JP2000100699A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JP2000100699A JP10268680A JP26868098A JP2000100699A JP 2000100699 A JP2000100699 A JP 2000100699A JP 10268680 A JP10268680 A JP 10268680A JP 26868098 A JP26868098 A JP 26868098A JP 2000100699 A JP2000100699 A JP 2000100699A
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジストの膜厚を薄くしても、寸法制御性よ
く被加工膜の加工を行うことを可能とするパターン形成
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 被加工膜上にシリコンと窒素の結合を主
鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜、また
はシリカ微粒子を含む溶液を塗布して下層膜を形成する
工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に所定パターンを露光してレジストパタ
ーンを形成する工程とを具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターン形成方法
に係り、特に、半導体装置の製造に適用されるパターン
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造方法においては、半導
体ウェハー上に複数の薄膜を堆積し、これら薄膜を所望
のパターンにパターニングする工程を多く含んでいる。
このパターニング工程は、一般に、レジストと呼ばれる
感光性物質を、半導体ウェハー上の被加工膜上に形成
し、このレジスト膜にパターン露光を行なった後、現像
工程を経て、レジストパターンを形成し、さらにこのレ
ジストパターンをエッチングマスクとして用いて、被加
工膜をドライエッチングすることにより行われる。
【0003】パターン露光時に用いられる光源として
は、スループットが高いことから、紫外光が広く用いら
れている。しかしながら、解像度の限界付近では、露光
量裕度、及びフォーカス裕度が不足するため、レジスト
膜の膜厚を薄くしてプロセスマージンの不足を補う必要
がある。従って、被加工膜のエッチングに必要なレジス
ト膜厚を確保することが困難であった。
【0004】この問題を解決するために、レジストと被
加工膜との間にドライエッチング耐性があるマスク材を
形成し、レジストパターンをマスク材にパターン転写し
てマスク材パターンを形成し、このマスク材パターンを
被加工膜にパターン転写する方法がとられている。とり
わけ、被加工膜がシリコン系絶縁膜、或は配線材料の場
合、レジスト膜に対してこれらの材料のエッチングレー
トは遅いため、このようなマスク材を使った加工プロセ
スが用いられている。
【0005】マスク材の成膜方法としては、スピンコー
テング法がプロセスコストが安価であるため有効であ
る。スピンコーテング法により塗布が可能な材料として
は、従来から、次のものが主に用いられてきた。
【0006】1)スピンオングラス 2)ポリシラン 3)ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリサ
ルフォン等の有機材料
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1)の
マスク材は、配線材料の加工に適したエッチング条件で
は耐性を示すが、シリコン系絶縁膜の加工に適したエッ
チング条件には耐性がない。逆に、2)のマスク材は、
シリコン系絶縁膜の加工に適したエッチング条件では耐
性を示すが、配線材料に適したエッチング条件には耐性
がない。従って、これらのマスク材を用いた場合、被加
工膜がシリコン系絶縁膜の場合と配線膜の場合とで異な
るマスク材を用いる必要があり、生産コストの上昇を招
く。
【0008】また、3)のマスク材では、レジストパタ
ーンをマスク材に転写する際に、レジスト膜とマスク材
のエッチングレートがほぼ等しいため、レジストパター
ンをエッチングマスクとして用いてマスク材をエッチン
グする際に、エッチングの途中でレジストパターンが削
れてなくなったり、マスク材の加工形状がテーパー形状
になるという問題があった。
【0009】このように、塗布成膜が可能であるととも
に、シリコン系絶縁膜の加工に適したエッチング条件、
配線材料の加工に適したエッチング条件の双方に耐性が
あり、かつレジストパターンをエッチングマスクとして
用いてマスク材をエッチングする際に、レジストに対し
て速いエッチングレートでエッチングし得るマスク材は
現状では得られていない。
【0010】本発明は、以上の事情に鑑み、レジストの
膜厚を薄くしても、寸法制御性よく被加工膜の加工を行
うことを可能とするパターン形成方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1および第2の発明が提供される。
【0012】即ち、第1の発明は、被加工膜上にシリコ
ンと窒素の結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含
有する下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジス
ト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定パターン
を露光してレジストパターンを形成する工程とを具備す
ることを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0013】また、第1の発明は、被加工膜上にシリコ
ンと窒素の結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含
有する下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジス
ト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定パターン
を露光してレジストパターンを形成する工程と、前記レ
ジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記下
層膜をエッチングして下層膜パターンを形成する工程
と、前記下層膜パターンを少なくとも含むエッチングマ
スクを用いて前記被加工膜をエッチングする工程とを具
備することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0014】以上のように構成される第1の発明による
と、前記下層膜はシリコンと窒素の結合を主鎖に有する
ため、窒化シリコンライクなエッチング特性を示す。即
ち、レジスト膜に対して高選択比でエッチングされ、か
つ、酸化シリコンの加工に適したエッチング条件及び配
線材料の加工に適したエッチング条件の双方に耐性があ
り、マスク材として有効に作用する。更に、前記下層膜
は塗布法により成膜ができるため、マスク材の成膜コス
トを安価に抑えることができるという利点もある。
【0015】次に、第2の発明は、被加工膜上にシリカ
微粒子を含む溶液を塗布して下層膜を形成する工程と、
前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジ
スト膜に所定パターンを露光して、レジストパターンを
形成する工程とを具備することを特徴とするパターン形
成方法を提供する。
【0016】また、第2の発明は、被加工膜上にシリカ
微粒子を含む溶液を塗布して下層膜を形成する工程と、
前記下層膜上にレジストを形成する工程と、前記レジス
ト膜に所定パターンを露光してレジストパターンを形成
する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスク
として用いて前記下層膜をエッチングして下層膜パター
ンを形成する工程と、前記下層膜パターンを少なくとも
含むエッチングマスクを用いて前記被加工膜をエッチン
グする工程を具備することを特徴とするパターン形成方
法を提供する。
【0017】第2の発明において、前記シリカ微粒子と
して、化学量論量よりも少ない酸素がシリコンに結合し
ているシリカ微粒子を用いることが出来る。また、前記
前記下層膜として、化学量論量よりも少ない酸素を含む
シリカ微粒子を含有するものを用いることが出来る。
【0018】、また、前記シリカ微粒子を含む溶液とし
て、バインダーポリマーを含有するものを用いることが
出来る。
【0019】化学量論量よりも少ない酸素を含むシリカ
微粒子は、SiOX により表わされ、xが0<x<2、
好ましくは0.1≦x≦1.8である。
【0020】以上のように構成される第2の発明による
と、前記下層膜はシリカ微粒子からなるため、酸化シリ
コンライクなエッチング特性を示す。すなわち、レジス
トに対して高選択比でエッチングされ、かつ配線材料の
加工に適したエッチング条件でエッチング耐性があり、
マスク材として有効に作用する。また、下層膜が化学量
論量よりも少ない酸素を含む酸素不足型のシリカ微粒子
を含有するため、シリコン系絶縁膜の加工に適したエッ
チング条件でもエッチング耐性があり、マスク材として
有効に作用する。更に、前記下層膜は塗布法により成膜
ができるため、マスク材の成膜コストを安価に抑えるこ
とができるという利点もある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0022】最初に、第1の発明について、図1を参照
して説明する。
【0023】まず、半導体基板1上に被加工膜2を形成
する(図1(a))。被加工膜2としては、窒化シリコ
ンをハードマスクとして用いて加工できる膜であれば、
特に限定されることはない。そのような膜として、例え
ば、酸化シリコン、スピンオングラス、マスクの製造の
際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜、ア
ルミニウム、アルミニウムシリサイド、銅、タングステ
ン、チタン、窒化チタンなどの配線材料、ポリシリコ
ン、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ル
テニウムなどの電極材料、アモルファスシリコン、シリ
コン基板などのシリコン系材料膜、ポリイミドなどの有
機絶縁膜を挙げることができる。
【0024】次に、被加工膜2上に、シリコンと窒素と
の結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下
層膜3を形成する(図1(b))。下層膜3の膜厚は、
0.005〜5μmの範囲が好ましい。その理由は、下
層膜3の膜厚が0.005μm未満では、光露光により
パターン形成を行う場合、下地基板からの反射光を十分
に抑えることができず、一方、5μmより厚いと、レジ
ストパターンをドライエッチング法で下層膜にパターン
転写する際に、寸法変換差が顕著に発生するためであ
る。
【0025】下層膜3の形成方法は、溶液を塗布する方
法と、CVD法(化学的気相蒸着法)のような気相法に
より成膜する方法のどちらでもよいが、塗布法によるこ
とが好ましい。その理由は、塗布法は、CVD法と比べ
てプロセスが簡易であり、成膜を安価に行うことが出来
るからである。
【0026】ここで、塗布法による下層膜形成方法につ
いて詳述する。まず、シリコンと窒素の結合を主鎖に有
する有機シリコン化合物を有機溶剤に溶解して溶液材料
を作成する。シリコンと窒素の結合を主鎖に有する有機
シリコン化合物としては、例えば下記一般式で表わすこ
とができるポリシラザンが挙げられる
【化1】
【0027】(式中、R11、R12及びR13は、水素原子
または炭素数1〜20の置換もしくは非置換の脂肪族炭
化水素または芳香族炭価水素等を示し、nは、正の整数
を表わす。)。
【0028】ポリシラザンは、単独重合体でも共重合体
でもよく、2種以上のポリシラザンが酸素原子、窒素原
子、脂肪族基、芳香族基を介して互いに結合した構造を
有するものでもよい。また、ポリシラン、ポリシロキサ
ンとの共重合体でも良い。
【0029】ポリシラザンの具体例として、下記一般式
[1−1]〜[1−36]に示す化合物を挙げることが
できる。
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】(式中、m、nは、正の整数を表わす。) これらの化合物の重量平均分子量は、特に限定されない
が、200〜100,000が好ましい。その理由は、
分子量が200未満では、レジストの溶媒に下層膜が溶
解してしまい、一方、100,000を超えると、有機
溶剤に溶解しにくく、溶液材料を作成しにくくなるため
である。
【0035】有機シリコン化合物は、一種類に限ること
はなく、数種類の化合物を混合してもよい。また、必要
に応じて、貯蔵安定性をはかるために、熱重合防止剤、
被加工膜への密着性を向上させるための密着性向上剤、
被加工膜からレジスト膜中へ反射する光を防ぐために紫
外光を吸収する染料、ポリサルフォン、ポリベンズイミ
ダゾールなどの紫外光を吸収するポリマー、電子ビーム
露光時にレジスト膜に蓄積される電荷を防ぐために導電
性物質、光、熱で導電性が生じる物質、或は溶媒耐性、
耐熱性をもたせるために有機シリコン化合物を架橋させ
得る架橋剤、架橋を促進するためのラジカル発生剤を溶
液材料中に添加してもよい。
【0036】導電性物質としては、例えば、有機スルフ
ォン酸、有機カルボン酸、多価アルコール、多価チオー
ル(例えばヨウ素、臭素)、SbF5 、PF5 、B
5 、SnF5 などが挙げられる。光、熱などのエネル
ギーで導電性が生じる物質としては、炭素クラスタ(C
60、C70)、シアノアントラセン、ジシアノアントラセ
ン、トリフェニルピリウム、テトラフルオロボレート、
テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、フ
タルイミドトリフレート、パークロロペンタシクロドデ
カン、ジシアノベンゼン、ベンゾニトリル、トリクロロ
メチルトリアジン、ベンゾイルペルオキシド、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、t−ブチルペルオキシドなど
が挙げられる。より具体的には、下記式[2−1]〜
[2−183]に記載の化合物を挙げることができる。
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】
【化30】
【0062】架橋剤を添加する場合、ポリシラザンとし
ては、主鎖のシリコンに水素が結合したものを用いるこ
とが好ましい。架橋剤としては、多重結合を有する有機
物を用いることができる。多重結合を有する有機物と
は、二重結合または三重結合を有する化合物、より具体
的には、ビニル基、アクリル基、アリール基、イミド
基、アセチレニル基などを有する化合物である。このよ
うな多重結合を有する有機物は、モノマー、オリゴマ
ー、ポリマーのいずれでもよい。
【0063】このような多重結合を有する有機物は、熱
または光により有機シリコン化合物のSi−H結合との
間で付加反応を起こし、有機シリコン化合物を架橋させ
る。なお、多重結合を有する有機物は、自己重合してい
てもよい。多重結合を有する有機物の具体例を以下に示
す。
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】
【化37】
【0071】
【化38】
【0072】
【化39】
【0073】
【化40】
【0074】上述のように、有機シリコン化合物に対し
て多重結合を有する有機物を混合した場合、触媒として
ラジカル発生剤または酸発生剤を添加してもよい。これ
らのラジカル発生剤または酸発生剤は、多重結合を有す
る有機物とSi−Hの付加反応または自己重合を助ける
役割を有する。
【0075】ラジカル発生剤としては、アゾ化合物(例
えば、アゾビスイソブチロニトリル)、過酸化物、アル
キルアリールケトン、シリルペルオキシド、有機ハロゲ
ン化物などが挙げられる。ラジカル発生剤は、光照射ま
たは加熱により分子中のO−O結合またはC−C結合が
分解してラジカルを発生する。ラジカル発生剤として
は、例えば化学式[4−1]〜[4−24]により表さ
れるものが挙げられる。
【0076】 ベンゾイルペルオキシド [4−1] ジターシャルブチルペルオキシド [4−2] ベンゾイン [4−3] ベンゾインアルキルエーテル [4−4] ベンゾインアルキルアリールチオエーテル [4−5] ベンゾイルアリールエーテル [4−6] ベンジルアルキルアリールチオエーテル [4−7] ベンジルアラルキルエタノール [4−8] フェニルグリオキサルアルキルアセタール [4−9] ベンゾイルオキシム [4−10] トリフェニル−t−ブチルシリルペルオキシド [4−11]
【化41】
【0077】ラジカル発生剤のうち、有機ハロゲン化物
としては、一般式[4−18]で表されるトリハロメチ
ル−s−トリアジン(例えば米国特許第3779778
号明細書参照)が好ましい。一般式[4−18]におい
て、Qは臭素または塩素、R11は−CQ3 、−NH2
−NHR13、−OR13または置換もしくは非置換のフェ
ニル基、R12は−CQ3 、−NH2 、−NHR13、−N
(R132 、−OR13、−(CH=CH)n −Wまたは
置換もしくは非置換のフェニル基、(ここで、R13はフ
ェニル基、ナフチル基または炭素数6以下の低級アルキ
ル基、nは1〜3の整数、Wは芳香環、複素環、または
下記一般式で表される基である。)を示す。これらは、
場合によっては、多重結合を有する化合物を存在させな
くても、光または熱によりポリシランを架橋させること
もある。
【0078】
【化42】
【0079】式中、Zは酸素または硫黄、R14は低級ア
ルキル基またはフェニル基を示す。
【0080】一般式[4−18]で表されるトリハロメ
チル−s−トリアジンのうちでは、特に、R12が−(C
H=CH)n −Wであるビニルトリハロメチル−s−ト
リアジン(例えば米国特許第3987037号明細書参
照)が好ましい。ビニルトリハロメチル−s−トリアジ
ンは、トリハロメチル基と、トリアジン環と共役するエ
チレン性不飽和結合とを有し、光分解性を示すs−トリ
アジンである。
【0081】なお、Wで表される芳香環または複素環に
は、以下のような置換基が導入されていてもよい。例え
ば、塩素、臭素、フェニル基、炭素数6以下の低級アル
キル基、ニトロ基、フェノキシ基、アルコキシ基、アセ
トキシ基、アセチル基、アミノ基およびアルキルアミノ
基などである。
【0082】一般式[4−18]で表されるトリハロメ
チル−s−トリアジンを化学式[4−25]〜[4−3
4]に、その他のラジカル発生剤を化学式[4−35]
〜[4−39]に示す。これらのハロゲン化物は、場合
によっては、多重結合を有する化合物を存在させなくて
も、光または熱によりポリシランを架橋させることもあ
る。
【0083】
【化43】
【0084】
【化44】
【0085】酸発生剤としては、例えばオニウム塩、ハ
ロゲン含有化合物、オルトキノンジアジド化合物、スル
ホン化合物、スルホン酸化合物、ニトロベンジル化合物
が挙げられる。これらのうちでも、オニウム塩、オルト
キノンジアジド化合物が好ましい。
【0086】オニウム塩としては、ヨードニウム塩、ス
ルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アン
モニウム塩が挙げられる。好ましくは、化学式[4−4
0]〜[4−42]で表される化合物が挙げられる。
【0087】ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキ
ル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有炭化水
素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物など
が挙げられる。特に、化学式[4−43]および[4−
44]で表される化合物が好ましい。
【0088】ジニンジアジド化合物としては、ジアゾベ
ンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙
げられる。特に、化学式[4−45]〜[4−48]で
表される化合物が好ましい。
【0089】スルホン化合物としては、β−ケトスルホ
ン、β−スルホニルスルホンなどが挙げられる。特に、
化学式[4−49]で表される化合物が好ましい。
【0090】ニトロベンジル化合物としては、ニトロベ
ンジルスルホネート化合物、ジニトロベンジルスルホネ
ート化合物などが挙げられる。特に、化学式[4−5
0]で表される化合物が好ましい。
【0091】スルホン酸化合物としては、アルキルスル
ホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、ア
リールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが
挙げられる。特に、化学式[4−51]〜[4−53]
で表される化合物が好ましい。
【0092】
【化45】
【0093】(式中、R14〜R16は互いに同一であって
も異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アミノ基、
ニトロ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアルキル基
またはアルコキシル基、XはSbF6 、PF6 、B
4 、CF3 CO2 、ClO4 、CF3 SO3
【化46】
【0094】R17は水素原子、アミノ基、アニリノ基、
置換もしくは非置換のアルキル基またはアルコキシル
基、R18、R19は互いに同一であっても異なっていても
よく、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシル基、
20は水素原子、アミノ基、アニリノ基、置換もしくは
非置換のアルキル基またはアルコキシル基を示す。
【0095】
【化47】
【0096】(式中、R21は、トリクロロメチル基、フ
ェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基またはメト
キシナフチル基を示す。)
【化48】
【0097】(式中、R22〜R24は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン
原子、メチル基、メトキシ基または水酸基を示す。)
【化49】
【0098】(式中、R25は、−CH2 −、−C(CH
3 2 −、−C(=O)−または−SO2 −を示し、q
は1〜6の整数、rは0〜5の整数で、qとrの合計は
1〜6である。)
【化50】
【0099】(式中、R26は、水素原子またはメチル
基、R27は−CH2 −、−C(CH3 2 −、−C(=
O)−または−SO2 −を示し、sは1〜6の整数、t
は0〜5の整数で、sとtの合計は1〜6である。)
【化51】
【0100】(式中、R28〜R31は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換
のアルキル基またはハロゲン原子、Yは−C(=O)−
または−SO2 −を示し、uは0〜3の整数である。)
【化52】
【0101】(式中、R32は、置換もしくは非置換のア
ルキル基、R33は水素原子またはメチル基、R34
【化53】
【0102】(ただし、R35は、水素原子またはメチル
基、R36、R37は互いに同一であっても異なっていても
よく、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシル基を
示し、vは1〜3の整数である。)
【化54】
【0103】(式中、R38、R39は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換
もしくは非置換のアルキル基、R40、R41は互いに同一
であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子また
は置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基を
示す。)
【化55】
【0104】(式中、R42は水素原子または置換もしく
は非置換のアルキル基、R43、R44は互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、それぞれ置換もしくは非置換
のアルキル基またはアリール基を示し、R43とR44はは
互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0105】
【化56】
【0106】(式中、Zはフッ素原子または塩素原子を
示す、) 本発明において、有機シリコン化合物の架橋剤として
は、上述した多重結合を有する有機物以外にも以下のよ
うな物質を用いることが出来る。例えば、ヒドロキシル
基を有する有機物、エポキシ基を有する有機物、アミノ
基を有する有機物、ピリジンオキシド、アルコキシシリ
ル基、シリルエステル基、オキシムシリル基、エモキシ
シリル基、アミノシリル基、アミドシリル基、アミノキ
シシリル基またはハロゲンを有するケイ素化合物、有機
金属化合物、ハロゲンを含む化合物などである。
【0107】ヒドロキシル基を有する化合物としては、
多価アルコール、ノボラック樹脂、カルボキシル基を有
する化合物、シラノールが挙げられる。これらの化合物
は、光または熱によりSi−Hと反応して有機シリコン
化合物を架橋させる。このような化合物の具体例を化学
式[5−1]〜[5−28]に示す。
【0108】エポキシ基を有する化合物としては、一般
にエピビスタイプのエポキシ樹脂、または脂環式エポキ
シ樹脂と呼ばれるものが挙げられる。これらの樹脂で
は、一部にヒドロキシル基が付加していてもよい。ま
た、これらの樹脂とともに上述した酸発生剤を添加して
もよい。このような化合物の具体例を化学式[6−1]
〜[6−12]に示す。
【0109】アミノ基を有する化合物としては、例えば
化学式[7−1]〜[7−9]に示したものが挙げられ
る。
【0110】ピリジンオキシドとしては、例えば化学式
[8−1]〜[8−6]に示したものが挙げられる。
【0111】アルコキシシリル基、シリルエステル基、
オキシムシリル基、エノキシシリル基、アミノシリル
基、アミドシリル基、アミノキシシリル基またはハロゲ
ンを有するケイ素化合物としては、例えば化学式[9−
1]〜[9−52]に示したものが挙げられる。これら
の化学式において、Xは上記の置換基を表す。なお、こ
れらの化合物とともに、通常、シリコーンの縮合触媒と
して使用される白金、有機スズ化合物などの金属触媒、
塩基を使用してもよい。
【0112】有機金属化合物とは、有機基が置換した金
属塩、金属錯体を意味する。金属としては、B、Mg、
Al、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Zr、Mo、Rh、Pd、Cd、In、Sn
が用いられる。このような化合物の具体例を、化学式
[10−1]〜[10−9]に示す。
【0113】ハロゲンを含む化合物としては、例えば化
学式[11−1]〜[11−9]に示したものが挙げら
れる。
【0114】
【化57】
【0115】
【化58】
【0116】
【化59】
【0117】
【化60】
【0118】
【化61】
【0119】
【化62】
【0120】
【化63】
【0121】
【化64】
【0122】
【化65】
【0123】
【化66】
【0124】
【化67】
【0125】
【化68】
【0126】
【化69】
【0127】有機溶剤は、特に限定されることはない
が、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メ
チルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチル
セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエス
テル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール系溶剤、その他アニソール、トルエ
ン、キシレン、ナフサ等を挙げることができる。
【0128】以上の方法で溶液材料を作成し、被加工膜
2上に、例えばスピンコーテング法などにより溶液材料
を塗布した後、加熱して溶剤を気化することにより、下
層膜3を形成することが出来る。
【0129】次に、下層膜3上にレジストパターンを形
成する。まず、下層膜3上にレジスト溶液を塗布して、
加熱処理を行い、レジスト膜4を形成する(図1
(c))。レジスト膜の膜厚を薄くすれば、それだけ、
露光時の露光量裕度、フォーカス裕度、或は解像度を向
上させることができる。そのため、レジスト膜4の膜厚
は、下層膜3を寸法制御性よくエッチングできる膜厚で
あれば薄い方がよく、好ましくは0.01〜10μmが
好ましい。
【0130】レジストの種類は、特に限定されることは
なく、目的に応じて、ポジ型またはネガ型を選択して使
用することができる。具体的には、ポジ型レジストとし
ては、例えば、ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂
とからなるレジスト(IX−770、日本合成ゴム社
製)、t−BOCで保護したポリビニルフェノール樹脂
とオニウム塩とからなる化学増幅型レジスト(APEX
−E、シップレー社製)などが挙げられる。また、ネガ
型のレジストとしては、例えば、ポリビニルフェノール
とメラミン樹脂および光酸発生剤からなる化学増幅型レ
ジスト(SNR200、シップレー社製)、ポリビニル
フェノールとビスアジド化合物とからなるレジスト(R
D−2000、日立化成社製)などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0131】これらのレジスト溶液を下層膜3上に、例
えばスピンコーテング法などで塗布した後、加熱して溶
媒を気化させることで、レジスト膜4を作成する。
【0132】次いで、レジスト膜4に対してパターン露
光を行う。パターン露光を行うための露光源は、特に限
定されることはなく、例えば紫外光、X線、電子ビー
ム、イオンビームなどが挙げられる。紫外光としては、
水銀灯のg線(436nm)、i線(365nm)、或
はXeF(波長=351nm)、XeCl(波長=30
8nm),KrF(波長=248nm),KrCl(波
長=222nm),ArF(波長=193nm)、F2
(波長=151nm)等のエキシマレーザーを挙げるこ
とができる。
【0133】露光後のレジスト膜4は、必要に応じてポ
ストエクスポージャーベークを行った後、テトラメチル
アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の無機アルカリ水溶液、或はキシレン、アセトン等
の有機溶媒を用いて現像処理が施され、その結果、レジ
ストパターン5が形成される(図1(d))。
【0134】また、必要に応じて、光露光を行う際に生
じるレジスト膜中の多重反射を減少させるために、上層
反射防止膜を、或いは電子ビーム露光を行う際に生じる
チャージアップを防ぐために、上層帯電防止膜を、それ
ぞれレジスト膜4の上に形成してもよい。
【0135】次に、このようにして形成したレジストパ
ターン5をエッチングマスクとして用いて、下層膜3を
ドライエッチングすることにより、前記レジストパター
ン5を前記下層膜3に転写して、下層膜パターン6を形
成する(図1(e))。ドライエッチングに用いるソー
スガスとしては、弗素、塩素、臭素、沃素のうちの何れ
か一つを少なくとも含むガスを用いることが好ましい。
このようなガスとして、例えばCF4 、C4 8 、CH
3 、CF3 Cl、CF2 Cl2 、CF3 Br、CCl
4 、C2 5 Cl2 、Cl2 、SiCl4 、Br2 、I
2 、SF6 、HBr、HI、HCl、BCl3 などが挙
げられる。これらのガスは、混合して用いてもよく、こ
れらにAr、N2 、O2 、COなどをさらに添加して用
いることも可能である。
【0136】以上のようなエッチング条件によると、レ
ジスト膜のエッチングレートに対して数倍以上速く、下
層膜3をエッチングすることができる。その結果、レジ
スト膜の膜厚が薄くても、レジストパターン5が途中で
削れることなく、レジストパターン5の寸法に忠実な下
層膜パターン6を得ることができる。
【0137】その後、レジストパターン5と下層膜パタ
ーン6をエッチングマスクとして用いて、被加工膜2の
加工を行い、被加工膜パターン7を形成する(図1
(f))。この場合、レジストパターン5を除去して、
下層膜パターン6のみをエッチングマスクとして用いて
被加工膜2をエッチングしてもよい。特に、高アスペク
ト比をもつ超微細な被加工膜パターンを得る場合には、
下層膜3のパターニング後、別装置、或は同一装置にて
下層膜パターン6上のレジストパターン5を除去し、被
加工膜2の加工の際のアスペクト比を下げることが好ま
しい。この場合、エッチングマスクとなるのは、レジス
トパターン5によってパターン転写された下層膜パター
ン6のみであり、アスペクト比を小さくできるため、マ
イクロローディング効果を抑えることができる。
【0138】本発明で用いた下層膜3は、主鎖にシリコ
ンと窒素の結合を有するため、窒化シリコンライクなエ
ッチング特性を示す。そのため、酸化シリコン、配線材
料、電極材料、シリコン系材料、或は有機絶縁膜など
の、窒化シリコンよりも速いレートでエッチングされ得
る材料のエッチングマスクとして用いることが出来る。
その結果、下層膜パターン6に忠実に、被加工膜2を加
工することができる。
【0139】次に、第2の発明について、図1を参照し
て説明する。
【0140】まず、半導体基板1上に被加工膜2を形成
する(図1(a))。被加工膜2としては、特に限定さ
れることはなく、例えば、酸化シリコン、窒化シリコ
ン、酸化窒化シリコン、スピンオングラス、マスクの製
造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁
膜、アルミニウム、アルミニウムシリサイド、銅、タン
グステン、チタン、窒化チタンなどの配線材料、ポリシ
リコン、タングステンシリサイド、コバルトシリサイ
ド、ルテニウムなどの電極材料、アモルファスシリコ
ン、シリコン基板などのシリコン系材料、ポリイミドな
どの有機絶縁膜を挙げることができる。
【0141】次に、被加工膜2上に、シリカ微粒子を含
む溶液を塗布して、下層膜3を形成する(図1
(b))。この下層膜3は、酸素不足型中間組成のシリ
カ微粒子を含む必要がある。具体的には、下層膜3中の
シリカ微粒子SiOx の平均的な組成比xが、0<x<
2、好ましくは0.1≦x≦1.8の範囲にあることが
望ましい。その理由は、シリカ微粒子中の酸素の量が少
なすぎると、露光波長における消衰係数kが大きくな
り、露光光が下層膜で強く反射して、レジストパターン
を寸法制御性良く形成することが困難になる。また、酸
素の量が多過ぎると、下層膜が露光光をほとんど吸収し
なくなり、被加工膜で反射した露光光がレジストへ再入
射してレジストパターンを寸法制御性良く形成すること
が困難になる。さらに、酸素の量が多い場合、シリコン
系絶縁膜の加工に適したエッチング条件で耐性が劣化
し、シリコン系絶縁膜を加工用のマスク材として使用す
ることが困難になる。
【0142】下層膜の膜厚については、0.005〜5
μmの範囲が好ましい。その理由は、膜厚が0.005
μm以下では、光露光でパターン形成を行う場合、下地
基板からの反射光を十分に抑えることができず、5μm
より厚いと、レジストパターンをドライエッチング法で
下層膜にパターン転写する際に寸法変換差が顕著に発生
するためである。
【0143】ここで、下層膜形成方法について詳述す
る。まず、シリカ微粒子を有機溶剤に溶解して溶液材料
を作成する。シリカ微粒子は酸素不足型中間組成である
必要がある。シリカ微粒子の平均直径は、概ね10〜1
000オングストロームが好ましい。
【0144】また、必要に応じて、貯蔵安定性をはかる
ために熱重合防止剤、被加工膜への密着性を向上させる
ための密着性向上剤、被加工膜からレジスト中へ反射す
る光を防ぐために紫外光を吸収する染料、ポリサルフォ
ン、ポリベンズイミダゾールなどの紫外光を吸収するポ
リマー、電子ビーム露光時にレジストに蓄積される電荷
を防ぐために導電性物質、光、熱で導電性が生じる物
質、或は強固な塗膜を得るためにシリカ微粒子を互いに
接着するバインダーポリマーを溶液材料中に添加しても
よい。
【0145】導電性物質としては、上述した第1の発明
で用いたのと同様のものを用いることが出来る。
【0146】バインダーポリマーとしては、例えばo−
キノンジアジド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリビニルフェノールノボラック樹脂、ポリエス
テル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル及びポリビニ
ルブチラールポリイシド等のポリマーが挙げられる。
【0147】これらシリカ微粒子以外の化合物を添加す
る場合、溶液中の固形分100重量部に対してシリカ微
粒子が60重量部以上含まれるようにすることが望まし
い。その理由は、シリカ微粒子が60重量部未満では、
下層膜をエッチングする際にエッチングしにくくなり、
寸法制御性良く下層膜を加工することが困難になるため
である。
【0148】有機溶剤は特に限定されることがないが、
例えば上述した第1の発明で用いたものと同様のものを
用いることが出来る。
【0149】以上の方法で溶液材料を作成し、被加工膜
2上に、例えばスピンコーテング法などで溶液材料を塗
布した後、加熱して溶剤を気化することにより、下層膜
3を形成することが出来る。
【0150】次に、下層膜3上にレジストパターンを形
成する。レジスト膜の成膜プロセス、膜厚、材質、露光
および現像プロセスは、上述の第1の発明と同様であ
り、その説明を省略する。
【0151】次に、このようにして形成したレジストパ
ターン5をエッチングマスクとして用いて、下層膜3を
ドライエッチングすることにより、前記レジストパター
ン5を前記下層膜3に転写して、下層膜パターン6を形
成する(図1(e))。ソースガスとしては、上述した
第1の発明で用いたものと同様のものを用いることが出
来る。このようなエッチング条件によると、レジストの
エッチングレートに対して数倍以上速く、下層膜3をエ
ッチングすることができる。その結果、レジストの膜厚
が薄くても、レジストパターン5が途中で削れることな
く、レジストパターン5の寸法に忠実な下層膜パターン
6を得ることができる。
【0152】その後、レジストパターン5と下層膜パタ
ーン6をエッチングマスクとして用いて、被加工膜2の
加工を行う(図1(f))。この場合、レジストパター
ン5を除去して、下層膜パターン6のみをエッチングマ
スクとして用いて被加工膜2をエッチングしてもよい。
特に、高アスペクト比をもつ超微細な被加工膜の加工の
際は、下層膜3のパターニング後、別装置、或は同一装
置にて下層膜パターン6上のレジストパターン5を除去
し、被加工膜2の加工の際のアスペクト比を下げること
が好ましい。この場合、エッチングマスクとなるのは、
レジストによってパターン転写された下層膜パターンの
みであり、アスペクト比を小さくできるためマイクロロ
ーディング効果を抑えることができる。
【0153】本発明で用いた下層膜は、酸化シリコンラ
イクな膜であるため、配線材料、電極材料、シリコン系
材料の加工に適したエッチング条件では、SiO2 と同
様にマスク材として作用する。また、下層膜中に酸素不
足型中間組成のシリカ微粒子を含むため、シリコン系絶
縁膜の加工に適したエッチング条件でも耐性があり、マ
スク材として作用する。その結果、下層膜パターンに忠
実に被加工膜2を加工することができる。
【0154】
【実施例】以下に、本発明の種々の実施例について説明
する。
【0155】ここで、以下の実施例で使用される化合物
を、下記式[12−1]〜[12−9]に示す。
【0156】
【化70】
【0157】実施例1 第1の発明に係る方法によりシリコン系絶縁膜及び有機
絶縁膜を加工した場合を例にして、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0158】まず、5枚のシリコンウェハー1上に、S
iO2 をLPCVD法により成膜し、膜厚500nmの
被加工膜2(A1)を形成した(図1(a))。次い
で、以下の(S1)〜(S5)の方法で、被加工膜2上
に下層膜3をそれぞれ形成した(図1(b))。
【0159】(S1):式[1−9]に記載のポリシラ
ザン10g、アニソール90gを混合して下層膜溶液材
料を調製し、スピンコーテング法により被加工膜2上に
塗布した後、ホットプレートを用いて160℃で90秒
間ベーキングを行った。
【0160】(S2):式[1−9]に記載のポリシラ
ザン9.99g、式[12−1]に記載の酸発生剤0.
01g、アニソール90gを混合して下層膜溶液材料を
調製し、(S1)の方法で被加工膜上に塗布した。
【0161】(S3):式[1−9]に記載のポリシラ
ザン9.99g、式[12−2]に記載の酸発生剤0.
01g、アニソール90gを混合して下層膜溶液材料を
調製し、(S1)の方法で被加工膜上に塗布した。
【0162】(S4):(S1)の方法で形成した下層
膜に対して、エキシマランプを照射し(照射量1W/c
m2)、下層膜の表面10nmを酸化した。
【0163】(S5):式[1−7]に記載のポリシラ
ザン8g、式[3−80]に記載の架橋剤1.5g、架
橋を促進するためのラジカル発生剤として式[4−1
2]のパーオキサイド0.5gをアニソール90gに溶
解して下層膜の溶液材料を調製し、(S1)の方法で被
加工膜上に塗布した。以上の(S1)〜(S5)により
形成した下層膜の膜厚は、何れも150nmである。
【0164】分光エリプソを用いて測定した下層膜の露
光波長193nmでの複素屈折率を下記表1に示す。測
定したのは、単層構造からなる(S1)〜(S3)及び
(S5)の方法で形成した下層膜である。何れの下層膜
も適度な吸収を有しており、露光時に反射防止膜として
作用する。
【0165】
【表1】
【0166】次に、式[12−3]に記載の平均重量分
子量12,000の抑止剤樹脂9、5g、式[12−
4]に記載の酸発生剤0.5gを乳酸エチルに溶解して
調製したレジスト溶液を、スピンコーテング法を用いて
下層膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて130
℃で90秒間ベーキングして、150nmの膜厚のレジ
ストを形成した(図1(c))。
【0167】そして、ArFエキシマレーザーを用いて
パターン露光を行った後、ホットプレートを用いて13
0℃で90秒間ベーキングを行った。更に、0.21規
定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い、0.15
μmラインアンドスペースパターンを形成した(図1
(d))。
【0168】このようにして形成されたレジストパター
ンの形状を、走査型電子顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、(S1)、(S5)の方法で形成した下層膜上のレ
ジストパターンについては裾引きが見られたが、(S
2)〜(S4)の方法で形成した下層膜については裾引
きがなく、良好なレジスト形状が得られていることが分
かった。
【0169】本発明による下層膜は、窒素を含有するた
め、レジストの種類によってポジ型レジストの場合は裾
引き、ネガ型レジストの場合は食われが発生する場合が
ある。このような場合、(S2)の方法で形成した下層
膜のように酸発生剤、(S3)の方法で形成した下層膜
のように酸を添加したり、または(S4)の方法で形成
した下層膜のように表面を酸化させることで、良好なプ
ロファイルにパターン形状を改善することが可能であ
る。
【0170】本発明では、下層膜に酸発生剤、酸を添
加、或いは下層膜の表面を酸化させたほうが好ましい
が、必ずしもこれらの処理を行う必要はない。
【0171】更に、レジストの膜厚を100〜200n
mの範囲で変化させて、レジストパターン寸法を測定し
たところ、(S1)〜(S5)の方法で下層膜を形成し
た場合には、何れも寸法変動量は6nm以下であり、露
光光による反射の影響を受けずに寸法制御性良くレジス
トパターンを形成することができ、下層膜が反射防止膜
として作用していることを確認した。
【0172】次に、レジストパターンをエッチングマス
クとして用いて、下層膜を加工した(図1(e))。エ
ッチング装置としては、マグネトロン型反応性イオンエ
ッチング装置を用い、ソースガスとして100SCCM
のCHF3 および20SCCMのO2 を用い、励起電力
1300W、真空度75mTorr、基板温度40℃の
条件で各下層膜をエッチングした。エッチング時間の決
定には、発光による終点検出を用い、ジャスト時間に対
して50%のオーバーエッチングを行った。
【0173】エッチング前のレジストパターンの寸法を
図1(d)においてXで、エッチング後の下層膜パター
ンの寸法を図1(e)においてYで定義し、下層膜のエ
ッチングにより生じた寸法変換差(=Y−X)を測定し
た。その結果を下記表2に示す。
【0174】下記表2から、何れの場合もエッチング前
のレジストパターン寸法とほとんどずれることなく、下
層膜をエッチングすることができることがわかる。
【0175】次に、下層膜のエッチングを途中で止め
て、下層膜の対レジスト選択比(=下層膜のエッチング
レート/レジストのエッチングレート)を調べた結果を
下記表2に示す。
【0176】下記表2から、何れの場合も2倍以上の高
選択比で下層膜がエッチングされていることがわかる。
その結果、レジストパターンの肩落ちが防げ、寸法変換
差が生じることなく下層膜をエッチングすることができ
たものと考えられる。
【0177】
【表2】
【0178】次に、下層膜パターンとレジストパターン
をエッチングマスクとして用いて、SiO2 をエッチン
グした(図1(f))。エッチング装置としてはマグネ
トロン型反応性イオンエッチング装置を用い、ソースガ
スとして、それぞれ流量10/100/200SCCM
のC4 8 /CO/Arを用い、励起電力700W、真
空度40mTorr、基板温度20℃の条件でエッチン
グを行った。
【0179】エッチング時間の決定には、発光による終
点検出を用い、ジャスト時間に対して50%のオーバー
エッチングを行った。エッチング後のSiO2 膜パター
ンの寸法を図1(f)に示すZで定義し、SiO2 膜の
エッチングにより生じた寸法変換差(=Z−Y)を測定
した。その結果を下記表3に示す。
【0180】下記表3から、何れの下層膜の場合でも許
容範囲の−3〜+3nmに収まっており、エッチング前
の下層膜パターン寸法とずれることなく加工することが
できたことがわかる。また、SiO2 のエッチングを途
中で止めて被加工膜の対下層膜選択比(=SiO2 のエ
ッチングレート/下層膜のエッチングレート)を調べ
た。その結果を下記表3に示す。
【0181】
【表3】
【0182】更に、LPCVD法で成膜したSi3 4
を下層膜として用いた場合の対下層膜選択比を同様にし
て調べたところ、8.2あり、第1の発明に係る下層膜
は、Si3 4 並みの強いマスク耐性があることが分か
った。その結果、寸法変換差が生じることなく、SiO
2 をエッチングすることができたものと考えられる。
【0183】次に、以下の方法で、シリコン系絶縁膜で
ある被加工膜(A2)(A3)、有機絶縁膜である被加
工膜(A4)(A5)を形成した。膜厚は何れも500
nmである。
【0184】(A2):LPCVD法で弗素を0.6重
量%添加した弗素添加SiO2 を形成した。
【0185】(A3):スピンオングラス(商品名R
7,日立化成社製)をスピンコーテング法により塗布し
た。
【0186】(A4):式[12−5]に記載のポリイ
ミドをスピンコーテング法で塗布した。
【0187】(A5):式[12−6]に記載のポリイ
ミドとポリシロキサンのハイブリッド構造を有する層間
絶縁膜をスピンコーテング法で塗布した。
【0188】そして、各被加工膜上に(S1)〜(S
5)の方法で下層膜をそれぞれ形成し、各下層膜上にレ
ジストパターンを形成して、下層膜のエッチング、被加
工膜のエッチングを行った。ただし、被加工膜のエッチ
ングについては、エッチング装置、オーバーエッチング
時間の設定方法については上述と同様であるが、エッチ
ング条件については各被加工膜に対応して下記表4のよ
うに行った。
【0189】
【表4】
【0190】その結果、被加工膜(A1)と同様に被加
工膜のエッチングで生じた寸法変換差、被加工膜の対下
層膜選択比を調べたところ、何れの被加工膜の場合でも
Si3 4 並みのマスク耐性が得られており、寸法変換
差を許容範囲の−3〜+3nmに抑えることができた。
【0191】実施例2 第1の発明に係る方法により、配線材料、電極材料、及
びシリコン系材料を加工した場合を例に本発明をさらに
具体的に説明する。
【0192】まず、5枚のシリコンウェハー上にLPC
VD法で300nm厚のSiO2 を形成し、各SiO2
上にTiN/Ti/Al/Ti/TiN(膜厚:40n
m/5nm/230nm/10nm/20nm)からな
る配線層(B1)をスパッター法を用いて形成した。次
いで、実施例1の(S1)〜(S5)の方法で被加工膜
上に下層膜をそれぞれ形成した。下層膜の膜厚は150
nmである。
【0193】次に、実施例1と同様にして、下層膜上に
0.13μmラインアンドスペースのレジストパターン
を形成した。その後、実施例1と同様にして、レジスト
パターンをエッチングマスクとして用いて、下層膜を加
工した。
【0194】そして、レジストパターン及び下層膜パタ
ーンをエッチングマスクとして用いて、配線層をエッチ
ングした。ただし、被加工膜のエッチングについては、
エッチング装置、オーバーエッチング時間の設定方法は
上述と同様であるが、エッチング条件は、ソースガスと
して流量200SCCMのCl2 を用い、励起電力80
0W、真空度75mTorr、基板温度80℃の条件で
行った。
【0195】エッチング後の配線層の寸法を図1(f)
のZで定義し、配線層のエッチングにより生じた寸法変
換差(=Z−Y)を測定した。その結果を下記表5に示
す。下記表5から、寸法変換差は何れの下層膜の場合で
も許容範囲の−3〜+3nmに収まっており、エッチン
グ前の下層膜パターン寸法とずれることなく加工するこ
とができた。
【0196】アルミニウムのエッチングを途中で止めて
被加工膜の対下層膜選択比(=アルミニウムのエッチン
グレート/下層膜のエッチングレート)を調べた結果を
同様に下記表5に示す。
【0197】
【表5】
【0198】また、LPCVD法で成膜したSi3 4
を下層膜として用いた場合の対下層膜選択比を同様にし
て調べたところ、7.6あり、本発明による下層膜はS
34 並みの高いマスク耐性があることが分かった。
その結果、寸法変換差が生じることなく、配線層をエッ
チングすることができたと考えられる。
【0199】更に、以下の方法でアルミニウムシリサイ
ド以外の配線材料として被加工膜(B2)、電極材料と
して(B3)および(B4)、シリコン系材料として
(B5)を形成した。
【0200】(B2):LPCVD法を用いて膜厚30
0nmのSiO2 を形成した後、スパッター法を用いて
TiN/Ti/Cu/Ti/TiN(膜厚:40nm/
5nm/230nm/10nm/20nm)からなる配
線層を形成した。
【0201】(B3):熱酸化法を用いて膜厚8nmの
ゲート酸化膜を形成した後、電極材料として膜厚200
nmのタングステンシリサイド膜をスパッター法を用い
て形成した。
【0202】(B4):熱酸化法を用いて膜厚8nmの
ゲート酸化膜を形成した後、電極材料として膜厚200
nmのポリシリコン膜をLPCVD法を用いて形成し
た。
【0203】(B5):LPCVD法を用いて膜厚30
0nmのSiO2 を形成した後、シリコン系材料として
膜厚200Aのアモルファスシリコン膜をLPCVD法
を用いて形成した。
【0204】そして、上述の方法で被加工膜上に下層膜
を形成し、レジストパターンを形成して、下層膜のエッ
チング、被加工膜のエッチングを行った。ただし、被加
工膜のエッチングは、エッチング装置、オバーエッチン
グ時間の設定方法については上述と同様であるが、エッ
チング条件については各被加工膜に対応して下記表6に
示すように行った。
【0205】
【表6】
【0206】被加工膜(B1)と同様に被加工膜のエッ
チングで生じた寸法変換差、被加工膜の対下層膜選択比
を調べたところ、何れの被加工膜の場合でもSi3 4
並みのマスク耐性が得られており、寸法変換差を許容範
囲の−3〜+3nmに抑えることができた。
【0207】実施例3 第2の発明に係る方法によりシリコン系絶縁膜及び有機
絶縁膜を加工した場合を例にして、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0208】まず、5枚のシリコンウェハー1上に、S
iO2 をLPCVD法により成膜し、膜厚500nmの
被加工膜2(A1)を形成した(図1(a))。次い
で、以下の(S6)〜(S9)及び(C1)、(C2)
の方法で、被加工膜2上に下層膜3をそれぞれ形成した
(図1(b))。下層膜3の膜厚は何れも150nmで
ある。
【0209】(S6):組成比SiO0.1 の石英ガラス
を練磨して得た粒子を、弗酸を純水で200倍に希釈し
た希弗酸溶液に浸漬して、粒子の平均直径が30オング
ストロームのシリカ微粒子を形成した。形成したシリカ
微粒子9g、バインダーポリマーとしてポリメチルメタ
クリレート1gをメチルイソブチルケトンに溶解して調
製した溶液を、スピンコーテング法を用いて被加工膜上
に塗布した後、ホットプレートを用いて300℃で5分
間加熱して、下層膜3を形成した。
【0210】(S7):組成比SiO0.5 の石英ガラス
を用いたことを除いて、(S6)と同様の方法で下層膜
3を形成した。
【0211】(S8):組成比SiO1.0 の石英ガラス
を用いたことを除いて、(S6)と同様の方法で下層膜
3を形成した。
【0212】(S9):組成比SiO1.5 の石英ガラス
を用いたことを除いて、(S6)と同様の方法で下層膜
3を形成した。
【0213】(C1):組成比SiO0.05の石英ガラス
を用いたことを除いて、(S6)と同様の方法で下層膜
3を形成した。
【0214】(C2):組成比SiO1.9 の石英ガラス
を用いたことを除いて、(S6)と同様の方法で下層膜
3を形成した。
【0215】上記(S6)〜(S9)、及び(C1)、
(C2)の方法で形成した下層膜に対してX線光電子分
光法を用いて組成分析を行って、下層膜中、平均でのシ
リコン原子に結合した酸素原子の数を求めた。測定結果
を下記表7に示す。また、分光エリプソを用いて測定し
た下層膜の波長248nmにおける複素屈折率を下記表
7に示す。
【0216】
【表7】
【0217】次に、式[12−7]に示す平均重量分子
量12,000の抑止剤樹脂9.5g、式[12−8]
に示す酸発生剤0.5gを乳酸エチルに溶解して調製し
たレジスト溶液を、スピンコーテング法を用いて下層膜
上に塗布した後、ホットプレートを用いて140℃で9
0秒間ベーキングして、150nmの厚さのレジスト膜
を形成した(図1(c))。
【0218】そして、KrFエキシマレーザーを用いて
パターン露光を行った後、ホットプレートを用いて14
0℃で90秒間ベーキングを行った。次いで、0.21
規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い、0.1
5μmラインアンドスペースのパターンを形成した(図
1(d))。
【0219】レジストの膜厚を100〜200nmの範
囲で変化させて、レジストパターン寸法を測定したとこ
ろ、(S6)〜(S9)については、何れも寸法変動量
は6nm以下であり、露光光による反射の影響を受けず
に寸法制御性良く、レジストパターンを形成することが
できた。
【0220】しかし、(C1)については,寸法変動量
がそれぞれ9nmと許容範囲を超過している。これは、
下層膜が露光光をほとんど吸収せず、下層膜で露光光が
強く反射しているためと考えられる。また、(C2)に
ついても寸法変動量がそれぞれ12nmと許容範囲を超
過している。これは、下層膜の露光波長における消衰係
数kが高過ぎて、下層膜で露光光が強く反射しているた
めと考えられる。従って、下層膜中のシリカ微粒子Si
x の組成比xは、0.1≦x≦1.8の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0221】次に、レジストパターンをエッチングマス
クとして用いて、(S6)〜(S9)の方法で形成した
下層膜をエッチングした(図1(e))。エッチング装
置としてはマグネトロン型反応性イオンエッチング装置
を用い、各下層膜に対応して下記表8に示すエッチング
条件でエッチングを行った。
【0222】
【表8】
【0223】エッチング時間の決定には、発光による終
点検出を用い、ジャスト時間に対して50%のオーバー
エッチングを行った。エッチング前のレジストパターン
の寸法を図1(d)に示すX、エッチング後の下層膜パ
ターンの寸法を図1(e)に示すYで定義し、下層膜の
エッチングにより生じた寸法変換差(=Y−X)を測定
した。その結果を上記表7に示す。上記表7から、何れ
もエッチング前のレジストパターン寸法とほとんどずれ
ることなく、下層膜をエッチングすることができている
ことがわかるい。
【0224】また、下層膜のエッチングを途中で止め
て、下層膜の対レジスト選択比(=下層膜のエッチング
レート/レジストのエッチングレート)を調べた結果を
同様に上記表7に示す。
【0225】上記表7から、何れの場合も、2倍以上の
高選択比で下層膜がエッチングされていることがわか
る。その結果、レジストパターンの肩落ちが防ぐことが
出来、寸法変換差が生じることなく、下層膜をエッチン
グすることができたと考えられる。
【0226】次に、下層膜パターンとレジストパターン
をエッチングマスクとして用いてSiO2 をエッチング
した(図1(f))。エッチング装置としてはマグネト
ロン型反応性イオンエッチング装置を用い、ソースガス
として、それぞれ流量12SCCM/100SCCM/
240SCCMのCHF3 /CF4 /O2 を用い、励起
電力700W、真空度40mTorr、基板温度60℃
の条件でエッチングを行った。
【0227】エッチング時間の決定には、発光による終
点検出を用い、ジャスト時間に対して50%のオーバー
エッチングを行った。エッチング後のSiO2 膜パター
ンの寸法を図1(f)のZで定義し、SiO2 膜のエッ
チングにより生じた寸法変換差(=Z−Y)を測定し
た。その結果を上記表7に示す。上記表7から、何れの
下層膜の場合でも、許容範囲の−3〜+3nmに収まっ
ており、エッチング前の下層膜パターン寸法とずれるこ
となく加工することができたことがわかる。
【0228】SiO2 のエッチングを途中で止めて、被
加工膜の対下層膜選択比(=SiO2 のエッチングレー
ト/下層膜のエッチングレート)を調べた結果を上記表
7に示す。上記表7から、何れの被加工膜の場合でも充
分なマスク耐性があり、その結果、寸法変換差が生じる
ことなく、SiO2 をエッチングすることができたと考
えられる。
【0229】さらに、実施例1の方法でシリコン系絶縁
膜として被加工膜(A2)、(A3)、有機絶縁膜とし
て被加工膜(A4)、(A5)を形成した。膜厚は何れ
も500nmである。
【0230】そして、上述の方法で被加工膜上に下層膜
を形成、レジストパターンを形成して、下層膜のエッチ
ング、被加工膜のエッチングを行った。ただし、被加工
膜のエッチングについては、エッチング装置、オバーエ
ッチング時間の設定方法については上述と同様だが、エ
ッチング条件としては、各下層膜に対応して、上記表4
に示す条件を採用した。
【0231】実施例1と同様にして、被加工膜のエッチ
ングで生じた寸法変換差、被加工膜の対下層膜選択比を
調べたところ、何れの被加工膜の場合でも、充分なマス
ク耐性が得られており、寸法変換差を許容範囲の−3〜
+nmに抑えることができた。
【0232】実施例4 第2の発明に係る方法により配線材料、電極材料、及び
シリコン系材料を加工した場合を例にして、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0233】まず、5枚のシリコンウェハー上に、LP
CVD法で300nmの厚さのSiO2 膜を形成し、各
SiO2 膜上にTiN/Ti/Al/Ti/TiN(膜
厚:40nm/5nm/230nm/10nm/20n
m)からなる配線層(B1)をスパッター法を用いて形
成した。
【0234】次いで、実施例3の(S5)〜(S8)の
方法で、被加工膜上に下層膜をそれぞれ形成した。下層
膜の膜厚は150nmである。次に、実施例3と同様に
して、下層膜上に0.15μmラインアンドスペースの
レジストパターンを形成した。その後、実施例3と同様
にして、レジストパターンをエッチングマスクとして用
いて、下層膜を加工した。
【0235】そして、実施例2と同様にして、下層膜パ
ターンとレジストパターンをエッチングマスクとして用
いて配線層をエッチングした。エッチング後のアルミニ
ウムパターンの寸法を図1(f)に示すZで定義し、ア
ルミニウムのエッチングにより生じた寸法変換差(=Z
−Y)を測定した。その結果を下記表9に示す。下記表
9から、寸法変換差は何れの下層膜の場合でも許容範囲
の−3〜+3nmに収まっており、エッチング前の下層
膜パターン寸法とずれることなく加工することができた
ことがわかる。
【0236】次に、アルミニウムのエッチングを途中で
止めて、被加工膜の対下層膜選択比(=アルミニウムの
エッチングレート/下層膜のエッチングレート)を調べ
た。その結果を同様に下記表9に示す。下記表9から、
何れの下層膜の場合でも充分なマスク耐性があることが
わかる。その結果、寸法変換差が生じることなく配線層
をエッチングすることができたと考えられる。
【0237】
【表9】
【0238】さらに、実施例4と同様の方法で、アルミ
ニウム以外の配線材料として被加工膜(B2)、電極材
料として(B3)、(B4)、シリコン系材料として
(B5)を形成した。
【0239】そして、実施例2と同様にして、下層膜の
エッチング、被加工膜のエッチングを行った。被加工膜
(B1)と同様に被加工膜のエッチングで生じた寸法変
換差、被加工膜の対下層膜選択比を調べたところ、何れ
の被加工膜の場合でも充分なマスク耐性が得られてお
り、寸法変換差を許容範囲の−3〜+3nmに抑えるこ
とができた。
【0240】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明による
と、前記下層膜はシリコンと窒素の結合を主鎖に有する
ため、窒化シリコンライクなエッチング特性を示す。即
ち、レジストに対して高選択比でエッチングされ、か
つ、酸化シリコンの加工に適したエッチング条件及び配
線材料の加工に適したエッチング条件の双方に耐性があ
り、マスク材として有効に作用する。更に、前記下層膜
は塗布法により成膜ができるため、マスク材の成膜コス
トを安価に抑えることができるという利点もある。
【0241】また、第2の発明によると、前記下層膜は
シリカ微粒子からなるため、酸化シリコンライクなエッ
チング特性を示す。すなわち、レジストに対して高選択
比でエッチングされ、かつ配線材料の加工に適したエッ
チング条件でエッチング耐性があり、マスク材として有
効に作用する。また、下層膜が化学量論量よりも少ない
酸素を含む酸素不足型のシリカ微粒子を含有するため、
シリコン系絶縁膜の加工に適したエッチング条件でもエ
ッチング耐性があり、マスク材として有効に作用する。
更に、前記下層膜は塗布法により成膜ができるため、マ
スク材の成膜コストを安価に抑えることができるという
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態に係るパターン形成方法を工
程順に示す断面図。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2…被加工膜、 3…下層膜、 4…レジスト膜、 5…レジストパターン、 6…下層膜パターン、 7…被加工膜パターン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工膜上にシリコンと窒素の結合を主
    鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜を形成
    する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程
    と、前記レジスト膜に所定パターンを露光してレジスト
    パターンを形成する工程とを具備することを特徴とする
    パターン形成方法。
  2. 【請求項2】 被加工膜上にシリコンと窒素の結合を主
    鎖に有する有機シリコン化合物を含有する下層膜を形成
    する工程と、前記下層膜上にレジスト膜を形成する工程
    と、前記レジスト膜に所定パターンを露光してレジスト
    パターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエ
    ッチングマスクとして用いて前記下層膜をエッチングし
    て下層膜パターンを形成する工程と、前記下層膜パター
    ンを少なくとも含むエッチングマスクを用いて前記被加
    工膜をエッチングする工程とを具備することを特徴とす
    るパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 被加工膜上にシリカ微粒子を含む溶液を
    塗布して下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジ
    スト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定パター
    ンを露光して、レジストパターンを形成する工程とを具
    備することを特徴とするパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 被加工膜上にシリカ微粒子を含む溶液を
    塗布して下層膜を形成する工程と、前記下層膜上にレジ
    スト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定パター
    ンを露光してレジストパターンを形成する工程と、前記
    レジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記
    下層膜をエッチングして下層膜パターンを形成する工程
    と、前記下層膜パターンを少なくとも含むエッチングマ
    スクを用いて前記被加工膜をエッチングする工程を具備
    することを特徴とするパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記シリカ微粒子として、化学量論量よ
    りも少ない酸素がシリコンに結合しているシリカ微粒子
    を用いることを特徴とする請求項3または4に記載のパ
    ターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記下層膜が化学量論量よりも少ない酸
    素を含むシリカ微粒子を含有することを特徴とする請求
    項3または4に記載のパターン形成方法。
  7. 【請求項7】 前記シリカ微粒子を含む溶液がバインダ
    ーポリマーを含有することを特徴とする請求項3または
    6のいずれかの項に記載のパターン形成方法。
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