JP5569013B2 - 液晶表示素子及び液晶表示素子を備える投射型液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子及び液晶表示素子を備える投射型液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示素子を搭載した投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)の開発が盛んに行われている。投射型液晶表示装置には、機能、形態からパーソナルコンピュータ用途などのデータプロジェクタ、ホームシアター用途などのフロントプロジェクタ、リアプロジェクタテレビジョン用途などのリアプロジェクタ等がある。
投射型液晶表示装置は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色のサブピクセルを各ドットに設けた液晶表示素子を1枚使った単板式と、モノクロの液晶表示素子をR、G、Bの光路ごとに3枚使った3板式とに大別される。また、投射型液晶表示装置は、その中枢となる液晶表示素子が透過型か反射型かに応じて、透過型プロジェクタと反射型プロジェクタとに分けられる。
投射型液晶表示装置においては、高輝度化、高画質化、高精細化、低価格化等に対する要求が高く、特に、投射光量の向上要求が高い。
投射光量は、投射画像の視認性の度合いを示すものであり、かかる投射光量を決定づける要素の1つに液晶表示素子がある。
液晶表示素子は、光源から出射される光を画像信号に応じて空間的に変調し、その変調された画像を出射する役割をもつ。液晶表示素子により変調された光は、投射レンズによってスクリーンや壁などの投射面に投射され、その投射面上に画像を形成する。
また、液晶表示素子は、各画素を駆動するために薄膜トランジスタ(以下、「TFT素子」という)などが基板上に作り込まれる。そのため、隣接する画素間にはブラックマトリクスと呼ばれる光の遮蔽領域が設けられている。したがって、その開口率は決して100%とはならない。
そこで、液晶表示素子における実質的な開口率を上げるために、光入射側に配置された対向基板上に各ドット(1ピクセル又は1サブピクセル)に対応して光軸方向にマイクロレンズを配置し、液晶表示素子の実効開口率を上げる工夫がなされたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
図12に特許文献1を含む従来の液晶表示素子の概略構造を示す。従来の液晶表示素子では、光入射側に配置された対向基板100上に各画素に1つずつマイクロレンズ200を配置し、実効開口率を上げる工夫がなされている。なお、図12において、符号300はブラックマトリクスを、符号400はTFT基板を、符号500は液晶層を示している。
ここで、液晶表示素子における“実効開口率”とは、液晶表示素子に入射する全光束に対する、液晶表示素子から出射される全光束の割合をいう。なお、投射型液晶表示装置においては、通常、液晶表示素子による光の損失のみならず、後段の投射レンズによる光のケラレを考慮したものを、液晶表示素子の実効開口率という。このようにマイクロレンズ200を配置することにより、ブラックマトリクス300の遮光による光損失は小さくなる。
ところで、マイクロレンズ200の形成方法としては、以下のような方法が知られている。例えば、透明基板上にレジストパターンを形成した後に加熱し、溶融したレジストパターンの表面張力により凸レンズ形状を得るメルトフロー法、あるいは、マイクロレンズ金型に紫外線硬化樹脂を流し込み、その上にガラス基板を押し当ててガラス基板側から紫外線を照射して樹脂を硬化させ、ガラス基板上に樹脂マイクロレンズを形成するスタンパ法、さらには、透明基板をエッチングして半球状のレンズ形状を得るエッチング法などである。
ここで、マイクロレンズ200の形成方法の一例として、透明基板へのウエットエッチングによるマイクロレンズ作製工程について、図13A〜図13Gを参照しながら簡単に説明する。
(a)先ず、ガラス基板からなる透明基板210上に開口部610を形成したマスク600を形成する(図13A参照)。
(b)次いで、透明基板210全体をマスク600ごとエッチング液に浸漬し、マスク600の開口部610からウエットエッチングする(図13B参照)。
(c)次いで、エッチング形状が所定の曲率半径に達したらエッチングを停止する(図13C参照)。
(d)その後、マスク600を剥離する(図13D参照)。
(e)次いで、凹部形状のエッチング部510に、透明基板210より屈折率の高い光硬化型又は熱硬化型の樹脂700を滴下する(図13E参照)。
(f)次いで、カバーガラス800を貼りつけ、光照射又は加熱により樹脂を硬化させ、カバーガラス800を接着する(図13F参照)。
(g)最後に、カバーガラス800を所定の厚さまで研磨してマイクロレンズ基板を得る(図13G参照)。
また、図13A〜図13Gで示した樹脂700やカバーガラス800の代わりに、図14A〜図14Cに示すように、無機膜の積層によるマイクロレンズ作製方法もある。なお、図14Aまでの工程は図13A〜図13Dと共通である。
すなわち、上述した(a)〜(d)の工程(図13A〜図13D参照)を経た後、
(e)凹部形状のエッチング部510に透明基板210より高屈折率の無機膜900をP−CVD(プラズマCVD)法で積層して凹部形状のエッチング部510に充填する(図14A参照)。なお、透明基板210より高屈折率の無機膜900としては、例えばSiONなどがある。
(f)次いで、高屈折率の無機膜900の表面を研磨、平坦化する(図14B参照)。
(g)そして、カバーガラス800(図13F及び図13G参照)の代わりにSiOなどの低屈折率の無機膜を、P−CVD法で所定の厚さに積層して無機カバー層910を形成し、マイクロレンズ基板を得る(図14C参照)。なお、ここで無機カバー層910に低屈折率の無機膜を積層する理由は、マイクロレンズの集光効率を最大化するために、ある程度、マイクロレンズから液晶面(図12参照)までの厚さが必要であるからである。その厚さは、空気中の光学的厚さとして示されるが、実際の無機膜の厚さは、空気中の光学的厚さ×屈折率で表される。しかし、生産上は無機カバー層910をなるべく薄くして積層時間を短縮することが望ましいことから、無機カバー層910には低屈折率の無機膜が用いられる。
上述した方法で製造したマイクロレンズ200のサイズについて説明する。図15は一般的なマイクロレンズ200の各種パラメータの説明図である。図示するように、通常、液晶プロジェクタ用の液晶パネルの画素ピッチ及びマイクロレンズサイズDは10μm〜30μm程度である。これに伴い、マイクロレンズ200のレンズ厚さ(マイクロレンズ厚t)は3μm〜10μm、またマイクロレンズ200から液晶面(図12参照)までの無機カバー層910をSiOなどの無機膜で構成する場合、無機カバー層910の厚さ(カバー厚T)は10μm〜30μm程度になる。図中、fはレンズ焦点距離を示す。
特開2009−63888号公報
上述したように、液晶プロジェクタ用の液晶素子の画素ピッチ及びマイクロレンズサイズDは10μm〜30μm程度であるが、画素ピッチが20μm以上のパネルのマイクロレンズを作製する場合には、以下のような課題があった。
マイクロレンズ付き液晶パネルを用いた液晶プロジェクタでは、マイクロレンズの集光角度は投射レンズのF値で規定される。投射レンズのF値は一般に1.6〜1.8程度であり、これを円錐の半頂角で示される投射レンズの受光角に換算すると16度〜18度(17度±1度)が受光角度範囲となる。これ以上の拡がり角度でマイクロレンズから光線が射出されても光線は投射レンズを通過できず、光利用効率が低下するからである。そのため、マイクロレンズは、その集光角が前記受光角度範囲で液晶パネルの実効開口率が最大となるよう設計される。
したがって、どの液晶プロジェクタであっても、それに対応するマイクロレンズのF値も1.6〜1.8程度になる。また、集光角も17±1度になるので、液晶パネルの画素ピッチが異なる場合、相似の原理によりマイクロレンズのサイズやそれに関するレンズパラメーターは液晶パネルの画素ピッチに比例する。
すなわち、大きな画素ピッチの液晶パネルでは、図12に示したマイクロレンズサイズD、レンズの厚さt、レンズ焦点距離f、及びマイクロレンズ〜液晶パネルまでの距離、すなわち図13Fにおけるカバーガラス800の厚さや図14Gにおける無機カバー層910のカバー厚Tなどが増大することになる。
しかし、画素ピッチに比例してマイクロレンズ厚tを増大させることは、マイクロレンズの生産性が低下することになる。
例えば、図13Aの透明基板210(ガラス基板)をウエットエッチングしてマイクロレンズ200を作製する方式では、エッチング時間がレンズ体積に比例して長くなってしまう。また、エッチング液に透明基板210の成分が流出し、同じエッチング液で何度もエッチングを行うとエッチングレートが低下してしまう。したがって、後のロットではマイクロレンズのエッチング量が不充分になり、レンズ形状差やバラツキが大きくなる。マイクロレンズの形状を精度よく管理するためには、エッチング液を定期的に交換する必要があるが、レンズサイズが大きいとエッチング液の交換頻度も増えるため、生産性低下やコスト増加を招くことになる。
また、無機カバー層910となる低屈折率の無機膜をCVDで積層する製造方法(図14A〜図14Cを参照)を大画素ピッチのマイクロレンズに適用すると、積層時間が長くなってしまい、生産性を著しく低下させてしまう。
すなわち、CVDの堆積速度は通常30〜100nm/分であり、仮に無機カバー層910の無機膜を10μm厚で積層すると1時間半以上要し、30μmの無機膜積層では5時間以上を要することになる。他方、生産時間短縮のためマイクロレンズ厚tや無機カバー層910のカバー厚Tを薄く設定すると、最適なレンズ条件から外れてしまい、マイクロレンズの集光性能は低下する。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、画素ピッチを大きくしても、マイクロレンズの生産性と集光性能とを両立することのできる液晶表示素子と、このような液晶表示素子を備えた投射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、光入射側から順に、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、カバー層と、を有する第1基板と、前記第1基板の光出射側に形成され、画素ごとに前記第1基板から入射した光を変調可能な液晶層と、前記液晶層の光出射側に形成され、前記画素の開口部を画定する遮光層を有する第2基板と、を備え、前記マイクロレンズは、各前記開口部に対してn×n個(nは2以上の整数)を2次元配列し、その光軸はレンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に偏倚しており(前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズを除く)、前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズの光軸はレンズ形状の中心に対して偏倚しておらず、前記マイクロレンズのサイズは、画素ピッチの1/nであり、前記カバー層の厚みは、各前記開口部に対して2次元配列されたn×n個のマイクロレンズのレンズ焦点が前記開口部において前記液晶層に面する遮光膜の位置に調整されている液晶表示素子とした。
また、請求項に係る発明では、光を発する光源と、前記光源から出射された光を光学的に変調する液晶表示素子と、前記液晶表示素子によって変調された光を投射する投射レンズと、を備え、前記液晶表示素子は、光入射側から順に、複数のマイクロレンズが2次元配列されたマイクロレンズアレイと、カバー層と、を有する第1基板と、前記第1基板の光出射側に形成され、画素ごとに前記第1基板から入射した光を変調可能な液晶層と、前記液晶層の光出射側に形成され、前記画素の開口部を画定する遮光層を有する第2基板と、を備え、前記マイクロレンズは、各前記開口部に対してn×n個(nは2以上の整数)を2次元配列し、その光軸はレンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に偏倚しており(前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズを除く)、前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズの光軸はレンズ形状の中心に対して偏倚しておらず、前記マイクロレンズのサイズは、画素ピッチの1/nであり、前記カバー層の厚みは、各前記開口部に対して2次元配列されたn×n個のマイクロレンズのレンズ焦点が前記開口部において前記液晶層に面する遮光膜の位置に調整されている投射型液晶表示装置とした。
本発明によれば、カバー層厚とレンズ厚が薄いマイクロレンズを作製することができるため、マイクロレンズ作製時間の短縮が図れ、その結果、生産性が向上する。また、分割された複数のマイクロレンズの各光軸の偏倚量を調節することにより、1画素に1個のマイクロレンズが形成された場合よりも高いレンズ効率が期待できる。したがって、生産性と性能が両立する液晶表示素子、及び同液晶表示素子を備える投射型液晶表示装置の提供が可能となる。
本発明の一実施形態に係る投射型液晶表示装置の全体構成の一例を示す図である。 図1に示す液晶表示素子の概略構成を示す説明図である。 図1に示す液晶表示素子の要部の構成を示す説明図である。 図1に示す液晶表示素子におけるマイクロレンズの一例を示す平面視による説明図である。 図4AのA−A’における断面形状を示す説明図である。 一般的な液晶表示素子の集光状態を示す説明図である。 図1に示す液晶表示素子の集光状態を示す説明図である。 マイクロレンズを薄型化する原理説明図である。 マイクロレンズを薄型化する原理説明図である。 マイクロレンズを薄型化する原理説明図である。 マイクロレンズを薄型化する原理説明図である。 図4Aに示すマイクロレンズの製造工程を示す説明図である。 図7AのB−B’における断面形状を示す説明図である。 図4Aに示すマイクロレンズの製造工程を示す説明図である。 図8AのB−B’における断面形状を示す説明図である。 図4Aに示すマイクロレンズの製造工程を示す説明図である。 図9Aに示すB−B’における断面形状を示す説明図である。 図9Aに示すA−A’における断面形状を示す説明図である。 図4Aに示すマイクロレンズの製造工程を示す説明図である。 図10Aに示すA−A’における断面形状を示す説明図である。 2画素分のマイクロレンズが隣接形成された状態を示す説明図である。 図11Aに示すC−C’における断面形状を示す説明図である。 従来の液晶表示素子を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 マイクロレンズの製造工程の一例を示す説明図である。 一般的なマイクロレンズの各種パラメータの説明図である。
本発明の一実施形態としての投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)は、以下の構成を有している。
すなわち、本実施形態に係る投射型液晶表示装置は、光を発する光源と、光源から出射された光を光学的に変調する液晶表示素子と、液晶表示素子によって変調された光を投射する投射レンズとを備えている。液晶表示素子は、複数のマイクロレンズが2次元配列されたマイクロレンズアレイを有する第1基板と、第1基板の光出射側に形成され、画素ごとに第1基板から入射した光を変調可能な液晶層と、液晶層の光出射側に形成され、画素の開口部を画定する遮光層を有する第2基板とを備えている。そして、第1基板のマイクロレンズは、第2基板の各開口部に対して複数設けられ、その光軸はレンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に偏倚している。
つまり、第1基板に二次元配列された複数のマイクロレンズの各光軸が、レンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に寄せて配置されているものである。
このように、本実施形態に係る投射型液晶表示装置は、主として液晶表示素子の構成に特徴を有する。以下、本発明の実施形態を、以下の順序で図面を参照しながら説明する。
1.投射型液晶表示装置の全体構成
2.液晶表示素子の構成及び製造方法
3.液晶表示素子の変形例
〔1.投射型液晶表示装置の全体構成〕
図1に示すように、本実施形態に係る投射型液晶表示装置1は、光を発する光源11と、対をなす第1フライアイレンズ12及び第2フライアイレンズ13と、これらのフライアイレンズ12,13の間に設けられ、光路(光軸10)を第2フライアイレンズ13側に略90度曲げるように配置された全反射ミラー14とを備えている。
光源11はカラー画像表示に必要とされる、赤色光、青色光及び緑色光を含んだ白色光を発するようになっている。この光源11は、白色光を発する発光体(図示せず)と、発光体から発せられた光を反射する凹面鏡とを含んで構成されている。発光体としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ又はキセノンランプ等が使用される。凹面鏡は、例えば回転楕円面鏡や回転放物面鏡等の回転対称な面形状となっている。
第1フライアイレンズ12には複数のマイクロレンズ12Mが、また、第2フライアイレンズ13には複数のマイクロレンズ13Mが、それぞれ対応して2次元的に配列されている。これらのフライアイレンズ12,13は、光の照度分布を均一化させるためのものであり、入射した光を複数の小光束に分割する機能を有している。従って、光源11から発せられた白色光は、第1フライアイレンズ12及び第2フライアイレンズ13を透過することにより、複数の小光束に分割される。
この投射型液晶表示装置1は、また、第2フライアイレンズ13の光出射側に、PS合成素子15と、コンデンサレンズ16と、ダイクロイックミラー17とを順番に備えている。
第1フライアイレンズ12及び第2フライアイレンズ13を透過した光は、PS合成素子15に入射する。PS合成素子15には、第2フライアイレンズ13における隣り合うマイクロレンズ間に対応する位置に、複数の1/2波長板15Aが設けられている。PS合成素子15は、入射した光を第1偏光光(P偏光成分)及び第2偏光光(S偏光成分)に分離し、一方の偏光光(例えばS偏光成分)を、その偏光方向を保ったままPS合成素子15から出射し、他方の偏光光(例えばP偏光成分)を、1/2波長板15Aの作用により、他の偏光成分(例えばS偏光成分)に変換して出射する。これにより、分離された2つの偏光光の偏光方向が特定の方向(例えばS偏光)に揃えられる。
PS合成素子15を出射した光は、コンデンサレンズ16を透過した後、ダイクロイックミラー17に入射する。ダイクロイックミラー17は、入射した光を、赤色光LRと、その他の色光とに分離する。
また、この投射型液晶表示装置1は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRの光路に沿って、全反射ミラー18と、フィールドレンズ24Rと、液晶表示素子25Rとを順番に備えている。
全反射ミラー18は、ダイクロイックミラー17によって分離された赤色光LRを、液晶表示素子25Rに向けて反射する。全反射ミラー18によって反射された赤色光LRは、フィールドレンズ24Rを介して液晶表示素子25Rに入射する。液晶表示素子25Rに入射した赤色光LRは、液晶表示素子25Rにおいて、画像信号に応じて空間的に変調された後、後述するクロスプリズム26の入射面26Rに入射する。
投射型液晶表示装置1は、さらに、ダイクロイックミラー17によって分離された他の色光の光路に沿って、ダイクロイックミラー19を備えている。ダイクロイックミラー19は、入射した光を、緑色光LGと青色光LBとに分離する。この投射型液晶表示装置1は、また、ダイクロイックミラー19によって分離された緑色光LGの光路に沿って、フィールドレンズ24Gと、液晶表示素子25Gとを順番に備えている。緑色光LGは、フィールドレンズ24Gを介して液晶表示素子25Gに入射する。液晶表示素子25Gに入射した緑色光LGは、液晶表示素子25Gにおいて、画像信号に応じて空間的に変調された後、後述するクロスプリズム26の入射面26Gに入射する。
この投射型液晶表示装置1は、さらに、ダイクロイックミラー19によって分離された青色光LBの光路に沿って、リレーレンズ20と、全反射ミラー21と、リレーレンズ22と、全反射ミラー23と、フィールドレンズ24Bと、液晶表示素子25Bとを順番に備えている。全反射ミラー21は、リレーレンズ20を介して入射した青色光LBを、全反射ミラー23に向けて反射する。全反射ミラー23は、リレーレンズ22を介して入射した青色光LBを液晶表示素子25Bに向けて反射する。液晶表示素子25Bは、フィールドレンズ24Bを介して入射した青色光LBを、画像信号に応じて空間的に変調した後、後述するクロスプリズム26の入射面26Bに入射する。
なお、液晶表示素子25R,25G,25Bのそれぞれの入射面には、第1フライアイレンズ12及び第2フライアイレンズ13によって分割された複数の小光束が拡大された状態で重畳され、全体的に均一な照明がなされる。第1フライアイレンズ12及び第2フライアイレンズ13によって分割された各小光束は、コンデンサレンズ16の焦点距離と第2フライアイレンズ13に設けられたマイクロレンズ13Mの焦点距離とで決まる拡大率で拡大される。
また、図示しないが、フィールドレンズ24R,24G,24Bのそれぞれの光出射面側に、液晶表示素子25R,25G,25Bのそれぞれに偏光を入射するための入射偏光板、また、クロスプリズム26の入射面26R,26G,26Bのそれぞれに液晶表示素子で変調された光を制御する出射偏光板を有している。
この投射型液晶表示装置1は、また、赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBの光路が交わる位置に、3つの色光LR、LG,LBを合成するクロスプリズム26を備えている。この投射型液晶表示装置1は、また、クロスプリズム26から出射された合成光を、スクリーン28に向けて投射するための投射レンズ27を備えており、クロスプリズム26の出射光が、投射レンズ27によってスクリーン28の前面側又は背面側に投射されることにより、スクリーン28上に画像を形成する。なお、クロスプリズム26は、3つの入射面26R,26G,26Bと、一つの出射面26Tを有している。入射面26R,26G,26Bには、それぞれ液晶表示素子25R,25G,25Bから出射された赤色光LR,緑色光LG,青色光LBがそれぞれ入射するようになっている。そして、クロスプリズム26は、入射面26R,26G,26Gに入射した3つの色光を合成して出射面26Tから出射する。
〔2.液晶表示素子の構成及び製造方法〕
図2及び図3は、液晶表示素子25R,25G,25Bの構成例を示している。なお、図3は図2に示すA部分の拡大図である。液晶表示素子25R,25G,25Bは、それぞれ変調対象となる光の成分が異なるのみで、その機能、構成は実質的に同じである。以下では、各色用の液晶表示素子25R,25G,25Bの構成をまとめて液晶表示素子25として説明する。
図2に示すように、液晶表示素子25は、光入射側より、防塵ガラス39A、第1基板としての対向基板40、液晶層50、第2基板としてのTFT基板60、防塵ガラス39Bを備えている。
対向基板40は、図3に示すように、光入射側から順に、マイクロレンズアレイ41、カバー層42から形成される。なお、カバー層42と液晶層50との間には、透明電極から形成される対向電極43や配向膜44が形成されている。対向電極43は後述するTFT基板60に形成される画素電極67との間で電位を発生させるためのものである。
マイクロレンズアレイ41は、光入射面側に順次形成される低屈折率の光学物質層41aと高屈折率の光学物質層41bとにより構成され、前記各画素電極67に対応して2次元的に設けられた複数のマイクロレンズ90を有している。
TFT基板60は、層間絶縁膜63、裏面遮光膜64、TFT素子65、表面遮光膜66、透明電極からなる画素電極67、配向膜68などが順次形成されて構成される。裏面遮光膜64及び表面遮光膜66は遮光層を形成しており、これら裏面遮光膜64及び表面遮光膜66により実質的なブラックマトリクスが形成される。このブラックマトリクスによって囲まれ、入射光が透過可能な開口領域が、1画素(ドット)分の開口部である画素開口70となる。また、ブラックマトリクス内には、隣接する画素電極67に対して、画像信号に応じて選択的に電圧を印加するためのTFT素子65が形成される。
各マイクロレンズ90は、全体として正の屈折力(パワー)を有している。図3に示す例では、各マイクロレンズ90のレンズ面は球面形状で構成され、光入射側(光源側)に凸形状となっている。このような面形状で正のパワーを持たせるために、低屈折率の光学物質層41aと高屈折率の光学物質層41bは、その屈折率をそれぞれN1,N2とすると、「N2>N1」の関係を満たすように構成されている。なお、N2とN1の相対的な屈折率差は、例えば0.2〜0.3程度で、より高い値が確保されていることが望ましい。また、光学物質層41aは、例えば、石英基板などのガラス基板から構成され、光学物質層41bは、例えばウレタン系やアクリル系の樹脂などにより形成される。
このマイクロレンズ90のFナンバーは、後段の投射レンズ27(図1参照)のFナンバー以上の大きさに設定される。従って、液晶表示素子25に入射した光のうち、マイクロレンズ90によって集光されて画素開口70に入射した光のほとんどが画像表示に利用可能な有効な光となる。
ここで、本実施形態に係る液晶表示素子25の特徴的な構成を図面を参照して説明する。図4Aは、本実施形態に係るマイクロレンズ90を模式的に平面視で示す説明図、図4Bは図4AのA−A’における断面形状を示す説明図である。
液晶表示素子25は、図3、図4A及び図4Bに示すように、各画素開口70に対して複数のマイクロレンズ90を二次元配列し、しかも、各マイクロレンズ90の光軸91を、それぞれレンズ形状の中心である形状中心92に対して画素開口70の中心側に偏倚させている。
図4Aにおいて、×印は、正方形に等分割された個々の分割マイクロレンズ90Aの各形状中心92を示しており、個々の分割マイクロレンズ90Aの幾何学的な重心位置となる。また、図4Aにおいて、○印は、それぞれの分割マイクロレンズ90Aの各光軸91の位置を示している。分割マイクロレンズ90Aの光軸91の位置とは、光学的にはマイクロレンズアレイ41に垂直入射した光線がレンズで屈折されず垂直射出される位置を示す。
このように、液晶表示素子25では、マイクロレンズ90を複数の分割マイクロレンズ90Aで構成し、各前記画素開口70に対して複数の分割マイクロレンズ90Aを二次元配列している。そして、各分割マイクロレンズ90Aの光軸91は、図4A及び図4Bに示すように、各分割マイクロレンズ90Aの形状中心92に対して画素開口70の画素中心71側に偏倚している。
このような構成とすることにより、マイクロレンズ90の厚さとカバー層42の厚さを薄くして、全体として厚みが極めて薄いマイクロレンズアレイ41の作製が可能となる。したがって、マイクロレンズ作製時間の短縮が図れることになり、生産性が向上する。
また、本実施形態に係るマイクロレンズ90は、1組の二次元配列された4個の分割マイクロレンズ90Aにより構成されている。そして、各分割マイクロレンズ90Aは、縦横の画素ピッチpμm×pμmの液晶パネル1画素に対して、1辺がp/2μm×p/2μmサイズの正方形に分割形成されている。
また、図4Aにおいて、符号dは、光軸91の形状中心92に対するずれの長さを示す偏倚量であり、この偏倚量dを調節することにより、従来のように、1画素に1個のマイクロレンズが形成された場合よりも高いレンズ効率が期待できる。
特に、マイクロレンズ90を正方形状とし、分割マイクロレンズ90Aを2×2個配置して、偏倚量dをどの分割マイクロレンズ90Aにおいても一定にすることで、対称性を確保して安定したレンズ効率の向上を図ることができる。
ここで、1画素に対して複数の分割マイクロレンズ90Aからなるマイクロレンズ90を設けた本実施形態に係る液晶表示素子25と、従来のように1個のマイクロレンズを設けた一般的な液晶表示素子とを比較してみる。
図5Aは一般的な従来の液晶表示素子の集光状態を示す説明図、図5Bは本実施形態に係る液晶表示素子25の集光状態を示す説明図である。
図5Aにおいて、L1はマイクロレンズのレンズ厚さ、C1はカバー層の厚さ、D1は画素開口におけるマイクロレンズの集光幅、及びθ1は光軸に対するマイクロレンズの集光角を示す。また、図5Bにおいて、L2は分割マイクロレンズのレンズ厚さ、C2はカバー層42の厚さ、D2は画素開口70におけるマイクロレンズ90の集光幅、及びθ2は光軸91に対する分割マイクロレンズ90Aの集光角を示す。
ここでは、比較のため、マイクロレンズの集光効率やF値を同一条件としている。すなわち、本実施形態に係る液晶表示素子25の画素開口70におけるマイクロレンズ90の集光幅D2と、一般的な液晶表示素子の画素開口部におけるマイクロレンズの集光幅D1とを同一としている。また、本実施形態に係る液晶表示素子25の光軸91に対するマイクロレンズの集光角θ2と一般的な液晶表示素子の光軸に対するマイクロレンズの集光角θ1は同一としている。
図5Aと図5Bとから分かるように、本実施形態に係る液晶表示素子25では、分割マイクロレンズ90Aのレンズ厚さL2とカバー層42の厚さC2は、従来の液晶表示素子に比べて薄くなっている。
つまり、画素開口70に対して複数のマイクロレンズ90を二次元配列し、しかも、各マイクロレンズ90の光軸91を、それぞれレンズ形状の中心である形状中心92に対して画素開口70の中心側に偏倚させたことで、マイクロレンズの集光効率やF値を変えることなく、全体として厚みが極めて薄いマイクロレンズアレイ41の作製が可能となる。したがって、マイクロレンズ作製時間の短縮が図れることになり、マイクロレンズ90のみならず、ひいては液晶表示素子25の生産性をも向上させることが可能となる。
以下、図6A〜図6Dを参照しながら、集光効率を損なわずにマイクロレンズ90を薄型化する原理を説明する。なお、各図における符号fはレンズ焦点距離を示す。
図6Aは従来の一般的なマイクロレンズであり、集光幅D1は集光効率が最大となる条件となっている。これを、レンズ厚さL2の分割マイクロレンズ90Aに分割・薄型化することにより、図6Bの断面構造が得られる。図6Bにおいて、分割マイクロレンズ90Aのレンズ焦点距離fは図6Aで示した構造よりも短縮されている。また、集光角θ1とカバー厚さC1は不変なので、画素開口70における集光幅D2は図6Aで示した構造における集光幅D1よりも拡がる。
図6Bで示した構造における分割マイクロレンズ90Aの光軸91を、互いに内側に寄せて偏心させたものが図6Cに示す構造である。図示するように、光軸91,91間の光軸間隔D3を狭めると、集光幅D2は図6Bで示す構造よりも狭くなる。
そして、図6Dで示す構造では、カバー層42を薄くしてC2としている。そのため、図6Cで示した構造よりも、画素開口70での集光幅D2は、より狭くなっている。ここでの集光幅D2は、従来構造のマイクロレンズで集光効率が最大となる集光幅D1(図6A参照)と等しい。
以上説明したように、集光角θ1と集光幅D2(D1)とは変わらないため、従来のように大きくて厚いマイクロレンズの高い集光効率は維持しながらも、極めて薄いマイクロレンズ90が得られることになる。
次に、液晶表示素子25の製造方法において、その製造過程における分割マイクロレンズ90Aの製造方法について、図7A〜図10Bを参照しながら説明する。図7A,図8A,図9A及び図10Aは縦横の画素ピッチpμmの液晶パネルの1画素の領域に相当するマイクロレンズアレイ41の製造過程での平面図を示す。また、図7B,図8B,図9B及び図10Bは、それぞれ図7A,図8A,図9A及び図10AのB−B’断面を示す。また、図9Cは、図9AのA−A’断面を示す。
図7Bに示すように、光学物質層41aからなるガラス基板などの透明基板上にマスク95を形成し、次いで、リソグラフィにより、マスク95に4つの円形のマスク開口部96を形成する(図7A参照)。図7Aに示した4個所の×印は、前述したように、1画素を4分割したそれぞれの正方形の中心位置であり、後に形成される分割マイクロレンズ90Aの形状中心92となる位置である(図4A参照)。4つのマスク開口部96は×印の位置から対角方向に沿って画素中心71に向って同じ偏倚量dだけシフトしており、これらマスク開口部96の位置が後の分割マイクロレンズ90Aの光軸91の位置となる(図4A参照)。
次に、透明基板を図示しないエッチング液に浸漬し、各マスク開口部96を起点として透明基板の等方性エッチングを行う。図8Bで示す状態はエッチング途中の状態であり、図8Aにおいて点線で示した円97はエッチングの進行範囲を示している。それぞれの円97の中心にはマスク開口部96が位置することになる。
図9A〜図9Cは、さらにエッチングが進行した状態である。4つの円97は更に拡大してエッチング範囲がオーバーラップするようになるが、エッチング領域の境界線は隣り合う円97同士の交点を結ぶ直線となる。そして、エッチングが進行するにつれて、この境界線が縦横方向に伸びる。図9A及び図9Cに示すように、この状態では、隣り合う円97同士はオーバーラップするものの、向かい合う円97の間には、未だエッチングされてない領域が存在している。
図10A及び図10Bはエッチングが終了し、所望の曲率半径の分割マイクロレンズ90Aが得られた状態を示している。すなわち、液晶パネルの1画素当たり4つの分割マイクロレンズ90Aからなる1組のマイクロレンズ90が正方形状に形成されている。
ところで、図7A〜図10Bでは、液晶パネルの1画素内に4つの分割マイクロレンズ90Aが分割形成された状態を示しているが、2画素分のマイクロレンズ90が横方向に隣接形成された状態を図11A及び図11Bに示す。
等方性エッチング領域が円形であることから、図示するように、隣接画素同士の縦及び横方向の境界線98は、隣接する円形エッチング領域の交点を結ぶ直線となり、且つこれら直線の間隔は画素ピッチpμmと等しくなる。すなわち、偏心した分割マイクロレンズ90Aの4個1組が1塊りになって、正確に画素ピッチpμm間隔で配列されるのである。
このように、光学物質層41aからなるガラス基板などの透明基板の等方性エッチングを用い、また、エッチング用のマスク95に形成された4つのマスク開口部96がどれも画素中心71から対角方向に沿って中心から等しい距離に配置される。そのため、等方エッチングされた円形領域の境界線が直線となって1画素を4等分し、光軸91が形状中心92から偏心した分割マイクロレンズ90Aを形成することができる。
〔3.液晶表示素子の変形例〕
次に、液晶表示素子25の変形例について説明する。上述してきた実施形態では、画素開口70に対して、分割マイクロレンズ90Aを2×2個配置したが、分割マイクロレンズ90Aは画素開口70に対して2×2個に限らず、n×n個(nは整数)配置することができる。各分割マイクロレンズ90Aは、縦横の画素ピッチpμm×pμmの液晶パネル1画素に対して、1辺がp/nμm×p/nμmの正方形状のサイズとなる。
このとき、例えば、n=3のように「n」が奇数の場合、画素開口70の中央に位置する分割マイクロレンズ90Aの光軸91は、当該分割マイクロレンズ90Aの形状中心92に対して偏倚させる必要はない。すなわち、分割マイクロレンズ90Aを略正方形の画素開口70に対して奇数×奇数のマトリクス状に配置する場合、画素開口70の中央に位置する分割マイクロレンズ90Aの光軸91は、当該分割マイクロレンズ90Aの形状中心92に対して偏倚させないようにするとよい。このようにすることで、対称性を確保して安定したレンズ効率の向上を図ることができる。
なお、nが奇数の場合、前述したガラス基板の等方性エッチングを用いて、中央以外のn−1個の分割マイクロレンズ90Aに偏倚を与えたマイクロレンズを作製すると、個々の分割マイクロレンズ90Aは正方形とはならない。例えば、n=3の場合、分割マイクロレンズ90Aで1画素が隙間なく敷き詰められているとすると、中央の分割マイクロレンズは八(=n−1)角形、それ以外の分割マイクロレンズは四角形と五角形が4つずつの構成となる。このようにnが奇数の場合、等方性エッチングでは個々の分割マイクロレンズ形状やサイズが偏倚量によって一意に決まってしまい、作製方法によってレンズ設計条件が制約を受けることになる。
従って、上述のn=3のみならず、任意のn×n分割マイクロレンズを作製する方法は前述したガラス基板の等方性エッチングに限定されず、分割数に応じて各種マイクロレンズ作製プロセスを用いても良い。例えば、前述のスタンパ法、あるいはグレートーンマスクと非等方性エッチングを用いてガラス基板を任意形状にエッチングする方法などがある。これらのプロセスでは分割レンズ形状、サイズ、及び偏倚量といったパラメータを独立に設定できるので、レンズ設計において幅広い条件から最適なレンズ形状を探索・設定することができる。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、レンズ効率などの性能が高い液晶表示素子25を、生産性を損なうことなく提供することが可能となり、ひいては、このような優れた液晶表示素子25を用いた高性能の投射型液晶表示装置1を提供することも可能となる。
なお、上述してきた実施形態を通して本発明を説明したが、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。例えば、投射型液晶表示装置は、上述したように液晶表示素子を3枚使用するタイプの例を挙げたが、単板式のカラー表示型の投射型液晶表示装置でも同様の効果を得ることができる。
1 投射型液晶表示装置
11 光源
25 液晶表示素子
27 投射レンズ
40 対向基板(第1基板)
41 マイクロレンズアレイ
50 液晶層
60 TFT基板(第2基板)
70 画素開口(画素の開口部)
90 マイクロレンズ
90A 分割マイクロレンズ
91 光軸
92 形状中心(レンズ形状の中心)
d 偏倚量

Claims (2)

  1. 光入射側から順に、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、カバー層と、を有する第1基板と、
    前記第1基板の光出射側に形成され、画素ごとに前記第1基板から入射した光を変調可能な液晶層と、
    前記液晶層の光出射側に形成され、前記画素の開口部を画定する遮光層を有する第2基板と、を備え、
    前記マイクロレンズは、各前記開口部に対してn×n個(nは2以上の整数)を2次元配列し、その光軸はレンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に偏倚しており(前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズを除く)、前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズの光軸はレンズ形状の中心に対して偏倚しておらず、
    前記マイクロレンズのサイズは、画素ピッチの1/nであり、
    前記カバー層の厚みは、各前記開口部に対して2次元配列されたn×n個のマイクロレンズのレンズ焦点が前記開口部において前記液晶層に面する遮光膜の位置に調整されている液晶表示素子。
  2. 光を発する光源と、
    前記光源から出射された光を光学的に変調する液晶表示素子と、
    前記液晶表示素子によって変調された光を投射する投射レンズと、を備え、
    前記液晶表示素子は、
    光入射側から順に、複数のマイクロレンズが2次元配列されたマイクロレンズアレイと、カバー層と、を有する第1基板と、
    前記第1基板の光出射側に形成され、画素ごとに前記第1基板から入射した光を変調可能な液晶層と、
    前記液晶層の光出射側に形成され、前記画素の開口部を画定する遮光層を有する第2基板と、を備え、
    前記マイクロレンズは、各前記開口部に対してn×n個(nは2以上の整数)を2次元配列し、その光軸はレンズ形状の中心に対して前記開口部の中心側に偏倚しており(前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズを除く)、前記nが奇数の場合に前記開口部の中央に位置するマイクロレンズの光軸はレンズ形状の中心に対して偏倚しておらず、
    前記マイクロレンズのサイズは、画素ピッチの1/nであり、
    前記カバー層の厚みは、各前記開口部に対して2次元配列されたn×n個のマイクロレンズのレンズ焦点が前記開口部において前記液晶層に面する遮光膜の位置に調整されている投射型液晶表示装置。
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