JP2000101662A - 帰還増幅回路及びこれを適用した送信機 - Google Patents

帰還増幅回路及びこれを適用した送信機

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JP2000101662A
JP2000101662A JP10266069A JP26606998A JP2000101662A JP 2000101662 A JP2000101662 A JP 2000101662A JP 10266069 A JP10266069 A JP 10266069A JP 26606998 A JP26606998 A JP 26606998A JP 2000101662 A JP2000101662 A JP 2000101662A
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signal
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Hiroaki Nagai
広明 長井
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NEC Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帰還増幅回路及びこれを適用した送信機におけ
る初期動作時の安定化を図り、回路構成の簡略化を実現
する。 【解決手段】 位相調整回路11が、電力増幅器5から
出力された信号の一部を入力し、直交復調器7に位相調
整された信号を供給するように設けられる。また、位相
調整回路8が、局発信号源10からの出力された信号を
入力し、直交復調器7に位相調整された信号を供給する
ように設けられている。位相制御部9は、送信機がオフ
からオンに操作されたとき(カーテシアンループにおけ
る初期動作時)は位相調整回路11における位相シフト
量の制御を行い、カーテシアンループの初期動作が完了
したときは、位相調整回路8における位相シフト量の制
御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、線形送信機や高
出力増幅器等に適用される帰還増幅回路に関し、特に、
カーテシアンループにおける非線形歪みを抑圧するため
の位相制御機能を有する帰還増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、線形送信機や高出力増幅器等に適
用される帰還増幅回路には、位相シフト(位相回り)に
よる歪み補償の悪化を防止するための各種技術が施され
ている。このような技術の一例は、例えば特開平7−2
12418号公報に記載されている。この公報に記載さ
れている線形送信機には、増幅歪みを低減させるため、
フィードバック信号を監視して最適な搬送波信号を生成
するための位相調整手段が設けられている。
【0003】図6は、この線形送信機のブロック図であ
る。参照符号2は差動増幅器、4は直交変調器、5は電
力増幅器、6はアンテナ、7は直交復調器、8は位相調
整回路、10は搬送波信号生成回路、13はスイッチ回
路、16は監視回路を示す。
【0004】差動増幅器2は、入力端子14,15を有
し、変調されたベースバンド信号の入力同相成分IP及
び入力直交成分IQを入力する。更に、差動増幅器2に
は、出力信号からベースバンド信号に復調されたフィー
ドバック同相成分FP及びフィードバック直交成分FQ
を有するフィードバック信号が供給される。差動増幅器
2では、入力信号(入力同相成分IP及び入力直交成分
IQ)とフィードバック信号(フィードバック同相成分
FP及びフィードバック直交成分FQ)との差が求めら
れ、差動同相成分及び差動直交成分が出力される。この
ような構成から明らかなように、この線形送信機は、カ
ーテシアンループを形成する。
【0005】差動増幅器2から出力された信号は、直交
変調器4に供給される。このとき、入力同相成分IPと
フィードバック同相成分FPとの間、及び/又は、入力
直交成分IQとフィードバック直交成分FQとの間に位
相シフトが発生すると負帰還回路が不安定となり、正帰
還になってしまったり、歪みを制御することが不可能と
なる虞がある。そこでこの線形送信機には、位相シフト
による特性劣化を防ぐために監視回路16が設けられ、
入力信号とフィードバック信号の位相シフト量が調整さ
れるようになっている。
【0006】スイッチ13は、時分割多元接続(TDM
A)方式におけるプリアンブル信号の部分と情報信号の
部分とを分離するために使用される。これにより、プリ
アンブル信号部の時に位相シフトが検出されるようにな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の線形送信機で
は、以下に説明する3つの問題点がある。第1の問題点
は、カーテシアンループが成り立っていない状態、つま
り線形送信機がオフからオンに移行する状態における、
位相制御の処理が考慮されていない点である。
【0008】通常、線形送信機の状態をオフからオンに
したときには、入力信号とフィードバック信号の位相シ
フトが非常に大きくなる。これは、線形送信機の回路
が、負帰還をかけたときに発生する入力信号とフィード
バック信号との位相シフト量を考慮して構成されていな
いためである。仮に、負帰還をかけたときに発生する入
力信号と、フィードバック信号の位相シフトとが共に
“0”になるように考慮されている場合であっても、線
形送信機がオフのときに、線形送信機自体が高温、また
は低温であれば、電力増幅部5の温度変化に起因する位
相シフトが発生する。
【0009】また、実際には、電力増幅のブロック、信
号発生のブロック、位相制御のためのブロックは、それ
ぞれ個別に設けられていることが多く、実装する際の仕
様によっては、これらのブロック間の配線長が変化す
る。そこで、例えば配線長等で位相シフト量を最小にす
ることが考えられるが、調整処理の手間や、電気部品
(例えばケーブル)の材料選択等によりコスト高になる
ため、現実には行われていない。更に、図6に示される
ブロック図からわかるように、差動増幅器2の出力が必
要以上に大きくなると、電力増幅器5の入力が過大にな
り、その分歪みも大きくなって歪み抑圧効果があまり期
待できなくなる。
【0010】第2の問題点は、プリアンブル信号の部分
と情報信号の部分とを分離するためのスイッチ13の切
り替えにより、信号経路が変わることである。このた
め、線形送信機をオフからオンにしたときの入力信号と
フィードバック信号との位相シフトが補償できた場合で
あってもスイッチ13が作動することになり、直交変調
器4に入力された信号が、違う信号経路を通ることにな
る。この場合には、正確な位相シフト量を検出すること
ができない。また、上記の構成で位相シフトの補償を行
うとき、位相調整回路8は、360゜のダイナミックレ
ンジを必要とし、変調精度を考慮した場合には分解能を
十分に上げる必要がある。
【0011】第3の問題点は、時分割多元接続(TDM
A)方式でしか使用することのできない制御方式を採用
している点である。TDMA方式では、1バースト毎に
スイッチが切り替わる。位相変調(π/4DQPSK
等)方式では位相の変化に必要な情報が含まれているた
め、従来の構成では、この必要な情報が正確に送信する
ことができない。このため、正常なデータ、例えば音声
等を用いた通信ができなくなる。
【0012】そこでこの発明の課題は、カーテシアンル
ープの初期動作を正確且つ高速に、安定化させることが
可能な帰還増幅回路及びこれを適用した送信機を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明に係る
帰還増幅回路は、所定の基準信号と帰還信号との差分に
基づいて変調信号を生成する第1の手段と、前記変調信
号を高周波信号に変換して増幅する第2の手段と、前記
増幅された高周波信号を抽出する第3の手段とを備え、
前記抽出された高周波信号を復調して前記帰還信号を生
成する帰還増幅回路であって、前記変調信号を生成する
ための局発信号の位相調整を行う第1の位相調整回路
と、前記抽出された高周波信号の位相調整を行う第2の
位相調整回路と、前記第1の位相調整回路および第2の
位相調整回路を選択的に制御する位相制御手段とを設け
たことを特徴とする。この帰還増幅回路によれば、位相
制御手段により第1の位相調整回路と、第2の位相調整
回路とが選択的に制御される。これにより、変調信号を
生成するための局発信号の位相調整と、抽出された高周
波信号の位相調整とが、適宜行われる。
【0014】前記位相制御手段は、前記基準信号と前記
復調後の帰還信号との間の位相シフト量に基づいて前記
第1の位相調整回路と前記第2の位相調整回路のいずれ
か一方を制御するように構成してもよい。
【0015】また、前記位相制御手段は、前記位相シフ
ト量が所定値よりも大きいときは前記第2の位相調整回
路の位相シフト量を調整し、前記位相シフト量が小さい
ときは前記第1の位相調整回路の位相シフト量を制御す
るように構成してもよい。
【0016】また、前記帰還増幅回路は、前記差分をゼ
ロ値にしたときの初期位相シフト量を計測する手段をさ
らに備え、前記位相制御手段が、前記初期位相シフト量
に基づいて前記位相シフト量を補正するように構成して
もよい。
【0017】また、前記基準信号および帰還信号は互い
に位相が直交する直交信号である。この発明に係る送信
機は、前記帰還増幅回路を有する送信機であって、前記
位相制御手段が、初期動作時には前記補正された位相シ
フト量に基づいて前記第2の位相調整回路の位相シフト
量を調整し、初期動作後は前記第1の位相調整回路の位
相シフト量を制御するように構成されていることを特徴
とする。
【0018】このような帰還増幅回路及びこれを適用し
た送信機によれば、初期動作を正確且つ高速に、安定化
させることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の帰還増幅回路を
送信機に適用した場合の実施形態を説明する。まず、こ
の送信機の基本構成と、この送信機における位相制御の
基本動作を図1及び図2を参照して説明する。
【0020】図1は、この送信機の基本構成を示すブロ
ック図であり、図2は、図1に示される差動増幅器2
a,2bにおける位相シフトによる入出力関係を示す概
念図である。なお、図1では、構成を簡略化するため
に、差動増幅器2a,2bが減算器として示されてい
る。また、図1における鎖線は位相制御信号の流れを示
している。また、従来技術を示した図6の線形送信機と
同一機能の要素については、同一符号を付してある。
【0021】図1に示されるベースバンド信号発生器1
は、基準信号I,Qをそれぞれ差動増幅器2a,2bに
供給するとともに、同じく基準信号I,Qを、位相制御
を行う位相制御部9に供給する。差動増幅器2aは、基
準信号Iを入力するとともに、直交復調器7から復調信
号I’を入力し、これら信号の位相シフトに応じた信号
をフィルタ3aを介して直交変調器4に出力する。差動
増幅器2bも同様に、基準信号Qを入力するとともに、
直交復調器7から復調信号Q’を入力し、これらの信号
の位相シフトに応じた信号をフィルタ3bを介して直交
変調器4に出力する。
【0022】直交変調器4は、局発信号源10から送ら
れる所定の周波数の信号を、フィルタ3a,3bから送
られる信号にしたがって直交変調し、変調同相成分及び
変調直交成分を含む変調信号を電力増幅器5に出力す
る。電力増幅器5は、変調信号を増幅し、この増幅信号
をアンテナ6から送信する。
【0023】直交復調器7は、位相調整回路8の出力信
号を受け取るとともに、カプラ(方向性結合器)12に
より取り込まれ、位相調整回路11により位相制御され
た信号を復調する。
【0024】位相調整回路8は、ベースバンド用の調整
回路であり、局発信号源10から入力した所定周波数の
局発信号を、位相制御部9からの位相制御信号にしたが
って位相調整し、これを直交復調器7に供給する。
【0025】位相制御部9は、位相比較器を含んでお
り、ベースバンド信号発生器1から出力された基準信号
I,Qと、直交復調器7により復調された復調信号
I’,Q’との位相シフトを検出し、検出結果に基づい
て位相調整回路8,11を制御している。局発信号源1
0は、所定の中間周波数の信号を直交変調器4及び位相
調整回路8に供給する。位相調整回路11は、出力周波
数用の調整回路であって、高周波段のカプラ12から一
部取り込まれた増幅後の信号(増幅信号)と位相制御部
9からの位相制御信号とが入力されており、この位相制
御信号にしたがって増幅信号を位相調整し、これを直交
復調器7に供給する。この位相調整回路11および直交
復調器7で「帰還部」を構成している。
【0026】次に、この送信機における位相制御の基本
動作について説明する。この位相制御は、主に位相制御
部9によって行われる。特に、この位相制御部9は、位
相調整回路8,11を選択的に制御する。まず、位相制
御部9は、送信機がオフからオンに操作されたとき(カ
ーテシアンループにおける初期動作時)、位相調整回路
11を用いて位相制御を行う。
【0027】既に説明したとおり、この送信機には、電
力増幅器5から出力された増幅信号が、位相調整回路1
1により位相調整され、直交復調器7により復調がなさ
れた後に差動増幅器2a,2bに帰還されるようになっ
ている。
【0028】位相制御部9は、カーテシアンループにお
ける初期動作時、位相調整回路11を制御することによ
り、送信機の動作を安定させる。これは、カーテシアン
ループにおける初期動作時には、位相調整回路8により
位相調整が行われていないループの1巡目に生じる位相
シフトが制御されていないためである。この初期動作時
の位相シフトを補償する位相調整回路11が帰還部の直
交変調器7の前段に設けられ、ループ1巡目から安定な
状態で動作されるようになっている。
【0029】カーテシアンループの初期動作が完了する
と、位相制御部9は、位相調整回路8を用いて位相制御
を行う。図2を参照すると、(a)には、基準信号と復
調信号との間に位相シフト(位相ずれ)が無い場合を、
(b)には位相シフトθがある場合の例が示されてい
る。実線矢印は基準信号、鎖線矢印は復調信号、二重線
の矢印は基準信号から復調信号を減算した場合の出力で
ある。
【0030】図2から明らかなように、基準信号と復調
信号との間に位相シフトがあると、差動増幅器2a,2
bの出力が大きくなり、電力増幅部5の入力信号が過大
になる虞がある。そこで、位相制御部9は、基準信号と
復調信号と間の位相シフト量を検出し、検出した位相シ
フト量に応じた位相制御信号を位相調整回路8に送る。
位相調整回路8は、この位相制御信号にしたがって局発
信号源10から供給される所定周波数の信号の位相を適
切に調整する。
【0031】このように、電力増幅器5から出力された
増幅信号が、位相調整回路11により位相調整され、直
交復調器7により復調がなされた後に差動増幅器2a,
2bに入力されるように、送信機に帰還部を設けること
により、カーテシアンループの初期動作を正確且つ高速
に、安定化させることが可能となる。そして、送信機の
動作状態に応じて、すなわち、カーテシアンループの初
期動作時と、それ以降の動作時とにおいて、位相制御部
9が適宜に位相調整回路8,11を駆動することによ
り、送信機の高速且つ安定した動作が実現される。
【0032】また、例えば温度変化やアンテナの負荷変
動による位相変化の制御を分担することができるように
なる。さらに、位相シフトの補償を送信機のオフからオ
ンの場合と、温度変化等の場合とに分けることができる
ので、変調精度を重視する場合、あるいは常に送信機が
オンの状態でなく、オン/オフを繰り返す場合等、要求
に応じて構成の最適化が可能になる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を適用した送信機の実施例を説
明する。 (第1実施例)図3は、送信機の具体的な構成例を示し
た図であり、図1に示した基本構成と同一機能の要素に
は同一の符号を付してある。
【0034】差動増幅器2a,2bは、それぞれ正入力
端子と負入力端子とを有する。差動増幅器2aの正入力
端子には、ベースバンド信号発生器1から出力される基
準信号Iが、負入力端子にはスイッチ13aからの出力
信号が入力されるようになっている。また、差動増幅器
2bの正入力端子には基準信号Qが入力され、負入力端
子にはスイッチ13bからの出力信号が入力されるよう
になっている。
【0035】スイッチ13aには、ベースバンド信号発
生器1からの基準信号Iと、直交復調器7から出力され
る復調信号I’とが入力される。スイッチ13aは、図
示しない外部システムからの制御信号(信号源のオン/
オフに対応した信号)にしたがって、基準信号I又は復
調信号I’のいずれかを差動増幅器2aの負入力端子に
供給する。スイッチ13bには、ベースバンド信号発生
器1からの基準信号Qと、直交復調器7から出力される
復調信号Q’とが入力される。スイッチ13bは、外部
システムからの制御信号にしたがって、基準信号Q又は
復調信号Q’のいずれかを差動増幅器2bの負入力端子
に供給する。これらのスイッチ13a,13bは、差動
増幅器2a,2bの出力レベルを抑えるために設けられ
ている。
【0036】また、図3に示されるように、位相制御部
9は、位相検出器9a、変換部9b、及びスイッチ9c
とにより構成されている。位相検出器9aは、位相制御
部9に入力される基準信号I,Qと、復調信号I’,
Q’との位相シフト量を求める。変換部9bは、位相検
出器9aにより求められた位相シフト量を位相調整回路
8,11を駆動するための制御電圧(制御情報)に変換
する。なお、この実施例では、変換部9b内には、位相
調整回路8,11のそれぞれに対する変換回路が個別に
設けられている。スイッチ9cは、外部システムからの
制御信号にしたがって、位相検出器9aにより求められ
た位相シフトの供給先を、位相調整回路8,11との間
で切り替える。
【0037】なお、変換部9bは、位相調整回路8、1
1の制御範囲、及び精度によって回路の規模の大小が決
定される。また、位相調整回路11は、カーテシアンル
ープが成り立つだけの位相調整(回路がオープン/クロ
ーズでπ/4以内の位相シフトであればカーテシアンル
ープが成り立つ)が可能なものである。また、位相調整
回路8は、基本的には、電力増幅部5の温度変化による
位相シフトだけを制御することで足りる。このため、変
換部9bは、40゜程度(電力増幅部5の温度変化によ
る位相シフトを±20゜としたとき)の分解能で十分に
対応できる。
【0038】次に、この実施例による送信機の動作につ
いて説明する。位相調整回路11は、カーテシアンルー
プにおける初期動作時の位相調整が行われていないルー
プ1巡目に生じる位相シフトを調整し、安定動作を確保
する。この位相調整が行われるためには、ループが閉じ
ていないときの位相のズレを測定する必要がある。この
ため、信号源のオン/オフに対応して動作するスイッチ
13a,13bを使用し、ループが閉じていないときの
位相シフトを測るようにする。
【0039】具体的には、差動増幅器2a,2bそれぞ
れの正入力端子および負入力端子にベースバンド信号発
生器1から出力される基準信号が入力されるように、ス
イッチ13a,13bが制御される。これは、ベースバ
ンド信号発生器1の出力のみが差動増幅器2a,2bの
正入力端子に入力されると、差動増幅器2a,2bの出
力がループを閉じている状態よりも大きくなり、電力増
幅部5に対して過大入力となるためである。このような
カーテシアンループにおける初期動作時のスイッチ動作
により、正入力端子と負入力端子とに入力される各信号
の差分がゼロの場合の位相シフト量が計測される。
【0040】スイッチ13a,bの切り替えを適宜に行
うことにより、差動増幅器2a,2bの出力を正常化す
ることができ、正確にループが閉じていないときの位相
シフトを測ることが可能となる。
【0041】この実施例によれば、位相調整がループ1
巡目に行われることにより、送信機の送信信号は、初期
動作時から安定する。また、ループが閉じれば(カーテ
シアンループが成立)、位相制御部9で基準信号と復調
信号の位相シフトを常時監視することにより位相調整回
路8が動作し、カーテシアンループを正常に、且つ安定
動作させることができるようになる。
【0042】従来の送信機では、位相調整回路8が36
0゜の位相調整範囲を有し、変調精度を劣化させない程
度に位相補償できるようにする場合、変換部9bは、3
60゜以上の分解能が必要であった。そのため、D/A
コンバータ等の規模が大きくなっていた。これに対し、
この実施例の送信機では、位相調整回路11は、カーテ
シアンループが成り立つだけの位相調整(回路がオープ
ン/クローズでπ/4以内の位相シフトであればカーテ
シアンループが成り立つ)が可能であれば良く、また、
位相調整回路8は電力増幅部5の温度変化による位相シ
フトだけを制御すれば良いので、変換部9bは、40゜
程度(電力増幅部5の温度変化による位相シフトを±2
0゜としたとき)の分解能で十分に対応できる。したが
って、D/Aコンバータ等の規模が最小限度のもので良
くなる。
【0043】また、位相調整回路8,11の制御切り替
えも、スイッチ9cでスイッチ13a,13bに同期し
て動作させることにより簡単に行うことができるように
なる。また、通信方式が時分割多元接続(TDMA)に
限られず、周波数分割多元接続(FDMA)、コード分
割多元接続(CDMA)の他、どのようなタイプの通信
方式であっても、スイッチ13a,13bを適切に制御
することが可能となる。
【0044】図4に従来の位相補償と、この実施例によ
る位相補償との差を示す(TDMA方式)。実線がこの
実施例による位相シフトであり、鎖線が従来の位相シフ
トである。図4からわかるように、この実施例では、送
信機の立ち上げ(オフからオン)時にある程度(カーテ
シアンループが成り立つ程度)まで、位相調整ができる
回路、すなわち、位相調整回路11で位相シフトを補償
した後に位相調整回路8により細かな制御が行われてい
る。このため、より正確な位相調整が可能となる。ま
た、従来の送信機よりも単純、簡略化された構成で変調
精度を上げることができる。
【0045】なお、この第1実施例では、位相調整回路
8,11の制御切り替えが、スイッチ9cでスイッチ1
3a,13bに同期して動作させることにより行われて
いる。しかし、これに限らず、例えば、検出される位相
シフト量と所定の値とを比較し、この比較結果にしたが
って位相調整回路8,11の制御切り替えを行ってもよ
い。
【0046】(第2実施例)次に、送信機の第2実施例
を図5を参照して説明する。図5に示される送信機で
は、第1実施例において説明した位相調整回路8と位相
調整回路11とを1つにまとめた位相調整回路11’を
有する点が第1実施例と異なっている。
【0047】位相制御部9では、この位相調整回路1
1’を用いてカーテシアンループの初期時の位相制御
と、位相シフトによる非線形歪み抑圧の両方を実現す
る。
【0048】このように、第2実施例では、位相調整回
路11’が位相調整機能を有するので、構成の簡略化、
低価格化が可能となる。また、位相調整回路11’が高
周波段に設けられているので、周波数が高くなる分だ
け、素子を小さくすることができ、製品の小型化も可能
となる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、例えば送信機における初期動作を正確且つ
高速に、安定化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る帰還増幅回路を適用した送信機
の基本構成図。
【図2】(a),(b)は、図1に示される送信機の位
相制御について説明するための図。
【図3】図1に示される送信機の第1実施例の構成図。
【図4】図3に示される送信機と従来の送信機の位相シ
フト量を比較した説明図。
【図5】図1に示される送信機の第2実施例の構成図。
【図6】従来の負帰還増幅回路を適用した送信機の構成
図。
【符号の説明】
1 ベースバンド信号発生器 2a,2b 差動増幅器 3a,3b ベースバンド帯域制限フィルタ 4 直交変調器 5 電力増幅器 6 アンテナ 7 直交復調器 8,11,11’ 位相調整回路 9 位相制御部 9a 位相検出器 9b 変換部 9c スイッチ 10 局発信号源 12 カプラ 13 スイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基準信号と帰還信号との差分に基
    づいて変調信号を生成する第1の手段と、前記変調信号
    を高周波信号に変換して増幅する第2の手段と、前記増
    幅された高周波信号を抽出する第3の手段とを備え、前
    記抽出された高周波信号を復調して前記帰還信号を生成
    する帰還増幅回路において、 前記変調信号を生成するための局発信号の位相調整を行
    う第1の位相調整回路と、 前記抽出された高周波信号の位相調整を行う第2の位相
    調整回路と、 前記第1の位相調整回路および第2の位相調整回路を選
    択的に制御する位相制御手段とを設けたことを特徴とす
    る帰還増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記位相制御手段は、前記基準信号と前
    記復調後の帰還信号との間の位相シフト量に基づいて前
    記第1の位相調整回路と前記第2の位相調整回路のいず
    れか一方を制御することを特徴とする、請求項1記載の
    帰還増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記位相制御手段は、前記位相シフト量
    が所定値よりも大きいときは前記第2の位相調整回路の
    位相シフト量を調整し、前記位相シフト量が小さいとき
    は前記第1の位相調整回路の位相シフト量を制御するこ
    とを特徴とする、請求項2記載の帰還増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記差分をゼロ値にしたときの初期位相
    シフト量を計測する手段をさらに備え、前記位相制御手
    段は、前記初期位相シフト量に基づいて前記位相シフト
    量を補正することを特徴とする、請求項1、2または3
    記載の帰還増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記基準信号および帰還信号が互いに位
    相が直交する直交信号であることを特徴とする、請求項
    1乃至4のいずれかの項記載の帰還増幅回路。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載された帰還増幅
    回路を有する送信機であって、 前記位相制御手段が、初期動作時には前記補正された位
    相シフト量に基づいて前記第2の位相調整回路の位相シ
    フト量を調整し、初期動作後は前記第1の位相調整回路
    の位相シフト量を制御するように構成されていることを
    特徴とする送信機。
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