JP3201469B2 - Mg含有溶融Zn基めっき鋼板 - Google Patents
Mg含有溶融Zn基めっき鋼板Info
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Description
の良好なMg含有溶融Zn基めっき鋼板に関するもので
ある。
っき浴を用いた溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板は耐
食性に優れるので,従来より種々の開発研究が進められ
てきた。しかし,現在のところ工業製品としての商業的
成功例を見ない。
いてAl:3〜17重量%,Mg:1〜5%重量%,残
部がZnからなる溶融めっき浴を用いた耐食性に優れた
溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板が提案されて以来,
この種の基本浴組成に対して各種の添加元素を配合した
り製造条件を規制することにより,一層の耐食性や製造
性を改善する提案が特公昭64−8702号公報,特公
昭64−11112号公報,特開平8−60324号公
報,特開平8−35049号公報等になされている。
7号,特願平9−63923号,特願平9−88704
号,特願平9−162035号等において,耐食性や表
面外観を一層改善した溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼
板を提案した。
l−Mg系めっき鋼板の工業的な製造にあたっては,得
られる溶融めっき鋼板が優れた耐食性を有することはも
とより,表面外観が良好な鋼帯成品を製造性よく連続生
産できることが必要である。ところが,この系統のめっ
き浴に対し,鋼帯を連続的に浸漬し浴から引き上げると
いう通常の溶融めっき操作を適用すると,板の幅方向に
延びる線状の縞模様が発生する。このような線状の縞模
様は,Mgを含有しないZn基めっき鋼板では,例えば
浴中にAlが添加されていても,通常条件では生じない
し,また溶融Alめっき鋼板でも例を見ない。本発明者
らは,この原因はめっき浴中のMgが関与しているこ
と,すなわち,間隔をあけながら発生する板幅方向の線
状の縞模様はMg含有溶融Zn基めっき鋼板特有のもの
であることを見いだした。
表面のめっき層には,その溶融状態で含Mg酸化皮膜が
生成し,この含Mg酸化皮膜の表面張力や粘性が,他の
溶融Znめっき鋼板や溶融Alめっき鋼板のものにはな
い特殊なものであるからであろうと本発明者らは考えて
いる。この特殊な問題が解決できなければ該めっき鋼板
の工業的な製造ができない。本発明は,該模様のない表
面外観の良好な該鋼板を得ることを課題としたものであ
る。
1.0重量%以上含有するZn基めっき浴に連続的に浸
漬される鋼板を該浴から連続的に引き上げるさいに,め
っき層が凝固するまでの間にめっき層表面に生成する含
Mg酸化皮膜の形態を制御して以下に定義する急峻度が
0.1%以下のめっき表面を形成したMg含有溶融Zn
基めっき鋼板を提供する。
向(鋼帯の長手方向)に表面の凹凸形状を測定し,その
単位長さの凹凸形状曲線から(1)式によって求める。 急峻度(%)=100×Nm×(M+V)/L ・・(1) ただし L=単位長さ( 100×103μm以上,250×103
μm以下とする), Nm=単位長さ中の山の数 M=単位長さ中の平均山高さ(μm) V=単位長さ中の平均谷深さ(μm) であり,平均山高さMは,凹凸形状曲線の各山の頂点か
ら該曲線の中心線までの垂直距離(山高さ) を計測し,
単位長さ中の全山高さの総計を山の数Nmで除したもの,
平均谷深さVは,凹凸形状曲線の各谷の最深底から該曲
線の中心線までの垂直距離(谷深さ)を計測し,単位長
さ中の全谷深さの総計を谷の数Nvで除したものである。
l−O系或いはMg−Al−M−O系(MはMgおよび
Al以外の元素)のようにマグネシウムと酸素を少なく
とも含む皮膜を意味しており,その厚さや皮膜中のMg
量などは製造条件に依存して変化するが,Mgを1.0
重量%以上含有するZn基めっき浴から鋼帯が引き上げ
られ且つめっき層が凝固するまでの間にめっき層の表面
に生成する薄い酸化皮膜を意味する。この含Mg酸化皮
膜の形態を制御するには,ワイピングガス中の酸素濃度
を調整すること,具体的にはその酸素濃度を3vol.%以
下とすること,或いは浴から引き上げられる鋼板を大気
雰囲気から隔離するシールボックスを設けることが実際
的であり,シールボックスを用いる場合にはシールボッ
クス内の酸素濃度を8vol.%以下とするのがよい。
は,Al:4.0〜10.0重量%,Mg:1.0〜4.0
重量%,Ti:0.002〜0.1重量%,B:0.00
1〜0.045重量%,残部がZnおよび不可避的不純
物からなるものを用いると耐食性および表面外観が良好
なめっき鋼板が得られる。
鋼板の製造の場合と同様に,インライン焼鈍型の連続溶
融めっきラインに鋼帯を通板して,例えば溶融Zn−A
l−Mg系めっき鋼板を連続的に製造することを意図
し,その基本浴組成としては,Al:4.0〜10重量
%,Mg:1.0〜4.0重量%,残部がZnおよび不可
避的不純物からなるもの,とりわけ,Al:4.0〜1
0.0重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,Ti:0.0
02〜0.1重量%,B:0.001〜0.045重量
%,残部がZnおよび不可避的不純物からなるものを用
いて,当該組成に相当するめっき層を有したMg含有溶
融Zn基めっき鋼板を得ることができるものである。先
ずこの基本浴組成について説明する。
Al:4.0〜10重量%,Mg:1.0〜4.0重量
%,残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融Zn
−Al−Mgめっき層を鋼板表面に形成した溶融Zn基
めっき鋼板であって,当該めっき層の金属組織を,〔A
l/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔初
晶Al相〕更には〔Zn単相〕が混在した組織とするこ
とによって耐食性と表面外観を向上させた溶融Zn−A
l−Mgめっき鋼板を提案したが,この先願発明の基本
浴組成をそのまま本願発明でも適用することができる。
鋼板の耐食性の向上および当該めっき浴のドロス発生を
抑制する作用を供する。Al含有量が4.0重量%未満
では耐食性向上効果が十分ではなく,またMg酸化物系
のドロス発生を抑制する効果も低いので,4.0重量%
以上,好ましくは5.0重量%を超えるAlを含有させ
る。他方,Al含有量が10重量%を越えると,めっき
層と母材鋼板との界面でFe−Al合金層の成長が著し
くなり,めっき密着性が悪くなる。好ましいAl含有量
は5.0超え〜10重量%,更に好ましいAl含有量は
5.0超え〜8.5重量%,一層好ましいAl含有量は
5.0超え〜7.0重量%である。
表面に均一な腐食生成物を生成させて当該めっき鋼板の
耐食性を著しく高める作用を供する。Mg含有量が1.
0重量%未満ではかような腐食生成物を均一に生成させ
る作用が十分ではなく,他方Mg含有量が4.0重量%
を越えてもMgによる耐食性向上効果は飽和し,かえっ
てMg酸化物系のドロスが発生しやすくなるので,Mg
含有量は1.0〜4.0重量%とする。好ましいMg含有
量は1.5〜4.0重量%,さらに好ましいMg含有量は
2.0〜3.5重量%,一層好ましいMg含有量は2.5
〜3.5重量%である。
添加するとZn11Mg2相の生成・成長を抑制すること
ができる。
含有させるとZn11Mg2相の生成・成長を抑制するこ
とができる。しかしTi含有量が0.1重量%を越える
と,めっき層中にTi−Al系の析出物が成長し,めっ
き層に凹凸(ブツ)が生じ,外観を損ねるようになるの
で好ましくはない。したがって,0.002〜0.1重量
%のTiを含有させるのがよい。
せると,Zn11Mg2相の生成・成長を抑制することが
できる。しかしB含有量が0.045重量%を越える
と,めっき層中にTi−BあるいはAl−B系の析出物
が成長し,めっき層に凹凸(同ブツ)が生じ,外観を損
ねるようになるので好ましくはない。したがって,0.
001〜0.045重量%のBを含有させるのがよい。
の場合,めっき層の金属組織の面から耐食性および表面
外観が良好となっても,前記したようにMgによる特有
の線状の縞模様発生の問題が解決できなければ工業製品
とはなり得ない。本発明者らは,製造ラインを想定した
連続溶融めっきラインでこの問題を解決すべく数多くの
試験を繰返したところ,このMgによる特有の問題は,
鋼帯を浴から連続的に引き上げるさいに,鋼帯表面のめ
っき層が凝固するまでの間に形成される含Mg酸化皮膜
の形態に原因があり,この含Mg酸化皮膜の形態を制御
すれば,他の条件はいかようであれ,前記の線状の縞模
様の発生が防止できることを見いだした。
記の特有の模様は,板幅方向に延びる比較的幅広の筋が
間隔をあけて多数現れる一種の縞模様であるが,これが
発生したとしても,その程度が目視観察では判別できな
いほど軽微なものであれば工業製品として何ら問題はな
い。このため,この線状の縞模様の程度を定量化する指
標として「急峻度(%)」を採用する。この急峻度は前
記(1) 式に従うものであるが,これは,得られためっき
鋼板のめっき方向すなわち鋼帯の長手方向の表面の凹凸
状態を定量化するものである。前記(1) 式に従う急峻度
が0.1%を超えると,目視で判別できる板幅方向の線
状の縞模様が現れる状態となる。
おいて,鋼帯表面に付着した溶融めっき層が凝固するま
での間には,金属間化合物の生成を伴う非平衡状態での
凝固組織の生成と,メタル成分の雰囲気中酸素との酸化
反応が同時に進行するものと考えられるが,Mgを1.
0重量%以上含有する場合は,溶融状態にあるめっき層
表面に未凝固の含Mg酸化皮膜が生成し,めっき層の表
層部と深部との間で粘性差や質量差が生じると共に表層
の表面張力に変化を来たし,その程度が或る閾値を超え
たときに,表層部だけが一様に下方に垂れ落ちる(ずり
落ちる)現象が回分的に発生し,その状態で凝固する
と,前記したような線状の縞模様となると推測される。
めっき層が凝固するまでの間,含Mg酸化皮膜の生成を
完全に回避することである。しかし,実際操業ラインに
おいては,極めて酸素親和力の強いMgの酸化を,めっ
き層が凝固するまでの間で防止することは簡単ではな
く,これを実現するには過剰な設備と費用を要すること
になる。
生成を許容しても,急峻度を0.1%以下にできる条件
を見いだすべく種々の試験を行った。その結果,ワイピ
ングガス中の酸素濃度を3vol.%以下とすること,また
は,浴から引き上げられる板を大気雰囲気から隔離する
シールボックスを設けること,特に後者の場合にはシー
ルボックス内の酸素濃度を8vol.%以下とすることが,
急峻度0.1%以下とする不可欠な要件であることを見
いだした。
るZn−Al−Mg系の溶融めっき浴1の中に,鋼帯2
を,スナウト3を通じて連続的に浸漬し,浴中ロール4
で方向転換して,浴1から垂直上方に連続的に引き上げ
る状態を図解的に示したものである。浴1から連続的に
引き上される板表面に対して,ワイピングノズル5か
ら, めっき量(目付量)の調整のためにワイピングガス
が吹付けられる。このワイピングノズル5は,板の幅方
向に(紙面の表裏方向)に設置したパイプに吹出口を設
けたものであり,この吹出口から連続的に引き上げられ
る板の板幅一杯に一様にガスが吹付けられることによ
り,板面に付着する溶融めっき層が所定厚みとなるよう
に絞られる。
ングガスの酸素濃度と急峻度との関係を調べたところ,
酸素濃度が3vol.%以下で確実に急峻度0.1以下とな
ることがわかった。すなわち,ワイピングガス中の酸素
は3vol.%まで許容しても,Mg含有溶融Zn基めっき
鋼板の前記の線状縞模様は外観上問題がない程度に改善
できるのである。ワイピングガスが吹付けられると,そ
の吹付け位置ではめっき層内部の新生な面とガスが接触
し,そのガスは板面に沿って下方と上方に膜流として流
れることになるが,ワイピングガス中の酸素濃度が3vo
l.%を超えると,めっき層が凝固する迄の間に表層部の
たれ落ち(ずれ落ち)現象が起きやすくなり,急峻度が
0.1%を超えるようになる。
雰囲気から遮断するためのシールボックス6を取付けた
以外は,図1と同様の状態を図解的に示したものであ
る。シールボックス6は,そのスカート部6aの端縁を
浴1内に浸漬し,その上板の中央部に板2が通過するス
リット状の開口7を設けたものであり,その中にワイピ
ングノズル5が設置されている。ワイピングノズル5か
ら吹き出された実質上全てのガスは,前記の開口7から
ボックス外に放出される。このようなシールボックス6
を設ける場合には,ボックス6内の酸素濃度を8vol.%
まで許容しても急峻度0.1%以下とすることができる
ことがわかった。シールボックス6内の酸素濃度を8vo
l.%以下に維持するには,ボックス内のワイピングノズ
ル5から吹き出すガス中の酸素濃度を8vol.%以下とす
ればよい。したがって,図2のようにシールボックス6
を設ける場合には,ワイピングノズル5から吹き出すワ
イピングガスの酸素濃度を図1の場合よりも更に高い濃
度にまで許容できることになる。
に説明する。
しの状態で,ワイピングガスとして窒素ガスと空気の混
合ガスを使用した例を示す。
鋼板を製造し,得られた溶融めっき鋼板の表面の急峻度
を前記(1) 式に従って求めた。 [めっき条件] 処理設備:オールラジアントチューブ型の連続溶融めっ
き設備 処理鋼板:中炭素アルミキルド鋼の熱延鋼板(厚み:
1.6mm) 還元炉最高到達板温:600℃ 露点:−30℃ めっき浴温:400℃ 浸漬時間:4秒 ワイピングガス:窒素ガス+空気(酸素0.1〜12vo
l.%に調整) めっき後の冷却速度:空冷方式で8℃/秒(浴温から凝
固温度までの平均) めっき目付量:50,100,150または200g/
m2 [めっき浴組成] Al=6.2重量% Mg=3.5重量% Ti=0.01重量% B =0.002重量% 残部=Zn
グガス中の窒素と空気の混合比率を変えて(酸素濃度を
変えて)得た各々のめっき鋼板の急峻度の測定結果を示
した。表中の線状の縞模様評価は,目視観察で該模様の
程度を3段階評価したものであり,該模様が全く観察で
きないか若しくは極めて軽微で外観状は全く問題のない
ものを○印,該模様が観察されたがそれほど大きくない
ものを△印,明瞭に観察されたものを×印とした。
ガス中の酸素濃度を3vol.%以下とすれば,どの目付量
でも急峻度急峻度が0.1以下となり,外観状問題のな
いめっき鋼板が得られた。ただし,特別の場合として,
目付量が50g/m2 の場合には,ワイピングガス中の
酸素濃度は5vol.%まで許容できる。
しの状態で,ワイピングガスとして燃焼排ガスを使用し
た例を示す。
鋼板を製造し,得られた溶融めっき鋼板の表面の急峻度
を前記(1) 式に従って求めた。 [めっき条件] 処理設備:NOFタイプの連続溶融めっき設備(試験設
備) 処理鋼板:低炭素アルミキルド鋼の冷延鋼板(厚み:
0.8mm) 還元炉最高到達板温:780℃ 露点:−25℃ めっき浴温:450℃ 浸漬時間:3秒 ワイピングガス:無酸化炉内燃焼排ガス(無酸化炉の空
燃比を変えたもの) めっき後の冷却速度:空冷方式で12℃/秒(浴温から
凝固温度までの平均) めっき目付量:50,100,150または200g/
m2 [めっき浴組成] Al=9.1重量% Mg=2.0重量% Ti=0.02重量% B =0.004重量% 残部=Zn
ングガスとして使用した燃焼排ガス中の酸素濃度を変え
た場合の,各めっき鋼板の急峻度の測定結果を示した。
なお,燃焼排ガス中の酸素濃度は,無酸化炉の空燃比変
化と燃焼排ガスのアフターバーニングとの組み合わせ
で,表示のように変化させた。表中の線状の縞模様評価
は実施例Aの場合と同様である。なお,無酸化炉の空燃
比変化と燃焼排ガスのアフターバーニング条件の変化に
より,排ガス中の二酸化炭素濃度と水蒸気濃度も変化し
た。その変化幅は次のとおりである。 酸素濃度:0.1〜12vol.% 二酸化炭素濃度:0.3〜10vol.% 水蒸気濃度:1.5〜5.3 vol.%
および水蒸気を含む燃焼排ガスをワイピングガスとして
使用しても,ガス中の酸素濃度を3vol.%以下とすれ
ば,どの目付量でも急峻度急峻度が0.1以下となり,
外観状問題のないめっき鋼板が得られた。このことか
ら,急峻度に影響を与える含Mg酸化皮膜の形態に及ぼ
すのは遊離の酸素であることが明らかであり,CO2中
の酸素やH2O中の酸素ではなく遊離の酸素濃度が3vo
l.%を超えないようにすれば,急峻度を0.1以下にで
きる。ただし,特別の場合として,目付量が50g/m
2 の場合には,ワイピングガス中の酸素濃度は5vol.%
まで許容できる。
付けた状態で,シールボックス内のワイピングノズルか
ら燃焼排ガスを吹き出した例を示す。図2のように,ワ
イピングノズル5をその中に収めるようにシールボック
ス6を取付け,ワイピングガス5から吹き出す燃焼排ガ
スの酸素濃度を実施例Bの場合と同様にして変化させ
た。ワイピングガス中の酸素濃度とシールボックス内の
酸素濃度は極めて近似した相関を有することをガス分析
の測定により確認した。したがって,操業の間,シール
ボックス内はワイピングガスと同じ組成のガス雰囲気に
維持されていると見てよい。
と実質上同一にして,各目付量でワイピングガスの酸素
濃度を変えて得ためっき鋼板の急峻度を測定し,表3の
結果を得た。表3において「シールボックス内の酸素濃
度」は,ワイピングガス中の酸素濃度の測定値をもって
示してある。無酸化炉の空燃比および燃焼排ガスのアフ
ターバーニング条件を変えることによって排ガス中の二
酸化炭素濃度と水蒸気濃度も変化したが,その変化幅は
実施例Bの場合と同じである。
および水蒸気を含む燃焼排ガスをワイピングガスとして
使用しても,ワイピングガス中の酸素濃度ひいてはシー
ルボックス内の酸素濃度を8vol.%以下とすれば,どの
目付量でも,急峻度が0.1以下となり,外観上問題の
ないめっき鋼板が得られた。
る急峻度の測定については,本文に説明のとおり行った
ものであるが,その実測例を以下に挙げる。
線の一例を示したものである。このチャートは,通板方
向(鋼帯の長手方向)に触針式表面凹凸形状測定器で測
定したものであり,基準長さ(L)として250×10
3 μm(250mm)を採ったものである。この凹凸曲
線に中心線を引き, 中心線までの各山高さ=mi L中の山の数=Nm 中心線までの各谷深さ=Vi L中の谷の数=Vm を求める。これらから, 平均山高さM=Σmi/Nm 平均谷深さV=ΣVi/Vm 平均ピッチ=L/Nm を算出する。
められ,この平均高低差を平均ピッチで除し,これを%
表示すれば,急峻度が求まる。この操作を簡略化すれ
ば,急峻度(%)=100×Nm×(M+V)/Lとな
る。ちなみに,表1のめっき目付量=150g/m2 ,
ワイピングガス中の酸素濃度=5.0vol.%で得られた
めっき鋼板では,L=250×103 μmにおいてΣm
i=172μm,Nm =25,ΣVi=137μm,Vm
=25が求められ,平均高低差(M+V)=12.4μ
m,平均ピッチ=10×103 μmとなった。よって,
急峻度=0.12%が算出された。
度と,線状の縞模様の目視評価の相関を示したものであ
る。図4の上段には急峻度の値(更には平均高低差およ
び平均ピッチの値)と実施例Aで説明した目視評価の関
係を表示したものであり,図4の下段はそれを図表に示
したものである。図4から急峻度0.10%以下のめっ
き鋼板は線状縞模様のない工業製品となることがわか
る。
表面外観の良好なMg含有溶融Zn基めっき鋼板の工業
製品を提供できる。このめっき鋼板は従来の溶融Znめ
っき鋼板では達し得ないような優れた耐食性を示すの
で,耐食性材料分野において多大の貢献ができる。
す状況を示す浴近傍の略断面図である。
す他の状況を示す浴近傍の略断面図である。
例を示すチャートである。
関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 Mgを1.0重量%以上含有するZn基
めっき浴に連続的に浸漬される鋼帯を該浴から連続的に
引き上げるさいに,めっき層が凝固するまでの間にめっ
き層表面に生成する含Mg酸化皮膜の形態を制御して急
峻度が0.1%以下のめっき表面を形成したMg含有溶
融Zn基めっき鋼板。ただし,急峻度(%)は,通板方
向(鋼帯の長手方向)にめっき表面の凹凸形状を測定
し,その単位長さの凹凸形状曲線から(1)式で求まる値
である。 急峻度(%)=100×Nm×(M+V)/L ・・(1) L=単位長さ( 100×103μm以上,250×103μm以下
とする), Nm=単位長さ中の山の数, M=単位長さ中の平均山高さ(μm), V=単位長さ中の平均谷深さ(μm)を表す。 - 【請求項2】 含Mg酸化皮膜の形態は,ワイピングガ
ス中の酸素濃度を3vol.%以下とすることによって制御
される請求項1に記載のMg含有溶融Zn基めっき鋼
板。 - 【請求項3】 含Mg酸化皮膜の形態は,浴から引き上
げられる鋼板を大気雰囲気から隔離するシールボックス
によって制御される請求項1に記載のMg含有溶融Zn
基めっき鋼板。 - 【請求項4】 シールボックス内にワイピングノズルが
設けられ,該ノズルから吹き出すワイピングガスの酸素
濃度を調節することにより,シールボックス内の酸素濃
度を8vol.%以下に制御する請求項3に記載のMg含有
溶融Zn基めっき鋼板。 - 【請求項5】 Zn基めっき浴は,Al:4.0〜10.
0重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,Ti:0.00
2〜0.1重量%,B:0.001〜0.045重量%,
残部がZnおよび不可避的不純物からなる請求項1に記
載のMg含有溶融Zn基めっき鋼板。
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