JP2002245670A - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JP2002245670A JP2001040380A JP2001040380A JP2002245670A JP 2002245670 A JP2002245670 A JP 2002245670A JP 2001040380 A JP2001040380 A JP 2001040380A JP 2001040380 A JP2001040380 A JP 2001040380A JP 2002245670 A JP2002245670 A JP 2002245670A
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JP2001040380A
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Hiroyuki Hirai
博幸 平井
Hiroshi Iwanaga
宏 岩永
Keizo Ogawa
恵三 小川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな記録密度が期待できる短波長領域にお
いても、高感度でかつ情報保存性が優れ、かつ低コスト
の追記型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録用レーザ波長において、透過率50
%以上、平均膜厚0.5〜10nmの金属薄膜層を有す
る光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関す
るものである。さらには、追記型の光記録方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光記録材料においては、光の波長がn分
の1になると、情報の記録密度はn×n倍になることは
良く知られており、高密度化のため、従来の波長800
nm近傍から650nm近傍のレーザ光へ実用化が進
み、近年は波長400nm近傍の短波長レーザの開発が
進められている。しかしながら波長が短波化するに伴
い、媒体に要求される光吸収能、光反射能、情報容量も
変化する。
【0003】光ディスクに代表される光記録媒体はその
機能から分類すると、(イ)読み取りのみが可能なもの
(再生専用型)、(ロ)一度だけ書き込みが可能なもの
(追記型)、(ハ)書き換えが可能なもの(書き換え
型)の3種類に分類され、各々の特徴に応じて利用され
ている。本発明はその中でも、(ロ)の追記型光記録媒
体に関するものである。追記型光記録媒体はコンピュー
タの外部記憶装置として利用されている他、音楽、映
像、著作物等の記録のためにも用いられている。
【0004】従来の追記型光記録媒体は以下の5種類に
大別される。 (1)テルルを含有する低融点の合金薄膜、その他金属
およびその合金薄膜、あるいはシアニン系色素をはじめ
とする有機薄膜を用い、レーザ光照射によって記録膜を
局部的に蒸発させたり、あるいは溶融した記録膜材を表
面張力により引っ張りピットを形成するもの(孔空け
型)。 (2)テルル酸化膜等の非晶質薄膜をレーザ光照射し
て、局所的に溶融させた後急冷して結晶化させてピット
とし、読み取りには非晶質薄膜と結晶質薄膜の間の反射
率差を利用するもの(相変化型)。 (3) 2層の異なる素材からなる金属薄膜を、レーザ
光照射して溶融させ、局所的に合金化させるもの(合金
型)。 (4) レーザ光照射による熱によって、層間に気泡を
生じさせピットとするもの(バブルフォーミング型)。 (5) 微細なレリーフ構造面を形成し、レーザ光照射
による熱によってレリーフ構造面を溶融平滑化して反射
率を上げるもの(モスアイ型)
【0005】(1)から(5)までの追記型光記録材料
にはそれぞれ以下の課題がある。(1)の孔明け型記録
媒体のうち低融点金属を用いたものは、保存性、毒性の
課題に加えて縁端部が盛り上がるなど書き込まれるピッ
トの形状がきれいではないために誤差が生じやすいとい
う課題がある。また有機薄膜を用いたものは紫外線によ
り特性が劣化しやすい。(2)の相変化型ディスクは、
反射率の変化が小さく信号の大きさが小さいため、読み
取りに高価な装置を必要とする。(3)の合金型光ディ
スク、(4)のバブルフォーミング型ディスク、及び
(5)のモスアイ型ディスクは、いずれも光記録媒質が
原理的に多層構造でディスクの構造が複雑である。ま
た、反射率の変化が小さいものや、書き込み速度が遅い
ものも多い。
【0006】金属を用いる方法はいくつか開示されてお
り、薄膜形成には、蒸着やスパッタリングのような物理
的方法や金属コロイド分散物としてスピンコートを行う
化学的方法などが開示されている。
【0007】金属を使用し、物理的方法により薄膜形成
を行う記録媒体材料は、以下のように開示されている。
特登1739116号には、金属または半金属と有機高
分子を混在させた記録層が開示され、アルミとビスマス
の蒸着膜が示されている。特開昭57−94944号に
は、金属、合金、半導体あるいは無機材料の微粒子薄膜
が開示され、20nmのFeNi(9:1)、25nm
のBi、10nmのAg、30nmのSi、30nmの
カーボンが例示されている。特開昭61−104438
号には、金属微粒子が有機質母体に分散された構造が開
示されている。Ag粒子の場合、粒径は10nm、Au
では28nmであった。特開昭61−95991号に
は、4nmから40nmの平均粒径を有する蒸着により
形成された金属または合金からなる粒子が3次元配置さ
れ、有孔率が規定された記録層が開示され、粒径10n
mのAg、15nmのAuが例示されている。特開昭6
2−151394号には、粒径100nm以下の超微粉
を有機物中に分散してなる薄膜が開示され、粒径50n
mのチタンブラックの例が示されている。特開昭63−
262286号には、10nm以下の金属粒子が混入さ
れた樹脂膜が開示され、Au粒子が例示されている。特
開平1−78885号には、Auと他の金属が合金を形
成せずに分離した相として存在する膜が開示されてい
る。特開平7−76171号には、600nm以下の波
長のレーザ使用を前提として、離散的に分布する直径1
00nm以下のAgまたはAl粒子、およびこれらを含
む合金からなる記録層が開示されている。また、特開2
000−163804号には、平均粒子径が3〜100
nmの微粒子物質で膜厚は10〜100nmの薄膜から
なる記録層が記載されている。
【0008】これらの物理的方法を用いた金属またはそ
の合金膜は、特開平7−76171号を除き、青色レー
ザではなく635nm以上のレーザ光を使用することを
前提に検討されている。特開平7−76171号は、青
色レーザ使用を前提にしており、スパッタリングによる
薄膜形成を行うことが記載されているが、反射層や保護
層がなく、書き込み速度が遅いことやディスクの保存安
定性が悪いなど問題点がある。
【0009】金属を使用し化学的方法により薄膜形成を
行う記録媒体材料は、以下のように開示されている。特
開昭56−10491号には、第2B族以外の遷移金属
またはその酸化物の粒径2nmから15nmの微細粒を
ポリマー中にコロイド状分散物とし、薄層を形成する方
法が開示され、数ナノメーターのFe、Coなどが例示
されている。特開昭58−53036号には、金属銀を
還元法や現像法によりコロイド分散物として調製し、薄
膜形成する方法が開示されている。特登2686984
号には、有機銀塩酸化剤と還元剤により生じさせた金属
銀分散層の利用法が開示されている。特開平4−105
986号には1種類以上の金属元素を含む層を積層して
なり、この金属元素の1つがPdであり、Pdの粒径が
5nmから50nmである例が開示されている。これら
はもとより青色レーザを使用することを前提として検討
されたものではない。また、特開昭58−53086号
と特登2686984号は製造工程が複雑であり実用に
供することはできない方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況に
鑑み、大きな記録密度が期待できる短波長領域でも、高
感度でかつ情報保存性の優れ、かつ、容易に製造が可能
な追記型光記録媒体を提供することを目的とする。さら
には、その記録方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により達成できた。 〔1〕基板上に、記録用レーザ波長における透過率が5
0%以上、かつ平均膜厚が0.5〜10nmの金属薄膜
層、反射層および保護層を有することを特徴とする光記
録媒体。 〔2〕金属薄膜層の平均膜厚が1〜5nm未満であるこ
とを特徴とする〔1〕に記載の光記録媒体。 〔3〕該金属薄膜層を構成する金属がアルミニウム、白
金、パラジウム、ニッケル、金、銀、銅、インジウム、
チタン、ジルコニウムから選ばれる単体または合金であ
ることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の光記録
媒体。 〔4〕該金属薄膜層が、光記録媒体の反射層を構成する
金属の少なくとも1種を含有することを特徴とする
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光記録媒体。 〔5〕該金属薄膜層および反射層が、アルミニウム−チ
タン(チタン含有率が0.1〜10質量%)合金である
ことを特徴とする〔4〕に記載の光記録媒体。 〔6〕該金属薄膜層に隣接して無機誘電体層を有するこ
とを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光記
録媒体。 〔7〕該金属薄膜層に隣接して有機層を有することを特
徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光記録媒
体。 〔8〕該有機層が非晶質フッ素樹脂から成ることを特徴
とする〔7〕に記載の光記録媒体。
〔9〕該有機層に有機色素を含有することを特徴とする
〔7〕または〔8〕に記載の光記録媒体。 〔10〕上記〔1〕〜
〔9〕の光記録媒体に、波長30
0〜600nmの範囲の発振波長を有するレーザを用い
て記録することを特徴とする光記録方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、前記の方式(1)に属
するものであるが、金属を、記録用レーザ波長におい
て、透過率50%以上、平均膜厚0.5〜10nmの金
属薄膜層とすることによって、高感度でありながら保存
性に優れ、低コストでの製造を可能とするものである。
該金属薄膜層は、透過率60%以上、95%以下で、か
つ、平均膜厚1〜5nm未満が好ましく、1〜3nmが
より好ましい。該金属薄膜層を構成する金属は、アルミ
ニウム、白金、パラジウム、ニッケル、金、銀、銅、イ
ンジウム、チタン、ジルコニウムから選ばれる単体また
は合金であることが望ましいが、特に、光記録媒体の反
射層を構成する金属を少なくとも1種含有することが製
造コスト的に望ましい。好ましくは、平均膜厚が1〜5
nm未満(より好ましくは1〜3nm)のアルミニウム
−チタン合金(チタン含有率は0.1〜10質量%、望
ましくは1〜5質量%)である。この場合、反射層もア
ルミニウム−チタン合金であることがさらに好ましい。
本発明の金属薄膜層は、真空蒸着、電子ビーム蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティング、PVDまたはC
VDにより形成できる。本発明の金属薄膜層は記録層の
役割を担っているが、そのメカニズムは不明である。ま
た、平均膜厚が0.5〜10nm、好ましくは1〜5n
mと小さいため、均一な層を形成せずに島状になってい
る場合もある。したがって本発明における平均膜厚と
は、島状の場合も含めて均一な層を仮定した値をいう。
本発明の金属薄膜層は、一層でも構成金属が異なる二層
以上の複数層でもよい。
【0013】本発明の光記録媒体においては、基板上
に、金属薄膜層の他、少なくとも反射層、保護層を設け
ることが好ましく、金属薄膜層と反射層の間に金属薄膜
層に隣接して無機誘電体層または有機層を設けるのがよ
り好ましい。本発明において、無機誘電体層または有機
層の機能は断熱層として作用するだけでなく、場合によ
っては記録層としての作用も有している。さらに必要に
応じて、基板と金属薄膜層の間に無機誘電体層または有
機層を設けても良く、無機誘電体層または有機層と反射
層の間、反射層と保護層の間に中間層を設けても良い。
また、記録層が複数の層から形成されてもよい。
【0014】無機誘電体層に用いる材料としては、Zn
S、SiO2、TiO2、Al23、AlN、SiC、窒
化ケイ素、MgF2、CaF2、LiF2、SiO、Si3
4、ZnO、MgO、CeO、SiC、ZrO、Zr
2、Nb25、SnO2、In23、TiN、BN、Z
rN、In23、TaS4、TaC、B4C、WC、Ti
C、ZrC等が挙げられる。特にZnS、SiO2、T
iO2、Al23、AlN、SiC、窒化ケイ素、Mg
2、CaF2、LiF2、SiO、Si34が好まし
い。ZnSとSiO2との混合物も好ましい。無機誘電
体層は、スパッタリングまたはイオンプレーティングに
より形成するのが好ましい。厚みは5〜200nmの範
囲が好ましく、10〜100nmが特に好ましい。
【0015】有機層に用いる材料としては、例えばゼラ
チン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム
などの天然有機高分子物質およびポリウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチ
レン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等
のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール;
塩素化ポリエチレン;エポキシ樹脂;ブチラール樹脂;
非晶質フッ素樹脂;シリコーンゴム;ポリブタジエンゴ
ム;フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の合成有機高
分子を挙げることができる。この内、特に好ましいもの
は非晶質フッ素樹脂である。非晶質フッ素樹脂の例とし
ては、商品名で、サイトップ(旭硝子製)、テフロンA
F(デュポン製)等がある。
【0016】本発明の有機層には、シアニン色素など公
知の記録用の有機色素を含有させることができる。金属
薄膜層で発生した熱の伝達により、有機色素を分解する
ことで反射率変化を大きくし、変調度の大きい光ディス
クとすることができる。有機層は、スピンコート、ディ
ップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法で
形成する。塗布溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブ
アセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;
ジクロルメタン、1,2ージクロルエタン、クロロホル
ムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどの
アミド;シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオ
クタンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエ
ーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、nー
プロパノール、イソプロパノール、nーブタノール、ジ
アセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3
ーテトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げるこ
とができる。上記溶剤は使用する化合物の分散性を考慮
して単独または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑
剤、界面活性剤及び潤滑剤などの各種の添加剤を目的に
応じて添加してもよい。有機層の厚みは5〜200nm
の範囲が好ましく、10〜100nmが特に好ましい。
【0017】反射層はAu、Ag、Al、Pt、Cu等
の単体あるいはこれらの一種以上を含む合金等の高反射
率金属から構成すれば良い。特に、AgまたはAlのい
ずれかの金属または、これらを主成分とする合金である
ことが好ましい。反射層は蒸着、スパッタリングまたは
イオンプレーティングにより形成するのが好ましい。膜
厚は30〜300nmの範囲が好ましく、50〜200
nmが特に好ましい。
【0018】反射層の上の保護層に用いられる材料とし
ては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2
Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。保護層は樹脂で形成されていることが好ましい。ま
た、記録層と反射層の間に断熱性保護層を設けることも
できる。
【0019】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを、接着層を介して反射層上及び
/または基板上にラミネートすることにより形成するこ
とができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布
等の方法により保護層を設けてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによって保護層を形成することができる。
UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目
的に応じて添加してもよい。記録再生光を基板側から入
射する場合、保護層の層厚は0.1〜100μmが好ま
しく、更に好ましくは1〜50μm、最も好ましく2〜
20μmである。記録再生光を保護層側から入射する場
合、保護層の層厚は1〜300μmが好ましく、更に好
ましくは10〜200m、最も好ましくは50〜150
μmである。
【0020】以上の工程により、基板上に金属薄膜層、
無機誘電体層または有機層、反射層および保護層を設け
た記録媒体を作製することができる。そして得られた二
枚の記録媒体を各々の記録層が内側となるように接着剤
等で貼り合わせることにより、二つの記録層を持つ光記
録媒体を製造することもできる。また得られた記録媒体
と、該記録媒体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板と
を、その記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わ
せることにより、片側のみに記録層をもつ光記録媒体を
製造することができる。接着には、前記保護層の形成に
用いたUV硬化性樹脂を用いてもよいし、あるいは合成
接着剤を用いてもよい。あるいはまた両面テープなどを
用いてもよい。接着剤層は、通常は0.1〜100μm
(好ましくは、5〜80μm)の範囲の厚みで設けられ
る。
【0021】基板(保護基板も含む)は、従来の光記録
媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に
選択することができる。基板材料としては、例えば、ガ
ラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポ
リオレフィンおよびポリエステル;金属等を挙げること
ができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、こ
れらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板と
して使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸
法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好
ましい。基板は、その直径が120±3mmで厚みが
0.6±0.1mm、あるいはその直径が80±3mm
で厚みが0.6±0.1mmのものが一般に用いられ
る。本発明の光記録媒体は、CD−RやDVD−Rに用
いられるが、より高い記録密度を達成するために、より
狭いトラックピッチのグルーブが形成された基板を用い
ることが可能であり、基板のトラックピッチは0.3〜
0.8μmが好ましく、更に0.4〜0.6μmが好ま
しい。
【0022】基板表面には、平面性の改善、接着力の向
上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設け
られてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、Nーメチロールアクリルアミド、スチレン・
ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩
化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質
剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な
溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この
塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルー
ジョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布す
ることにより形成することができる。下塗層の層厚は一
般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは
0.01〜10μmの範囲である。
【0023】基板(または下塗層)上には、前記傾斜角
度の側壁を有する凹状の溝(プレグルーブ)が形成され
ても良い。凹状の溝は、基板を射出成形あるいは押出成
形する際に、予め所定の傾斜角度の側壁を持つように加
工された樹脂成型用のスタンパ(金型)を用いて形成す
ることができる。例えば、このようなスタンパは、スタ
ンパの作製工程において、加工用のレーザビームの照射
条件(光学的な調整、照射パワー)を調整することによ
って目的の形状となるように加工することで得ることが
できる。
【0024】光記録媒体に記録した情報をタイトルや図
柄を用いて表示しておくことは管理上便利である。その
ためには、媒体の表面(記録再生用のレーザ光が照射さ
れる側とは反対側の表面)がそのような表示をするのに
適した表面であることが必要になる。近年、インクジェ
ットプリンタによる印字法が一般に利用されている。イ
ンクジェットプリンタを用いて光記録媒体の表面に印字
を施す場合には、インクは水性であるために、媒体の表
面は親水性であることが必要になる。しかし、光記録媒
体の表面は通常疎水性である。このため、光情報記録媒
体の表面を水性インクが定着し易いように親水性の表面
に改良することが必要になる。このような親水性の印刷
面(親水性表面層)を持つ光記録媒体については、例え
ば、特開平7−169700号、同10−162438
号などの各公報に種々提案されている。本発明の光記録
媒体についても親水性表面層を設けることができる。そ
して、親水性樹脂表面層を設ける場合、該表面層は、紫
外線硬化性樹脂(バインダ)中にタンパク質粒子などの
親水性有機高分子からなる粒子を分散させた層として構
成することが有利である。
【0025】親水性の表面層の下層(保護層など)は通
常透明であるため、表面層には、反射層の金属による光
沢が現れる。親水性の表面層に印刷を施した場合には、
この金属光沢に妨げられて印刷画面が不鮮明になった
り、印刷の色相がインク本来の色相で印刷できないなど
の問題が伴う。このような問題に対しては、金属光沢を
遮蔽することが有効である。金属光沢を遮蔽する方法と
しては、例えば、親水性表面層に白色、有色の各種の無
機顔料や有機顔料を含有させる方法や、親水性表面層の
下面に紫外線硬化性樹脂などのバインダ中に上記顔料を
分散させた光遮蔽層を別に設ける方法などが知られてお
り、本発明の光情報記録媒体についてもこれらの方法を
利用することができる。
【0026】上記のような親水性表面層には黴の発生を
防止するために、防菌防黴剤を含有させてもよい。防菌
防黴剤は特に制限はなく、例えば、特開平3−7342
9号公報、あるいは特開平10−162438号公報に
記載のものを使用することができる。代表的な防菌防黴
剤の例としては、ベンズイミダゾール系化合物を挙げる
ことができる。防菌防黴剤を使用する場合、その使用量
は、通常層1グラム当たり0.2〜2.0ミリグラムの
範囲の量である。
【0027】本発明の情報の記録再生方法は、例えば、
次のように実施される。ディスクを所定の定線速度また
は所定の定角速度にて回転させながら、基板側から光学
系を通して半導体レーザ光などの記録用のレーザ光を集
光し、照射する。レーザ光の照射により、記録層の照射
部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あ
るいは化学的な変化が生じてその光学特性を変えること
により、情報が記録される。記録光の波長は300〜9
00nmのレーザ光を用いる。好ましい光源としては3
00〜600nmの範囲の発振波長を有する黄色ないし
青紫色半導体レーザ、850nmの近赤外レーザをSH
G素子により波長425nmとした青紫色SHGレーザ
などを挙げることができる。また記録光は、NAが0.
55〜0.95の光学系を通して集光されることが好ま
しい。最小記録ピット長は、通常0.05〜0.7μm
(好ましくは、0.1〜0.6μm、更に好ましくは、
0.2〜0.4μm)の範囲である。上記のように記録
された情報の再生は、所定の定線速度または定角速度で
回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光
を照射して、その反射光を検出することにより行うこと
ができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明をより詳細に説明するために、
その実施例を記載するが、例示の範囲に限定するもので
はない。
【0029】実施例1 円盤状基板の作製 所定のトラックピッチ及び所定の溝形状(プレグルー
ブ)となるように作製されたスタンパを内蔵する射出成
型機を用いてポリカーボネート製(樹脂商品名:パンラ
イトAD5503、帝人(株))の円盤状樹脂基板(直
径120mm、厚さ0.6mm)を作製した。得られた
樹脂基板のトラックピッチは、0.5μm、溝の深さは
50nm、溝の幅は200nm、そして溝の側壁の傾斜
角度は60°であった。尚、これらの形状の寸法及び角
度は、AFMを用いて測定した。
【0030】光記録媒体Aの作製 上記円盤状ポリカーボネート基板のそのプレグルーブが
設けられている表面に、スパッタリングによりアルミニ
ウム−チタン合金(チタン含有率1.5重量%)を3n
mの平均膜厚で成膜して、金属薄膜層を形成した。得ら
れた金属薄膜層は340〜800nmの波長領域で60
%以上の透過率であった。続いて、その上にZnSとS
iO2を質量比が4:1になるように共スパッタリング
して膜厚28nmの無機誘電体層を形成した。さらにそ
の上に、スパッタリングによりアルミニウム−チタン合
金(チタン含有率1.5質量%)を200nmの膜厚で
成膜して、反射層を形成した。次に反射層上に、UV硬
化性樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業
(株)製)を300rpm〜4000rpmまで回転数
を変化させながらスピンコート法により塗布した。塗布
後、その上から高圧水銀灯により紫外線を照射して、硬
化させ、層厚8μmの保護層を形成した。保護層表面の
硬度は2Hであった。このようにして基板上に、金属薄
膜層、無機誘電体層、反射層及び保護層が順に設けられ
た光記録媒体Aを作製した。
【0031】実施例2 光記録媒体B〜Fの作製 実施例1の光記録媒体Aにおいて、金属薄膜層の平均膜
厚を1nmと2nmにそれぞれ変えた以外は全く同様の
構成を有する光記録媒体Bおよび光記録媒体Cを作製し
た。また、無機誘電体をSiO2単体で膜厚28nmに
スパッタリングした以外は光記録媒体Aと同様の構成を
有する光記録媒体Dを作製した。次に光記録媒体Aにお
いて、基板と金属薄膜層の間にZnSとSiO2(質量
比4:1)から成る無機誘電体層を76nmの膜厚でス
パッタリングにより形成して光記録媒体Eを作製した。
さらに光記録媒体Aにおいて、保護層なしの光記録媒体
Fを作製した。
【0032】実施例3 光記録媒体G〜Jの作製 実施例1の光記録媒体Aにおいて、無機誘電体層の代わ
りに非晶質フッ素樹脂(商品名サイトップ:旭硝子製)
の1.8質量%液をスピンコート法により塗布し、乾燥
して、約270nmの有機層を形成した以外は光記録媒
体Aと同様の構成を有する光記録媒体Gを作製した。次
に光記録媒体Gにおいて、金属薄膜層を銀または白金に
代えてそれぞれ3nmスパッタリングした以外は全く同
様の構成を有する光記録媒体Hおよび光記録媒体Iを作
製した。さらに光記録媒体Gにおいて、非晶質フッ素樹
脂の代わりに有機色素(ペンタメチンシアニン色素)の
1−エトキシプロパノール溶液をスピンコートし、乾燥
して100nmの有機層を形成した以外は光記録媒体G
と同様の構成を有する光記録媒体Jを作製した。
【0033】実施例4 実施例3の光記録媒体Gにおいて、金属薄膜層をAlま
たはAl/Ti(99.1/0.1)に代えてそれぞれ3nmスパッ
タリングした以外は全く同様の構成を有する光記録媒体
KおよびLを作製した。
【0034】比較例 実施例1の光記録媒体Aにおいて、金属薄膜層の平均膜
厚を15nmにして比較サンプル1を作製した。また、
実施例2の光記録媒体Gおよび光記録媒体Jにおいて、
それぞれ金属薄膜層を除去して比較サンプル2および3
を作製した。
【0035】実施例5 評価 実施例の光記録媒体A〜Lおよび比較例の比較サンプル
1〜3について以下のような評価を行った。DDU10
00(パルステック社製;波長405nmのレーザ光、
NA0.65のピックアップ)を用いて、定線速度4.
5m/秒で、8/16変調信号を、周波数3MHz、記
録パワー10mWで記録した。その後、定線速度4.5
m/秒、0.5mWのレーザパワーで記録信号を再生
し、変調度およびC/N比を測定した。変調度は、再生
信号の信号振幅の未記録部分再生信号出力に対する割合
で求めた。
【0036】
【表1】
【0037】結果 本発明の光記録媒体の変調度とC/N比は、金属薄膜層
の平均膜厚に依存し(光記録媒体A、B、Cおよび比較
サンプル1の結果より)、ほぼ1〜5nmの範囲に最適
点があることがわかった。また、金属薄膜層と有機色素
を併用した本発明の光記録媒体Jは、従来の有機色素の
みの比較サンプル3に比べて高い変調度と高いC/N比
を得た。一方、比較サンプル1および2は記録できず、
記録波形が得られなかった。また、光記録媒体KとLよ
り、チタン含有率0.1質量%でAl単独より優れた効
果を有することがわかった。なお、未記録および記録済
の本発明の光記録媒体は、温湿度およびXe光に対して
も十分安定であることがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来の方法では実現が
困難であった高密度、高感度、優れた記録保存性、低コ
ストの追記型光記録材料を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538E B41M 5/26 B41M 5/26 X (72)発明者 小川 恵三 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA48 FA01 FA12 FA14 FA21 FA23 FB21 5D029 JA04 LA13 LB01 LB02 LB07 LC04 MA13 NA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、記録用レーザ波長における透
    過率が50%以上、かつ平均膜厚が0.5〜10nmの
    金属薄膜層、反射層および保護層を有することを特徴と
    する光記録媒体。
  2. 【請求項2】 該金属薄膜層が、光記録媒体の反射層を
    構成する金属の少なくとも1種を含有することを特徴と
    する請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 該金属薄膜層に隣接して無機誘電体層を
    有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 該金属薄膜層に隣接して有機層を有する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の光記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4の光記録媒体に、波長
    300〜600nmの範囲の発振波長を有するレーザを
    用いて記録することを特徴とする光記録方法。
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