JP2000099998A - 光情報記録媒体及び該光情報記録媒体へのマーキング方法 - Google Patents

光情報記録媒体及び該光情報記録媒体へのマーキング方法

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JP2000099998A
JP2000099998A JP10283411A JP28341198A JP2000099998A JP 2000099998 A JP2000099998 A JP 2000099998A JP 10283411 A JP10283411 A JP 10283411A JP 28341198 A JP28341198 A JP 28341198A JP 2000099998 A JP2000099998 A JP 2000099998A
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JP10283411A
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Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録特性などを低下させることなく、光情報
記録媒体の保護層側の表面にレーザ光によってバーコー
ドなどの標識を付与することができ、かつ該標識を光学
的に読み取りが可能とされた光情報記録媒体を提供する
こと。 【解決手段】 円盤状透明基板上に記録層、反射層、そ
して保護層がこの順に積層されてなる光情報記録媒体で
あって、該保護層を断熱性保護層とし、かつ該保護層の
表面に読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が50
%以上の領域を有することを特徴とする光情報記録媒
体。特に、断熱性保護層の上に独立したマーキング層を
設け、該マーキング層を白色顔料含有層と黒色顔料含有
層との二層から構成し、マーキングした部分と未マーキ
ング部分との表面の拡散反射率において、一定以上のコ
ントラストが得られるように構成した光情報記録媒体が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録及び再生を行うことができる追記型の光情報
記録媒体及びその光情報記録媒体の保護層側の表面にレ
ーザ光を用いてマーキングする方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(ライトワンス型の光
ディスク)は、追記型CD(所謂CD−R)として知ら
れている。CD−R型の光ディスクは、市販のCDプレ
ーヤを利用して再生できる利点を有しており、また最近
では、パーソナルコンピュータなどの普及に伴ってその
需要も増大している。
【0003】CD−R型の光ディスクの代表的な構造
は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金
などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの
順に積層したものである。そしてこの光ディスクへの情
報の書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(通常は
780nm付近の波長のレーザ光)を光ディスクに照射
することにより行われ、色素記録層の照射部分がその光
を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的
な変化(例えば、ピットなどの生成)が生じてその光学
的特性を変えることにより情報が記録される。一方、情
報の読み取り(再生)も通常、記録用のレーザ光と同じ
波長のレーザ光を光ディスクに照射することにより行わ
れ、色素記録層の光学的特性が変化した部位(ピットな
どの生成による記録部分)と変化しない部位(未記録部
分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生
される。
【0004】製品管理のために、従来から製造番号など
の製品情報をバーコードで表示する方法が利用されてい
る。バーコードは、多くの情報を、限られたスペースに
簡単に表示でき、またこれらの情報をバーコード読み取
り装置により迅速に認識できる利点がある。従って、バ
ーコードを付ける場合には、その標識により、できる限
り多くの情報を記録することができ、また記録された情
報を正しく認識できるようにその形状が正確に表示され
ていることが必要である。
【0005】従来、CD−R型の光デイスクにバーコー
ドを付与する方法としては、例えば、予めバーコードが
印刷されたシールを光デイスクの保護層の表面に直接貼
り付ける方法、あるいは保護層の表面に直接インクジェ
ットプリンタあるいはレーザ光を用いてバーコードや数
字、文字などを印字(マーキング)する方法が知られて
いる。しかし、これらのバーコード付与は光ディスクの
性能に与える影響を考えると必ずしも好ましい方法では
ない。例えば、光デイスクの表面にシールを貼り付けた
場合には、光ディスクの高速回転時に、機械的なバラン
スが崩れて振動が生じ、記録再生特性が低下しやすいと
いう問題がある。また、インクジェットプリンタによる
印字では、一般に、水性インクが用いられるため、保護
層の表面に水性インクが定着できるように、その上に親
水性層などを設けることが必要になる。これによってバ
ーコードを印字することが可能になるが、インクがにじ
みやすいとの問題があり、標識の正確さの点においては
尚十分ではない。
【0006】レーザ光による印字方法では、レーザ光を
保護層の表面に照射し、その照射した部分で熱を発生さ
せ、その部分の樹脂を融解、もしくは焼け焦げさせるこ
とにより印字が行われる。レーザ光による印字方法は、
上記のマーキング方法に比べて、高密度印字に適してい
る、高速記録が可能であるなどの点で優れている。しか
し、保護層の表面にはその下層にある金などからなる反
射層が反映された金属光沢面が現れているために、レー
ザ光を用いて保護層の表面にバーコードを印字した場合
には印字した部分とそれ以外の印字しない部分との間で
の反射率の違いを光学的に読み取るために必要とする十
分なコントラストが得られにくく、従って、バーコード
読み取り装置によるバーコードの光学的な読み取りが困
難であるとの問題がある。また、一般に記録層は色素か
らなる層であるために、記録領域の保護層の表面上にレ
ーザ光を照射すると、そこで発生した熱によって色素が
劣化し、記録特性が悪影響を受ける。このため、実際に
は、光ディスクの保護層側で内周側の非記録領域にレー
ザ光で数字、記号などを印字しているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
特性などを低下させることなく、光情報記録媒体の保護
層側の表面にレーザ光によってバーコードなどの標識を
付与することができ、かつ該標識を光学的に容易に読み
取ることができるようにされた光情報記録媒体を提供す
ることである。また、本発明の目的は、上記のような特
徴的な表面を有する光情報記録媒体にレーザ光によりバ
ーコードを印字してマーキングする方法をも提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光デイスク
の記録領域の保護層の表面上にレーザ光を照射した場合
でも色素に悪影響を与えることなく、印字が可能で、し
かも光学的にも読み取りが容易な印字方法について検討
を行った。その検討によると、従来、保護層は専ら外部
からの衝撃等に対して下層を保護するために設けられて
おり、その断熱性に対しては十分考慮されていなかっ
た。またその厚みは一般に10μm未満と比較的薄く形
成されている。本発明者の研究により、レーザ光により
発生した熱を遮断し、下層の色素の熱による影響を回避
できるように保護層を断熱性保護層とすると共に、レー
ザ光による印字後、その標識を光学的に読み取りが容易
に行えるように、即ち、印字した部分とそれ以外の印字
しない部分との間で十分な拡散反射率の違いが生じ、必
要なコントラストが得られるように、該保護層の表面を
工夫することで所望の光情報記録媒体を製造できること
が見出された。特に好ましくは、該保護層の表面に設け
るマーキング層を白色顔料含有層と黒色顔料含有層とか
ら構成することで目的の光情報記録媒体を得ることに成
功した。
【0009】本発明は、円盤状透明基板上に記録層、反
射層、そして保護層がこの順に積層されてなる光情報記
録媒体であって、該保護層を断熱性保護層とし、かつ該
保護層の表面に読み取り用のレーザ光に対する拡散反射
率が50%以上の領域を有することを特徴とする光情報
記録媒体(以下、第一の態様)にある。
【0010】また、本発明は、円盤状透明基板上に記録
層、反射層、そして保護層がこの順に積層されてなる光
情報記録媒体であって、該保護層を断熱性保護層とし、
かつ該保護層の上に二層からなるマーキング層を有し、
上層が黒色顔料含有層で、下層が、読み取り用のレーザ
光に対する拡散反射率が50%以上の表面の白色顔料含
有層であり、かつ上層表面の読み取り用のレーザ光に対
する拡散反射率が、下層表面の拡散反射率/上層表面の
拡散反射率の比で3以上となるようにされていることを
特徴とする光情報記録媒体(以下、第二の態様)にもあ
る。
【0011】本明細書において、断熱性保護層とは、保
護層の表面上にレーザ光によるマーキング操作を行って
もその保護層の下層にある色素の光学的特性を変動させ
ない機能を有する層を意味する。また拡散反射率(%)
は、全反射率−正反射率の差を意味する。全反射率は、
添付した図1に示すように、保護層上に設けられた領域
あるいはマーキング層に入射した光に対して全方向に反
射した光の強度の入射光強度に対する割合(%)を意味
し、積分球を用いて求める。また正反射率は、添付した
図2に示すように、上記と同様に入射した光に対して鏡
面反射によって反射した光の強度の入射光強度に対する
割合(%)を意味し、入射光に対して所定の角度に配置
されたデイテクタを用いることにより測定する。
【0012】更に、本発明は、上記の第一の態様の光情
報記録媒体の読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率
が50%以上の領域にレーザ光を照射することによりバ
ーコードを印字することからなる光情報記録媒体へのマ
ーキング方法にもある。
【0013】更にまた、本発明は、第二の態様の光情報
記録媒体のマーキング層にレーザ光を照射することによ
り、照射した部分の上層の黒色顔料含有層を除去して下
層の白色顔料含有層の表面を露出させ、レーザ光が未照
射部分の上層表面の黒色部分と露出させた下層表面の白
色部分とから構成されたバーコードを印字することから
なる光情報記録媒体へのマーキング方法にもある。
【0014】本発明の光情報記録媒体及び光情報記録媒
体へのマーキング方法は、以下の態様であることが好ま
しい。 (1)読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が50
%以上の領域が、白色顔料と紫外線硬化性樹脂とから形
成されている第一の態様の光情報記録媒体。 (2)読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が50
%以上の領域が保護層の上に独立したマーキング層とし
て形成されている第一の態様の光情報記録媒体。 (3)上記の(2)において、保護層の上に独立に形成
されたマーキング層が二層からなり、上層が白色顔料含
有層で、下層が黒色顔料含有層であり、かつ下層表面の
読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が、上層表面
の拡散反射率/下層表面の拡散反射率の比で3以上とな
るようにされている。 (4)第一の態様及び第二の態様の光情報記録媒体にお
いて、保護層の上に独立に形成されたマーキング層の厚
みが3〜20μm(更に好ましくは、5〜15μm、特
に好ましくは、8〜12μm)の範囲にある。 (5)第一の態様及び第二の態様の光情報記録媒体にお
いて、断熱性保護層の厚みが、10〜30μm(更に好
ましくは、15〜30μm、特に好ましくは、18〜3
0μm)の範囲にある。 (6)読み取り用のレーザ光の波長が、600〜850
nm(更に好ましくは、620〜700nm)の範囲に
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第一の態様の光情報記録
媒体は、円盤状透明基板上に記録層、反射層、そして保
護層がこの順に積層されてなるものであって、該保護層
が断熱性を示し、かつ該保護層の表面に読み取り用のレ
ーザ光に対する拡散反射率が50%以上の領域を有する
ことを特徴とするものである。また、本発明の第二の態
様の光情報記録媒体は、上記断熱性の保護層の上に二層
からなるマーキング層を有し、上層が黒色顔料含有層
で、下層が、読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率
が50%以上の表面の白色顔料含有層であり、かつ上層
表面の読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が、下
層表面の拡散反射率/上層表面の拡散反射率の比で3以
上となるようにされていることを特徴とするものであ
る。以下に、基板、記録層、反射層、そして本発明の特
徴的な要件である断熱性保護層及びマーキング層を含む
光情報記録媒体の製造法を順に説明する。
【0016】透明基板は、従来の光情報記録媒体の基板
として用いられている各種の材料から任意に選択するこ
とができる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリ
カーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル
樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビ
ニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィ
ンおよびポリエステルなどを挙げることができる。これ
らの材料は所望により併用してもよい。なお、これらの
材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使
うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定
性および価格などの点からポリカーボネートが好まし
い。
【0017】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
はたとえば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・
メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリル
アミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルス
ルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの表面改質剤を挙げることができる。
【0018】下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形
成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005
〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μ
mの範囲である。
【0019】基板(または下塗層)上には、トラッキン
グ用溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレ
グルーブ)が形成されていることが好ましい。このプレ
グルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成
形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成すること
が好ましい。
【0020】また、プレグルーブの形成を、プレグルー
ブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層
の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステ
ル、トリエステルおよびテトラエステルのうちの少なく
とも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始
剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の
形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)
上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からな
る混合液を塗布し、更にこの塗布液層上に基板を載せた
のち、基板または母型を介して紫外線を照射することに
より塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。
次いで、基板を母型から剥離することにより得ることが
できる。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.05〜1
00μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの
範囲である。
【0021】プレグルーブの深さは0.01〜0.3μ
mの範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、
0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。また
プレグルーブ層の深さを0.15〜0.2μmの範囲と
することにより反射率を殆ど低下させることなく感度を
向上させることができ、特に好ましい。従って、このよ
うな光ディスク(深いグルーブの基板に色素の記録層お
よび反射層が形成された光ディスク)は、高い感度を有
することから、低いレーザーパワーでも記録が可能とな
り、これにより安価な半導体レーザの使用が可能とな
る、あるいは半導体レーザの使用寿命を延ばすことがで
きる等の利点を有する。
【0022】基板上には記録層が設けられる。記録層
は、塗布により設けることができ、また高い感度を達成
できるなどの製造上、あるいは記録特性上の有利さなど
から色素により形成されていることが好ましい。色素は
特に限定されない。色素は従来から光情報記録媒体に使
用されていたものを利用することができる。このような
色素の例としては、シアニン系色素、フタロシアニン系
色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チ
オピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフト
キノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノー
ル系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、
ナフトアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、ト
リアリルメタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム
系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これ
らの色素のうちでは、シアニン系色素、フタロシアニン
系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、
オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が
好ましい。特に好ましいものは、シアニン系色素であ
る。シアニン系色素は、例えば、特開平4−17518
8号公報に記載されているものを使用することができ
る。
【0023】記録層の形成は、色素、好ましくは更に退
色防止剤を(所望により結合剤を加えて)溶剤に溶解し
て塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布
して塗膜を形成したのち乾燥することにより行なうこと
ができる。退色防止剤を併用する場合には、その使用量
は、色素の量に対して、通常0.1〜50重量%の範囲
であり、好ましくは、0.5〜45重量%の範囲、更に
好ましくは、3〜40重量%の範囲、特に5〜25重量
%の範囲である。
【0024】記録層の塗布液の溶剤の例としては、酢酸
ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケ
トンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロル
エタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチル
ホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化
水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサ
ンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコー
ルなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプ
ロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの
グリコールエーテル類などを挙げることができる。上記
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種
以上を適宜併用することができる。塗布液中には更に酸
化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加
剤を目的に応じて添加してもよい。
【0025】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
などを挙げることができる。これらの例は、特開平2−
300288号、同3−224793号、あるいは同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0026】結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、
セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの
天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポ
リアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレ
ン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期
縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記
録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使
用量は、色素100重量部に対して、上限が20重量
部、好ましくは10重量部、更に好ましくは5重量部に
とどめるべきである。
【0027】このようにして調製される記録層の塗布液
中の色素の濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲に
あり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0028】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、及びスクリーン印刷法などを挙
げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記
録層の層厚(乾燥後)は一般に20〜500nmの範囲
にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
【0029】上記記録層の上には、特に情報の再生時に
おける反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反
射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射
率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を
挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよ
いし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として
用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、
Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼
である。特に好ましいものは、Au、Ag、あるいはこ
れらの合金である。好ましいAu、Ag合金としては、
それぞれPt、Cu、及びAlからなる群より選ばれる
少なくとも一種の金属を含む合金を挙げることができ
る。反射層は、例えば、光反射性物質を蒸着、スパッタ
リングまたはイオンプレーティングすることにより記録
層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般
的には10〜800nmの範囲にあり、好ましくは20
〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nm
の範囲である。
【0030】反射層の上には、本発明の特徴的な要件で
ある断熱性保護層が設けられる。断熱性保護層は、従来
の保護層に、該保護層の表面上にレーザ光によるマーキ
ング操作を行ってもその下層にある色素の光学的特性を
変動させないような断熱性が付与されてなる層である。
このような断熱機能が備えられていれば、特にその構成
は問わない。断熱性保護層は、従来の保護層の形成材料
を用いることにより形成することができる。このような
材料の例としては、SiO、SiO2 、MgF2 、Sn
2 、Si34 等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、紫外線(UV)硬化性樹脂等の有機物質を挙げ
ることができる。断熱性保護層は、例えば、プラスチッ
クの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射
層上にラミネートすることにより形成することができ
る。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷、タンポ印刷等の方法により
設けられていてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液
を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することに
よっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合
には、溶剤を用いることなくそのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによっても形成す
ることができる。尚、これらの塗布液中には、更に帯電
防止剤、酸化防止剤等の各種添加剤を目的に応じて添加
してもよい。所定の断熱性は、従来の保護層に比べて更
にその厚みを厚くすることにより達成することができ
る。具体的には、その厚みは、10〜30μm(更に好
ましくは、15〜30μm、特に好ましくは、18〜3
0μm)の範囲にあることが好ましい。
【0031】本発明の断熱性保護層は、その表面上に読
み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が50%以上
(好ましくは、70%以上)の領域を有している。この
ような領域は、保護層自体にそのような拡散反射率を有
するように形成することもできるし、あるいは保護層上
に独立した層(マーキング層)として設けることにより
形成することもできる。このような領域は、一般に、読
み取り用のレーザ光に対して高い拡散反射率(70%以
上)を示す白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化
亜鉛、酸化アンチモン等)と紫外線(UV)硬化性樹脂
とから形成することが好ましい。本発明では、図3に示
すように、白色顔料と紫外線硬化性樹脂とからなる白色
顔料含有層をマーキング層として設けることが好まし
い。白色顔料含有層の上にレーザ光で印字した場合に
は、印字した部分(レーザ光の照射によってマーキング
した部分、図のAで示される部分)の白色顔料含有層が
融解、もしくは焼け焦げされ、下層の保護層表面に、該
保護層を通して反射層の金属光沢面が現れる。金属光沢
面を持つ保護層表面での読み取り用のレーザ光に対する
拡散反射率は一般に20%以下と低いため、該マーキン
グした部分と未マーキング部分(白色顔料含有層の表
面)との間では、両部分の拡散反射率において十分な差
が生じ、光学的に読み取りに必要なコントラストを得る
ことができる。
【0032】マーキング層を設ける場合には、図4に示
すように、上層を白色顔料含有層とし、下層を黒色顔料
含有層となるように二層構成とすることが好ましい。こ
の場合、レーザ光によって印字した場合には、その印字
した部分に下層の黒色顔料含有層の表面が現れる。この
ため、上層の白色顔料含有層の表面(未マーキング部
分)の拡散反射率と印字した部分(マーキングした部
分、図のAで示される部分)の下層の黒色顔料含有層表
面の拡散反射率との間で、十分な拡散反射率の差が生じ
るため、光学的に読み取りに必要なコントラストを得る
ことができる。光学的に該マーキングを読み取ることが
できるためには、マーキングした部分とそれ以外の未マ
ーキング部分との間の拡散反射率において、両部分にお
ける拡散反射率の比(コントラスト)は、高い方の拡散
反射率/低い方の拡散反射率の比が3以上であることが
好ましく、更に好ましくは、5以上、特に好ましくは、
7以上、最も好ましくは10以上である。上記図4の態
様の場合、下層の黒色顔料含有層の表面の読み取り用の
レーザ光に対する拡散反射率は、上層表面の白色顔料含
有層の拡散反射率/下層表面の黒色顔料含有層の拡散反
射率の比で3以上となるようにされていることが好まし
い。
【0033】バーコードは、上記のような構成の第一の
態様の光情報記録媒体のマーキング層上に付与すること
が一般的であるが、例えば、図5に示す第二の態様の光
情報記録媒体のマーキング層上に付与することもでき
る。図5に示すように、マーキング層は、上層が黒色顔
料含有層で、下層が、読み取り用のレーザ光に対する拡
散反射率が50%以上の白色顔料含有層であり、かつ上
層表面の読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が、
下層表面の拡散反射率/上層表面の拡散反射率の比で3
以上となるようにされている。従って、レーザ光による
マーキングを行った場合には、印字した部分に下層の白
色顔料含有層の表面が現れる。このため、上層の黒色顔
料含有層の表面(未マーキング部分)の拡散反射率と印
字した部分(マーキングした部分、図のAで示される部
分)の下層表面の白色顔料含有層の拡散反射率との間
で、十分な拡散反射率の差が生じるため、前記と同様に
光学的に読み取りに必要なコントラストを得ることがで
きる。このように、マーキング層を二層から構成する場
合、一方の層の表面が読み取り用のレーザ光に対する拡
散反射率が50%以上を示し、かつ上層に設ける層の表
面とその下層に設ける層の表面との間の拡散反射率にお
いて、高い方の拡散反射率/低い方の拡散反射率の比
が、前述のような3以上のコントラストが得られる限
り、上層及び下層の構成は問わない。
【0034】一般に、マーキング層には、前記のように
白色顔料が用いられるが、バーコードを読み取るための
レーザ光は、通常赤色系のものが利用されるため、例え
ば、赤、黄、オレンジ、薄茶系の色相を示す顔料を用い
て形成することもできる。これらの顔料から得られる色
は、白色として認識される。また、濃紺、紺、緑、濃茶
などの色相を示す顔料を用いた場合には、黒色として認
識される。従って、これらの顔料を適当に組み合わせて
所定のコントラストが得られるように構成することがで
きる。尚、これらの顔料は、従来から印刷用のインキと
して利用されているものを利用することができる。
【0035】断熱性保護層の表面に読み取り用のレーザ
光に対する拡散反射率が50%以上の領域を設けるに
は、例えば、UV硬化性樹脂を用いる場合には、溶剤を
用いることなくそのままUV硬化性樹脂に適当な色相の
顔料を加えて溶解、分散させた塗布液を調製した後、こ
れを反射層の上に塗布し、更に該塗布層上から紫外線を
照射することで、塗布層を硬化させることにより、形成
することができる。塗布方法は、スピンコート法、スク
リーン印刷法などの公知の方法を利用することができ
る。尚、この領域は、断熱性保護層表面の一部(マーキ
ングに必要とされる領域)に存在するように形成するこ
ともできる。又、断熱性保護層の上にマーキング層とし
て設ける場合には、上記と同様な方法にて該保護層の上
に形成するすることができる。マーキング層の厚み(二
層からなる場合には、その合計の厚み)は3〜20μm
(更に好ましくは、5〜15μm、特に好ましくは、8
〜12μm)の範囲にあることが好ましい。
【0036】本発明の光情報記録媒体へのマーキング方
法は、前記の特徴的な保護層上の領域にレーザ光を照射
することによって実施される。印字用のレーザ光は、一
般に、その波長が、9〜12μmのものが用いられる。
また印字を行う時のレーザパワーは、通常0.01〜2
0Wの範囲が適当である。印字の深さは、レーザパワー
を調節することによって変えることができる。なお、標
識は、多くの情報を記録でき、また記録した情報を迅速
に読み取れる観点からバーコードを利用することが好ま
しい。一方、バーコードを読み取るためのレーザ光は、
従来からバーコード読み取り装置で使用されているもの
が利用できる。バーコードを読み取るためのレーザ光の
波長は、一般に600〜850nmの範囲にあり、好ま
しくは、620〜700nmの範囲にある。
【0037】本発明の光情報記録媒体は、通常のCDフ
ォーマットの場合の1倍速(1.2〜1.4m/秒)で
の記録再生が可能であると共に、4倍速、6倍速、もし
くはそれ以上の高速での記録再生も可能である。本発明
の光情報記録媒体への光情報記録再生方法は、例えば、
次のように行われる。まず、光情報記録媒体を所定の定
線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜1. 4m/
秒)または所定の定角速度にて回転させながら、基板側
から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。こ
の光の照射により、色素記録層の照射部分がその光を吸
収して局所的に温度上昇し、ピットが生成してその光学
的特性を変えることにより情報が記録される。記録光と
しては500nm〜850nmの範囲の発振波長を有す
る半導体レーザービームが用いられる。用いられるレー
ザービームの波長は好ましくは500nm以上、800
nm以下である。CD−R型の光情報記録媒体において
は770〜790nmの範囲の波長が適している。上記
のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を所
定の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板側
から照射して、その反射光を検出することにより行われ
る。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を記載する。 [実施例1]下記のシアニン色素(A)を2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、色素記録層
形成用塗布液を調製した。塗布液の調製には、超音波溶
解法を利用して1時間行なった。得られた色素溶液の濃
度は2.65%重量/体積であった。
【0039】
【化1】
【0040】この塗布液を、表面にスパイラル状のプレ
グルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プレグルーブ
幅:0.5μm、プレグルーブの深さ:0.17μm)
が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直
径:120mm、厚さ:1.2mm、帝人(株)製、商
品名:パンライトAD5503)のそのプレグルーブ側
の表面にスピンコートにより塗布し、乾燥することによ
り、色素記録層(厚さ(グルーブ内):約200nm)
を形成した。
【0041】次に、色素記録層上にAu金属をスパッタ
して、膜厚約90nmの反射層を形成した。更に反射層
上に、UV硬化性樹脂(商品名:SD318、大日本イ
ンキ化学工業(株)製)をスピンコートにより塗布した
後、この上から紫外線を照射して硬化させ、層厚20μ
mの断熱性保護層を形成した。
【0042】このようにして得られた断熱性保護層上
に、UV硬化性樹脂(UVscreen 395、白色
顔料含有、INC−TEC社製)をスクリーン印刷(2
00メッシュ)により、全面に印刷した。そしてこの上
から、高圧水銀灯にて紫外線を照射し、樹脂を硬化さ
せ、層厚6μmの白色顔料含有層からなるマーキング層
を形成した。以上の工程により、基板、色素記録層、反
射層、断熱性保護層及び白色マーキング層がこの順に積
層されてなる本発明に従うCD−R型の光ディスクを製
造した(図3参照)。
【0043】[実施例2]実施例1において、まずUV
硬化性樹脂(UVscreen 395、黒色顔料含
有、INC−TEC社製)をスクリーン印刷(200メ
ッシュ)により、保護層の上に全面に印刷し、この上か
ら、高圧水銀灯にて紫外線を照射し、樹脂を硬化させ、
層厚6μmの黒色顔料含有層を形成した後、次いで、こ
の黒色顔料含有層の上に、UV硬化性樹脂(UVscr
een 395、白色顔料含有、INC−TEC社製)
を同様にしてスクリーン印刷(200メッシュ)によ
り、黒色顔料含有層の上に全面に印刷し、この上から、
高圧水銀灯にて紫外線を照射し、樹脂を硬化させ、層厚
6μmの白色顔料含有層を形成したこと以外は同様にし
て断熱性保護層の上に、白色顔料含有層及び黒色顔料含
有層の二層からなるマーキング層が形成された本発明に
従うCD−R型の光ディスクを製造した(図4参照)。
【0044】[実施例3]実施例1において、層厚6μ
mの白色顔料含有層からなるマーキング層の上に、UV
硬化性樹脂(UVscreen 395、黒色顔料含
有、INC−TEC社製)をスクリーン印刷(200メ
ッシュ)により、全面に印刷し、この上から、高圧水銀
灯にて紫外線を照射し、樹脂を硬化させ、層厚6μmの
黒色顔料含有層を形成したこと以外は同様にして断熱性
保護層の上に、白色顔料含有層及び黒色顔料含有層がこ
の順で設けられたマーキング層を有する本発明に従うC
D−R型の光ディスクを製造した(図5参照)。
【0045】[比較例1]実施例1において、断熱性保
護層の厚みを8μmとし、かつ白色顔料含有層であるマ
ーキング層を設けなかった以外は同様にして比較用のC
D−R型の光ディスクを製造した。
【0046】[比較例2]実施例1において、断熱性保
護層の厚みを8μmとした以外は同様にして比較用のC
D−R型の光ディスクを製造した。
【0047】[光情報記録媒体としての評価]実施例1
〜3と比較例1〜2で得られた光ディスクについて下記
の方法で評価した。 (1)バーコードを正しく認識できるか否かの評価 光ディスクのマーキング層の表面にレーザ光(波長:1
0.6μm、パワー:1W)を照射して、バーコードを
印字した。そしてバーコード読み取り装置(読み取り用
レーザ光の波長:680nm、キーエンス(株)製)を
用いてバーコードを10回読み取り、記録した情報が正
しく認識できた回数を測定することにより評価した。
【0048】(2)拡散反射率の測定 バーコードを印字した部分(マーキングした部分)及び
それ以外の未マーキング部分の読み取り用のレーザ光に
対する拡散反射率を測定した。全反射率は積分球を用い
て測定した。又、正反射率は、反射率測定装置(島津製
作所(株)製)を用いて測定した。そして全反射率−正
反射率の差を算出することで拡散反射率を求めた。又、
高い方の拡散反射率/低い方の拡散反射率の比(コント
ラスト)を算出した。
【0049】(3)記録再生特性の評価 上記のようにレーザ光を用いてバーコードを印字した光
ディスクと、バーコードを印字しなかった光ディスクと
を用意した。そしてこれらの光ディスクに波長780n
m、線速1.4m/sにて記録レーザパワーを4mW〜
9mWまで0.5mW刻みで種々変え、最適記録パワー
で3TのEFM信号を記録した。そしてパルステック社
製OMT−2000を用いて最適パワーで再生し、その
とき発生したエラー(Cuエラー:訂正不可能なエラ
ー)量を測定した。下記の表1において、「有」は、バ
ーコードを印字した光ディスクを用いたときの評価結果
を表し、「無」は、バーコードを印字しなかった光ディ
スクを用いたときの評価結果を表す。以上の評価結果を
表1に示す。
【0050】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 光ディスクの特徴 拡散反射率(%) 評価結果 断熱性保 マーキン マーキ 未マー バーコー 護層厚み グ層厚み ング キング コント ドの認識 Cuエラー (μm) (μm) 部分 部分 ラスト 回数 無 有 ──────────────────────────────────── 実施例1 20 6 10 75 7.5 10 0−0 実施例2 20 12 5 70 14 10 0−0 実施例3 20 12 70 5 14 10 0−0 比較例1 8 0 15 10 1.5 3 0−80 比較例2 8 6 10 75 7.5 10 0−25 ────────────────────────────────────
【0051】上記表1の結果から、保護層を断熱性保護
層とし、かつ該保護層の上にマーキング層が設けられて
なる本発明に従う光ディスク(実施例1〜3)の場合に
は、レーザ光によってバーコードを印字でき、かつ該バ
ーコードをレーザ読み取り装置で光学的に誤りなく認識
できると共に、Cuエラーの発生もなく、良好な記録再
生特性を示すことがわかる。特に、実施例2及び3に見
られるように、マーキング層を黒色顔料含有層と白色顔
料含有層の二層で構成した場合(実施例2:白色の上層
/黒色の下層、実施例3:黒色の上層/白色の下層)に
は、印字した部分(マーキング部分)とそれ以外の部分
(未マーキング部分)との間で拡散反射率において十分
な差が得られるため、バーコードを誤りなく、認識する
ことができる。一方、比較例1のように、マーキング層
が形成されておらず、かつ保護層が十分な断熱性を有し
ていない場合には、バーコードを正しく認識することが
困難になると共に、Cuエラーの発生が顕著になること
がわかる。また、比較例2に示されるように、マーキン
グ層(白色顔料含有層)が形成されていても保護層が十
分な断熱性を有していない場合には、Cuエラーが発生
しやすくなることがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体を用いることに
より、記録領域の保護層などの最上層の表面にレーザ光
によってバーコードなどのマーキングが可能であり、か
つ得られた標識をレーザ読み取り装置などの光学的な読
み取り装置で迅速に正しく認識することができる。しか
も、本発明の光情報記録媒体にレーザ光によるマーキン
グを行っても記録再生特性は良好に維持されている。ま
た、印字をレーザ光で行えるために、高速で印字が可能
であり、かつ高密度な情報を記録でき、製造後の製品管
理を行う場合に有利な光情報記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、全反射率の測定方法を示す模式図であ
る。
【図2】図2は、正反射率の測定方法を示す模式図であ
る。
【図3】図3は、断熱性保護層の上に白色顔料含有層か
らなるマーキング層を設けてなる本発明の光情報記録媒
体の断面模式図である。
【図4】図4は、断熱性保護層の上に、上層の白色顔料
含有層と下層の黒色顔料含有層からなるマーキング層を
設けてなる本発明の光情報記録媒体の断面模式図であ
る。
【図5】図5は、断熱性保護層の上に、上層の黒色顔料
含有層と下層の白色顔料含有層からなるマーキング層を
設けてなる本発明の光情報記録媒体の断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 記録層 3 反射層 4 断熱性保護層 5 白色顔料含有層 6 黒色顔料含有層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状透明基板上に記録層、反射層、そ
    して保護層がこの順に積層されてなる光情報記録媒体で
    あって、該保護層を断熱性保護層とし、かつ該保護層の
    表面に読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率が50
    %以上の領域を有することを特徴とする光情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 読み取り用のレーザ光に対する拡散反射
    率が50%以上の領域が、白色顔料と紫外線硬化性樹脂
    とから形成されている請求項1に記載の光情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 読み取り用のレーザ光に対する拡散反射
    率が50%以上の領域が、保護層の上に独立したマーキ
    ング層として形成されている請求項1又は2に記載の光
    情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 保護層の上に独立して形成されたマーキ
    ング層が、二層からなり、上層が白色顔料含有層で、下
    層が黒色顔料含有層であり、かつ下層表面の読み取り用
    のレーザ光に対する拡散反射率が、上層表面の拡散反射
    率/下層表面の拡散反射率の比で3以上となるようにさ
    れている請求項3に記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 円盤状透明基板上に記録層、反射層、そ
    して保護層がこの順に積層されてなる光情報記録媒体で
    あって、該保護層を断熱性保護層とし、かつ該保護層の
    上に二層からなるマーキング層を有し、上層が黒色顔料
    含有層で、下層が、読み取り用のレーザ光に対する拡散
    反射率が50%以上の表面の白色顔料含有層であり、か
    つ上層表面の読み取り用のレーザ光に対する拡散反射率
    が、下層表面の拡散反射率/上層表面の拡散反射率の比
    で3以上となるようにされていることを特徴とする光情
    報記録媒体。
  6. 【請求項6】 断熱性保護層の厚みが10〜30μmの
    範囲にある請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載
    の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 保護層の上に独立して形成されたマーキ
    ング層の厚みが3〜20μmの範囲にある請求項3乃至
    6のうちのいずれかの項に記載の光情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のうちのいずれかの項に
    記載の光情報記録媒体の読み取り用のレーザ光に対する
    拡散反射率が50%以上の領域にレーザ光を照射するこ
    とによりバーコードを印字することからなる光情報記録
    媒体へのマーキング方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の光情報記録媒体のマー
    キング層にレーザ光を照射することにより、照射した部
    分の上層の黒色顔料含有層を除去して下層の白色顔料含
    有層の表面を露出させ、レーザ光が未照射部分の上層表
    面の黒色部分と露出させた下層表面の白色部分とから構
    成されたバーコードを印字することからなる光情報記録
    媒体へのマーキング方法。
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