JP2004254175A - 非線形歪補償回路および非線形歪補償方法ならびに送信回路 - Google Patents

非線形歪補償回路および非線形歪補償方法ならびに送信回路 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模やコストの増大を招くことなく、電力増幅器の実際の動作温度における非線形歪を正確に補償することのできる非線形歪補償回路を提供する。
【解決手段】入力信号を増幅する電力増幅器の非線形歪を補償する非線形歪補償回路であって、上記入力信号の電力を計算する電力計算回路6と、上記電力増幅器の入出力特性と温度の関係が予め与えられており、該関係に基づいて、外部から入力される上記電力増幅器の温度を測定した温度情報と上電力計算回路6で計算された電力値とから見せ掛け上の電力値を計算する動作点設定回路7と、上記電力増幅器の非線形歪に関する逆特性データが予め与えられており、該逆特性データと動作点設定回路7で計算された見せ掛け上の電力値とから上記非線形歪の逆成分を計算する逆特性計算回路9と、逆特性計算回路9で計算された逆成分を上記入力信号に重畳する複素乗算器8とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力増幅器の非線形歪を補償する回路および方法に関する。さらには、本発明は、そのような非線形歪補償回路を備える送信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルマイクロ波無線通信システムでは、周波数利用効率の点から、変調方式として一般に多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の直交振幅変調方式が用いられる。この直交振幅変調方式では、送信信号を増幅する電力増幅器は、その入出力特性における線形領域のみを使用するようになっているために、バックオフ(動作点を表すもので、一般には出力最大振幅レベルと出力飽和電力レベルの差で与えられる。)を十分に取ることが望ましい。しかしながら、バックオフを大きくとると、十分な大きさの送信電力が得られないため、実際には、バックオフを小さくして非線形領域まで使用する必要がある。この際、電力増幅器の非線形領域まで使用することにより生じる非線形歪が送信信号に重畳されてしまうという問題が生じる。
【0003】
そこで、上記の問題を解決するために、プレディストータと称される回路を用いて、入力信号の電力に応じた非線形歪の逆成分を送信信号に重畳することで、信号を増幅した際に生じる非線形歪を補償する方法が考案されている。従来、このようなプレディストータは、RF帯におけるアナログ回路で構成されていたが、素子のばらつきがあるために補償精度に限界があり、調整も難しかった。そのため、近年では、ディジタル信号処理技術が進歩したこともあり、プレディストータは、ベースバンドにおけるディジタル回路で実現されるようになった。
【0004】
ディジタルプレディストータを用いた送信回路は、オープンループ構成とクローズドループ構成の二つに大別される。図5にオープンループ構成の送信回路の代表的な構成例(特許文献1参照)を示し、図6にクローズドループ構成の送信回路の代表的な構成例(特許文献2参照)を示す。
【0005】
図5に示すオープンループ構成の送信回路は、FIRフィルタ10、プレディストータ11、変調器12、電力増幅器13を直列に接続したものである。入力されたベースバンドディジタル信号(Ich DATA、Qch DATA)は、FIRフィルタ10およびプレディストータ11を経て変調器12に供給され、そこで直交振幅変調が施された後、電力増幅器13にて増幅される。予め電力増幅器13の非線形歪特性の逆特性を求めておき、それをプレディストータ11に保持しておくことで、入力信号の電力レベルに対する補償値を求めるようになっている。この回路構成は、単純であり、コストも安いというメリットがある。しかし、プレディストータ11に保持される逆特性は固定であるため、その保持した逆特性と実際の逆特性が何らかの原因により異なった場合は、十分な非線形歪補償効果を得ることができなくなるというデメリットがある。
【0006】
図6に示すクローズドループ構成の送信回路は、図5に示した回路において、プレディストータ11に代えて適応プレディストータ14を設け、さらに比較・制御回路15および復調器16を加えた構成になっている。電力増幅器13で増幅された変調信号を復調器16で復調する。比較・制御回路15は、FIRフィルタ10から出力されたベースバンドディジタル信号(Ich DATA、Qch DATA)と復調器16からの復調信号とを比較し、それら信号が一致するように適応プレディストータ14での補償量を適応的に変化させる。これにより、常に最適な補償を行うことができる。
【0007】
一般に、電力増幅器の入出力特性はその動作温度によって変化することが知られている。オープンループ構成では、上述したように入力信号の電力値のみで補償量を決定するようになっているため、電力増幅器の温度が変化した場合は、補償量と実際の非線形歪量との間に差異が生じてしまい、十分な非線形歪補償効果を得られない。一方、クローズドループ構成では、増幅器の温度変化による特性変化は適応的に補償されるため、そのような問題は生じない。しかしながら、クローズドループ構成は、復調器を必要とすることから、回路構成がオープンループ構成に比べて非常に複雑で、コストも高いものとなる。このようなことから、オープンループ構成において、温度補償を実現することが、回路構成の簡単化や低コスト化の面からも望ましい。
【0008】
従来、オープンループ構成における温度補償の実現方法としては、予め複数の温度ごとに対応する補償値をテーブルに格納しておき、プレディストータが電力増幅器の動作温度に応じた補償値をそのテーブルから取得するようにしたものがある(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−53627号公報
【特許文献2】
特開2000−228643号公報
【特許文献3】
特開2001−274851号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献3に記載のものにおいて、テーブルから取得する補償値と実際の動作温度において電力増幅器で生じる非線形歪の量とを正確に一致させるためには、テーブルの温度の刻み幅を細かくする必要がある。しかし、テーブルの温度の刻み幅を細かくすると、メモリなどの回路規模が増大するばかりか、コストも増大することになる。このような事情から、特許文献3に記載のものでは、ある程度の温度の刻み幅で補償値を持たざるを得ない。このため、取得した補償値と実際の動作温度での非線形歪の量とを正確に一致させることは困難であり、十分な温度補償効果を得ることは難しいという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、回路規模やコストの増大を招くことなく、電力増幅器の実際の動作温度における非線形歪を正確に補償することのできる、非線形歪補償回路および非線形歪補償方法を提供する。
【0012】
本発明の他の目的は、そのような非線形歪補償回路を備える送信回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の非線形歪補償回路は、入力信号を増幅する電力増幅器の非線形歪を補償する非線形歪補償回路であって、前記入力信号の電力を計算する電力計算部と、前記電力増幅器の入出力特性と温度の関係が予め与えられており、該関係に基づいて、外部から入力される前記電力増幅器の温度を測定した温度情報と前記電力計算部で計算された電力値とから見せ掛け上の電力値を計算する動作点設定部と、前記電力増幅器の非線形歪に関する逆特性データが予め与えられており、該逆特性データと前記動作点設定部で計算された見せ掛け上の電力値とから前記非線形歪の逆成分を計算する逆特性計算部と、前記逆特性計算部で計算された逆成分を前記入力信号に重畳する複素乗算器とを有することを特徴とする。
【0014】
上記のとおりの本発明の非線形歪補償回路では、電力増幅器の入出力特性は温度変化によりほぼ平行に移動するとみなることができる点に着目し、この関係を利用することで、動作点設定部が、従来のような温度データを格納したテーブルを持つことなく、入力信号の電力値Pinと電力増幅器の温度情報から一義的に見せ掛け上の電力値Pin’を算出するようになっている。そして、逆特性計算部が、動作点設定部から入力された見せ掛け上の電力値Pin’に対応した、電力増幅器で発生する非線形歪の逆成分を計算し、複素乗算器が逆特性計算部で計算された逆成分を入力信号に重畳するようになっている。こうして重畳された逆成分(補償量)は、電力増幅器における実際の非線形歪の量と正確に一致する。
【0015】
本発明の送信回路は、上記の非線形歪補償回路と、該非線形歪補償回路から出力される信号を変調する変調器と、前記変調器から出力された変調信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の温度を測定し、該測定結果を温度情報として前記非線形歪補償回路に供給する温度計とを有することを特徴とする。この構成によれば、上述した非線形歪補償回路の作用を奏する送信回路を適用可能な送信回路の提供が可能である。
【0016】
本発明の非線形歪補償方法は、入力信号を増幅する電力増幅器の非線形歪を補償する方法であって、前記入力信号の電力を計算する第1のステップと、前記電力増幅器の温度を測定する第2のステップと、予め与えられている前記電力増幅器の入出力特性と温度の関係に基づいて、前記第1のステップで計算した電力値と前記第2のステップで測定した温度とから見せ掛け上の電力値を計算する第3のステップと、予め与えられている前記電力増幅器の非線形歪に関する逆特性データと前記第3のステップで計算した見せ掛け上の電力値とから前記非線形歪の逆成分を計算する第4のステップと、前記第4のステップで計算した逆成分を前記入力信号に重畳する第5のステップとを含むことを特徴とする。この方法においても、上述した本発明の非線形歪補償回路と同じ作用を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に、本発明の一実施形態である温度補償機能付ディジタルプレディストータの概略構成を示し、図2にその温度補償機能付ディジタルプレディストータを備える送信回路の概略構成を示す。
【0019】
まず、図2を参照して送信回路の構成を説明する。この送信回路は、マイクロ波ディジタル無線通信システムに用いられる回路であって、FIR(finite impulse response)フィルタ1、温度補償機能付ディジタルプレディストータ2、変調器3、電力増幅器4、温度計5からなる。この例では、入力信号形式は多値QAM等の直交振幅変調方式を想定している。
【0020】
FIRフィルタ1は、一方の入力にベースバンドディジタル信号(Ich DATA)が供給され、他方の入力にベースバンドディジタル信号(Qch DATA)が供給されており、これら入力ベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)の帯域を制限する。このFIRフィルタ1の出力(I/Qch DATA)は、それぞれ温度補償機能付プレディストータ2に供給されている。ここで、ベースバンドディジタル信号(Ich DATA)は、実数部(I軸に相当)の数値列であり、ベースバンドディジタル信号(Qch DATA)は虚数部(Q軸に相当)の数値列である。
【0021】
温度補償機能付ディジタルプレディストータ2は、FIRフィルタ1からの出力ベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)に、電力増幅器4で発生する非線形歪の逆成分を重畳することで非線形歪を補償する。また、温度補償機能付ディジタルプレディストータ2は、温度計5から入力される温度情報に基づいて、電力増幅器4の動作温度の変化に伴う入出力特性の変化に応じて補償量を変化させることができる。
【0022】
変調器3は、温度補償機能付プレディストータ2から出力された、非線形歪を補償したベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)をそれぞれ入力とし、これら入力信号を直交振幅変調した変調波(送信信号)を出力する。この変調器3の出力は、電力増幅器4に供給されている。
【0023】
電力増幅器4は、変調器3から入力された変調波を増幅するもので、平均出力レベルが一定となるように自動的に入力信号のレベルが制御されるようになっている。温度計5は、電力増幅器4の動作温度を測定し、その測定結果を温度情報として温度補償機能付プレディストータ2に供給する。
【0024】
上記の送信回路においては、温度変化によって電力増幅器4の特性が変化してしまう場合でも、温度補償機能付ディジタルプレディストータ2によって高い非線形歪補償効果を得ることができるようになっている。
【0025】
以下、図1を参照して温度補償機能付ディジタルプレディストータ2の具体的な構成を説明する。
【0026】
温度補償機能付ディジタルプレディストータ2は、電力計算回路6、動作点設定回路7、複素乗算回路8、逆特性計算回路9からなる。電力計算回路6は、FIRフィルタ1から入力されるベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)の電力Pを以下の式
P=I+Q
により計算し、その計算結果を動作点設定回路7に供給する。
【0027】
動作点設定回路7は、電力増幅器4の入出力特性と温度の関係が予め与えられており、この関係に基づいて、電力計算回路6から入力される電力値Pと温度計5からの温度情報とから見せ掛け上の電力値P’を算出して逆特性計算回路9へ供給する。この見せ掛け上の電力値P’は、電力増幅器4の動作温度に応じて変化する。
【0028】
逆特性計算回路9は、電力増幅器4の非線形歪の逆特性データを予め保持しており、この逆特性データと動作点設定回路7から入力される見せ掛け上の電力値P’とから非線形歪の逆成分に相当する位相回転とゲインを計算し、それらの実数成分と虚数成分を複素乗算器8に供給する。
【0029】
複素乗算器8は、FIRフィルタ1から入力されるベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)と逆特性計算回路9から入力される非線形歪の逆成分を複素乗算する。これにより、FIRフィルタ1から入力されるベースバンドディジタル信号(I/Qch DATA)に電力増幅器4の非線形歪の逆成分が重畳される。この複素乗算器8の出力は、変調器3に供給されている。
【0030】
次に、本実施形態の温度補償機能付ディジタルプレディストータ2の非線形歪補償の動作原理を説明する。
【0031】
一般に、電力増幅器4の入出力特性は、その動作温度によって変化する。図3に、温度変化に伴う電力増幅器4の動作点の変化を模式的に示す。図3中、Aはプレディストータで保持している補償量(逆特性)の対象となる温度における電力増幅器4の入出力特性を示し、Bは実際の動作温度における電力増幅器4の入出力特性(入出力特性Aをシフトしたもの)を示す。
【0032】
入出力特性Bにおいて、入力レベルがPinの場合、出力レベルはPout’になる。電力増幅器4は、出力レベルPoutを一定に保つ機能を有しており、出力レベルがPoutとなるように、入力信号をPin’まで減衰させる。これは、電力増幅器4における実際の動作点がPin’と入出力特性Bとの交点であることを意味する。このような動作が行われる場合、プレディストータが入力レベルPinに対する補償量をそのまま電力増幅器4の入力信号に重畳すると、補償量と電力増幅器4において生じる実際の非線形歪の量とが異なる、といった問題が生じる。本実施形態の温度補償機能付ディジタルプレディストータ2では、この問題を以下のような補償動作により解決している。
【0033】
図3から分かるように、電力増幅器4の入出力特性は温度変化によりほぼ平行に移動するものとみなすことができる。動作点設定回路7は、電力増幅器4の動作温度が変化した場合には、この関係に基づいて、入力信号の電力値Pinと温度計5からの温度情報から一義的に見せ掛け上の電力値Pin’を算出することができる。逆特性計算回路9は、電力増幅器4の非線形歪の逆特性に関するデータを予め有しており、動作点設定回路7から入力された見せ掛け上の電力値Pin’に対応した、電力増幅器4で発生する非線形歪の逆成分に相当する位相回転とゲインを計算することができる。
【0034】
上記のように、温度補償機能付ディジタルプレディストータ2では、逆特性計算回路9が、電力レベルPinに対する補償量を計算されるのではなく、電力レベルPin’に対する補償量を計算するようになっているので、電力増幅器4の実際の動作点に合わせた非線形歪補償を行うことができる。また、補償量の計算にあたって、従来用いていたような温度データを格納したテーブルは必要ないため、回路規模の増加は既存の回路に対してわずかで済む。
【0035】
一例として示した図2の送信回路では、温度補償機能付ディジタルプレディストータ2は、電力増幅器4で生じる非線形歪の逆成分を変調器3に入力されるベースバンドディジタル信号に重畳することにより電力増幅器4の出力の非線形歪を補償するようになっている。温度補償機能付ディジタルプレディストータ2から出力された信号は、変調器3に供給され、そこで直交振幅変調された後、電力増幅器4に供給される。電力増幅器4では、変調器3から供給された変調波を増幅する。変調波には、予め電力増幅器4の動作温度に応じた逆特性が重畳されているので、結果的に非線形歪のない出力信号を得ることができる。
【0036】
以下に、複素乗算器8および変調器3の具体的な構成例を挙げる。
【0037】
複素乗算器8は、図4に示すように、4つの乗算器80a〜80dと2つの加算器81a、81bを有する。乗算器80a、80cの一方の入力には、FIRフィルタ1からのベースバンドディジタル信号(Ich DATA)に対応する信号I(t)がそれぞれ供給されており、乗算器80b、80dの一方の入力には、FIRフィルタ1からのベースバンドディジタル信号(Qch DATA)に対応する信号Q(t)がそれぞれ供給されている。乗算器80a、80dの他方の入力には、逆特性計算回路9からの見せ掛け上の電力値に応じた補償値の実数成分αがそれぞれ供給されており、乗算器80b、80cの他方の入力には、逆特性計算回路9からの見せ掛け上の電力値に応じた補償値の虚数成分βがそれぞれ供給されている。加算器81aは、一方の入力A(「+」側)に乗算器80aの出力が供給され、他方の入力B(「−」側)に乗算器80bの出力が供給されており、これら入力の加算結果(A−B)を変調器3に出力する。加算器81bは、一方の入力Aに乗算器80cの出力が供給され、他方の入力Bに乗算器80dの出力が供給されており、これら入力の加算結果(A+B)を変調器3に出力する。
【0038】
変調器3は、直交変調器であって、図4に示すように、2つの乗算器30a、30bと1つの加算器31とを有する。乗算器30aは、一方の入力に加算器81aの出力が供給され、他方の入力に搬送波cos(2πft)が供給されており、これら入力を乗算する。乗算器30bは、一方の入力に加算器81bの出力が供給され、他方の入力に搬送波cos(2πft)をπ/2だけ遅らせた搬送波が供給されており、これら入力を乗算する。加算器31は、一方の入力A(「+」側)に乗算器30aの出力が供給され、他方の入力B(「−」側)に乗算器30bの出力が供給されており、これら入力の加算結果(A−B)を電力増幅器4に出力する。
【0039】
以上説明した本実施形態では、入力信号形式として多値QAM等の直交振幅変調方式を想定しているが、本発明は、この変調方式に限定されるものではなく、電力増幅器の非線形歪が送信信号に重畳されてしまうような回路であれば、どのようなものにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来用いられていたような温度ごとに異なる補償値を格納したテーブルは必要ないので、その分、回路規模を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0041】
また、温度変化を生じた場合でも、入力信号に重畳される逆成分(補償量)は、電力増幅器における実際の非線形歪の量と正確に一致するので、従来のものに比べて、非線形歪補償の正確さが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である温度補償機能付ディジタルプレディストータの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す温度補償機能付ディジタルプレディストータを備える送信回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】温度変化に伴う電力増幅器の動作点の変化を模式的に示す特性図である。
【図4】図1に示す温度補償機能付ディジタルプレディストータを構成する複素乗算器および変調器の一構成例を示すブロック図である。
【図5】オープンループ構成の送信回路の代表的な構成例を示すブロック図である。
【図6】クローズドループ構成の送信回路の代表的な構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、10 FIRフィルタ
2 温度補償機能付ディジタルプレディストータ
3、12 変調器
4、13 電力増幅器
5 温度計
6 電力計算回路
7 動作点設定回路
8 複素乗算器
9 逆特性計算回路
11 プレディストータ
14 適用プレディストータ
15 比較・制御回路
16 復調器
30a、30b、80a〜80d 乗算器
81a、81b、31 加算器

Claims (6)

  1. 入力信号を増幅する電力増幅器の非線形歪を補償する非線形歪補償回路であって、
    前記入力信号の電力を計算する電力計算部と、
    前記電力増幅器の入出力特性と温度の関係が予め与えられており、該関係に基づいて、外部から入力される前記電力増幅器の温度を測定した温度情報と前記電力計算部で計算された電力値とから見せ掛け上の電力値を計算する動作点設定部と、
    前記電力増幅器の非線形歪に関する逆特性データが予め与えられており、該逆特性データと前記動作点設定部で計算された見せ掛け上の電力値とから前記非線形歪の逆成分を計算する逆特性計算部と、
    前記逆特性計算部で計算された逆成分を前記入力信号に重畳する複素乗算器とを有することを特徴とする非線形歪補償回路。
  2. 前記入力信号は、実数部の数値列からなる第1のベースバンド信号と虚数部の数値列からなる第2のベースバンド信号とを直交振幅変調した変調信号であり、
    前記電力計算部は、前記第1および第2のベースバンド信号から前記電力値を計算し、
    前記逆特性計算部は、前記非線形歪の逆成分の実数成分と虚数成分をそれぞれ前記複素乗算器に供給し、
    前記複素乗算器は、前記第1および第2のベースバンド信号と前記逆特性計算部から供給された前記実数成分および虚数成分を複素乗算することを特徴とする請求項1に記載の非線形歪補償回路。
  3. 請求項1または2に記載の非線形歪補償回路と、
    前記非線形歪補償回路から出力される信号を変調する変調器と、
    前記変調器から出力された変調信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の温度を測定し、該測定結果を温度情報として前記非線形歪補償回路に供給する温度計とを有することを特徴とする送信回路。
  4. 前記変調器は、直交振幅変調を行う変調器であることを特徴とする請求項3に記載の送信回路。
  5. 入力信号を増幅する電力増幅器の非線形歪を補償する方法であって、
    前記入力信号の電力を計算する第1のステップと、
    前記電力増幅器の温度を測定する第2のステップと、
    予め与えられている前記電力増幅器の入出力特性と温度の関係に基づいて、前記第1のステップで計算した電力値と前記第2のステップで測定した温度とから見せ掛け上の電力値を計算する第3のステップと、
    予め与えられている前記電力増幅器の非線形歪に関する逆特性データと前記第3のステップで計算した見せ掛け上の電力値とから前記非線形歪の逆成分を計算する第4のステップと、
    前記第4のステップで計算した逆成分を前記入力信号に重畳する第5のステップとを含む非線形歪補償方法。
  6. 前記入力信号が、実数部の数値列からなる第1のベースバンド信号と虚数部の数値列からなる第2のベースバンド信号とを直交振幅変調した変調信号であり、
    前記第1のステップが、前記第1および第2のベースバンド信号から前記電力値を計算するステップであり、
    前記第4のステップが、前記非線形歪の逆成分の実数成分と虚数成分をそれぞれ計算するステップであり、
    前記第5のステップが、前記第1および第2のベースバンド信号と前記第4のステップで計算した前記実数成分および虚数成分を複素乗算するステップであることを特徴とする請求項5に記載の非線形歪補償方法。
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