JP3998393B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、層間絶縁膜や金属配線層等の薄膜の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造方法においては、ウェハー上に複数の材料を堆積して薄膜を形成し、各薄膜を所望のパターンにパターニングする工程を多く含んでいる。被加工膜のパターニングに当たっては、まず、一般にレジストと呼ばれる感光性物質をウェハー上の被加工膜上に堆積してレジスト膜を形成し、このレジスト膜の所定の領域に選択的に露光を施す。次いで、レジスト膜の露光部または未露光部を現像処理により除去してレジストパターンを形成し、さらにこのレジストパターンをエッチングマスクとして用いて被加工膜をドライエッチングすることでなされる。
【0003】
パターン露光時に必要な解像性、露光量裕度、あるいはフォーカス裕度をもたせるために、レジスト膜の膜厚を薄くする必要が生じており、そのため、被加工膜のエッチングに必要なレジスト膜厚を確保できなくなってきている。こうした問題を解決するために、被加工膜上にレジストよりもエッチング耐性があるマスク材を形成し、レジストパターンをマスク材、被加工膜上に順次パターン転写する方法がとられている。
【0004】
従来からマスク材として、乾式方法で成膜できるものとして、アルミニウムなどの金属膜、およびカーボンが用いられ、湿式で成膜できるものとしては、ポリシラン、さらにノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンなどの有機樹脂が用いられてきた。これらのうち、乾式で成膜する金属膜やカーボンは、成膜に真空系が必要であるため成膜コストがかかる。湿式方法で成膜できる材料においても、ポリシランは無機原子を含むため被加工膜の加工終了後、残ったマスク材パターンを剥離することが難しく、一方、有機樹脂を用いた場合には、レジスト並みのエッチング耐性しか得られない。
【0005】
また、特開平8−241858号公報には、カーボン粒子を有機樹脂に分散させた反射防止膜が開示されている。この方法においては、カーボン粒子を有機溶媒に分散させ、得られた混合物をウェハー基板上に塗布することで反射防止膜の成膜を行う。この場合、カーボン粒子が有機溶媒に溶解していないので、カーボン粒子が塗膜表面に析出し、良好な塗布性が得られないという問題があった。また、ここでは、波長248nmでの吸光度を向上させるとともに、薄い膜厚の反射防止膜で下地基板からの反射を抑えるために、カーボン粒子を有機樹脂に分散させている。そのため、紫外光領域に高い吸収をもたせるために、カーボン原子間の結合にπ軌道が混成したカーボン粒子を用いる必要がある。しかしながら、π軌道が混成するとアライメント光に対しても吸収性が増大するので、アライメント光がマスク材を透過しない。このため、下地基板に形成した下地パターンの検出が困難となる。
【0006】
このように、半導体装置の製造に好適に用いることができるマスク材は、未だ得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、湿式方法で正常に塗布できるとともに充分なエッチング耐性を有し、しかも灰化処理で剥離することができるマスク材を用い、レジスト膜厚を薄くした際でも被加工膜を異方性よく加工可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、アライメント光に対する透明性を付与したマスク材を用い、下地パターンに対して高精度の位置合わせを行ってパターンを形成可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、被加工膜上に、下記一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体の少なくとも1種を含む溶液を塗布してマスク材を形成する工程と、
前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを前記マスク材に転写して、マスク材パターンを形成する工程と、
前記マスク材パターンを前記被加工膜に転写して、被加工膜パターンを形成する工程とを具備するパターン形成方法を提供する。
【0010】
【化4】
【0011】
(上記一般式中、Rはハロゲン原子、水素原子、置換または無置換の炭化水素基であり、Aは多価の有機基である。m,n,kは正の整数である。)
また本発明は、位置情報を示す下地パターンを有する被加工膜上に、下記一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体の少なくとも1種を含む溶液を塗布してマスク材を形成する工程と、
前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜直下の下地パターンの位置情報を検出する工程と、
前記位置情報の検出結果に基づいて、露光するパターンの位置補正を行って、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記パターン露光後のレジスト膜に対して現像処理を施してレジストパターンを形成する工程とを具備するパターン方法を提供する。
【0012】
【化5】
【0013】
(上記一般式中、Rはハロゲン原子、水素原子、置換または無置換の炭化水素基であり、Aは多価の有機基である。m,n,kは正の整数である。)
さらに本発明は、被加工膜上に鋳型パターンを形成する工程、
前記鋳型パターンの間に、下記一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体の少なくとも1種を含むマスク材を埋め込む工程、
前記鋳型パターンを除去してマスク材パターンを形成する工程、および
前記マスク材パターンを前記被加工膜に転写して被加工膜パターンを形成する工程を具備するパターン形成方法を提供する。
【0014】
【化6】
【0015】
(上記一般式中、Rはハロゲン原子、水素原子、置換または無置換の炭化水素基であり、Aは多価の有機基である。m,n,kは正の整数である。)
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のパタン形成方法を詳細に説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明の第1のパターン形成方法の一例を表す工程断面図である。
【0018】
まず、図1(a)に示すように、ウェハー基板10上に形成された被加工膜上にマスク材16を形成する。被加工膜としては、例えば、例えば、酸化シリコン膜;窒化シリコン膜;酸窒化シリコン膜、スピンオングラス;マスク等の製造の際に用いられるブランク材などのシリコン系絶縁膜;アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン基板などのシリコン系材料;アルミニウム、アルミニウムシリサイド、カッパー、タングステン、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、ルテニウムなどの配線材料や電極材料が挙げられるがこれに限定されることはない。図1(a)に示す例においては、被加工膜は、TiN層12、Ti層13および0.5%Cu−Al層14を含む積層構造の金属配線層15である。この金属配線層15は、絶縁膜11を介してウェハー基板10上に形成されている。なお、絶縁膜11は、例えばSiO2 膜、TEOS酸化膜等により形成することができ、その膜厚は300nm程度である。
【0019】
金属配線層15上に形成されるマスク材16は、上述の一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体を含有する。
【0020】
ここで、一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体について、詳細に説明する。
【0021】
一般式(CP1)ないし(CP4)において、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基である。Rとして導入され得る置換または無置換の脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、プロピル基、ビニル基、アリル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、3−メトキシプロピル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェナチル基、メトキシフェニル基、およびビフェニル基などが挙げられるが特に限定されない。また、Aは多価有機基であり、2価以上の有機基なら任意のものを用いることができる。
【0022】
一般式(CP1)で表される繰り返し単位としては、例えば以下に示す[CP1−1]〜[CP1−12]が挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
上記式中、m,nは正の整数である。
【0026】
一般式(CP1)で表される繰り返し単位を有する重合体において、mおよびnは特に限定されないが、mは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましく、nは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましい。
【0027】
また、上記一般式(CP1)で表される繰り返し単位を含む重合体は、上記一般式(CP1)のRの異なる繰り返し単位を共重合成分として含有する共重合体でもよい。以下にその具体例を挙げる。
【0028】
【化9】
【0029】
こうした共重合体の場合、m、nおよびkは特に限定されないが、mは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましく、nとkとの総和は重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましい。
【0030】
また、一般式(CP2)で表される繰り返し単位としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
上記式中、m,n,kは正の整数である。
【0034】
一般式(CP2)で表される繰り返し単位を有する重合体において、m,nおよびkは特に限定されないが、mは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましく、nは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましく、kは重合体全体に対して少なくとも10%程度以上であることが好ましい。
【0035】
また、上記一般式(CP3)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
上記式中、n,kは正の整数である。
【0039】
さらに、上記一般式(CP4)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【0040】
【化14】
【0041】
上記式中、n,kは正の整数である。
【0042】
本発明において用いられるネットワーク状炭素重合体は、例えば、以下のような方法で合成することができる。
【0043】
上述したネットワーク状重合体のうち、前記一般式(CP1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、有機ハロゲン化物としての四ハロゲン化炭素および有機モノハロゲン化物を原料として用い、マグネシウムを重合剤として溶媒中で縮重合反応させることにより合成することができる。必要に応じて、この反応に触媒を加えてもよい。
【0044】
四ハロゲン化炭素としては、下記一般式(HL−1)で表される化合物が挙げられる。
【0045】
【化15】
【0046】
(上記一般式(HL−1)中、Xはハロゲン原子であり、同一であっても異なっていてもよい。)
Xとして前記一般式(HL−1)に導入され得るハロゲン原子は、F、Cl,Br,Iが挙げられる。本発明において用い得る四ハロゲン化炭素の具体例を以下に示す。
【0047】
【化16】
【0048】
また、有機モノハロゲン化物としては、下記一般式(HL−2)で表される化合物が挙げられる。
【0049】
【化17】
【0050】
(上記一般式(HL−2)中、R1 は、置換または無置換の脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
上記一般式中にR1 として導入され得る脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、メトキシプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、フェナチル基、ビフェニル基、ナフチル基、およびアントラニル基などが挙げられるが特に限定されない。
【0051】
また、Xとして導入され得るハロゲン原子は、F,Cl,Br,Iが挙げられる。
【0052】
本発明において用い得る有機モノハロゲン化物の具体例を以下に示す。
【0053】
【化18】
【0054】
また、上述したネットワーク状炭素重合体のうち、一般式(CP2)で表される繰り返し単位を有するものは、前述の原料に加えて有機多価ハロゲン化物を用いて合成することができる。
【0055】
有機多価ハロゲン化物としては、下記一般式(HL−3)で表される化合物が挙げられる。
【0056】
【化19】
【0057】
(上記一般式(HL−3)中、R2 は置換または無置換の脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基からなる多価有機基である。また、Xはハロゲン原子である。aは正の整数であり、bは2以上の正の整数である。)
本発明において用い得る有機多価ハロゲン化物の例を以下に示すが、これらに限定されない。
【0058】
【化20】
【0059】
上述したような四ハロゲン化炭素、有機モノハロゲン化物、有機多価ハロゲン化物を原料として用いて、本発明で用いられるネットワーク状炭素重合体を合成するに当たっては、まず、有機溶媒中にマグネシウムを所定量加えて混合物を調製し、これを溶媒の還流温度または還流温度以下に加熱する。ここで使用し得る有機溶媒としては、1種以上の非プロトン性溶媒が挙げられ、具体的には、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライムなどのエーテル系溶媒;トリエチルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン系溶媒;トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒と3級アミン系溶媒との混合溶媒などが挙げられるが特に限定されない。
【0060】
一方、溶媒中に所定量の四ハロゲン化炭素、有機モノハロゲン化物、有機多価ハロゲン化物を溶解して溶液を調製しておく、ここで用いられる溶媒としては、前述したものと同様の溶媒や混合溶媒等が挙げられる。
【0061】
上述のマグネシウム混合物中に、上述のハロゲン化合物の溶液を還流が続く程度の温度で滴下し、さらに溶媒還流温度または還流温度以下の温度で1〜100時間反応させる。
【0062】
この反応の際に触媒を加えてもよい。反応開始の触媒としては、例えばヨウ素や1,2−ブロモエタンなどを添加することができ、反応促進の触媒としては相間移動触媒や電荷移動触媒などを用いることができる。さらに、ポリマー生成の触媒として、ニッケル錯体に代表される金属錯体などを添加してもよい。
【0063】
こうして得られた反応溶液を室温まで冷却し、トルエンなどの非水溶性溶媒を加えてよく撹拌する。その後、希塩酸を加えて酸性とし、過剰のマグネシウムを処理するとともに塩類を溶解させる。この混合溶液を濾過して不溶成分を取り除き、不溶成分をトルエンなどの非水溶性溶媒で洗浄して前述の濾液と混合する。
【0064】
濾液からトルエンなどの非水溶性溶媒相を分離した後、水洗する。この場合、水洗後の液が中性になるまで行う。このトルエンなどの非水溶性溶媒溶液を硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥した後、減圧で濃縮する。濃縮後の溶液をトルエンの10倍以上のエタノールを加えてポリマーを沈殿させる。
【0065】
最後に、沈殿物を濾過し、真空乾燥することにより前記一般式(CP1)または(CP2)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体が得られる。
【0066】
また、抽出溶媒としてトルエンなどの溶媒を用い、不溶成分をソックスレー抽出器で可溶性成分抽出することによっても、本発明のネットワーク状炭素重合体を得ることができる。あるいは、不溶成分のトルエンなどの溶媒との懸濁液を超音波で抽出を行ってもよい。
【0067】
なお、出発原料として用いられる有機ハロゲン化物によって、得られる重合体の繰り返し単位を選択することができる。例えば、原料として化学式(HL−1)で表される四ハロゲン化炭素と化学式(HL−2)で表される有機モノハロゲン化物とを用いた場合には、一般式(CP1)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体が得られる。また、化学式(HL−1)で表される四ハロゲン化炭素と、化学式(HL−2)で表される有機モノハロゲン化物と、化学式(HL−3)で表される有機多価ハロゲン化物とを用いた場合には一般式(CP2)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体が得られる。
【0068】
さらに、有機多価ハロゲン化物としての下記一般式(HL−4)で表されるトリハロメタンのみを用いた場合には、下記一般式(CP3)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体が得られる。
【0069】
【化21】
【0070】
(上記一般式中、R3 は、フッ素原子、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Rは、ハロゲン原子、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。nは正の整数である。)
また、前記一般式(HL−4)で表されるトリハロメタンと、前記一般式(HL−3)で表される有機多価ハロゲン化物とを用いた場合には、下記一般式(CP4)で表される繰り返し単位の重合体が得られる。
【0071】
【化22】
【0072】
(上記一般式(CP4)中、Rは、ハロゲン原子、水素原子、置換または無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Aは多価有機基である。n,kは正の整数である。)
上述したようなハロゲン化物(四ハロゲン化物、有機モノハロゲン化物、および有機多価ハロゲン化物)は、同時に加えてもよいし、順次段階的に加えてもよい。四ハロゲン化炭素と有機モノハロゲン化物および有機多価ハロゲン化物の組成比によって、得られる重合体中におけるRの導入量を制御することができる。また、その際に、各種ハロゲン化物の種類により、一般式(CP1)〜(CP4)で表される繰り返し単位を組み合わせて含有する共重合体を合成することができる。
【0073】
一方、上述したような手法により合成したポリマー中には、未反応の炭素−ハロゲン(C−X)結合が残っており、後処理の際には、その一部が水などと反応して水酸基やカルボニル基を生成しポリマー中に存在する。また、ポリマーの反応末端(C−MgX)も後処理の際に酸や水と反応してC−H結合を生成するため、ポリマー中にC−H結合が存在する。
【0074】
これらのC−OH、C−X、C=O、C−H結合のポリマー中の存在量は、用いる原料や溶媒などの種類と反応時間に依存する。
【0075】
上述したような一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体は、さらに別の単位を含んでいてもよい。以下のその例を示す。
【0076】
【化23】
【0077】
本発明で用いられるネットワーク状炭素重合体は、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、ハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等の有機溶媒に対する溶解性に優れているため、スピンコーティングなどの塗布方法で容易に成膜することができる。さらに、こうしたネットワーク状炭素重合体は、充分な架橋度を有しているので、このネットワーク状炭素重合体を成膜して得られた膜は、機械的強度にも優れている。また、本発明で用いられるネットワーク状炭素重合体は、300nm以下の紫外線の吸収が高いので、本発明のマスク材は反射防止膜として好適に用いることができる。
【0078】
マスク材16の膜厚は、10〜5000nmが好ましく、100〜1000nmがより好ましい。マスク材の膜厚が10nm未満では、後の工程で形成されるマスク材パターンをエッチングマスクとして被加工膜15をエッチングする際に、このマスク材が全て削れてなくなる場合が生じる。一方、マスク材の膜厚が5000nmより厚いと、レジストパターンをドライエッチング法でマスク材にパターン転写する際に寸法変換差が顕著に発生するおそれがある。
【0079】
マスク材16の露光波長での複素屈折率は、露光光の被加工膜15からのレジストへの戻り光を抑え、寸法制御性のよいレジストパターンを得るために、1.0≦n≦2.5、0.05≦k≦1.0の範囲にあることが望まれる。また、アライメント光の波長領域でのk値は0.6以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。アライメント光の波長領域でのk値が0.6を越えるとアライメント光のマスク材中での光学濃度が高くなり、アライメント光のマスク材中での透過性が低下してしまう。このため、マスク材下層に下地パターンが形成されている場合には、この下地パターンを検出することができなくなってしまうためである。
【0080】
一般式(CP1)〜(CP4)で表される繰り返し単位中のユニットは、ネットワーク状炭素ポリマーの主鎖のカーボン原子間の結合にπ軌道が混成していないため、アライメント光に通常用いられる可視領域の光に対する吸収がほとんどない。そのため、マスク材中におけるこうしたネットワーク状炭素重合体の割合を増やすことによって、アライメント光に対する透明性を向上させることができる。また、一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体のマスク材中における割合を増やすことによって、マスク材中のカーボン原子の含有量を増加させ、それによってエッチング耐性を高めることができる。すなわち、(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体のマスク材中における割合を増やすことによって、アライメント光に対する透明性とエッチング耐性との2つの特性を向上させることができる。
【0081】
マスク材16は、溶液を塗布する方法により、あるいはCVD(化学的気相蒸着法)のような気相法により被加工膜上に成膜することができるが、塗布法でマスク材を形成することが好ましい。この理由は、CVD法と比較して、塗布法はプロセスコストが簡易であるからである。ここで、塗布法によりマスク材を形成する方法について説明する。
【0082】
まず、一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体を所定の有機溶剤に溶解して溶液材料を調製する。用い得るネットワーク状炭素重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、200〜200,000であることが好ましい。この理由は、分子量が200未満であると、レジストの溶媒にマスク材が溶解してしまい、一方200,000を越えると、有機溶剤に溶解しにくく、溶液材料を調製するのが困難になるためである。
【0083】
有機溶剤としては、特に限定されることはないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤;乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、その他アニソール、トルエン、キシレン、ナフサなどを挙げることができる。
【0084】
また、必要に応じて、被加工膜への密着性を向上させるための密着性向上剤、被加工膜からレジスト膜中への反射する光を防ぐために紫外光を吸収する染料、ポリサルフォン、ポリベンズイミダゾールなどの紫外光を吸収するポリマー、導電性物質、光や熱で導電性が生じる物質、ネットワーク状炭素重合体間を埋めて良好な膜質を得るためのバインダーポリマー等を添加してもよい。
【0085】
さらに、上述したようなネットワーク状炭素重合体に架橋剤を配合して、組成物として用いてマスク材16を形成してもよい。用い得る架橋剤としては、分子中に炭素−炭素多重結合を2つ以上有する化合物が挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、エチニル基、1,3−ブタンジエキル基、およびプロパギル基などが挙げられるが特に限定されない。このような多重結合を有する化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれの状態でもよい。
【0086】
多重結合を有する化合物は、熱または光によりネットワーク状炭素重合体の一部が分解し生成した活性種との間で反応して、重合体を架橋させる。なお、多重結合を有する化合物は、自己重合していてもよい。分子中に炭素−炭素多重結合を2つ以上有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
【0087】
【化24】
【0088】
架橋剤の配合量は、ネットワーク状重合体100重量部に対して、0.001〜300重量部とすることが好ましく、0.1〜50重量部がより好ましい。
【0089】
上述した架橋剤に加えて、架橋助剤をさらに配合してもよい。架橋助剤としては、例えばラジカル発生剤が挙げられ、熱および光によってラジカルが発生する化合物であれば任意のものを用いることができる。例えば、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリルなど)、有機過酸化物、チウラム類、シリルペルオキサイド、アルキルアリールケトン、有機ハロゲン化物などがラジカル発生剤として挙げられるが、それらに限定されない。架橋助剤の配合量は、ネットワーク状重合体100重量部に対して0.001〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
【0090】
上述したように、所定のネットワーク状炭素重合体、および場合によってはさらに別の化合物を有機溶剤に溶解することにより、マスク材の原料となる塗布材料が調製される。得られた塗布材料を、例えばスピンコーティング法などによって被加工膜上に塗布して塗膜を形成する。本発明において用いられるネットワーク状炭素重合体は、繰り返し単位中に有機基を有するため有機溶剤に溶解しやすいので、正常に塗布して成膜を行うことができる。次いで、ホットプレート、オーブン等を用いて塗膜を加熱して溶剤を気化することによって、耐熱性および耐溶剤性に優れたマスク材16が形成される。本発明で用いられるネットワーク状炭素重合体を含む塗膜は、加熱によりポリマー中の炭素−ハロゲン(C−X)結合が熱分解してポリマー間の架橋が進行して不溶化するためである。
【0091】
なお、加熱温度は、50〜700℃の範囲が好ましく、70〜500℃の範囲がより好ましい。50℃未満の場合には、溶剤が充分に気化せず、一方700℃を越えると被加工膜が変質するおそれがあるからである。
【0092】
加熱雰囲気は特に限定されないが、ネットワーク状炭素重合体が酸化されてエッチング耐性が低下する場合には、酸素濃度10%以下、より好ましくは1%以下の低酸素雰囲気中で加熱を行うことが望まれる。
【0093】
さらに、塗膜に対して加熱、あるいはエネルギービームを照射してもよい。この場合には、マスク材16中に含まれる有機基が揮発あるいは炭化するので、よりエッチング耐性のある膜を得ることができる。エネルギービームとしては、例えば、紫外光、X線、電子ビーム、イオンビームなどを挙げることができる。紫外線を照射する場合、450nm以下の波長が含まれていることが好ましく、照射量は0.1mJ/cm2 以上が好ましい。その理由は、450nmを越える波長、あるいは0.1mJ/cm2 未満の照射量では有機基の揮発または炭化を充分に進行させることができないためである。電子ビームを照射する場合、加速電圧は0.1〜1000keV、照射量は0.1μC/cm2 〜10000C/cm2 の範囲が好ましい。加速電圧が0.1keV未満では表層部分のみしか電子ビームが照射されず、一方1000keVを越えると、電子ビームがマスク材を透過して照射効率が著しく低下してしまう。また、照射量が0.1μC/cm2 未満では有機基の揮発または炭化を充分に進行させることができず、一方10000C/cm2 を越えると処理時間の増大を招いてしまう。なお、加熱あるいはエネルギービームの照射でネットワーク状炭素重合体が酸化されてエッチング耐性が低下する場合には、加熱およびエネルギービームの照射は酸素濃度10%以下、より好ましくは1%以下の低酸素濃度雰囲気で行うことが望まれる。また、エネルギービームの照射と加熱とは同時に行ってもよい。
【0094】
次に、マスク材16上にレジスト溶液をスピンコート法などにより塗布し、ホットプレートあるいはオーブンなどを用いて加熱して溶媒を気化させることにより、図1(b)に示すようにレジスト膜17を形成する。レジスト膜17の膜厚を薄くすれば、それだけ露光時の露光量裕度、フォーカス裕度、あるいは解像度を向上させることができる。そのため、レジスト膜17の膜厚は、マスク材16を寸法制御性よくエッチングできる膜厚であれば薄いほうがよく、好ましくは10〜10,000nmが望ましい。10nm未満では、マスク材を良好な形状でエッチングすることが難しく、一方、10,000nmを越えると、解像度の低下を招いてしまう。
【0095】
レジスト膜17を形成するためのレジスト組成物としては、可視光、紫外光などの露光によりパターニング可能な組成物であれば特に限定はされず、ポジ型またはネガ型を選択して用いることができる。ポジ型のレジスト組成物としては、例えば、ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂とを含有するレジスト組成物(IX−770、JSR社製)、t−BOCで保護したポリビニルフェノール樹脂と酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物(APEX−E、シップレー社製)、およびターシャリブチルメタクリレートを共重合させたポリビニルフェノール樹脂と酸発生剤とを含有するレジスト組成物(UVIIHS、シップレー社製)などが挙げられる。また、ネガ型のレジストとしては、例えば、ポリビニルフェノールとメラミン樹脂と光酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト(SNR200,シップレー社製)、およびポリビニルフェノールとビスアジド化合物とを含有するレジスト(RD−2000N、日立化成社製)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0096】
なお、レジストパターンをマスク材16に転写する際に、通常の有機レジストを用いてマスク材16がレジストパターンに対してエッチングされにくい場合は、シリコンを含有したレジストを用いることが好ましい。この場合、シリコンの含有量はレジスト中の固形分100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。1重量部未満では充分なエッチング耐性を得ることができず、50重量部を越えるとレジストの安定性がなくなってしまう。
【0097】
次に、レジスト膜17等が形成されたウェハー基板10にパターン露光を行う。露光光の光源として、例えば紫外光、X線、電子ビーム、イオンビームなどが挙げられる。具体的には紫外光としては、水銀灯のg線(波長=436nm)、i線(波長=365nm)、あるいはXeF(波長=351nm)、XeCl(波長=308nm)、KrF(波長=248nm)、KrCl(波長=222nm)、ArF(波長=193nm)、およびF2 (波長=151nm)等のエキシマレーザーが挙げられる。必要に応じて、ホットプレート、オーブンなどを用いてポストエクスポージャーベークを行ってよい。
【0098】
次いで、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド)、コリンなどのアルカリ現像液で現像処理を行うことにより、図1(c)に示すようなレジストパターン17aが形成される。
【0099】
得られたレジストパターン17aをエッチングマスクとして用いて、マスク材16をドライエッチングすることによりレジストパターン17aをマスク材16に転写して、図2(a)に示すようなマスク材パターン16aを形成する。エッチング方式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPエッチングまたはECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されない。ソースガスは特に限定されることはないが、O2、CO、CO2などの酸素原子を含むガス;He、N2、Arなどの不活性ガス;Cl2、BCl3などの塩素系ガス;その他H2などを使用することができる。
【0100】
さらに、レジストパターン17aおよびマスク材パターン16aをエッチングマスクとして用いて、被加工膜としての金属配線層15をエッチングすることにより、図2(b)に示すような金属配線パターン15aが形成される。エッチング方式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPイオンエッチング、またはECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されるものではない。
【0101】
本発明のネットワーク状炭素重合体を用いて形成されたマスク材16は、スパッタリングされにくいカーボン原子で基本骨格が構成されるため、エッチャントの種類によることなく充分なエッチング耐性が得られる。その結果、マスク材パターン16aの肩落ちや後退を防ぐことができ、高い異方性をもって被加工膜15を加工することができる。この工程では、レジストパターン17aを除去して、マスク材パターン16aのみをエッチングマスクとして用いて被加工膜15をエッチングしてもよい。特に、高アスペクト比で超微細に被加工膜15を加工する際は、マスク材パターン16aを形成した後、別装置あるいは同一装置にてマスク材パターン16a上のレジストパターン17aを除去し、加工の際のエッチングマスクのアスペクト比を下げることが好ましい。この場合、被加工膜15を加工する際のエッチングマスクとなるのは、レジストパターンが転写されたマスク材パターン16aのみであるので、アスペクト比を小さく抑えることができ、マイクロローディング効果を抑えることができる。
【0102】
次に、エッチング後に残ったレジストパターン17aとマスク材パターン16aとを剥離除去して、図2(c)に示す構造を得る。剥離方法としては、特に限定されることはないが、本発明のネットワーク状炭素重合体を用いて形成されたマスク材は無機原子を含まないため、レジストパターンの剥離工程で使われている方法、すなわち、アッシャーなどで酸素ラジカルを照射する、あるいは硫酸と過酸化水素との混合液に浸漬して灰化することによって、レジストパターン17aおよびマスク材パターン16aを容易に剥離することができる。
【0103】
さらに本発明では、無機原子を含む中間層をマスク材16とレジスト膜17との間に形成してもよい。無機原子としては、特に限定されることはなく、Si、W、Ti、Al、Cuなどを挙げることができる。これらの原子が中間層固形分100重量部に対して5〜80重量部含まれていることが好ましい。無機原子の含有量が5重量部未満では中間層パターンをマスク材16に転写する際に中間層パターンのエッチング耐性が充分に得られないおそれがある。一方、80重量部を越えると、塗布法で中間層を形成することが困難になり、プロセスコストの増大を招いてしまうためである。
【0104】
中間層の膜厚は、10〜1000nmが好ましい。10nm未満ではレジストパターンを中間層に転写して得た中間層パターンをさらにマスク材に転写する際に、中間層パターンが削れてなくなったり、肩落ちが生じ寸法制御性よくエッチングすることが困難となる。一方1000nmを越えると、レジストパターンを寸法変換差を抑えて被加工膜に転写することが難しくなる。
【0105】
中間層を形成した後には、中間層を形成しなかった場合と同様にして、中間層上にレジスト膜を形成し、パターン露光を行ってレジストパターンを得る。
【0106】
得られたレジストパターンをエッチングマスクとして用いて中間層をエッチングし、レジストパターンを中間層に転写することにより中間層パターンを形成する。エッチング方式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPエッチング、またはECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されることはない。
【0107】
次に、中間層パターンをエッチングマスクとして用いてマスク材をエッチングし、レジストパターンを中間層に転写してマスク材パターンを得る。エッチング方式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPイオンエッチング、またはECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されることはない。ソースガスについては限定されることはないが、O2、CO、CO2などの酸素原子を含むガス;He、N2、Arなどの不活性ガス;Cl2、BCl3などの塩素系ガス;その他H2などを使用することができる。
【0108】
その後、中間層を形成しない場合と同様にして、マスク材パターンをエッチングマスクとして用いて被加工膜上にドライエッチングすることにより、マスク材パターンを被加工膜に転写する。本発明のネットワーク状炭素重合体により形成されたマスク材は、カーボン原子で基本骨格が構成されるためスパッタリングされにくく、エッチャントの種類によらず充分なエッチング耐性がある。その結果、マスク材パターンの肩落ちや後退を防ぐことができ、寸法制御性よく被加工膜を加工することができる。また、レジストパターンを除去して中間層パターンとマスク材パターンとをマスクとして用いて被加工膜をエッチングしてもよい。
【0109】
最後に、中間層を形成しない場合と同様にして、エッチング後に残ったレジストパターンとマスク材パターンとを剥離除去する。
【0110】
以上のように、第1のパターン形成方法においては、特定のネットワーク状炭素重合体を含有するマスク材をレジスト膜の下層に形成している。本発明で形成されるマスク材は、高いエッチング耐性を有しているので、レジスト膜厚を薄くしても被加工膜を異方性よく加工することができる。しかも、マスク材は湿式方法で正常に塗布することができ、被加工膜を加工後には灰化処理で剥離することができる。
【0111】
次に、本発明の第2のパターン形成方法について、図面を参照して説明する。
【0112】
図3および図4は、本発明の第2のパターン形成方法の一例を表す工程断面図である。
【0113】
まず、図3(a)に示すように、ウェハー基板20上に形成された被加工膜26上にマスク材27を形成する。被加工膜としては、前述の第1の発明のパターン形成方法で説明したようなものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0114】
図3(a)に示す例においては、被加工膜26は、絶縁膜21および金属配線層25を介してウェハー基板20上に形成されている。絶縁膜21は、例えばSiO2 膜、TEOS酸化膜等により形成することができ、その膜厚は300nm程度である。また、金属配線層25は、TiN層22、Ti層23および0.5%Cu−Al層24を含む積層構造である。
【0115】
第2のパターン形成方法においては、下地パターンに対して位置補正を行うので、被加工膜下層に下地パターンが形成されている。具体的には、図3(a)に示されるように下地パターンは、被加工膜の下層の金属配線層25に設けられ、AMで表されている。こうした下地パターンは、被加工膜に形成されていてもよい。さらに、下地パターンの大きさ、形状は特に限定されず、適宜決定することができる。
【0116】
マスク材27は、第1のパターン形成方法と同様の材料を用いて、同様の手法により被加工膜26上に形成することができる。
【0117】
次いで、マスク材27上にレジスト溶液をスピンコート法などにより塗布し、ホットプレートあるいはオーブンなどを用いて加熱して溶媒を気化させることにより、図3(b)に示すようにレジスト膜28を形成する。レジスト膜28を形成するためのレジスト組成物やその形成方法、およびレジスト膜の膜厚は、第1のパターン形成方法で説明したものと同様である。
【0118】
第1のパターン形成方法の場合と同様の理由から、固形分100重量部に対して1〜50重量部のシリコンを含有したレジストを用いることもできる。
【0119】
次に、図3(c)に示すように、レジスト膜28等が形成されたウェハー基板20に可視光を含むアライメント光ALを照射して、下地パターンAMの位置情報の検出を行う。アライメント光ALは、レジスト膜28を感光させないように照射することが好ましく、波長範囲は300〜800nmのいずれかの波長を含むことが好ましい。その理由は、300nm未満の波長ではレジストが感光してしまい、一方800nmを越える波長では下地パターンが微細になると位置検出を行うことが困難になるためである。
【0120】
本発明で用いられるネットワーク状炭素重合体は、主鎖中の炭素原子間の結合にπ結合が混成していないため、可視光領域での吸収が小さい。したがって、下地パターンAMからのアライメント光の戻り光を用いて高精度に位置検出を行うことができる。
【0121】
次に、図4(a)に示すようにレジストパターン28aを形成する。レジストパターンの形成に当たっては、まず、上述した位置情報に基づいて、露光するパターンの位置補正を行ってレジスト膜28に対してパターン露光を行なう。露光光の光源として、例えば紫外光、X線、電子ビーム、イオンビーム等、第1のパターン形成方法の場合と同様の光源を用いることができる。必要に応じて、ホットプレート、オーブンなどを用いてポストエクスポージャーベークを行ってもよい。
【0122】
次いでTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド)、コリンなどのアルカリ現像液で現像処理を行うことによりレジストパターン28aが形成される。下地パターンAMの位置検出を高精度に行うことができたため、下地パターンに対して高精度の重ね合わせ精度でレジストパターン28aを形成することができる。
【0123】
次にレジストパターン28aをエッチングマスクとして用いて、マスク材27をドライエッチングすることによりレジストパターン28aをマスク材27に転写して、図4(b)に示すようなマスク材パターン27aを形成する。エッチング方式およびソースガスとしては、第1のパターン形成方法の場合と同様のものを用いることができる。
【0124】
次いで、レジストパターン28aおよびマスク材パターン27aをエッチングマスクとして用いて被加工膜26をドライエッチングすることにより、図4(c)に示すようにマスク材パターン27aを被加工膜26に転写する。こうして被加工膜パターン26aが形成される。エッチング方式としては、例えば、反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPイオンエッチング、またはECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されるものではない。
【0125】
本発明のネットワーク状炭素重合体を用いて形成されたマスク材27は、スパッタリングされにくいカーボン原子で基本骨格が構成されるため、エッチャントの種類によることなく充分なエッチング耐性が得られる。その結果、マスク材パターン27aの肩落ちや後退を防ぐことができ、高い異方性をもって被加工膜26を加工することができる。この工程では、レジストパターン28aを除去して、マスク材パターン27aのみをエッチングマスクとして用いて被加工膜26をエッチングしてもよい。特に、高アスペクト比で超微細に被加工膜26を加工する際は、マスク材パターン27aを形成した後、別装置あるいは同一装置にてマスク材パターン27a上のレジストパターン28aを除去し、加工の際のエッチングマスクのアスペクト比を下げることが好ましい。この場合、被加工膜26を加工する際のエッチングマスクとなるのは、レジストパターンが転写されたマスク材パターン27aのみであるので、アスペクト比を小さく抑えることができ、マイクロローディング効果を抑えることができる。
【0126】
次に、エッチング後に残ったレジストパターン28aとマスク材パターン27aとを剥離除去して、図4(d)に示す構造を得る。剥離方法としては、特に限定されることはないが、本発明のネットワーク状炭素重合体を用いて形成されたマスク材は無機原子を含まないため、レジストパターンの剥離工程で使われている方法、すなわち、アッシャーなどで酸素ラジカルを照射する、あるいは硫酸と過酸化水素との混合液に浸漬して灰化することによって、レジストパターン28aおよびマスク材パターン27aを容易に剥離することができる。
【0127】
さらに第2のパターン形成方法においても、無機原子を含む中間層をマスク材27とレジスト膜28との間に形成することができる。中間層の材質および膜厚は、第1のパターン形成方法の場合と同様である。中間層を形成した後には、中間層を形成しなかった場合と同様にして、中間層上にレジスト膜を形成し、下地パターンの位置情報の検出を行った後、位置情報の検出結果に基づいて、露光するパターンの位置補正を行ってレジスト膜に対してパターン露光を行ってレジストパターンを得る。中間層を形成した場合も、前述の中間層を形成しなかった場合と同様に高精度の位置合わせを行うことができる。
【0128】
得られたレジストパターンをエッチングマスクとして中間層をエッチングしてレジストパターンを中間層に転写することにより中間層パターンを得、さらに中間層パターンをエッチングマスクとして用いてマスク材をエッチングしてマスク材パターンを得る。この場合のエッチング方式およびソースガスは、上述したものと同様である。
【0129】
さらに、上述と同様の手法によりマスク材パターンをエッチングマスクとして用いて被加工膜をドライエッチングすることにより、マスク材パターンを被加工膜に転写する。本発明のネットワーク状炭素重合体により形成されたマスク材は、カーボン原子で基本骨格が構成されるためスパッタリングされにくく、エッチャントの種類によらず充分なエッチング耐性がある。その結果、マスク材パターンの肩落ちや後退を防ぐことができ、寸法制御性よく被加工膜を加工することができる。また、レジストパターンを除去して中間層パターンとマスク材パターンとをマスクとして被加工膜をエッチングしてもよい。
【0130】
最後に、中間層を形成しない場合と同様にして、エッチング後に残ったレジストパターンとマスク材パターンとを剥離除去する。
【0131】
以上のように、第2のパターン形成方法においては、特定のネットワーク状炭素重合体を含有するマスク材をレジスト膜の下層に形成している。本発明で形成されるマスク材は、高いエッチング耐性を有しているので、レジスト膜厚を薄くしても、被加工膜を異方性よく加工することができる。しかも、マスク材は湿式方法で正常に塗布することができ、被加工膜を加工後には灰化処理で剥離することができる。
【0132】
加えて、アライメント光に対して透明性を有しているので、下地パターンに対して高精度の位置合わせを行ってレジストパターンを形成することが可能となる。
【0133】
次に、本発明の第3のパターン形成方法について、図面を参照して説明する。
【0134】
図5および図6は、本発明の第3のパターン形成方法の一例を表す工程断面図である。
【0135】
まず、図5(a)に示すように、ウェハー基板30上に形成された被加工膜31上に反射防止膜32を形成する。被加工膜としては、前述の第1の発明のパターン形成方法で説明したようなものが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0136】
反射防止膜32は、以下に説明するような材料を用いて、所定の膜厚で形成することができる。
【0137】
次いで、反射防止膜32上にレジスト溶液をスピンコート法などにより塗布し、ホットプレートあるいはオーブンなどを用いて加熱して溶媒を気化させることにより、図5(b)に示すようにレジスト膜33を形成する。レジスト膜33を形成するためのレジスト組成物やその形成方法、およびレジスト膜の膜厚は、第1のパターン形成方法で説明したものと同様である。
【0138】
得られたレジスト膜33に対してパターン露光、現像処理を施して図5(c)に示すようにレジストパターン33aを形成する。露光光源および現像液としては、すでに第1のパターン形成方法で説明したものを用いることができる。さらに必要に応じて現像処理に先だって、ホットプレート、オーブンなどを用いてポストエクスポージャーベークを行ってもよい。
【0139】
第3のパターン形成方法においては、こうして得られたレジストパターン33aを鋳型パターンとして用いることができる。この場合、鋳型パターンであるレジストパターン33aと被加工膜との間には、反射防止膜や帯電防止膜等のレジスト下層膜を介在させてもよい。また、第3のパターン形成方法においては、鋳型パターンは、反射防止膜パターンまたは犠牲膜パターンを含んでいてもよい。
【0140】
反射防止膜パターンを含む鋳型パターンは、例えば、次のような方法で形成することができる。すなわち、被加工膜上に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを前記反射防止膜パターンに転写して反射防止膜パターンを形成する工程とを具備する方法である。反射防止膜パターンを形成するためのエッチング方式としては、例えば反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPエッチング、およびECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されず、任意の方式で加工することができる。
【0141】
反射防止膜を形成するための材料としては、反射防止膜の露光波長での複素屈折率が1.0≦n≦2.5、0.05≦k≦1.0の範囲にあれば、特に限定されることはない。例えば、酸化タングステン、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの酸化金属;有機基修飾酸化タングステン、有機基修飾酸化チタン、有機基修飾酸化アルミニウムなどの有機基修飾酸化金属;ポリシラン、ポリシレン、ポリシロキサン、ポリシラザン、ポリイミド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリスチレン、ノボラック、ポリビニルフェノールなどの有機化合物が挙げられる。これらの化合物をアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤;乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;その他アニソール、トルエン、キシレン、ナフサなどの有機溶媒に溶解して、溶液材料を調製する。得られた溶液材料を、スピンコーティング法などでウェハー基板上に成膜した後、ホットプレート、オーブンなどを用いて加熱して反射防止膜を形成する。これら塗布法で成膜できる反射防止膜のほうが、成膜が簡易であるため好ましいが、スパッター法、蒸着法、CVD法などでSiOx Ny Cz (0≦x≦5,0≦y≦5,0≦z≦5)、カーボンなどを成膜してもよい。また、その膜厚は特に限定されないが、10〜5000nmが好ましい。反射防止膜の膜厚が10nm未満では反射を充分に抑制することができず、一方5000nmを越えると、反射防止膜のエッチングの際に加工変換差が発生して、寸法制御性よく被加工膜を加工することが困難になるからである。
【0142】
また、犠牲膜パターンを含む鋳型パターンは、例えば、次のような方法で形成することができる。すなわち、被加工膜上に犠牲膜を形成する工程と、前記犠牲膜上に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを前記反射防止膜および前記犠牲膜に転写して、反射防止膜パターンおよび犠牲膜パターンを形成する工程とを具備する方法である。犠牲膜パターンを形成するためのエッチング方式としては、例えば反応性イオンエッチング、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビームイオンエッチング、ICPエッチング、およびECRイオンエッチングなど微細加工可能なものであれば特に限定されず、任意の方式で加工することができる。この場合、反射防止膜および犠牲膜をエッチングする条件は、同一でも異なっていてもよい。
【0143】
犠牲膜を形成するための材料としては、レジストパターンに対して高速でエッチングできるものであれば特に限定されることはない。レジストパターンと犠牲膜との選択比としては、犠牲膜がレジストパターンに対して少なくとも1.5倍以上速くエッチングできることが好ましい。1.5倍未満の場合には、犠牲膜の加工途中でレジストパターンが削れてなくなるおそれがある。また、犠牲膜が露光波長に対して吸収を有してもよく、この場合には、犠牲膜を反射防止膜として作用させることができる。このため、犠牲膜上に反射防止膜を形成する必要がなくなり、工程簡略化の観点から好ましい。
【0144】
犠牲膜の材料としては、酸化タングステン、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの酸化金属;有機基修飾酸化タングステン、有機修飾酸化チタン、有機基修飾酸化アルミニウムなどの有機基修飾酸化金属;ポリシラン、ポリシレン、ポリシロキサン、ポリシラザン、ポリイミド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリスチレン、ノボラック、ポリビニルフェノールなどの有機化合物が挙げられる。これらの化合物を、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤;乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;その他アニソール、トルエン、キシレン、ナフサなどの有機溶媒に溶解して溶液材料を調製する。得られた溶液材料をスピンコーティング法などでウェハー基板上に成膜した後、ホットプレート、オーブンなどを用いて加熱して犠牲膜を得る。これら塗布法で成膜できる犠牲膜のほうが、成膜が簡易であるため好ましいが、スパッター法、蒸着法、CVD法などでアルミニウム、タングステン、カッパーなどの金属、SiOx Ny Cz (0≦x≦5,0≦y≦5,0≦z≦5)、カーボンなどを成膜してもよい。また、犠牲膜の膜厚は、50〜5000nmが好ましい。犠牲膜の膜厚が50nm未満ではアスペクト比の高い鋳型パターンを形成することができず、一方5000nmを越えると、犠牲膜のエッチングの際に加工変換差が発生して、寸法制御性よく被加工膜を加工することが困難になるからである。
【0145】
上述したような鋳型パターンとしてのレジストパターン33aを形成した後、図5(d)に示すように、鋳型パターン33aの間にマスク材34を埋め込む。マスク材34の形成に当たっては、まず、前述の一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体を含有するマスク材溶液を、所定の有機溶剤に溶解して調製する。用い得る有機溶剤としては、レジストパターンを溶解しないものであれば、特に限定されることはない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;その他アニソール、トルエン、キシレン、ナフサなどが挙げられる。得られた溶液を鋳型パターン上に塗布して、塗膜を形成する。
【0146】
なお、溶液をレジストパターン33a上に塗布した際に、レジストパターン上部がマスク材34で覆われる場合は、エッチバック、あるいは機械的化学的研磨などを行って、レジストパターン33a上部に残っているマスク材34を除去することが好ましい。
【0147】
第3のパターン形成方法において用いられ得るネットワーク状炭素重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、200〜200,000が好ましい。分子量が200未満ではレジストの溶媒にマスク材が溶解してしまい、一方、200,000を越えると、有機溶剤に溶解しにくく、溶液材料を調製しにくくなるためである。さらに、ネットワーク状炭素重合体は1種類に限ることなく、数種類の化合物を混合して用いてもよい。
【0148】
マスク材34を形成するためのマスク材溶液には、必要に応じて他の成分を配合してもよい。例えば、被加工膜への密着性を向上させるための密着性向上剤、架橋剤など、第1のパターン形成方法で説明したような成分を配合することができる。
【0149】
以上の方法で塗布材料を調製し、レジストパターン33aが形成された被加工膜上に例えばスピンコーティング法などで溶液材料を塗布して、鋳型パターン間にマスク材溶液を埋め込む。本発明において用いられるネットワーク状炭素重合体は、繰り返し単位中に有機基を有しているので有機溶剤に溶解しやすくなり、埋め込みを正常に行うことができる。
【0150】
続いて、ホットプレート、オーブンなどを用いて加熱して溶剤を気化させて、図5(d)に示すようにレジストパターン33a間にマスク材34を配置することができる。
【0151】
次に、加熱、あるいはエネルギービームを照射してレジストを分解した後、現像処理を行ってレジストパターン33aを溶解除去することで、図6(a)に示すようにマスク材パターン34aを形成する。加熱する際には、ホットプレート、オーブンなどを好適用いることができ、温度範囲は100〜250℃が好ましい。100℃未満ではレジストの分解が進行せず、一方、250℃を越えると架橋が起こってしまう。
【0152】
エネルギービームとしては、例えば、紫外光、X線、電子ビーム、イオンビームなどが挙げられる。紫外光を照射する場合、450nm以下の波長が含まれていることが好ましく、照射量は0.1mJ/cm2 以上が好ましい。その理由は、450nmを越える波長、あるいは0.1mJ/cm2 未満の照射量ではレジストの分解を充分に進行させることができないためである。電子ビームを照射する場合、加速電圧は0.1〜1000keV、照射量は0.1μC/cm2 〜10,000C/cm2 の範囲が好ましい。加速電圧が0.1keV未満では表層部分のみしか電子ビームが照射されず、1000keVを越えると電子ビームがマスク材を透過して照射効率が著しく低下してしまう。また、照射量が0.1μC/cm2 未満ではレジストの分解を進行させることができず、10,000C/cm2 を越えると処理時間の増大を招いてしまう。
【0153】
次いで、マスク材パターン34aをエッチングマスクとして用いて、反射防止膜32をエッチングし、図6(b)に示すような反射防止膜パターン32aを得る。除去方法は限定されることなく、ウェットエッチングあるいはドライエッチングなどが挙げられる。犠牲膜を反射防止膜の下層に形成した場合にも、同様にして除去し、犠牲膜パターンを形成する。
【0154】
得られた反射防止膜パターン32aおよびマスク材パターン34aをエッチングマスクとして用いて被加工膜31をドライエッチングすることにより、マスク材パターン34aを被加工膜31に転写して図6(c)に示すような被加工膜パターン31aを形成する。
【0155】
最後に、エッチング後に残ったマスク材パターン34aを剥離して、図6(d)に示すような構造を得る。
【0156】
第3のパターン形成方法においては、レジストパターンの間をマスク材で埋め込んでマスク材パターンを形成するので、寸法変換差を生じることなく、レジストパターンをマスク材に転写することができる。しかも、用いられるマスク材は、カーボン原子を多く含むことに起因して充分なドライエッチング耐性を有しており、異方性よく被加工膜を加工することができる。
【0157】
なお、本発明において架橋剤として用い得る化合物は、場合によってはその化合物単独で、あるいはそれを主成分とした組成物として用いて、上述したようなマスク材を形成することができる。具体的には、分子中に共役多重結合または三重結合を2つ以上有する重合体であり、この場合の共役多重結合にはベンゾシクロブタン構造も含まれる。
【0158】
共役多重結合の構造の例としては、ポリイン構造、ポリアセチレン構造、ポリジアセチレン構造、エンイン構造、キュムレン構造、およびジエン構造などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。こうした構造の具体例を以下に示す。
【0159】
【化25】
【0160】
(上記一般式中、nは正の整数である。)
こうした化合物を含む塗膜を基板上に形成し、加熱処理を施すとともにエネルギー線を照射して架橋させることによって、不溶化膜が形成される。エネルギー線としては、例えば光、EB、X線などを用いることができる。得られる不溶化膜は、反射防止能を有しエッチングマスクとして充分な特性を有する。
【0161】
上述したような化合物を効果的に硬化させるために、触媒や架橋剤を配合してもよい。触媒としてはラジカル発生剤が好ましく、架橋剤としては、多重結合、S−S結合、S−H結合、またはSi−H結合を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、任意のものを用いることができる。
【0162】
またさらに、本発明において架橋剤として用い得る石油系および石炭系ピッチ材料を用いて、上述したようなマスク材を形成することもできる。この場合、石油系および石炭系ピッチは、特に芳香族および脂肪族系炭化水素溶剤に可溶な成分を分離精製して用いられる。精製されたピッチを含む塗膜を基板上に形成し、加熱処理を施すとともにエネルギー線を照射して架橋させることによって不溶化膜が形成される。エネルギー線としては、例えば光、EB、X線などを用いることができる。得られる不溶化膜は、反射防止能を有しエッチングマスクとして充分な特性を有する。また、エネルギー線の照射等を施したことによって、不溶化膜の耐熱性および耐溶剤性も高められる。
【0163】
共役多重結合を有する化合物の場合と同様に、触媒および架橋剤を配合してもよい。触媒としてはラジカル発生剤が好ましく、架橋剤としては、多重結合、S−S結合、S−H結合、またはSi−H結合を2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、任意のものを用いることができる。
【0164】
こうした化合物を用いて、上述したような第1ないし第3のパターン形成方法で説明したようなマスク材を形成した場合も、被加工膜を異方性よく加工することができ、前述と同様の効果が得られる。
【0165】
【実施例】
以下に、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
【0166】
(実施例I)
本実施例においては、第1のパターン形成方法について述べる。
【0167】
(実施例I−1)
以下、図1および図2を参照しつつ本実施例を説明する。
【0168】
まず、シリコンウェハー10上に厚さ300nmのSiO2 膜11をスパッター法により形成した。このSiO2 膜11上に、被加工膜としての金属配線層15をスパッター法により形成した。金属配線層15は、TiN膜12(膜厚:40nm)、Ti膜13(膜厚:5nm)、0.5%−Cu−Al膜14(膜厚:230nm)、Ti膜13(膜厚:10nm)、およびTiN膜12(膜厚:20nm)が順次形成された積層構造である。
【0169】
得られた被加工膜である金属配線層15の上に、以下の(S1)〜(S6)に示す手法を用いて、図1(a)に示したようなマスク材16をそれぞれ形成した。
【0170】
(S1)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP1−1]で表される重量平均分子量12,000の化合物(n/m=1/1)1gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を被加工膜(金属配線層)15上にスピンコーティング法により塗布した後、窒素雰囲気中(酸素濃度50ppm以下)、330℃で60秒間加熱してマスク材を形成した。
【0171】
(S2)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP1−13]で表される重量平均分子量1,000の化合物(m/n/k=1/1/1)0.9gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を用いる以外は、前述の(S1)と同様にしてマスク材を形成した。
【0172】
(S3)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP2−1]で表される重量平均分子量1,000の化合物(m/n/k=1/1/1)0.9gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を用いる以外は、前述の(S1)と同様にしてマスク材を形成した。
【0173】
(S4)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP3−1]で表される重量平均分子量1,500の化合物0.9g、および架橋剤として前記化学式[LK−5]で表される化合物0.1gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を用いる以外は、前述の(S1)と同様にしてマスク材を形成した。
【0174】
(S5)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP3−12]で表される重量平均分子量1,400の化合物(m/n/k=1/1/1)0.9gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を用いる以外は、前述の(S1)と同様にしてマスク材を形成した。
【0175】
(S6)ネットワーク状炭素重合体として前記化学式[CP4−5]で表される重量平均分子量1,300の化合物0.85g、架橋剤として前記化学式[LK−5]で表される化合物0.1g、および架橋助剤としてシリルペルオキサイド0.05gを、クメン9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液を用いる以外は、前述の(S1)と同様にしてマスク材を形成した。
【0176】
各マスク材の膜厚は、いずれも300nmとした。
【0177】
塗膜の状態を目視で観察したところ、いずれのマスク材も正常に塗布が成されていた。さらに、原子間力顕微鏡を用いてマスク材表面の凹凸を調べた。凹凸の頂点と谷との差を測定した結果を下記表1に示す。
【0178】
いずれのマスク材も、凹凸の高さは1nm以下と測定精度以下で平坦な膜が得られた。露光光として用いる波長193nmのArFエキシマレーザーに対する複素屈折率を分光エリプソを用いて測定し、その結果を下記表1に示す。
【0179】
【表1】
【0180】
いずれのマスク材も、波長193nmの光に対して吸収を有しているので、被加工膜からレジスト膜への露光光の反射を抑制して反射防止膜として好適に作用する。
【0181】
次に、各マスク材16上にレジスト溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で140℃で90秒間のベーキングを行って、図1(b)に示すようなレジスト膜17を形成した。ここで用いたレジスト溶液は、重量平均分子量12,000の抑止剤樹脂としての化合物[P−1]9.9gと、酸発生剤としての化合物[PAG−1]0.1gとを乳酸エチル90gに溶解してなるポジ型化学増幅型レジストである。用いた化合物を以下に示す。
【0182】
【化26】
【0183】
得られたレジスト膜17の膜厚は150nmである。
【0184】
このレジスト膜17に対し、ArFエキシマレーザーを光源とする露光装置を用いてパターン露光を行った後、ホットプレートを用いて140℃で90秒間のベーキングを施した。ベーキング後のレジスト膜17に、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いて現像処理を施すことにより、図1(c)に示すような0.13μmのラインアンドスペースのレジストパターン17aを形成した。
【0185】
レジストパターン17aの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、いずれのマスク材上でも、図1(c)に示されるように定在波による波打ち形状は確認されず、下地基板からの反射が抑えられていることがわかる。
【0186】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、マスク材16をエッチングしてレジストパターン17aをマスク材に転写することにより、図2(a)に示すようにマスク材パターン16aを形成した。エッチング条件は、ソースガスO2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0187】
さらに、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、被加工膜としての金属配線層15をエッチングして、マスク材パターン16aを金属配線層15に転写することにより、図2(b)に示されるような金属配線パターン15aを得た。エッチング条件は、ソースガスBCl3 /Cl2 =100/30SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0188】
エッチングを途中でやめてマスク材パターン16aのエッチレートを調べた。測定結果を前記表1にまとめた。0.5%Cu−Al膜14のエッチレートは520nm/分であり、マスク材16のエッチレートは0.5%Cu−Al膜14のレートと比べて充分に遅く、マスク材として作用し得る。
【0189】
最後に、ダウンフロー型のアッシング装置を用いて金属配線層15のエッチング後に残ったマスク材パターン16aを剥離して、図2(c)に示す構造を得た。エッチング条件は、O2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度=1.5W/cm2、基板温度=30℃とした。その結果、残渣が残ることなくマスク材パターンを剥離することができた。剥離後に得られた金属酸化膜パターン断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図2(c)中に定義される金属配線パターン15aのテーパー角TPは、(S1)〜(S6)の方法で形成したマスク材26のいずれも85°以上あり許容値の85°を満たしており、異方性よく加工することができた。これは、表から分かるように本発明で用いたマスク材のエッチング耐性が高かったためと考えられる。
【0190】
(比較例I−1)
前述の実施例(I−1)の方法で形成した被加工膜上に、以下の(R1)〜(R4)の方法を用いて膜厚300nmのマスク材を形成した。
【0191】
(R1)Ar雰囲気中でグラファイトカーボンをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタリング法を用いて、膜厚400nmのマスク材を被加工膜上に形成した。この際の成膜条件は、基板温度250℃、圧力4×10-3torr、電力密度3.5W/cm2 、アルゴン流量40SCCMとした。
【0192】
(R2)カーボンブラック0.5gを乳酸エチル9gに分散して分散液を得、さらにこの分散液にポリサルフォン0.5gを溶解してマスク材液を調製した。このマスク材溶液をスピンコーティング法を用いて被加工膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて200℃60秒間加熱を行ってマスク材を形成した。
【0193】
(R3)フラーレン(C60)0.2gを乳酸エチル9gに分散させて分散液を得、さらにこの分散液に重量平均分子量12,000のポリヒドロキシスチレン0.8gを溶解させてマスク材液を調製した。このマスク材溶液をスピンコーティング法を用いて被加工膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて200℃で60秒間加熱を行ってマスク材を形成した。
【0194】
(R4)重量平均分子量12,000のノボラック樹脂1gを乳酸エチル9gに溶解してマスク材溶液を調製した。このマスク材溶液をスピンコーティング法を用いて被加工膜上に塗布した後、ホットプレートを用いて350℃で60秒間加熱を行ってマスク材を形成した。
【0195】
(R2)および(R3)の方法で形成したマスク材の表面状態を目視で観察したところ、ストリエーションが発生して正常な塗布を行うことができなかった。また、表面の凹凸を実施例(I−1)と同様の方法を用いて測定した結果を前述の表1にまとめた。(R1)および(R4)の方法で形成したマスク材の表面凹凸は測定誤差の1nm以下の平坦度が得られているものの、(R2)および(R3)の方法で形成したマスク材表面には10〜30nm程度の高さの凹凸がみられ、表面が平坦な膜を得ることができなかった。
【0196】
(R2)および(R3)の方法で正常に塗布できないのは、カーボンブラックおよびフラーレンの有機溶媒に対する溶解性が低いからであると考えられる。また、波長193nmでの複素屈折率を測定した結果を前述の表1に示した。(R1)〜(R4)のいずれも、波長193nmの光に対して吸収性を有しており、実施例と同様に反射防止膜として作用する。
【0197】
次に、表面凹凸のない塗膜が得られた(R1)および(R4)の方法で形成したマスク材を用いて、金属配線層の加工を行った。
【0198】
まず、マスク材上にレジストパターンを形成し、マスク材のエッチングを行ってレジストパターンをマスク材に転写してマスク材パターンを形成した。さらに、金属配線層のエッチングを行ってマスク材パターンを金属配線層に転写した。これらの工程は、実施例(I−1)と同様の条件で行った。エッチングを途中でやめて、マスク材のレートを調べた結果を前述の表1に示した。
【0199】
実施例(I−1)で形成したマスク材は、ノボラック樹脂の1.4倍以上のエッチング耐性を有しており、スパッターカーボン並みの耐性があるといえる。さらに、実施例(I−1)と同様の剥離方法でエッチング後に残ったレジストパターンおよびマスク材を剥離した。
【0200】
剥離後に得られた金属配線層の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、図2(c)中に定義した金属配線層のテーパー角TPを前述の表1に示した。ノボラック樹脂をマスク材として用いた場合のテーパー角は許容値の85°を下回っており、異方性よく被加工膜を加工することができなかった。また、本発明によるネットワーク状炭素重合体をマスク材として用いた場合は、スパッターカーボン並みに異方性よく加工できていることがわかる。
【0201】
以上のようにして、湿式方法で正常に塗布できる有機マスク材を用いた薄膜加工方法により、レジスト膜厚を薄くしても、被加工膜を異方性よく加工することが可能になった。
【0202】
(実施例I−2)
以下、図7ないし図9を参照して、本実施例を説明する。
【0203】
まず、実施例(I−1)と同様にして、絶縁膜としてのTEOS酸化膜11および金属配線層15をシリコンウェハー10上に順次形成した。
【0204】
得られた被加工膜である金属配線層15の上に、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)と同様の手法を用いて、図7(a)に示したようなマスク材16をそれぞれ形成した。各マスク材16のベーキング後の厚さは、いずれも300nmである。
【0205】
次に、各マスク材16上に、中間層材料となる溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で250℃で90秒間のベーキングを行って、図7(b)に示すような中間層18を形成した。中間層の膜厚は100nmである。ここで用いた中間層材料は、エタノール90gに、下記化学式[S−1]で表される分子量2,000のシリコン化合物10gを溶解してなる溶液である。
【0206】
【化27】
【0207】
得られた中間層18上にレジスト溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で140℃で90秒間のベーキングを行って、図7(c)に示すようなレジスト膜17を形成した。レジスト膜の膜厚は150nmである。ここで用いたレジスト溶液は、重量平均分子量12,000の抑止剤樹脂としての化合物[P−2]9.9gと、酸発生剤としての化合物[PAG−2]0.1gとを乳酸エチル90gに溶解してなるポジ型化学増幅型レジストである。用いた化合物を以下に示す。
【0208】
【化28】
【0209】
続いて、実施例(I−1)と同様にしてArFエキシマレーザーを光源とした露光装置を用いてパターン露光を行った。そして、ホットプレートを用いて140℃で90秒間のベーキングを行った後、0.21規定の現像液を用いて現像処理を行い、図8(a)に示すような0.13μmのラインアンドスペースパターンを形成した。
【0210】
レジストパターン17aの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、レジストパターンの側壁には定在波による波打ち形状はみられず、下地基板からの反射が抑えられていることがわかる。
【0211】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、中間層18をエッチングしてレジストパターン17aを中間層に転写することにより、図8(b)に示されるような中間層パターン18aを形成した。エッチング条件は、ソースガスCF4 /O2 /Ar=30/100/100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0212】
その後、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、マスク材16をエッチングして中間層パターン18aをマスク材に転写することにより、図8(c)に示されるようなマスク材パターン16aを形成した。エッチング条件は、ソースガスO2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0213】
さらに、金属配線層15をエッチングすることにより、図9(a)に示すようにマスク材パターン16aを金属配線層15に転写し、残ったマスク材パターン16aを剥離して、図9(b)に示すような構造を得た。エッチングおよび剥離は、実施例(I−1)と同様の条件で行った。剥離後に得られた金属配線層パターン15aの断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察して、図2(c)で定義した金属配線層パターンのテーパー角TPを調べたところ、実施例(I−1)と同様に異方性よく加工することができた。これは、本発明で用いたマスク材のエッチング耐性が高かったためと考えられる。
【0214】
以上のように、本発明における有機マスク材は、湿式方法で正常に塗布することができ、しかも充分なエッチング耐性を有しているので、被加工膜を異方性よく加工することが可能となった。
【0215】
(実施例II)
本実施例においては、第2のパターン形成方法について説明する。
【0216】
(実施例II−1)
以下、図3および図4を参照しつつ本実施例を説明する。
【0217】
まず、シリコンウェハー20上に厚さ300nmのSiO2 膜21をスパッター法により形成した。このSiO2 膜21上に、金属配線層25をスパッター法により形成した。金属配線層25は、TiN膜22(膜厚:40nm)、Ti膜23(膜厚:5nm)、0.5%−Cu−Al膜24(膜厚:230nm)、Ti膜23(膜厚:10nm)、およびTiN膜22(膜厚:20nm)が順次形成された積層構造である。金属配線層25には、長さ10μm、幅0.6μm、深さ0.2μmの溝パターンからなる下地パターンが合わせマークAMとして形成されている。
【0218】
金属配線層25上には、被加工膜としてのTEOS酸化膜26をLPCVD法により形成した後、機械的化学的研磨法を用いて表面が平滑な層間絶縁膜を形成した。金属配線層25の表面から層間絶縁膜の表面までの深さは400nmである。
【0219】
得られた被加工膜であるTEOS酸化膜26の上に、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)と同様の手法を用いて、図3(a)に示したようなマスク材27をそれぞれ形成した。
【0220】
各マスク材27のベーキング後の厚さは、いずれも300nmである。
【0221】
塗膜の状態を目視で観察したところ、いずれのマスク材も正常に塗布がなされていた。さらに、原子間力顕微鏡を用いてマスク材表面の凹凸を調べた。凹凸の頂点と谷との差を測定した結果を下記表2に示す。
【0222】
凹凸の高さはいずれも1nm以下であり、測定精度以下で平坦な膜が得られた。なお、本実施例においては、露光光として波長248nmの紫外光を用い、下地パターン検出のためのアライメント光としては波長515nmの可視光を用いる。これらの波長での複素屈折率を分光エリプソを用いて測定し、測定結果を下記表2に示す。
【0223】
【表2】
【0224】
表2に示されるように、マスク材27は、波長248nmの光に対しては吸収があり、被加工膜26からレジスト膜への露光光の反射を抑制して反射防止膜として好適に作用する。また、マスク材27は波長515nmの光に対しては透明であるので、アライメントマークの位置情報の検出を行うことができる。
【0225】
次に、各マスク材27上にレジスト溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で110℃で90秒間のベーキングを行うことにより、図3(b)に示すようなレジスト膜28を形成した。ここで用いたレジスト溶液は、水酸基の30%をトリメチルシリルシランで置換した重量平均分子量12,000の抑止剤樹脂としてのポリビニルフェノール9.9gと、酸発生剤としてのスルフォンイミド0.1gとを乳酸エチル90gに溶解してなるポジ型化学増幅型レジストである。
【0226】
得られたレジスト膜28の膜厚は150nmである。
【0227】
次に、波長515nmの可視光をアライメント光ALとして用いて、図3(c)に示すように合わせマークAMの位置情報の検出を行った。位置情報の検出に当たっては、図10に示した光学系を用いて、合わせマークからの反射光の検出を行った。具体的には図10に示されるように、アライメント光ALは、レンズ51およびミラー52を経て合わせマークAMに照射され、合わせマークからの反射光53は、レンズ55を経て検出器54に到達する。
【0228】
その結果、可視光が下地パターン付近を走査すると、高いコントラストで位置情報の検出ができた。図11には、(S1)の方法で形成したマスク材についての信号強度のプロファイルを示す。入射したアライメント光の強度I0 を検出強度Iで除した比率で表されるゲイン(=I/I0 )の値を下記表3に示す。マスク材のk値が高いほど、コントラストが低下して下地パターンの検出が困難になっている。これは、マスク材をアライメント光が透過しにくくなっているためであると考えられる。
【0229】
次に、位置情報の検出結果に基づいて、露光するパターンの位置補正を行った後、KrFエキシマレーザーを光源とした露光装置を用いてレジスト膜28にパターン露光を行った。次いで、ホットプレート上で110℃で90秒間のベーキングを施した後、0.21規定の現像液を用いて現像処理を行って、図4(a)に示すような直径0.13μmのコンタクトホール28bを形成した。
【0230】
レジストパターン28aの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、レジストパターンの側壁には定在波による波打ち形状は見られず、下地基板からの反射が抑えられていることがわかる。また、下地パターンAMとコンタクトホールパターンとの位置ずれ量を測定した結果を下記表3に示す。いずれのマスク材についても、許容範囲内の10nm以下の精度で位置合わせができており、ギガビット級の半導体素子の製造に必要とされる重ね合わせ精度を実現することができた。
【0231】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、マスク材27をエッチングしてレジストパターン28aをマスク材に転写することにより、図4(b)に示されるようなマスク材パターン27aを形成した。エッチング条件は、ソースガスO2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0232】
さらに、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、被加工膜としてのTEOS酸化膜26をエッチングして、マスク材パターン27aをTEOS酸化膜26に転写することにより、図4(c)に示されるような被加工膜パターン26aを得た。エッチング条件は、ソースガスCF4 /O2 /Ar=100/100/30SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0233】
エッチングを途中で止めてマスク材パターンのエッチレートを調べ、得られた測定結果を下記表3に示す。
【0234】
【表3】
【0235】
TEOS酸化膜26のレートは320nm/分であり、マスク材パターン27aのレートはTEOS酸化膜のレートと比べて充分に遅い。このため、マスク材パターン27aは、エッチングマスクとして好適に作用し得る。
【0236】
最後に、ダウンフロー型のアッシング装置を用いてTEOS酸化膜のエッチング後に残ったマスク材パターンを剥離して、図4(d)に示す構造を得た。エッチング条件は、O2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度=1.5W/cm2、基板温度=30℃とした。その結果、残渣が残ることなくマスク材パターンを剥離することができた。剥離後に得られたTEOS酸化膜パターン断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図4(d)中に定義されるTEOS酸化膜パターンのテーパー角TPは、(S1)〜(S6)の方法で形成したマスク材のいずれも86°と許容値の85°を満たしており、異方性よく加工することができた。これは、表から分かるように本発明で用いたマスク材のエッチング耐性が高かったためと考えられる。
【0237】
なお、本実施例においては、金属配線層25に位置合わせマークAMを形成したが、被加工膜自体に位置合わせマークが形成されていてもよい。
【0238】
(比較例II−1)
実施例(II−1)で形成した被加工膜上に、前述の比較例(I−1)と同様の(R1)〜(R4)の方法を用いて膜厚300nmのマスク材を形成した。
【0239】
(R2)および(R3)の方法で形成したマスク材の表面状態を目視にて観察したところ、ストリエーションが発生して、正常な塗布を行うことができなかった。また、表面の凹凸を実施例(II−1)と同様の方法を用いて測定した結果を前述の表2にまとめた。(R1)および(R4)の方法で形成したマスク材の表面凹凸は測定誤差の1nm以下の平坦度が得られているものの、(R2)および(R3)の方法で形成したマスク材表面には10〜30nm程度の高さの凹凸がみられ、均一な膜厚の塗膜を得ることができなかった。
【0240】
(R2)および(R3)の方法で正常に塗布できないのは、カーボンブラックおよびフラーレンの有機溶媒に対する溶解性が低いからであると考えられる。また、波長248nmおよび515nmでの複素屈折率を測定した結果を前述の表2にまとめた。(R1)〜(R4)のいずれも、波長248nmの光に対して吸収性を有しているので、これらのマスク材は実施例で形成されたものと同様に反射防止膜として作用する。しかしながら、(R1)〜(R3)のマスク材は、波長515nmの光に対しても吸収性があり、マスク材の表面でアライメント光が吸収されるおそれがある。
【0241】
次いで、各マスク材の上に前述の実施例(II−1)と同様の方法を用いてレジスト膜を形成した後、同様の方法を用いて合わせマークの位置情報の検出を行った。実施例(II−1)と同様にして検出信号の強度を測定してゲインを算出した結果を、前述の表3にまとめた。表3に示されるように、(R1)〜(R3)の方法で形成されたマスク材のコントラストは、いずれも0.2以下であり、実施例と比較すると著しく低下していることがわかる。
【0242】
さらに、実施例(II−1)と同様にして、位置情報の検出結果をもとに、露光するパターンの位置補正を行った後、レジスト膜に対してパターン露光を行った。次いで、ポストエクスポージャーベーク、現像処理を前述の実施例と同様の手法で順次行ってレジストパターンを形成した。
【0243】
下地パターンとコンタクトホールパターンの位置ずれ量を測定した結果を、前述の表3にまとめた。(R1)〜(R3)のいずれの方法で形成されたマスク材も、許容範囲の10nm以上の位置ずれが起こっており、精度よく位置合わせを行うことができなかった。
【0244】
次に、表面凹凸ない塗膜が得られた(R1)および(R4)の方法で形成したマスク材を用いて、TEOS酸化膜の加工を行った。
【0245】
まず、マスク材上にレジストパターンを形成し、マスク材のエッチングを行って、レジストパターンをマスク材に転写してマスク材パターンを形成した。さらに、TEOS酸化膜のエッチングを行ってマスク材パターンをTEOS酸化膜に転写した。これらの工程は、実施例(II−1)と同様の条件で行った。エッチングを途中でやめて、マスク材のレートを調べた結果を前述の表3にまとめた。
【0246】
実施例(II−1)で形成したマスク材は、ノボラック樹脂の1.4倍以上のエッチング耐性があり、スパッターカーボン並みの耐性があるといえる。さらに、実施例(II−1)と同様の剥離方法でエッチング後に残ったレジストパターンおよびマスク材を剥離した。
【0247】
剥離後に得られた金属配線層の断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、図4(d)中に定義した金属配線層のテーパー角TPを前述の表3にまとめた。ノボラック樹脂をマスク材として用いた場合のテーパー角は許容値の85°を下回っており、異方性よく被加工膜を加工することができなかった。また、本発明によるネットワーク状炭素重合体をマスク材として用いた場合は、スパッターカーボン並みに異方性よく加工できていることがわかる。
【0248】
以上のように、本発明における有機マスク材は、湿式方法で正常に塗布することができ、しかも充分なエッチング耐性を有しているので、被加工膜を異方性よく加工することが可能となった。
【0249】
さらに、アライメント光に対する透明性を付与したマスク材を用いることにより、高精度で位置合わせを行ってレジストパターンを形成することが可能になった。
【0250】
(実施例II−2)
以下、図12ないし図14を参照して本実施例を説明する。
【0251】
まず、実施例(II−1)と同様にして、絶縁膜としてのSiO2 膜21、金属配線層25および被加工膜としてのTEOS酸化膜26をシリコンウェハー20上に順次形成した。金属配線層25には、実施例(II−1)の場合と同様に、長さ10μm、幅0.6μm、深さ0.2μmの溝パターンからなる下地パターンが合わせマークAMとして形成されている。
【0252】
得られた被加工膜であるTEOS酸化膜26の上に、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)と同様の手法を用いて、図12(a)に示したようなマスク材27をそれぞれ形成した。各マスク材27のベーキング後の厚さは、いずれも300nmである。
【0253】
次に、各マスク材27上に、中間層材料となる溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で250℃で90秒間のベーキングを行って、図12(b)に示すような中間層29を形成した。中間層の膜厚は100nmである。ここで用いた中間層材料は、エタノール80gおよび乳酸エチル10gとの混合溶媒に重量平均分子量2,000のシリコン化合物(実施例I−2の[S−1])10gを溶解してなる溶液である。アライメント光として用いる波長515nmの光に対する中間層の複素屈折率は、n=1.49、k=0.01であり、アライメント光に対してほぼ透明である。
【0254】
次に、各中間層29上にレジスト溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で140℃で90秒間のベーキングを行って、図12(c)に示すようなレジスト膜28を形成した。ここで用いたレジスト溶液は、水酸基の30%をターシャリブトキシカルボニル基で置換した重量平均分子量12,000の抑止剤樹脂としてのポリビニルフェノール9.9gと、酸発生剤としてのスルフォンイミド0.1gとを乳酸エチル90gに溶解してなるポジ型化学増幅型レジストである。得られたレジスト膜28の膜厚は、いずれも150nmである。
【0255】
次に、実施例(II−1)と同様にして図13(a)に示すように下地パターンの位置情報の検出を行った。その結果、実施例(II−1)の場合と同様に高いゲインで位置情報の検出を行うことができた。
【0256】
続いて、位置情報の検出結果に基づいて、露光するパターンの位置補正を行った後、KrFエキシマレーザーを光源とした露光装置を用いてレジスト膜28にパターン露光を行った。次いで、ホットプレート上で110℃で90秒間のベーキングを施した後、0.21規定の現像液を用いて現像処理を行って、図13(b)に示すような直径0.13μmのコンタクトホール28bを形成した。
【0257】
レジストパターン28aの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、レジストパターンの側壁には定在波による波打ち形状はみられず、下地基板からの反射が抑えられていることがわかる。また、下地パターンAMに対して10nm以下の位置精度でコンタクトホールパターンとの位置合わせができていた。この結果から、ギガビット級の半導体素子の製造に必要とされる重ね合わせ精度を実現できることがわかる。
【0258】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、中間層29をエッチングしてレジストパターン28aを中間層に転写することにより、図13(c)に示されるような中間層パターン29aを形成した。エッチング条件は、ソースガスCF4 /O2 /Ar=30/100/100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0259】
続いて、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、マスク材27をエッチングして中間層パターン29aをマスク材に転写することにより、図14(a)に示されるようなマスク材パターン27aを形成した。エッチング条件は、ソースガスO2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度3.0W/cm2 、基板温度30℃とした。エッチング時間は、プラズマ発光によって検出された終点に対して30%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0260】
さらに、TEOS酸化膜26をエッチングすることにより、図14(b)に示すようにマスク材パターン27aをTEOS酸化膜に転写し、残ったマスク材パターンを剥離して、図14(c)に示すような構造を得た。エッチングおよび剥離は、前述の実施例(II−1)と同様の条件で行った。剥離後に得られたTEOS酸化膜パターン26aの断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察して、図4(d)で定義したTEOS酸化膜パターンのテーパー角TPを調べたところ、実施例(II−1)の場合と同様に異方性よく加工することができた。これは、本発明で用いたマスク材27のエッチング耐性が高かったためと考えられる。
【0261】
本実施例のように、マスク材27とレジスト膜28との間に、アライメント光を完全に遮光しない限り中間層29として薄膜を形成してもよい。
【0262】
以上の実施例に示されるように、本発明における有機マスク材は、湿式方法で正常に塗布することができ、しかも充分なエッチング耐性を有しているので、被加工膜を異方性よく加工することが可能となった。加えて、本発明で形成されるマスク材は、灰化処理で剥離することができる。
【0263】
さらに、アライメント光に対する透明性を付与したマスク材を用いることにより、高精度で位置合わせを行ってレジストパターンを形成することが可能になった。
【0264】
(実施例III)
本実施例においては、第3のパターン形成方法について説明する。
【0265】
(実施例III−1)
以下、図5ないし図8を参照して本実施例を説明する。
【0266】
まず、シリコンウェハー30上に被加工膜として膜厚700nmのSiO2 膜31をLPCVD法により形成した。
【0267】
得られた被加工膜であるSiO2 膜31上に、図5(a)に示すように膜厚90nmの反射防止膜32を形成した。反射防止膜の形成に当たっては、まず、ポリサルフォン10gをシクロヘキサノン90gに溶解して、反射防止膜溶液を調製した。この溶液を被加工膜であるSiO2 膜31上にスピンコーティング法により塗布し、ホットプレートを用いて220℃で90秒間ベーキングを行って反射防止膜32を形成した。
【0268】
反射防止膜32上にはレジスト溶液をスピンコーティング法により塗布し、ホットプレート上で110℃で90秒間のベーキングを行って、図5(b)に示すようにレジスト膜33を形成した。ここで用いたレジスト溶液は、水酸基の30%をトリメチルシリルシランで置換した重量平均分子量12,000の抑止剤樹脂としてのポリビニルフェノール9.9g、および酸発生剤としてのスルフォンイミド0.1gを乳酸エチル90gに溶解することにより調製したポジ型化学増幅型レジストである。
【0269】
得られたレジスト膜33の膜厚は150nmである。
【0270】
次に、レジスト膜に対してKrFエキシマレーザーを照射してパターン露光を行った後、ホットプレートを用いて110℃90秒間のベーキングを施した。ベーキング後のレジスト膜33は、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いて現像処理を行うことにより、図5(c)に示すような0.15μmのラインアンドスペースパターン33aを形成した。
【0271】
続いて、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)と同様の手法を用いて、レジストパターン33aが形成されたウェハー上にスピンコーティング法を用いて塗布して、図5(d)に示されるようにレジストパターン間をマスク材で埋め込んだ。
【0272】
さらに、ホットプレートを用いて160℃で60秒間の加熱を行い、マスク材中の溶媒を気化させるとともに、レジストパターン中の溶解抑止基を分解した。続いて、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド現像液を用いて現像処理を行うことによりレジストパターン33aを溶解除去して、図6(a)に示すようなマスク材パターン34aを形成した。
【0273】
本方法によれば、解像性が一般にポジ型レジストより劣るネガ型レジストを用いることなく、ポジ型レジストを用いて反転パターンを形成することができる。したがって、広い露光マージンを得ることが可能となる。
【0274】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、反射防止膜32および被加工膜31を連続してエッチングして、マスク材パターン34aを被加工膜31に転写した。こうして、図6(c)に示すような被加工膜パターン31aが形成された。エッチング条件は、CF4 /O2 /Ar=30/100/150SCCM、真空度45mTorr、励起電力密度1.5W/cm2 、基板温度30℃とした。
【0275】
続いて、ダウンフロー型のアッシング装置を用いて、被加工膜のエッチング後に残ったマスク材パターンおよび反射防止膜パターンを剥離して、図6(d)に示す構造を得た。エッチング条件は、O2 =100SCCM、真空度40mTorr、励起電力密度=1.5W/cm2、基板温度=30℃とした。
【0276】
マスク材パターンおよび反射防止膜パターンを剥離した後、図6(d)中に定義される被加工膜パターン31aの間隔Y1 と、図5(c)中に定義されるレジストパターン33aの幅X1 との差で表される寸法変換差(=Y1 −X1 )を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。得られた結果を下記表4にまとめる。
【0277】
【表4】
【0278】
表4に示されるように、いずれの場合も寸法変換差は4nmと、許容範囲量の15nm以下であり、寸法制御性よく被加工膜31を加工することができた。被加工膜のエッチングを途中で止めて、マスク材とSiO2 膜とのエッチレートを調べた結果を前述の表4にまとめた。このときのSiO2 膜のエッチレートは420nm/分である。マスク材のエッチレートは、SiO2 より充分に遅くエッチング耐性があるため、異方性よく加工することができたと考えられる。
【0279】
(比較例III−1)
以下、図20を参照して本比較例を説明する。
【0280】
まず、図20(a)に示されるように、シリコンウェハー100上に、被加工膜101および反射防止膜102を実施例(III−1)と同様の方法で順次形成した。
【0281】
反射防止膜102上には、実施例(III−1)と同様にして、図20(b)に示すようなレジスト膜103を形成した。ただし、ベーキング後のレジスト膜103の膜厚は400nmである。続いて、実施例(III−1)と同様にして、図20(c)に示されるようなレジストパターン103aを形成した。
【0282】
レジストパターン103aをエッチングマスクとして反射防止膜102をエッチングして、図20(d)に示すような反射防止膜パターン102aを形成し、さらに、被加工膜101をエッチングして図20(e)に示すような被加工膜パターン101aを形成した。
【0283】
最後に、実施例(III−1)と同様にしてエッチング後に残ったレジストパターンおよび反射防止膜パターンを剥離除去して、図20(f)に示すような構造を得た。
【0284】
マスク材パターンおよび反射防止膜パターンを剥離した後、図20(f)中に定義される被加工膜パターン101aの幅Y2 と、図20(c)中に定義されるレジストパターン103aの幅X2 との寸法差で表される寸法変換差(=Y2 −X2 )を調べた。寸法変換差は18nmであり、許容範囲の15nmを越すことがわかった。
【0285】
被加工膜のエッチングを途中で止めて、レジストパターンのエッチング耐性を調べたところ、レジストパターンのエッチレートは74nm/分であり、実施例(III−1)で形成したマスク材パターンは、レジストパターンと比較してエッチング耐性が高いことが確認された。したがって、実施例(III−1)で被加工膜を寸法制御性よく加工できたものと考えられる。
【0286】
(実施例III−2)
以下、図15および図16を参照しつつ、本実施例を説明する。
【0287】
まず、シリコンウェハー30上に被加工膜としての厚さ700nmのSiO2 膜31をLPCVDにより形成した。
【0288】
得られた被加工膜であるSiO2 膜31上に、図15(a)に示すように膜厚300nmの反射防止膜32を形成した。反射防止膜の形成に当たっては、まず、WO3 10gをメタノール90gに溶解して、反射防止膜溶液を調製した。この溶液を被加工膜であるSiO2 膜31上にスピンコーティング法により塗布し、ホットプレートを用いて220℃で90秒間ベーキングを行って反射防止膜32を形成した。
【0289】
次に、実施例(III−1)と同様の手法を用いて、図15(b)に示すようなレジスト膜33を反射防止膜32上に形成した。ここでのレジスト膜33の膜厚は、150nmである。さらに、パターン露光および現像処理を施して、図15(c)に示すような0.15μmのラインアンドスペースパターン33aを形成した。
【0290】
次に、マグネトロン型反応性イオンエッチング装置を用いて、反射防止膜32をエッチングしてレジストパターン33aを反射防止膜に転写して、図15(d)に示すような反射防止膜パターン32aを形成した。エッチング条件は、CF4 /O2 /Ar=30/100/150SCCM、真空度45mTorr、励起電力密度1.5W/cm2 、基板温度30℃とした。
【0291】
反射防止膜32は、レジストパターン33aに対して12.0倍の速度でエッチングされ、レジスト膜33の膜厚を薄くしても異方性よく反射防止膜32をエッチングすることができた。エッチング後に残ったレジストパターン33aと反射防止膜パターン32aとを鋳型パターンとして用いた。
【0292】
続いて、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)で調製したマスク材溶液を用いて、反射防止膜パターン32aおよびレジストパターン33aの積層構造からなる鋳型パターンが形成されたウェハー上にスピンコーティング法を用いて塗布した。こうして、図16(a)に示されるように鋳型パターン間をマスク材で埋め込んだ。さらに、ホットプレートを用いて160℃60秒間の加熱を行い、マスク材中の溶媒を気化させるとともに、レジストパターン中の溶解抑止基を分解した。その後、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド現像液を用いて現像処理を行い、レジストパターン33aおよび反射防止膜パターン32aを溶解除去して、図16(c)に示すようなマスク材パターン34aを形成した。
【0293】
本方法によれば、解像性が一般的にポジ型レジストよりも劣るネガ型レジストを用いることなく、ポジ型レジストを用いて反転パターンを形成することができ、広い露光マージンを得ることが可能となる。また、実施例(III−1)の場合よりも膜厚の厚い反射防止膜パターン32aの間にマスク材34を埋め込むので、レジストパターン33aの膜厚が薄くてもマスク材パターン34aの膜厚を厚くすることができる。
【0294】
以上のようにして得られたマスク材パターン34aをエッチングマスクとして用いて、実施例(III−1)と同様の条件で被加工膜31をエッチングし、マスク材パターン34aを被加工膜31に転写した。その結果、図16(d)に示されるような被加工膜パターン31aが形成された。
【0295】
最後に、エッチング後に残ったマスク材パターン34aを実施例(III−1)と同様の方法を用いて剥離し、図16(e)に示すような構造を得た。剥離後、得られた被加工膜パターン31aの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、実施例(III−1)の場合と同様に高精度で加工されていることが確認された。
【0296】
(実施例III−3)
以下、図17ないし図19を参照しつつ、本実施例を説明する。
【0297】
まず、シリコンウェハー30上に被加工膜としての厚さ700nmのSiO2 膜31をLPCVDにより形成した。
【0298】
被加工膜であるSiO2 膜31上には、犠牲膜材料の溶液をスピンコーティング法を用いて塗布して、図17(a)に示すような膜厚400nmの犠牲膜35を形成した。ここで用いた犠牲膜材料の溶液は、下記化学式[S−2]で表される有機シリコン化合物10gをメチルイソブチルケトン90gに溶解して得られた溶液である。
【0299】
【化29】
【0300】
犠牲膜35上には、実施例(III−1)と同様の方法で、図17(b)に示すような膜厚90nmの反射防止膜32を形成し、さらに反射防止膜32上には、実施例(III−2)と同様の方法により、図17(c)に示すようなレジスト膜33を形成した。ここでのレジスト膜33の膜厚は150nmである。さらに、パターン露光および現像処理を施して、図17(d)に示すような0.15μmのラインアンドスペースパターン33aを形成した。
【0301】
次に、マグネトロン型反応性イオンプラズマエッチング装置を用いて、反射防止膜32および犠牲膜35を連続してエッチングして除去し、図18(b)に示されるような反射防止膜パターン32aおよび犠牲膜パターン35aを形成した。エッチング条件は、CF4 /O2 /Ar=30/100/150SCCM、真空度45mTorr、励起電力密度1.5W/cm2 、基板温度30℃とした。
【0302】
犠牲膜35は、レジストパターン33aに対して15.0倍の速度でエッチングされ、レジストパターンの膜厚を薄くしても異方性よく犠牲膜35をエッチングすることができた。
【0303】
こうして形成された犠牲膜パターン35a、反射防止膜パターン32aおよびエッチング後に残ったレジストパターン33aを鋳型パターンとして用いる。
【0304】
続いて、前述の実施例(I−1)で説明した(S1)〜(S6)で調製したマスク材溶液を用いて、犠牲膜パターン35a、反射防止膜パターン32aおよびレジストパターン33aの積層構造からなる鋳型パターンが形成されたウェハー上にスピンコーティング法を用いて塗布して、図18(c)に示されるように鋳型パターン間をマスク材で埋め込んだ。さらに、ホットプレートを用いて160℃60秒間の加熱を行い、マスク材中の溶媒を気化させるとともに、レジストパターン中の溶解抑止基を分解した。その後、0.21規定のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド現像液を用いて現像処理を行い、図18(d)に示すようにレジストパターン33aを溶解除去した。
【0305】
次に、実施例(III−1)で反射防止膜をエッチングしたのと同様の条件で、マスク材34をエッチングマスクとして用いて図19(a)に示すように反射防止膜パターン32aを除去した。さらに、希フッ酸を純水で100倍に薄めた希フッ酸液にウェハーを浸漬して、図19(b)に示すように犠牲膜パターン35aを溶解除去し、マスク材パターン34aを形成した。
【0306】
以上のようにして得られたマスク材パターン34aをエッチングマスクとして用いて、実施例(III−1)と同様の条件で被加工膜31をエッチングし、マスク材パターン34aを被加工膜31に転写した。その結果、図19(c)に示されるような被加工膜パターン31aが形成された。
【0307】
最後に、エッチング後に残ったマスク材パターン34aを実施例(III−1)と同様の方法を用いて剥離して、図19(d)に示すような構造を得た。剥離後、得られた被加工膜パターン31aの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、実施例(III−1)と同様に高精度で加工されていることが確認された。
【0308】
(実施例IV)
本実施例においては、マスク材の材料を変更して被加工膜の加工を行った例について説明する。
【0309】
(実施例IV−1)
共役多重結合を有する化合物として下記化学式で表される平均分子量1,000のポリ(フェニレンジアセチレン)1gを、キシレン9gに溶解して溶液を調製した。
【0310】
【化30】
【0311】
得られた溶液を用いてマスク材を形成する以外は、前述の実施例(I−1)と同様の手法で被加工膜の加工を行った。その結果、実施例(I−1)の場合と同様に被加工膜を異方性よく加工して、被加工膜パターンを形成することができた。
【0312】
(実施例IV−2)
まず、コールタールピッチ(軟化点120℃)20gをトルエン2リットルに溶解し、得られた溶液から不溶成分を濾過した後、濾液を洗浄した。さらに、溶液を濃縮し、エタノールから再沈殿によって平均分子量3500の精製ピッチ5gを得た。この精製ピッチ1gをクメン9gに溶解して溶液を調製した。
【0313】
得られた溶液を用いてマスク材を形成する以外は、前述の実施例(I−1)と同様の手法で被加工膜の加工を行った。その結果、実施例(I−1)の場合と同様に被加工膜を異方性よく加工して、被加工膜パターンを形成することができた。
【0314】
(実施例IV−3)
前述の実施例(IV−2)で得られた精製ピッチ1g、およびパークミルD(日本油脂製)0.1gをクメン9gに溶解して溶液を調製した。
【0315】
得られた溶液を用いてマスク材を形成する以外は、前述の実施例(I−2)と同様の手法で被加工膜の加工を行った。その結果、実施例(I−2)の場合と同様に異方性よく被加工膜を加工して、被加工膜パターンを形成することができた。
【0316】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、湿式方法で正常に塗布できるとともに充分なエッチング耐性を有し、しかも灰化処理で剥離することができるマスク材を用い、レジスト膜厚を薄くした際でも被加工膜を異方性よく加工可能なパターン形成方法が提供される。また本発明によれば、アライメント光に対する透明性を付与したマスク材を用い、下地パターンに対して高精度の位置合わせを行ってパターンを形成可能なパターン形成方法が提供される。さらに本発明によれば、レジストパターンをマスク材に転写する際に生じる寸法変換差を抑制して、寸法精度よく被加工膜を加工可能なパターン形成方法が提供される。
【0317】
本発明は、半導体装置を製造するための微細加工に極めて有効に用いられ、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成方法の一例を表わす工程断面図。
【図2】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図3】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図4】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図5】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図6】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図7】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図8】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図9】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図10】アライメントの光学系を示す概略図。
【図11】アライメント光の検出信号を示すグラフ図。
【図12】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図13】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図14】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図15】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図16】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図17】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図18】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図19】本発明のパターン形成方法の他の例を表わす工程断面図。
【図20】従来のパターン形成方法を表す工程概略図。
【符号の説明】
10,20,30,100…シリコンウェハー
11,21…絶縁膜
12,22…TiN膜
13,23…Ti膜
14,24…0.5%−Cu−Al膜
15,25…金属配線層
15a,25a…金属配線パターン
16,27,34…マスク材
16a,27a,34a…マスク材パターン
17,28,33,103…レジスト膜
17a,28a,33a,103a…レジストパターン
18,29…中間層
18a,29a…中間層パターン
26…被加工膜
26a…被加工膜パターン
31,101…被加工膜
31a,101a…被加工膜
32,102…反射防止膜
32a,102a…反射防止膜パターン
35…犠牲膜
35a…犠牲膜パターン
51,55…レンズ
52…ミラー
53…合わせマークからの反射光
54…検出器
AM…下地パターン
AL…アライメント光
TP…テーパー角
Claims (9)
- 被加工膜上に、下記一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体の少なくとも1種を含む溶液を塗布してマスク材を形成する工程と、
前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを前記マスク材に転写して、マスク材パターンを形成する工程と、
前記マスク材パターンを前記被加工膜に転写して、被加工膜パターンを形成する工程とを具備するパターン形成方法。
- 前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程に先だって、前記マスク材上に中間層を形成する工程を具備し、
前記レジストパターンを前記マスク材に転写してマスク材パターンを形成する工程の前に、レジストパターンを中間層に転写して中間層パターンを形成する工程を具備する請求項1に記載のパターン形成方法。 - 位置情報を示す下地パターンを有する被加工膜上に、下記一般式(CP1)ないし(CP4)で表される繰り返し単位を有するネットワーク状炭素重合体の少なくとも1種を含む溶液を塗布してマスク材を形成する工程と、
前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜直下の下地パターンの位置情報を検出する工程と、
前記位置情報の検出結果に基づいて、露光するパターンの位置補正を行って、前記レジスト膜に対してパターン露光を行う工程と、
前記パターン露光後のレジスト膜に対して現像処理を施してレジストパターンを形成する工程とを具備するパターン形成方法。
- 前記マスク材上にレジスト膜を形成する工程に先だって、無機原子を含む中間層を前記マスク材上に形成する工程を具備する請求項3に記載のパターン形成方法。
- 前記位置情報の検出は、光を用いてなされる請求項3または4に記載のパターン形成方法。
- 前記鋳型パターンを形成する工程は、被加工膜上に反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを前記反射防止膜パターンに転写して反射防止膜パターンを形成する工程とを具備する請求項6に記載のパターン形成方法。 - 前記鋳型パターンを形成する工程は、被加工膜上に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜上に反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に対してパターン露光および現像処理を施してレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを前記反射防止膜および前記犠牲膜に転写して、反射防止膜パターンおよび犠牲膜パターンを形成する工程とを具備する請求項6に記載のパターン形成方法。 - 前記鋳型パターンはレジストパターンを含み、
前記鋳型パターンを除去する工程は、前記レジストパターンを分解して現像処理を施し、レジストパターンを溶解除去することにより行われる請求項6ないし8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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