JP2000098102A - レンズアレイ基板、その製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

レンズアレイ基板、その製造方法及び画像表示装置

Info

Publication number
JP2000098102A
JP2000098102A JP10263684A JP26368498A JP2000098102A JP 2000098102 A JP2000098102 A JP 2000098102A JP 10263684 A JP10263684 A JP 10263684A JP 26368498 A JP26368498 A JP 26368498A JP 2000098102 A JP2000098102 A JP 2000098102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
light
array substrate
lens array
microlens array
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10263684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3932690B2 (ja
Inventor
Atsushi Shimizu
敦 清水
Yoshinori Ito
嘉則 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP26368498A priority Critical patent/JP3932690B2/ja
Publication of JP2000098102A publication Critical patent/JP2000098102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3932690B2 publication Critical patent/JP3932690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロレンズアレイ基板製造時に、マイク
ロレンズアレイどうしの光軸合せを簡単にし、また製造
工程も簡略化する。 【解決手段】 ベースガラス44の上に紫外線硬化型樹
脂を供給し、スタンパで型押ししてマイクロレンズアレ
イ33を形成し、紫外線照射により紫外線硬化型樹脂を
硬化させて透明樹脂層46を成形する。透明樹脂層46
の上に屈折率の異なる紫外線硬化型樹脂を供給し、同じ
スタンパで型押ししてマイクロレンズアレイ34を形成
し、紫外線照射により紫外線硬化型樹脂を硬化させて透
明樹脂層47を成形する。透明樹脂層47の上に屈折率
の異なる紫外線硬化型樹脂を供給し、ベースガラスで押
圧させ、紫外線照射により紫外線硬化型樹脂を硬化させ
て透明樹脂層48を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズアレイ基板、
その製造方法及び画像表示装置に関する。特に、微細な
マイクロレンズの集合を多層構造にしたマイクロレンズ
アレイ基板とその製造方法に関し、さらにそのマイクロ
レンズアレイ基板を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子を用いてカラー表示を行な
う方式として投影型カラー画像表示方式があり、そのう
ちには、三原色に応じて液晶表示素子を3枚用いる三板
式と、1枚のみを用いる単板式とがある。しかし、三板
式の投影型カラー画像表示方式では、色分離系と色合成
系が必要であるため、光学系が複雑になって部品点数が
多くなってしまい、コストが高くつくと共に小型化が困
難である。また、単板式の投影型カラー画像表示方式で
は、三板式と比較すると、コストが安価で、小型化にも
適しているが、カラーフィルタによる光の吸収や反射の
ため、入射光の約1/3しか利用できず、光の利用効率
が悪くて表示画面が暗くなるという問題がある。
【0003】(第1の従来例)このような問題を解決す
るため、図1に示すような構造の単板式の投影型カラー
液晶表示装置1が提案されている。この装置において
は、白色光源2から出射された白色光W、または球面鏡
3で反射された白色光Wは、コンデンサレンズ4で平行
光に変換され、この白色平行光はダイクロイックミラー
5R、5G、5Bに入射される。3枚のダイクロイック
ミラー5R、5G、5Bは、それぞれ赤、緑、青の波長
域の光を反射させるものであって、図2に示すように、
白色光源2に近い側から順にダイクロイックミラー5
R、5G、5Bがそれぞれ角度θだけずらして扇型に配
置されている。
【0004】しかして、3枚のダイクロイックミラー5
R、5G、5Bに入射した白色光Wは、ダイクロイッ
クミラー5Rで反射される赤の光束、ダイクロイック
ミラー5Rを通過し、ダイクロイックミラー5Gで反射
され、再度ダイクロイックミラー5Rを通過して得られ
る緑の光束、ダイクロイックミラー5R、5Gを通過
し、ダイクロイックミラー5Bで反射され、再度ダイク
ロイックミラー5G、5Rを通過して得られる青の光束
の3光束に分けられる。このとき、緑の光束は赤の光束
に対して進行方向が2θの角度だけ傾いて出射し、青の
光束は緑の光束に対して進行方向が2θの角度だけ傾い
て出射される。
【0005】ダイクロイックミラー5R、5G、5Bに
より分割された赤、青、緑の各光束は、液晶表示素子6
の光源側に配置されているマイクロレンズアレイ7にそ
れぞれ異なった角度で入射される。ここで、液晶表示素
子6は、緑の光束が液晶表示素子面に垂直入射するよう
に配置されている。マイクロレンズアレイ7を通過した
各光束は、それぞれに対応した色信号が独立して印加さ
れる信号電極により駆動される各絵素開口に、各光束の
入射角度に応じて分配照射される。この装置では、吸収
型のカラーフィルタを用いないので、光の利用効率が向
上し、極めて明るい画像を提供することができる。
【0006】しかしながら、分光手段として上記のよう
なダイクロイックミラー5R、5G、5Bを用いたカラ
ー液晶表示装置1においては、以下に述べるような原因
により、画質の低下が招来されるという問題が生じてい
る。
【0007】すなわち、この投影型カラー液晶表示装置
1にあっては、図3に示すように、液晶表示素子6の光
入射側に各絵素に対応したマイクロレンズの集合からな
る1層のマイクロレンズアレイ7が設けられている。マ
イクロレンズアレイ7は、ガラス基板8にエッチングさ
れた凹部内に高屈折率樹脂9を充填し、このガラス基板
8と高屈折率樹脂9の界面に形成されている。ガラス基
板8にマイクロレンズアレイ7を形成されたマイクロレ
ンズアレイ基板10は、液晶表示素子6の光源側に接合
されている。マイクロレンズアレイ7によって液晶表示
素子6の信号電極11R、11G、11Bにより駆動さ
れる各絵素開口部に収束させられた各光束は、液晶表示
素子6を通過した後、大きな角度範囲でそれぞれ拡散し
ていく。このため、図1のように液晶表示素子6を透過
した各色の光束の主光線をフィールドレンズ12によっ
て屈折させ、投影レンズ13で収束させてスクリーン1
4上に画像を投影している。
【0008】しかしながら、この従来例では、カラーフ
ィルタを用いたカラー液晶表示装置で用いられている投
影レンズよりも大口径の投影レンズを用いなければ、光
利用効率が低下し、画質の低下がもたらされ、コストも
高くつくという問題があった。
【0009】(第2の従来例)そこで、上記投影型カラ
ー液晶表示装置の光利用効率を向上させ、色純度の低下
を防止して画像品質を向上させるための投影型カラー液
晶表示装置が提案されている(特開平7−181487
号、特開平9−90336号など)。この投影型カラー
液晶表示装置の全体構成は、図1に示した第1の従来例
とほぼ同じであるが、液晶表示素子6に設けたマイクロ
レンズアレイ13、14が2層になっているところに特
徴がある。すなわち、この投影型カラー液晶表示装置に
用いられている液晶表示素子6では、図4に示すよう
に、光源側に用いられるガラス基板15の両面に平板型
のマイクロレンズアレイ基板16、17を接合し、内面
側のマイクロレンズアレイ基板17の表面に焦点距離調
整用のカバーガラス(スペーサ)18を設け、ガラス基
板15及びマイクロレンズ基板16、17に一体化され
たカバーガラス18と光出射側のガラス基板20の間に
液晶層21を封入する構造となっている。ここで、各マ
イクロレンズアレイ基板16、17は、レンズ基板22
にレンズパターンを凹設し、このレンズパターンの凹部
23内に高屈折率樹脂24を充填してレンズ基板22の
表面を平坦にし、レンズ基板22と高屈折率樹脂24の
界面にマイクロレンズアレイ13、14を形成したもの
である。
【0010】しかして、図5に示すように、液晶表示素
子6の光源側に配置されたマイクロレンズアレイ13
は、液晶表示素子6における各色に対応する絵素開口部
にそれぞれの色の光束を収束させる。このような各色の
光束は、液晶表示素子6に対してそれぞれ異なる角度か
ら照射されるので、マイクロレンズアレイ13により収
束された後は、各光束の主光線の方向に応じて広がって
いこうとする。マイクロレンズアレイ14は、これら各
色の光束の主光線が互いにほぼ平行となるようにして液
晶表示素子6から出射させる。
【0011】この光源と反対側のマイクロレンズアレイ
14は、フィールドレンズと同様の働きをするものであ
り、このように各色の光束の主光線を互いにほぼ平行に
することが可能になるので、投影手段として例えば小口
径の投影レンズを用いた場合でも、全光束をほとんどカ
ットすることなく、有効に利用することができる。した
がって、光の利用効率を向上させてより明るく、かつ、
ホワイトバランスのよいカラー画像を得ることができる
ようになる。また、大口径の投影レンズ等を使用する必
要がなくなるため、製造コストの低減を実現できる。
【0012】つぎに、このような2層のマイクロレンズ
13、14を備えたガラス基板15の製造方法を図6に
より説明する。まず、図6(a)に示すような所定厚み
のレンズ基板22を準備し、図6(b)のように、レン
ズパターンと同じピッチで開口25をあけられたマスク
26をレンズ基板22の表面に形成する。ついで、図6
(c)に示すように、マスク26の開口25を通してレ
ンズ基板22の火造り面に対して等方性エッチング処理
を行なうことにより、レンズ基板22の表面に凹部23
(レンズパターン)を形成する。火造り面とは、ガラス
基板15をフュージョン法等で製造するにあたり、溶融
ガラスを徐冷、成板した後の研磨していないそのままの
表面をいう。上記凹部23には、図6(d)のように高
屈折率樹脂24を充填し、表面をレベリングすることで
レンズ部分とし、マイクロレンズアレイ基板16、17
を製作する。この後、図6(e)に示すように、レンズ
基板22のレンズ形成面と反対側の面を研磨し、マイク
ロレンズアレイ13、14の焦点距離等を設定値に合わ
せるべく厚み調整する。
【0013】上記のようにして作製されたマイクロレン
ズアレイ基板16、17は、図7に示すように、互いに
光軸を位置合せしながらガラス基板15の両面に接合さ
れ、さらに一方のマイクロレンズアレイ基板17の表面
にカバーガラス18を接合される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2層の
マイクロレンズアレイ13、14を有する従来のマイク
ロレンズアレイ基板では、上記のようにガラス基板15
に2枚のマイクロレンズアレイ基板16、17を貼り合
わせて製作されていたので、以下に述べるような理由か
ら、光軸合せが難しくて光学特性が悪く、製造が難し
く、工程数が多くてコストが高くつくという問題があっ
た。
【0015】 マイクロレンズアレイどうしの位置決
めの困難 まず、別々に製作された平板型マイクロレンズアレイ1
3、14をガラス基板を介して貼り合わせているので、
貼り合わせによる2枚のマイクロレンズアレイ13、1
4の位置決め(光軸合せ)が困難であり、事実上、量産
が不可能であった。すなわち、2枚のマイクロレンズア
レイ13、14の縦方向、横方向及び角度(回転方向)
をすべて一致させなければならないが、レンズパターン
が微細であるため、これが非常に難しく、精度の高い位
置決め装置や貼合せ機が必要となる。
【0016】また、マイクロレンズアレイ13、14の
貼り合わせを困難にしている最大の理由は、位置決めし
なければならないレンズパターンの間にギャップがある
ことである。つまり、レンズパターンの間にギャップが
あると、各層の屈折率差によって光学的な歪が生じ、位
置決め用のアライメントマークの大きさが異なって見
え、2つのマイクロレンズアレイ13、14に設けられ
ているアライメントマークどうしの位置合せが困難にな
る。
【0017】さらに、重要なことは、ギャップによって
生じる光学的な歪のため、レンズパターンに対して完全
に垂直な方向からアライメントマークを見ないと、カメ
ラが見ているアライメントマークは虚像となり、実際の
アライメントマークはカメラの光軸上からずれた位置に
あり、アライメントマークにたよって位置合せしても実
際にはアライメントしたことになっていない。これがマ
イクロレンズアレイ13、14の位置決めを難しくする
最大の要因となっている。例えて言うと、不透明なコッ
プの底にコインを入れて斜め方向から見ると、コップに
水を入れた場合と入れない場合とで、コインが見えたり
見えなかったりすることがあるが、これは空気と水の屈
折率差によるものである。微細な位置合わせでは、この
わずかなマークの大きさの変化や実像と虚像の位置ずれ
が原因となり、位置決めが不可能になってしまう。
【0018】また、位置決めには通常カメラ(CCDカ
メラなど)を用いるが、マイクロレンズアレイ13、1
4では、アライメントマークにピントを合わせることが
難しい。つまり、アライメントマークは一般的には比較
的大きく描かれるものであるが、マイクロレンズアレイ
13、14の余白部には限りがあるため、通常は小さな
アライメントマークで位置の合わせ込みをしなければな
らないことが多い。微細なマークをカメラで見るときに
は焦点深度が浅くなるので、ピントの合う範囲が狭くな
る。そのため、マイクロレンズアレイ13、14が多少
でも傾いたりすると、とたんにピントが合わせられなく
なる。これらの理由からもマイクロレンズアレイ13、
14の位置決めをすることは非常に難しいものであっ
た。
【0019】 貼合わせ時の異物や気泡の混入 マイクロレンズアレイ13、14どうしを、その間に均
一なギャップ(空間)を保ったまま一体化することは困
難であるから、ガラス基板15の両面にマイクロレンズ
アレイ13、14を隙間なく貼り合わせている。そのた
め、仮に2枚のマイクロレンズアレイ13、14が正確
に位置合せされたとしても、マイクロレンズアレイ1
3、14とガラス基板15の間に1つでも異物を噛み込
むと、マイクロレンズアレイ13、14が反って撓んだ
り、傾いたりするので、マイクロレンズアレイ13、1
4どうしの光軸がずれる。
【0020】また、マイクロレンズアレイ13、14と
ガラス基板15の間に部分的な空隙(例えば、空気など
の混入による気泡)が発生すると、微細異物の混入の場
合と同様、ガラス基板の両面に貼られたマイクロレンズ
アレイ13、14の光軸をずらすことになる。
【0021】さらに、異物や気泡を噛み込むと、そこに
本来意図しない屈折率差を作り出すので、ここを通過す
る光束の光軸をずらす結果となる。
【0022】 歩留まりの低下 従来のマイクロレンズアレイ13、14の製造方法で
は、上記及びのような理由により、マイクロレンズ
アレイ基板製作の歩留まりが悪くなり、量産品として使
用できるものはほとんど零に近くなり、実用化が困難で
あった。また、このような歩留りの悪さは、製品単価を
押し上げることになっていた。 製造工数数が多い 仮に、マイクロレンズアレイ基板製造の歩留まりが改善
されたとしても、従来の製造方法では、別々に製作した
マイクロレンズアレイ13、14をそれぞれ研磨してガ
ラス基板の両面に貼り合わせているので、製造工数が多
くなると共に研磨作業に時間が掛かる。さらに、微細な
レンズパターンの位置決めに多くの時間を要するため、
製造効率が悪くて量産性が低かった。
【0023】なお、上記のような問題点は、ガラス基板
を介することなくマイクロレンズアレイどうしを直接に
接合した構造のマイクロレンズアレイ基板にも言えるこ
とである。
【0024】本発明は上述の技術的問題点を解決するた
めになされたものであり、マイクロレンズアレイ基板製
造時に、マイクロレンズアレイどうしの光軸合せを簡単
にし、また製造工程も簡略化することを目的とするもの
である。
【0025】
【発明の開示】本発明(請求項1)のレンズアレイ基板
は、複数層のレンズアレイを備えたレンズアレイ基板で
あって、複数の透光性樹脂層が積層され、互いに屈折率
の異なる透明樹脂層どうしの境界面によりレンズアレイ
が形成されたものである。
【0026】このレンズアレイ基板は、複数のレンズア
レイを貼り合わせることなく、透光性樹脂層を積層一体
化することによって製作することができる。
【0027】具体的には、請求項5に記載しているよう
に、未硬化の樹脂材料に第1のスタンパを押圧した状態
で当該樹脂材料を硬化させて第1の透光性樹脂層を成形
する工程と、第1の透光性樹脂層の上に当該透光性樹脂
層と屈折率の異なる未硬化の樹脂材料を供給し、この透
光性樹脂層に第2のスタンパを押圧した状態で当該樹脂
材料を硬化させて第2の透光性樹脂層を成形し、第1及
び第2の透光性樹脂層の境界面にレンズアレイを形成す
る工程と、第2の透光性樹脂層の上に当該透光性樹脂層
と屈折率の異なる未硬化の樹脂材料を供給し硬化させて
第3の透光性樹脂層を成形し、第2及び第3の透光性樹
脂層の境界面に別なレンズアレイを形成する工程とによ
って製作することができる。さらに、この工程の繰り返
しにより3層以上のレンズアレイを形成することもでき
る。
【0028】透明樹脂層の屈折率が互いに異なっている
とは、例えば3層の透光性樹脂層を考え、その屈折率を
順にn1、n2、n3とすると、n1<n2<n3のように順
に大きくなっていてもよく、n1<n2>n3のように交
互に大小を組み合わせいてもよい。従来のようにガラス
基板の凹部に高屈折率の樹脂を流し込むことによってレ
ンズアレイが製作されていると、設計に自由度がない
が、本発明のように成形によって複数層のレンズアレイ
を製作する場合には、自由に屈折率の組み合わせを変え
ることができ、レンズアレイ基板の設計自由度が高くな
る。
【0029】本発明のレンズアレイ基板及びその製造方
法にあっては、各透光性樹脂層を成形していく際に自動
的にレンズアレイが位置合せされた状態でできていく。
よって、よって、従来のようにマイクロレンズアレイを
貼り合わせる際の位置決めが不要となり、高精度のレン
ズ位置合わせが可能になる。その結果、良好な精度及び
光学的特性を有するレンズアレイ基板を量産可能にな
る。
【0030】また、成形によって複数層のマイクロレン
ズアレイができるので、貼り合わせによる方法のように
透光性樹脂層間などに異物が混入したり、気泡が入った
りしにくく、不良品発生率が低下し、マイクロレンズア
レイ基板の歩留りが向上する。さらに、貼り合わせ法の
ように硬質の基板どうしを貼り合わせる場合には、異物
や気泡が混入するとマイクロレンズアレイ基板全体の不
良となるが、未硬化の樹脂を重ねていくので、仮に異物
や気泡が入っても部分的な不良にとどまる。
【0031】さらに、本発明の製造方法によれば、高精
度の加工や位置決めが必要ないので、製造工程が少な
く、製造設備も簡単になり、コストを安価にすることが
できる。
【0032】特に、請求項6に記載したように、前記第
1のスタンパと第2のスタンパ(さらに好ましくはすべ
てのスタンパ)が同一のスタンパであれば、請求項3に
記載したようにレンズアレイの立体形状がいずれも同一
となり、成形時にスタンパの取り替え作業が必要ないの
で、より一層レンズアレイどうしの位置合せ作業を高精
度に行なうことができる。なお、この場合には、各レン
ズアレイの焦点距離は、各透光性樹脂層の屈折率比によ
って調整することになる。
【0033】また、請求項2に記載しているように、隣
り合うレンズアレイの間には、1層の透光性樹脂層のみ
存在することが望ましい。これによって構造を簡単にで
き、マイクロレンズアレイを薄くすることができる。ま
た、レンズアレイ間に1層の透光性樹脂層しか存在しな
ければ、マイクロレンズアレイ基板内に不要な結合面が
生じることがなく、マイクロレンズアレイ基板の設計に
おいて、その設計やシミュレーションを容易にすること
ができる。
【0034】また、レンズアレイは、請求項4に記載し
たように、複数のレンズ面を緻密に配列したものが望ま
しい。レンズ面を隙間なく緻密に形成してあれば、レン
ズアレイ基板に入射した光をすべて利用することがで
き、光の利用効率を向上させることができる。
【0035】本発明のマイクロレンズアレイは、透過型
の画像表示装置(請求項7)や反射型の画像表示装置
(請求項8及び9)に用いることができる。ここで、空
間変調素子とは、液晶表示パネルに代表されるものであ
るが、これに限らず、多数の微小なミラーを備えたDM
D(digital mirror device)なども含まれる。
【0036】本発明のレンズアレイ基板をこれらの画像
表示装置に利用することにより、画像表示装置の光学的
特性を向上させることができると共に、そのコストも安
価にすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】図8は本発明の一実施形態による
投影型カラー液晶表示装置31の全体の構造を示す断面
図、図9は当該カラー液晶表示装置31に用いられてい
る液晶表示素子32及びマイクロレンズアレイ33、3
4を示す断面図である。この投影型カラー液晶表示装置
31においては、白色光源35の背後に球面鏡36が設
けられており、球面鏡36の中心が、白色光源35にお
ける発光部の中心と一致するように配置されている。白
色光源35の前面にはコンデンサレンズ37が設けられ
ており、コンデンサレンズ37は、その焦点が白色光源
35の発光部の中心と一致するように配置されている。
しかして、白色光源35から出射された白色光束W、あ
るいは白色光源35から出射され球面鏡36で反射され
た白色光束Wは、コンデンサレンズ37を透過すること
により、略平行な白色光束Wとなる。
【0038】ここで、コンデンサレンズ37を透過した
後の白色光束Wの、アーク長方向(図8において紙面に
垂直な方向)の平行度θa、アーク径の方向(図8にお
いて紙面に平行な方向)の平行度θbは、次式から求め
られる。 θa = arctan(L/fc) …(1) θb = arctan(Φ/fc) …(2) ただし、L及びΦは白色光源35のアーク長及びアーク
径、fcはコンデンサレンズ37の焦点距離である。
【0039】また、白色光源から平行光束を得る手段と
しては、上記の構成に限らず、例えば回転放物面鏡を用
いる方法、回転楕円面鏡とインテグレータを使用する方
法等が適宜選択される。
【0040】コンデンサレンズ37の前方には、3種の
ダイクロイックミラー38R、38G、38Bがそれぞ
れ異なる角度で配置されている。ダイクロイックミラー
38R、38G、38Bは、それぞれ赤、緑、青の色に
対応する各波長域の光を選択的に反射し、他は透過する
特性を有し、この順に光軸上に配置されている。以下、
符号のR、G、Bはそれぞれ赤、緑、青の各色を表わす
ものとする。
【0041】青、緑、赤の波長域とは、それぞれ400
〜495nm、約495〜575nm、約570〜70
0nmの波長域を示す。ただし、これらの各波長域の光
を全て利用すればスクリーン照度は高くなるが、各原色
の色純度は低下するので、色純度を重視する場合には、
495nm付近及び575nm付近の光をカットする場
合もある。
【0042】ダイクロイックミラー38R、38G、3
8Bは、周知の多層薄膜コーティング技術により形成さ
れる。赤のダイクロイックミラー38Rは約600nm
より長波長の可視光を反射するように多層薄膜の条件が
設定され、青のダイクロイックミラー38Bは約500
nmより短波長の可視光を反射するように多層反射膜の
条件が設定され、緑のダイクロイックミラー38Gは約
570nm〜500nmの範囲の可視光を反射するよう
に多層薄膜の条件が設定されている。また、いずれのダ
イクロイックミラー38R、38G、38Bも赤外線を
透過するように設計すれば、赤外線が液晶表示素子32
に到達しなくなるので、液晶表示素子32の温度上昇を
低減するのに効果的である。
【0043】3枚のダイクロイックミラー38R、38
G、38Bの中で、白色光源35に一番近い所に設けら
れたダイクロイックミラー38Rは、白色光源35から
の光束が例えば30゜前後で入射するように配置されて
いる。その他のダイクロイックミラー38G、38B
は、上記ダイクロイックミラー38Rに対してそれぞれ
平行な状態から、図において紙面に垂直な方向の軸を回
転軸として、角度θずつ順次傾けて配置されている。こ
の相対的な角度θは、後述する液晶表示素子32の絵素
配列ピッチP及び液晶表示素子32に設けられたマイク
ロレンズアレイ33、34の焦点距離fμから求めるこ
とができる。
【0044】しかして、コンデンサレンズ37を透過し
た平行な白色光束Wは、ダイクロイックミラー38R、
38G、38Bに入射し、赤の光束、緑の光束、青の光
束に分解されて液晶表示素子32に設けられたマイクロ
レンズアレイ33、34に入射する。ダイクロイックミ
ラー38R、38G、38Bを上記のようにθずつ傾け
て配置してあると、赤波長域、緑波長域、青波長域のそ
れぞれの光束がマイクロレンズアレイ33、34に対し
てそれぞれ角度2θずつずれて入射する。
【0045】この実施形態では、図8に示すように、緑
の光束が、マイクロレンズアレイ33、34に垂直入射
し、赤及び青の各光束は、この緑の光束を中心に図にお
いて紙面と平行な方向に対称に位置するように、角度が
つけられている。この赤、青、緑の順番は、白色光源3
5のスペクトル分布及びダイクロイックミラー38R、
38G、38Bの特性を考慮して決定され、必ずしも図
8に示す順序に限るものではない。
【0046】液晶表示素子32は、ガラス基板39とマ
イクロレンズアレイ基板40を有しており、図9に示す
ように、ガラス基板39とマイクロレンズアレイ基板4
0の間に液晶層41が封入されている。光出射側に位置
するガラス基板39の内面には、液晶層41を相変化さ
せるためのストライプ状の信号電極42R、42G、4
2Bが形成されている。また、光入射側に位置するマイ
クロレンズアレイ基板40の内面には、上記信号電極4
2R、42G、42Bと直交する走査電極43が設けら
れている。この信号電極42R、42G、42B及び走
査電極43は、透明電極(ITO膜)によって形成され
ている。
【0047】マイクロレンズアレイ基板40には、2層
のマイクロレンズアレイ33、34が設けられている。
このマイクロレンズアレイ基板40は、2枚のベースガ
ラス(ガラス基板)44、45間に互いに屈折率の異な
る3層の透明なレンズ樹脂層46、47、48を挟み込
んだものであり、屈折率の異なるレンズ樹脂層46、4
7、48間の界面がレンズパターン形状に成形されてお
り、互いに屈折率の異なるレンズ樹脂層46、47間の
界面によって第1のマイクロレンズアレイ33が形成さ
れ、互いに屈折率の異なるレンズ樹脂層47、48間の
界面によって第2のマイクロレンズアレイ34が形成さ
れている。ここで、マイクロレンズアレイ33、34の
レンズパターンは、球面レンズ状、蜂の巣(六角レン
ズ)状、あるいはかまぼこ形レンズ状(レンチキュラー
レンズ)でもよい。
【0048】光源側に位置するマイクロレンズアレイ3
3を構成する各レンズの光軸と光源と反対側に位置する
マイクロレンズ34を構成する各レンズの光軸は互いに
平行となっており、マイクロレンズアレイ33と34の
対向する各レンズの光軸は互いに一致するようになって
いる。
【0049】この液晶表示素子32では、ダイクロイッ
クミラー38R、38G、38Bによって白色光束Wを
分光しているので、カラーフィルタは必要なく、光利用
効率が高くなる。また、各色ごとに対応する映像信号が
信号電極42R、42G、42Bに印加される。なお、
図9においては、液晶表示素子32の構成要素である偏
光板、配向膜等を簡略化のため省略している。
【0050】しかして、図10に示すように、マイクロ
レンズアレイ33に所定方向から平行光束を照射する
と、マイクロレンズアレイ33は、レンズパターンのピ
ッチに対応する間隔で、各色の光束を第2のマイクロレ
ンズアレイ34の出射側近傍に点状に集光する。この集
光スポット幅Wは、第1のマイクロレンズアレイ33の
焦点距離をfμとすると、上記白色光源35の平行度θ
bに対して、下記の(3)式のようになる。 W = fμ × tan(θb) …(3) この(3)式に前記(2)式を代入すると、 W = (fμ × Φ)/fc …(4) となる。走査電極43及び液晶層41の厚みは、第1の
マイクロレンズアレイ33の焦点距離fμに比べて微小
であるため、この部分の厚さは無視でき、この集光スポ
ット幅Wがそのまま信号電極42R、42G、42Bに
照射される各光束の幅Weであると考えてよい。
【0051】また、各ダイクロイックミラー38R、3
8G、38Bの相対的な角度は、絵素配列ピッチをP、
マイクロレンズアレイ33の焦点距離をfμ、各光束の
入射角の差を2θとすると、 P = fμ × tan(2θ) …(5) の関係を満たせば、最初の集光ライン(3種のダイクロ
イックミラー38R、38G、38Bのうち、白色光源
35に最も近い位置に配設されたダイクロイックミラー
38Rで反射した光による集光ライン)に対して、順次
他の集光ラインがそれぞれ上記のピッチ分だけずれた位
置に形成される。これにより、マイクロレンズアレイ3
3を構成するマイクロレンズ一つに対応する隣接した3
個の信号電極42R、42G、42Bに、各々対応する
色の集光ラインが収まるようになっている。
【0052】なお、マイクロレンズアレイ34の焦点距
離も、光源側のマイクロレンズアレイ33と同じ焦点距
離fμに設定されている。
【0053】上記液晶表示素子32における光出射方向
の前方には、図8に示すように、投影手段としてのフィ
ールドレンズ49及び投影レンズ50が設けられてお
り、さらに、この投影レンズ50の前方には、スクリー
ン51が設けられている。フィールドレンズ49の焦点
距離はフィールドレンズ49及び投影レンズ50間の距
離に設定されており、液晶表示素子32から出射された
各色の光束は、上記フィールドレンズ49によって投影
レンズ50の設けられている位置に収束され、この投影
レンズ50によりスクリーン51に投影される。なお、
上記フィールドレンズ49を用いず、液晶表示素子32
から直接投影レンズ50に光を入射するような構成とす
ることも可能である。
【0054】しかして、白色光源35からダイクロイッ
クミラー38R、38G、38Bに向かって白色光を照
射すると、ダイクロイックミラー38R、38G、38
Bが各々異なる色の光束をそれぞれ反射することによ
り、白色光が三原色に分解される。各色の光束は、図1
0に示すように、ダイクロイックミラー38R、38
G、38Bが配置された角度に応じて、上述のように各
々異なる角度で、第1のマイクロレンズアレイ33に入
射する。
【0055】このマイクロレンズアレイ33からの光
は、マイクロレンズアレイ34を介して、各色に対応す
る信号電極42R、42G、42Bに集光されるが、こ
のとき、信号電極42R、42G、42Bをその上に集
光される色に対応した映像信号でそれぞれ駆動すると、
各色の光束はその信号に応じて強度が変調される。変調
後の光束は、上記フィールドレンズ49及び投影レンズ
50を通過した後、スクリーン51に投影され、このス
クリーン51上でカラー映像表示が行われる。
【0056】ところで、従来の投影型カラー液晶表示装
置(第1の従来例)では、垂直入射以外の赤、青の2光
束の光軸(主光線)が、液晶表示素子32を出射した後
も2θの角度をもって伝搬してしまうため、これらを全
て捕捉し投影するためには、大口径の投影レンズが必要
であった。しかしながら、この実施形態の投影型カラー
液晶表示装置31では、出射光の拡がりを小さくするた
め、第2のマイクロレンズアレイ34が設けられてい
る。また、第1のマイクロレンズアレイ33の焦点距離
は、この第2のマイクロレンズアレイ34の出射側近傍
に第1のマイクロレンズアレイ33から出射された光束
の焦点が位置するよう、上記(5)式の関係を満足するよ
うに設定されている。
【0057】このように配置された第2のマイクロレン
ズアレイ34は、フィールドレンズ49と同様の機能を
果たし、各色の光束の光軸を互いに平行化することによ
り、その出射方向を液晶表示素子32に対して垂直に
し、液晶表示素子32からの出射光の広がり角を小さく
することができる。したがって、小口径の投影レンズ5
0を用いた場合でも、全光束を有効に利用することがで
きる。これにより、光利用効率が高く、ホワイトバラン
スの良いカラー画像を得ることが可能になると共に、コ
ストアップの原因となっていた高価な大口径のレンズを
用いなくてもよくなることから、投影型カラー液晶表示
装置31全体としてのコストアップを回避することが可
能になる。
【0058】なお、マイクロレンズアレイ33、34の
焦点距離を調整する方法としては、つぎのようにすれば
よい。まず第1の方法は、マイクロレンズアレイ33、
34を構成するレンズ樹脂層46、47、48の屈折率
を変えればよい。例えば図11(a)は屈折率がn1、
n2(n1<n2)のレンズ樹脂層46、47の界面に
マイクロレンズアレイ33を形成しているが、図11
(b)のように、この屈折率n2のレンズ樹脂層47を
より大きな屈折率n3(>n2)のものに代えると、マ
イクロレンズアレイ33の焦点距離を短くすることがで
きる。第2の方法としては、マイクロレンズアレイ3
3、34の曲率を変えればよい。例えば図12(a)は
屈折率がn1、n2(n1<n2)のレンズ樹脂層4
6、47の界面に曲率半径がr1のマイクロレンズアレ
イ33を形成しているが、図12(b)のように、この
マイクロレンズアレイ33をより小さな曲率半径r2
(<r1)にすれば、マイクロレンズアレイ33の焦点
距離を短くすることができる。
【0059】(マイクロレンズアレイ基板の製造方法)
つぎに、上記マイクロレンズアレイ基板40の製造方法
を図13及び図14(a)〜図16(i)により説明す
る。これは、紫外線照射により硬化する紫外線硬化型樹
脂を用いた、いわゆる2P(Photo-Polymerization)法
により、2枚のベースガラス44、45間に2層のマイ
クロレンズアレイ33、34を成形する方法である。
【0060】まず、図13に示すように、成形機の下側
テーブル52の上面にベースガラス44を置き、下側テ
ーブル52内の吸着チャック53でベースガラス44の
下面の空気を排気することにより下側テーブル52の上
面にベースガラス44を吸着させる。同様に、成形機の
上側テーブル54の下面にスタンパ57を重ね、上側テ
ーブル54内の吸着チャック55からスタンパ57の上
面の空気を排気することにより上側テーブル54の下面
にスタンパ57を吸着させる。この上側テーブル54は
ガイド機構(図示せず)によって位置ずれのないよう精
密に上下するようになっている。
【0061】ついで、図14(a)に示すように、透明
なベースガラス44の上に流動性のある透明な紫外線硬
化型樹脂56を供給した後、紫外線硬化型樹脂56の上
からベースガラス44へ向けてスタンパ57を降下させ
る。このスタンパ57の下面には、マイクロレンズアレ
イ33、34のレンズパターンと合致する反転パターン
58が形成されている。このスタンパ57をベースガラ
ス44に十分に押し付けてスタンパ57とベースガラス
44の間に紫外線硬化型樹脂56を挟み込み、紫外線硬
化型樹脂56をスタンパ57とベースガラス44の間に
押し広げてスタンパ57の反転パターン58で紫外線硬
化型樹脂56を型押しした後、そのままの状態を保持
し、ベースガラス44を通して紫外線硬化型樹脂56に
紫外線ランプ等によって紫外線(UV光)を照射する
[図14(b)]。
【0062】紫外線を照射された紫外線硬化型樹脂56
は、紫外線を浴びると硬化反応を起こして硬化するの
で、紫外線硬化型樹脂56にスタンパ57の反転パター
ン58が転写成形される。スタンパ57を上昇させて紫
外線硬化型樹脂56から分離すると、硬化した紫外線硬
化型樹脂56によってベースガラス44の上にレンズ樹
脂層46が成形されると共に当該レンズ樹脂層46の表
面にマイクロレンズアレイ33のパターンが成形される
[図14(c)]。
【0063】ついで、硬化したレンズ樹脂層46の上
に、レンズ樹脂層46とは屈折率が異なり流動性のある
透明な紫外線硬化型樹脂59を供給した後、紫外線硬化
型樹脂59の上からレンズ樹脂層46へ向けて上記スタ
ンパ57を再度降下させる[図15(d)]。このスタ
ンパ57をレンズ樹脂層46に十分に押し付けてスタン
パ57とレンズ樹脂層46の間に紫外線硬化型樹脂59
を挟み込み、スタンパ57の反転パターン58で紫外線
硬化型樹脂59を型押しして紫外線硬化型樹脂59をス
タンパ57とレンズ樹脂層46の間に押し広げた後、そ
のままの状態を保持し、ベースガラス44及びレンズ樹
脂層46を通して紫外線硬化型樹脂59に紫外線ランプ
等によって紫外線(UV光)を照射する[図15
(e)]。
【0064】紫外線を照射された紫外線硬化型樹脂59
は、紫外線を浴びると硬化反応を起こして硬化するの
で、紫外線硬化型樹脂59にスタンパ57の反転パター
ン58が転写成形される。スタンパ57を上昇させてス
タンパ57を紫外線硬化型樹脂59から分離すると、硬
化した紫外線硬化型樹脂59によってレンズ樹脂層46
の上にレンズ樹脂層47が成形される。そして、レンズ
樹脂層46とレンズ樹脂層47の界面にマイクロレンズ
アレイ33が形成されると共にレンズ樹脂層47の表面
にマイクロレンズアレイ34のパターンが成形される
[図15(f)]。
【0065】さらに、硬化したレンズ樹脂層47の上
に、レンズ樹脂層47とは屈折率が異なり流動性のある
透明な紫外線硬化型樹脂60を供給した後、上側テーブ
ル54の下面にベースガラス45を吸着させ、紫外線硬
化型樹脂60の上からレンズ樹脂層47へ向けてベース
ガラス45を真っ直ぐに降下させる[図16(g)]。
このベースガラス45をレンズ樹脂層47に十分に押し
付けてベースガラス45とレンズ樹脂層47の間に紫外
線硬化型樹脂60を挟み込み、ベースガラス45で紫外
線硬化型樹脂60の表面を平らにならして紫外線硬化型
樹脂60をベースガラス45とレンズ樹脂層47の間に
押し広げた後、そのままの状態を保持し、ベースガラス
44及びレンズ樹脂層46、47を通して紫外線硬化型
樹脂60に紫外線ランプ等によって紫外線(UV光)を
照射する[図16(h)]。
【0066】紫外線を照射された紫外線硬化型樹脂60
は、紫外線を浴びると硬化反応を起こして硬化する。こ
の結果、紫外線硬化型樹脂60によってレンズ樹脂層4
7とベースガラス45の間にレンズ樹脂層48が成形さ
れると共にレンズ樹脂層47とレンズ樹脂層48の界面
にマイクロレンズアレイ34が成形される。
【0067】こうして図16(i)のような構造のマイ
クロレンズアレイ基板40が製造される。このマイクロ
レンズアレイ基板40の内面(ベースガラス45の表
面)には液晶層41を駆動するための走査電極43等を
形成するので、ここには高度な平面性が求められる。そ
のため図16(h)の工程で上側テーブル54によりベ
ースガラス45を押圧することにより、液晶用基板に要
求される平面性を損ねる程度にベースガラス45のうね
りが大きくなる場合には、最後にベースガラス45の研
磨工程を追加してもよい。研磨する場合には、予め研磨
される分だけ厚みの大きなベースカバー45を使用す
る。
【0068】また、この製造工程では、上側テーブル5
4の下面に吸着されるスタンパ57及びベースガラス4
5と、下側テーブル52の上面に吸着されるベースガラ
ス44の位置決めは、ある程度の精度でよい。上側テー
ブル54の下面に吸着されていたスタンパ57をベース
ガラス45に取り替えるまでは、スタンパ57とベース
ガラス44の相対位置は変化せず、マイクロレンズアレ
イ33のパターンとマイクロレンズアレイ34のパター
ンは同一のスタンパ57によって成形されるので、スタ
ンパ57とベースガラス44、45の位置決めがある程
度の精度であっても、マイクロレンズアレイ33とマイ
クロレンズアレイ34とはぴったりと一致することにな
る。
【0069】スタンパ57やベースガラス44の位置決
めがある程度の精度でよいのは、マイクロレンズアレイ
基板40を製作する際には、1基板ずつ製作するわけで
はなく、多くの場合、上記のようにしてマイクロレンズ
アレイ基板40をラフに作製した後、予めスタンパ57
に作り込んであったマーカーを基準にしてマイクロレン
ズアレイ基板40の外形をカットし、さらに必要に応じ
てマイクロレンズアレイ基板40を所定枚数にカットし
て使用するからである。ただし、この場合にはマイクロ
レンズアレイ33、34の焦点距離の調整は、各レンズ
樹脂層の屈折率によって行なうことになる。
【0070】なお、マイクロレンズアレイ33及び34
の焦点距離を各レンズパターンの曲率半径によって調整
する場合には、2種類のスタンパを用いる必要がある
が、その場合には、上側テーブル54に位置決め手段を
設けてスタンパの位置決めだけを精密に行なう必要があ
る。また、レンズ樹脂層46、47、48を成形するた
めの樹脂材料としては、紫外線硬化型樹脂以外の光硬化
型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などでもよ
い。もっとも、製造上の扱い易さと生産性の点で、いま
のところ紫外線硬化型が勝っている。
【0071】(スタンパの製造方法)つぎに、上記スタ
ンパ57の製造方法を図17に示す。まず、図17
(a)に示すような平板状のガラス板61を用意し、図
18に示すようにガラス板61の表面に、結像レンズ6
2で集光させたレーザー光を照射し、レーザー加工(レ
ーザーリトグラフィ)により2点鎖線で示す深さまでガ
ラス板61を蒸発除去し、ガラス板61の表面に所望の
凹凸パターン63(すなわち、マイクロレンズアレイ3
3、34のレンズパターンと同じ形状であって、予めレ
ーザー加工装置を制御するコンピュータに記憶させてい
る)を形成する[図17(b)]。ガラス板61の表面
に所望のレンズパターン63を形成してガラス板61か
らなる原盤64を作製した後、原盤64の上にニッケル
を堆積させ、ニッケル電鋳法により原盤の反転型である
ニッケルマスタ65を作製し[図17(c)]、ニッケ
ルマスタ65を原盤64から剥離する[図17
(d)]。ニッケル電鋳法によりニッケルマスタ65を
作製する際には、その準備として原盤64を例えば蒸着
法あるいは無電解メッキ法で導電化しておき、導電化さ
れた原盤64の表面を陰極とし、例えばスルファミン酸
ニッケル浴で電気メッキしてニッケルマスタ65を作製
する。
【0072】このニッケルマスタ65をさらにニッケル
電鋳法で複製したものをスタンパ57とする。ニッケル
マスタ65を複製する場合には、ニッケルマスタ65の
表面に例えば重クロム酸カリ溶液で酸化膜を作った後、
再びニッケル電鋳法により凸凹が反転したスタンパ57
(原盤の複製)を作製する[図17(e)]。
【0073】また、スタンパ57を作製するには、図1
9(a)〜(e)に示すように、ガラス板61の表面に
塗布されたレジスト68をレーザー加工することによっ
て原盤64を作製してもよい。レジスト68を使用する
場合には、ガラス板61とレジスト68の密着剤とし
て、例えばシランカップリング剤をガラス板61の表面
に塗布しておき、レーザー加工した後、露光、現像及び
洗浄の工程を経て、レジスト68による凹凸パターン6
3がガラス板61の表面に形成される[図19(a)
(b)]。この後の処理は、図17(c)以下と同様に
行う[図19(c)〜(e)]。
【0074】本実施形態にあっては、上記のようにして
マイクロレンズアレイ基板40を製作しているので、以
下に示す〜のような効果が得られる。 位置決め不要で、かつ、精度の高いレンズ位置合わ
せができる。上記実施形態から分かるように、マイクロ
レンズアレイを成形するためのスタンパとレンズ樹脂層
を積層していく基板となるベースガラスは、成形機の上
側テーブルと下側テーブルにそれぞれ吸着されて動かな
い。つまり、マイクロレンズアレイを複数層積層しても
複数層の各マイクロレンズアレイの位置がずれることが
ない。従って、特別に位置決めをしなくとも、従来の貼
り合わせ法により製造されたマイクロレンズアレイ基板
とは比較にならないくらい高精度のレンズ位置合わせが
可能になる。
【0075】 貼合わせでは事実上、不可能だった量
産が可能となる。上記のように、高精度の位置決めを行
なわなくても精度の高いレンズ位置決めを行なえるの
で、マイクロレンズアレイの量産が可能になる。 不良品発生率が低下し、歩留りが向上する。従来の
貼り合わせ法によるマイクロレンズアレイ基板では、異
物や気泡を挟み込むと、マイクロレンズアレイとしての
特性を満たせなくなり、マイクロレンズアレイ基板その
ものが不良品となってしまう。これに対し、本発明のマ
イクロレンズアレイ基板では、べースガラス間に納まる
大きさ(厳密には、べースガラスとスタンパの間の大き
さ)であれば、仮にレンズ樹脂層間などに異物や気泡が
混入しても、その部分のレンズ単体は欠陥部分となって
も、マイクロレンズアレイ基板全体が不良品になること
はない。なぜなら、スタンパで押圧されるレンズ樹脂層
(紫外線硬化型樹脂など)は、硬化前には流動性のよい
もので、レンズ樹脂層間やレンズ樹脂層とベースガラス
の間に異物や気泡を挟み込んだとしても、その部分に異
物や気泡が混入するだけで他の部分に影響を及ぼさない
(つまり、マイクロレンズ基板全体の反りや傾き、膨れ
などにならない)からである。
【0076】もちろん、許容される異物や気泡の大きさ
には限度がある。マイクロレンズアレイ基板は光学部品
であるから、投影型カラー液晶表示装置などの最終製品
となったときに欠陥と認められるようなものは、マイク
ロレンズアレイ基板としても欠陥品である。これには個
々の製品仕様によるが、少なくとも従来の製法のよう
に、数ミクロンの異物や気泡など微小な欠陥まで許容さ
れない訳ではない。
【0077】 製造工数が少ない 本発明によるマイクロレンズアレイ基板の製造方法によ
れば、レンズ位置決めに高い精度を要求されず、そのた
め製造工程においても非常に工数の多い工程が存在しな
い。また、スタンパによる単層マイクロレンズアレイ基
板の製造方法と比較しても、スタンパで樹脂を押圧して
硬化させる工程を繰り返すだけでよく、製造工数はほぼ
同等である。また、マイクロレンズアレイ基板の製造設
備も、単層のマイクロレンズアレイ基板を製造できる装
置であれば、屈折率の異なる樹脂の供給できるようにす
るだけでよく、ほぼそのままの製造装置により多層のマ
イクロレンズアレイを作製することができる。よって、
従来方法のように貼合せ装置が必要なく、設備コストが
安価になる。
【0078】 マイクロレンズアレイ基板に結合面が
少なく、設計の負担が減少する。このマイクロレンズア
レイ基板における複層化の構造設計で最も重要な点は、
レンズ樹脂層間の屈折率比および各マイクロレンズアレ
イのレンズ曲率である。この構造設計は、結合面(屈折
率の違う材質の境界面)が多くなれば、それだけ設計や
シミュレーションが複雑になる。具体的に言うと、図4
のような構造の従来のマイクロレンズアレイ基板では、
第1及び第2のマイクロレンズアレイ(パターン)間に
は、高屈折率樹脂、ガラス基板、レンズ基板(ガラス)
が存在しているのに対し、この実施形態のマイクロレン
ズアレイ基板では、マイクロレンズアレイ間には、レン
ズ樹脂層が1層存在するだけで、簡単な構造となってい
る。
【0079】なお、上記実施形態では2層のマイクロレ
ンズアレイを成形する方法について説明したが、本発明
の方法は、3層以上のマイクロレンズアレイを成形する
場合にも適用することができる。
【0080】(第2の実施形態)つぎに、マトリックス
状に配置された矩形絵素をスイッチングするアモルファ
ス・シリコン半導体薄膜トランジスタを介してダイナミ
ック表示駆動される周知のツイステッド・ネマテイック
モード(TN)のアクティブ・マトリックス型液晶表示
素子を用いた実施形態を説明する。
【0081】この実施形態の液晶表示素子では、図20
(a)に示すように絵素配列がデルタ配列になってお
り、各絵素に対応する各絵素電極71R、71G、71
Bがデルタ配列をなし、絵素電極71R、71G、71
Bを示していない部分は遮光層である。
【0082】絵素配列が、上記のようなデルタ配列の場
合、マイクロレンズアレイとしてレンチキュラーレンズ
を用いるのは不適当である。すなわち、この場合には、
図20(a)に示すように、方形状のマイクロレンズ7
2をレンガ積み状に配置したマイクロレンズアレイや、
個々のマイクロレンズの形状は、必ずしもそれに対応す
る絵素の組の形と相似形である必要はないため、同図
(b)及び(c)に示すように、球面レンズの外周部が
相互に融合した六角形のマイクロレンズ73を稠蜜に配
列した蜂の巣状のマイクロレンズアレイが用いられる。
【0083】図20(a)及び(c)に示す場合、一つ
のマイクロレンズ72(あるいは73)により集光され
る三原色の集光スポットは横一列に並び、1つのマイク
ロレンズ72(あるいは73)が横一列に並んだ三個の
絵素電極71R、71G、71Bに対応するように、絵
素配列とマイクロレンズアレイの相対的な位置関係が設
定されている。一方、同図(b)に示す場合には、一つ
のマイクロレンズ73により集光される三原色の各集光
スポットが、それぞれ三角形の頂点を形成するように並
び、一つのマイクロレンズ73がそれぞれ三角形の頂点
となるように並んだ3個の絵素電極71R、71G、7
1Bが対応するように、絵素配列とマイクロレンズアレ
イの相対的な位置関係が設定されている。
【0084】このように一組の集光スポットが三角形状
に照射される場合には、ダイクロイックミラーは、その
画法線の方向を傾けるように配置する。これにより、マ
イクロレンズの光軸と各色の入射光のなす角は小さくな
るので、マイクロレンズアレイの収差が低減される。
【0085】このような液晶表示素子に用いられる2層
のマイクロレンズアレイ、あるいはマイクロレンズアレ
イ基板としては第1の実施形態で説明したような構造の
ものを用いることができる。また、そのマイクロレンズ
アレイ基板も第1の実施形態で説明した製造方法と同様
にして製造することができる。
【0086】(第3の実施形態)つぎに、本発明のさら
に別な実施形態を説明する。図21は反射型カラー液晶
表示装置に用いられるマイクロレンズアレイ付きの反射
型液晶表示素子81の断面図である。また、図22はそ
のレンズ部分と画素の配列を示す図である。反射型液晶
表示素子81は、マイクロレンズアレイ基板40とガラ
ス基板82の対向面にそれぞれ透明な走査電極83と反
射電極84R、84G、84Bを形成し、その間に液晶
層85を充填して周囲をシール材86によって封止して
いる。
【0087】マイクロレンズアレイ基板40は、透明で
互いに屈折率の異なる3層のレンズ樹脂層46、47、
48をベースガラス44、45間に挟み込んだものであ
って、レンズ樹脂層46、47、48の界面にマイクロ
レンズアレイ33、34が形成されている。このマイク
ロレンズアレイ基板40は、第1の実施形態において説
明したものと同じものであるから、詳細な構造や製造方
法は説明を省略する。
【0088】このようなマイクロレンズアレイ基板40
においては、図25に示すように、第1のマイクロレン
ズアレイ33は各色の光束を集光し、第2のマイクロレ
ンズアレイ34は、第1のマイクロレンズアレイ33を
透過した各光束の主光線が対応する反射電極84R、8
4G、84Bに垂直に入射するように屈折させる。反射
電極84R、84G、84Bに垂直に光束が照射される
ことにより、反射電極84R、84G、84Bで反射し
た光束はもとのレンズ部分を通って反射型液晶表示素子
81の前面から出射される。
【0089】また、マイクロレンズアレイ33、34を
構成する個々のレンズ部分には、反射電極84R、84
G、84Bの中心が3角形の頂点位置に均等に配列され
ている。この配列にあっては、図22に点線で示すよう
に赤(R)、青(B)、緑(G)の各画素(反射電極8
4R、84G、84B)が複数のレンズ部分にわたって
直線状に配列されている。
【0090】また、レンズ部分と反射電極84R、84
G、84Bの配列については、図23に示すように、赤
(R)、青(B)、緑(G)の各画素を直線状に配列す
るとともに1つのレンズ部分内に収めるようにしてもよ
い。あるいは、図24に示すように、レンズ部分の輪郭
形状を六角形でなく四角形にしてもよい。
【0091】しかして、ダイクロイックミラーによって
三原色に分解された光束は、図21に示すように、異な
る角度でマイクロレンズアレイ基板40に入射し、第1
のマイクロレンズアレイ33で絞られ、第2のマイクロ
レンズアレイ34で屈折されて反射電極84R、84
G、84Bに垂直に入射させられ、反射電極84R、8
4G、84Bで反射した光束は入射時と同一の光路をた
どって元の方向へ出射する。こうして、マイクロレンズ
アレイ33、34の各レンズ部分の中心から各光束が入
射すれば、この入射光束に対応する反射光束もレンズ部
分の中心から出射することになり、投影レンズ径の小径
化を図りつつ照射光の有効利用が図れる。
【0092】(第4の実施形態)図26は本発明のさら
に別な実施形態による反射型表示装置101の構成を示
す概略図である。これはDMD(digital micromirror
device)102と呼ばれる微細な光学素子を用いたもの
であって、例えばプロジェクタなどに用いられる。
【0093】まず、DMD102について説明する。こ
れはマイクロマシニング技術を用いることにより、Si
基板103上に多数の微細なマイクロミラー105を配
列させた光学素子である。このDMDの1画素分の構造
を図27に示す。Si基板103の上面には一対の支持
部106が設けられており、Si基板103の表面にお
いてトーションヒンジ107の両端が支持部106によ
って支持されている。トーションヒンジ107には、ヨ
ーク108の中央部が取り付けられており、ヨーク10
8の中心に立てられた柱部109の上端にマイクロミラ
ー105が形成されている。Si基板103の上面に
は、静電気等の電気磁気的な力によってヨークに駆動力
を及ぼしてトーションヒンジ107を捩らせながらヨー
ク108の傾きを調整することにより、マイクロミラー
105の角度を制御するためのミラー駆動手段(図示せ
ず)が設けられている。こうしてヨーク108を傾ける
ことにより、マイクロミラー105の角度を変化させる
ことができ、マイクロミラー105に光を照射している
と、反射光の方向を自由に制御することができる。
【0094】DMD102を用いた反射型表示素子10
1は、図26に示すように、DMD102に対向させて
マイクロレンズアレイ基板40を配置し、光源110か
ら出射された白色光をダイクロイックミラー111によ
って赤、緑、青の光束に分光させ、各色の光束をマイク
ロレンズアレイ基板40を透過させることにより、1絵
素を構成する3つのマイクロミラー105に照射させる
ようにしたものである。各絵素において、スクリーン1
14に表示する必要のない光束は、マイクロミラー10
5によって横方向へ反射されて光アブソーバ112に吸
収され、スクリーンに表示する場合には、マイクロミラ
ー105によってプロジェクションレンズ113の方向
へ反射させ、プロジェクションレンズ113によってス
クリーン114上に結像され、表示画像の1画素とな
る。また、階調を表示するには、1フレーム周期の間に
階調レベルに応じて時分割された時間だけ、スクリーン
に光が投射されるようにミラーを制御する。例えば25
6階調では、1フレーム時間(60フレームでは1/6
0秒)を256分の1に分けた間隔でミラーを制御して
いる。
【0095】このようなDMD102を用いた反射型表
示装置101において2層構造のマイクロレンズアレイ
基板40を用いれば、マイクロレンズアレイ基板40と
DMD102の間で各色の光束の主光線が平行となるよ
うに出射されるから、マイクロミラー105間のピッチ
を小さくすることができ、反射型表示装置101の画素
を精細化することができる。しかも、そのマイクロレン
ズアレイ基板40としてレンズ樹脂層の界面によってマ
イクロレンズアレイ33、34を成形したものを用いれ
ば、光学特性を良好にできるので、反射型表示装置の品
質が良好となり、コストも安価にできる。
【0096】さらには、本発明のマイクロレンズアレイ
基板は、画像表示装置の応用分野として、投影型プロジ
ェクタ、背面投影型のプロジェクタテレビ(リアプロT
V)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD;近年パー
チャルアミューズメントなどに用いらている眼鏡式の表
示モニタ)などにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影型カラー液晶表示装置の構成を示す
断面図である。
【図2】同上の装置に用いられているダイクロイックミ
ラーの構成を示す図である。
【図3】同上の装置に用いられている液晶表示素子とマ
イクロレンズアレイを示す断面図である。
【図4】別な従来例の投影型カラー液晶表示装置に用い
られている液晶表示素子とマイクロレンズアレイ基板を
示す断面図である。
【図5】同上のマイクロレンズアレイの作用を説明する
図である。
【図6】(a)(b)(c)(d)(e)は同上のマイ
クロレンズアレイの製造方法を説明する断面図である。
【図7】同上のマイクロレンズアレイやガラス基板等か
らマイクロレンズアレイ基板を製作する方法を説明する
図である。
【図8】本発明の一実施形態による投影型カラー液晶表
示装置の構成を示す断面図である。
【図9】同上の装置に用いられている液晶表示素子とマ
イクロレンズアレイを示す断面図である。
【図10】同上の装置に用いられているマイクロレンズ
アレイ基板の作用を説明する図である。
【図11】(a)(b)は同上のマイクロレンズアレイ
の焦点距離の調整方法を説明する図である。
【図12】(a)(b)は同上のマイクロレンズアレイ
の焦点距離の別な調整方法を説明する図である。
【図13】同上のマイクロレンズアレイ基板を製造する
ための成形機の上側テーブル及び下側テーブルを示す概
略断面図である。
【図14】(a)(b)(c)は同上のマイクロレンズ
アレイ基板の製造工程を説明する図である。
【図15】(d)(e)(f)は図14の続図である。
【図16】(g)(h)(i)は図15の続図である。
【図17】(a)〜(e)はマイクロレンズアレイのパ
ターンを成形するためのスタンパの製造方法を説明する
図である。
【図18】ガラス板をレーザー加工する様子を示す図で
ある。
【図19】(a)〜(e)はマイクロレンズアレイのパ
ターンを成形するためのスタンパの別な製造方法を説明
する図である。
【図20】(a)(b)(c)は本発明の別な実施形態
における投影型カラー液晶表示装置に用いられるマイク
ロレンズアレイの形状を示す図である。
【図21】本発明のさらに別な実施形態による反射型液
晶表示素子の構造を示す断面図である。
【図22】同上の素子におけるレンズ部分と画素の配列
を示す図である。
【図23】同上の素子におけるレンズ部分と画素の別な
配列を示す図である。
【図24】同上の素子におけるレンズ部分と画素のさら
に別な配列を示す図である。
【図25】同上の素子における照射光と反射光の光路を
示す図である。
【図26】本発明のさらに別な実施形態による反射型表
示装置の構成を示す概略図である。
【図27】同上の表示装置に用いられているDMDの構
造を示す斜視図である。
【符号の説明】
32 液晶表示素子 33、34 マイクロレンズアレイ 38R、38G、38B ダイクロイックミラー 40 マイクロレンズアレイ基板 41 液晶層 44、45 ベースガラス 46、47、48 レンズ樹脂層 56、59、60 紫外線硬化型樹脂 57 スタンパ 102 DMD 105 マイクロミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 G02F 1/1335 // B29L 11:00 Fターム(参考) 2H091 FA05Z FA14Z FA26X FA26Z FA29Z FA41Z FB02 FC01 FC23 FD04 FD06 FD18 KA01 LA12 MA07 4F100 AK01A AK01B AK01C BA03 DD04A DD04B DD05A DD05B EG00B EJ08 EJ39 EJ54 GB41 GB90 JL02 JN01A JN01B JN01C JN18A JN18B 4F205 AA44 AG03 AG27 AH75 GA06 GB01 GB22 GB29 GC01 GF01 GF23 GN28 GN29

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層のレンズアレイを備えたレンズア
    レイ基板であって、 複数の透光性樹脂層が積層され、互いに屈折率の異なる
    透明樹脂層どうしの境界面によりレンズアレイが形成さ
    れているレンズアレイ基板。
  2. 【請求項2】 隣り合うレンズアレイの間には、1層の
    透光性樹脂層のみ存在することを特徴とする、請求項1
    に記載のレンズアレイ基板。
  3. 【請求項3】 前記レンズアレイの立体形状がいずれも
    同一であることを特徴とする、請求項1に記載のレンズ
    アレイ基板。
  4. 【請求項4】 前記レンズアレイは、複数のレンズ面を
    緻密に配列したものであることを特徴とする、請求項1
    に記載のレンズアレイ基板。
  5. 【請求項5】 複数層のレンズアレイを備えたレンズア
    レイ基板の製造方法であって、 未硬化の樹脂材料に第1のスタンパを押圧した状態で当
    該樹脂材料を硬化させて第1の透光性樹脂層を成形する
    工程と、 第1の透光性樹脂層の上に当該透光性樹脂層と屈折率の
    異なる未硬化の樹脂材料を供給し、この透光性樹脂層に
    第2のスタンパを押圧した状態で当該樹脂材料を硬化さ
    せて第2の透光性樹脂層を成形し、第1及び第2の透光
    性樹脂層の境界面にレンズアレイを形成する工程と、 第2の透光性樹脂層の上に当該透光性樹脂層と屈折率の
    異なる未硬化の樹脂材料を供給し硬化させて第3の透光
    性樹脂層を成形し、第2及び第3の透光性樹脂 層の境界面に別なレンズアレイを形成する工程と、を備
    えたレンズアレイ基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のスタンパと第2のスタンパと
    は、同一のスタンパであることを特徴とする、請求項5
    に記載のレンズアレイ基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 入射光を透過させながら空間変調して画
    像を生成するための空間変調素子と、 前記空間変調素子の光入射側に配置された、請求項1、
    2、3又は4に記載したレンズアレイ基板と、 周波数の異なる複数の光束を前記レンズアレイ基板へ照
    射する手段と、を備えた画像表示装置。
  8. 【請求項8】 入射光した光を反射させながら空間変調
    して画像を生成するための空間変調素子と、 前記空間変調素子の光入射側に配置された、請求項1、
    2、3又は4に記載したレンズアレイ基板と、 周波数の異なる複数の光束を前記レンズアレイ基板へ照
    射する手段と、を備えた画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記空間変調素子は、配列された多数の
    反射板を制御することによって画像を生成するものであ
    ることを特徴とする、請求項8に記載の画像表示装置。
JP26368498A 1998-09-17 1998-09-17 レンズアレイ基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3932690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26368498A JP3932690B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 レンズアレイ基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26368498A JP3932690B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 レンズアレイ基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000098102A true JP2000098102A (ja) 2000-04-07
JP3932690B2 JP3932690B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=17392911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26368498A Expired - Fee Related JP3932690B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 レンズアレイ基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3932690B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6437918B1 (en) * 1996-07-22 2002-08-20 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Method of manufacturing flat plate microlens and flat plate microlens
WO2003083525A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Sharp Kabushiki Kaisha Substrat a matrices de microlentilles et procede de production, et ecran d'affichage a cristaux liquides de type projection utilisant ces substrats
US6822799B2 (en) 2002-09-12 2004-11-23 Sharp Kabushiki Kaisha Exposing apparatus and exposing method for microlens array
US7031064B2 (en) 2002-09-25 2006-04-18 Sharp Kabushiki Kaisha Method of microlens array and projection type of liquid crystal display apparatus
JP2007133196A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 光収束シート、面光源装置
JP2007226075A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Ricoh Opt Ind Co Ltd 対向基板、液晶表示素子及び液晶プロジェクタ並びに対向基板製造方法
JP2008097032A (ja) * 2000-10-04 2008-04-24 Sharp Corp マイクロレンズアレイ、液晶表示素子および投影型液晶表示装置
US7379160B2 (en) * 2002-07-12 2008-05-27 Nikon Corporation Optical integrator, illumination optical device, exposure apparatus, and exposure method
JP2009206018A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Kuraray Co Ltd 照明装置及び光制御板
JP2010194760A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Sharp Corp 成形装置、成形型の製造方法、光学素子アレイ板の製造方法、電子素子モジュールの製造方法、電子情報機器
JP2011059580A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Fujifilm Corp ウェハレベルレンズアレイの製造方法、ウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニット
JP4769912B1 (ja) * 2011-02-28 2011-09-07 パイオニア株式会社 光学素子、ヘッドアップディスプレイ及び光学素子の製造方法
WO2017057386A1 (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 シャープ株式会社 ヘッドマウントディスプレイ
JP2020190744A (ja) * 2020-07-28 2020-11-26 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、及び電子機器
JP7424175B2 (ja) 2020-04-07 2024-01-30 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置および電子機器

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6437918B1 (en) * 1996-07-22 2002-08-20 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Method of manufacturing flat plate microlens and flat plate microlens
JP2008097032A (ja) * 2000-10-04 2008-04-24 Sharp Corp マイクロレンズアレイ、液晶表示素子および投影型液晶表示装置
WO2003083525A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Sharp Kabushiki Kaisha Substrat a matrices de microlentilles et procede de production, et ecran d'affichage a cristaux liquides de type projection utilisant ces substrats
CN1303439C (zh) * 2002-03-29 2007-03-07 夏普株式会社 微透镜阵列基板及其制造方法以及使用该基板的投影液晶显示装置
US7338754B2 (en) 2002-03-29 2008-03-04 Sharp Kabushiki Kaisha Micro-lens array substrate and production method therefor, and projection type liquid crystal display unit using those
US7379160B2 (en) * 2002-07-12 2008-05-27 Nikon Corporation Optical integrator, illumination optical device, exposure apparatus, and exposure method
US6822799B2 (en) 2002-09-12 2004-11-23 Sharp Kabushiki Kaisha Exposing apparatus and exposing method for microlens array
US7031064B2 (en) 2002-09-25 2006-04-18 Sharp Kabushiki Kaisha Method of microlens array and projection type of liquid crystal display apparatus
JP4684859B2 (ja) * 2005-11-11 2011-05-18 大日本印刷株式会社 光収束シート、面光源装置
JP2007133196A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 光収束シート、面光源装置
JP2007226075A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Ricoh Opt Ind Co Ltd 対向基板、液晶表示素子及び液晶プロジェクタ並びに対向基板製造方法
JP2009206018A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Kuraray Co Ltd 照明装置及び光制御板
JP2010194760A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Sharp Corp 成形装置、成形型の製造方法、光学素子アレイ板の製造方法、電子素子モジュールの製造方法、電子情報機器
JP2011059580A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Fujifilm Corp ウェハレベルレンズアレイの製造方法、ウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニット
US8542309B2 (en) 2009-09-14 2013-09-24 Fujifilm Corporation Wafer-level lens array, method of manufacturing wafer-level lens array, lens module and imaging unit
JP4769912B1 (ja) * 2011-02-28 2011-09-07 パイオニア株式会社 光学素子、ヘッドアップディスプレイ及び光学素子の製造方法
WO2012117495A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 パイオニア株式会社 光学素子、ヘッドアップディスプレイ及び光学素子の製造方法
US8422137B2 (en) 2011-02-28 2013-04-16 Pioneer Corporation Optical element, head-up display and method for producing optical element
WO2017057386A1 (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 シャープ株式会社 ヘッドマウントディスプレイ
JP7424175B2 (ja) 2020-04-07 2024-01-30 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置および電子機器
JP2020190744A (ja) * 2020-07-28 2020-11-26 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、及び電子機器
JP7243692B2 (ja) 2020-07-28 2023-03-22 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、及び電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3932690B2 (ja) 2007-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4230187B2 (ja) マイクロレンズアレイの製造方法およびマイクロレンズアレイの製造装置
JP4210070B2 (ja) マイクロレンズ基板の作製方法
US7401926B2 (en) Space light modulating apparatus, projector including same, process for manufacturing microstructure element used in same, and microstructure element manufactured by the same process
JP3983652B2 (ja) マイクロレンズアレイ基板の製造方法および製造装置
KR100511543B1 (ko) 마이크로 렌즈 기판의 제작 방법 및 마이크로 렌즈 노광광학계
JP3932690B2 (ja) レンズアレイ基板の製造方法
JP2002214405A (ja) レンズアレイ基板および画像表示装置
JP3970784B2 (ja) マイクロレンズ基板、及びそれを備えた液晶表示素子、並びに投影型液晶表示装置
KR20020090894A (ko) 액정 표시 소자 및 투사형 액정 표시 장치
JP4214713B2 (ja) マイクロレンズアレイ、液晶表示素子及び投射装置
JP4264528B2 (ja) マイクロレンズアレイの製造方法
JP3975602B2 (ja) マイクロレンズアレイ基板
JP2000155201A (ja) レンズアレイ基板、その製造方法及び反射型画像表示装置
JP5569013B2 (ja) 液晶表示素子及び液晶表示素子を備える投射型液晶表示装置
JP3908193B2 (ja) マイクロレンズ基板の製造方法
JP2003098595A (ja) 画像表示装置及び画素像縮小方法及び画素像縮小光学構造
JP4032555B2 (ja) マイクロレンズアレイ
JP2000314876A (ja) 液晶表示素子および液晶表示装置
JP2005070666A (ja) マイクロレンズ基板の製造方法
JP2004017324A (ja) 2層マイクロレンズアレイおよびその製造方法
JP4133652B2 (ja) パターン形成方法およびこれを用いた2層構造マイクロレンズ
JPH09113899A (ja) 反射型画像表示素子
JP2005165225A (ja) 3次元構造物の形成方法および露光装置
JP2004226607A (ja) 光屈折素子アレイ基板および画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees