JP2000096202A - 溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防止法および装置 - Google Patents
溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防止法および装置Info
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Abstract
的に施す場合に,鋼帯のエッジ近傍にエッジしわが発生
するのを防止し且つZn11Mg2系相(平衡相)の晶出
を防止して,表面外観の優れた溶融Zn−Al−Mg系
めっき鋼板を安定して製造する。 【解決手段】 1.0重量%以上のAlおよび1.0重量
%を超えるMgを含有した溶融Znめっき浴(例えばA
l含有量が4.0〜10重量%,Mg含有量が1.0〜
4.0重量%,残部がZnからなる溶融Zn−Al−M
g系めっき浴)に連続的に通板される鋼帯を該浴から連
続的に引き上げるさいに,未だ凝固を完了していないめ
っき層の表面に水または水溶液のミストを吹付けること
を特徴とする溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防止
法。
Description
インで溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造するさ
いに発生することがあるエッジしわの発生を防止し,さ
らには表面外観の良好な金属組織をもつめっき層を得る
方法に関する。
基系めっき鋼板を製造する場合,浴組成(ひいてはめっ
き層の組成),通板速度,冷却条件,浴から出た鋼帯が
曝される雰囲気等のめっき条件によっては,エッジしわ
の発生を見ることがある。本発明者らの経験では,酸化
され易い元素特にAlやMg等を含む浴組成の場合に,
エッジしわが発生し易いことを知った。
上げを仮想して鋼帯を垂直にして見たときに,板の端縁
(単にエッジと呼ぶ)側から斜め下向きに延びる互いに
ほぼ平行な多数の線の集合からなるしわ模様を言う。そ
の代表例を図1に示した。
方向として写した実物の約1.5倍の写真である。図中
の右側に見える一方のエッジの側から,斜め下向きに細
い線が無数に延びているのが見える。これが「エッジし
わ」である。また,このエッジしわと直交する方向に
(エッジ側から斜め上向きに)やや太いヒゲ様の単線が
ところどころに見られる。このヒゲ様の単線は,エッジ
しわに比べると良く目立つが,実際には金属光沢をもつ
滑らかな表面を有している。後者のヒゲ様の金属光沢を
もつ部分を「ヒゲ模様」と呼ぶことにする。
の拡大写真であり,右上方部の黒い部分がヒゲ模様の金
属光沢部,左下方部において無数の白線が発生している
ように見えるのがエッジしわである。エッジしわは,同
方向にしわが寄った凹凸構造をしており,この凹凸で光
の乱反射がおこり,めっき表面が白っぽく見えるように
なる。
したりしなかったりする。すなわちヒゲ模様のあるエッ
ジしわと,ヒゲ模様のないエッジしわがあるが,本明細
書では両者を含めた意味でエッジしわと呼ぶ。いずれに
しても,エッジしわが発生するとめっき鋼板の表面外観
を著しく損ね,製品としての実用に耐えないことにな
る。
止について具体的な報告例はない。わずかに,特公昭6
1−33069号公報において,Mg:0.1〜2.0
%,Al:0.1〜0.5%を含むZnめっき浴を用いた
場合には,めっき面に「ヘア」が発生することがあるこ
と,そして,浴面から鋼帯表面に付着しためっき金属が
凝固するまでの間をシールボックスで囲い,このシール
ボックス内の酸素濃度をワイピングノズルの上下で所定
の範囲に制御すると,このヘアの発生が抑制できると教
示している。しかし,このヘアが前記のエッジしわに対
応するか否かは不明である。
は,Mgを0.1〜2.0%含有する溶融Zn合金めっき
鋼板の製造に際して,浴面から出ためっき面を酸素濃度
5000ppm以下に制御したシールボックスで囲み,
さらにこのシールボックスから出た未凝固のめっき面に
水または水溶液のミストで強制冷却すると,均一なゼロ
スパングルが得られると教示し,さらにMgを添加した
浴では,ワイピング時の酸化により表面が酸化マグネシ
ウムに変化し,皮張り現象および皮張り下の溶融金属の
流れにより不均一な縞状の流れ外観となると記載されて
いる。この縞状の流れ外観が前記のエッジしわに対応す
るか否か不明である。とくに,該公報の開示はAlを含
有しない浴に対してのものであるから,MgとAlを複
合添加した場合のめっき層表面に生じる酸化皮膜の挙動
については参考にはならない。
−226865号公報において,本発明者らは,Al:
4.0〜10重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部
がZnおよび不可避的不純物からなる溶融Zn−Al−
Mg系めっき鋼板のめっき層を,〔Al/Zn/Zn2
Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕と,場
合によってはさらに〔Zn単相〕が混在した金属組織に
すれば,工業製品として十分な耐食性と表面外観をもつ
溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板が得られることを提
案し,この金属組織を得るための製造条件も明らかにし
たが,その後の経験として,このようなAlとMgを比
較的多量に含有する溶融Zn基めっき鋼板ではエッジし
わが発生し易いことを知見した。
3069号公報の酸素濃度を制御する方法は,特定のめ
っき組成を有するものを対象としたものであり,且つ酸
素濃度の制御自体も,ワイピングノズルの上下では異な
る濃度に制御するものであるから,めっき組成が異なっ
たり,めっき条件が異なった場合にも汎用的に適用でき
るというものではない。また,エッジしわの発生原因に
基づいての対策であるとも考えられないので,エッジし
わの発生を確実に防止できるというものでない。とく
に,AlやMgが該公報の浴組成のものより多い場合に
ついてまで,エッジしわ防止に効果があるか否かは全く
不明である。また特公昭60−55593号公報のもの
もAlを含有しない浴についてのものであるから,溶融
Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造する場合に発生す
るエッジしわやZn11Mg2系相の晶出に対して有益な
防止対策を教えるものではない。
比較的多量に含有する溶融Zn基めっき鋼板に発生しや
すいエッジしわの発生原因を究明し,その発生を防止し
て,表面性状が良好な溶融Zn基めっき鋼板を安定して
製造することにある。さらには,Zn−Al−Mg系溶
融めっき鋼板特有の現象,とくに前記特開平10−22
6865号公報に記載したようにZn11Mg2系相とZ
n2Mg系相の併存を防止しながら(Zn11Mg2系相の
晶出を防止しながら),エッジしわの発生を抑制するこ
とにある。
わの発生原因であるめっき層中央部のたれ落ちを軽減す
ることによって達成できる。後に詳述するが,未凝固の
めっき層が凝固するまでの間にエッジ部よりも板幅中央
部においてめっき層がたれ落ち,これに伴って表層の酸
化皮膜にエッジ部から斜め下向きの張力が発生すること
がエッジしわの原因であることを本発明者らは知見し,
このめっき層のたれ落ちを軽減すれば,エッジしわも軽
減することを知った。そして,未凝固のめっき層に水ま
たは水溶液のミストを噴霧すればこのたれ落ちが軽減
し,ミストを噴霧しない場合にはエッジしわが発生する
条件でも,エッジしわが発生しないことを知見した。
%以上のAlおよび1.0重量%を超えるMgを含有し
た溶融Znめっき浴に連続的に通板される鋼帯を該浴か
ら連続的に引き上げるさいに,未だ凝固を完了していな
いめっき層の表面に水または水溶液のミストを吹付ける
ことを特徴とする溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防
止法を提供する。
え,該ミストの吹付けを該めっき層の温度が350℃を
超える温度域で行えば,Zn11Mg2系相の晶出が防止
され,前掲の特開平10−226865号公報で提案し
たZn2Mg系相の金属組織とすることができることを
知見した。
き浴中のAl含有量が4.0〜10重量%,Mg含有量
が1.0〜4.0重量%であり,該ミストの吹付けを該め
っき層の温度が350℃を超える温度域で行ってZn11
Mg2系相の晶出を抑制する前記のエッジしわ防止法を
提供する。
に加え,該ミストの粒径を選択すると,この系統の溶融
Zn基めっき鋼板の表面肌の制御ができることがわかっ
た。すなわち,該ミストの平均粒径を3μm以上17μ
m未満にするとめっき層に光沢肌を付与することがで
き,該ミストの平均粒径を17μm以上100μm以下
とするとめっき層に白色肌を付与することができる。
均粒径を3μm以上17μm未満としてめっき層に光沢
肌を付与する前記のエッジしわ防止法,および該ミスト
の平均粒径を17μm以上100μm以下としてめっき
層に白色肌を付与する前記のエッジしわ防止法を提供す
るものである。
Mg系めっき鋼板に顕れる「エッジしわ」の発生原因を
究明すべく種々の試験研究を重ねたところ,未だ凝固を
完了していないめっき層が凝固するまでの過程でめっき
層表面に生成する「酸化皮膜」の挙動がエッジしわに関
与していることを知見した。AlとMgを含有するめっ
き浴では,これらの元素は酸素との親和力が大きいの
で,ストリップ表面に被着しためっき層が凝固を完了す
るまでの間に,その表層にMg(Al)の酸化物を含有
した酸化皮膜が生成しやすいが,このMg(Al)系酸
化皮膜は,エッジしわ発生原因となるような性質を有し
ていることがわかった。この酸化皮膜に対して,板のエ
ッジ側から板面中央部に向けて斜め下向きの張力が加わ
るとエッジしわが発生するのである。その発生機構は次
のように考えられる。
っきを,通常の溶融Zn基めっき同様のラインでストリ
ップに対して施す場合の浴近傍の状態を,各々方向を変
えて見た概略図であり,1は溶融Zn−Al−Mg系め
っき浴,2は鋼帯,3はスナウト,4はシンクロール,
5は気体絞り装置(ワイピングノズル),6はめっき層
の凝固完了位置を示している。浴1から垂直方向に引き
上げられた鋼帯は,気体絞り装置5で,その表面に付着
しためっき層厚が調整され,凝固完了位置6で凝固を完
了することになる。そのさい,気体絞り装置5を通過後
の鋼帯表面に付着している未凝固状態のめっき層は重力
により下方にたれ落ちようとする。すなわち,母材鋼帯
に対してめっき層は下方に相対移動する。そのため,め
っき層表面に生成した酸化皮膜も,図5の中央部の矢印
7に示すように,たれ落ちるめっき層に引きずられるよ
うに母材鋼帯に対して下方に落ちようとする。
部の拡大写真に見られるように,めっき層が非常に薄く
なっている部分が存在し,この部分では酸化皮膜と母材
がくっついた状態になっている。そして,エッジ近傍で
は板中央付近よりも放熱効果が高いので早くめっき層の
凝固が開始し,表面酸化皮膜は母材に対して固定された
状態になる。
固位置において,板面中央部ほどたれ落ちる程度が高く
なり,このためにエッジ部から斜め下向きに図5の矢印
で示すような張力8が発生する。また,この張力8の発
生により,これと直交する方向には圧縮応力がかかるこ
とになる。この斜め下向きの張力8とこれと直交する方
向の圧縮応力により,前記した斜め下向きのエッジしわ
が発生する。めっき層のたれがさらに大きく,すなわち
張力が大きくなると,表面の酸化皮膜は破断し,エッジ
しわとほぼ直交する方向に新たに溶融金属表面が生成す
る。これが前記の太い単線つまりヒゲ模様となる。すな
わち,ヒゲ模様の単線は酸化皮膜の破断跡であると考え
られる。図5において,エッジしわとヒゲ模様が発生す
る領域を9で示した。
のような張力8が発生しないか,発生してもその程度が
低い場合にはエッジしわは発生しない。通常の溶融Zn
めっき鋼板の製造ラインでエッジしわが見られない場合
には,そのような条件下にあると見てよい。しかし,酸
化皮膜に対して前記のような張力8の発生する条件下で
は,その張力8の発生を緩和すればエッジしわを防止で
きる筈である。
っき鋼板の製造において,未凝固状態にあるめっき層表
面に水または水溶液のミストを吹付けると,エッジしわ
の発生を防止することができることを見い出した。ミス
トの吹付けにより,前記のような酸化皮膜に加わる張力
8が緩和されたからであろと考えられる。ミスト吹付け
により未凝固状態のめっき層が強制的に冷却される結
果,板中央部のたれ落ちの程度が少なくなり,これに伴
って酸化皮膜に加わる張力8が緩和されるのであろう。
めっき層の全面(板幅いっぱい)に対して行うのが実際
的であるが,エッジ近傍だけに行ってもエッジしわ防止
に効果がある。前者の場合には,未凝固状態のめっき層
が全体的に強制冷却される結果,板中央部のたれ落ちの
程度が少なくなるものと考えてよいが,後者の場合に
は,ミスト吹付けの圧力により表面酸化皮膜がミクロ的
に分断される現象が起きるか,吹付け圧力によって表面
に凹凸が形成されて表面積が増加する現象が起きる結
果,或いは両現象が複合して起きる結果,めっき層表面
の酸化皮膜にかかる前記の張力が緩和されるのではない
かと考えられる。めっき層全面に吹付ける場合には,こ
の様な現象に加えて,前記のたれ落ちの低減の効果が加
わるものと考えられる。
ト吹付けが著効を示すが,このミスト吹付けが溶融Zn
−Al−Mg系めっき鋼板の製造にとって,さらに有利
な結果をもたらすことがわかった。その一つは,Zn11
Mg2系相の晶出を抑制する点であり,他の一つは表面
肌の制御ができる点である。
たように,めっき層(ひいてはめっき浴)の成分組成が
Al:4.0〜10重量%,Mg:1.0〜4.0重量
%,残部がZnおよび不可避的不純物からなる場合,め
っき浴温とめっき層凝固までの冷却速度を適正に制御す
ると,〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素
地中に〔初晶Al相〕または〔初晶Al相〕と〔Zn単
相〕が混在しためっき層組織(Zn2Mg系相と呼ぶ)
にすることができ,工業製品として十分な耐食性と表面
外観を有する溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を得る
ことができる。このZn2Mg系相は一種の非平衡相で
あり,Zn11Mg2系相の平衡相とは区別される。ここ
で,Zn11Mg2系相の平衡相とは,〔Al/Zn/Z
n11Mg2三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕ま
たは〔初晶Al相〕と〔Zn単相〕が混在しためっき層
組織を言う。
Mg2系の平衡相の晶出を抑制することができ,Zn2M
g系の非平衡相が安定して得られることがわかった。す
なわち,ミストの吹付けを該めっき層の温度が350℃
を超える温度域,好ましくは370℃以上の領域で行っ
た場合に,Zn11Mg2系相の晶出を抑制できる。凝固
完了までミスト吹付けを行うとZn11Mg2系相が晶出
してしまい,Zn2Mg系相中に目視できる大きさの斑
点状のZn11Mg2系相が晶出した組織となり,製品の
表面外観を悪くすると共に,両相の耐食性の違いから使
用中に一層表面外観を悪くするようになる。めっき相の
凝固完了温度は,浴組成がAl:4.0〜10重量%,
Mg:1.0〜4.0重量%,残部がZnおよび不可避的
不純物からなる場合,平衡状態図上の三元共晶組成が晶
出する温度である343℃であると考えてよく,実ライ
ンでは図4に示すように気体絞り装置5から所定の高さ
のところに,この凝固完了位置6が存在することにな
る。
位置6よりも所定の距離だけ下方の350℃以上の領域
で行うのがよい。図6に,このミスト吹付け状態を図解
的に示した。
図4と同様の概略図である。図6の例では,ワイピング
ノズル5と凝固完了位置6との間の未凝固めっき層の両
面に対して噴霧できるように,高さ方向にほぼ等間隔で
5段に噴霧ノズル7を設置した例を示しており,最高段
ノズルの噴霧位置は,凝固完了位置6よりも距離Lだけ
下方である。すなわち,最高段ノズルで噴霧された状態
でも,めっき層の温度は350℃より高く,好ましくは
370℃以上を維持しており,距離Lだけ移動する間は
未凝固状態である。この距離Lだけ未凝固状態であるこ
とが,エッジしわの発生を防止しながら且つZn11Mg
2系相の晶出を抑制するうえで肝要であることが明らか
となった。この関係を満たす以上は,噴霧ノズル7は図
6の例に限らず,任意の段数で配置することができる。
水平面で見た図である。図示のように,鋼帯2の幅方向
両面に設置したヘッダー9に,噴霧ノズル7が等間隔で
多数取付けてあり,これら全ての噴霧ノズル7から水ま
たは水溶液のミストを一様に吹付けることにより,鋼帯
2の幅方向一杯にミストが吹付けられる。噴霧ノズルと
しては,所定圧力の水または水溶液と,所定圧力の気体
を同時に供給する,いわゆる二流体ノズルを用いるのが
便宜である。これらの圧力を調整することにより,ミス
トの粒径を制御することができる。また,めっき層と噴
霧ノズルとの間の距離を調整することにより,めっき層
への吹付け圧力も調整できる。
1で各ヘッダー9に水溶液を管路12を経て供給すると
共に,圧縮気体13を導入管路14を経て各ヘッダー9
に供給し,各噴霧ノズル7内で水溶液と圧縮気体を合流
させてミストを噴霧する。そのさい,管路12の弁15
と,管路14の弁16の開度調整により,液と気体の圧
力を個別に制御できるようにしてある。図例のほか,特
にヘッダー使用せず,独立した複数のノズルを並設し,
各ノズル個別に所定圧力の水または水溶液と,所定圧力
の気体を同時に供給するようにしてもよい。なお,圧縮
気体13としては,不活性ガスを使用することができる
が,空気を使用してもよい。
横切る水平面で見た図であるが,未凝固のめっき層のエ
ッジ近くの表面だけに対してミストを噴霧する状態を示
している。この場合にも,前述したとおり,エッジしわ
の発生を防止することができる。
8内に設置した装置例を示す。噴霧ボックス18は,ス
トリップ2が通過するに必要な開口を上下に有した上下
動可能なボックスであり,この中に各噴霧ノズル7が設
置されると共に,ボックス内の流体を常時排気できるよ
うに,排気装置(図示せず)に,排気口19を通じて接
続されている。適正に排気を行いながら,噴霧ノズル7
からミストをめっき面に対して噴霧すると,過剰のミス
トが噴霧ボックス18内に飛散し,噴霧ノズル7から直
接的に吹付けられたミストに加え,飛散しているミスト
によってもめっき面全体を冷却することができる。この
ため,図8のように,エッジ近傍だけにミストを吹付け
ても,中央部も冷却する効果が得られる。また,噴霧ボ
ックス18を上下し且つ噴霧量を調整することにより,
所望のめっき層温度域に対してミスト吹付けを行うこと
ができる。
クス20内に設置し,このシールボックス5内の雰囲気
を調整することも望ましい。しかし,本発明が対象とす
るような溶融Zn−Al−Mg系めっき浴では,特公昭
60−55593号公報のようにシールボックス内を酸
素濃度5000ppm以下にまで低減することは必ずし
も必要ではなく,酸素濃度5vol.%以下であれば本発明
の目的は十分に達成できることがわかった。
下動が可能なエアジエットクーラー21で強制冷却する
ことも好ましい。実際には,このエアジエットクーラー
21内に凝固完了位置がくるように,ライン操業条件に
合わせてエアジエットクーラー21の位置を制御するの
がよい。
立ち上がりからめっき層の凝固完了までの平均冷却速度
が4℃/秒以上となるようにするのがよい。また,本発
明が対象とする溶融Zn−Al−Mg系めっきにおいて
は,めっき層温度が480℃以上になるとFe−Al系
金属間化合物からなる合金層が成長しやすく,このため
めっき層と鋼板との密着性を低下させるので,めっき浴
の温度は480℃未満とするのがよい。
融Zn−Al−Mg系めっき鋼板製造時に発生しやすい
エッジしわの防止を図ることができ且つZn11Mg2系
相の晶出を防止して均一なZn2Mg系相の金属組織と
することができるが,そのうえ更に,ミスト吹付けのさ
いの平均ミスト粒径を異ならしめると,めっき層の表面
肌を光沢肌を有するものと白色肌を有するものに区分け
して調整できることがわかった。
ミストの平均粒径を3μm以上17μm未満にすると表
面凹凸の小さな光沢肌となり,17μm以上100μm
以下にすると白色肌になることが判明した。ミストの粒
径は二流体ノズルを用いる場合には,空気圧と水圧を調
整することにより制御できる。ミストは水を用いて形成
することができるが,水溶液を用いてもよい。水溶液と
しては,リン酸2水素アンモニウム水溶液,リン酸水素
2ナトリウム水溶液,2リン酸ナトリウム水溶液,硝酸
コバルト水溶液等が使用できる。
溶融Zn−Al−Mg系溶融めっきを対象とするもので
あり,その浴組成は1.0重量%以上のAl,好ましく
は4.0〜10重量%のAl,および1.0重量%を超え
るMg,好ましくは1.0〜4.0重量%のMgを亜鉛中
に含有したものである。このAl量およびMg量を含有
する以上は,さらに種々の理由から他の成分を含有した
ものも本発明は対象とすることができる。他の成分の代
表的なものとしてTiとBがある。このTiとBはTi
−B合金または化合物として添加されてもよい。なお,
AlおよびMgの含有量を前記範囲とする理由は次のと
おりである。
食性の向上と当該めっき鋼板製造時のドロス発生を抑制
する作用を供する。Al含有量が1.0重量%未満では
耐食性向上効果が十分ではなく,またMg酸化物系のド
ロス発生を抑制する効果も低い。好ましくはAlは4.
0重量%以上とするのがよい。他方,Al含有量が10
重量%を越えると,めっき層と母材鋼板との界面でFe
−Al合金層の成長が著しくなり,めっき密着性が悪く
なる。好ましいAl含有量は4.5〜9.0重量%,更に
好ましいAl含有量は5.0〜8.5重量%,一層好まし
いAl含有量は5.0〜7.0重量%である。
な腐食生成物を生成させて当該めっき鋼板の耐食性を著
しく高める作用を供する。Mg含有量が1.0%以下で
はかような腐食生成物を均一に生成させる作用が十分で
はなく,他方,Mg含有量が4.0%を越えてもMgに
よる耐食性向上効果は飽和し,かえってMg酸化物系の
ドロスが発生しやすくなるので,Mg含有量は好ましく
は1.0〜4.0重量%とする。好ましいMg含有量は
1.5〜4.0重量%,さらに好ましいMg含有量は2.
0〜3.5重量%,一層好ましいMg含有量は2.5〜
3.5重量%である。
の特願平8−352467号で提案したようにZn2M
g系三元共晶の金属組織とする場合に外観および耐食性
に悪い影響を与えるZn11Mg2相の生成・成長を抑制
する作用を供する。この効果を得るために,Ti,Bま
たはTi−B合金もしくは化合物を浴に添加する場合に
は,いずれも0.005重量%以上とすればよい。しか
し,0.1重量%を超えると,めっき層中にTi−Al
系の析出物が成長し,めっき層に凹凸が生じ(現場用語
でブツと呼ばれるものに対応する),外観を損ねるよう
になるので好ましくはない。
鋼板に生成したエッジしわの発生状況を次の基準で3段
階評価した(ただし,表3ではしわ幅の測定値を具体的
に記入した)。 (1) エッジしわ(ヒゲ模様を含む)が全く発生しない
(表中に◎で示す) (2) エッジしわが僅かに発生することがあったが,その
しわ幅(図5の符号9で示すように,エッジしわが発生
したエッジ端からの距離)が10mm未満であったもの
(表中に○で示す)。 (3) ヒゲ模様の有無に拘わらず,しわ幅10mm以上の
エッジしわが発生したもの(表中に×印で示す)。
衡相の有無)を次の基準で3段階評価した。 (1) Zn11Mg2系相が発生しなかった(表中に○で示
す)。 (2) Zn11Mg2系相が斑点状に晶出した(表中に△で
示す)。 (3) Zn11Mg2系相が全面に晶出した(表中に×で示
す)。
n−Al−Mg系めっき鋼板を製造した際に,下記の
「ミスト吹付け条件」でめっき層の表裏全面に,その吹
付け位置を変えてミストを吹付けた。
%,残部=Zn めつき浴温:430℃ 目付量:90g/m2 通板速度:65m/min
2.5kgf/cm2) 噴霧水量:ノズル1本当たり40mL/min 噴霧空気量:ノズル1本当たり60NL/min 平均ミスト粒径:12μm めっき層までの吹き付け距離:150mm ミスト吹付開始温度:ミスト吹付装置入側のめっき層の
温度(表1に表示) ミスト吹付終了温度:ミスト吹付装置出側のめっき層の
温度(表1に表示)
・終了時のめっき層温度)を変えた場合に得られた各め
っき鋼板のエッジしわの発生状況とZn11Mg2系相
(平衡相)の晶出状況を調べ,その結果を表1に示し
た。
うと,エッジしわを防止しながら且つZn11Mg2系相
の晶出を防止できることがわかる。具体的には,溶融状
態にあるめっき層の温度が370℃以上のところからミ
スト吹付けを開始するとエッジしわを低減できる。さら
に,380℃以上でミスト吹付を開始すれぱ,エツジし
わをほぼ完全に消滅させることができる。370℃未満
でミストを吹付け始めても充分な効果が得られないの
は,板中央部のめっき層のたれ落ちを軽減するミストの
強制冷却効果が小さいことや,めっき層の粘性が高いこ
とや,表面の酸化皮膜が厚く成長していることなどが影
響していると考えられる。
は,350℃以下の温度まで吹付けると,Zn11Mg2
系相が晶出して表面外観ムラが発生するようになる。こ
れは,三元共晶組成が晶出する温度(平衡状態図的には
343℃)の近傍でミストを吹き付けると,めっき層表
面でのZn11Mg2系相の核形成が促進されるためと考
えられる。
付着量に制御した後のめっき層に対し,その温度が37
0℃以上,さらに好適には380℃以上である未凝固の
めっき層の表面にミストを吹付け,且つ350℃を超え
る温度すなわちめっき層が凝固を完了する前までに吹付
けを終了することによって,エッジしわを防止しながら
Zn11Mg2系相の晶出を防止でき,表面外観の良好な
溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板が得られることがわ
かる。
件」のもとで溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造
した際に,下記の「ミスト吹付け条件」でめっき層のエ
ッジ近傍の表裏面面に,その吹付け位置を変えてミスト
を吹付けた。なお,ミストの吹付けは図9に示したよう
に排気装置付きの噴霧ボックス内で行った。
4.5kgf/cm2) 噴霧水量:ノズル1本当たり90mL/min 噴霧空気量:ノズル1本当たり90NL/min 平均ミスト粒径:15μm めっき層までの吹き付け距離:200mm ミスト吹付け位置:鋼帯のエッジから200mmの範囲 ミスト吹付開始温度:ミスト吹付装置入側のめっき層の
温度(表2に表示) ミスト吹付終了温度:ミスト吹付装置出側のめっき層の
温度(表2に表示)
ト吹付けを行った場合にも,実施例1と同様の結果が得
られたことがわかる。すなわち,鋼帯のエッジ近傍にミ
スト吹き付けた場合でも,実施例1と同様にめっき層の
温度が370℃以上の温度域で吹き付けるとしわは低減
され,380℃以上ならばほぼ完全に消滅できる。ま
た,350℃以下の温度域までミストを吹き付けると,
エツジ近傍にはZn11Mg2系の平衡相が晶出し,外観
を損なうので好ましくない。なお,350℃以上の温度
域でミストを吹付けた例では,ミストが直接的には噴霧
されない中央部のめっき層にもZn11Mg2系の平衡相
は晶出していなかった。
付着量に制御した後のめっき層に対し,その温度が37
0℃以上,さらに好適には380℃以上である未凝固の
めっき層のエッジ近くの表面だけにミストを吹付け,3
50℃を超える温度すなわちめっき層が凝間を完了する
前までに吹付けを終了することによって,表面外観の良
好な溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板を得ることができ
る。
示したように種々変化させためっき浴を使用し,下記の
「めっき条件」と「ミスと吹付け条件」のもとで,溶融
Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造した。
4.5kgf/cm2) 噴霧水量:ノズル1本当たり45mL/min 噴霧空気量:ノズル1本当たり90NL/min 平均ミスト粒径:10μm めっき層までの吹き付け距離:100mm めっき層への吹付け幅:めっき層の表裏全面 ミスト吹付開始温度:ミスト吹付装置入側のめっき層の
温度(表3に表示) ミスト吹付終了温度:ミスト吹付装置出側のめっき層の
温度(表3に表示)
表中のエッジしわ幅は,めっき層凝固後の鋼帯のエッジ
から内側に延びたしわ模様の幅(図5の符号9で示す領
域)の測定値である。
けを行わない場合には,1.0重量%以上のAlと1.0
重量%以上のMgを複合添加した溶融Znめっき浴では
エッジしわが発生し易くなること,特に4.0重量%以
上のAlと1.0重量%以上のMgを複合添加した溶融
Znめっき浴ではエッジしわの発生が顕著になることが
わかる。これは,酸化しやすいMgとA1を一定量以上
含むと,めっき層の表面に形成される酸化皮膜の性状が
変化してエッジしわの成長が促進されるものと考えられ
る。
を制御した後の370℃以上の溶融状態にあるめっき層
表面にミストを吹き付けることによって低減でき,とく
に,380℃以上でミスト吹き付けを行うとほぼ完全に
消減させることができることがわかる。なお,A1:
1.0〜10.0重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,残
部が亜鉛のめっき浴組成の場合,めっき層の凝囲完了温
度は三元共晶組成の343℃である。
行ってもエッジしわを低減する効果が得られないのは,
板中央部のめっき層のたれ落ちを軽減するミストの強制
冷却効果が小さいことや,めっき層の粘性が低下する
か,あるいは表面の酸化皮膜が厚く成長するために,ミ
スト吹付けの圧力による皮膜の分断効果や凹凸形成効果
が得られ難くなるものと考えられる。
で溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造する際に,
下記の「ミスト吹付け条件」でめっき層の表裏全面にミ
ストを吹付けた。
%,Ti=0.04重量%,B=0.01重量%,残部=
Zn めっき浴温:420℃ 目付量:150g/m2 通板速度:50m/min
圧:1〜10kgf/cm2) 噴霧水量:ノズル1本当たり5〜1000mL/min めっき層までの吹付け距離:250mm ミスト吹付開始温度:400℃, ミスト吹付終了温度:385℃ ミスト平均粒径:1〜110μm
化させてミスト粒径を変化させ,種々の粒径のミストを
吹付けて得られためっき鋼板について,その表面肌とエ
ッジしわの発生状況を調べ,その結果を表4に示した。
また,入射光角度を60oとして光沢度計で測定しため
っき表面の光沢度の測定結果も表4に併記した。
き層に吹付けるミストの平均粒径により,エッジしわの
抑制効果および凝固後の表面肌は異なったものとなる。
すなわち,平均ミスト粒径が1μmでは充分なエッジし
わ低減効果が得られないが,4μm以上のミストを吹付
けるとエッジしわを防止できる。そして,平均ミスト粒
径が3μm以上17μm未満の場合は,光沢のある表面
肌となる。他方,平均ミスト粒径が17μm以上100
μm以下の場合は,表面が白色肌となる。
測される。このために光が乱反射して白く見えるものと
見てよい。微細な凹凸はミストの衝突圧力により形成さ
れたものと考えられる。ただし,平均ミスト粒径が10
0μmを越えると,めっき層に流れ模様が発生し,外観
ムラを呈するようになるので好ましくない。平均粒径が
大きすぎると,ミスト衝突時に,溶融状態のめっき層が
局部的に押しのけられることによって流れ模様が発生す
るのではないかと考えられる。
ンモニウム水溶液を用いた以外は実施例4と同様に実施
したところ,表4と同様の結果が得られることを確認し
た。また,空気に代えて窒素ガスを用いた以外は実施例
4と同様に実施したところ,やはり表4と同様の結果が
得られることを確認した。
た溶融Zn−Al−Mg系めっき浴を用いて,処理鋼帯
の種類,厚み,幅,通板速度,目付量を種々変え,また
下記の「ミスト吹付け条件」に記したようにその吹付け
条件を変化させて溶融Zn−Al−Mg系めっきを施し
た。いずれも連続24時間の運転を行った。また,いず
れもめっき浴立ち上がりから,めっき層の凝固完了まで
の平均冷却速度は4℃/秒以上とした。
グノズルはシールボックス内に設置し,このシールボッ
クス内の雰囲気を酸素濃度5vo1%以下に保持した。
また,噴霧ノズルも排気装置付きの噴霧ボックス内に配
置し,このボックス全体を上下することにより,めっき
層の温度が該ボックス入側で380℃以上,該ボックス
出側で360℃以上となるように該ボックス高さ並びに
ミスト噴霧量を調整した。さらに,この噴霧ボックスの
上方にはエアージエットクーラーを設置し,このクーラ
ーの位置をライン操業条件に合わせて上下することによ
り,クーラー内でめっき層の凝固が完了するようにし
た。
mm 通板速度:45〜150m/min めっき浴温:420℃ めっき浴組成:A1=6.0重量%,Mg=3.1重量
%,残部=Zn 目付量:40〜250g/m2(片面当たり)
圧:2〜7kgf/cm2) 平均ミスト粒径:10〜15μm 噴霧水量:ノズル1本当たり25〜100mL/min 噴霧空気量:ノズル1本当たり50〜100NL/mi
n めっき層までの吹付け距離:200mm
において,いずれの場合にも,エッジしわのない光沢肌
を持つ溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板が得られた。
溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造する場合に遭
遇するエッジしわの発生を抑制若しくは防止することが
できる。そして,このエッジしわ防止を図りながら,溶
融Zn−Al−Mg系めっき鋼板特有のZn11Mg2系
相の晶出を抑制し,Zn2Mg系相からなる表面外観と
耐食性に優れためっき層を形成することができ,しか
も,溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の表面肌の選択
・調整も可能であるという優れた効果を奏する。したが
って,本発明によると,高品質の溶融Zn−Al−Mg
めっき鋼板を安定して製造できるようになった。
を写した写真である。
ある。
示す金属顕微鏡写真である。
を示す略側断面図である。
ある。
っき設備の浴近傍の状態を示す略側断面図である。
断面図である。
略平断面図である。
系めっき設備の浴近傍の状態を示す略側断面図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 1.0重量%以上のAlおよび1.0重量
%を超えるMgを含有した溶融Znめっき浴に連続的に
通板される鋼帯を該浴から連続的に引き上げるさいに,
未だ凝固を完了していない370℃以上のめっき層の表
面に水または水溶液のミストを吹付けることを特徴とす
る溶融Zn基めっき鋼板のエッジしわ防止法。 - 【請求項2】 溶融Zn基めっき浴中のAl含有量が
4.0〜10重量%,Mg含有量が1.0〜4.0重量%
であり,該ミストの吹付けを,該めっき層の温度が未だ
凝固を完了していない350℃を超える温度域で行って
Zn11Mg2系相の晶出を抑制する請求項1に記載のエ
ッジしわ防止法。 - 【請求項3】 該ミストの吹付けは,未だ凝固を完了し
ていない370℃以上のめっき層の全表面に対して行わ
れる請求項1または2に記載のエッジしわ防止法。 - 【請求項4】 該ミストの吹付けは,未だ凝固を完了し
ていない370℃以上のめっき層のエッジ近くの表面だ
けに対して行われる請求項1または2に記載のエッジし
わ防止法。 - 【請求項5】 該ミストの平均粒径を3μm以上17μ
m未満としてめっき層に光沢肌を付与する請求項1,2
または3に記載のエッジしわ防止法。 - 【請求項6】 該ミストの平均粒径を17μm以上10
0μm以下としてめっき層に白色肌を付与する請求項
1,2または3に記載のエッジしわ防止法。 - 【請求項7】 めっき浴の浴温からめっき層の凝固完了
温度まで平均4℃/秒以上の冷却速度で冷却する請求項
1ないし6のいずれかに記載のエッジしわ防止法。 - 【請求項8】 溶融Zn基めっき浴は,Al:4.0〜
10重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,Ti:0.0
02〜0.1重量%,B:0.001〜0.045重量
%,残部がZnおよび不可避的不純物からなる請求項1
ないし7のいずれかに記載のエッジしわ防止法。 - 【請求項9】 溶融Zn基めっき浴の浴温は480℃未
満である請求項1ないし8のいずれかに記載のエッジし
わ防止法。 - 【請求項10】 鋼帯の連続溶融Zn−Al−Mg系め
っき設備におけるめっき浴の上方に,該めっき浴から連
続的に引き上げられる鋼帯のめっき層表面に対して水ま
たは水溶液を噴霧するための噴霧ノズルを,該めっき層
の凝固完了位置より下方の位置に配置したことを特徴と
する溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板のエッジしわ防
止装置。 - 【請求項11】 噴霧ノズルは,めっき層温度が350
℃以上に相当する位置に設置される請求項10に記載の
エッジしわ防止装置。 - 【請求項12】 噴霧ノズルは,排気装置付きの噴霧ボ
ックス内に設置される請求項10に記載のエッジしわ防
止装置。 - 【請求項13】 噴霧ボックスは,ワイピングノズルを
その中に設置したシールボックスの上方に設置される請
求項12に記載のエッジしわ防止装置。 - 【請求項14】 噴霧ボックスは,エアージエットクー
ラーの下方に設置される請求項12または13に記載の
エッジしわ防止装置。
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