する移相器7の印加電圧値に対して、多項式近似や移動平均などの補間処理を実行して印加電圧値を取得する。または、移相器7の理想的な電圧対移相特性に基づいて(移相器7の単位移相角度当りの印加電圧値に基づいて)印加電圧値を取得してもよい。または、補間処理を実行した印加電圧値の取得と移相器7の理想的な電圧対移相特性に基づく印加電圧値の取得とのいずれかを選択してもよい。例えば、記憶素子14に記憶されている移相角度と位相誤差との差が所定の閾値以上である場合に、移相器7の理想的な電圧対移相特性に基づく印加電圧値の取得を選択するようにしてもよい(S106)。
次に、位相補正器13が、取得した印加電圧値の電圧で移相器7を制御する(S107)。
次に、位相補正器13の制御した印加電圧により、移相器7が発振機6の発振したローカル波を移相する(S108)。
次に、直交復調器9が移相器7の移相したローカル波を使用して送信波を直交復調し生成した同相成分I(I’)と直交成分Q(Q’)とを復調信号として出力する。また、このとき出力した復調信号を負帰還信号とする(S109)。
<歪み補償発信ステップ>
次に、加算器2が、トレーニング位相検出器11の出力した負帰還信号(I’,Q’)をベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号(I,Q)に加算して変調信号を出力する(S110)。
次に、直交変調器3が加算器2の出力した変調信号を入力し、発振機6の発振するローカル波を使用して直交変調を行い、送信波を生成し出力する(S111)。
次に、増幅器4が直交変調器3の出力した送信波を入力し増幅して出力する(S112)。
そして、アンテナ12が増幅器4の出力した送信波を発信する(S113)。
なお、送信機100は、トレーニング終了(トレーニングステップ(S109))までスイッチ10をオフにして変調信号に復調信号を加算しないようにし、トレーニング終了の際にスイッチ10をオンにして変調信号に負帰還信号を加算するようにする。
次に、非線形特性を持つ移相器7の電圧対移相特性について、移相角度に対応する電圧値を記憶素子14に記憶させる方法について説明する。
図4は、実施の形態1における移相器7の電圧対移相特性を記憶する処理を示すフローチャートである。
実施の形態1における送信機100が、位相補正器13の有する記憶素子14に、移相器7の実際の電圧対移相特性を記憶する処理(以下、移相器特性記憶処理とする)の流れについて、図4に基づいて以下に説明する。
送信機100は、任意のデータを示すベースバンド変調信号を直交変調・増幅して上記送信波に相当する信号(特性検出用信号)を生成し(特性検出用信号生成ステップ)、特性検出用信号を直交復調して位相誤差を検出し(移相器特性検出ステップ:前処理ステップ)、移相器7の印加電圧を単位電圧分増加したときの復調信号の移相角度と印加電圧値とを対応付けて位相補正器13の記憶素子14に記憶し(移相器特性検出ステップ:移相角度記憶ステップ)、記憶素子14への移相器7の電圧対移相特性の記憶を移相角360°分繰り返す(ループ判定ステップ)。
ここで、移相器7の実際の電圧対移相特性を記憶するために生成する上記送信波に相当する信号を特性検出用信号とする。例えば、ベースバンド変調方式がπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)である場合、ベースバンド変調信号生成回路1が、連続して0を示すデータ(以下、連続0データとする)をπ/4シフトQPSKで変調した変調信号を出力し、直交変調器3で直交変調し、増幅器4で増幅して特性検出用信号を生成する。π/4シフトQPSK方式の場合、連続0データは+π/4連続変位する信号で示されるため、ベースバンド変調信号生成回路1の出力する変調信号および直交復調器9の出力する復調信号は共に正弦波となる。トレーニング位相検出器11は正弦波である変調信号と復調信号のゼロクロス点の時間差を測定して位相差を検出する。
また、移相器7の電圧対移相特性を検出する際の検出単位を示す電圧を単位電圧とする。例えば、移相器7の電圧対移相特性を線形とした場合の移相1°当りの電圧を単位電圧として移相器7の実際の電圧対移相特性を検出する。
<作業用信号生成ステップ>
まず、ベースバンド変調信号生成回路1が任意データをベースバンド変調して生成した同相成分I(I)と直交成分Q(Q)とを変調信号として出力する(S201)。
次に、直交変調器3がベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号(I,Q)を入力し、発振機6の発振するローカル波を使用して直交変調を行い、特性検出用信号を生成し出力する(S202)。
次に、増幅器4が直交変調器3の出力した特性検出用信号を入力し増幅して出力する(S203)。
<移相器特性検出ステップ>
<前処理ステップ>
次に、直交復調器9は、増幅器4が出力しカプラ5と増幅器8を経由した特性検出用信号を入力し、発振機6の発振したローカル波を使用して特性検出用信号を直交復調し生成した同相成分I(I’)と直交成分Q(Q’)とを復調信号として出力する。このとき、移相器7の印加電圧を0とし、移相器7によるローカル波の移相は行わない(S204)。
次に、トレーニング位相検出器11がベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号である直交成分Q(Q)と直交復調器9の出力した復調信号である直交成分Q(Q’)とを入力し、入力した2つの信号(Q,Q’)の位相誤差を検出し出力する。ここで、移相器7によりローカル波の移相を行わなかった際に検出した位相誤差を、構成機器や環境に基づく送信機100の固有の位相差を示す固定位相差とする(S205)。
<移相器特性検出ステップ>
<移相角度記憶ステップ>
次に、位相補正器13が、単位電圧分増加した印加電圧で移相器7を制御する(S206)。
次に、位相補正器13の制御した印加電圧により、移相器7が発振機6の発振したローカル波を移相する(S207)。
次に、直交復調器9が移相器7の移相したローカル波を使用して特性検出用信号を直交復調し生成した同相成分I(I’)と直交成分Q(Q’)とを復調信号として出力する(S208)。
次に、トレーニング位相検出器11がベースバンド変調信号生成回路1の出力した変調信号である直交成分Q(Q)と直交復調器9の出力した復調信号である直交成分Q(Q’)とを入力し、入力した2つの信号(Q,Q’)の位相誤差を検出し上記固定位相差を差し引いた位相差を出力する。この際に検出した位相誤差を、位相補正器13が移相器7の印加電圧を制御し移相器7がローカル波の移相を行った後に検出した移相後位相差とし、トレーニング位相検出器11が出力する位相差であり移相後位相差から上記固定位相差を差し引いた位相差を移相角度とする(S209)。
次に、位相補正器13が記憶素子14に、トレーニング位相検出器11の出力した移相角度に対応付けて移相器7の当該印加電圧値(S206での印加電圧値)を記憶する(S210)。
<移相器特性検出ステップ>
<ループ判定ステップ>
そして、位相補正器13が移相角360°分の移相器7の当該印加電圧値を記憶素子14に記憶したか判定する。記憶済みであれば移相器特性記憶処理を終了し、記憶未済みであれば移相角度記憶ステップ(S206〜S210)を繰り返す(S211)。
なお、送信機100は、移相器特性記憶処理時はスイッチ10をオフにし、変調信号に復調信号を加算しないようにする。
上記実施の形態1において説明した送信機100は、前記構成図で示した構成機器の他、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備えている。CPUは、バスを介してROM、RAM、各構成機器と接続されている。また、送信機100は、ベースバンド変調信号生成回路1が送信データを入力する入力機器を備え、入力機器はCPUと接続されている。
RAMは揮発性メモリの一例であり、ROMは不揮発性メモリの一例である。これらは記憶機器の一例である。記憶素子14は例えばRAMで構成される。
記憶機器には、オペレーティングシステム(OS)、プログラム群、ファイル群が記憶されている。プログラム群は、CPU、OSにより実行される。
上記プログラム群には、実施の形態の説明において「〜回路」、「〜器」として説明する送信機100の構成機器の機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPUにより読み出され実行される。
ファイル群には、実施の形態の説明において、移相器7の電圧対移相特性情報や「〜を判定し」、「〜を判定した結果」、「〜を計算し」、「〜を計算した結果」、「〜を処理し」、「〜を処理した結果」のような表現で説明する結果情報が、「〜ファイル」として記憶されている。
また、実施の形態の説明において「〜回路」、「〜器」として説明する送信機100の構成機器は、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
上記実施の形態1において、以下のようなことを説明した。
ベースバンド変調信号生成回路1より出力された変調信号を直交変調器3にて発振機6より出力されるローカル波に直交変調を行ない送信波を生成する。この送信波は増幅器4にて増幅しカプラ5を経由しアンテナ12より送信される。送信波は、カプラ5で分岐され増幅器8にて増幅されて、直交復調器9に入力される。直交復調器9では、発振機6のローカル波を用いて復調を行い復調信号を生成する。トレーニングを行う場合は、スイッチ10にて復調信号が加算器2に入力されないように切断しておきベースバンド変調信号生成回路1から出力された変調信号と直交復調器9から出力された復調信号を比較し変調信号と復調信号の位相誤差を検出する。検出した位相誤差から位相補正器13にて移相器7の制御電圧対移相の誤差を修正した制御電圧(印加電圧)で移相器7を制御することより移相器7で移相されたローカル波を用いて直交復調器9により復調された位相補正後の復調信号を、スイッチ10を接続して加算器2にて変調信号と加算する。これにより、送信機100は増幅器4に対する歪み補償を行う。
つまり、電圧制御型移相器の設定誤差を補正するための位相補正器13を持ち、制御電圧に応じた移相角が正しく設定できる送信機であり、送信波をフィードバックにて歪み補償する方式において、トレーニングした位相誤差に基づいて位相補正量を設定する際、移相器の制御電圧対位相特性の関係を用いて移相器の制御電圧を補正し、移相設定誤差による特性劣化を低減することができる送信機について説明した。
この送信機により、電圧制御型移相器の制御電圧対移相の非直線性による位相誤差を低減し、歪み補償特性を改善することができる。
また、補間処理または移相器7の理想的な電圧対移相特性の利用により、位相誤差(移相角度)に対応する(移相器7への)印加電圧値が記憶素子14に記憶されていない場合にも歪み補償することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、事前に位相補正器13の記憶素子14に移相器7の制御電圧対ループ位相差の特性(電圧対移相特性)を記憶させ、トレーニングループを1回実施しただけで変調信号に対する復調信号の位相補正を行い歪み補償することについて説明した。
実施の形態2では、移相器7の電圧対移相特性を事前に記憶せず、代わりにトレーニングループを2回実施することで、変調信号に対する復調信号の位相補正を行い歪み補償することについて説明する。
実施の形態2において、上記実施の形態1と異なる部分について説明し、その他の部分については上記実施の形態1と同様であるものとする。
図5は、実施の形態2における送信機100の構成図である。
図5において、実施の形態2における送信機100の構成は、上記実施の形態1における送信機100に対して位相補正器13の記憶素子14の無い点が異なり、その他の構成については上記実施の形態1と同様である。
図6は、実施の形態2における送信機100の処理を示すフローチャートである。
実施の形態2における送信機100の歪み補償送信処理の流れについて、図6に基づいて以下に説明する。
<送信波生成ステップ>
まず、送信機100は、送信データを示すベースバンド変調信号を直交変調・増幅して送信波を生成し出力する。この送信波生成ステップの処理は上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理の送信波生成ステップ(S101〜S103)と同じである(S301〜S303)。
<トレーニングステップ>
次に、上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理のトレーニングステップ(S104〜S105)と同様に、直交復調器9が復調信号を生成して出力し(S304)、トレーニング位相検出器11が位相誤差を検出し出力する(S305)。
次に、位相補正器13が、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差を移相器7が移相するローカル波の移相角度として、移相角度に対応する印加電圧で移相器7を制御する。このとき、位相補正器13は、移相器7の電圧対移相特性を線形とした場合(理想的な電圧対移相特性である場合)の印加電圧値(単位移相角度当りの印加電圧値)を算出し移相器7の印加電圧を制御する。また、位相補正器13は、2回目のトレーニングループ時には、1回目のトレーニングループ時の移相器7への印加電圧に対して2回目のトレーニングループ時のループ位相差分調整した印加電圧で移相器7を制御する。例えば、1回目のトレーニングループ時の移相器7への印加電圧に2回目のトレーニングループ時の移相角度(=ループ位相差)分の電圧を加減算して調整した印加電圧で移相器7を制御する(S306)。
次に、上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理のトレーニングステップ(S108〜S109)と同様に、移相器7がローカル波を移相し(S307)、直交復調器9が復調信号を生成し出力する(S308)。
次に、トレーニング位相検出器11がトレーニングループを2回行ったか判定する。例えば、送信機100の記憶素子にトレーニングループ回数を記憶し、トレーニング位相検出器11がトレーニングループ回数の初期設定やインクリメントを処理すると共にトレーニングループ回数が1の場合は再びトレーニングループ(S305〜S308)を繰り返し、トレーニングループ回数が2の場合はトレーニングを終了して次の処理に移す。また、トレーニング終了時の直交復調器9の出力した復調信号を負帰還信号とする(S309)。
<歪み補償発信ステップ>
そして、送信機100は、負帰還信号を加算したベースバンド変調信号を直交変調・増幅して歪み補償した送信波を生成し発信する。この歪み補償発信ステップの処理は上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理の歪み補償発信ステップ(S110〜S113)と同じである(S310〜S313)。
なお、送信機100は、トレーニング終了(トレーニングステップ(S309))までスイッチ10をオフにして変調信号に復調信号を加算しないようにし、トレーニング終了の際にスイッチ10をオンにして変調信号に負帰還信号を加算するようにする。
上記実施の形態2において、以下のようなことを説明した。
送信機100は、トレーニングループを行い検出したループ位相差に応じた制御電圧を移相器7に与え、再度トレーニングループを行い、ループ位相差を測定する。位相補正器13でそのループ位相差に応じて制御電圧を補正して移相器7を制御することにより、位相誤差に応じた位相補正を行え、位相補正誤差(位相補正後の位相誤差)を低減して歪み補償することができる。
即ち、トレーニングは通信を開始する前に行うものであり、1回目のトレーニングループで理想的な位相特性との差異がαであったとすると、2回目のトレーニングループではαを補正すべく移相器7への制御電圧を調整する。仮に、2回目のトレーニングループの結果に差異βがあったとしても、その差異βは、β<αとなり、位相補正誤差を低減することができる。
つまり、トレーニングした位相誤差に基づいて位相補正量を設定後、再度トレーニングを実施し位相設定誤差を測定し、測定した位相設定誤差に応じ位相補正量を修正することで移相器の制御電圧を補正し、移相設定誤差による特性劣化を低減することができる送信機について説明した。
上記実施の形態2において、トレーニングループ数を2回としたが3回以上にしてもよい。
また、トレーニング位相検出器11と位相補正器13とにおいて、当該トレーニングループ時に検出した位相誤差が前回トレーニングループ時の位相誤差より大きい場合、前回トレーニング時の印加電圧で移相器7を制御して負帰還信号を生成してもよい。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、位相補正器13が記憶素子14に所望の移相角度に対応する印加電圧値が記憶されていない場合、記憶素子14に記憶された移相角度に対応する印加電圧値に対して補間処理を行い取得した印加電圧値の電圧で移相器7を制御して位相補正を行い歪み補償することについて説明した。
また、上記実施の形態2では、2回のトレーニングループ時に、位相補正器13が移相器7の電圧対移相特性を線形として移相器7の印加電圧を制御して位相補正を行い歪み補償することについて説明した。
実施の形態3では、位相補正器13が、記憶素子14に所望の移相角度に対応する印加電圧値が記憶されていない場合に、移相器7の電圧対移相特性を線形として移相器7の印加電圧を制御して行うトレーニングループを2回実施して位相補正を行い歪み補償することについて説明する。また、位相補正器13がトレーニングループ時の移相器7の印加電圧値と対応する移相角度とを記憶素子14に記憶することについて説明する。
実施の形態3において、上記実施の形態1と異なる部分について説明し、その他の部分については上記実施の形態1または上記実施の形態2と同様であるものとする。
実施の形態3における送信機100の構成は上記実施の形態1における送信機100と同様である。
図7は、実施の形態3における送信機100の処理を示すフローチャートである。
実施の形態3における送信機100の歪み補償送信処理の流れについて、図7に基づいて以下に説明する。
<送信波生成ステップ>
まず、送信機100は、送信データを示すベースバンド変調信号を直交変調・増幅して送信波を生成し出力する。この送信波生成ステップの処理は上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理の送信波生成ステップ(S101〜S103)と同じである(S401〜S403)。
<トレーニングステップ>
<前処理ステップ>
次に、上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理のトレーニングステップ(S104〜S105)と同様に、直交復調器9が復調信号を生成して出力し(S404)、トレーニング位相検出器11が位相誤差を検出し出力する。この際に検出した位相誤差を、位相補正器13が移相器7の印加電圧を制御し移相器7がローカル波を移相する前に検出した位相誤差である移相前位相差とする(S405)。
次に、位相補正器13が記憶素子14に記憶された移相器7の電圧対移相特性を検索し、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶されているか判定する。記憶されている場合は第1トレーニングステップ(S407〜S410)に処理を移し、記憶されていない場合は第2トレーニングステップ(S411〜S414)に処理を移す(S406)。
<トレーニングステップ>
<第1トレーニングステップ>
トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶素子14に記憶されている場合、上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理のトレーニングステップ(S106〜S109)と同様に、位相補正器13が記憶素子14から移相器7への印加電圧値を取得し(S407)、位相補正器13が移相器7の印加電圧を制御し(S408)、移相器7がローカル波を移相し(S409)、直交復調器9が負帰還信号を生成し出力する(S410)。
<トレーニングステップ>
<第2トレーニングステップ>
トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶素子14に記憶されていない場合、上記実施の形態2における送信機100の歪み補償送信処理のトレーニングステップ(S306〜S308)と同様に、位相補正器13が電圧対移相特性を線形として移相器7の印加電圧を制御し(S411)、移相器7がローカル波を移相し(S412)、直交復調器9が復調信号を生成して出力する(S413)。
次に、トレーニング位相検出器11が位相誤差を検出し上記移相前位相差を差し引いた位相差を出力する。この際に検出した位相誤差を、(位相補正器13が印加電圧を制御して)移相器7がローカル波を移相した後に検出した位相誤差である移相後位相差とする。そして、トレーニング位相検出器11が出力する位相差であり移相後位相差から上記移相前位相差を差し引いた位相差を移相角度とする(S414)。
次に、位相補正器13が、トレーニング位相検出器11の出力した移相角度と当該電圧値(S411で移相器7を制御した印加電圧の値)とを対応付けて記憶素子14に記憶する(S415)。
次に、トレーニング位相検出器11が(上記実施の形態2のS309と同様に)トレーニングループ回数を判定する。トレーニング回数が1の場合は再びトレーニングループ(S411〜S415)を繰り返し、トレーニングループ回数が2の場合はトレーニングを終了し次の処理に移す。また、トレーニング終了時の直交復調器9の出力した復調信号を負帰還信号とする(S416)。
<歪み補償発信ステップ>
そして、送信機100は、負帰還信号を加算したベースバンド変調信号を直交変調・増幅して歪み補償した送信波を生成し発信する。この歪み補償発信ステップの処理は上記実施の形態1における送信機100の歪み補償送信処理の歪み補償発信ステップ(S110〜S113)と同じである(S417〜S420)。
なお、送信機100は、トレーニング終了(トレーニングステップ(S410・S416))までスイッチ10をオフにして変調信号に復調信号を加算しないようにし、トレーニング終了の際にスイッチ10をオンにして変調信号に負帰還信号を加算するようにする。
上記実施の形態3において、以下のようなことを説明した。
上記実施の形態2で説明した、トレーニングループを2回行うことにより位相補正誤差を低減する方法において、トレーニングループを2回行った結果の位相測定値(移相角度)を記憶素子14に記憶する。そして、1回目のトレーニングループを行った結果(位相誤差)と記憶素子14に記憶されている電圧対移相特性の示す移相角度とが一致したときは、2回目のトレーニングを行わず、記憶素子14に記憶されている移相角度の一致した当該電圧値を用いて移相器7を制御し、位相補正誤差を低減した歪み補償を行う。
即ち、記憶素子14には1回目のトレーニングループの結果と2回目のトレーニングループの結果との移相器7の印加電圧と移相角度との組み合わせを記憶する。通信を開始するに際して、1回目のトレーニングループを行った結果、その結果(位相誤差)と一致する移相角度が記憶素子14に記憶されていれば、その結果に対応する印加電圧値であり記憶素子14に記憶されている電圧値を利用して移相器7の制御電圧を調整する。一方、1回目のトレーニングループを行った結果、その結果に対応する印加電圧値が記憶素子14に記憶されていなければ、2回目のトレーニングループを実施して移相器7の制御電圧を調整すると共に、このときの1回目及び2回目のトレーニングループ結果に基づいて移相器7の実際の電圧対移相特性を記憶素子14に記憶する。
つまり、上記実施の形態2で説明した歪み補償方式において、1回目及び2回目のトレーニングを実施した位相設定結果(移相角度、制御電圧)をそれぞれ1組として、記憶素子に記憶しておくことで、1回目のトレーニングループを実施した際の位相測定結果が記憶素子内に記憶している位相設定結果と同じであった場合、2回目のトレーニングループを行わず、記憶素子に記憶している同じ組の位相測定結果を用いて位相補正量を修正することにより、移相器の制御電圧を補正し位相設定誤差による特性劣化を低減することができる送信機について説明した。
上記実施の形態3において、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶素子14に記憶されていない場合、上記実施の形態2と同様に、トレーニングループ数を2回としたが3回以上にしてもよい。また、トレーニング位相検出器11と位相補正器13とにおいて、当該トレーニングループ時に検出した位相誤差が前回トレーニングループ時の位相誤差より大きければ、前回トレーニング時の印加電圧で移相器7を制御して負帰還信号を生成してもよい。
また、上記実施の形態3において、上記実施の形態1で説明した移相器特性記憶処理を実施し事前に記憶素子14に移相器7の実際の電圧対移相特性を記憶してもよい。
そして、上記実施の形態3において、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶素子14に記憶されていない場合に、移相器7の電圧対移相特性を線形としてトレーニングする代わり(第2トレーニングステップの代わり)に、上記実施の形態1と同様に、記憶素子14に記憶されている移相角度に対応する印加電圧値を補間処理して算出した印加電圧値に基づいて移相器7への印加電圧を制御してもよい。この場合も移相後位相差から移相前位相差を差し引いた位相差を移相角度とし当該電圧値と対応付けて記憶素子14に記憶する。
また、上記実施の形態3において、トレーニング位相検出器11の出力した位相誤差に対応する電圧が記憶素子14に記憶されていない場合に、移相器7の電圧対移相特性を線形としてトレーニングする(移相器7への)印加電圧の制御と、記憶素子14に記憶されている移相角度に対応する印加電圧値を補間処理して算出した印加電圧値に基づく(移相器7への)印加電圧の制御とのいずれかを選択してもよい。例えば、記憶素子14に記憶されている移相角度と位相誤差との差が所定の閾値以上である場合に、移相器7の電圧対移相特性を線形としてトレーニングする(移相器7への)印加電圧の制御を選択するようにしてもよい。また、例えば、移相器7の電圧対移相特性を線形としてトレーニングする(移相器7への)印加電圧の制御と、記憶素子14に記憶されている移相角度に対応する印加電圧値を補間処理して算出した印加電圧値に基づく(移相器7への)印加電圧の制御とを共に実行し、移相器7への印加電圧を制御後の位相誤差が小さかった方の制御を選択し再度実行して負帰還信号を生成してもよい。
また、各実施の形態において、トレーニング位相検出器11は、直交成分Qに基づいて位相誤差を検出したが同相成分Iに基づいて位相誤差を検出してもよい。
また、各実施の形態において、送信機100は直交変調を行ったが他の変調方式でもよい。例えば、ベースバンド変調信号生成回路1がベースバンド変調信号を同相成分と直交成分とに分けずに出力し、直交変調器3の代わりに位相変調、振幅変調、周波数変調などの変調処理を行う変調器を備え、直交復調器9の代わりに変調処理に対応する復調器を備えても構わない。
実施の形態1における送信機100の構成図。 2つの信号(Q,Q’)のループ位相差を示す図。 実施の形態1における送信機100の処理を示すフローチャート。 実施の形態1における移相器7の電圧対移相特性を記憶する処理を示すフローチャート。 実施の形態2における送信機100の構成図。 実施の形態2における送信機100の処理を示すフローチャート。 実施の形態3における送信機100の処理を示すフローチャート。 従来の送信機200を示す構成図。 電圧制御型の移相器7の電圧対移相特性を例示する図。
符号の説明
1 ベースバンド変調信号生成回路、2 加算器、3 直交変調器、4 増幅器、5 カプラ、6 発振機、7 移相器、8 増幅器、9 直交復調器、10 スイッチ、11 トレーニング位相検出器、12 アンテナ、13 位相補正器、14 記憶素子、100,200 送信機。

Claims (9)

  1. 入力信号を変調し増幅器で増幅した出力信号を、移相器で移相したローカル信号を用いて復調し、復調した復調信号を入力信号に加算することで前記増幅器の歪み補償を行う歪み補償回路において、
    入力信号と復調信号との位相誤差を検出し、検出した位相誤差を出力する位相検出器と、
    複数の位相誤差の各々に対応する前記移相器への各々の印加電圧値を記憶する記憶素子を有し、前記位相検出器から位相誤差を入力し、入力した位相誤差に対応する印加電圧値を前記記憶素子に記憶されている印加電圧値から検索して前記移相器への印加電圧量を制御する移相制御器と
    を備えたことを特徴とする歪み補償回路。
  2. 前記移相制御器は、
    入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値が前記記憶素子に記憶されていない場合、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値を、前記記憶素子に記憶されている印加電圧値を補間処理して算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の歪み補償回路。
  3. 前記移相制御器は、
    入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値が前記記憶素子に記憶されていない場合、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値を、前記移相器の単位移相角度当りの印加電圧値に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の歪み補償回路。
  4. 前記移相制御器は、
    算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御し、前記移相器への印加電圧量を制御した際の印加電圧値と前記移相器への印加電圧量を制御後の位相誤差と前記移相器への印加電圧量を制御前の位相誤差とに基づいて、新たに位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値を前記記憶素子に記憶する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の歪み補償回路。
  5. 前記移相制御器は、
    算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後の位相誤差を前記位相検出器から入力し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後に前記移相検出器から入力した位相誤差に基づいて前記移相器への印加電圧量を調整する
    ことを特徴とする請求項3記載の歪み補償回路。
  6. 前記移相制御器は、
    調整した印加電圧量で前記移相器を制御し、調整した印加電圧量を示す印加電圧値と調整した印加電圧量で前記移相器を制御後の位相誤差と算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御前の位相誤差とに基づいて、新たに位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値を前記記憶素子に記憶する
    ことを特徴とする請求項5記載の歪み補償回路。
  7. 入力信号を変調し増幅器で増幅した出力信号を、移相器で移相したローカル信号を用いて復調し、復調した復調信号を入力信号に加算することで前記増幅器の歪み補償を行う歪み補償回路において、
    入力信号と復調信号との位相誤差を検出し、検出した位相誤差を出力する位相検出器と、
    前記位相検出器から位相誤差を入力し、入力した位相誤差と前記移相器の単位移相角度当りの印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧値を算出し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後の位相誤差を前記位相検出器から入力し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後に前記移相検出器から入力した位相誤差に基づいて前記移相器への印加電圧量を調整し、調整した印加電圧量で前記移相器を制御する移相制御器と
    を備えたことを特徴とする歪み補償回路。
  8. 入力信号を変調し増幅器で増幅した出力信号を移相器で移相したローカル信号を用いて復調し、復調した復調信号を入力信号に加算することで前記増幅器の歪み補償を行う歪み補償回路の歪み補償方法において、
    前記歪み補償回路は複数の位相誤差のそれぞれに対応する前記移相器へのそれぞれの印加電圧値をあらかじめ記憶する記憶素子を有し、
    位相検出器は入力信号と復調信号との位相誤差を検出し、検出した位相誤差を出力し、
    移相制御器は前記位相検出器から位相誤差を入力し、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値が前記記憶素子に記憶されているか判定し、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値が前記記憶素子に記憶されている場合、前記記憶素子に記憶されている印加電圧値であり入力した位相誤差に対応する印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御し、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値が前記記憶素子に記憶されていない場合、入力した位相誤差に対応する前記移相器への印加電圧値を前記記憶素子に記憶されている印加電圧値を補間処理して算出し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御する
    ことを特徴とする歪み補償回路の歪み補償方法。
  9. 入力信号を変調し増幅器で増幅した出力信号を移相器で移相したローカル信号を用いて復調し、復調した復調信号を入力信号に加算することで前記増幅器の歪み補償を行う歪み補償回路の歪み補償方法において、
    前記歪み補償回路は複数の位相誤差のそれぞれに対応する前記移相器へのそれぞれの印加電圧値を記憶する記憶素子を有し、
    位相検出器は入力信号と復調信号との位相誤差を検出し、検出した位相誤差を出力し、
    移相制御器は前記位相検出器から位相誤差を入力し、入力した位相誤差と前記移相器の単位移相角度当りの印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧値を算出し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後の位相誤差を前記位相検出器から入力し、算出した印加電圧値に基づいて前記移相器への印加電圧量を制御後に前記移相検出器から入力した位相誤差に基づいて前記移相器への印加電圧量を調整し、調整した印加電圧量で前記移相器を制御する
    ことを特徴とする歪み補償回路の歪み補償方法。
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