JP3435318B2 - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JP3435318B2
JP3435318B2 JP24216897A JP24216897A JP3435318B2 JP 3435318 B2 JP3435318 B2 JP 3435318B2 JP 24216897 A JP24216897 A JP 24216897A JP 24216897 A JP24216897 A JP 24216897A JP 3435318 B2 JP3435318 B2 JP 3435318B2
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佐和子 藤岡
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修二 早瀬
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英志 塩原
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機シリコン膜パ
ターンをエッチングマスクとして用いるパターン形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造方法においては、半導
体ウェハー上に複数の物質を堆積し、これら堆積により
形成された膜を所望のパターンにパターニングする工程
を多く含んでいる。このパターニング工程は、一般にレ
ジストと呼ばれる感光性物質をウェハー上の被加工膜の
上に堆積し、このレジスト膜を、選択的に紫外光を光源
として用いてパターン露光し、現像することによってな
される。
【0003】このようなパターニング工程では、露光光
の被加工膜からの反射光を防ぐことが重要であり、特開
昭49−55280号公報では、レジスト膜と被加工膜
との間に反射防止膜を形成する方法が開示されている。
反射防止膜としては種々の材料が用いられているが、プ
ロセスコストが安価なスピンコーテング法で塗布が可能
な、以下の材料が主に用いられる。
【0004】(1)スピングラスに染料を添加した材料
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1
996)pp.L1257−L1259) (2)ポリサルフォンなどのプラズマ分解型の樹脂(特
開昭59−93448号公報) (3)ポリシラン(米国特許5、401、614号公
報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
の材料では、高解像力を有する化学増幅型レジストを用
いた場合、裾引きや食われが発生し、良好なレジストプ
ロファイルが得られないという問題がある。また、
(2)の材料では、レジストパターンをドライエッチン
グ法で転写する際に、反射防止膜とレジストとのエッチ
ングレートがほぼ等しいために、反射防止膜のエッチン
グ途中でレジストパターンが全てなくなり、所望の寸法
で反射防止膜を加工できないという問題が生じる。特
に、解像度を高めるためにレジストの膜厚を反射防止膜
と同程度まで薄くした場合、この問題はより一層顕著に
なる。
【0006】更に、(3)の材料では、レジストパター
ンをドライエッチング法で転写する際に、ポリシラン膜
が変質するという場合があり、ポリシラン膜のエッチン
グを正常に行うのが困難である。また、ポリシラン膜を
ハロゲン系ガスでエッチングすると、レジストパターン
が堆積物で太り、寸法制御性よくエッチングすることが
できないという問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、ポリシラン膜の
変質を生ずることがなく、レジストとポリシラン膜との
エッチング選択比を向上させることを可能としたパター
ン形成方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、ポリシラン膜のパタ
ーニングの際のレジストパターンの太りを防止したパタ
ーン形成方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、寸法制御性よ
くパターンを形成することを可能とするパターン形成方
法を提供することにある。
【0010】更に、本発明の目的は、残渣を発生させる
ことなく反射防止膜の剥離を行うことを可能とするパタ
ーン形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、被加工膜上に、シリコンと
シリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を
含有し、ガラス転移温度が0℃以上の有機シリコン膜を
形成する工程と、前記有機シリコン膜上にレジストパタ
ーンを形成する工程と、塩素、臭素、および沃素からな
る群から選ばれた原子の少なくとも1種を含むエッチン
グガスを用いて、前記有機シリコン膜をエッチングする
ことにより前記レジストパターンを前記有機シリコン膜
に転写する工程とを具備することを特徴とするパターン
形成方法を提供する。
【0012】本発明(請求項2)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記レジストパターンお
よび前記有機シリコン膜をエッチングマスクとして用い
て、被加工膜をエッチングする工程を更に具備すること
を特徴とする。
【0013】本発明(請求項3)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記レジストパターンを
除去する工程と、前記有機シリコン膜をエッチングマス
クとして用いて被加工膜をエッチングする工程を更に具
備することを特徴とする。
【0014】本発明(請求項4)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記有機シリコン膜は、
シリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコ
ン化合物を含む溶液材料で塗膜を形成し、前記塗膜を加
熱することにより形成されることを特徴とする。
【0015】本発明(請求項5)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記有機シリコン膜は、
シリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコ
ン化合物を含む溶液材料で塗膜を形成し、前記有機シリ
コン化合物を架橋することにより形成されることを特徴
とする。
【0016】本発明(請求項6)は、上述のパターン形
成方法(請求項5)において、前記架橋が前記塗膜を加
熱することによりなされることを特徴とする。
【0017】本発明(請求項7)は、上述のパターン形
成方法(請求項5)において、前記架橋が前記塗膜を加
熱すること、前記塗膜に対してエネルギービームを照射
すること、および前記塗膜を加熱しながら、前記塗膜に
対してエネルギービームを照射することからなる群から
選ばれた方法によってなされることを特徴とする。
【0018】本発明(請求項8)は、上述のパターン形
成方法(請求項1)において、前記有機シリコン化合物
は、下記一般式により表されることを特徴とする。
【0019】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原
子、置換または無置換の炭素数3以下の炭化水素基であ
り、R6 は、水素原子または炭素数1〜20の置換また
は無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を
示す。) 本発明(請求項9)は、上述のパターン形成方法(請求
項1)において、前記被加工膜は、金属配線層、および
シリコン系材料膜からなる群から選ばれた1種であるこ
とを特徴とする。
【0020】本発明(請求項10)は、上述のパターン
形成方法(請求項1)において、前記被加工膜は、シリ
コン系絶縁膜であることを特徴とする。
【0021】本発明(請求項11)は、上述のパターン
形成方法(請求項1)において、前記シリコン系絶縁膜
のエッチングは、フッ素系ガスを含むエッチングガスを
用いて行われることを特徴とする。
【0022】本発明(請求項12)は、上述のパターン
形成方法(請求項1)において、前記シリコン系絶縁膜
は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン
膜、およびスピンオングラス膜からなる群から選ばれた
1種であることを特徴とする。
【0023】本発明(請求項13)は、上述のパターン
形成方法(請求項1)において、前記有機シリコン膜
は、導電性物質または光を照射することにより導電性を
生ずる物質を含有することを特徴とする。
【0024】本発明(請求項14)は、上述のパターン
形成方法(請求項1)において、前記有機シリコン膜
は、Cl2 およびHBrからなる群から選ばれた少なく
とも1種を含むエッチングガスを用いてエッチングされ
ることを特徴とする。
【0025】本発明(請求項15)は、被加工膜上にシ
リコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン
化合物を含有し、ガラス転移温度が0℃以上の有機シリ
コン膜を形成する工程と、前記有機シリコン膜上にレジ
ストパターンを形成する工程と、塩素、臭素、および沃
素からなる群から選ばれた原子の少なくとも1種を含む
エッチングガスを用いて、前記有機シリコン膜をエッチ
ングする工程と、前記有機シリコン膜を酸化処理する工
程と、酸化処理された前記有機シリコン膜を含むパター
ンをエッチングマスクとして用いて前記被加工膜をエッ
チングする工程とを具備することを特徴とするパターン
形成方法を提供する。
【0026】本発明(請求項16)は、上述のパターン
形成方法(請求項15)において、前記酸化処理は、エ
ネルギービームの照射、プラズマの照射、および酸化剤
を含む溶液への浸漬からなる群から選ばれた1種によっ
てなされることを特徴とする。
【0027】本発明(請求項17)は、上述のパターン
形成方法(請求項15)において、前記被加工膜は、窒
化シリコン、シリコン系材料および金属配線層からなる
群から選ばれた1種であることを特徴とする。法。
【0028】本発明(請求項18)は、被加工膜上にシ
リコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン
化合物を含有し、ガラス転移温度が0℃以上の有機シリ
コン膜を形成する工程と、前記有機シリコン膜上にレジ
ストパターンを形成する工程と、塩素、臭素、および沃
素からなる群から選ばれた原子の少なくとも1種を含む
エッチングガスを用いて、前記有機シリコン膜をエッチ
ングする工程と、パターンをエッチングマスクとして用
いて前記被加工膜をエッチングする工程と、前記有機シ
リコン膜を含むパターンを、塩素、臭素、および弗素か
らなる群から選ばれた原子の少なくとも1種を含むガス
と、酸素原子を含むガスの混合ガスを用いて剥離する工
程とを具備することを特徴とするパターン形成方法を提
供する。本発明(請求項19)は、被加工膜上にシリコ
ンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合
物を含有し、ガラス転移温度が0℃以上の有機シリコン
膜を形成する工程と、前記有機シリコン膜上にレジスト
パターンを形成する工程と、塩素、臭素、および沃素か
らなる群から選ばれた原子の少なくとも1種を含むエッ
チングガスを用いて、前記有機シリコン膜をエッチング
する工程と、パターンをエッチングマスクとして用いて
前記被加工膜をエッチングする工程と、前記有機シリコ
ン膜を含むパターンを、アミン系溶媒を含む溶液および
フッ素原子を含む溶液からなる群から選ばれた少なくと
も1種の溶液により処理することにより剥離する工程と
を具備することを特徴とするパターン形成方法を提供す
る。本発明(請求項20)は、上述のパターン形成方法
(請求項18、19)において、前記有機シリコン化合
物は、下記一般式により表される構造を主鎖に有するこ
とを特徴とする。
【0029】
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原
子、置換または無置換の炭素数3以下の炭化水素基であ
り、R6 は、水素原子または炭素数1〜20の置換また
は無置換の脂肪族炭化水素基を示す。) 以下、本発明のパターン形成方法について、図面を参照
して、より具体的に説明する。
【0030】図1(a)〜(f)は、本発明の一態様に
係るパターン形成方法を工程順に示す断面図である。
【0031】まず、図1(a)に示すように、ウェハー
基板1上に被加工膜2を形成する。被加工膜2は、特に
限定されることはないが、例えば、酸化シリコン膜、窒
化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、或はスピンオングラ
ス、マスクの製造の際に用いられるブランク材などのシ
リコン系絶縁膜、アモルファスシリコン、ポリシリコ
ン、シリコン基板などのシリコン系材料、アルミニウ
ム、アルミニウムシリサイド、カッパー、タングステン
などの配線材料等を挙げることができる。
【0032】次に、図1(b)に示すように、被加工膜
2上にシリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する有機
シリコン化合物を含有する有機シリコン膜3を形成す
る。有機シリコン膜3の膜厚は、0.005〜5μmが
好ましい。その理由は、膜厚が0.005μm未満で
は、光露光によりパターン形成を行う場合、下地基板か
らの反射光を十分に抑えることができず、5μmより厚
いと、レジストパターンをドライエッチング法で有機シ
リコン膜にパターン転写する際に、寸法変換差が顕著に
発生するためである。
【0033】有機シリコン膜3のガラス転移温度は、0
℃以上であるべきである。その理由は、有機シリコン膜
3のガラス転移温度が低いと、ドライエッチング法によ
りレジストパターンを有機シリコン膜3にパターン転写
する際に、有機シリコン膜3が変質し、有機シリコン膜
3のエッチングを正常に行うことができないためであ
る。
【0034】有機シリコン膜3の形成方法は、溶液を塗
布する方法と、CVD法(化学的気相蒸着法)のような
気相法により成膜する方法のどちらでもよいが、塗布法
で有機シリコン膜を形成することが好ましい。その理由
は、塗布法は、CVD法と比べプロセスが簡易であり、
プロセスコストを低くすることが出来るからである。こ
こで、塗布法による有機シリコン膜の形成方法について
詳述する。まず、シリコンとシリコンの結合を主鎖に有
する有機シリコン化合物を有機溶剤に溶解して溶液材料
を作成する。シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する
有機シリコン化合物としては、例えば一般式(SiR11
12)で表わすことができるポリシランが挙げられる
(ここで、R11およびR12は、水素原子または炭素数1
〜20の置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素または芳
香族炭価水素などを示す)。ポリシランとしては、単独
重合体でも共重合体でもよく、2種以上のポリシランが
酸素原子、窒素原子、脂肪族基、芳香族基を介して互い
に結合した構造を有するものでもよい。
【0035】本発明に使用される有機シリコン化合物の
具体例を下記式[1−1]〜[1−114]に示す。な
お、式中、m、nは、正の整数を表わす。
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】 以上の化合物の重量平均分子量は、特に限定されること
はないが、200〜100、000が好ましい。その理
由は、分子量が200未満では、レジストの溶媒に有機
シリコン膜が溶解してしまい、一方、100、000を
超えると、有機溶剤に溶解しにくくなり、溶液材料を作
成しにくくなるためである。有機シリコン化合物は、一
種類に限ることはなく、数種類の化合物を混合してもよ
い。
【0051】有機シリコン化合物に対しては、必要に応
じて、貯蔵安定性をはかるための熱重合防止剤、被加工
膜への密着性を向上させるための密着性向上剤、被加工
膜からレジスト膜中へ反射する光を防ぐために紫外光を
吸収する染料、ポリサルフォン、ポリベンズイミダゾー
ルなどの紫外光を吸収するポリマー、導電性物質、光や
熱により導電性が生じる物質、或いは有機シリコン化合
物を架橋させ得る架橋剤を添加してもよい。
【0052】導電性物質としては、例えば、有機スルフ
ォン酸、有機カルボン酸、多価アルコール、多価チオー
ル(例えばヨウ素、臭素)、SbF5 、PF5 、B
5 、SnF5 などが挙げられる。光、熱などのエネル
ギーを加えることにより導電性が生じる物質としては、
炭素クラスタ(C60、C70)、シアノアントラセン、ジ
シアノアントラセン、トリフェニルピリウム、テトラフ
ルオロボレート、テトラシアノキノジメタン、テトラシ
アノエチレン、フタルイミドトリフレート、パークロロ
ペンタシクロドデカン、ジシアノベンゼン、ベンゾニト
リル、トリクロロメチルトリアジン、ベンゾイルペルオ
キシド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、t―ブチル
ペオキシドなどが挙げられる。より具体的には、下記式
[2−1]〜[2−106]に示す化合物を挙げること
ができる。
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】 架橋剤を添加する場合、有機シリコン化合物は、主鎖の
シリコンに水素が結合したものが好ましい。このような
有機シリコン化合物として、例えば式[1−1]〜[1
−26]に記載の構造を挙げることができる。
【0063】架橋剤は、有機シリコン化合物を架橋させ
て、レジストと有機シリコン化合物とのミキシングを防
止するとともに、耐熱性を向上させるために加えられ
る。
【0064】架橋剤としては、多重結合を有する有機物
を用いることができる。多重結合を有する有機物とは、
二重結合または三重結合を有する化合物、より具体的に
は、ビニル基、アクリル基、アリール基、イミド基、ア
セチレニル基などを有する化合物である。このような多
重結合を有する有機物は、モノマー、オリゴマー、ポリ
マーのいずれでもよい。
【0065】このような多重結合を有する有機物は、熱
または光により有機シリコン化合物のSi−H結合との
間で付加反応を起こし、有機シリコン化合物を架橋させ
る。なお、多重結合を有する有機物は、自己重合してい
てもよい。多重結合を有する有機物の具体例を以下に示
す。
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
【化39】 上述のように、有機シリコン化合物に対して多重結合を
有する有機物を混合した場合、触媒としてラジカル発生
剤または酸発生剤を添加してもよい。これらのラジカル
発生剤または酸発生剤は、多重結合を有する有機物とS
i−Hの付加反応または自己重合を助ける役割を有す
る。
【0076】ラジカル発生剤としては、アゾ化合物(例
えば、アゾビスイソブチロニトリル)、過酸化物、アル
キルアリールケトン、シリルペルオキシド、有機ハロゲ
ン化物などが挙げられる。ラジカル発生剤は、光照射ま
たは加熱により分子中のO−O結合またはC−C結合が
分解してラジカルを発生する。ラジカル発生剤として
は、例えば化学式[4−1]〜[4−24]により表さ
れるものが挙げられる。 ベンゾイルペルオキシド [4−1] ジターシャルブチルペルオキシド [4−2] ベンゾイン [4−3] ベンゾインアルキルエーテル [4−4] ベンゾインアルキルアリールチオエーテル [4−5] ベンゾイルアリールエーテル [4−6] ベンジルアルキルアリールチオエーテル [4−7] ベンジルアラルキルエタノール [4−8] フェニルグリオキサルアルキルアセタール [4−9] ベンゾイルオキシム [4−10] トリフェニル−t−ブチルシリルペルオキシド [4−11]
【0077】
【化40】
【0078】
【化41】 ラジカル発生剤のうち、有機ハロゲン化物としては、一
般式[4−18]で表されるトリハロメチル−s−トリ
アジン(例えば米国特許第3779778号明細書参
照)が好ましい。一般式[4−18]において、Qは臭
素または塩素、R11は−CQ3 、−NH2 、−NH
13、−OR13または置換もしくは非置換のフェニル
基、R12は−CQ3 、−NH2 、−NHR13、−N(R
132 、−OR13、−(CH=CH)n −Wまたは置換
もしくは非置換のフェニル基、(ここで、R13はフェニ
ル基、ナフチル基または炭素数6以下の低級アルキル
基、nは1〜3の整数、Wは芳香環、複素環、または下
記一般式で表される基である。)を示す。これらは、場
合によっては、多重結合を有する化合物を存在させなく
ても、光または熱によりポリシランを架橋させることも
ある。
【0079】
【化42】 式中、Zは酸素または硫黄、R14は低級アルキル基また
はフェニル基を示す。一般式[4−18]で表されるト
リハロメチル−s−トリアジンのうちでは、特に、R12
が−(CH=CH)n −Wであるビニルトリハロメチル
−s−トリアジン(例えば米国特許第3987037号
明細書参照)が好ましい。ビニルトリハロメチル−s−
トリアジンは、トリハロメチル基と、トリアジン環と共
役するエチレン性不飽和結合とを有し、光分解性を示す
s−トリアジンである。
【0080】なお、Wで表される芳香環または複素環に
は、以下のような置換基が導入されていてもよい。例え
ば、塩素、臭素、フェニル基、炭素数6以下の低級アル
キル基、ニトロ基、フェノキシ基、アルコキシ基、アセ
トキシ基、アセチル基、アミノ基およびアルキルアミノ
基などである。
【0081】一般式[4−18]で表されるトリハロメ
チル−s−トリアジンを化学式[4−25]〜[4−3
4に]、その他のラジカル発生剤を化学式[4−35]
〜[4−39]に示す。これらのハロゲン化物は、場合
によっては、多重結合を有する化合物を存在させなくて
も、光または熱によりポリシランを架橋させることもあ
る。
【0082】
【化43】
【0083】
【化44】 酸発生剤としては、例えばオニウム塩、ハロゲン含有化
合物、オルトキノンジアジド化合物、スルホン化合物、
スルホン酸化合物、ニトロベンジル化合物が挙げられ
る。これらのうちでも、オニウム塩、オルトキノンジア
ジド化合物が好ましい。
【0084】オニウム塩としては、ヨードニウム塩、ス
ルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アン
モニウム塩が挙げられる。好ましくは、化学式[4−4
0]〜[4−42]で表される化合物が挙げられる。
【0085】ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキ
ル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有炭化水
素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物など
が挙げられる。特に、化学式[4−43]および[4−
44]で表される化合物が好ましい。
【0086】ジニンジアジド化合物としては、ジアゾベ
ンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙
げられる。特に、化学式[4−45]〜[4−48]で
表される化合物が好ましい。
【0087】スルホン化合物としては、β−ケトスルホ
ン、β−スルホニルスルホンなどが挙げられる。特に、
化学式[4−49]で表される化合物が好ましい。
【0088】ニトロベンジル化合物としては、ニトロベ
ンジルスルホネート化合物、ジニトロベンジルスルホネ
ート化合物などが挙げられる。特に、化学式[4−5
0]で表される化合物が好ましい。
【0089】スルホン酸化合物としては、アルキルスル
ホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、ア
リールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが
挙げられる。特に、化学式[4−51]〜[4−53]
で表される化合物が好ましい。
【0090】
【化45】 (式中、R14〜R16は互いに同一であっても異なってい
てもよく、それぞれ水素原子、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、置換もしくは非置換のアルキル基またはアルコ
キシル基、XはSbF6 、PF6 、BF4 、CF3 CO
2 、ClO4 、CF3 SO3
【0091】
【化46】 17は水素原子、アミノ基、アニリノ基、置換もしくは
非置換のアルキル基またはアルコキシル基、R18、R19
は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ
置換もしくは非置換のアルコキシル基、R20は水素原
子、アミノ基、アニリノ基、置換もしくは非置換のアル
キル基またはアルコキシル基を示す。
【0092】
【化47】 (式中、R21は、トリクロロメチル基、フェニル基、メ
トキシフェニル基、ナフチル基またはメトキシナフチル
基を示す。)
【0093】
【化48】 (式中、R22〜R24は、互いに同一であっても異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、メチル
基、メトキシ基または水酸基を示す。)
【0094】
【化49】 (式中、R25は、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−
C(=O)−または−SO2 −を示し、qは1〜6の整
数、rは0〜5の整数で、qとrの合計は1〜6であ
る。)
【0095】
【化50】 (式中、R26は、水素原子またはメチル基、R27は−C
2 −、−C(CH3 2 −、−C(=O)−または−
SO2 −を示し、sは1〜6の整数、tは0〜5の整数
で、sとtの合計は1〜6である。)
【0096】
【化51】 (式中、R28〜R31は、互いに同一であっても異なって
いてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基
またはハロゲン原子、Yは−C(=O)−または−SO
2 −を示し、uは0〜3の整数である。)
【0097】
【化52】 (式中、R32は、置換もしくは非置換のアルキル基、R
33は水素原子またはメチル基、R34
【0098】
【化53】 (ただし、R35は、水素原子またはメチル基、R36、R
37は互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞ
れ置換もしくは非置換のアルコキシル基を示し、vは1
〜3の整数である。)
【0099】
【化54】 (式中、R38、R39は、互いに同一であっても異なって
いてもよく、それぞれ水素原子または置換もしくは非置
換のアルキル基、R40、R41は互いに同一であっても異
なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換もしく
は非置換のアルキル基またはアリール基を示す。)
【0100】
【化55】 (式中、R42は水素原子または置換もしくは非置換のア
ルキル基、R43、R44は互いに同一であっても異なって
いてもよく、それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基
またはアリール基を示し、R43とR44はは互いに結合し
て環構造を形成していてもよい。
【0101】
【化56】 (式中、Zはフッ素原子または塩素原子を示す、) 本発明において、有機シリコン化合物の架橋剤として
は、上述した多重結合を有する有機物以外にも以下のよ
うな物質を用いることが出来る。例えば、ヒドロキシル
基を有する有機物、エポキシ基を有する有機物、アミノ
基を有する有機物、ピリジンオキシド、アルコキシシリ
ル基、シリルエステル基、オキシムシリル基、エモキシ
シリル基、アミノシリル基、アミドシリル基、アミノキ
シシリル基またはハロゲンを有するケイ素化合物、有機
金属化合物、ハロゲンを含む化合物などである。
【0102】ヒドロキシル基を有する化合物としては、
多価アルコール、ノボラック樹脂、カルボキシル基を有
する化合物、シラノールが挙げられる。これらの化合物
は、光または熱によりSi−Hと反応して有機シリコン
化合物を架橋させる。このような化合物の具体例を化学
式[5−1]〜[5−28]に示す。
【0103】エポキシ基を有する化合物としては、一般
にエピビスタイプのエポキシ樹脂、または脂環式エポキ
シ樹脂と呼ばれるものが挙げられる。これらの樹脂で
は、一部にヒドロキシル基が付加していてもよい。ま
た、これらの樹脂とともに上述した酸発生剤を添加して
もよい。このような化合物の具体例を化学式[6−1]
〜[6−12]に示す。
【0104】アミノ基を有する化合物としては、例えば
化学式[7−1]〜[7−9]に示したものが挙げられ
る。
【0105】ピリジンオキシドとしては、例えば化学式
[8−1]〜[8−6]に示したものが挙げられる。
【0106】アルコキシシリル基、シリルエステル基、
オキシムシリル基、エノキシシリル基、アミノシリル
基、アミドシリル基、アミノキシシリル基またはハロゲ
ンを有するケイ素化合物としては、例えば化学式[9−
1]〜[9−52]に示したものが挙げられる。これら
の化学式において、Xは上記の置換基を表す。なお、こ
れらの化合物とともに、通常、シリコーンの縮合触媒と
して使用される白金、有機スズ化合物などの金属触媒、
塩基を使用してもよい。
【0107】有機金属化合物とは、有機基が置換した金
属塩、金属錯体を意味する。金属としては、B、Mg、
Al、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Zr、Mo、Rh、Pd、Cd、In、Sn
が用いられる。このような化合物の具体例を、化学式
[10−1]〜[10−9]に示す。
【0108】ハロゲンを含む化合物としては、例えば化
学式[11−1]〜[11−9]に示したものが挙げら
れる。
【0109】
【化57】
【0110】
【化58】
【0111】
【化59】
【0112】
【化60】
【0113】
【化61】
【0114】
【化62】
【0115】
【化63】
【0116】
【化64】
【0117】
【化65】
【0118】
【化66】
【0119】
【化67】
【0120】
【化68】
【0121】
【化69】 有機溶剤としては、極性溶剤でも、無極性溶剤でもよい
が、多重結合を有する溶剤は有機シリコン化合物と反応
しやすく、溶液材料が経時変化を起こしやすくなるた
め、多重結合を含まない溶剤を使用する方が好ましい。
【0122】以上の方法により塗布材料を作成し、被加
工膜上に、例えばスピンコーティング法などで溶液材料
を塗布した後、加熱して溶剤を気化することにより、有
機シリコン膜を形成する。この段階でレジストに対する
十分な選択比が得られるガラス転移温度が得られればよ
いが、得られない場合、さらに塗膜に対して加熱、或い
はエネルギービームを照射して塗膜を架橋させることが
必要である。
【0123】従って、本発明は、架橋して耐熱性が向上
し、0℃以上のガラス転移温度が得られれば、必ずしも
シリコンとシリコンとの結合を主鎖に有する化合物のガ
ラス転移温度が0℃以上である必要はない。
【0124】エネルギービームとしては、例えば紫外
光、X線、電子線、イオン線などを挙げることができ
る。特に、加熱とエネルギービームの照射を同時に行う
ことで架橋反応の進行を早め、実用的なプロセス処理時
間でガラス転移温度を著しく向上させることができる。
なお、加熱、或いはエネルギービームの照射でシリコン
とシリコンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物
中の主鎖のシリコンとシリコンとの結合が開烈し、酸素
と結合し、酸化しやすくなり、レジストとシリコン有機
膜とのエッチング選択比が低下する場合が生じる。この
ような場合、加熱およびエネルギービームの照射は、空
気中より酸素濃度が低い雰囲気下で行うことが好まし
い。
【0125】次に、有機シリコン膜3上にレジストパタ
ーンを形成する。まず、図1(c)に示すように、有機
シリコン膜3上にレジスト溶液を塗布して、加熱処理を
行い、レジスト4を形成する。レジスト4の膜厚を薄く
すれば、それだけ、露光時の露光量裕度、フォーカス裕
度、或は解像度を向上させることができる。そのため、
レジスト4の膜厚は、有機シリコン膜3を寸法制御性よ
くエッチングできる膜厚であれば薄い方がよく、好まし
くは0.01〜10μmが好ましい。
【0126】レジストの種類は、特に限定されることは
なく、目的に応じて、ポジ型またはネガ型を選択して使
用することができる。具体的には、ポジ型レジストとし
ては、例えば、ナフトキノンジアジドとノボラック樹脂
とからなるレジスト(IX−770、日本合成ゴム社
製)、t−BOCで保護したポリビニルフェノール樹脂
とオニウム塩とからなる化学増幅型レジスト(APEX
−E、シップレー社製)などが挙げられる。また、ネガ
型のレジストとしては、例えば、ポリビニルフェノール
とメラミン樹脂および光酸発生材からなる化学増幅型レ
ジスト(SNR248、シップレー社製)、ポリビニル
フェノールとビスアジド化合物とからなるレジスト(R
D−2000D、日立化成社製)などが挙げられるが、
これらに限定されることはない。
【0127】これらのレジスト溶液を有機シリコン膜3
上に、例えばスピンコーテング法などで塗布した後、加
熱して溶媒を気化させることでレジスト4を作成する。
次に、所望のパターンを有するマスクを通して露光光で
ある可視光、紫外光などのエネルギービームをレジスト
に対して照射する。露光光源としては、水銀灯、XeF
(波長=351nm)、XeCl(波長=308n
m)、KrF(波長=248nm)、KrCl(波長=
222nm)、ArF(波長=193nm)、F2 (波
長=151nm)等のエキシマレーザを挙げることがで
きる。なお、露光光源にはX線、電子ビーム、或いはイ
オンビームを用いてもよい。
【0128】そして、図1(d)に示すように、TMA
H、コリンなどのアルカリ現像液で現像処理を行い、レ
ジストパターン5を形成する。また、必要に応じて、光
露光を行った場合に生じるレジスト中の多重反射を減少
させるために、上層反射防止膜、或は、電子ビーム露光
を行った場合に生じるチャージアップを防ぐために、上
層帯電防止膜をレジストの上に形成してもよい。
【0129】次に、図1(e)に示すように、レジスト
パターン5をエッチングマスクとして用いて、有機シリ
コン膜3をドライエッチングすることにより、前記レジ
ストパターン5を前記有機シリコン膜3に転写する。エ
ッチング方式としては、例えば反応性イオンエッチン
グ、マグネトロン型反応性イオンエッチング、電子ビー
ムイオンエッチング、ICPエッチング、またはECR
イオンエッチングなど微細加工可能なものであれば、特
に限定されることはない。
【0130】レジストとの選択比を維持するため、ウェ
ハーを設置した電極に印加する電力密度は10W/cm
2 以下に抑えることが望ましい。その理由は、有機シリ
コン膜のエッチングは、ケミカルエッチングに近く、ス
パッター性が強くなることでレジストのエッチング速度
が上昇し、選択比が低下するのを防ぐためである。ま
た、さらにプラズマ生成とバイアス生成を独立して行え
るような装置を用いる場合には、上記理由によりバイア
スを低くするとともに、イオンの数が過剰にならないよ
うにプラズマ生成に用いる電力を抑える必要がある。そ
のため、プラズマ生成に用いる電力は、処理するウェハ
ー面積に対して10W/cm2 以下に抑えることが望ま
しいのである。
【0131】また、有機シリコン膜のエッチングの際
に、ウェハーの温度を20℃以上に保持することで、寸
法変換差のない加工を達成することができる。エッチン
グガスとしては、塩素、臭素、或は沃素原子を含むガス
を少なくとも1つ以上用いることが好ましく、例えば、
HCl、CF3 Cl、CF2 Cl2 、CF3 Br、CC
4 、C2 5 Cl2 、Cl2 、SiCl4 、Br2
2 、HBr、HI、BCl3 などのガスを挙げること
ができる。これらのガスは、1種類を用いても、複数種
類を混合して用いてもよい。また、ハロゲン系ガス以外
のCO、H2 、O2 、He、N2 、Ar、SO2 などを
添加してもよい。
【0132】以上のようにして、有機シリコン膜をエッ
チングすることで、有機シリコン膜が変質せず、かつレ
ジストに対して高選択比をとることができ、また、高寸
法制御性をもった加工が成し遂げられる。
【0133】次に、図1(f)に示すように、レジスト
パターン5と有機シリコン膜パターン6をエッチングマ
スクとして用いて、被加工膜2の加工を行う。レジスト
パターン5に対する有機シリコン膜パターン6のエッチ
ング選択比(有機シリコン膜のエッチングレート/レジ
ストのエッチングレート)が高いため、レジストパター
ン5と有機シリコン膜パターン6の残りが十分であるた
め、エッチングマスク不足による肩落ちや後退を防ぐこ
とができ、寸法制御性よく被加工膜2を加工し、パター
ン7を形成することができる。
【0134】被加工膜が金属配線膜、或はシリコン系材
料からなる場合には、有機シリコン膜のエッチングで用
いられるガスによって加工し、同一装置内で連続工程で
被加工膜を加工することが好ましく、有機シリコン膜と
被加工膜が一括してエッチングできるので、工程数を簡
略化することができる。
【0135】また、図2(a)および(b)に示すよう
に、レジストパターン5を除去して、図2(c)に示す
ように、有機シリコン膜パターン6のみをエッチングマ
スクとして用いて、被加工膜2をエッチングし、パター
ン7を形成してもよい。高アスペクト比をもつ超微細な
被加工膜2の加工の際は、シリコン有機膜の加工後、別
装置、或は同一装置にてシリコン有機膜上のレジストパ
ターン5を除去し、加工の際のアスペクト比を下げるこ
とが好ましい。この場合、エッチングマスクとなるの
は、レジストパターン5によってパターン転写された有
機シリコン膜パターン6のみであり、これによってアス
ペクト比を小さく抑えることができ、マイクロローディ
ング効果を抑えることができる。
【0136】以上説明した本発明のパターン形成方法に
よると、有機シリコン膜を変質させることなく、レジス
トに対して高い選択比でエッチングすることができ、レ
ジストの膜厚を薄くしても、寸法制御性良く、被加工膜
の加工を行うことができる。有機シリコン膜のガラス転
移温度が低い場合、或は有機シリコン膜を弗素系ガスで
エッチングした場合には、有機シリコン膜がスポンジ状
に変質してしまう。これは、おそらく、プラズマ中のハ
ロゲンラジカルが有機シリコン膜の内部まで浸透しやす
く、ハロゲン化シリコン化合物となって膜中から揮発
し、揮発しにくい有機成分がエッチングされずに残った
ためと考えられる。
【0137】そこで、本発明の方法では、有機シリコン
膜のガラス転移温度を高めるか、或は有機シリコン膜を
架橋させることで、プラズマ中で発生したハロゲンラジ
カルを有機シリコン膜の内部まで浸透しにくくすること
により変質が抑制できたものと考えられる。
【0138】次に、種々の本発明の好ましい態様につい
て説明する。
【0139】(1)本発明の方法において、有機シリコ
ン化合物として、主鎖に下記一般式[12]に示す構造
を有する化合物を用いること。
【0140】
【化70】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原
子、置換または無置換の炭素数3以下の炭化水素基であ
り、R6 は、水素原子または炭素数1〜20の置換また
は無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を
示す。) 上記式[12]に示す構造を有する有機シリコン化合物
の具体例として、下記式13−1〜13−54]に示す
ものを挙げることができる。
【0141】
【化71】
【0142】
【化72】
【0143】
【化73】
【0144】
【化74】
【0145】
【化75】
【0146】
【化76】
【0147】
【化77】
【0148】
【化78】 有機シリコン化合物として、上記一般式[12]に示す
構造を有する化合物を用いた場合には、有機シリコン膜
をエッチングする際に、レジストパターンおよび有機シ
リコン膜パターンが太ることがなく、レジストに対して
高選択比で有機シリコン膜をエッチングすることがで
き、レジストの膜厚を薄くしても所望の寸法で被加工膜
の加工を行うことが可能になる。
【0149】これは、おそらく、上記一般式に示す構造
を有する有機シリコン化合物は、塩素、臭素、或は沃素
原子を含むガスでエッチングすると、レジストおよび有
機シリコン膜の側壁に再付着する生成物を形成しにくい
ため、レジストパターンが太らないと考えられる。
【0150】(2)本発明の方法において、被加工膜と
して、シリコン系絶縁膜を用いること。
【0151】シリコン系絶縁膜としては、酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、或はスピンオ
ングラスなどを用いることができる。また、フォトマス
クの製造の際に用いられるブランク材でもよい。
【0152】シリコンとシリコンの結合を主鎖に有する
有機シリコン化合物を含有する有機シリコン膜は、シリ
コン系絶縁膜をエッチングするのに適したプラズマ中で
はエッチングレートは遅く、エッチング耐性がある。そ
の結果、レジストパターンと有機シリコン膜からなるエ
ッチングマスク材、或は有機シリコン膜パターンのみか
らなるエッチングマスク材がシリコン系絶縁膜のエッチ
ング時に後退することを防ぐことができ、寸法制御性よ
く、シリコン系絶縁膜の加工を行うことが可能となる。
【0153】このように、本発明のパターン形成方法
は、被加工膜としてシリコン系絶縁膜を用いた場合に、
特に優れた効果が得られる。
【0154】(3)本発明の方法において、有機シリコ
ン膜パターンの形成後、有機シリコン膜パターンに対し
て酸化処理を行うこと。
【0155】被加工膜としては、アモルファスシリコ
ン、ポリシリコンなどのシリコン系材料、アルミニウ
ム、アルミニウムシリサイド、カッパー、タングステン
などの配線材料、シリコンナイトライド等が好ましい。
【0156】望ましい酸化処理方法としては、電子ビー
ム、イオンビーム、紫外光、X線などのエネルギービー
ムを有機シリコン膜パターンに照射する方法、酸素プラ
ズマで酸素ラジカルを有機シリコン膜パターンに対して
照射する方法、H2 2 溶液、Fe2 (CN6 )溶液、
KMnO4 溶液、H2 2 とH2 SO4 との混合溶液、
Cr2 OとH2 SO4 との混合溶液、HClO4 とH2
SO4 との混用溶液、KMnO4 とH3 PO4 との混合
溶液、K2 2 8 とH2 SO4 との混合溶液、(NH
4 2 2 8 とH2 2 とH2 SO4 との混合溶液、
HNO3 とH2SO4 との混合溶液、(NH4 2 2
8 とH2 SO4 との混合溶液などの酸化剤を含む溶液
に被処理体を浸透させる方法が挙げられる。
【0157】図1(e)に示す状態で酸化処理を行う
と、図3(a)に示すように、有機シリコン膜パターン
6は酸化されて、酸化処理膜パターン8となる。その
際、酸化処理方法によっては、レジストパターン5が灰
化されてなくなってしまう。しかし、図3(c)に示す
ように、レジストパターン5が残っていてもよい。
【0158】酸化処理が行われた後、図3(c)に示す
ように、酸化処理膜パターン8をエッチングマスクとし
て用いて、被加工膜2のエッチングを行う。なお、図3
(a)では、酸化処理膜パターン8のみをエッチングマ
スクとして用いて、被加工膜2をエッチングしている場
合を示しているが、図3(c)に示すように、レジスト
パターン5と酸化処理膜パターン8をエッチングマスク
として用いて、被加工膜2の加工を行ってもよい。
【0159】この場合のソースガスについては、被加工
膜が配線材料、或はシリコン系材料である場合は、臭素
系ガス、塩素系ガスを用いて被加工膜のエッチングを行
うのが望ましい。被加工膜がSiN膜である場合は、弗
素系ガスと窒素ガスを少なくとも含むガス系、或は弗素
系ガスと塩素系ガスを少なくとも含む混合ガス系を用い
るのが好ましい。
【0160】以上のように、有機シリコン膜パターンに
酸化処理を施した場合には、得られた酸化処理膜パター
ンは、パターン露光時には反射防止膜として作用し、被
加工膜をエッチングする際にはハードマスクとして作用
するため、ハードマスクとレジストとの間に反射防止膜
を介在させる必要がなくなる。その結果、レジストパタ
ーンをハードマスクに忠実に転写することができ、寸法
制御性良く、被加工膜を加工することができる。
【0161】(4)本発明の方法において、被加工膜の
パターニングの後、エッチングマスクとして用いられた
有機シリコン膜パターンを、塩素原子、臭素原子および
弗素原子からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む
ガスと、酸素原子を含むガスを用いて剥離(除去)する
こと。
【0162】即ち、被加工膜のパターニング後の有機シ
リコン膜パターンを、酸素原子を含むガスに、塩素、臭
素および弗素原子からなる群から選ばれた少なくとも1
種の原子を含むガスを微量添加したガスを用いて発生さ
せたプラズマにさらすことによって、有機シリコン膜パ
ターンを、残すことなく完全に剥離することができる。
さの際、被加工膜が除去されることはない。
【0163】剥離の際に、プラズマ中の塩素、臭素、或
は弗素ラジカルは、被加工膜のエッチングを促進するた
め、これらの原子を含むガスの添加量が微量ですむこと
は、その分、被加工膜の削れ量を少なくすることができ
る。これは、おそらく、有機シリコン膜は、有機シリコ
ン膜のエッチング時に塩素、ヨウ素、或は臭素原子を膜
中に取り込みやすく、その分、有機シリコン膜の剥離の
際に、塩素、臭素、或は弗素原子の量を減らすことが可
能になるものと考えられる。
【0164】また、特に、主鎖に上記一般式[12]に
示す構造を有する有機シリコン化合物を用いた場合に
は、有機シリコン膜の剥離レートを速めることができ、
被加工膜の削れ量を少なくして有機シリコン膜を剥離す
ることができる。おそらく、一般式12に示す構造を有
する有機シリコン化合物は、塩素、臭素、或は弗素ラジ
カルと反応し、容易に気化しやすいためと考えられる。
【0165】なお(4)の態様における好ましい実施形
態を以下に例示する。
【0166】(a)有機シリコン膜の剥離工程におい
て、CF4 、SF6 、またはNF3 を含むガスを用いる
こと。
【0167】(b)有機シリコン膜を酸素原子を含むガ
スによって処理する工程と、塩素、臭素および弗素原子
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むガスによ
って処理する工程とを連続して行う、或は交互に行うこ
と。
【0168】(c)有機シリコン膜を酸素原子を含むガ
スによって処理する工程と、CF4、SF6 およびNF
3 からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むガスに
よって処理する工程とを連続して行う、或は交互に行う
こと。
【0169】(d)有機シリコン膜を剥離する際に、処
理基板の温度を約100℃以下に保つこと。処理基板の
温度が100℃以下では、酸素ラジカルにより有機シリ
コン膜がグラス化する反応が起きにくくなり、有機シリ
コン膜の剥離レートが向上する。
【0170】(e)有機シリコン膜を、塩素原子、臭素
原子および弗素原子からなる群から選ばれた少なくとも
1種と、酸素原子とを含むガスを用いて発生したプラズ
マにさらした後、アミン系溶媒を含む溶液にて処理を行
うこと。
【0171】(f)有機シリコン膜を、アミン系溶媒、
弗化水素、弗化アンモニウム、水酸化ナトニウム、硫
酸、および過酸化水素の少なくとも一種類を含む溶液に
浸漬することにより、剥離するか、またはそのような浸
漬の後、アミン系溶媒、弗化水素、弗化アンモニウム、
水酸化ナトニウム、硫酸、過酸化水素のうちの上述の溶
液とは異なる一種類を含む溶液に浸漬して剥離するこ
と。
【0172】特に、有機シリコン化合物が、上述の一般
式12に示す構造を主鎖に有するものである場合には、
溶液が膜中に浸透しやすくなり、剥離レートが向上す
る。
【0173】(g)(f)において、有機シリコン膜を
上記溶液に浸漬した後、酸素原子を含むガスを用いて発
生させたプラズマにさらす処理を行うこと。また、この
酸素原子を含むガスに、塩素原子、臭素原子、或は弗素
原子の何れかを含むガスを含ませることができる。塩素
原子、臭素原子、或は弗素原子の何れかを含むガスとし
ては、CF4 、SF6 、NF3 が挙げられる。
【0174】(h)(f)において、有機シリコン膜を
硫酸と過酸化水素を含む溶液に浸漬した後、弗化水素ま
たは弗化アンモニウムを含む溶液に浸漬すること。
【0175】以上の好ましい実施形態に係る方法を用い
て有機シリコン膜を剥離するが、その際、レジストパタ
ーンも同時に剥離してもよい。
【0176】実施例1 まず、始めに以下の(A1)〜(A10)に示す方法に
より、式[1−1]に示す有機シリコン化合物を含有す
る有機シリコン膜をシリコンウェハー上に形成した。ま
た、以下の(R1)〜(R4)に示す方法により、レジ
ストおよび比較のために従来型反射防止膜をシリコンウ
ェハー上に形成した。
【0177】(A1):式[1−1]に示す、重量平均
分子量5、000の有機シリコン化合物10gをトルエ
ン90gに溶解して作成した溶液材料を、スピンコーテ
ング法により下地基板上に塗布した。次いで、下地基板
をホットプレートを用いて100℃で90秒間加熱し、
溶剤を気化乾燥させ、有機シリコン膜を形成した。
【0178】(A2):(A1)において、重量平均分
子量2、500の有機シリコン化合物を用いた。
【0179】(A3):(A1)において、重量平均分
子量1、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0180】(A4):(A1)において、重量平均分
子量500の有機シリコン化合物を用いた。
【0181】(A5):(A1)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)で、ホ
ットプレートを用いて、500℃で1時間加熱し、有機
シリコン膜を架橋させた。
【0182】(A6):(A1)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて、100℃で90秒間加
熱して溶剤を気化乾燥させた後、窒素雰囲気下(酸素濃
度50ppm以下)でKrFエキシマレーザーを有機シ
リコン膜全面に露光量400mJ/cm2 で照射して、
有機シリコン膜を架橋させた。
【0183】(A7):(A1)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
KrFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
80mJ/cm2 で照射して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0184】(A8):式[1−1]に示す重量平均分
子量5、000の有機シリコン化合物10g、式[3−
61]に示す架橋剤1g、ラジカル発生剤としてシリル
ペルオキシド0.1gをトルエン89.9gに溶解して
作成した溶液材料を、スピンコーテング法により下地基
板上に塗布した。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50
ppm以下)でホットプレートを用いて180℃で1時
間加熱して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0185】(A9):式[1−1]に示す重量平均分
子量5、000の有機シリコン化合物10g、式[3−
61]に示す架橋剤1g、ラジカル発生剤としてシリル
ペルオキシド0.1gをトルエン89.9gに溶解して
作成した溶液材料をスピンコーテング法により下地基板
上に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて100
℃で90秒間加熱して溶剤を気化乾燥させた後、窒素雰
囲気下(酸素濃度50ppm以下)でKrFエキシマレ
ーザーを有機シリコン膜全面に露光量150mJ/cm
2 で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0186】(A10):式[1−1]に示す重量平均
分子量5、000の有機シリコン化合物10g、式[3
−61]に示す架橋剤1g、ラジカル発生剤としてシリ
ルペルオキシド0.1gをトルエン88.9gに溶解し
て作成した溶液材料をスピンコーテング法により下地基
板上に塗布した。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50
ppm以下)でホットプレートを用いて160℃で90
秒間加熱しながら、KrFエキシマレーザーを有機シリ
コン膜全面に露光量10mJ/cm2 で照射して、有機
シリコン膜を架橋させた。
【0187】(R1):重量平均分子量11、000の
ポリビニルフェノールの水酸基の50%がターシャリブ
トキシカルボニル基で置換された抑止剤樹脂10g、酸
発生剤としてスルフォンイミド0.01gを乳酸エチル
89,99gに溶解して作成したレジスト溶液を、下地
基板上にスピンコーテング法により塗布した。次いで、
ホットプレートを用いて120℃で60秒間加熱してレ
ジストを形成した。
【0188】(R2):ポリサルフォン10gをシクロ
ヘキサノン90gに溶解して作成した溶液材料を、下地
基板上にスピンコーテング法で塗布した後、ホットプレ
ートを用いて220℃で90秒間加熱した。
【0189】(R3):ポリベンズイミダゾール10g
をシクロヘキサノン90gに溶解して作成した溶液材料
を、下地基板上にスピンコーテング法で塗布した後、ホ
ットプレートを用いて220℃で90秒間加熱した。
【0190】(R4):ノボラック樹脂10gをトルエ
ン90gに溶解して作成した溶液材料を、下地基板上に
スピンコーテング法で塗布した後、ホットプレートを用
いて320℃で90秒間加熱した。
【0191】以上の(A1)〜(A10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表1に示す。
【0192】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(A1)〜(A10)及び(R1)
〜(R4)の方法で得た膜を、下記のエッチング条件
(P1)〜(P4)でそれぞれエッチングして、エッチ
ング特性を調べた。
【0193】(P1) エッチングガス:流量120S
CCMのCF4 、電力密度:2W/cm2 、真空度:2
0mTorr、基板温度:50℃ (P2) エッチングガス:流量200SCCMのCl
2 、電力密度:1.5W/cm2 、真空度:30mTo
rr、基板温度:80℃ (P3) エッチングガス:流量150SCCMのHB
r、電力密度:1.7W/cm2 、真空度:12mTo
rr、基板温度:50℃ (P4) エッチングガス:流量20/180SCCM
のCF4 /Cl2 、電力密度:2W/cm2 、真空度:
12mTorr、基板温度:50℃ エッチング後の有機シリコン膜の状態を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察した結果、(P1)〜(P4)の何
れの条件でも、(A1)および(A2)の膜は、図4
(b)に示すようにスポンジ状に変質してエッチングが
正常に行われていないことが分かった。また、(A3)
〜(A10)の膜でも、(P1)の条件でエッチングし
た場合は変質しており、ガラス転移温度が高い膜でも弗
素系ガスでエッチングするとエッチングが正常に行われ
ないことがわかった。
【0194】これに対し、(A3)〜(A10)の膜を
(P2)〜(P4)の条件でエッチングした場合は、図
4(a)に示すように変質はなく、エッチングが正常に
行われていることを確認した。
【0195】レジストのエッチングレート、およびレジ
ストと有機シリコン膜のエッチング選択比(=有機シリ
コン膜のエッチングレート/レジストのエッチングレー
ト)、比較のためにレジストと従来型の反射防止膜との
エッチング選択比(=従来型の反射防止膜のエッチング
レート/レジストのエッチングレート)を下記表1に示
す。
【0196】下記表1に示すように、(A3)〜(A1
0)の膜の選択比は、ほぼ2以上であり、従来型の反射
防止膜よりも高い選択比である。従って、レジストの膜
厚を薄膜化しても、レジストが途中で削れることなく、
反射防止膜をエッチングすることが可能となる。
【0197】
【表1】
【0198】
【表2】
【0199】
【表3】
【0200】
【表4】 実施例2 本実施例は、実施例1において、有機シリコン膜中に光
導電性を生じせしめるために、フラーレン(C60)を
添加した場合を示す。
【0201】(B1):式[1−1]に示す重量平均分
子量5、000の有機シリコン化合物10g、フラーレ
ン0.01gをトルエン89.99gに溶解して作成し
た溶液材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗
布した。次いで、ホットプレートを用いて100℃で9
0秒間加熱して溶剤を気化乾燥させて、有機シリコン膜
を形成した。
【0202】(B2):(B1)において、重量平均分
子量2、500の有機シリコン化合物を用いた。
【0203】(B3):(B1)において、重量平均分
子量1、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0204】(B4):(B1)において、重量平均分
子量500の有機シリコン化合物を用いた。
【0205】(B5):(B1)にように作成した溶液
材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布した
後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホット
プレートを用いて500℃で1時間加熱して、有機シリ
コン膜を架橋させた。
【0206】(B6):(B1)にように作成した溶液
材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布した
後、ホットプレートを用いて100℃で90秒間加熱し
て溶剤を気化乾燥させた後、窒素雰囲気下(酸素濃度5
0ppm以下)でKrFエキシマレーザーを有機シリコ
ン膜全面に露光量400mJ/cm2で照射して、有機
シリコン膜を架橋させた。
【0207】(B7):(B1)にように作成した溶液
材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布した
後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm)でホットプレ
ートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、KrF
エキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量80m
J/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0208】(B8):式[1−1]に示す重量平均分
子量5、000の有機シリコン化合物10g、式[3−
61]に示す架橋剤1g、ラジカル発生剤としてシリル
ペルオキシド0.1g、フラーレン0.01gをトルエ
ン88.89gに溶解して作成した溶液材料を、スピン
コーテング法により下地基板上に塗布した。次いで、窒
素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホットプレー
トを用いて180℃で1時間加熱して、有機シリコン膜
を架橋させた。
【0209】(B9):(B8)にように作成した溶液
材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布した
後、ホットプレートを用いて100℃で90秒間加熱し
て溶剤を気化乾燥させ、次いで、窒素雰囲気下(酸素濃
度50ppm以下)でKrFエキシマレーザーを有機シ
リコン膜全面に露光量150mJ/cm2で照射して、
有機シリコン膜を架橋させた。
【0210】(B10):(B8)にように作成した溶
液材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
KrFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0211】以上(B1)〜(B10)の方法で形成し
た有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その結
果を下記表2に示す。
【0212】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(B1)〜(B10)により得た有
機シリコン膜を、実施例1の(P1)〜(P4)の条件
でエッチングして、エッチング特性を調べた。エッチン
グ後の有機シリコン膜の状態を走査型電子顕微鏡で観察
した結果、(P1)〜(P4)の何れの条件でも、(B
1)および(B2)の膜は変質して、エッチングが正常
に行われていないことが分かった。また、(B3)〜
(B10)の膜でも(P1)の条件でエッチングした場
合は変質しており、ガラス転移温度が高い膜でも弗素系
ガスでエッチングするとエッチングが正常に行われない
ことがわかる。
【0213】(B3)〜(B10)の膜を(P2)〜
(P4)の条件でエッチングした場合は、変質はなく、
エッチングが正常に行われていることを確認した。この
時の、レジストと有機シリコン膜とのエッチング選択比
を下記表2に示す。下記表2から明らかなように、(B
3)〜(B10)の膜の選択比は、ほぼ2以上であり、
従来型の反射防止膜よりも高い選択比である。従って、
レジストの膜厚を薄膜化しても、レジストが途中で削れ
ることなく反射防止膜をエッチングすることが可能とな
る。
【0214】レジストと有機シリコン膜とのエッチング
選択比を算出した結果を下記表2に示す。下記表2か
ら、実施例1と比べると選択比が向上していることがわ
かる。これはおそらく、エッチング中のプラズマ発光に
より反射防止膜に導電性が生じ、プラズマ中のラジカル
と反射防止膜のシリコンが反応して、揮発性生成物を生
成しやすくなったためと考えられる。
【0215】
【表5】
【0216】
【表6】 実施例3 まず、始めに以下の(C1)〜(C10)に示す方法に
より、式[1−82]に示す有機シリコン化合物(m/
n=4/1)を含有する有機シリコン膜を下地基板上に
形成した。
【0217】(C1):式[1−82]に示す、重量平
均分子量2、000の有機シリコン化合物10gをアニ
ソール90gに溶解して作成した溶液材料をスピンコー
テング法により下地基板上に塗布した。次いで、ホット
プレートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を気
化乾燥させて、有機シリコン膜を形成した。
【0218】(C2):(C1)において、重量平均分
子量4、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0219】(C3):(C1)において、重量平均分
子量8、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0220】(C4):(C1)において、重量平均分
子量16、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0221】(C5):(C2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて350℃で1時間加熱して、有機シ
リコン膜を架橋させた。
【0222】(C6):(C2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量150mJ/cm2
で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0223】(C7):(C2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0224】(C8):式[1−82]に示す重量平均
分子量4、000の有機シリコン化合物10g、式[4
−12]に示すラジカル発生剤0.1gをアニソール8
9.9gに溶解して作成した溶液材料をスピンコーテン
グ法により下地基板上に塗布した。次いで、窒素雰囲気
下(酸素濃度50ppm以下)でホットプレートを用い
て180℃で1時間加熱して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0225】(C9):(C8)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量60mJ/cm2で
照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0226】(C10):(C8)のように作成した溶
液材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布
した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホ
ットプレートを用いて160℃で90秒間加熱しなが
ら、ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露
光量10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架
橋させた。
【0227】以上の(C1)〜(C10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表3に示す。
【0228】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(C1)〜(C10)の膜および実
施例1の(R1)〜(R4)の方法で形成したレジスト
および従来型の反射防止膜を下記のエッチング条件(P
5)〜(P8)でそれぞれエッチングし、それらの膜の
エッチング特性を調べた。
【0229】(P5) エッチングガス:流量120S
CCMのCF4 、電力密度:1.8W/cm2 、真空
度:20mTorr、基板温度:80℃ (P6) エッチングガス:流量20/180SCCM
のCl2 /BCl3 、電力密度:1.5W/cm2 、真
空度:30mTorr、基板温度:80℃ (P7) エッチングガス:流量180/20SCCM
のCl2 /HBr、電力密度:1.2W/cm2 、真空
度:12mTorr、基板温度:50℃ (P8) エッチングガス:流量200SCCMのCF
3 Cl、電力密度:1.2W/cm2 、真空度:12m
Torr、基板温度:50℃ エッチング後の有機シリコン膜の状態を走査型電子顕微
鏡で観察した結果、(P5)〜(P8)の何れの条件で
も、(C1)および(C2)の膜は変質してエッチング
が正常に行われていないことが分かった。また、(C
3)〜(C10)の膜でも、(P5)の条件でエッチン
グした場合は変質しており、ガラス転移温度が高い膜で
も弗素系ガスでエッチングするとエッチングが正常に行
われないことがわかる。
【0230】(C3)〜(C10)の膜を(P6)〜
(P8)の条件でエッチングした場合は、変質はなく、
エッチングが正常に行われていることを確認した。ま
た、レジストのエッチングレート、およびレジストと有
機シリコン膜のエッチング選択比(=有機シリコン膜の
エッチングレート/レジストのエッチングレート)、比
較のためにレジストと従来型の反射防止膜とのエッチン
グ選択比(=従来型の反射防止膜のエッチングレート/
レジストのエッチングレート)を同様に下記表3に示
す。
【0231】下記表3から明らかなように、(C3)〜
(C10)の膜の選択比はほぼ2以上であり、従来型の
反射防止膜よりも高い選択比である。従って、レジスト
の膜厚を薄膜化しても、レジストが途中で削れることな
く反射防止膜をエッチングすることが可能となる。
【0232】
【表7】
【0233】
【表8】 実施例4 本実施例は、実施例3において、有機シリコン膜中に光
導電性を生じせしめるためにフラーレンを添加した場合
について示す。
【0234】(D1):式[1−82]に示す重量平均
分子量2、000の有機シリコン化合物10g、フラー
レン0.01gをアニソール89.99gに溶解して作
成した溶液材料をスピンコーテング法により下地基板上
に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて160℃
で90秒間加熱して溶剤を気化乾燥させて、有機シリコ
ン膜を形成した。
【0235】(D2):(D1)において、重量平均分
子量4、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0236】(D3):(D1)において、重量平均分
子量8、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0237】(D4):(D1)において、重量平均分
子量16、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0238】(D5):(D2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて350℃で1時間加熱して、有機シ
リコン膜を架橋させた。
【0239】(D6):(D2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量150mJ/cm2
で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0240】(D7):(D2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0241】(D8):式[1−82]に示す重量平均
分子量4、000の有機シリコン化合物10g、式[4
−12]に示すラジカル発生剤0.1g、フラーレン
0.01gをアニソール89.89gに溶解して作成し
た溶液材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗
布した。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以
下)でホットプレートを用いて180℃で1時間加熱し
て、有機シリコン膜を架橋させた。
【0242】(D9):(D8)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量60mJ/cm2で
照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0243】(D10):(D8)のように作成した溶
液材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布
した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホ
ットプレートを用いて160℃で90秒間加熱しなが
ら、ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露
光量10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架
橋させた。
【0244】以上の(D1)〜(D10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表4に示す。
【0245】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(D1)〜(D10)およびレジス
トを、実施例3の(P5)〜(P8)の条件でエッチン
グして、それらの膜のエッチング特性を調べた。
【0246】エッチング後の有機シリコン膜の状態を走
査型電子顕微鏡で観察した結果、(P5)〜(P8)の
何れの条件でも、(D1)および(D2)の膜は変質し
てエッチングが正常に行われていないことが分かった。
また、(D3)〜(D10)の膜でも(P5)の条件で
エッチングした場合は変質しており、ガラス転移温度が
高い膜でも弗素系ガスでエッチングするとエッチングが
正常に行われないことがわかる。
【0247】(D3)〜(D10)の膜を(P6)〜
(P8)の条件でエッチングした場合は、変質はなく、
エッチングが正常に行われていることを確認した。レジ
ストと有機シリコン膜とのエッチング選択比を下記表4
に示す。下記表4から明らかなように、選択比はほぼ2
以上であり、従来型の反射防止膜よりも高い選択比であ
る。従って、レジストの膜厚を薄膜化しても、レジスト
が途中で削れることなく反射防止膜をエッチングするこ
とが可能となる。
【0248】レジストと有機シリコン膜のエッチング選
択比を測定した結果を同様に下記表4に示す。下記表4
から、実施例3と比べると選択比が向上していることが
わかる。これはおそらく、エッチング中のプラズマ発光
により反射防止膜に導電性が生じ、プラズマ中のラジカ
ルと反射防止膜のシリコンが反応して、揮発性生成物を
生成しやすくなったためと考えられる。
【0249】
【表9】 実施例5 まず、始めに以下の(E1)〜(E10)の方法によ
り、式[1−95]に示す有機シリコン化合物を含む有
機シリコン膜をシリコンウェハー上に形成した。ただ
し、式[1−95]に示す共重合体中のn/mは、(E
1)〜(E10)の何れもn/m=1/4である。
【0250】(E1):式[1−95]に示す重量平均
分子量1、000の有機シリコン化合物10gをアニソ
ール90gに溶解して作成した溶液材料を、スピンコー
テング法により下地基板上に塗布した。次いで、ホット
プレートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を気
化乾燥させて、有機シリコン膜を形成した。
【0251】(E2):(E1)において、重量平均分
子量3、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0252】(E3):(E1)において、重量平均分
子量6、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0253】(E4):(E1)において、重量平均分
子量12、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0254】(E5):(E2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm)でホットプ
レートを用いて400℃で1時間加熱して、有機シリコ
ン膜を架橋させた。
【0255】(E6):(E2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、水銀灯のi線(波長
365nm)を有機シリコン膜全面に露光量500mJ
/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。 (E7):(E2)のように作成した溶液材料を、スピ
ンコーテング法により下地基板上に塗布した後、窒素雰
囲気下(酸素濃度50ppm)でホットプレートを用い
て160℃で90秒間加熱しながら、水銀灯のi線を有
機シリコン膜全面に露光量10mJ/cm2で照射し
て、有機シリコン膜を架橋させた。
【0256】(E8):式[1−95]に示す重量平均
分子量3、000の有機シリコン化合物10g、式[1
−1]に示す重量平均分子量1、000の有機シリコン
化合物2gをアニソール88gに溶解して作成した溶液
材料をスピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm)でホ
ットプレートを用いて180℃で1時間加熱して、有機
シリコン膜を架橋させた。
【0257】(E9):(E8)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、水銀灯のi線を有機
シリコン膜全面に露光量100mJ/cm2で照射し
て、有機シリコン膜を架橋させた。
【0258】(E10):(E8)のように作成した溶
液材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布
した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm)でホット
プレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、水
銀灯のi線を有機シリコン膜全面に露光量80mJ/c
m2で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0259】以上の(E1)〜(E10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表5に示す。
【0260】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(E1)〜(E10)の膜および実
施例1の(R1)〜(R4)の方法で形成したレジスト
および従来型の反射防止膜を、下記のエッチング条件
(P9)〜(P12)で、それぞれエッチングし、(E
1)〜(E10)の膜のエッチング特性を調べた。
【0261】(P9) エッチングガス:流量120S
CCMのCF4 、電力密度:3W/cm2 、真空度:7
5mTorr、基板温度:50℃ (P10) エッチングガス:流量180/20SCC
MのCl2 /He、電力密度:1.5W/cm2 、真空
度:30mTorr、基板温度:80℃ (P11) エッチングガス:流量190/10SCC
MのCl2 /O2 、電力密度:1.2W/cm2 、真空
度:12mTorr、基板温度:50℃ (P12) エッチングガス:流量200SCCMのC
3 Cl、電力密度:1.1W/cm2 、真空度:12
mTorr、基板温度:50℃ エッチング後の有機シリコン膜の状態を走査型電子顕微
鏡で観察した結果、(P9)〜(P12)の何れの条件
でも、(E1)および(E2)の膜は変質してエッチン
グが正常に行われていないことが分かった。また、(E
3)〜(E10)の膜でも(P9)の条件でエッチング
した場合は変質しており、ガラス転移温度が高い膜でも
弗素系ガスでエッチングするとエッチングが正常に行わ
れないことがわかった。
【0262】これに対し、(E3)〜(E10)の膜を
(P10)〜(P12)の条件でエッチングした場合
は、変質はなくエッチングが正常に行われていることを
確認した。レジストのエッチングレート、およびレジス
トと有機シリコン膜のエッチング選択比(=有機シリコ
ン膜のエッチングレート/レジストのエッチングレー
ト)、比較のためにレジストと従来型の反射防止膜との
エッチング選択比(=従来型の反射防止膜のエッチング
レート/レジストのエッチングレート)を下記表5に示
す。
【0263】下記表5に示すように、選択比はほぼ2以
上であり、従来型の反射防止膜よりも高い選択比であ
る。従って、レジストの膜厚を薄膜化しても、レジスト
が途中で削れることなく、反射防止膜をエッチングする
ことが可能となる。
【0264】
【表10】
【0265】
【表11】 実施例6 まず始めに、以下の(F1)〜(F10)に示す方法に
より、式[1−34]に示す有機シリコン化合物を含有
する有機シリコン膜をシリコンウェハー上に形成した。
【0266】(F1):式[1−34]に示す重量平均
分子量1、000の有機シリコン化合物10gをトルエ
ン90gに溶解して作成した溶液材料を、スピンコーテ
ング法により下地基板上に塗布した。次いで、ホットプ
レートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を気化
乾燥させて、有機シリコン膜を形成した。
【0267】(F2):(F1)において、重量平均分
子量3、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0268】(F3):(F1)において、重量平均分
子量6、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0269】(F4):(F1)において、重量平均分
子量12、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0270】(F5):(F2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて300℃で1時間加熱して、有機シ
リコン膜を架橋させた。
【0271】(F6):(F2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量200mJ/cm2
で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0272】(F7):(F2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
30mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋さ
せた。
【0273】(F8):式[1−34]に示す重量平均
分子量3、000の有機シリコン化合物10g、式[3
−49]に示す架橋剤1g、式[4−1]に示すラジカ
ル発生剤0.01gをトルエン88.99gに溶解して
作成した溶液材料を、スピンコーテング法により下地基
板上に塗布した。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50
ppm以下)でホットプレートを用いて180℃で1時
間加熱して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0274】(F9):(F8)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて100℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、ArFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量80mJ/cm2で
照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0275】(F10):(F8)のように作成した溶
液材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布
した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホ
ットプレートを用いて160℃で90秒間加熱しなが
ら、ArFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露
光量10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架
橋させた。
【0276】以上の(F1)〜(F10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表6に示す。
【0277】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(F1)〜(F10)の膜を実施例
1の(P1)〜(P4)の条件でそれぞれエッチング
し、それらの膜のエッチング特性を調べた。即ち、エッ
チング後の有機シリコン膜の状態を走査型電子顕微鏡で
観察した結果、(P1)〜(P4)の何れの条件でも、
(F1)および(F2)の膜は変質してエッチングが正
常に行われていないことが分かった。また、(F3)〜
(F10)の膜でも(P1)の条件でエッチングした場
合は変質しており、ガラス転移温度が高い膜でも弗素系
ガスでエッチングするとエッチングが正常に行われない
ことがわかった。
【0278】これに対し、(F3)〜(F10)の膜を
(P2)〜(P4)の条件でエッチングした場合は、変
質はなく、エッチングが正常に行われていることを確認
した。また、レジストと有機シリコン膜とのエッチング
選択比を同様に下記表6に示す。
【0279】下記表6から明らかなように、(F3)〜
(F10)の膜の選択比はほぼ2以上であり、従来型の
反射防止膜よりも高い選択比である。従って、レジスト
の膜厚を薄膜化しても、レジストが途中で削れることな
く、反射防止膜をエッチングすることが可能となる。
【0280】
【表12】 実施例7 まず始めに、以下の(G1)〜(G10)の方法によ
り、式[1−18]に示す有機シリコン化合物を含有す
る有機シリコン膜をシリコンウェハー上に形成した。
【0281】(G1):式[1−18]に示す重量平均
分子量1、000の有機シリコン化合物10gをトルエ
ン90gに溶解して作成した溶液材料を、スピンコーテ
ング法により下地基板上に塗布した。次いで、ホットプ
レートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を気化
乾燥させて、有機シリコン膜を形成した。
【0282】(G2):(G1)において、重量平均分
子量3、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0283】(G3):(G1)において、重量平均分
子量6、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0284】(G4):(G1)において、重量平均分
子量12、000の有機シリコン化合物を用いた。
【0285】(G5):(G2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて400℃で1時間加熱して、有機シ
リコン膜を架橋させた。
【0286】(G6):(G2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、KrFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量400mJ/cm2
で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0287】(G7):(G2)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホッ
トプレートを用いて160℃で90秒間加熱しながら、
KrFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露光量
100mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架橋
させた。
【0288】(G8):式[1−18]に示す重量平均
分子量3,000の有機シリコン化合物10g、式[3
−8]に示す架橋剤1g、式[4−8]に示すラジカル
発生剤0.01gをトルエン88.99gに溶解して作
成した溶液材料を、スピンコーテング法により下地基板
上に塗布した。次いで、窒素雰囲気下(酸素濃度50p
pm以下)でホットプレートを用いて180℃で1時間
加熱して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0289】(G9):(G8)のように作成した溶液
材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布し
た後、ホットプレートを用いて100℃で90秒間加熱
して溶剤を気化乾燥させ、次いで、KrFエキシマレー
ザーを有機シリコン膜全面に露光量100mJ/cm2
で照射して、有機シリコン膜を架橋させた。
【0290】(G10):(G8)のように作成した溶
液材料を、スピンコーテング法により下地基板上に塗布
した後、窒素雰囲気下(酸素濃度50ppm以下)でホ
ットプレートを用いて180℃で90秒間加熱しなが
ら、KrFエキシマレーザーを有機シリコン膜全面に露
光量10mJ/cm2で照射して、有機シリコン膜を架
橋させた。
【0291】以上の(G1)〜(G10)の方法で形成
した有機シリコン膜のガラス転移温度を測定した。その
結果を下記表7に示す。
【0292】次に、マグネトロン型反応性イオンエッチ
ング装置を用いて、(G1)〜(G10)の膜を実施例
3の(P5)〜(P8)の条件でエッチングして、エッ
チング特性を調べた。即ち、エッチング後の有機シリコ
ン膜の状態を走査型電子顕微鏡で観察した結果、(P
5)〜(P8)の何れの条件でも、(G1)および(G
2)の膜は変質してエッチングが正常に行われていない
ことが分かった。また、(G3)〜(G10)の膜でも
(P5)の条件でエッチングした場合は変質しており、
ガラス転移温度が0℃以上の膜でも弗素系ガスでエッチ
ングするとエッチングが正常に行われないことが分かっ
た。
【0293】これに対し、(G3)〜(G10)の膜を
(P6)〜(P8)の条件でエッチングした場合は、こ
のような変質はなく、エッチングが正常に行われている
ことを確認した。この時の、レジストと有機シリコン膜
とののエッチング選択比を同様に下記表7に示す。
【0294】下記表7に示すように、選択比はほぼ2以
上であり、従来型の反射防止膜よりも高い選択比であ
る。従って、レジストの膜厚を薄膜化しても、レジスト
が途中で削れることなく反射防止膜をエッチングするこ
とが可能となる。
【0295】
【表13】 実施例8 下記式13に示す平均分子量15000(n/m=4/
1)のポリシラン5gをアニソール95gに溶解し、有
機シリコン膜の溶液材料を作成した。被加工物であるシ
リコンウェハー上に有機シリコン膜の溶液材料をスピン
コーテング法により塗布し、200℃で90秒間ベーキ
ングを行い、溶剤を乾燥させた。この時の有機シリコン
膜の膜厚は950オングストロ−ムである。また、ガラ
ス転移温度は125℃である。
【0296】
【化79】 有機シリコン膜の膜厚は次のように決定した。すなわ
ち、分光エリプソで測定したλ=248nmにおける複
素屈折率はn=2.10,k=0.30である。反射防
止膜、レジスト、シリコン基板のλ=248nmにおけ
る複素屈折率として、下記表8に示す値を用い、レジス
トと有機シリコン膜との界面での光反射率を計算し、ベ
ーキング後の有機シリコン膜の膜厚が反射率の極小点で
ある950オングストロームになるように塗布を行っ
た。
【0297】
【表14】 次いで、有機シリコン膜上に化学増幅型ポジ型レジスト
(シップレー社製、APEX−E)を塗布し、98℃で
120秒間のベーキングを行なった。ベーキング後のレ
ジスト膜厚は1500オングストロームである。さら
に、KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ス
テッパーで露光(露光量78mJ/cm2)し、98℃
で120秒間のベーキングを行なった。そして、0.2
1規定のTMAH現像液で90秒間の現像処理を行な
い、0.18μmライン アンド スペースパターンを
形成した。
【0298】このようにして得たレジストパターンの形
状を観察したところ、裾引きや食われは見られず、良好
なレジストプロファイルが得られた。レジストの膜厚を
500オングストロ−ムから1500オングストロ−ム
の範囲で変化させ、各レジスト膜厚でレジストパターン
寸法を測定した。その結果、レジスト膜中に発生した定
在波による寸法変動量は無視できる大きさであることが
分かった。
【0299】次に、形成したレジストパターンをマスク
として用いて、有機シリコン膜のエッチングを行った。
エッチング装置としては、マグネトロン型RIE装置を
用い、ソースガスとしてCl2 を流量80SCCMで流
し、励起電力200Wでエッチングを行った。その結
果、有機シリコン膜のエッチング終了後もレジストパタ
ーンがすべて削れることなく、また、有機シリコン膜も
エッチングで変質することはなく、正常にエッチングが
なされた。その結果、寸法制御性よくエッチングを行う
ことができた。
【0300】実施例9 下記式14に示す平均分子量17000のポリシラン8
gをシクロヘキサノン92gに溶解して有機シリコン膜
の溶液材料を作成した。シリコン基板上にスパッター法
で成膜がなされた膜厚5000オングストロ−ムのSi
2 膜上に、有機シリコン膜の溶液材料をスピンコーテ
ング法により塗布した後、200℃で300秒間ベーキ
ングを行い、有機シリコン化合物を架橋させ、ガラス転
移温度153℃の有機シリコン膜を得た。有機シリコン
膜の膜厚は5000オングストロ−ムである。
【0301】
【化80】 次いで、化学増幅型ポジ型レジスト(シップレー社製、
UV6)を塗布し、135℃で120秒間のベーキング
を行なった。ベーキング後のレジスト膜厚は3000オ
ングストロ−ムである。さらに、KrFエキシマレーザ
ーを光源とする縮小光学型ステッパーで露光(露光量2
8mJ/cm2 )、135℃で120秒間のベーキング
を行なった。そして、0.21規定のTMAH現像液で
90秒間の現像処理を行ない、0.18μmライン ア
ンド スペースパターンを形成した。レジストの膜厚を
変化させてレジストパターンの寸法を測定したところ、
レジスト膜中に発生した定在波による寸法変動は見られ
ず、レジストへの反射光が十分に抑えられていることが
分かった。
【0302】次に、レジストパターンをマスクとして用
いて、有機シリコン膜のエッチングを行った。エッチン
グ装置としてはマグネトロン型RIE装置を用い、ソー
スガスとしてCl2 を流量200SCCMで流し、励起
電力200Wの条件でエッチングを行ったところ、レジ
ストパターンが途中でなくなることなく、有機シリコン
膜のエッチングをすることができ、また、有機シリコン
膜は、変質することなく、正常にエッチングがなされ
た。有機シリコン膜のエッチング終了後の寸法変換差を
図1(d)および(e)のY−Xで定義すると、この時
生じた寸法変換差は−0.005μmであり、許容範囲
内であることが分かった。
【0303】さらに、エッチングした有機シリコン膜
と、有機シリコン膜上にエッチング終了後残ったレジス
トパタ−ンをマスクとして用いてSiO2 膜のエッチン
グを行った。エッチング装置としては、マグネトロン型
のRIE装置を用い、CF4 とH2 をそれぞれ流量20
SCCM、30SCCMで流し、励起電力0.8kWの
条件でエッチングを行ったところ、有機シリコン膜が途
中でなくなることなく、SiO2 膜のエッチングを行う
ことができた。その後、キシレンに300秒間浸透させ
た後、酸素プラズマでアッシング処理を行い、レジスト
と有機シリコン膜を剥離した。SiO2 膜の表面をSE
Mで観察したところ、残渣もなく、SiO2 と選択的に
レジストと有機シリコン膜を剥離することができた。
【0304】実施例10 実施例9において、有機シリコン膜のエッチングに下記
表9に示すソースガスを用いた場合について説明する。
エッチング装置としてはマグネトロン型のRIE装置を
用いた。レジストパターンが途中で削れてなくなること
なく、有機シリコン膜のエッチングを行うことができた
時のエッチング条件と選択比を、それぞれのガス系につ
いて下記表9に示す。なお、表中の選択比は、有機シリ
コン膜のエッチングレ−ト/レジストのエッチングレ−
トで定義した。
【0305】
【表15】 実施例11 重量平均分子量18000の、式[1−97]に記載の
有機シリコン化合物(n/m=1/4)10gをアニソ
ール90gに溶解し、有機シリコン膜の溶液材料を作成
した。被加工物であるシリコンウェハー上に有機シリコ
ン膜の溶液材料をスピンコーテング法により塗布し、1
60℃で90秒間のベーキングを行い、溶剤を乾燥させ
た。この時の有機シリコン膜の膜厚は1100オングス
トロ−ム、ガラス転移温度は145℃である。分光エリ
プソで測定したλ=248nmにおける複素屈折率はn
=2.10,k=0.38であった。
【0306】次いで、実施例8と同様にして、有機シリ
コン膜上にレジストを塗布し、レジストパターンを形成
した。レジストパターンの形状には裾引きや食われは見
られず、良好なレジストプロファイルが得られた。レジ
ストの膜厚を500オングストロ−ムから1500オン
グストロ−ムの範囲で変化させ、各レジスト膜厚でレジ
ストパターン寸法を測定した。その結果、レジスト膜中
に発生した定在波による寸法変動量は無視できる大きさ
であることが分かった。
【0307】次に、形成したレジストパターンをマスク
として用い、エッチングガスとして流量180SCCM
のCl2 、流量20SCCMのSF6 の混合ガスを用
い、励起電力を200Wとしたことを除いて、実施例8
と同様の方法で有機シリコン膜のエッチングを行ったと
ころ、有機シリコン膜のエッチング終了後もレジストパ
ターンがすべて削れることなく、また、有機シリコン膜
が変質することなく、正常にエッチングがなされた。そ
の結果、寸法制御性よく有機シリコン膜をエッチングす
ることができた。
【0308】実施例12 平均分子量13000のポリ(フェニルシレン)8g、
平均分子量12000のポリ(フェニルメチルシラン)
3gをアニソール89gに溶解し、有機シリコン膜の溶
液材料を作成した。被加工物であるシリコンウェハー上
に有機シリコン膜の溶液材料をスピンコーテング法によ
り塗布し、160℃で90秒間ベーキングを行い、溶剤
を乾燥させた。この時の有機シリコン膜の膜厚は200
nmであり、ガラス転移温度は158℃であった。分光
エリプソで測定したλ=248nmにおける複素屈折率
はn=2.10,k=0.42であった。
【0309】次いで、実施例8と同様にして、有機シリ
コン膜上にレジストを塗布し、レジストパターンを形成
した。レジストパターンの形状には裾引きや食われは見
られず、良好なレジストプロファイルが得られた。レジ
ストの膜厚を50nmから150nmの範囲で変化さ
せ、各レジスト膜厚でレジストパターン寸法を測定し
た。その結果、レジスト膜中に発生した定在波による寸
法変動量は無視できる大きさであることが分かった。
【0310】次に、形成したレジストパターンをマスク
として用いて、ソ−スガスを流量200SCCMのHB
r、励起電力を150Wとしたことを除いて、実施例8
と同様の方法で有機シリコン膜のエッチングを行ったと
ころ、有機シリコン膜のエッチング終了後もレジストパ
ターンがすべて削れることなく、また、有機シリコン膜
が変質することなく、正常にエッチングがなされた。そ
の結果、寸法制御性よく有機シリコン膜をエッチングす
ることができた。
【0311】比較例1 下記一般式(16)に示す構造でR1 、R2 、R3 =C
3 、平均重量分子量6,000のポリシラン10gを
アニソール90gに溶解して調製した溶液を、シリコン
基板上にスピンコーテング法により塗布し、ホットプレ
ートを用いて、160℃で90秒間加熱して、有機シリ
コン膜を形成した。有機シリコン膜のガラス転移温度は
−20℃であった。
【0312】実施例1〜7のエッチング条件(P1)〜
(P12)で有機シリコン膜をエッチングしたところ、
いずれの条件でも、実施例1で示したような変質がみら
れ、正常にエッチングを行うことが出来なかった。
【0313】ポリシランの平均重量分子量を500、1
500、13,000、40,000と変化させて上記
方法と同様の方法で有機シリコン膜を形成し、ガラス転
移温度を測定したところ、それぞれ、−30℃、−24
℃、−20℃、−12℃で、平均重量分子量を変えるこ
とで、0℃以上のガラス転移温度を得ることができなか
った。
【0314】有機シリコン膜を、実施例1〜7のエッチ
ング条件(P1)〜(P12)でエッチングしたとこ
ろ、変質がみられ、正常にエッチングを行うことが出来
なかった。また、R1 、R2 、R3 をC2 5 、C3
8 に置換しても、ガラス転移温度は0℃以下で、正常に
エッチングを行うことが出来なかった。
【0315】
【化81】 以上の実施例1〜12および比較例1の結果から、ガラ
ス転移温度が約0℃以上の有機シリコン膜、或は架橋さ
せた有機シリコン膜は、塩素、臭素、沃素を含有する原
子を含むガスでエッチングすると、変質することなく、
レジストに対して高選択比でエッチングすることができ
ることが分かる。有機シリコン膜がスポンジ状に変質す
るのは、プラズマ中のハロゲンラジカルが有機シリコン
膜の内部まで浸透しやすく、ハロゲン化シリコン化合物
となって膜中から揮発し、揮発しにくい有機成分がエッ
チングされずに残ってスポンジ状になったものと考えら
れる。
【0316】一方、有機シリコン化合物のガラス転移温
度が高い有機シリコン膜、或は架橋させた有機シリコン
膜は、ハロゲンラジカルが有機シリコン膜の内部まで浸
透しにくく、表面から順次エッチングされるために、変
質を抑制することができたものと考えられる。
【0317】以下の実施例13〜44は、有機シリコン
膜パターンをマスクとして用いて、シリコン系絶縁膜を
エッチングする、本発明の第2の態様に係る例である。
【0318】実施例13 本実施例では、(A1)〜(A10)の有機シリコン膜
をマスクとして用いて、シリコン系絶縁膜をエッチング
した時のエッチング耐性について調べた結果について示
す。まず、シリコン系絶縁膜を、次の(S1)、(S
2)の方法により形成した。レジストおよび比較のため
の従来型反射防止膜としては、実施例1の(R1)の方
法で形成したレジストを用いた。
【0319】(S1):LPCVD法により、下地基板
上にSiO2 膜を形成した。
【0320】(S2):LPCVD法により、下地基板
上にSiN膜を形成した。
【0321】次に、有機シリコン膜のエッチング耐性に
ついて調べた。マグネトロン型反応性プラズマエッチン
グ装置を用いて、(A1)〜(A10)の有機シリコン
膜、(R1)〜(R4)のレジストおよび反射防止膜、
(S1)、(S2)のシリコン系絶縁膜を、下記(Q
1)〜(Q6)の条件で、それぞれエッチングした。
【0322】(Q1) エッチングガス:流量45/1
55SCCMのCHF3 /CO、励起電力:700W、
真空度:40mTorr、基板温度:50℃ (Q2) エッチングガス:流量45/155/7SC
CMのCHF3 /CF4 /O2 、励起電力:700W、
真空度:40mTorr、基板温度:50℃ (Q3) エッチングガス:流量12/100/240
SCCMのC4 8 /CO/Ar、励起電力:700
W、真空度:40mTorr、基板温度:50℃ (Q4) エッチングガス:流量74/78SCCMの
CHF3 /CF4 、励起電力:700W、真空度:40
mTorr、基板温度:50℃ (Q5) エッチングガス:流量80/20/160S
CCMのCF4 /O2/Ar、励起電力:800W、真
空度:40mTorr、基板温度:50℃ (Q6) エッチングガス:流量45/155/10S
CCMのCHF3 /CO/O2 、励起電力:800W、
真空度:40mTorr、基板温度:50℃ (A3)〜(A10)、(R1)〜(R4)、(S1)
および(S2)のエッチングレートを測定した。そし
て、(S1)SiO2 膜の有機シリコン膜に対するエッ
チング選択比(=SiO2 膜のエッチングレート/有機
シリコン膜のエッチングレート)を算出した結果を上記
表1に示す。比較のために、従来のマスク材(R1)〜
(R4)に対するエッチング選択比(=シリコン系絶縁
膜のエッチレート/エッチングマスク材のエッチレー
ト)を算出した結果を、同様に上記表1に示す。
【0323】上記表1から、(A1)〜(A10)の何
れの膜も、いずれのエッチング条件においても、従来の
エッチングマスク材よりもエッチングレートが遅く、有
機シリコン膜が従来のレジスト、反射防止膜といったエ
ッチングマスク材よりも耐ドライエッチング性があるこ
とが分かる。
【0324】実施例14 本実施例では、(B1)〜(B10)の有機シリコン膜
をエッチングマスクとして用いて、シリコン系絶縁膜を
エッチングした時のエッチング耐性について調べた結果
について示す。まず、実施例13と同様にして、有機シ
リコン膜のエッチング耐性を調べた結果を上記表2に示
す。上記表2から、(B1)〜(B10)の何れの膜
も、従来のエッチングマスク材(R1)〜(R4)より
もエッチングレートが遅く、有機シリコン膜がレジスト
よりも耐ドライエッチング性があることが分かった。
【0325】(C1)〜(C10)、(D1)〜(D1
0)、(E1)〜(E10)、(F1)〜(F10)、
(G1)〜(G10)の有機シリコン膜をエッチングマ
スクとして用いてシリコン系絶縁膜をエッチングした時
のエッチング耐性についても、同様にして調べたとこ
ろ、(A1)〜(A10)、(B1)〜(B10)の有
機シリコン膜と同様に、従来のエッチングマスク材より
も耐ドライエッチング性が優れていることが分かった。
【0326】実施例15 本実施例では、レジストと有機シリコン膜とのエッチン
グ選択比、および有機シリコン膜の光学定数を測定する
実験を行った。
【0327】まず、下記(A)〜(L)に示す、12種
の有機シリコン膜の溶液材料を作成した。
【0328】(A)下記式[17−1]に示す重量平均
分子量1000のポリシラン10gをシクロヘキサノン
90gに溶解して得た溶液材料。
【0329】(B)下記式[17−2]に示す重量平均
分子量12000のポリシラン10gをシクロヘキサノ
ン90gに溶解して得た溶液材料。
【0330】(C)下記式[17−3]に示す重量平均
分子量12000のポリシラン(n/m=1/1)10
gをシクロヘキサノン90gに溶解して得た溶液材料。
【0331】(D)下記式[17−4]に示す重量平均
分子量13000のポリシラン(n/m=4/1)10
gをシクロヘキサノン90gに溶解して得た溶液材料。
【0332】(E)下記式[17−5]に示す重量平均
分子量12000のポリシラン10gをキシレン90g
に溶解して得た溶液材料。
【0333】(F)下記式[17−6]に示す重量平均
分子量12000のポリシラン10gをキシレン90g
に溶解して得た溶液材料。
【0334】(G)下記式[17−7]に示す重量平均
分子量9000のポリシラン(n/m=1/4)10g
をキシレン90gに溶解して得た溶液材料。
【0335】(H)下記式[17−8]に示す重量平均
分子量13000のポリシラン10gをキシレン90g
に溶解して得た溶液材料。
【0336】(I)下記式[17−9]に示す重量平均
分子量16000のポリシラン10gをキシレン90g
に溶解して得た溶液材料。
【0337】(J)下記式[17−10]に示す重量平
均分子量13000のポリシレン5gと、下記式「15
−1]に示す重量平均分子量1000のポリシラン10
gとを、キシレン85gに溶解して得た溶液材料。
【0338】(K)下記式[17−11]に示す重量平
均分子量12000のポリシレン(n/m=1/2)5
gと、重量平均分子量4000のポリサルフォン10g
とを、キシレン85gに溶解して得た溶液材料。
【0339】(L)下記式[17−12]に示す重量平
均分子量15000のポリシラン(n/m=1/1)1
0gと、クマリン色素1gとを、キシレン89gに溶解
して得た溶液材料。
【0340】
【化82】
【0341】
【化83】 以上挙げた(A)〜(L)の溶液材料を、スピンコーテ
ィング法によりシリコンウェハー上に塗布し、160℃
で60秒間ベーキングを行い、500nm厚の有機シリ
コン膜を形成した。この有機シリコン膜のガラス転移温
度を下記表10に示す。また、同様にして、ポリヒドロ
キシスチレンを成分樹脂とするシップレー社製ポジ型化
学増幅型レジストAPEX−E、シップレー社製ネガ型
化学増幅型レジストSNR200、ノボラック樹脂を成
分樹脂とするポジ型レジスト(商品名:IX−770、
日本合成ゴム社製)を、それぞれシリコンウェハー上に
塗布した。次に、上記(A)〜(L)の溶液材料を用い
て得た膜とレジストを、マグネトロン型RIE装置を用
いてそれぞれエッチングし、それぞれの膜のエッチング
レートを測定した。エッチング条件は、ソースガスとし
て流量200SCCMのCl2 ガスを用い、真空度80
mTorr、励起電力200Wである。いずれの有機シ
リコン膜も変質することなく、正常にエッチングがなさ
れた。エッチングレートの測定結果を下記表10に示
す。
【0342】次に、波長248nmおよび193nmに
おける有機シリコン膜の複素屈折率を測定した。また、
それぞれの波長における膜厚500nmの有機シリコン
膜の反射率を紫外分光計で測定した。それらの測定結果
を、下記表11に示す。
【0343】
【表16】
【0344】
【表17】
【0345】
【表18】
【0346】
【表19】
【0347】
【表20】
【0348】
【表21】 上記表10から、有機シリコン膜のエッチングレート
は、レジストのエッチングレートに比べ、少なくとも
3.6倍以上も速く、従って、本実施例において得られ
た有機シリコン膜は、レジストをマスクとして用いて、
高選択比でエッチングし得ることがわかる。
【0349】また、表11から、いずれの有機シリコン
膜も反射率は5%以下であり、反射防止膜として有効に
作用することがわかる。
【0350】比較例2 シリコンウェハー上に、カーボン膜、ノボラック樹脂
膜、ポリサルフォン膜、およびポリイミド膜をそれぞれ
形成した。カーボン膜は、Ar雰囲気中でグラファイト
板をターゲットとして用いたDCマグネトロンスパッタ
リング法を用いることにより作成した。形成条件は、基
板温度250℃、圧力4×10-3Torr、電力密度
3.5W/cm2 、アルゴン流量40SCCMである。
【0351】ノボラック樹脂膜は、重量平均分子量60
00のノボラック樹脂を乳酸エチルに溶解して得た溶液
材料を、スピンコーティング法によりシリコンウェハー
上に塗布し、320℃で180秒間ベーキングすること
により成膜した。
【0352】ポリサルフォン樹脂膜は、重量平均分子量
5000のポリサルフォン樹脂をシクロヘキサノンに溶
解して得た溶液材料をシリコンウェハー上に塗布し、2
20℃で90秒間ベーキングすることにより成膜した。
【0353】ポリイミド樹脂膜は、重量平均分子量50
00のポリイミド樹脂をシクロヘキサノンに溶解して得
た溶液材料をシリコンウェハー上に塗布し、220℃で
90秒間ベーキングすることにより成膜した。
【0354】また、実施例15と同様にして、シリコン
ウェハー上にレジスト膜を形成した。
【0355】波長248nmおよび193nmにおけ
る、カーボン膜、ノボラック樹脂膜、ポリサルフォン膜
およびポリイミド膜の複素屈折率を測定した。また、そ
れぞれの波長における、膜厚500nmのカーボン膜、
ノボラック樹脂膜、ポリサルフォン膜およびポリイミド
膜の表面反射率を紫外分光計で測定した。それらの測定
結果を、同様に上記表11に示す。
【0356】上記表11から、カーボン膜、ノボラック
樹脂膜、ポリサルフォン膜およびポリイミド膜の表面反
射率は、いずれも7%以下であり、反射防止膜として有
効に作用することがわかる。
【0357】次に、それぞれの膜をマグネトロン型RI
E装置でエッチングし、それぞれの膜のエッチングレー
トを求めた。エッチング条件は、カーボン膜、ノボラッ
ク樹脂膜、ポリサルフォン膜およびポリイミド膜をエッ
チングするための最適な条件、すなわち、ソースガスと
して流量50SCCMのCF4 ガス、流量8SCCMの
2 ガス、流量20SCCMのArガスを用い、真空度
10mTorr、励起電力200Wである。測定結果を
下記表12に示す。
【0358】
【表22】 上記表12から、カーボン膜、ノボラック樹脂膜、ポリ
サルフォン膜およびポリイミド膜のエッチングレート
は、最も耐ドライエッチング性の高いレジストのエッチ
ングレートの0.37倍、0.91倍、1.39倍、
1.33倍であり、レジストとのエッチング選択比がと
れないことがわかる。
【0359】このように、カーボン膜、ノボラック樹脂
膜、ポリサルフォン膜およびポリイミド膜は、優れた反
射防止効果を有するが、レジストとの間でエッチング選
択比がとれないため、レジストパターンを絶縁膜のエッ
チングマスクにパターン転写出来ないことがわかる。
【0360】比較例3 シリコンウェハー上にポリシリコン膜を形成し、このポ
リシリコン膜をマグネトロン型RIE装置でエッチング
し、そのエッチングレートを求めた。エッチング条件
は、実施例15と同様である。その測定結果を上記表1
1に示す。
【0361】上記表11から、ポリシリコン膜は、レジ
ストより8.9倍以上エッチングレートが速いことがわ
かる。
【0362】また、波長248nmおよび193nmに
おける、ポリシリコン膜の複素屈折率を測定した。更
に、シリコンウェハー上に形成された膜厚500nmの
ポリシリコン膜の表面反射率を、それぞれの波長におい
て、紫外分光計で測定した。これらの結果を上記表11
に示す。
【0363】上記表11から、ポリシリコン膜の表面反
射率は45%以上と高く、ポリシリコン膜上ではレジス
トの側壁に波打ち形状がみられ、寸法制御性の良好なレ
ジストのパターニングが困難であることがわかる。
【0364】このように、ポリシリコン膜は、レジスト
との高いエッチング選択比はとれるが、紫外線光での表
面反射率が高いため、絶縁膜のエッチングマスクとして
は使用出来ないことがわかる。
【0365】実施例16 本実施例では、有機シリコン膜と、酸化シリコン膜およ
び窒化シリコン膜との間の選択比を測定する実験を以下
のように行った。
【0366】実施例15と同様にして、シリコンウェハ
ー上に種々の有機シリコン膜をそれぞれ成膜し、また、
シリコンウェハー上にSiO2 膜およびSiN膜をそれ
ぞれ成膜し、これら各膜をマグネトロン型RIE装置で
エッチングし、それぞれの膜のエッチングレートを求め
た。エッチング条件は、ソースガスとして流量50SC
CMのC4 8 ガス、流量10SCCMのCOガス、流
量100SCCMのArガス、流量3SCCMのO2
スを用い、真空度10mTorr、励起電力800Wで
ある。測定結果を上記表10に示す。
【0367】上記表10から、SiO2 膜のエッチング
レートは、有機シリコン膜のエッチングレートの15倍
以上であることがわかる。また、SiN膜のエッチング
レートは、有機シリコン膜のエッチングレートの14倍
以上であることがわかる。
【0368】比較例4 実施例16と同様のエッチング条件で、レジスト膜、カ
ーボン膜、ノボラック樹脂膜、ポリサルフォン膜、ポリ
イミド膜、およびポリシリコン膜のエッチングレートを
測定した。レジスト膜としては、実施例15で用いた3
種類のレジスト膜を用いた。その測定結果を上記表10
に示す。
【0369】上記表10から、レジスト膜のエッチング
レートに対し、SiO2 膜およびSiN膜のエッチング
レートは、最大でも2.7倍、2.6倍しかないことが
わかる。また、カーボン膜およびポリシリコン膜は、S
iO2 膜およびSiN膜をエッチングする場合、本発明
で用いる有機シリコン膜と同等の耐エッチング性を有す
るが、比較例2,3で示したような問題を有するため、
SiO2 膜およびSiN膜のエッチングマスクとしての
使用は困難である。
【0370】また、ノボラック樹脂膜、ポリサルフォン
膜およびポリイミド膜は、レジストと同等の耐エッチン
グ性しかなく、有機シリコン膜に比べ、SiO2 膜およ
びSiN膜のエッチングマスクとしては不十分である。
また、ノボラック樹脂膜、ポリサルフォン膜およびポリ
イミド膜は、比較例1で示したように、レジストとのエ
ッチング選択比がとれないため、SiO2 膜およびSi
N膜のエッチングマスクとしては使用できない。
【0371】従って、実施例15、実施例16、および
比較例1〜3から、SiO2 膜およびSiN膜のエッチ
ングマスクとして、有機シリコン膜が最も優れているこ
とがわかる。また、本発明に係る有機シリコン膜は、ス
ピンコーティング法で成膜できるため、CVD法やスパ
ッタ法によってしか成膜できないポリシリコン膜やカー
ボン膜等のエッチングマスクと比べると、プロセスコス
トが低く、成膜時にダストが発生しないという利点もあ
る。
【0372】以下の実施例17〜44は、一般式[1
2]に示す有機シリコン化合物からなる有機シリコン膜
を、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて
エッチングする例である。
【0373】実施例17 図1(a)に示すように、シリコンウェハー1上に膜厚
500nmのSiO2膜2をCVD法で成膜した。次
に、SiO2 膜2上に、上述した式[17−1]に示す
平均分子量1000のポリシラン8g、式[3−79]
に示す架橋剤1.8g、ラジカル発生剤としてトリハロ
メチル−s−トリアジン0.2gを、シクロヘキサノン
90gに溶解して作成した溶液材料を塗布して、窒素雰
囲気(酸素濃度50ppm以下)、180℃で600秒
間ベーキングを行い、ポリシランを架橋させ、ガラス転
移温度153℃の有機シリコン膜3を得た。この有機シ
リコン膜3膜厚は250nmである(図1(b))。
【0374】また、分光エリプソで測定した有機シリコ
ン膜3の露光波長248nmでの複素屈折率はn=2.
10、k=0.38で、得られた複素屈折率の値を用い
て有機シリコン膜の膜厚に対して、レジストと有機シリ
コン膜3との界面での光強度反射率を計算した。その結
果を図5示す。計算に用いた露光波長での複素屈折率
は、上記表8に示す値を用いた。
【0375】図5から、有機シリコン膜3をSiO2
2上に形成したことによって、レジスト膜4の戻り光が
減じられていることが分かる。
【0376】続いて、有機シリコン膜上にレジスト4を
塗布し、98℃で120秒間ベーキングを行った(図1
(c))。この時のレジスト4の膜厚は200nmであ
る。なお、レジストとしては、実施例1で用いた(R
1)の方法で得たものを用いた。
【0377】次に、KrFエキシマレーザー光を光源と
した縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行い
(露光量30mJ/cm2 )、98℃で120秒間のベ
ーキングを行った後、0.21規定のTMAH現像液で
現像処理を行い、0.18μmラインアンドスペースパ
ターン5を形成した(図1(d))。この時のレジスト
パターン5の膜厚は180nmである。
【0378】レジストプロファイルを断面SEM観察し
たところ、レジストパターンの形状には裾引きや食われ
は見られず、良好なレジストプロファイルが得られ、側
壁には定在波による波打ち形状は見られなかった。
【0379】また、レジスト膜厚を100〜200nm
の範囲で変化させてレジストパターン寸法を測定した。
その結果を図6に示す。次に、SiO2 膜2の膜厚を4
50〜550nmで変化させてレジストパターン5の寸
法を測定した。その結果を図7示す。
【0380】レジスト膜およびSiO2 膜中で発生した
多重反射による寸法変動量を図6よび図7示すように定
義すると、レジスト膜中で発生した多重反射による寸法
変動量は6nm、SiO2 膜中で発生した多重反射によ
る寸法変動量は5nmで、許容範囲の9nm以下であ
る。従って、有機シリコン膜が反射防止膜として作用し
ているために、レジスト膜厚およびSiO2 膜厚のバラ
ツキに依存しにくく、寸法制御性のよいレジストパター
ンを得ることができた。
【0381】以上のように形成したレジストパターンを
マスクとして用いて、マグネトロン型RIE装置を用
い、図1(e)に示すように、有機シリコン膜のエッチ
ングを行った。ソースガスとして流量200SCCMの
Cl2 を用い、励起電力300W、真空度30mTor
rのエッチング条件で有機シリコン膜のエッチングを行
ったところ、レジストパターンが途中で削れてなくなる
ことなく、有機シリコン膜のエッチングを行うことがで
きた。
【0382】有機シリコン膜の加工形状を観察したとこ
ろ、有機シリコン膜は垂直に異方性よくエッチングされ
ていた。また、また、エッチング後の有機シリコン膜パ
ターンの寸法を、パターンの底部、つまり図1(e)の
Yで定義すると、有機シリコン膜のエッチングで生じた
寸法変換差(=Y−X)は、−2nmで、エッチング前
のレジストパターンとずれることなく、有機シリコン膜
をエッチングすることができた。
【0383】さらに、パターニングされた有機シリコン
膜と有機シリコン膜上に残ったレジストパターンをマス
クとして用いて、マグネトロン型反応性イオンエッチン
グ装置を用い、図1(f)に示すように、SiO2 膜の
エッチングを行った。エッチングガスとして流量30S
CCMのC4 8 ガス、流量160SCCMのArガ
ス、および流量3SCCMのO2 ガスを用い、励起電力
800W、真空度30mTorrのエッチング条件でエ
ッチングを行ったところ、有機シリコン膜が途中で削れ
てなくなることなく、SiO2 膜のエッチングを行うこ
とができた。
【0384】以上のようにしてSiO2 膜をエッチング
した結果、有機シリコン膜およびSiO2 膜のエッチン
グで生じた寸法変換差(=Z−X)は、−5nmであ
り、許容範囲の−9nm〜+9nm以内にあり、レジス
トパターン寸法を忠実にSiO 2 膜に転写することがで
き、寸法制御性よくSiO2 膜を加工することができ
た。
【0385】このエッチング条件で、ベタ膜でレジスト
膜と有機シリコン膜のエッチングレートを測定したとこ
ろ、レジスト膜が25nm/min、有機シリコン膜が
165nm/minで、有機シリコン膜のエッチングレ
ートがレジスト膜より6.6倍速いことが分かった。従
って、レジストパターンの後退がなく、異方的に、かつ
寸法制御性良く、有機シリコン膜をエッチングできたも
のと考えられる。
【0386】このエッチング条件で、実施例15と同様
にしてベタ膜でレジスト膜、有機シリコン膜及びSiO
2 膜のエッチングレートを測定したところ、レジスト膜
が72nm/min、有機シリコン膜が9nm/mi
n、SiO2 膜が230nm/minであり、SiO2
膜のエッチングレートが有機シリコン膜より25.6
倍、レジスト膜より3.3倍早く、有機シリコン膜がS
iO2 膜をエッチングする際のレジストよりドライエッ
チング耐性があるエッチングマスクとなっていることが
分かる。
【0387】そのため、エッチング前のレジストパター
ン寸法とずれることなく、かつ垂直に異方性よく、Si
2 膜をエッチングすることができたものと考えられ
る。
【0388】実施例18 実施例17において、SiO2 膜を加工した後、ダウン
フローエッチング装置を用いて、レジスト、そしてエッ
チングマスクである有機シリコン膜を順次剥離除去し
た。ソースガスとして流量20SCCMのO2 ガスを用
い、励起電力200W、真空度8mTorrのエッチン
グ条件でレジストのエッチング剥離を行ったところ、レ
ジストを完全に剥離することができた。
【0389】レジストを剥離した後の有機シリコン膜の
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1000〜12
00cm-1にSi−O−Si結合による吸収が見られ
た。このことは、酸素プラズマにさらしたことによっ
て、有機シリコン膜がグラス化したことを意味してい
る。
【0390】次に、フッ酸と純水を重量比で1対500
の割合で混合した希フッ酸溶液に90秒間浸透したとこ
ろ、グラス化した有機シリコン膜を酸化シリコン膜に対
し選択的に剥離することができた。
【0391】実施例19 実施例17において、SiO2 膜を加工した後、ダウン
フローエッチング装置を用いて、レジスト、そしてエッ
チングマスクである有機シリコン膜を順次剥離除去し
た。ソースガスとして流量20SCCMのO2 を用い、
励起電力200W、真空度8mTorrのエッチング条
件でレジストのエッチングを行ったところ、レジストを
完全に剥離することができた。酸素プラズマにさらした
ことによって、有機シリコン膜はグラス化されたが、ソ
ースガスCF4 =30SCCM、O2 =40SCCM、
励起電力800W、真空度35mTorrのエッチング
条件でグラス化した有機シリコン膜のエッチングを行っ
たところ、酸化シリコン膜を削ることなく選択的に剥離
することができた。
【0392】比較例5 実施例17と同様に、シリコンウェハー上に500nm
厚のSiO2 膜を形成し、次いで、このSiO2 膜をエ
ッチングするのに必要な膜厚である膜厚200nmのカ
ーボン膜をSiO2 膜上に形成した。さらに、カーボン
膜上にレジストを塗布し、98℃で120秒間ベーキン
グを行った。この時のレジストの膜厚は200nmであ
る。なお、レジストとしては、実施例1で用いた(R
1)の方法で得たものを用いた。
【0393】次に、実施例17と同様にして、露光、現
像処理を行い、0.18μmラインアンドスペースのレ
ジストパターンを形成した。カーボン膜は波長248n
mでの光吸収性が高いため、実施例17と同様、下地膜
からの反射が抑えられ、良好なレジストプロファイルを
もった寸法制御性のよいレジストパターンが得られた。
また、レジスト膜厚を薄くしたため、最適露光量でのフ
ォーカスマージンが0.7μmあり、デバイス製造時に
必要な0.6μm以上の値を得ることができた。
【0394】以上のように形成したレジストパターンを
マスクとして用いて、比較例2と同一の条件でカーボン
膜のエッチングを行ったところ、レジストパターンがカ
ーボン膜のエッチング途中で削れてなくなり、所望の寸
法でSiO2 膜のエッチングを行うことができなかっ
た。
【0395】また、比較例2と同様にしてベタ膜でのエ
ッチングレートをレジスト膜とカーボン膜で測定したと
ころ、レジスト膜が185nm/min、カーボン膜が
65nm/minであり、カーボン膜のエッチングレー
トはレジスト膜の0.35倍しかなく、レジスト膜とカ
ーボン膜とでは、選択比がとれていないことが分かっ
た。従って、レジスト膜とカーボン膜の選択比がとれな
いため、カーボン膜のエッチング途中で、レジストパタ
ーンが崩れてなくなったものと考えられる。
【0396】比較例6 シリコンウェハー上に膜厚500nmのSiO2 膜、膜
厚200nmのカーボン膜を順次形成した。次いで、こ
のカーボン膜上に、レジストを塗布し、98℃で120
秒間ベーキングを行った。このようにして得たレジスト
膜の膜厚は700nmである。なお、レジストとして
は、実施例1で用いた(R1)の方法で得たものを用い
た。そして、このレジスト膜に対し、実施例17と同様
にして、露光、現像処理を行い、0.18μmラインア
ンドスペースのレジストパターンを形成した。
【0397】以上のように形成したレジストパターンを
マスクとして用いて、比較例2と同様の条件で、カーボ
ン膜のエッチングを行った。その結果、カーボン膜をエ
ッチングすることはできたが、図8に示すように、カー
ボン膜12の加工形状はテーパー形状であり、異方性よ
くエッチングすることができなかった。これは、比較例
4で示したように、レジストパターンとカーボン膜のエ
ッチング選択比がとれていないため、カーボンのエッチ
ング途中でレジストパターンが後退したためと考えられ
る。
【0398】また、本比較例においては、レジストの膜
厚が700nmと厚いために、最適な露光量でのファー
カス裕度が0.3μmと狭く、デバイス製造時に必要な
値である0.6μmのファーカス裕度を得ることができ
なかった。
【0399】比較例7 図9(a)に示すように、シリコンウェハー21上に膜
厚500nmのSiO2 膜22を形成した。次いで、平
均分子量6000のポリサルフォンをシクロヘキサノン
に溶解して作製した溶液材料をスピンコーティング法に
より塗布し、225℃で90秒間ベーキングして、図9
(b)に示すように、反射防止膜23を形成した。
【0400】このようにして得た反射防止膜23の膜厚
は115nmであり、レジストと反射防止膜との界面で
の光強度反射率を計算し、反射率が極小となる膜厚にし
た。なお、反射防止膜23の露光波長248nmでの複
素屈折率は、n=1.74、k=0.24である。
【0401】次に、反射防止膜23上にレジストを塗布
し、98℃で120秒間ベーキングを行い、図9(c)
に示すように、レジスト膜24を形成した。このように
して得たレジスト膜24の膜厚は300nmである。な
お、レジストとしては、実施例1で用いた(R1)の方
法で得たものを用いた。
【0402】その後、実施例17と同様にして露光、現
像処理を行って、図9(d)に示すように、0.18μ
mラインアンドスペースのレジストパターン24を形成
した。
【0403】以上のようにして形成したレジストパター
ン24をマスクとして用いて、比較例1と同様のエッチ
ング条件で、図9(e)に示すように、反射防止膜23
のエッチングを行った。ベタ膜でエッチングレートを測
定したところ、反射防止膜23のエッチングレートは、
200nm/minとカーボン膜のエッチングレートよ
り速く、かつ膜厚もカーボン膜よりも薄いため、カーボ
ン膜ほどテーパ形状となることがなかった。
【0404】反射防止膜のエッチングで生じた寸法変換
差(=Y−X)は、−12nmで、実施例17で有機シ
リコン膜を用いた場合より大きかった。これは、レジス
トと反射防止膜とのエッチング選択比がとれていないた
め、反射防止膜のエッチング時にレジストパターンが後
退しているためと考えられる。
【0405】続いて、実施例17と同様のエッチング条
件でSiO2 膜のエッチングを行った。SiO2 膜のエ
ッチングで生じた寸法変換差(=Z−Y)は、−20n
mであり、有機シリコン膜およびSiO2 膜のエッチン
グで生じた寸法変換差(=Z−X)は、−23nmであ
り、許容範囲の−9nm〜+9nmを越していることが
わかった。
【0406】また、SiO2 膜22の加工形状も、図9
に示すように、テーパがついており、垂直に良好な異方
性でエッチングすることが出来なかった。SiO2 膜の
エッチング時のエッチングレートをべた膜で測定したと
ころ、反射防止膜23のエッチングレートは、152n
m/minであり、レジストよりも耐ドライエッチング
性がなく、そのため、SiO2 膜22のエッチング途中
でレジストパターン24および反射防止膜パターン23
が後退し、SiO2 膜22のパターン寸法に細りが生
じ、かつエッチング形状がテーパ状となったものと思わ
れる。
【0407】本比較例との比較から、本発明によると、
有機シリコン膜がSiO2 膜の耐ドライエッチング性の
高いエッチングマスクとなっているため、エッチング前
のレジストパターンの寸法とずれることなく、かつ垂直
に良好な異方性でSiO2 膜をエッチングできることが
わかる。
【0408】実施例20 図1(a)に示すように,シリコンウェハー1上に膜厚
500nmのSiO2膜2形成し、次いで、図1(b)
に示すように,実施例1の(A1)〜(A10)の方法
で、膜厚100nmの有機シリコン膜3をSiO2 膜2
上に形成した。次に、図1(c)に示すように、実施例
1の(R1)の方法で膜厚200nmのレジスト4を各
有機シリコン膜3上に形成した。続いて、KrFエキシ
マレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーを用いて
パターン露光を行った後、ホットプレートで110℃で
90秒間加熱した。さらに、図1(d)に示すように、
0.21規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行
い、0.18μmのラインアンドスペースパターンを形
成した。現像処理後により得たレジストパターン5の膜
厚は180nmである。
【0409】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。この時の
最適露光量(18mJ/cm2)でのフォーカスマージ
ンは0.8μmである。次に、レジストパターン5を有
機シリコン膜3に転写した。エッチング装置にはマグネ
トロン型反応性イオンエッチング装置を用い、実施例1
の(P1)〜(P4)の条件でそれぞれエッチングを行
った。エッチング時間の決定には、発光による終点検出
を用い、ジャスト時間に対して50%のオーバーエッチ
ングを行った。
【0410】(A1)、(A2)の有機シリコン膜をエ
ッチングすると、(P1)〜(P4)の何れの条件で
も、加工された有機シリコン膜パターン6が膨潤し、異
方性よくエッチングできていないことが分かった。ま
た、(A3)〜(A10)の有機シリコン膜では(P
1)の条件でも有機シリコン膜パターンの膨潤が起きて
いる。これらは、実施例1からも分かるように、有機シ
リコン膜がエッチングでスポンジ状に変質するためであ
ると考えられる。
【0411】膨潤が起きなかった場合について、エッチ
ング前のレジストパターンの寸法を図1(d)のX、エ
ッチング後の有機シリコン膜パターンの寸法を図1
(e)のYで定義し、有機シリコン膜のエッチングによ
り生じた寸法変換差(=Y−X)を測定した結果を上記
表1に示す。表1から、(A3)〜(A10)に関して
は、(P2)〜(P4)のエッチング条件では、エッチ
ング前のレジストパターン寸法とほとんどずれることな
く、有機シリコン膜をエッチングすることができている
ことがわかる。
【0412】次に、図1(e)に示すように、条件(P
2)でエッチングした有機シリコン膜とレジストパター
ンをエッチングマスクとして用いて、SiO2膜をエッ
チングした。エッチング条件としては、実施例13の
(Q1)を用いた。エッチング装置としては、マグネト
ロン型反応性イオンエッチング装置を用いた。エッチン
グ時間の決定には、発光による終点検出を用い、ジャス
ト時間に対して50%のオーバーエッチングを行った。
エッチング後のSiO2 膜パターンの寸法を図1(f)
のZで定義し、SiO2 膜のエッチングにより生じた寸
法変換差(=Z−Y)を測定した結果を上記表1に示
す。
【0413】また、有機シリコン膜およびSiO2 膜の
エッチングで生じた寸法変換差(=Z―X)を算出した
ところ、許容範囲の−9nm〜+9nmの範囲に収まっ
ており、寸法制御性よくSiO2 膜を加工することがで
きた。
【0414】比較例8 本比較例では、実施例1の(R2)〜(R4)の方法で
形成した反射防止膜を用いた場合について説明する。
【0415】図9(a)に示すように、シリコンウェハ
ー21上に、膜厚500nmのSiO2 22膜を形成し
た。次いで、図9(b)に示すように、実施例1の(R
2)〜(R4)の方法で膜厚100nmの反射防止膜2
3をそれぞれSiO2 膜22上に形成した。次に、図9
(c)に示すように,実施例1の(R1)の方法で膜厚
150nmのレジスト24を各有機シリコン膜23上に
形成した。続いて、KrFエキシマレーザーを光源とす
る縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行った
後、ホットプレートで110℃で90秒間加熱した。
【0416】さらに、図9(d)に示すように、0.2
1規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い0.1
8μmのラインアンドスペースパターンを形成した。現
像処理後のレジストパターンの膜厚は180nmであ
る。走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロファイルを
観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレジスト膜
中での定在波による波打ち形状がなく、良好なレジスト
プロファイルが得られていることが分かった。
【0417】その後、エッチング装置には反応性イオン
エッチング装置を用い、ソースガスとして、流量20/
60/80SCCMのCF4 /O2 /Ar、励起電力8
00W、真空度40mTorr、基板温度60℃の条件
で、有機シリコン膜23をエッチングした。この時のレ
ジスト、反射防止膜のエッチングレート、およびレジス
トに対する反射防止膜のエッチング選択比(=反射防止
膜のエッチングレート/レジストのエッチングレート)
は下表の通りである。なお、エッチングレートは実施例
1と同様に、べた膜で測定した。
【0418】
【表23】 エッチング時間は、発光による終点を検出し、ジャスト
時間に対して50%のオーバーエッチングを行なう時間
とした。その結果、レジストパターンが全てなくなり、
反射防止膜の加工形状は、図8に示すように、テーパー
形状となっていた。
【0419】比較例9 本比較例では、レジスト膜厚を厚くして(R2)〜(R
4)の反射防止膜をエッチングした場合について説明す
る。まず、図9(c)に示すように実施例1の(R1)
の方法で膜厚300nmのレジスト24を各反射防止膜
上に形成した。続いて、KrFエキシマレーザーを光源
とする縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行
った後、ホットプレートで110℃で90秒間加熱し
た。さらに、図9(d)に示すように、0.21規定の
TMAH現像液を用いて現像処理を行い、0.18μm
のラインアンドスペースパターンを形成した。現像処理
後のレジストパターンの膜厚は280nmである。
【0420】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの反射防止膜上でもレジス
ト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好なレジ
ストプロファイルが得られていることが分かった。しか
しながら、最適露光量(19mJ/cm2)でのフォー
カスマージンは0.3μmであり、許容値の0.6μm
を下回っている。これはレジストの膜厚が厚いため、解
像性が劣化したためであると考えられる。
【0421】次に、比較例7と同様にして反射防止膜を
エッチングした。その結果、図9(e)に示すようにレ
ジストパターン24が途中でなくなることなく、反射防
止膜23をエッチングすることができた。反射防止膜2
3のエッチングで生じた寸法変換差(=Y−X)を上記
表13に示す。比較例7の反射防止膜のエッチング条件
は、(P1)〜(P12)のエッチング条件と比べる
と、炭素、水素、酸素で構成される一般的な樹脂膜を異
方性良くエッチングするのに適した条件である。しかし
ながら、本発明による有機シリコン膜と比べると寸法変
換差が大きい。これはレジストと反射防止膜とのエッチ
ング選択比がとれていないために、反射防止膜のエッチ
ングによりレジストパターンが後退しているためである
と考えられる。
【0422】次に、図9(f)に示すように、レジスト
パターンと反射防止膜パターンをエッチングマスクとし
て用いて、SiO2 膜をエッチングした。エッチング条
件には、実施例13の(Q1)〜(Q6)をそれぞれ用
いた。SiO2 膜のエッチングで生じた寸法変換差(=
Z−Y)を測定した結果を上記表1に示す。
【0423】表1から、(Q1)でエッチングした場合
の寸法変換差を実施例と比べると、従来の反射防止膜を
用い、SiO2 をエッチングした場合よりも、本発明に
よる有機シリコン膜の方が寸法変換差が小さいことが分
かる。これは有機シリコン膜のエッチングマスク材とし
ての耐性が高いために、SiO2 膜のエッチング時に有
機シリコン膜パターンが後退しにくいためである。
【0424】実施例21 図1(a)に示すように、シリコンウェハー上に、膜厚
500nmのSiO2膜を形成した。次いで、図1
(b)に示すように,実施例2の(B3)〜(B10)
の方法で膜厚100nmの有機シリコン膜をそれぞれS
iO2 膜上に形成した。次に、図1(c)に示すよう
に,実施例1の(R1)の方法で膜厚200nmのレジ
ストを各有機シリコン膜上に形成した。続いて、加速電
圧50keVの電子ビームを用いてパターン露光を行っ
た後、ホットプレートで110℃で90秒間加熱した。
その際、レジスト上部から水銀灯のg線(436nm)
を照射して、有機シリコン膜に光導電性をもたせなが
ら、パターン露光を行った。
【0425】さらに、図1(d)に示すように、0.2
1規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い0.1
8μmのラインアンドスペースパターンを形成した。現
像処理後のレジストパターンの膜厚は180nmであ
る。パターン露光中に紫外光を照射したことにより、有
機シリコン膜に光導電性が生じ、何れの有機シリコン膜
上でもチャージアップによる位置ずれのないレジストパ
ターンを得ることができた。レジストパターンの形状に
は裾引きや食われは見られず、良好なレジストプロファ
イルが得られた。
【0426】その後、図1(e)に示すように、実施例
18と同様にレジストパターンを有機シリコン膜に転写
したところ、実施例20と同様に(B3)〜(B10)
の膜を(P2)〜(P4)の条件でエッチングした場
合、有機シリコン膜の膨潤が起こらず、異方性よくエッ
チングすることができた。有機シリコン膜のエッチング
により生じた寸法変換差(=Y−X)を測定した結果を
上記表2に示す。
【0427】表2から、比較例9で従来型反射防止膜を
エッチングした時の寸法変換差と比べて、本発明の有機
シリコン膜ではレジストとのエッチング選択比がとれる
ために、寸法制御性よくエッチングされていることが分
かる。
【0428】次に、図1(f)に示すように、有機シリ
コン膜を条件(P3)でエッチングした場合について、
有機シリコン膜パターンとレジストパターンをマスクと
して用いて、実施例13の条件(Q2)でSiO2 膜を
エッチングした。SiO2 膜のエッチングで生じた寸法
変換差(=Z−Y)を測定した結果を、上記表2に示
す。
【0429】表2から、比較例9において、従来型の反
射防止膜を使い、(Q2)のエッチング条件でSiO2
膜をエッチングした場合と比べると、本実施例による場
合の方がSiO2 膜のエッチングで生じた寸法変換差は
小さいことがわかる。また、有機シリコン膜のエッチン
グ、およびSiO2 膜のエッチングで生じた寸法変換差
(=Z−X)は、許容範囲の−9nm〜+9nmの範囲
に収まっており、寸法制御性よくSiO2 膜を加工する
ことができた。
【0430】実施例22 図1(a)に示すように、シリコンウェハー上に膜厚5
00nmのSiO2 膜を形成した。次いで、図1(b)
に示すように、実施例3の(C1)〜(C10)の方法
で膜厚100nmの有機シリコン膜をそれぞれSiO2
膜上に形成した。次に、実施例20と同様にして、図1
(d)に示すように、有機シリコン膜上に0.18μm
のラインアンドスペースのレジストパターンを形成し
た。現像処理後のレジストパターンの膜厚は180nm
である。
【0431】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0432】次に、図1(e)に示すように、実施例3
のエッチング条件(P6)〜(P8)を用いてレジスト
パターンを有機シリコン膜に転写したところ、実施例2
0と同様に(C3)〜(C10)の膜を(P6)〜(P
8)の条件でエッチングした場合、有機シリコン膜の膨
潤が起こらず、異方性よくエッチングすることができ
た。有機シリコン膜のエッチングにより生じた寸法変換
差(=Y−X)を測定した結果を上記表3に示す。
【0433】表3から、比較例9で従来型反射防止膜を
エッチングした時の寸法変換差と比べて、本発明の有機
シリコン膜ではレジストとのエッチング選択比がとれる
ために、寸法制御性よくエッチングされていることが分
かる。
【0434】次に、図1(f)に示すように、有機シリ
コン膜を条件(P7)でエッチングした場合について、
有機シリコン膜とレジストパターンをマスクとして用い
て、実施例13の条件(Q3)でSiO2 膜をエッチン
グした。比較例9において、従来型の反射防止膜を(Q
3)のエッチング条件でエッチングした場合と比べる
と、本実施例による場合の方がSiO2 膜のエッチング
で生じた寸法変換差は小さかった。
【0435】有機シリコン膜のエッチング、SiO2
のエッチングで生じた寸法変換差(=Z−X)を算出し
たところ、許容範囲の−9nm〜+9nmの範囲に収ま
っており、寸法制御性よくSiO2 膜を加工することが
できた。
【0436】実施例23 図1(a)に示すように、シリコンウェハー上に膜厚5
00nmのSiO2膜を形成した。次いで、図1(b)
に示すように、実施例4の(D1)〜(D10)の方法
で膜厚100nmの有機シリコン膜をそれぞれSiO2
膜上に形成した。次に、実施例20と同様にして、図9
(d)に示すように、有機シリコン膜上に0.18μm
のラインアンドスペースのレジストパターンを形成し
た。現像処理後のレジストパターンの膜厚は180nm
である。
【0437】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0438】次に、実施例3のエッチング条件(P5)
〜(P8)を用いて、レジストパターンを有機シリコン
膜に転写したところ、実施例20と同様に(D3)〜
(D10)の膜を(P6)〜(P8)の条件でエッチン
グした場合、有機シリコン膜の膨潤が起こらず、異方性
よくエッチングすることができた。有機シリコン膜のエ
ッチングにより生じた寸法変換差(=Y−X)を測定し
た結果を上記表4に示す。
【0439】表4から、比較例9で従来型反射防止膜を
エッチングした時の寸法変換差と比べて、本発明の有機
シリコン膜ではレジストとのエッチング選択比がとれる
ために、寸法制御性よくエッチングされていることが分
かる。
【0440】次に、条件(P6)でエッチングした場合
について、有機シリコン膜膜上のレジストパターンを酸
素プラズマを用いて除去した。さらに、有機シリコン膜
をエッチングマスクとして、実施例13のエッチング条
件(Q4)でSiO2 膜をエッチングした。実施例20
と同様に、比較例9において従来型の反射防止膜を(Q
4)のエッチング条件でエッチングした場合と比べる
と、本実施例による場合の方が、SiO2 膜のエッチン
グで生じた寸法変換差は小さかった。
【0441】有機シリコン膜のエッチング、SiO2膜
のエッチングで生じた寸法変換差を算出したところ、許
容範囲の−9nm〜+9nmの範囲に収まっており、寸
法制御性よくSiO2 膜を加工することができた。
【0442】実施例24 図1(a)に示すように、シリコンウェハー上に膜厚5
00nmのSiO2 膜上に形成した。次いで、図1
(b)に示すように、実施例5の(E1)〜(E10)
の方法で膜厚100nmの有機シリコン膜をそれぞれS
iO2 膜上に形成した。次に、実施例20と同様にし
て、図1(d)に示すように、有機シリコン膜上に0.
18μmのラインアンドスペースのレジストパターンを
形成した。現像処理後のレジストパターンの膜厚は18
0nmである。
【0443】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0444】次に、図1(e)に示すように、実施例3
のエッチング条件(P9)〜(P12)を用いて、レジ
ストパターンを有機シリコン膜に転写した。その結果、
(E3)〜(E10)の膜を(P10)〜(P12)の
条件でエッチングした場合、有機シリコン膜の膨潤が起
こらず、異方性よくエッチングすることができた。有機
シリコン膜のエッチングにより生じた寸法変換差(=Y
−X)を測定した結果を上記表5に示す。
【0445】上記表5から、比較例9で従来型反射防止
膜をエッチングした時の寸法変換差と比べて、本発明の
有機シリコン膜ではレジストとのエッチング選択比がと
れるために、寸法制御性よくエッチングされていること
が分かる。
【0446】次に、図1(f)に示すように、有機シリ
コン膜を条件(P12)でエッチングした場合につい
て、有機シリコン膜とレジストパターンをマスクとして
用いて、実施例13の条件(Q3)でSiO2 膜をエッ
チングした。比較例9において、従来型の反射防止膜を
用いて、(Q2)のエッチング条件でエッチングした場
合と比べると、本実施例による場合の方がSiO2 膜の
エッチングで生じた寸法変換差は小さかった。有機シリ
コン膜のエッチング、およびSiO2 膜のエッチングで
生じた寸法変換差を算出したところ、許容範囲の−9n
m〜+9nmの範囲に収まっており、寸法制御性よくS
iO2 膜を加工することができた。
【0447】実施例25 この実施例は、一般式12以外の構造を有する有機シリ
コン化合物を含有する有機シリコン膜を用いた場合を示
す。
【0448】図1(a)に示すように、シリコンウェハ
ー上に膜厚500nmのSiO2 膜を形成した。次い
で、図1(b)に示すように、実施例6の(F1)〜
(F10)の方法で膜厚100nmの有機シリコン膜を
それぞれSiO2 膜上に形成した。次に、実施例20と
同様にして、図1(c)に示すように、有機シリコン膜
上に0.30μmのラインアンドスペースのレジストパ
ターンを形成した。現像処理後のレジストパターンの膜
厚は180nmである。
【0449】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0450】次に、エッチング装置にはマグネトロン型
反応性イオンエッチング装置を用い、実施例1の(P
1)〜(P4)の条件でエッチングを行った。エッチン
グ時間は、発光による終点を検出し、ジャスト時間に対
して50%のオーバーエッチングとなるような時間とし
た。(F1)、(F2)の有機シリコン膜をエッチング
すると、(P1)〜(P4)の何れの条件でも、加工さ
れた有機シリコン膜パターンが膨潤し、異方性よくエッ
チングできていないことが分かった。また、(F3)〜
(F10)の有機シリコン膜では、(P1)の条件で
も、有機シリコン膜パターンの膨潤が起きている。これ
らは、有機シリコン膜がエッチングによりスポンジ状に
変質するためであると考えられる。
【0451】(F3)〜(F10)を(P2)〜(P
4)の条件でエッチングした場合、有機シリコン膜パタ
ーンがスポンジ状に変質することなくエッチングするこ
とができた。エッチング前のレジストパターンの寸法を
図1(d)のX、エッチング後の有機シリコン膜パター
ンの寸法を図1(e)のYで定義し、有機シリコン膜の
エッチングにより生じた寸法変換差(=Y−X)を測定
した結果を上記表6に示す。
【0452】表6から、エッチング後の有機シリコン膜
パターンが大きくなっているが、これは有機シリコン膜
をエッチングした際の生成物がレジストパターンおよび
有機シリコン膜パターンの側壁に付着し、レジストパタ
ーンおよび有機シリコン膜パターンが太ったために生じ
たものと考えられる。
【0453】次に、図1(f)に示すように、有機シリ
コン膜を(P2)の条件でエッチングした場合につい
て、有機シリコン膜とレジストパターンをマスクとして
用いて、SiO2 膜をエッチングした。エッチング装置
としてはマグネトロン型反応性プラズマエッチング装置
を用い、実施例13の(Q6)の条件でエッチングを行
った。
【0454】有機シリコン膜のエッチングおよびSiO
2 膜のエッチングにより生じた寸法変換差(=Z−X)
を測定したところ、(P1)〜(P4)の何れの条件で
有機シリコン膜をエッチングした場合も、寸法変化差は
許容範囲の−15nm〜+15nm以内にあり、レジス
トパターンを忠実にSiO2 膜に転写することができ
た。
【0455】実施例26 この実施例もまた、一般式[12]以外の構造を有する
有機シリコン化合物を含有する有機シリコン膜を用いた
場合を示す。
【0456】図1(a)に示すように、シリコンウェハ
ー上に膜厚500nmのSiO2 膜を形成した。次に、
図1(b)に示すように、実施例7の(G1)〜(G1
0)の方法で膜厚100nmの有機シリコン膜をそれぞ
れSiO2 膜上に形成した。次に、実施例18と同様に
して、図1(c)に示すように、有機シリコン膜上に
0.35μmのラインアンドスペースのレジストパター
ンを形成した。現像処理後のレジストパターンの膜厚は
180nmである。
【0457】走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロフ
ァイルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレ
ジスト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好な
レジストプロファイルが得られていることが分かった。
レジストパターンの形状には裾引きや食われは見られ
ず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0458】次に、レジストパターンを有機シリコン膜
に転写した。即ち、エッチング装置にはマグネトロン型
反応性イオンエッチング装置を用い、実施例3の(P
5)〜(P8)の条件でエッチングを行った。エッチン
グ時間は、発光による終点を検出し、ジャスト時間に対
して50%のオーバーエッチングとなるような時間とし
た。(G1)、(G2)の有機シリコン膜をエッチング
すると、(P5)〜(P8)の何れの条件でも加工され
た有機シリコン膜パターンが膨潤し、異方性よくエッチ
ングできていないことが分かった。
【0459】また、(G3)〜(G10)の有機シリコ
ン膜では(P5)の条件でも有機シリコン膜パターンの
膨潤が起きている。これらは、実施例7からも分かるよ
うに有機シリコン膜がエッチングでスポンジ状に変質す
るためであると考えられる。(G3)〜(G10)を
(P6)〜(P8)の条件でエッチングした場合、有機
シリコン膜パターンがスポンジ状に変質することなくエ
ッチングすることができた。エッチング前のレジストパ
ターンの寸法を図1(d)のX、エッチング後の有機シ
リコン膜パターンの寸法を図1(e)のYで定義し、有
機シリコン膜のエッチングにより生じた寸法変換差(=
Y−X)を測定した結果を上記表7に示す。エッチング
後の有機シリコン膜パターンが大きくなっているが、こ
れは有機シリコン膜をエッチングした際の生成物がレジ
ストパターンおよび有機シリコン膜の側壁に付着し、レ
ジストパターンが太ったために生じたものと考えられ
る。
【0460】次に、図1(f)に示すように、(P7)
でエッチングした場合について、レジストパターンと有
機シリコン膜パターンをエッチングマスクとして用いて
実施例13の(Q1)の条件でSiO2 膜のエッチング
を行った。エッチング装置にはマグネトロン型反応性プ
ラズマエッチング装置を用い、比較例9の従来型の反射
防止膜を(Q1)のエッチング条件でエッチングした場
合と比べると、本実施例による場合の方がSiO2 膜の
エッチングで生じた寸法変換差は小さくかった。有機シ
リコン膜のエッチングおよびSiO2 膜のエッチングに
より生じた寸法変換差(=Z−X)を測定した。その結
果、(P6)〜(P8)の何れの条件で有機シリコン膜
をエッチングした場合も、寸法変化差は許容範囲の−1
5nm〜+15nm以内にあり、レジストパターンを忠
実にSiO2 膜に転写することができた。
【0461】実施例20〜25において、一般式[1
2]に示す有機シリコン化合物を含有する有機シリコン
膜をエッチングした場合では、レジストパターンの太り
はなかった。一般式12に示す構造を有する有機シリコ
ン化合物を塩素、臭素、弗素原子の少なくとも一つを含
むガスを用いてエッチングした場合、レジストパターン
太りが抑制されるのは、揮発した生成物がレジストパタ
ーンおよび有機シリコン膜の側壁に付着しにくいためと
考えられる。従って、本発明では一般式12に示す有機
シリコン化合物を含有する有機シリコン膜を用いる方が
好ましいが、比較的パターン寸法が大きく、レジストパ
ターンの太りが問題にならない場合は、必ずしも一般式
12に示す構造に限定されることはない。
【0462】実施例27 上記式[14]に示す重量平均分子量8000のポリシ
ラン8gをアニソール92gに溶解して有機シリコン膜
の溶液材料を作成した。シリコン基板上にスパッター法
で成膜がなされた膜厚5000オングストロ−ムのSi
2 膜上に、有機シリコン膜の溶液材料をスピンコーテ
ング法により塗布した後、150℃で90秒間ベーキン
グし、ポリシランを架橋させ、ガラス転移温度が125
℃の有機シリコン膜を得た。ベーキング後の有機シリコ
ン膜の膜厚3000オングストロ−ムである。
【0463】次いで、実施例1の(R19で形成した化
学増幅型ポジ型レジストを塗布し、98℃で120秒間
のベーキングを行なった。ベーキング後のレジスト膜厚
は5000オングストロ−ムである。さらに、KrFエ
キシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッパーで露
光(露光量18mJ/cm2 )、98℃で120秒間の
ベーキングを行なった。そして、0.21規定のTMA
H現像液で90秒間の現像処理を行ない、0.25μm
ライン アンド スペースパターンを形成した。レジス
トの膜厚を変化させてレジストパターンの寸法を測定し
たところ、レジスト膜中に発生した定在波による寸法変
動は見られず、レジストへの反射光が十分に抑えられて
いることが分かった。レジストパターンの形状には裾引
きや食われは見られず、良好なレジストプロファイルが
得られた。
【0464】次に、レジストパターンをマスクとして用
いて、有機シリコン膜のエッチングを行った。エッチン
グ装置としてはマグネトロン型RIE装置を用い、ソー
スガスとしてHBrを流量200SCCMで流し、励起
電力0.4kWの条件でエッチングを行ったところ、レ
ジストパターンが途中でなくなることなく、有機シリコ
ン膜のエッチングをすることができた。有機シリコン膜
のエッチング終了後の寸法変換差を図1の(Y)−
(X)で定義すると、この時生じた寸法変換差は−0.
005μmであり、許容範囲内であることが分かった。
【0465】さらに、エッチングした有機シリコン膜
と、有機シリコン膜上にエッチング終了後残ったレジス
トパタ−ンをマスクとして用いてSiO2 膜のエッチン
グを行った。エッチング装置としては、マグネトロン型
のRIE装置を用いた。最も高い選択比でエッチングを
行った時のエッチング条件を、選択比とともにそれぞれ
のガス系について下記表14に示す。なお、表中の選択
比は、SiO2 膜のエッチングレート/有機シリコン膜
のエッチングレートで定義した。
【0466】
【表24】 上記表14から、ソースガスとしてC4 10を流量20
SCCMで流し、励起電力0.7kWの条件でエッチン
グを行った場合、選択比が4であり、顕著に増大するこ
とが分かった。
【0467】実施例28 この実施例は、SiO2 膜のエッチングを実施例27で
求めた最も高い選択比をとれるエッチング条件で行った
場合を示す。このエッチング条件では選択比が4なの
で、上述の実施例よりもマスクである有機シリコン膜の
膜厚を薄くすることが可能である。SiO2 膜上に有機
シリコン膜の溶液材料を塗布し、150℃で90秒間ベ
ーキングを行った。この時の有機シリコン膜の膜厚は1
500オングストロ−ムである。
【0468】次いで、有機シリコン膜上にレジストパタ
ーンを形成した。レジストの膜厚を変化させてレジスト
パターンの寸法を測定したところ、レジスト膜中に発生
した定在波による寸法変動は見らず、レジストへの反射
光が十分に抑えられていることが分かった。レジストパ
ターンの形状には裾引きや食われは見られず、良好なレ
ジストプロファイルが得られた。
【0469】次に、実施例25と同様のエッチング条件
で有機シリコン膜のエッチングを行った。有機シリコン
膜の膜厚を薄くすることができたので、有機シリコン膜
のエッチング終了後の寸法変換差を0.002μm以下
に抑えることができた。そして、有機シリコン膜をエッ
チングマスクとして上記表14に示す7の条件でSiO
2 膜のエッチングを行ったところ、所望の加工寸法でエ
ッチングすることができた。
【0470】比較例10 重量平均分子量8000のポリサルフォン10gをシク
ロヘキサノン90gに溶解して作成した反射防止膜の溶
液材料を、SiO2 膜上にスピンコーテング法で塗布し
て、220℃で90秒間ベーキングを行った。このよう
にして得た反射防止膜の膜厚は1000オングストロ−
ムである。
【0471】次いで、実施例27と同様にしてレジスト
パターンを形成し、反射防止膜のエッチングを行った。
エッチング装置にはマグネトロン型のRIE装置を用
い、ソースガスとしてCF4 とO2 を流量180SCC
M、20SCCMで流し、励起電力1.2kWの条件で
エッチングを行ったところ、レジストパターンは途中で
なくなることなく、反射防止膜のエッチングを行うこと
ができた。
【0472】さらに、エッチングされた反射防止膜をマ
スクとして用いてSiO2 膜のエッチングを行った。エ
ッチング装置としてはマグネトロン型のRIE装置を用
い、(CF4 ,H2 )、(CHF3 )、(CHF3 ,O
2 )、(CHF3 ,CO2 )、(C2 6 )、(C3
8 )、(C4 10)のそれぞれのソースガス系で流量と
励起電力等のエッチング条件を変化させてエッチングを
行った。その結果、何れの場合でもエッチング途中で反
射防止膜が削れてなくなり、所望の寸法でエッチングを
することができなかった。
【0473】実施例29 図1(a)に示すように、シリコンウェハー1上に膜厚
500nmのSiN膜をLPCVD法で成膜した。次い
で、このSiN膜2上に、上記式[17−1]に示す重
量平均分子量1500のポリシラン8g、式[3−8
2]に示す架橋剤1.8g、ラジカル発生剤として式
[4−25]に示す化合物0.2gをアニソール90g
に溶解して作成した溶液材料を塗布して、窒素雰囲気中
(酸素濃度50ppm以下)180℃で10分間ベーキ
ングを行い、ポリシランを架橋させ、ガラス転移温度1
83℃の有機シリコン膜を得た。有機シリコン膜の膜厚
は250nmである(図1(b))。
【0474】また、有機シリコン膜の露光波長248n
mでの複素屈折率を分光エリプソで測定したところ、n
=2.03、k=0.42であった。続いて、有機シリ
コン膜上にポジ型化学増幅型レジスト(商品名:TDU
R−P007、東京応化工業社製)を塗布し、98℃で
120秒間ベーキングを行った(図1(c))。この時
のレジストの膜厚は250nmである。
【0475】次に、KrFエキシマレーザー光を光源と
した縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行い
(露光量30mJ/cm2 )、98℃で120秒間のベ
ーキングを行った後、0.21規定のTMAH現像液で
現像処理を行い、0.18μmラインアンドスペースの
レジストパターンを形成した(図1(d))。このレジ
ストパターンの膜厚は230nmである。
【0476】このようにして得たレジストパターンのプ
ロファイルを断面SEMで観察したところ、側壁には定
在波による波打ち形状は見られなかった。レジストパタ
ーンの形状には裾引きや食われは見られず、良好なレジ
ストプロファイルが得られた。
【0477】以上のように形成したレジストパターンを
マスクとして用いて、マグネトロン型RIE装置を用い
て有機シリコン膜のエッチングを行った(図1
(e))。ソースガスとして、流量20SCCMのHB
r、流量180SCCMのCl2 との混合ガスを用い、
励起電力300W、真空度30mTorrのエッチング
条件で有機シリコン膜のエッチングを行ったところ、レ
ジストパターンが途中で削れてなくなることなく、有機
シリコン膜のエッチングを行うことができた。
【0478】有機シリコン膜の加工形状は、垂直に異方
性よくエッチングされており、エッチング前のレジスト
パターン寸法とずれることなく、有機シリコン膜をエッ
チングすることができた。エッチング終了後、残ったレ
ジスト膜厚は100nmである。ベタ膜でレジスト膜と
有機シリコン膜のエッチングレートを測定したところ、
レジスト膜が25nm/min、有機シリコン膜が95
nm/minであり、有機シリコン膜のエッチングレー
トがレジスト膜より3.8倍早いことが分かった。
【0479】さらに、パターニングされた有機シリコン
膜と有機シリコン膜上に残ったレジストパターンをエッ
チングマスクとして用いて、マグネトロン型反応性イオ
ンエッチング装置により、SiN膜のエッチングを行っ
た(図1(f))。ソースガスとして流量30SCCM
のC4 8 、流量160SCCMのAr、流量140S
CCMのCOを用い、励起電力350W、真空度30m
Torrのエッチング条件でエッチングを行ったとこ
ろ、有機シリコン膜が途中で削れてなくなることなく、
SiN膜のエッチングを行うことができた。
【0480】この時のSiN膜の形状は、垂直に異方性
よくエッチングされており、エッチング前のレジストパ
ターン寸法とずれることなく有機シリコン膜をエッチン
グすることができた。このエッチング条件で、実施例1
5と同様にしてベタ膜でレジスト、有機シリコン膜及び
SiN膜のエッチングレートを測定したところ、レジス
ト膜が45nm/min、有機シリコン膜が17nm/
min、SiN膜が230nm/minであり、SiN
膜のエッチングレートが有機シリコン膜より13.5
倍、レジスト膜より5.1倍早く、有機シリコン膜がレ
ジスト膜よりも耐ドライエッチング性のあるSiNをエ
ッチングする際のエッチングマスクとなっていることが
わかる。そのため、エッチング前のレジストパターン寸
法とずれることなく、かつ垂直に異方性よく、SiN膜
をエッチングすることができたものと考えられる。
【0481】実施例30 図1(a)に示すように、シリコンウェハー1上に膜厚
500nmのSiO2膜2をLPCVD法で成膜した。
次いで、SiO2 膜2上に重量平均分子量8900のポ
リフェニル10gをキシレン90gに溶解して作成した
溶液材料を塗布して、160℃で120秒間ベーキング
を行い、溶剤を気化させた。このようにして得た有機シ
リコン膜3の膜厚は250nmであり、波長248mで
の複素屈折率はn=1.92、k=0.48であり、ガ
ラス転移温度は98℃である。(図1(b))。
【0482】次に、有機シリコン膜3上にポジ型化学増
幅型レジスト(商品名:TDUR−P007、東京応化
工業社製)4を塗布し、98℃で120秒間ベーキング
を行った(図1(c))。この時のレジスト4の膜厚は
150nmである。そして、このレジスト4に対し、K
rFエキシマレーザー光を光源とした縮小光学型ステッ
パーを用いてパターン露光を行い(露光量30mJ/c
2 )、98℃で120秒間のベーキングを行った後、
0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行い、図1
(d)に示すように、0.18μmラインアンドスペー
スのレジストパターン4を形成した。
【0483】このレジストパターン4の膜厚は130n
mである。このレジストパターン4のプロファイルを断
面SEMにより観察したところ、側壁には定在波による
波打ち形状は見られなかった。レジストパターンの形状
には裾引きや食われは見られず、良好なレジストプロフ
ァイルが得られた。
【0484】以上のように形成したレジストパターン5
をエッチングマスクとして用いて、マグネトロン型RI
E装置により、有機シリコン膜3のエッチングを行っ
た。ソースガスとして流量200SCCMのCl2 を用
い、励起電力200W、真空度25mTorrのエッチ
ング条件で、有機シリコン膜3のエッチングを行ったと
ころ、レジストパターン4が途中で削れてなくなること
なく、有機シリコン膜3のエッチングを行うことができ
た。
【0485】有機シリコン膜3の加工形状は、垂直に異
方性よくエッチングされており、エッチング前のレジス
トパターン寸法とずれることなく、有機シリコン膜3を
エッチングすることができた。エッチング終了後、残っ
たレジスト膜厚は80nmである。ベタ膜でレジスト膜
と有機シリコン膜のエッチングレートを測定したとこ
ろ、レジスト膜が23nm/min、有機シリコン膜が
210nm/minであり、有機シリコン膜のエッチン
グレートがレジスト膜より9.1倍早いことが分かっ
た。
【0486】さらに、マグネトロン型RIE装置によ
り、レジストパターンの剥離、SiO2 膜のエッチング
を順次行った(図2(c))。レジストパターンの剥離
は、ソースガスとして流量20SCCMのO2 ガスを用
い、励起電力が200W、真空度30mTorrの条件
で行った。
【0487】次いで、同一チャンバーでエッチング条件
を変えてSiO2 膜のエッチングを行った。すなわち、
ソースガスとして流量30SCCMのCHF3 、流量1
00SCCMのCO、流量100SCCMのArを用
い、励起電力280W、真空度15mTorrのエッチ
ング条件でエッチングを行ったところ、有機シリコン膜
が途中で削れてなくなることなく、SiO2 膜のエッチ
ングを行うことができた。この時のSiO2 膜の形状
は、垂直に異方性よくエッチングされており、エッチン
グ前のレジストパターン寸法とずれることなく、有機シ
リコン膜をエッチングすることができた。
【0488】このエッチング条件で、ベタ膜でレジスト
膜、有機シリコン膜及びSiO2 膜のエッチングレート
を測定したところ、レジスト膜が56nm/min、有
機シリコン膜が20nm/min、SiO2 膜が368
nm/minでSiO2 膜のエッチングレートが有機シ
リコン膜より18.4倍早く、有機シリコン膜がレジス
トよりもドライエッチング耐性のあるSiO2 膜のエッ
チングマスクとなっていることが分かった。
【0489】そのため、エッチング前のレジストパター
ン寸法とずれることなく、かつ垂直に異方性よく、Si
2 膜をエッチングすることができたものと考えられ
る。
【0490】実施例31 実施例29において、SiO2 膜を加工した後、ダウン
フローエッチング装置を用いて、レジスト、そしてエッ
チングマスクである有機シリコン膜を順次剥離除去し
た。ソースガスとして流量20SCCMのO2 ガスを用
い、励起電力200W、真空度8mTorrのエッチン
グ条件でレジストのエッチング剥離を行ったところ、レ
ジストを完全に剥離することができた。
【0491】レジストを剥離した後の有機シリコン膜の
赤外吸収スペクトルを測定したところ、1000〜12
00cm-1にSi−O−Si結合による吸収が見られ
た。このことは、酸素プラズマにさらしたことによっ
て、ポリシランがグラス化したことを意味している。
【0492】次に、フッ酸と純水を重量比で1対500
の割合で混合した希フッ酸溶液に90秒間浸透したとこ
ろ、グラス化した有機シリコン膜を酸化シリコン膜に対
し選択的に剥離することができた。
【0493】実施例32 実施例29において、SiO2 膜を加工した後、ダウン
フローエッチング装置を用いて、レジスト、そしてエッ
チングマスクである有機シリコン膜を順次剥離除去し
た。ソースガスとして流量20SCCMのO2 を用い、
励起電力200W、真空度8mTorrのエッチング条
件でレジストのエッチングを行ったところ、レジストを
完全に剥離することができた。酸素プラズマにさらした
ことによって、ポリシランはグラス化されたが、ソース
ガスCF4 =30SCCM、O2 =40SCCM、励起
電力800W、真空度35mTorrのエッチング条件
でグラス化したポリシランのエッチングを行ったとこ
ろ、SiO2 膜を削ることなく選択的に剥離することが
できた。
【0494】実施例33 図8(a)に示すように、シリコンウェハー21上に膜
厚500nmのSiO2 膜22をLPCVD法で成膜し
た。次いで、SiO2 膜2上に式[1−99]に示す重
量平均分子量14000の有機シリコン化合物(n/m
=1/4)10gをアニソール90gに溶解して作成し
た溶液材料を塗布して、160℃で120秒間ベーキン
グを行い、溶剤を気化させた。このようにして得た有機
シリコン膜3の膜厚は150nmであり、ガラス転移温
度は132℃である。また、波長248mでの複素屈折
率はn=2.01、k=0.38である(図1
(b))。次に、有機シリコン膜23上にポジ型化学増
幅型レジスト(商品名:TDUR−P007、東京応化
工業社製)4を塗布し、98℃で120秒間ベーキング
を行った(図1(c))。この時のレジスト4の膜厚は
150nmである。そして、このレジスト4に対し、K
rFエキシマレーザー光を光源とした縮小光学型ステッ
パーを用いてパターン露光を行い(露光量30mJ/c
2 )、98℃で120秒間のベーキングを行った後、
0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行い、図1
(d)に示すように、0.18μmラインアンドスペー
スのレジストパターン24を形成した。
【0495】このレジストパターン4の膜厚は130n
mである。このレジストパターン4のプロファイルを断
面SEMにより観察したところ、側壁には定在波による
波打ち形状は見られなかった。レジストパターンの形状
には裾引きや食われは見られず、良好なレジストプロフ
ァイルが得られた。
【0496】以上のように形成したレジストパターン4
をエッチングマスクとして用いて、マグネトロン型RI
E装置により、有機シリコン膜3のエッチングを行っ
た。ソースガスとして流量200SCCMのCl2 、流
量10SCCMのSF6 の混合ガスを用い、励起電力2
00W、真空度25mTorrのエッチング条件で、有
機シリコン膜3のエッチングを行ったところ、レジスト
パターン5が途中で削れてなくなることなく、有機シリ
コン膜3のエッチングを行うことができた。
【0497】有機シリコン膜3の加工形状は、垂直に異
方性よくエッチングされており、エッチング前のレジス
トパターン寸法とずれることなく、有機シリコン膜3を
エッチングすることができた。エッチング終了後、残っ
たレジスト膜厚は80nmである。ベタ膜でレジスト膜
と有機シリコン膜のエッチングレートを測定したとこ
ろ、レジスト膜が48nm/min、有機シリコン膜が
210nm/minであり、有機シリコン膜のエッチン
グレートがレジスト膜より4.4倍早いことが分かっ
た。
【0498】さらに、マグネトロン型RIE装置によ
り、レジストパターンの剥離、SiO2 膜のエッチング
を順次行った(図2(c))。レジストパターンの剥離
は、ソースガスとして流量20SCCMのO2 ガスを用
い、励起電力が200W、真空度30mTorrの条件
で行った。
【0499】次いで、同一チャンバーでエッチング条件
を変えてSiO2 膜のエッチングを行った。すなわち、
ソースガスとして流量30SCCMのCHF3 、流量1
00SCCMのCO、流量100SCMのO2 を用い、
励起電力280W、真空度15mTorrのエッチング
条件でエッチングを行ったところ、有機シリコン膜が途
中で削れてなくなることなく、SiO2 膜のエッチング
を行うことができた。この時のSiO2 膜の形状は、垂
直に異方性よくエッチングされており、エッチング前の
レジストパターン寸法とずれることなく、有機シリコン
膜をエッチングすることができた。
【0500】このエッチング条件で、実施例15と同様
にしてベタ膜でレジスト膜、有機シリコン膜及びSiO
2 膜のエッチングレートを測定したところ、レジスト膜
が54nm/min、有機シリコン膜が20nm/mi
n、SiO2 膜が368nm/minでSiO2 膜のエ
ッチングレートが有機シリコン膜より18.4倍早く、
有機シリコン膜がレジストよりもドライエッチング耐性
のあるSiO2 膜のエッチングマスクとなっていること
が分かった。
【0501】そのため、エッチング前のレジストパター
ン寸法とずれることなく、かつ垂直に異方性よく、Si
2 膜をエッチングすることができたものと考えられ
る。
【0502】実施例34 図1(a)に示すように、シリコンウェハー1上に膜厚
500nmのSiN膜2をLPCVD法で成膜した。次
いで、SiN膜2上に、上記式[1−95]に示す重量
平均分子量12800の有機シリコン化合物(n/m=
1/1)10gをアニソール90gに溶解して作成した
溶液材料を塗布して、160℃で120秒間ベーキング
を行い、溶剤を気化させることにより、図1(b)に示
すように、有機シリコン膜3を形成した。この時の有機
シリコン膜3の膜厚は、250nmであり、ガラス転移
温度は138℃である。波長248mでの複素屈折率は
n=2.01、k=0.35である。
【0503】続いて、有機シリコン膜3上に、ポジ型化
学増幅型レジスト(商品名:TDUR−P007、東京
応化工業社製)4を塗布し、98℃で120秒間ベーキ
ングを行った(図1(c))。この時のレジスト4の膜
厚は、150nmである。
【0504】次に、レジスト4に対して、KrFエキシ
マレーザー光を光源とした縮小光学型ステッパーを用い
てパターン露光を行い(露光量30mJ/cm2 )、9
8℃で120秒間のベーキングを行った後、0.21規
定のTMAH現像液で現像処理を行い、図1(d)に示
すように、0.18μmL/Sのレジストパターン4を
形成した。
【0505】レジストパターンの膜厚は130nmであ
る。レジストパターン4のプロファイルを断面SEMに
より観察したところ、側壁には定在波による波打ち形状
は見られなかった。レジストパターンの形状には裾引き
や食われは見られず、良好なレジストプロファイルが得
られた。
【0506】以上のように形成したレジストパターンを
マスクとして用いて、マグネトロン型RIE装置により
ポリシラン膜のエッチングを行った(図1(e))。ソ
ースガスとして流量200SCCMのCl2 を用い、励
起電力200W、真空度25mTorrのエッチング条
件で有機シリコン膜のエッチングを行ったところ、レジ
ストパターンが途中で削れてなくなることなく、有機シ
リコン膜のエッチングを行うことができた。
【0507】ポリシラン膜の加工形状を観察したとこ
ろ、垂直に異方性よくエッチングされており、エッチン
グ前のレジストパターン寸法とずれることなく有機シリ
コン膜をエッチングすることができたことがわかる。エ
ッチング終了後、残ったレジスト膜厚は80nmであ
る。ベタ膜でレジスト膜と有機シリコン膜のエッチング
レートを測定したところ、レジスト膜が52nm/mi
n、有機シリコン膜が195nm/minであり、ポリ
シラン膜のエッチングレートがレジスト膜より3.75
倍早いことが分かった。
【0508】さらに、マグネトロン型RIE装置によ
り、レジストパターンの剥離、SiN膜のエッチングを
順次行った(図2(f))。レジストパターンの剥離
は、ソースガスとして流量30SCCMのO2 を用い、
励起電力200W、真空度30mTorrの条件で行っ
た。
【0509】次いで、同一チャンバーでエッチング条件
を変えて、SiN膜のエッチングを行った。すなわち、
ソースガスとして流量30SCCMのC4 8 、流量1
00SCCMのCO、流量3SCCMのO2 を用い、励
起電力280W、真空度15mTorrのエッチング条
件でエッチングを行ったところ、有機シリコン膜が途中
で削れてなくなることなく、SiN膜のエッチングを行
うことができた。この時のSiN膜の形状は、垂直に異
方性よくエッチングされており、エッチング前のレジス
トパターン寸法とずれることなく、有機シリコン膜をエ
ッチングすることができた。
【0510】このエッチング条件で、ベタ膜でレジスト
膜、有機シリコン膜及びSiN膜のエッチングレートを
測定したところ、レジスト膜が62nm/min、有機
シリコン膜が42nm/min、SiN膜が368nm
/minであり、SiN膜のエッチングレートが有機シ
リコン膜より10.1倍早く、有機シリコン膜がレジス
トよりエッチング耐性のあるSiNのエッチングマスク
となっていることが分かった。そのため、エッチング前
のレジストパターン寸法とずれることなく、かつ垂直に
異方性よく、SiN膜をエッチングすることができたも
のと考えられる。
【0511】実施例35 シリコンウェハー上に膜厚600nmのTEOS酸化膜
をプラズマCVD法で成膜した。次いで、TEOS酸化
膜上に上記式[13]に示す重量平均分子量12500
のポリシラン(n/m=4/1)13gをアニソール8
7gに溶解した溶液材料を塗布し、160℃で180秒
間のベーキングを行った。このようにして得た有機シリ
コン膜の膜厚は400nmであり、ガラス転移温度は1
39℃である。波長248nmでの複素屈折率はn=
2.03、k=0.32である。
【0512】有機シリコン膜上にポジ型化学増幅型レジ
スト(商品名:APEX−E、シップレー社製)を塗布
し、98℃で120秒間ベーキングを行った。この時の
レジストの膜厚は250nmである。そして、レジスト
膜上に、上層反射防止膜(商品名:アクアタール(Aq
uatar)、ヘキスト社製)を膜厚42nmとなるよ
うに塗布した。
【0513】次に、KrFエキシマレーザー光を光源と
した縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行い
(露光量28mJ/cm2 )、98℃で120秒間のベ
ーキングを行った後、0.21規定のTMAH現像液で
現像処理を行い、0.25μmL/Sのレジストパター
ンを形成した。なお、上層反射防止膜は水溶性であるた
め、現像処理を行った際にレジスト膜上から除去され
る。
【0514】このようにして得たレジストパターンのプ
ロファイルを断面SEMにより観察したところ、側壁に
は定在波による波打ち形状は見られなかった。
【0515】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様noエッチング条件でTEOS酸化膜
を加工した結果、エッチング前のレジストパターン寸法
からずれることなく、TEOS酸化膜をエッチングする
ことができた。
【0516】実施例36 シリコンウェハー上にスピンオングラス(商品名:R
7、日立化成社製)をスピンコーティング法で塗布し、
80℃で1分、150℃で1分、200℃で1分間ずつ
順次ベーキングを行った後、窒素パージを行いながら4
00℃で30分間ベーキングを行い、スピンオングラス
膜を成膜した。ベーキング処理後の膜厚は500nmで
ある。
【0517】次いで、上記式[13]に示す平均分子量
12500のポリシラン(n/m=4/1)10gをア
ニソール90gに溶解して作成した溶液材料を、スピン
オングラス上に塗布し、180℃で60秒間ベーキング
を行い、有機シリコン膜を形成した。この時の有機シリ
コン膜の膜厚は300nmであり、ガラス転移温度は1
39℃である。
【0518】また、XPS分光法を用いて有機シリコン
膜の膜厚方向でのO/Siの割合を調べたところ、図1
0に示す結果を得た。図10から、表面が酸化されてい
るが、そのため有機シリコン膜からレジストへの露光光
の反射光を抑えることができ、寸法制御性の高いレジス
トパターンを得ることができることがわかる。このよう
に、シリコン有機膜の消衰係数を膜厚方向で表面から絶
縁膜側に向かって増大させ、反射を抑えてもよい。
【0519】次に、有機シリコン膜上にポジ型化学増幅
型レジスト(商品名:APEX−E、シップレー社製)
を塗布し、98℃で120秒間ベーキングを行ない、レ
ジスト膜を形成した。この時のレジスト膜の膜厚は10
0nmである。そして、このレジスト膜に対し、KrF
エキシマレーザー光を光源とした縮小光学型ステッパー
を用いてパターン露光を行い(露光量28mJ/c
2 )、98℃で120秒間のベーキングを行った後、
0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行い、0.
25μmL/Sのレジストパターンを形成した。
【0520】このようにして得られたレジストパターン
のプロファイルを断面SEMにより観察したところ、側
壁には定在波による波打ち形状は見られなかった。レジ
ストパターンの形状には裾引きや食われは見られず、良
好なレジストプロファイルが得られた。
【0521】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様にしてスピンオングラスを加工した結
果、エッチング前のレジストパターン寸法からずれるこ
となく、スピンオングラスをエッチングすることができ
た。
【0522】実施例37 シリコンウェハー上に500nm厚のBPSG膜をプラ
ズマCVD法で形成した。次に、BPSG膜上に上記式
[14]に示す重量平均分子量9000のポリシラン
(n/m=4/1)10g、分子量2000のポリ(フ
ェニルシラン)5gをアニソール85gに溶解して作成
した溶液材料を塗布した後、160℃で180秒間ベー
キングを行った。この時のシリコン有機膜の膜厚は15
0nmで、ガラス転移温度は152℃である。波長24
8nmでの複素屈折率はn=2.20、k=0.39で
ある。そして、ポリサルフォン10gをアニソール90
gに溶解して作成した溶液材料をシリコン有機膜上に塗
布した後、220℃で180秒間ベーキングを行い、レ
ジストプロファイルを良くするための下層膜を作成し
た。下層膜の膜厚は30nmである。
【0523】次に、下層膜上にネガ型化学増幅型レジス
ト(商品名:TDUR−N908、東京応化工業社製)
を塗布し、98℃で120秒間ベーキングした。このよ
うにして得たレジスト膜の膜厚は300nmである。そ
の後、レジスト膜に対し、KrFエキシマレーザー光を
光源とした縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光
を行い(露光量38mJ/cm2 )、98℃で120秒
間のベーキングを行った後、0.21規定のTMAH現
像液で現像処理を行い、0.18μmL/Sのレジスト
パターンを形成した。このレジストパターンのプロファ
イルを断面SEMにより観察したところ、側壁には定在
波による波打ち形状は見られなかった。また、下層膜上
では、図1(d)に示すように、裾引きや食われのない
良好な形状のレジストパターンが得られた。
【0524】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様にしてBPSG膜を加工した結果、エ
ッチング前のレジストパターン寸法からずれることな
く、BPSG膜をエッチングすることができた。本実施
例のように、有機シリコン膜上に下層膜を形成してレジ
スト形状を良くしてもよい。
【0525】実施例38 シリコンウェハー上に、膜厚500nmのフッ素添加S
iO2 膜を、減圧CVD法により形成した。次いで、上
記式[1−84]に示す分子量4000のポリシラン1
0gをアニソール90gに溶解して作成した溶液材料を
SiO2 膜上に塗布した後、160℃で60秒間ベーキ
ングを行ない、有機シリコン膜を形成した。この時の有
機シリコン膜の膜厚は、180nmであり、ガラス転移
温度は141℃である。
【0526】この有機シリコン膜に、ポリメチルメタク
リレート10gを乳酸エチル90gに溶解して作成した
レジスト溶液を塗布し、98℃で120秒間ベーキング
を行ない、レジスト膜を形成した。この時のレジストの
膜厚は200nmである。そして、レジスト膜に対し、
ArFエキシマレーザー光を光源とした縮小光学型ステ
ッパーを用いてパターン露光を行い(800mJ/cm
2 )、98℃で120秒間のベーキングを行った後、
0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行い、0.
18μmL/Sのレジストパターンを形成した。
【0527】このようにして得たレジストパターンのプ
ロファイルを断面SEMにより観察したところ、側壁に
は定在波による波打ち形状は見られなかった。レジスト
パターンの形状には裾引きや食われは見られず、良好な
レジストプロファイルが得られた。
【0528】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様にしてSiO2 膜を加工した結果、エ
ッチング前のレジストパターン寸法からずれることな
く、SiO2 膜をエッチングすることができた。
【0529】実施例39 まず、本実施例で用いるポリシランを次のように合成し
た。すなわち、アルゴン雰囲気下−20℃で乾燥したジ
エチルエーテル60ml及びジルコノセンジクロル5.
34gを攪拌し、ここに1.5Mのメチルエーテルを少
量ずつ添加し、70分間攪拌した。次いで、0℃で30
分攪拌した後、ジエチルエーテルを取り除き、生成した
白い固体を昇華して、ジルコノセンメチルを調製した。
【0530】次に、フェニルシランに対し、このジルコ
ノセンジメチルを50:1のモル比で添加し、フェニル
シランを室温下で5時間重合させた。そして、得られた
ポリマーをトルエンに溶解し、メタノール中に攪拌しな
がら投入して、ポリマーを再沈させた。さらに、ポリマ
ーを同様にメタノールで2回再沈させた後、80〜90
℃で減圧乾燥して、重量平均分子量約2.000の上記
式[16−1]に示すポリマーを得た。
【0531】実施例17と同様にして、シリコンウェハ
ー上にSiO2 膜を成膜した。そして、このSiO2
上に、上記方法により得たポリシラン8g、式[6−
9]に示す架橋剤2gをアニソール90gに溶解した溶
液を塗布し、150℃で60秒間ベーキングを行い、ポ
リシランを架橋させ、膜厚250nmの有機シリコン膜
を形成した。架橋させた有機シリコン膜のガラス転移温
度は158℃である。
【0532】次に、実施例20と同様の手順で、有機シ
リコン膜上にレジストパターンを形成した。
【0533】得られたレジストパターンのプロファイル
を断面SEMにより観察したところ、側壁には定在波に
よる波打ち形状は見られなかった。レジストパターンの
形状には裾引きや食われは見られず、良好なレジストプ
ロファイルが得られた。
【0534】有機シリコン膜とSiO2 膜のエッチング
を行ったところ、実施例29と同様に、所望の寸法でS
iO2 膜の加工を行うことができた。
【0535】実施例40 クォーツ基板上に実施例38で作成した平均分子量12
000のポリシラン10g、式[5−24]に示す架橋
剤12gをアニソール90gに溶解して作成した溶液材
料を塗布し、160℃で100秒間ベーキングを行っ
た。このようにして得た有機シリコン膜の膜厚は300
nmであり、ガラス転移温度は132℃である。
【0536】有機シリコン膜上に化学増幅型ポジレジス
ト(商品名:APEX、シップレー社製)を塗布し、9
8℃で120秒間ベーキングを行った。このようにして
得たレジスト膜の膜厚は200nmである。次に、電子
ビーム描画装置でパターン露光を行い(1μC/c
2 )、98℃で120秒間ベーキングを行った。そし
て、0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行い、
0.9μmL/Sのレジストパターンを形成した。レジ
ストパターンのプロファイルを断面SEMにより観察し
たところ、側壁には定在波による波打ち形状は見られな
かった。
【0537】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例31と同様にしてクォーツ基板上に0.4mの溝
を形成した。このように、本発明の方法は、クォーツ基
板の加工にも用いることができる。
【0538】実施例41 重量平均分子量8000のポリ(フェニルシレン)10
gをキシレン90gに溶解し、有機シリコン膜の溶液材
料を作成した。シリコンウェハー上に被加工膜であるS
iO2 膜を成膜し、SiO2 膜上に有機シリコン膜の溶
液材料をスピンコーテング法により塗布し、160℃で
300秒間ベーキングを行い、溶剤を乾燥させた。この
時の有機シリコン膜の膜厚は250nmであり、ガラス
転移温度は132℃である。分光エリプソで測定したλ
=193nmにおける複素屈折率はn=2.03,k=
0.48である。
【0539】次いで、ポリメチルメタクリル酸メチル1
0gを乳酸エチル90gに溶解して作成したレジスト溶
液を塗布し、110℃で90秒間のベーキングを行っ
た。ベーキング後のレジスト膜厚は100nmである。
次に、ArFエキシマレーザー光を光源とする縮小光学
型ステッパーで露光し(露光量500mJ/cm2 )、
0.21規定のTMAH現像液で90秒間の現像処理を
行ない、0.18μmライン アンド スペースパター
ンを形成した。レジストパターンの形状には、裾引きや
食われは見られず、良好なレジストプロファイルが得ら
れた。レジストの膜厚を50nmから150nmの範囲
で変化させ、各レジスト膜厚でレジストパターン寸法を
測定した。その結果、レジスト膜中に発生した定在波に
よる寸法変動量は無視できる大きさであることが分かっ
た。レジストパターンの形状には裾引きや食われは見ら
れず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0540】次に、形成したレジストパターンをマスク
として用いて、ソ−スガスとして流量300SCCMの
Cl2 を用い、真空度20mtorr励起電力を300
Wとしたことを除いて、実施例12と同様の方法で有機
シリコン膜のエッチングを行ったところ、有機シリコン
膜のエッチング終了後もレジストパターンがすべて削れ
ることなく、寸法制御性よく、有機シリコン膜をエッチ
ングすることができた。
【0541】実施例42 シリコンウェハー上に、膜厚500nmのフッ素添加S
iO2 膜を減圧CVD法により形成した。次いで、式
[1−95]に示す、重量平均分子量12。。。の有機
シリコン化合物(n/m=1/4)10gをアニソール
90gに溶解して作成した溶液材料をSiO2 膜上に塗
布した後、窒素雰囲気中で180℃で100秒間ベーキ
ングを行い、有機シリコン膜を形成した。この時の有機
シリコン膜の膜厚は200nmであり、ガラス転移温度
は℃である。波長193nmでの複素屈折率はn=2.
10、k=0.57である。
【0542】次に、この有機シリコン膜上に、ポリメチ
ルメタクリレート10gを乳酸エチル90gに溶解して
作成したレジスト溶液を塗布し、98℃で120秒間ベ
ーキングを行い、レジスト膜を形成した。この時のレジ
スト膜の膜厚は200nmである。そして、レジスト膜
に対し、ArFエキシマレーザー光を光源とした縮小光
学型ステッパーを用いてパターン露光を行い(800m
J/cm2 )、98℃で120秒間のベーキングを行っ
た後、0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行
い、0.18μmL/Sのレジストパターンを形成し
た。
【0543】このようにして得たレジストパターンのプ
ロファイルを断面SEMにより観察したところ、側壁に
は定在波による波打ち形状は見られなかった。レジスト
パターンの形状には裾引きや食われは見られず、良好な
レジストプロファイルが得られた。
【0544】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様にしてSiO2 膜を加工した結果、エ
ッチング前のレジストパターン寸法からずれることなく
SiO2 膜をエッチングすることができた。
【0545】実施例43 シリコンウェハー上に膜厚500nmのフッ素添加Si
2 膜を減圧CVD法により形成した。次いで、上記式
[17−7]に示すAsF5 をドープした平均分子量1
2000のポリシラン(n/m=1/4)10gをアニ
ソール90gに溶解して作成した溶液材料をSiO2
上に塗布した後、窒素雰囲気中で180℃で100秒間
ベーキングを行った。このようにして得た有機シリコン
膜の膜厚は300nmであり、ガラス転移温度は℃であ
る。
【0546】そして、AsF5 を含む雰囲気中に有機シ
リコン膜をさらし、有機シリコン膜中にAsF5 ををド
ープさせて導電性をもたせた。
【0547】有機シリコン膜上にポリメチルメタクリレ
ート10gを乳酸エチル90gに溶解して作成したレジ
スト溶液を塗布し、98℃で120秒間ベーキングを行
った。このようにして得たレジスト膜の膜厚は200n
mである。次に、レジスト膜に対し、電子ビーム描画装
置を用いてパターン露光を行い(10μmC/c
2)、0.21規定のTMAH現像液で現像処理を行
い、0.18μmL/Sのレジストパターンを形成し
た。レジストパターンの形状には裾引きや食われは見ら
れず、良好なレジストプロファイルが得られた。
【0548】以上のように、レジストパターンを形成
し、実施例29と同様にしてSiO2を加工した結果、
エッチング前のレジストパターン寸法からずれることな
く、SiO2 膜をエッチングすることができた。また、
本実施例において得られた有機シリコン膜の伝導度は、
5×10-6S/cmであり、チャージアップによる位置
ずれがなく、レジストパターンを形成することができ
た。
【0549】実施例44 シリコンウェハー上に膜厚500nmのフッ素添加Si
2 膜を減圧CVD法により形成した。次いで、上記式
[17−3]に示す重量平均分子量12000のポリシ
ラン10gをアニソール90gに溶解して作成した溶液
材料をSiO2膜上に塗布した後、窒素雰囲気中で18
0℃で100秒間ベーキングを行った。このようにして
得た有機シリコン膜の膜厚は200nmであり、ガラス
転移温度は136℃である。
【0550】この有機シリコン膜上に化学増幅型ポジレ
ジスト(商品名:APEX、シップレー社製)を塗布
し、98℃で120秒間ベーキングを行った。このよう
にして得たレジスト膜の膜厚は200nmである。次
に、レジスト膜に対し、放射光を光源としたX線ステッ
パーでパターン露光を行い(45mJ/cm2 )、98
℃で120秒間ベーキングを行った。そして、0.21
規定のTMAH現像液で現像処理を行い、0.18μm
L/Sのレジストパターンを形成した。レジストパター
ンの形状には裾引きや食われは見られず、良好なレジス
トプロファイルが得られた。
【0551】以上のようにレジストパターンを形成し、
実施例29と同様にしてSiO2 膜を加工した結果、エ
ッチング前のレジストパターン寸法からずれることな
く、SiO2 膜をエッチングすることができた。
【0552】実施例45 シリコンウェハー上に膜厚300nmのSiO2 膜をL
PCVD法で形成した。次いで、図1(a)に示すよう
に、シリコンウェハー上にスパッター法で膜厚300n
mのアモルファスシリコン膜を形成した。そして、図1
(b)に示すように実施例2の(B3)〜(B10)の
方法で有機シリコン膜3をそれぞれアモルファスシリコ
ン上に形成した。有機シリコン膜の膜厚は100nmで
ある。
【0553】次に、実施例21と同様にして、図1
(c)に示すように有機シリコン膜上にレジスト4を形
成した。さらに、図11(a)に示すように0.21規
定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い0.18μ
mのラインアンドスペースパターンを形成した。現像処
理後のレジストパターン5の膜厚は250nmである。
【0554】レジストパターンを観察したところ、チャ
ージアップによる位置ずれはなかった。また、レジスト
パターンの形状には裾引きや食われは見られず、良好な
レジストプロファイルが得られた。
【0555】次に、図11(b)Bに示すように、レジ
ストパターンをエッチングマスクとして用いて、有機シ
リコン膜およびアモルファスシリコン膜を一括してエッ
チングした。エッチング装置にはTCP方式のエッチン
グ装置を用い、ソースガスCl2=10SCCM、励起
電力100W、真空度12mTorr、基板温度30℃
の条件でエッチングを行ったところ、レジストパターン
が途中で削れることなく有機シリコン膜およびアモルフ
ァスシリコンをエッチングすることができ、0.18μ
mのラインアンドスペースパターン7をアモルファスシ
リコン膜に形成することができた。
【0556】実施例46 シリコンウェハー上に膜厚300nmのSiO2 膜をL
PCVD法で形成した。次いで、図1(a)に示すよう
に、SiO2 膜上にスパッター法で膜厚300nmのタ
ングステン膜を順次形成し、配線膜を形成した。そし
て、図1Bに示すように、実施例3の(C3)〜(C1
0)の方法で有機シリコン膜をそれぞれタングステン上
に形成した。有機シリコン膜の膜厚は100nmであ
る。
【0557】次に、図1(c)に示すように、実施例1
の(R)の方法で作成したレジストを各有機シリコン膜
上に塗布し、ホットプレートで110℃で90秒間加熱
してレジストを形成した。レジストの膜厚は300nm
である。続いて、KrFエキシマレーザーを光源とする
縮小光学型ステッパーを用いてパターン露光を行った
後、ホットプレートで110℃で90秒間加熱した。
【0558】さらに、図11(a)に示すように,0.
21規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行い,
0.18μmのラインアンドスペースパターンを形成し
た。現像処理後のレジストパターンの膜厚は250nm
である。走査型電子顕微鏡を用いてレジストプロファイ
ルを観察した結果、何れの有機シリコン膜上でもレジス
ト膜中での定在波による波打ち形状がなく、良好なレジ
ストプロファイルが得られていることが分かった。次
に、図11(b)に示すようにレジストパターンをエッ
チングマスクとして用いて、有機シリコン膜およびタン
グステン膜を一括してエッチングした。エッチング装置
にはTCP方式のエッチング装置を用い、ソースガスC
l2=100SCCM、TCPパワー/バイアスパワー
=500/250W、真空度12mTorr、基板温度
30℃の条件でエッチングを行ったところ、レジストパ
ターンが途中で削れることなく、有機シリコン膜および
タングステン膜をエッチングすることができ、0.18
μmのラインアンドスペースパターンの配線パターンを
形成することができた。
【0559】実施例45、46のように、被加工膜がア
モルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン基板など
のシリコン系材料、配線膜単体、配線膜とバリヤメタル
との積層構造、およびバリヤメタルとTiN、TiWの
ような反射防止膜との積層構造の場合、有機シリコン膜
と同一エッチング条件で一括してエッチングできるた
め、工程の短縮が図られる。
【0560】以下の実施例47〜51は、第3の実施態
様に係るものである。
【0561】実施例47 シリコンウェハー上にLPCVD法で膜厚800nmの
SiN膜を形成した(図1(a)参照)。次に、SiN
膜上に膜厚100nmの有機シリコン膜を形成した(図
1(b)参照)。有機シリコン膜には以下の(H1)〜
(H6)の方法で形成した膜をそれぞれ用いた。
【0562】(H1):式[1−1]に示す重量平均分
子量1,000のポリシラン9g、式[3−1]に示す
架橋剤0.9g、ラジカル発生剤ベンゾイン0.1gを
アニソール90gに溶解して調製した溶液をスピンコー
テング法で下地基板上に塗布した後、窒素雰囲気下(酸
素濃度50ppm以下)で180℃で10分間加熱し
た。得られた有機シリコン膜のガラス転移温度は68℃
である。
【0563】(H2):式[1−53]に示す重量平均
分子量12、000のポリシラン(n/m=1/4)1
0gをアニソール90gに溶解して調製した溶液をスピ
ンコーテング法で塗布した後、160℃で1分間加熱し
た。得られた有機シリコン膜のガラス転移温度は123
℃である。
【0564】(H3):式[1−13]に示す重量平均
分子量18、000のポリシラン(n/m=1/4)1
0gをアニソール90gに溶解して調製した溶液をスピ
ンコーテング法で塗布した後、160℃で1分間加熱し
た。得られた有機シリコン膜のガラス転移温度は148
℃である。
【0565】(H4):式[1−82]に示す重量平均
分子量15、000のポリシラン(n/m=1/4)
9.99g、フラーレン0.01gをアニソール90g
に溶解して調製した溶液をスピンコーテング法で塗布し
た後、160℃で1分間加熱した。得られた有機シリコ
ン膜のガラス転移温度は123℃である。
【0566】(H5):式[1−50]に示す重量平均
分子量18、000のポリシラン(n/m=1/1)1
0gをアニソール90gに溶解して調製した溶液をスピ
ンコーテング法で塗布した後、160℃で1分間加熱し
た。得られた有機シリコン膜のガラス転移温度は118
℃である。
【0567】(H6):式[1−51]記載のポリシラ
ンをCVD法で下地基板上に成膜した。得られた有機シ
リコン膜のガラス転移温度は52℃である。
【0568】分光エリプソで測定した露光波長である波
長248nmにおけるn,k値を上記表15に示す。何
れも反射防止膜として作用するために必要な値を有して
いることが分かる。次に、各有機シリコン膜上に、重量
平均分子量20、000のポリビニルフェノール樹脂5
g、重量平均分子量27、000のポリビニルフェノー
ルの水酸基の50%がターシャリブトキシカルボニル基
で置換された抑止剤樹脂4.97g、酸発生剤としてス
ルフォンイミド0.03gを乳酸エチル90gに溶解し
て調製したレジスト溶液をスピンコーテング法により塗
布し、110℃で90秒間のプリベークを行い膜厚20
0nmのレジストを形成した(図1C参照)。そして、
KrFエキシマレーザーを光源とする縮小光学型ステッ
パー(NA=0.5、σ=0.5)を用いてパターン露
光を行った後、110℃で90秒間のポストエクスポー
ジャーベークを行った。続いて、0.21規定のTMA
H現像液を用いて現像処理を行って、0.18μmライ
ンアンドスペースパターンを形成した(図1D参照)。
有機シリコン膜(H1)上で、レジストの膜厚を変化さ
せてレジストパターン寸法を測定した。レジスト膜厚の
変動による寸法変動量を各有機シリコン膜について測定
した結果を表15に示す。この寸法変動量の大きさは、
実施例17で定義されている。
【0569】表15から、何れの有機シリコン膜でも許
容範囲の9nm以下でSiN膜からの反射光が抑えられ
ているために、寸法制御性の良いレジストパターンが得
られていることが分かる。
【0570】次に、レジストパターンをエッチングマス
クとして有機シリコン膜のエッチングを行った(図1
(e)参照)。エッチング装置には平行平板型RIE装
置を用い、ソースガスとして、流量200SCCMのC
2 を用い、真空度75mTorr、励起電力200
W、基板温度60℃のエッチング条件でエッチングを行
い、エッチング時間はプラズマからの発光で検出した終
点に対して50%のオーバーエッチングになるように設
定した。
【0571】加工形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、異方性よく有機シリコン膜をエッチングすること
ができていることが分かった。エッチング前のレジスト
パターン寸法Xと、有機シリコン膜のエッチング後の寸
法Yの差(=Y―X)で寸法変換差を定義した結果を下
記表15に示す。表15から、ほぼ−2nm〜+2nm
の範囲内に収まっており、寸法制御性よく有機シリコン
膜の加工がなされていることがわかる。
【0572】次に、有機シリコン膜のエッチングで用い
た平行平板型RIE装置を用いて、ソースガスとして流
量300SCCMのO2 を用い、真空度12mTor
r、励起電力75Wの条件で酸素プラズマを発生させて
有機シリコン膜を酸化処理した(図3(a)参照)。酸
化処理前後で有機シリコン膜の赤外吸収スペクトルを測
定したところ、何れの膜においても酸化処理によって1
000〜1100cm-1付近のシロキサン結合による吸
収ピークが成長していた。これは、有機シリコン化合物
中の主鎖に含まれるシリコンとシリコンとの結合が、酸
素プラズマによって開烈して酸素ラジカルと結合しシロ
キサン結合が生成したものと考えられる。また、レジス
トパターンは酸素プラズマを照射したことにより灰化さ
れてなくなった。酸化処理後の有機シリコン膜の寸法W
を測定し、酸化処理による寸法変動量(=W−Y)を測
定した結果を表15に示す。表から、酸化処理によりよ
る寸法の変動はほとんど見られないことが分かる。有機
シリコン膜のエッチングにより生じた寸法変換差、およ
び酸化処理によって生じた寸法変動量は何れの有機シリ
コン膜でも許容範囲の−9nm〜+9nm以内に収まっ
ており、寸法制御性よくマスク材を形成することができ
た。
【0573】次に、酸化処理した有機シリコン膜をエッ
チングマスクとして用いて、SiN膜のエッチングを行
った(図3(b)参照)。エッチング装置には平行平板
型RIE装置を用い、ソースガスとして流量50SCC
MのCF4 および流量100SCCMのN2 を用い、真
空度45mTorr、励起電力200W、基板温度60
℃のエッチング条件でエッチングを行った。エッチング
時間は、プラズマからの発光で検出した終点に対して5
0%のオーバーエッチングになるように設定した。
【0574】加工形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、異方性よく有機シリコン膜をエッチングすること
ができたことがわかった。SiN膜のエッチングを途中
で止めて、酸化処理した有機シリコン膜とSiN膜との
エッチング選択比(=SiN膜のエッチレート/酸化処
理した有機シリコン膜のエッチレート)を算出した結果
を、表15に示す。なお、SiNのエッチレートは25
0nm/分である。表から、何れも選択比は10以上と
れており、SiN膜のマスク材として十分な耐性がある
ことが分かった。
【0575】比較例11 実施例47において、有機シリコン膜のエッチング後、
酸化処理を行わないでSiN膜のエッチングを行ったと
ころ、SiN膜のエッチング途中でレジストパターンと
有機シリコン膜が削れてなくなり、SiN膜をエッチン
グすることができなかった。
【0576】比較例12 実施例47において、酸化処理した有機シリコン膜の代
わりにSiO2 膜をハードマスクとして用いた。即ち、
シリコンウェハー31上に形成されたSiN膜32上
に、SiO2 膜33をLPCVD法で形成した(図12
(a)、12(b))。そして、ポリサルフォン10g
をシクロヘキサノン90gに溶解して調製した溶液をS
iO2 膜上にスピンコーテング法で塗布した後、220
℃で90秒間加熱を行って反射防止膜34を形成した
(図12(c))。加熱処理後の反射防止膜34の膜厚
は90nmである。分光エリプソで測定した露光波長で
ある波長248nmでのn,k値は、n=1.72、k
=0.23である。
【0577】次に、実施例47と同様の方法でレジスト
35を反射防止膜34上に形成し(図12(d))、
0.18μmラインアンドスペースパターンを形成した
(図12(e))。そして、レジストパターン35をエ
ッチングマスクとして用いて、反射防止膜34とSiO
2 膜33を一括してエッチングした(図12(f))。
エッチング装置には平行平板型RIE装置を用い、ソー
スガスとして流量30SCCMのC4 8 、流量100
SCCMのCO、流量100SCCMのArを用い、真
空度45mTorr、励起電力200W、基板温度60
℃の条件でエッチングを行い、エッチング時間は、プラ
ズマからの発光で検出した終点に対して50%のオーバ
ーエッチングになるように設定した。
【0578】エッチング前のレジストパターン寸法X
と、SiO2 膜のエッチング後の寸法Yの差(=Y―
X)で寸法変換差を定義した。寸法変換差は+12nm
あり、許容範囲の−9nm〜+9nmを超していること
がわかる。これは、レジストとSiO2 膜の間に反射防
止膜が介在しているために生じたものと考えられる。
【0579】本発明による方法では、パターン露光時に
は有機シリコン膜は反射防止膜として作用するため、レ
ジストとハードマスクの間に介在させる必要がない。そ
の分、レジストパターンを忠実に有機シリコン膜に転写
することができる。
【0580】次に、酸素プラズマによりレジストパター
ン35および反射防止膜34を除去して、SiO2 膜パ
ターン33をエッチングマスクとして用いて、SiN膜
32のエッチングを行った(図12(g))。エッチン
グ条件は、実施例47と同様である。SiO2 膜のエッ
チングを途中で止めて、SiO2 膜とSiN膜とのエッ
チング選択比(=SiN膜のエッチングレート/SiO
2 膜のエッチングレート)を算出した結果、10.6あ
ることが分かった。この結果から、本発明による酸化処
理した有機シリコン膜は、SiN膜をエッチングするの
に適したプラズマ中でもSiO2 膜と同程度にエッチン
グ耐性があることが分かる、 比較例13 本比較例は、有機シリコン膜に、直接、紫外光を照射し
て有機シリコン膜をパターニングした例である。
【0581】シリコンウェハー41上に形成されたSi
N膜42上に、膜厚100nmの有機シリコン膜43
を、実施例47と同様の方法で形成した(図13A、1
2B)。次いで、ArFエキシマレーザを光源とする露
光装置を用いてパターン露光を行い、有機シリコン膜4
3の露光部分44を酸化した(図13C)。
【0582】次に、有機シリコン膜43の、未露光部分
の酸化処理されていない部分を、露光部分の酸化された
部分44をエッチングマスクとして用いてエッチングし
て、0.18μmラインアンドスペースパターン43を
形成した(図13D)。エッチング装置には平行平板型
RIE装置を用い、ソースガスとして流量200SCC
MのCl2 を用い、真空度75mTorr、励起電力2
00W、基板温度60℃のエッチング条件でエッチング
を行い、エッチング時間はプラズマからの発光で検出し
た終点に対して50%のオーバーエッチングになるよう
に設定した。加工形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、異方性よく有機シリコン膜をエッチングすること
ができた。
【0583】次いで、実施例47と同様にして、酸素プ
ラズマを有機シリコン膜に対して照射することで有機シ
リコン膜を酸化処理した(図13E)。酸化処理による
有機シリコン膜の寸法変動量(=W−Y)を測定した結
果を表16に示す。何れの有機シリコン膜でも寸法が太
っていることが分かる。
【0584】本比較例から、レジストパターンをエッチ
ングマスクとして用いて、有機シリコン膜をエッチング
した方が、酸化によって太りにくい有機シリコン膜パタ
ーンが得られていること分かる。おそらく、レジストパ
ターンをエッチングマスクとして有機シリコン膜をエッ
チングした場合、エッチング中に生じた生成物が有機シ
リコン膜の側壁に付着し、酸化による太りを抑制してい
るものと考えられる。 実施例48 本実施例は、酸化処理のためにSH処理を行った例であ
る。
【0585】実施例47と同様にして、SiN膜上に
(H1)〜(H6)の有機シリコン膜を形成し、有機シ
リコン膜上にレジストパターンを形成した。そして、レ
ジストパターンをエッチングマスクとして用いて、有機
シリコン膜を実施例47と同様の条件でエッチングし
た。
【0586】次に、硫酸と過酸化水素水を1:2の重量
比で混合した溶液中にウェハーを浸透させて、有機シリ
コン膜を酸化処理した。有機シリコン膜の赤外吸収スペ
クトルを測定した結果、実施例47と同様に、酸化処理
によりシロキサン結合が生成していることを確認した。
また、酸化処理による有機シリコン膜パターンの寸法変
動量を測定した結果、実施例47と同様に、酸化処理に
より寸法はほとんど変化していないことを確認した。
【0587】次に、酸化処理した有機シリコン膜をエッ
チングマスクとして用いて、実施例47と同様にしてS
iN膜をエッチングしたところ、異方性よく、SiN膜
をエッチングすることができた。
【0588】実施例49 本実施例は、酸化処理のための方法として、紫外光を照
射した例である。
【0589】実施例47と同様にして、SiN膜上に
(H1)〜(H6)の有機シリコン膜を形成し、有機シ
リコン膜上にレジストパターンを形成した。そして、レ
ジストパターンをエッチングマスクとして用いて、有機
シリコン膜を実施例47と同様の条件でエッチングし
た。
【0590】次に、高圧水銀灯を露光量1W/cm2
照射して、有機シリコン膜を酸化処理した(図12
(f))。赤外吸収スペクトルを測定した結果、実施例
47に示すように、酸化処理によりシロキサン結合が生
成しているのを確認した。また、酸化処理による有機シ
リコン膜パターンの寸法変動量を測定した結果、実施例
47と同様にほとんど変化していないことを確認した。
【0591】次に、レジストパターンおよび酸化処理し
た有機シリコン膜をエッチングマスクとして用いて実施
例47と同様にしてSiN膜をエッチングしたところ、
異方性よくSiN膜をエッチングすることができた(図
12(g))。
【0592】実施例50 本実施例は、被加工膜としてバリヤメタルと金属膜との
積層からなる配線層を用いた例である。
【0593】シリコンウェハー上に膜厚300nmのS
iO2 膜をLPCVD法で形成した。そして、SiO2
膜上に膜厚50nmのW膜、膜厚300nmのAlSi
膜、膜厚50nmのW膜をスパッター法により成膜し、
配線層を形成した。そして、実施例47と同様にして、
SiN膜上に(H1)〜(H6)の有機シリコン膜を形
成し、有機シリコン膜上にレジストパターンを形成し
た。そして、レジストパターンをエッチングマスクとし
て用いて、有機シリコン膜を実施例47と同様の条件で
エッチングした。
【0594】次に、実施例47と同様にして、有機シリ
コン膜を酸化処理した。さらに、酸化処理した有機シリ
コン膜をエッチングマスクとして用いて、配線層をエッ
チングした。エッチング装置にはICP型RIE装置を
用い、ソースガスとして流量90SCCMのCl2 、流
量10SCCMのBCl3 を用い、真空度12mTor
r、ICPパワー500W、バイアスパワー250W、
基板温度30℃の条件でエッチングを行い、エッチング
時間はプラズマからの発光による終点に対して50%の
オバーエッチングになるように設定した。
【0595】加工形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、異方性よく有機シリコン膜をエッチングすること
ができた。AlSi膜のエッチングを途中で止めて、酸
化処理した有機シリコン膜とAlSi膜とのエッチング
選択比(=AlSi膜のエッチングレート/酸化処理し
た有機シリコン膜のエッチングレート)を算出した結果
を表16に示す。表16から、何れも選択比は10以上
とれており、AlSi膜をエッチングするためのマスク
材として作用するのに十分な値が得られていることがわ
かる。
【0596】比較例14 実施例50において、有機シリコン膜のエッチング後、
酸化処理を行わないでAlSi膜のエッチングを行った
ところ、AlSi膜のエッチング途中でレジストパター
ンと有機シリコン膜が削れてなくなり、AlSi膜をエ
ッチングすることができなかった。
【0597】比較例15 比較例12と同様の手法で、実施例50の配線層のエッ
チング条件でのSiO2 膜とAlSi膜のエッチング選
択比(=AlSi膜のエッチングレート/酸化処理した
有機シリコン膜のエッチングレート)を調べた結果、選
択比は13.0あることが分かった。この結果から、本
発明による酸化処理した有機シリコン膜は、配線層のエ
ッチングに適したプラズマ中でもSiO2 膜と同程度に
エッチング耐性があることが分かる。
【0598】実施例51 本実施例では、シリコンを本発明による方法で加工した
場合を示す。
【0599】シリコンウェハー上に実施例47の(H
1)〜(H6)の方法で、膜厚500nmの有機シリコ
ン膜を形成した。次いで、実施例47で調製したレジス
ト溶液を有機シリコン膜上に形成し、110℃で90秒
間の加熱を行った。加熱後のレジストの膜厚は300n
mである。続いて、KrFエキシマレーザーを光源とす
る縮小光学型ステッパー(NA=0.5、σ=0.5)
を用いてパターン露光を行った後、110℃で90秒間
のポストエクスポージャーベークを行った。そして、
0.21規定のTMAH現像液を用いて現像処理を行っ
て、直径0.18μmのコンタクトホールパターンを形
成した。
【0600】次に、レジストパターンをエッチングマス
クとして用いて、有機シリコン膜を実施例47と同様の
条件でエッチングした後、実施例47と同様にして有機
シリコン膜を酸化処理した。
【0601】その後、酸化処理した有機シリコン膜をエ
ッチングマスクとして用いて、シリコンをエッチングし
た。エッチング装置にはマグネトロン型RIE装置を用
い、ソースガスとして流量200SCCMのCl2 を用
い、真空度12mTorr、ICPパワー500W、バ
イアスパワー250W、基板温度30℃の条件でエッチ
ングを行い、深さ2000nmのトレンチを形成した。
【0602】加工形状を走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、異方性よく有機シリコン膜をエッチングすること
ができた。シリコンのエッチングを途中で止めて、酸化
処理した有機シリコン膜とシリコンとのエッチング選択
比(=シリコンのエッチングレート/酸化処理した有機
シリコン膜のエッチングレート)を算出した結果を表1
7に示す。表17から、何れも選択比は6以上とれてお
り、シリコンをエッチングするためのマスク材として十
分な耐性があることが分かる。
【0603】比較例16 実施例51において、有機シリコン膜のエッチング後、
酸化処理を行わないでシリコンのエッチングを行ったと
ころ、シリコンのエッチング途中でレジストパターンと
有機シリコン膜が削れてなくなり、所望の深さのトレン
チ構造を得ることができなかった。。
【0604】比較例17 比較例12と同様の手法で、実施例51の配線層のエッ
チング条件でのSiO2 膜とシリコンのエッチング選択
比(=シリコンのエッチングレート/酸化処理した有機
シリコン膜のエッチングレート)を調べた結果、SiO
2 膜と同程度にエッチング耐性があることが分かる。
【0605】
【表25】
【0606】
【表26】
【0607】
【表27】 以下の実施例52〜59は、有機シリコン膜の剥離に関
するものである。
【0608】実施例52 まず、第1の工程として、次の(J1)、(J2)、お
よび(J3)の方法で、シリコン有機膜を形成した。
【0609】(J1):シリコン基板上の厚さ500nm の
SiO2 膜上に、式[1−84]に示す重量平均分子量
12,000の有機シリコン化合物10gをアニソール
90gに溶解して作成した溶液材料をスピンコーテング
法により塗布した。次いで、ホットプレートを用いて1
60℃で90秒間加熱して溶剤を気化乾燥させて、膜厚
0.1ミクロンの有機シリコン膜を形成した。
【0610】(J2):図14(a)に示すように、シ
リコン基板51上に厚さ300nm のSiO2 膜52をスパ
ッター法で形成した。そして、SiO2 膜52上に、Ti
N/Ti/0.5%Cu-Al/Ti/TiN (膜厚は400A/50A/2300A/100A/
200A)からなる金属配線層53を形成した。次に、図1
4(b)に示すように、前記金属配線層53上に、式
[1−66]に示す重量平均分子量12、000の有機
シリコン化合物10gをアニソール90gに溶解して作
成した溶液材料をスピンコーテング法により塗布した。
次いで、ホットプレートを用いて160℃で90秒間加
熱して溶剤を気化乾燥させて、膜厚0.1ミクロンの有
機シリコン膜54を形成した。
【0611】(J3):シリコン基板上の厚さ500nm の
SiO2 膜上に、厚さ390nmのポリシリコン膜を形
成した。前記ポリシリコン膜上に、式[1−84]に示
す重量平均分子量12、000の有機シリコン化合物1
0gをアニソール90gに溶解して作成した溶液材料を
スピンコーテング法により塗布した。次いで、ホットプ
レートを用いて160℃で90秒間加熱して溶剤を気化
乾燥させて、膜厚0.1ミクロンの有機シリコン膜を形
成した。
【0612】(J1)〜(J3)で形成した有機シリコ
ン膜のガラス転移温度は132℃である。
【0613】なお、図14(a)、14(b)Bは、上
記の態様(J2)の場合、すなわち金属配線層上に有機
シリコン膜がある場合を示しているが、(J1)或いは
(J3)の場合も、SiO2 上に直接有機シリコン膜が
ある以外は、同様である。
【0614】次いで、第2の工程として、上記の有機シ
リコン膜54上に、化学増幅型レジストAPEX−E
(シップレー社製)を1ミクロンの厚さに回転塗布し、
ホットプレートで100℃で90秒間ベークした(図1
4(c))。その後、KrF エキシマステッパを用いて上
記レジスト55の露光を行い、ホットプレートで100
℃で90秒間ベークした後、0.21規定のTMAHで60
秒間の現像を行って、上記レジストのパターン55を形
成した(図14(d))。
【0615】次に、第3の工程として、マグネトロン型
反応性イオンエッチング装置を用いて、流量100sc
cmのCl2 、励起電力100W、真空度20mTor
r、基板温度50℃の条件で、上記有機シリコン膜53
のエッチングを行い、上記有機シリコン膜のパターン5
3を形成した。
【0616】その後、第4の工程として、被加工膜のエ
ッチングとパターン形成を行った。まず(J1)につい
ては、マグネトロン型反応性イオンエッチング装置を用
いて、O2 /CF4 =100/20sccm、励起電力
500W、真空度10mTorr、基板温度30℃の条
件で、上記SiO2 膜のエッチングを行い、上記SiO
2 膜のパターンを形成した。(J2)については、IC
P型反応性イオンエッチング装置を用いて、Inductive
Power/Bias Power=400/180W,Cl2/BCl3/N2=50/60/5SCCM,
圧力 12mTorrで金属配線層53のエッチングを行った
(図11E)。(J3)については、マグネトロン型反
応性イオンエッチング装置を用いて、HBr=100S
CCM、圧力30mTorrの条件でポリシリコン層の
エッチングを行った。
【0617】次に、第5の工程として、次の方法で、
(J1)〜(J3)の化学増幅型レジストと有機シリコ
ン膜の剥離を行った(図1F)。剥離にはダウンフロー
プラズマ装置を用い、ガスにはO2 +CF4 を用いた。
基板温度、ガス流量は下記表18に示すように変化させ
た。プラズマ励起電力は200W、圧力は0.1Tor
rとしている。
【0618】
【表28】 下記表19に、レジストと有機シリコン膜とを残渣無く
剥離できたかどうかを調べた結果を示す。表中、○が残
渣がないもの、×が残渣があるものである。CF4 の割
合が0のときは、どの基板温度でも残渣が残ってしま
う。CF4 の割合を0.2%とした場合は、基板温度が
80℃、160℃のときは良好な剥離性を示した。CF
4 の割合が0.5%以上のときには、どの基板温度でも
剥離性は良好であった。また、剥離後、断面SEM観察
を行って下地と有機シリコン膜のミキシング層があるか
どうか調べたが、表20で残渣がないものについてはす
べて、ミキシング層は見られなかった。
【0619】
【表29】
【0620】
【表30】 上記表19で、剥離性が良好であったものについて、有
機シリコン膜を剥離したときの、被加工膜((J1)の
場合は下地のSiO2 、(J2)の場合は下地の金属配
線膜、(J3)の場合はポリシリコン膜)の削れ量を上
記表20に示す。上記表20から、殆どの場合、削れ量
は1nm以下(測定不可能)で、下地にダメージをほと
んど与えることがないことがわかる。
【0621】次に、比較例として、以下の実験を行っ
た。まず、第1の工程として次の(K1)、(K2)、
および(K3)の方法で、シリコン有機膜を形成した。
【0622】(K1):(J1)と同様にして、シリコ
ン基板上の厚さ500nm のSiO2 膜上に有機シリコン膜
を形成した。
【0623】(K2):(J2)と同様にして、シリコ
ン基板上の厚さ300nm のSiO2 膜上にTiN/Ti/0.5%Cu-
Al/Ti/TiN からなる金属配線層を形成し、さらに、金属
配線層上に0.1ミクロンの有機シリコン膜を形成し
た。
【0624】(K3):(J3)と同様にして、シリコ
ン基板上の厚さ500nm のSiO2 膜上にポリシリコン膜
を形成し、さらに、ポリシリコン層上に有機シリコン膜
を形成した。
【0625】第2の工程として、(K1)〜(K3)に
ついて、それぞれ(J1)〜(J3)の場合と同じ方法
で、有機シリコン膜上にレジストパターンを形成した。
【0626】第3の工程として、マグネトロン型反応性
イオンエッチング装置を用いて、CF4 =200scc
m、励起電力100W、真空度20mTorr、基板温
度50℃の条件で、上記有機シリコン膜のエッチングを
行い、上記有機シリコン膜のパターンを形成した。
【0627】第4の工程として、被加工膜のエッチング
とパターン形成を行った。方法は(K1)については
(J1)、(K2)については(J2)、(K3)につ
いては(J3)と同様である。
【0628】上記表20に、レジストと有機シリコン膜
とを残渣無く剥離できたかどうかを調べた結果を示す。
この例では、有機シリコン膜のエッチング時におけるエ
ッチングガスがCF4 のみであったため、どの基板温度
でも残渣が残ってしまったことがわかる。
【0629】次に、第2の比較例として、有機シリコン
膜に直接、紫外光を照射してパターニングを行った場合
について説明する。まず、次の(L1)、(L2)、お
よび(L3)の方法で、シリコン有機膜を形成した。
【0630】(L1):(J1)と同様にして、シリコ
ン基板61上のSiO2 62膜上に有機シリコン膜63
を形成した(図15A,15B)。
【0631】(L2):(J2)と同様にしてSiO2
膜上の配線層に有機シリコン膜を形成した。
【0632】(L3):(J3)と同様にしてSiO2
膜上のポリシリコン膜上に有機シリコン膜を形成した。
【0633】次に、(L1)、(L2)および(L3)
の有機シリコン膜63にArFエキシマレーザーを照射
してパターン露光を行い、露光部分63aを酸化させた
(図15C)。次いで、マグネトロン型反応性イオンエ
ッチング装置を用いて、未露光部分をエッチングして、
0.18μmパターンを形成した。エッチング条件はC
2 =200SCCM,励起電力100W、真空度20
mTorr、基板温度50℃の条件で行った。
【0634】そして、露光されて酸化された部分63a
をエッチングマスクとして用いて、SiO2 膜、配線層
およびポリシリコン膜をそれそれエッチングした。エッ
チング方法は実施例52の第4の工程と同様である。な
お、図15(d)では、SiO2 膜をエッチングした場
合を示す。
【0635】さらに、実施例52の第5の工程と同様に
して、有機シリコン膜を剥離した(図15(e))。剥
離方法は、実施例52の第5の工程と同様である。上記
表20に、レジストと有機シリコン膜が残渣なく剥離で
きたかどうか調べた結果について示す。この例では、レ
ジストパターンをエッチングマスクに有機シリコン膜を
エッチングしなかったため、どの基板温度でも残渣が残
ってしまった。この実験から、レジストパターンをエッ
チングマスクとして有機シリコン膜をエッチングした場
合の方が剥離しやすくなっていることが分かる。
【0636】なお、実施例52において、でマグネトロ
ン型エッチング装置を用い、Cl2の代わりにHBr、
つまりHBr=100SCCM、励起電力150W、真
空度20mTorr、基板温度60℃の条件でエッチン
グを行ったところ、実施例5247と同様の結果を得
た。
【0637】実施例53 まず、第1の工程として、実施例52の(J1)〜(J
3)、(K1)〜(K3)と同様の方法で、シリコン有
機膜を形成した。次に、第2、3、および4の工程で、
実施例52と同様の方法で、SiO2 膜、金属配線層、
或いはポリシリコン膜を加工した。
【0638】次に、第5の工程として、次の方法で、化
学増幅型レジストと(J1)〜(J3)の有機シリコン
膜の剥離を行った。剥離には、ダウンフロープラズマ装
置を用い、ガスにはO2 +SF6 、あるいはO2 +NF
3 を用いた。O2 流量は、500SCCMと固定し、基
板温度、SF6 やNF3 の流量は、下記表21のように
変化させた。プラズマ励起電力は200W、圧力は0.
1Torrとしている。
【0639】
【表31】 下記表22に、レジストと有機シリコン膜とを残渣無く
剥離できたかどうかを調べた結果を示す。剥離後、断面
SEM観察を行って下地と有機シリコン膜のミキシング
層があるかどうか調べたとこお、表22で残渣がないも
のについてはすべて、ミキシング層は見られなかった。
【0640】
【表32】 上記で、剥離性が良好であったものについて、有機シリ
コン膜を剥離したときの、被加工膜((J1)の場合は
下地のSiO2 、(J2)の場合は下地の金属配線膜、
(AJ)の場合は下地のポリシリコン膜)の削れ量を下
記表23に示す。下記表23から、ほとんどの場合、削
れ量は1nm以下(測定不可能)で、下地にダメージを
ほとんど与えることがないことがわかる。
【0641】
【表33】 実施例54 まず、第1の工程として、実施例52の(J1)〜(J
3)、(K1)〜(K3)と同様の方法で、シリコン有
機膜を形成した。次に、第2、3、および4の工程で、
実施例52と同様な方法で、SiO2 膜、金属配線層、
或いはポリシリコン膜を加工した。
【0642】次に、第5の工程として、次の方法で、化
学増幅型レジストと(J1)〜(J3)の有機シリコン
膜の剥離を行った。まず、ダウンフロープラズマ装置に
よってO2 ガスで基板温度80℃、プラズマ励起電力は
200W、圧力は0.1Torrで、1分間処理した。
次に、室温で、HFまたはNH4 Fを含む溶媒中に浸漬
させた。溶媒中のHFまたはNH4 Fの割合を下記表2
4に示す。また、下記表25に、レジストと有機シリコ
ン膜とを残渣無く剥離できたかどうかを調べた結果を示
す。
【0643】
【表34】 上記表25から、次のことがわかる。まず、(J1)〜
(J3)の場合、O2プラズマのみによる剥離では、実
施例52に示すように、どの基板温度でも残渣が残って
しまうのに対して、CF4 の割合を0.2%とした場合
は、基板温度が30℃、160℃のときは良好な剥離性
を示した。CF4 の割合が0.5%以上のときには、ど
の基板温度でも剥離性は良好であった。
【0644】次に、(K1)〜(K3)の場合は、有機
シリコン膜のエッチングガスとしてCF4 を用いたこと
で、剥離がスムーズに進まず、剥離後に残渣を生じてし
まった。また、剥離後、断面SEM観察を行って下地と
有機シリコン膜のミキシング層があるかどうか調べた
が、表26で残渣がないものについてはすべて、ミキシ
ング層は見られなかった。
【0645】上の例で、剥離性が良好であったものにつ
いて、有機シリコン膜を剥離したときの、被加工膜
((J1)の場合は下地のSiO2 、(J2)の場合は
下地の金属配線膜、(A3)の場合は下地のポリシリコ
ン膜)の削れ量を下記表26に示す。表26から、ほと
んどの場合、削れ量は1nm以下(測定不可能)で、下
地にダメージをほとんど与えることがないことがわか
る。
【0646】
【表35】 実施例55 まず、第1の工程として、実施例52の(J1)〜(J
3)、(K1)〜(K3)と同様の方法で、シリコン有
機膜を形成した。次に、第2、3、および4の工程で、
実施例52と同様な方法で、SiO2 膜、金属配線層、
或いはポリシリコン膜を加工した。
【0647】次に、第5の工程として、次の方法で、
(J1)〜(J3)のレジストと有機シリコン膜の剥離
を行った。まず室温で、硫酸と過酸化水素水を含む溶液
に10分間浸漬させた後、室温で、HFまたはNH4
を含む溶媒中に浸漬させた。溶液の配合比を下記表27
に示す。また、下記表28に、レジストと有機シリコン
膜とを残渣無く剥離できたかどうかを調べた結果を示
す。
【0648】
【表36】 次に、(K1)〜(K3)の場合には、有機シリコン膜
のエッチングガスとしてCF4 を用いたことで剥離がス
ムーズに進まず、剥離後に残渣を生じてしまった。ま
た、剥離後、断面SEM観察を行って下地と有機シリコ
ン膜のミキシング層があるかどうか調べたが、上記表2
6で残渣がないものについてはすべて、ミキシング層は
見られなかった。
【0649】上の例で、剥離性が良好であったものにつ
いて、有機シリコン膜を剥離したときの、被加工膜
((J1)の場合は下地のSiO2 、(J2)の場合は
下地の金属配線膜、(J3)の場合はポリシリコン膜)
の削れ量を下記表29に示す。表30から、ほとんどの
場合、削れ量は1nm以下(測定不可能)で、下地にダ
メージをほとんど与えることがないことがわかる。
【0650】
【表37】 実施例56 本実施例では、実施例52で説明した剥離方法により、
材料の構造と剥離特性について調べた場合について示
す。
【0651】まず、実施例52の(J1)の方法でシリ
コン基板上に形成したSiO2 膜上に、以下の(S1)
〜(S12)の方法により、有機シリコン膜を形成し
た。
【0652】(S1):式[1−95]に示す重量平均
分子量3、000有機シリコン化合物(n/m=1/
4)10gをアニソール90gに溶解して溶液材料を作
成し、下地基板上にスピンコーテング法により塗布した
後、160℃で90秒間ベーキングした。
【0653】(S2):式[1−95]に示す重量平均
分子量6、000の有機シリコン化合物(n/m=1/
4)10gを用いたことを除いて、(S1)と同様。
【0654】(S3):式[1−95]に示す重量平均
分子量40,000を用いたことを除いて、(S1)と
同様。n/m=1/4 (S4):式[1−47]に示す重量平均分子量1、0
00の有機シリコン化合物10gを用いたことを除い
て、(S1)と同様。
【0655】(S5):式[1−47]に示す重量平均
分子量4、000の有機シリコン化合物10gを用いた
ことを除いて、(S1)と同様。
【0656】(S6):式[1−47]に示す重量平均
分子量12、000の有機シリコン化合物10gを用い
たことを除いて、(S1)と同様。
【0657】(S7):式[1−1]に示す重量平均分
子量3、000の有機シリコン化合物10gを用いたこ
とを除いて、(S1)と同様。
【0658】(S8):式[1−1]に示す重量平均分
子量3、000の有機シリコン化合物10g、式[3−
61]に示す架橋剤1g、ラジカル発生剤としてシリル
ペルオキシド0.1gをアニソール88.9gに溶解し
て作成した溶液をスピンコーテング法で下地基板上に、
下地基板上にスピンコーテング法により塗布した後、窒
素雰囲気(酸素濃度50ppm以下)で160℃で90
秒間ベーキングした。 (S9):式[1−2]に示す重量平均分子量3、00
0の有機シリコン化合物10gをアニソール90gに溶
解して溶液材料を作成し、下地基板上にスピンコーテン
グ法により塗布した後、窒素雰囲気(酸素濃度50pp
m以下)100℃で90秒間ベーキングした。
【0659】(S10):式[1−17]に示す重量平
均分子量12、000の有機シリコン化合物10gを用
いたことを除いて、(S1)と同様。
【0660】(S11):式[1−29]に示す重量平
均分子量8、000の有機シリコン化合物10gを用い
たことを除いて、(S1)と同様。
【0661】(S12):式[1−22]に示す重量平
均分子量8、000の有機シリコン化合物10gを用い
たことを除いて、(S1)と同様。
【0662】(S1)〜(S12)の有機シリコン膜の
ガラス転移温度を測定した結果を下記表31に示す。
【0663】次に、シリコン膜のエッチングを行い、続
いてSiO2膜をそれぞれエッチングした。実施例2と
同様にしてレジストと有機シリコン膜が残渣なく剥離で
きたかどうかについて調べた結果を下記表30に示す。
また、剥離終了後のSiO2膜の削れ量を測定した結果
を下記表31に示す。
【0664】本実施例からガラス転移温度が概ねO℃以
上の場合、及び有機シリコン膜が一般式(1)記載の構
造を有する有機シリコン化合物からなる場合、剥離性が
良好であることが分かる。また、被加工膜を配線層、ポ
リシリコンにした場合も同様の結果が得られた。
【0665】
【表38】
【0666】
【表39】
【0667】
【表40】
【0668】
【表41】 実施例57 実施例53で説明した剥離方法を用いたことを除いて、
実施例56と同様にして、材料の構造と剥離特性につい
て調べた。その結果を下記表32および表33に示す。
【0669】下記表32および表33から、ガラス転移
温度がほぼO℃以上の場合、及び有機シリコン膜が一般
式12により表される構造を有する有機シリコン化合物
を含む場合、剥離性が良好であることが分かる。また、
被加工膜を配線層、或はポリシリコンにした場合も同様
の結果が得られた。
【0670】
【表42】
【0671】
【表43】
【0672】
【表44】 実施例58 実施例54で説明した剥離方法を用いたことを除いて、
実施例56と同様にして、材料の構造と剥離特性につい
て調べた。その結果を下記表35および表36に示す。
【0673】下記表35および表36から、ガラス転移
温度がほぼO℃以上の場合、及び有機シリコン膜が一般
式12により表される構造を有する有機シリコン化合物
を含む場合、剥離性が良好であることが分かる。また、
被加工膜を配線層、或はポリシリコンにした場合も同様
の結果が得られた。
【0674】
【表45】
【0675】
【表46】 実施例59 実施例54で説明した剥離方法を用いたことを除いて、
実施例56と同様にして、材料の構造と剥離特性につい
て調べた。その結果を下記表37および表38に示す。
【0676】下記表37および表38から、ガラス転移
温度がほぼO℃以上の場合、及び有機シリコン膜が一般
式12により表される構造を有する有機シリコン化合物
を含む場合、剥離性が良好であることが分かる。また、
被加工膜を配線層、或はポリシリコンにした場合も同様
の結果が得られた。
【0677】
【表47】
【0678】
【表48】
【0679】
【表49】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様に係るパターン形成方法を工程
順に示す断面図;
【図2】有機シリコン膜パターンのみをマスクとして用
いて被加工膜をエッチングする工程を示す断面図;
【図3】本発明の他の態様に係るパターン形成方法を工
程順に示す断面図;
【図4】エッチング後の有機シリコン膜の状態示す電子
顕微鏡図;
【図5】レジストとポリシラン膜との界面での光強度反
射率を計算した結果を示すグラフ;
【図6】レジスト膜厚とレジストパターン寸法との関係
を示すグラフ;
【図7】SiO2 膜の膜厚とレジストパターン寸法との
関係を示すグラフ;
【図8】比較例により得たカーボン膜の加工形状を示す
図;
【図9】比較例にかかるパターン形成方法を工程順に示
す断面図;
【図10】本発明の一実施例におけるポリシラン膜の膜
厚方向でのO/Siの割合を示すグラフ;
【図11】本発明の他の実施例におけるパターン形成工
程を示す断面図;
【図12】他の比較例にかかるパターン形成方法を工程
順に示す断面図;
【図13】更に他の比較例にかかるパターン形成方法を
工程順に示す断面図;
【図14】本発明の更に他の実施例におけるパターン形
成工程を示す断面図;および
【図15】本発明の更にまた他の実施例におけるパター
ン形成工程を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板 2…被加工膜 3…有機シリコン膜 4…レジスト 5…レジストパターン 6…有機シリコン膜パターン 7…被加工膜パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/26 511 H01L 21/302 105A H01L 21/027 21/30 564D 21/3213 574 21/88 C (72)発明者 松山 日出人 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 中野 義彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 藤岡 佐和子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 川田 利佳子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 成田 雅貴 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 塩原 英志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平7−78758(JP,A) 特開 平6−252044(JP,A) 特開 平6−84789(JP,A) 特開 平5−181280(JP,A) 特開 平6−256662(JP,A) 特開 平8−70000(JP,A) 特開 平8−45901(JP,A) 特開 平6−83074(JP,A) 特開 平8−339985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 B05D 3/02 B05D 7/00 B05D 7/24 G03F 7/075 G03F 7/26 H01L 21/027 H01L 21/3213

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工膜上に、シリコンとシリコンとの
    結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有し、ガラ
    ス転移温度が0℃以上の有機シリコン膜を形成する工程
    と、 前記有機シリコン膜上にレジストパターンを形成する工
    程と、 塩素、臭素、および沃素からなる群から選ばれた原子の
    少なくとも1種を含むエッチングガスを用いて、前記有
    機シリコン膜をエッチングすることにより前記レジスト
    パターンを前記有機シリコン膜に転写する工程とを具備
    することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記レジストパターンおよび前記有機シ
    リコン膜をエッチングマスクとして用いて、被加工膜を
    エッチングする工程を更に具備することを特徴とする請
    求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記レジストパターンを除去する工程
    と、前記有機シリコン膜をエッチングマスクとして用い
    て被加工膜をエッチングする工程を更に具備することを
    特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 前記有機シリコン膜は、シリコンとシリ
    コンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含む
    溶液材料で塗膜を形成し、前記塗膜を加熱することによ
    り形成されることを特徴とする請求項1に記載のパター
    ン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記有機シリコン膜は、シリコンとシリ
    コンとの結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含む
    溶液材料で塗膜を形成し、前記有機シリコン化合物を架
    橋することにより形成されることを特徴とする請求項1
    に記載のパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記架橋が前記塗膜を加熱することによ
    りなされることを特徴とする請求項5に記載のパターン
    形成方法。
  7. 【請求項7】 前記架橋が前記塗膜を加熱すること、前
    記塗膜に対してエネルギービームを照射すること、およ
    び前記塗膜を加熱しながら、前記塗膜に対してエネルギ
    ービームを照射することからなる群から選ばれた方法に
    よってなされることを特徴とする請求項5に記載のパタ
    ーン形成方法。
  8. 【請求項8】 前記有機シリコン化合物は、下記一般式
    により表されることを特徴とする請求項1に記載のパタ
    ーン形成方法。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原
    子、置換または無置換の炭素数3以下の炭化水素基であ
    り、R6 は、水素原子または炭素数1〜20の置換また
    は無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を
    示す。)
  9. 【請求項9】 前記被加工膜は、金属配線層、およびシ
    リコン系材料膜からなる群から選ばれた1種であること
    を特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  10. 【請求項10】 前記被加工膜は、シリコン系絶縁膜で
    あることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記シリコン系絶縁膜のエッチング
    は、フッ素系ガスを含むエッチングガスを用いて行われ
    ることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方
    法。
  12. 【請求項12】 前記シリコン系絶縁膜は、酸化シリコ
    ン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、およびスピ
    ンオングラス膜からなる群から選ばれた1種であること
    を特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
  13. 【請求項13】 前記有機シリコン膜は、導電性物質ま
    たは光を照射することにより導電性を生ずる物質を含有
    することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方
    法。
  14. 【請求項14】 前記有機シリコン膜は、Cl2 および
    HBrからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むエ
    ッチングガスを用いてエッチングされることを特徴とす
    る請求項1に記載のパターン形成方法。
  15. 【請求項15】 被加工膜上にシリコンとシリコンとの
    結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有し、ガラ
    ス転移温度が0℃以上の有機シリコン膜を形成する工程
    と、 前記有機シリコン膜上にレジストパターンを形成する工
    程と、 塩素、臭素、および沃素からなる群から選ばれた原子の
    少なくとも1種を含むエッチングガスを用いて、前記有
    機シリコン膜をエッチングする工程と、 前記有機シリコン膜を酸化処理する工程と、 酸化処理された前記有機シリコン膜を含むパターンをエ
    ッチングマスクとして用いて前記被加工膜をエッチング
    する工程とを具備することを特徴とするパターン形成方
    法。
  16. 【請求項16】 前記酸化処理は、エネルギービームの
    照射、プラズマの照射、および酸化剤を含む溶液への浸
    漬からなる群から選ばれた1種によってなされることを
    特徴とする請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 【請求項17】 前記被加工膜は、窒化シリコン、シリ
    コン系材料および金属配線層からなる群から選ばれた1
    種であることを特徴とする請求項15に記載のパターン
    形成方法。法。
  18. 【請求項18】 被加工膜上にシリコンとシリコンとの
    結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有し、ガラ
    ス転移温度が0℃以上の有機シリコン膜を形成する工程
    と、 前記有機シリコン膜上にレジストパターンを形成する工
    程と、 塩素、臭素、および沃素からなる群から選ばれた原子の
    少なくとも1種を含むエッチングガスを用いて、前記有
    機シリコン膜をエッチングする工程と、 パターンをエッチングマスクとして用いて前記被加工膜
    をエッチングする工程と、 前記有機シリコン膜を含むパターンを、塩素、臭素、お
    よび弗素からなる群から選ばれた原子の少なくとも1種
    を含むガスと、酸素原子を含むガスの混合ガスを用いて
    剥離する工程と、 を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  19. 【請求項19】 被加工膜上にシリコンとシリコンとの
    結合を主鎖に有する有機シリコン化合物を含有し、ガラ
    ス転移温度が0℃以上の有機シリコン膜を形成する工程
    と、 前記有機シリコン膜上にレジストパターンを形成する工
    程と、 塩素、臭素、および沃素からなる群から選ばれた原子の
    少なくとも1種を含むエッチングガスを用いて、前記有
    機シリコン膜をエッチングする工程と、 パターンをエッチングマスクとして用いて前記被加工膜
    をエッチングする工程と、 前記有機シリコン膜を含むパターンを、アミン系溶媒を
    含む溶液およびフッ素原子を含む溶液からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の溶液により処理することにより
    剥離する工程と、 を具備することを特徴とするパターン形成方法。
  20. 【請求項20】 前記有機シリコン化合物は、下記一般
    式により表される構造を主鎖に有することを特徴とする
    請求項18または19に記載のパターン形成方法。 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原
    子、置換または無置換の炭素数3以下の炭化水素基であ
    り、R6 は、水素原子または炭素数1〜20の置換また
    は無置換の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を
    示す。)
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