JP2000095726A - ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法、及びその反応生成物含有組成物 - Google Patents

ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法、及びその反応生成物含有組成物

Info

Publication number
JP2000095726A
JP2000095726A JP10272736A JP27273698A JP2000095726A JP 2000095726 A JP2000095726 A JP 2000095726A JP 10272736 A JP10272736 A JP 10272736A JP 27273698 A JP27273698 A JP 27273698A JP 2000095726 A JP2000095726 A JP 2000095726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
group
compound
reaction
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10272736A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4290249B2 (ja
Inventor
Ryuji Kikuchi
隆二 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawaken Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP27273698A priority Critical patent/JP4290249B2/ja
Publication of JP2000095726A publication Critical patent/JP2000095726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4290249B2 publication Critical patent/JP4290249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Abstract

(57)【要約】 【課題】 −CH2 OH基含有脂肪族化合物を脱水素酸
化して対応カルボン酸を、高純度をもって製造する。 【解決手段】 −CH2 OH基含有脂肪族化合物(例え
ばポリオキシアルキレンモノエーテル化合物を、超臨界
又は擬臨界流体の状態にある二酸化炭素媒体中で、Pt
及びPdの1種以上を含む触媒の存在下に酸素と反応さ
せて、前記−CH2 OH基を−COOH基に脱水素酸化
させ、得られた高純度生成物を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシメチル
基含有脂肪族有機化合物の脱水素酸化方法、およびこの
方法により得られた反応生成物を含有し、安全性の高い
組成物に関するものである。特に本発明は、ポリアルキ
レングリコールモノエーテル化合物から、不純物含有量
が少なく、安全性の高いポリオキシアルキレンモノエー
テルモノカルボン酸、及びその塩を製造する方法、及び
その反応生成物を含有する組成物を得るために有用なも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常の有機合成的手法によりアルコール
性水酸基にカルボキシアルキル基を導入するには、水酸
化ナトリウムの存在下、モノクロル酢酸などを使用する
方法が一般的に用いられているが、モノクロル酢酸は空
気中の水分で容易に分解してしまい、塩酸ガスを発生す
るので取扱に注意を要するという問題点がありまた、反
応生成物中に多量の無機塩が残存するので、これを水洗
等の操作により除去する必要がある。反応生成物中に無
機塩が存在すると反応生成物の粘度が上昇し作業性が悪
くなるのみならず、これを家庭用液体洗浄剤に配合した
場合、無機塩のために悪影響が生ずる場合がある。一般
に界面活性剤の水洗分液操作は、界面活性剤成分が水溶
性を有するために非常に困難であり、かつ目的物のロス
も多いという問題点がある。
【0003】一級アルコールをアルカリ金属の水酸化物
水溶液の存在下に脱水素酸化反応させ、カルボン酸塩及
びアルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤
を得るための方法として、白金、パラジウム等の貴金属
触媒(特開昭50−96516)、ラネー銅(特開平7
−2743)、又は共沈法による銅/ジルコニア触媒
(特公平6−27099)等の触媒を使用する方法が知
られていた。しかしながらこれらの反応系では、150
〜200℃程度の比較的高い温度を必要とするため、反
応生成物において脱炭酸等の副反応が進行することが多
く、このため、目的とするカルボン酸塩及びアルキルエ
ーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤の選択率が低
いという欠点がある。
【0004】一級アルコールを、Pd,Pt等の貴金属
触媒の存在下に、酸素によって接触酸化して、カルボン
酸塩型アニオン界面活性剤を得る方法(特開昭62−1
98641、特開昭62−198649)が知られてい
た。しかしながら、これらの方法においては、触媒の第
二金属成分としてSe等を用いることが必要であり、な
お反応の際の基質の濃度が20%程度の比較的低いもの
であるので、必ずしも工業規模における製造に適する方
法ではなかった。反応に際して水を溶媒として使用する
ので高濃度の目的物を得るためには、反応液を濃縮する
等の極めて煩雑な操作を必要とする。界面活性剤水溶液
の濃縮は、発泡等のために非常に困難であることが知ら
れている。当然のことながら、希釈溶媒を使用せずに触
媒酸化反応を行うと、爆発の可能性があり、極めて危険
である。
【0005】また近年、化粧品や洗浄剤に対し安全性が
強く求められている。モノクロル酢酸などを用いて製造
されたアルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活
性剤には、若干の刺激性が残留しており(特開昭58−
185622)、このためより安全性の高いカルボン酸
基含有界面活性剤の提供が強く望まれている。
【0006】既述のようにヒドロキシメチル基を、カル
ボン酸基に脱水素酸化する従来の触媒酸化反応は、いず
れも反応濃度、選択性、収率等の点で問題がある。ま
た、モノクロル酢酸を使用する有機合成的手法では、原
料の安全性、反応後の無機塩の生成の点で問題がある。
そこでこれらの課題を解決し、反応を高濃度かつ低温で
行うことができ、原料転化率、目的物選択性に優れた一
級アルコールの液相脱水素酸化方法及びこの製造法によ
って得られる安全性の高いカルボン酸化合物を含む組成
物、特に界面活性剤組成物の提供が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1個以上の
ヒドロキシメチル基(−CH2 OH基)を有する脱脂肪
有機化合物を酸素と反応させて前記ヒドロキシメチル基
をカルボン酸基に脱水素酸化して、不純物含有率の少な
く、安全なカルボン酸化合物を製造する方法を提供しよ
うとするものである。本発明はまた、上記本発明方法に
より得られるポリオキシアルキレンモノエーテルモノカ
ルボン酸化合物を含む組成物、特に上記カルボン酸化合
物と界面活性剤を含む組成物を提供しようとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒドロキシ
メチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法は、少なくと
も1個のヒドロキシメチル基(−CH2 OH)を有する
脂肪族有機化合物を、超臨界流体又は擬臨界流体の状態
にある二酸化炭素媒体中において、Pt及びPdから選
ばれた少なくとも1種を触媒成分として含む不均一系貴
金属触媒の存在下に、酸素と反応させて、前記ヒドロキ
シメチル基をカルボン酸基に脱水素酸化する、ことを特
徴とするものである。本発明方法において、前記脂肪族
有機化合物は、少なくとも1個のヒドロキシメチル基を
有する1価の脂肪族一級アルコール化合物、多価の脂肪
族多価一級アルコール化合物及びその不完全エーテル化
合物、ポリアルキレングリコール、及びポリオキシアル
キレンモノエーテル化合物から選ぶことができる。また
本発明方法において、前記脱水素酸化反応の終了後、カ
ルボン酸基を含有する目的反応生成物を含有する反応系
混合物から、前記触媒を除去し、かつ前記二酸化炭素を
除去して、カルボン酸基含有目的反応生成物を主成分と
して含有する反応生成物混合物を回収することをさらに
含むことが好ましい。さらに、本発明方法において、前
記脂肪族有機化合物が、下記一般式(I):
【化6】 〔上記式I中、R1 は(i)4〜14個の他素原子を有
する直鎖状及び分岐鎖状アルキル基を有するアルキルフ
ェニル基、並びに、(ii)8〜36個の炭素原子を有す
る直鎖状及び分岐鎖状アルキル基、及びアルケニル基か
ら選ばれた1員を表し、EOは、オキシエチレン基を表
し、POはオキシプロピレン基を表し、R 2 は水素原子
又はメチル基を表し、n及びmは、それぞれ互いに独立
に、0又は1〜100の整数を表し、但し、n及びmが
ともに0であることはない〕により表されるポリオキシ
アルキレンモノエーテル化合物から選ばれ、前記一般式
(I)のポリオキシアルキレンモノエーテル化合物の前
記脱水素酸化反応により、下記一般式(II):
【化7】 〔但し、上式中R1 ,EO,PO,R2 ,n及びmは前
記定義に同じ〕のポリオキシアルキレンモノエーテルモ
ノカルボン酸を製造し、前記脱水素酸化反応の終了後、
前記式(II)の反応生成物を含む反応系混合物から前記
触媒を除去し、かつ前記二酸化炭素媒体を除去して、前
記式(II)のポリオキシアルキレンモノエーテルモノカ
ルボン酸を主成分として含む反応生成物混合物を回収す
ることができる。さらに本発明方法において前記反応生
成物混合物中の前記式(II)のポリオキシアルキレンモ
ノエーテルモノカルボン酸を、下記式(III ):
【化8】 〔上式(III )中kは、1以上の整数を表し、M2 はk
価のカチオンを形成する原子及びグループを表し、
1 ,EO,PO,R2 ,n及びmは前記定義に同
じ。〕により表されるポリオキシアルキレンモノエーテ
ルモノカルボン酸塩に変成し、得られたポリオキシアル
キレンモノエーテルモノカルボン酸塩含有反応生成物混
合物を回収することができる。さらに、本発明方法にお
いて前記式(III )において、M1 により表されるk価
のカチオン性原子及びカチオン性グループを、アルカリ
金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基、ア
ルカノールアミンのカチオン性残基、及び塩基性アミノ
酸のカチオン性残基から選ぶことができる。本発明に係
る反応生成物は上記本発明の脱水素酸化方法により得ら
れ、かつ式(III )のポリオキシアルキレンモノエーテ
ルモノカルボン酸塩を高純度で含有するものである。本
発明の界面活性剤組成物は上記本発明の脱水素酸化方法
により得られ、高純度の式(III )のポリオキシアルキ
レンモノエーテルモノカルボン酸塩を含有する反応生成
物と、これとは異種の少なくとも1種の界面活性剤とを
含むものである。本発明の洗浄剤化合物は、上記本発明
の脱水素酸化方法により得られ、かつ高純度の式(III
)のポリオキシアルキレンモノエーテルモノカルボン
酸塩を含有する反応生成物と、下記一般式(IV):
【化9】 〔但し、上式(IV)中、R3 は、7〜19個の炭素原子
を有する直鎖状及び分岐鎖状の、飽和及び不飽和の炭化
水素を表し、R4 は、下記式(a),(b),(c),
(d),(e),(f),(g)及び(h):
【化10】 により表される2価の基の1員を表し、pは、1以上の
整数を表し、M2 は、p価のカチオンを形成する原子及
びグループの1員を表す〕により表される少なくとも1
種の界面活性化合物とを含むものである。本発明の洗浄
剤組成物において、前記式(IV)において、M2 が、ア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム
基、アルカノールアミンのカチオン性残基及び塩基生ア
ミノ酸のカチオン性残基から選ばれた1員を表すことが
好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において一価の脂肪族アル
コール化合物を、不均一系貴金属含有触媒の存在下にお
いて、酸素と反応させて脱水素酸化する液相反応につい
て鋭意検討し、その結果、超臨界流体、又は擬臨界流体
の状態にある二酸化炭素を反応媒体として、上記脱水素
酸化反応を、行うことにより副反応を抑制し、上記一価
の脂肪族アルコール化合物に対応するカルボン酸化合物
を高収率・高純度をもって、製造し得ることを見出し、
この知見に基いて、本願発明が完成された。
【0010】二酸化炭素の超臨界流体とは、二酸化炭素
に固有の臨界温度:31.1℃及び臨界圧:75.4kg
/cm2 以上の温度及び圧力において、気体とも液体とも
区別できない流体状態を意味し、二酸化炭素の擬臨界流
体とは、20℃の温度において、その温度における二酸
化炭素の飽和蒸気圧以上の圧力下に保持され、ほゞ流体
の状態にあるものを云う。超臨界流体は、固体、液体、
気体に次ぐ物質の第4の状態であると言われ、気体なみ
の分子運動速度と液体なみの分子密度を併せ持つ流体で
ある。超臨界状態では分子同士がクラスターの形成、開
裂を短時間に繰り返すので、分子自体が非常に高活性な
状態にある。
【0011】超臨界二酸化炭素は、動植物由来の天然成
分の抽出、超臨界クロマトグラフィー等に利用されてい
る。超臨界流体を利用した酸化反応例として、超臨界二
酸化炭素中で貴金属触媒存在下、水素を酸化して過酸化
水素を製造する方法が知られているが(特開平9−23
5108)、超臨界流体状態の二酸化炭素を反応媒体と
して利用する有機物の酸化方法については全く知られて
いない。一級アルコール化合物を、二酸化炭素からなる
不活性ガス中において、高温に加熱して酸素により脱水
素酸化する気相酸化方法は既知であるが、この気相酸化
方法は、所要反応温度が超臨界温度よりもはるかに高
く、このため副反応が多く発生し、目的反応生成物の純
度・及び収率が低く、しかも、得られた目的反応生成物
(カルボン酸化合物が、高温度脱炭酸反応を生じて分解
しやすいという欠点があった。
【0012】本発明方法においては、二酸化炭素を超臨
界温度近辺(約40℃以下)において超臨界流体状態化
し、これを流体反応媒体として用いることにより、一級
アルコール化合物の脱水素酸化反応を、副反応を少なく
し、目的反応生成物を高純度・高収率で得ることに成功
したものである。
【0013】二酸化炭素は酸化に対して化学的に非常に
不活性で、有機物の酸化反応における一種の“溶媒”と
して使用することが可能である。一級アルコールの触媒
酸化反応における超臨界二酸化炭素流体の関与の機構は
明かではないが、おそらく非常に活性な一種の溶媒とし
て働き、基質、酸素、触媒の接触効率を高めているもの
と考えられる。そのため原料基質の反応性が飛躍的に向
上し、40℃以下の比較的低温でも反応を開始すること
ができる。また原料化合物中のEO鎖の酸化的開裂等の
副反応を抑制することができる。また、平衡論的に脱炭
酸、燃焼等の副反応を効果的に抑制していることも考え
られるので、本発明の方法により得られるポリオキシア
ルキレンアルキルモノエーテルモノカルボン酸塩型アニ
オン界面活性剤は、脱炭酸反応によるメトキシ体、燃焼
反応によるアルキル鎖の短縮物等の副生成物の含有量が
極めて少ない。さらに、超臨界または擬臨界状態の二酸
化炭素を溶媒としているので、水等の通常の希釈溶媒を
必要とせず、非常に高濃度で反応を行うことができる。
超臨界または擬臨界状態の二酸化炭素が酸素の希釈用不
活性ガスとしても作用するので、爆発の危険もない。
【0014】本発明方法で得られるポリオキシエチレン
アルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤
は、現在工業規模で市場に流通しているモノクロル酢酸
法で製造された同系統の界面活性剤と比較して副生成物
の含有量が極めて少ないので、刺激が少なく、安全性が
高く、起泡力、洗浄力および泡質に優れている。
【0015】本発明方法において、1個以上のヒドロキ
シメチル基(−CH2 OH)を有する脂肪族化合物を超
臨界流体、又は擬臨界流体の状態にある二酸化炭素媒体
中において、Pt及びPdから選ばれた少なくとも1種
の貴金属を触媒成分として含む不均一系触媒の存在下
に、酸素と反応させて前記ヒドロキシメチル基をカルボ
ン酸基(−COOH)に脱水素酸化する。本発明方法に
用いられるヒドロキシメチル基含有脂肪族有機化合物
は、一価の脂肪族一級アルコール化合物、例えば炭素原
子数1〜20個のアルキルアルコール、多価の脂肪族一
級アルコール化合物及びその不完全エーテル化合物、例
えば炭素原子数2〜10,000個のアルキレングリコ
ール、そのモノエーテル化合物、グリセリン、グリセリ
ンのモノ、及びジエーテル化合物、ポリアルキレングリ
コール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシ、プロ
ピレン共重合体、及びポリオキシアルキレンモノエーテ
ル化合物などを包含する。
【0016】本発明に用いられる二酸化炭素は、超臨界
流体状態(臨界温度:31.1℃、臨界圧:75.4kg
/cm2 (72.8気圧)以上)、又は擬臨界流体状態
(温度20℃、圧力:当該温度における飽和蒸気圧、以
上)にあり、流体媒体として、作用し、本発明反応を促
進する。この流体媒体に必要により希釈用ガス(例えば
窒素、ヘリウム及びアルゴンを混合してもよい。
【0017】本発明方法に用いられる不均一系貴金属触
媒は、原料有機化合物に対し0.5〜50重量%、好ま
しくは1〜30重量%の量で用いられ、その有効金属と
してPt,Pd,Rh,Re,Ru及びIrなどの1種
以上を用いることができるが、一般にはPt及びPdか
ら選ばれた1種以上を用いることが好ましく、Ptを用
いることがより好ましい。不均一貴金属媒体の使用量が
過少であると、所要反応時間が長くなり、その量が過多
の場合には、目的生成化合物から分離することが困難に
なる。上記貴金属触媒は、担体に担持されていてもよ
く、されていなくてもよい。一般に触媒担体としては、
活性炭、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等が
使用される。担体を使用する場合は活性炭が特に好まし
い。貴金属の担持量は、触媒総重量に対して0.05〜
30重量%の範囲である。好ましくは0.5〜20重量
%の範囲である。貴金属の担持量が0.5%以下の場合
は触媒能が低下してしまい、30%以上の場合は貴金属
の担体からの脱離が見られる。また、Ni,Co,Cu
等のラネー型触媒を使用することも可能である。
【0018】本発明方法において、原料有機化合物を直
接反応系中に送入してもよく、或は必要により溶媒に溶
解し、その溶液として反応系中に送入してもよい。溶媒
としては、水、三級アルコール、アセトン、THFなど
を用いることができるが、水を用いることが好ましい。
溶媒を用いる場合、それに溶解される原料化合物の濃度
は1〜99重量%であることが好ましい。
【0019】本発明方法において、酸素は高純度酸素ガ
ス、或は窒素、不活性希ガス(ヘリウム又はアルゴン)
などにより希釈されたガスとして供給されてもよい。一
般には窒素を用いることが好ましい。
【0020】本発明方法において、反応温度は21〜2
50℃、圧力は76〜200kg/cm 2 の範囲内において
反応系中の二酸化炭素が超臨界流体又は擬臨界流体を形
成するように選択設定される。
【0021】本発明方法において、反応終了後、目的反
応生成物を含有する反応系から触媒を、通常の触媒分離
方法、例えば遠心分離法、吸引ろ過法、加圧ろ過法など
により除去し、かつ二酸化炭素を除去する。前記分離さ
れた触媒は繰り返えし使用される。
【0022】本発明方法により製造されたカルボン酸化
合物は−COOH基を有しているから、必要により、−
COOH基をカルボン酸塩基に変成することができる。
このカルボン酸塩基の形成には、Na,K、などのアル
カリ金属、アンモニア、アルカノールアミン、塩基性ア
ミノ酸などを用いることができる。
【0023】本発明方法は、モノクロル酢酸を使用する
有機合成的な手法による方法と異なり、無機塩を生成す
ることはない。また、超臨界または擬臨界二酸化炭素を
一種の“溶媒”として用いているので、水等の通常の希
釈用溶媒を必要とせず、極めて高濃度の条件で反応を行
うことができ、ほとんど水分を含まない高濃度の状態で
目的物を得ることができる。さらに、副反応を効果的に
抑制し、高収率に目的物を得ることができる。特に原料
化合物がEO鎖などを含む場合でも、その酸化的開裂反
応、脱炭酸反応、燃焼反応等の副反応はほとんど進行し
ないので、それらの副反応による副生成物(低級アルコ
ール、低級カルボン酸、メトキシ体、EO鎖、アルキル
鎖の短い成分等)の含有は極めて少ない。反応条件によ
って多少異なるが、超臨界または擬臨界二酸化炭素中で
触媒酸化反応を行うことで、目的物の収率は、従来方法
の約2倍に向上し、副生成物の含有量は約半分に抑える
ことができる。二酸化炭素の臨界点は比較的低く(3
1.1℃、75.4kg/cm2)、特別な反応装置を用い
ること無しに、通常のオートクレーブ等の高圧反応装置
で超臨界または擬臨界状態を得ることができるので、工
業規模の生産に有利である。さらに、本発明方法で得ら
れる生成物、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤は、従来品に比べ
て副生成物の含有量が極めて少ないので、低刺激性で安
全性が高く、かつ高起泡力、高洗浄力で泡質がクリーミ
ーである。反応形式も回分式、半回分式、連続式反応の
いずれの方法も用いることができる。
【0024】本発明方法において、原料脂肪族有機化合
物として、前記一般式(I)のポリオキシアルキレンモ
ノエーテル化合物を用い、その脱水素酸化反応により前
記一般式(II)のポリオキシアルキレンモノエーテルモ
ノカルボン酸を製造することができる。この反応生成物
混合物から、前述のようにして、触媒を除去し、かつ二
酸化炭素を除去すれば、式(II)のポリオキシアルキレ
ンモノエーテルモノカルボン酸を生成分とし、不純物の
含有量のきわめて少ない反応生成物を回収することがで
きる。式(II)のポリオキシアルキレンモノエーテルモ
ノカルボン酸と、造塩化合物とを反応させて、前記式
(III )のポリオキシアルキレンモノエーテルモノカル
ボン酸塩に変成させて、高純度のポリオキシアルキレン
モノエーテルモノカルボン酸塩を得ることができる。こ
の塩変成には、造塩性化合物として、アルカリ金属の水
酸化物炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アンモニ
ア、アルカノールアミン例えばトリエタノールアミンな
ど、及び塩基性アミノ酸(例えばアルギニン酸など)を
用いることができる。
【0025】本発明の一般式(III )で示されるポリオ
キシアルキレンアルキルモノエーテルモノカルボン酸塩
は、アニオン界面活性剤として有用な化合物であって、
可溶化力や乳化力・安全性に優れ、その良好な溶解性や
分解しにくい性質から、化粧量、洗浄量、塗料、イン
ク、農薬、高分子などさまざまな分野で使用できる。本
発明の界面活性剤組成物において、一般式(III )で示
されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルモノ
カルボン酸塩型アニオン界面活性剤の含有量には特に限
定はないが、一般に0.1〜20重量%であることが好
ましく、より好ましくは1〜5重量%である。界面活性
剤組成物中の式(III )の化合物の含有量が0.1重量
%未満ではその効果が不十分になることがあり、またそ
れが20重量%を超えると得られる界面活性剤組成物の
乳化安定性が低下したり、或は使用時のベタツキ感も強
くなることがあり、好ましくない。
【0026】本発明の界面活性剤組成物には、油剤とし
て、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコールなどの高級アルコール、セチルアルコール
ポリグリコールエーテルなどの高級アルコールエーテ
ル、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸トリ
エタノールアミンなどの高級脂肪酸塩、ステアリン酸グ
リセリル、パルミチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エス
テル類などを用いることができる。
【0027】本発明の界面活性剤組成物には必要に応じ
て、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール、
ラノリン類、ポリアクリル酸ポリマー、ヒアルロン酸、
カルボキシメチルキチン、エラスチン、コントロイチン
硫酸、デルマタン酸、フィブロネクチン、セラミドなど
の水溶性高分子物質、アロエエキス、胎盤抽出エキスな
どの細胞賦活剤、アラントイン、グリチルリチン酸塩な
どの消炎剤、エデト酸塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコ
ン酸などのキレート剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソ
ルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、
2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニ
ルエーテル、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、
塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシンな
どの防腐剤、殺菌剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブ
チルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコ
ルビン酸などの酸化防止剤、オキシベンゾン、4−te
rt−ブチル−4′−メトキシベンゾイルメタン、2−
エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエートなどの
紫外線吸収剤、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変
性シリコーンなどのシリコーン化合物、香料及び色素な
どを適宜含有させることができる。
【0028】本発明の界面活性剤組成物の形状には制限
がなく、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二相系
などのどのような形状であってもよい。本発明の界面活
性剤組成物を製造するには当業界で一般的に行われてい
る配合方法により、所要成分を配合混合すればよい。ま
た本発明の界面活性剤組成物の用途も任意であるが、代
表的なものとして、化粧水、乳液、クリーム、パック、
クレンジング、美容液、ファンデーションなどの皮膚化
粧料や、リンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディシ
ョナー、ヘアブラッシング剤、ヘアトニック、パーマネ
ントウェーブ剤、毛髪脱色剤、染毛料などの毛髪化粧
料、化粧石鹸、浴剤などが挙げられる。
【0029】本発明の一般式(III )で示されるポリオ
キシアルキレンモノアルキルエーテルモノカルボン酸塩
型アニオン界面活性剤は、洗浄剤成分として有用なもの
であって、洗浄剤中に、好ましくは0.05〜40重量
%、より好ましくは0.1〜30重量%の含有率で含ま
せることができる。また、本発明の一般式(III )で示
されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルモノ
カルボン酸塩型アニオン界面活性剤は、それ自体単独で
も界面活性能を有する。しかし、これを単独で用いた場
合は、起泡力や洗浄力などが必ずしも十分ではないこと
がある。そこで、これを他の界面活性剤と組み合わせる
ことによって、当該他の界面活性剤の性能を増強させる
ことができる。組み合わせられる他の界面活性剤として
は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、および非イオン界面活性剤のいずれも使用で
き、その目的に応じて組み合わせればよい。
【0030】本発明の洗浄剤組成物に用いられるアニオ
ン界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸トリエタノールアミンなどの脂肪酸石けん、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノ
ールアミンなどラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレン
(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸アミド
硫酸ナトリウムなどのアミドエーテル硫酸塩、モノドデ
シルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン
ドデシルエーテルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステ
ル類、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイル
メチルタウリンナトリウムなどのアシルメチルタウリン
塩、ラウロイルイセチオン酸ナトリウムなどのアシルイ
セチオン酸塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、
POE(1〜4)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン(5)ラウリン酸モノエタノー
ルアミドスルホコハク酸二ナトリウムなどのスルホコハ
ク酸型界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸塩、コ
コイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナ
トリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ラウロ
イルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエ
タノールアミンなどのN−アシルサルコシン塩、ココイ
ル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル
−N−メチル−β−アラニンナトリウム、ミリストイル
−N−メチル−β−アラニンナトリウム、パルミトイル
−N−メチル−β−アラニンナトリウム、ステアロイル
−N−メチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル−
N−メチル−β−アラニンカリウム、ラウロイル−N−
メチル−β−アラニントリエタノールアミンなどのN−
アシル−β−アラニン塩、N−ラウロイルアスパラギン
酸ナトリウム、N−ラウロイルアスパラギン酸トリエタ
ノールアミン、N−ミリストイルアスパラギン酸ナトリ
ウムなどのN−アシルアスパラギン酸塩、N−ラウロイ
ルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン
酸トリエタノールアミン、N−ココイルグルタミン酸ナ
トリウム、N−ココイルグルタミン酸トリエタノールア
ミンなどのN−アシルグルタミン酸塩などのアミドカル
ボン酸型界面活性剤などが挙げることができる。
【0031】本発明の洗浄剤組成物に用いられるカチオ
ン界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化
ジステアリルジメチルアンモニウムなどの第4級アンモ
ニウム塩型カチオン界面活性剤などが挙げられる。
【0032】本発明の洗浄剤組成物に用いられる両性界
面活性剤としては、ラウリルベタインなどのアルキルベ
タイン型両性界面活性剤、ラウロイルアミドプロピルベ
タインなどのアミドベタイン型両性界面活性剤、2−ア
ルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイ
ン、および2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダ
ゾリニウムベタインなどのイミダゾリン型両性界面活性
剤、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ラウリン酸ア
ミドエチルグリシン、N−2−ヒドロキシエチル−N−
2−ヤシ油脂肪酸アミドエチルグリシン、N−2−ヒド
ロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチル−β−
アラニン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油
脂肪酸アミドエチル−β−アラニン、N−カルボキシメ
チル−N−{2−[N′−(2−ヒドロキシエチル)ラ
ウリン酸アミド]エチル}グリシン、N−カルボキシメ
チル−N−{2−[N′−(2−ヒドロキシエチル)ヤ
シ油脂肪酸アミド]エチル}グリシン、N−{2−[N
−(2−ヒドロキシエチル)ラウリン酸アミド]エチ
ル}グリシン、N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチ
ル)ヤシ油脂肪酸アミド]エチル}グリシンなどのアミ
ドアミン型両性界面活性剤、アルキルスルホベタイン型
両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドジメチルヒドロキ
シプロピルスルホベタインなどのアミドスルホベタイン
型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0033】本発明の洗浄剤組成物に用いられる非イオ
ン界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ
ド、およびラウリン酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸
ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミ
ド、およびラウリン酸モノエタノールアミドなどの脂肪
酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジグリコールア
ミド、ラウリン酸ジグリコールアミドなどの脂肪酸ジグ
リコールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミドな
どの脂肪酸イソプロパノールアミド、ポリオキシエチレ
ン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、およびポリ
オキシエチレン(5)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミ
ドなどのポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミ
ド、脂肪酸エステル、ラウリルジメチルアミンオキサイ
ドなどのアルキルアミンオキサイド、POE高級アルコ
ールエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、並び
にデシルグルコシドなどのアルキルグルコシドなどの非
イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0034】本発明に係る一般式(III )により示され
る1種以上のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテ
ルモノカルボン酸塩型アニオン界面活性剤混合物からな
る成分(A)に、N−アシルアミノ酸およびその塩(ア
シルアミノ酸型界面活性剤)から選ばれた少なくとも1
種からなる成分(Ba)、または少なくとも1種のアミ
ドカルボン酸型界面活性剤からなる成分(Bb)、また
は少なくとも1種の両性界面活性剤からなる成分(B
c)を配合して得られる洗浄剤組成物は、起泡力・洗浄
力に特に優れ、泡質もクリーミーであり、かつ皮膚や毛
髪に対する刺激が極めて少ないので、シャンプーやボデ
ィシャンプーなど身体に使用する洗浄剤組成物として好
適である。
【0035】本発明の洗浄剤組成物の前記成分(Ba)
および(Bb)として用いられるN−アシルアミノ酸型
界面活性剤およびアミドカルボン酸型界面活性剤は、前
記一般式(IV)により示されるものである。一般式(I
V) のアミドカルボン酸型界面活性剤において、R4
式(a)の基を表す化合物としては、ココイルサルコシ
ンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリ
ストイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシン
カリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン
などが挙げられる。一般式(IV)の化合物において、R
4 が式(b)の基を表す化合物としては、ココイル−N
−メチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル−N−
メチル−β−アラニンナトリウム、ミリストイル−N−
メチル−β−アラニンナトリウム、パルミトイル−N−
メチル−β−アラニンナトリウム、ステアロイル−N−
メチル−β−アラニンナトリウム、ラウロイル−N−メ
チル−β−アラニンカリウム、ラウロイル−N−メチル
−β−アラニントリエタノールアミンなどが挙げられ
る。一般式(IV)において、R4 が式(c)の基を表す
化合物としては、N−ラウロイルアスパラギン酸トリエ
タノールアミン、およびN−ミリストイルアスパラギン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0036】一般式(IV)において、R4 が式(d)の
基を表す化合物としては、N−ラウロイルグルタミン酸
ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノー
ルアミン、N−ココイルグルタミン酸ナトリウム、およ
びN−ココイルグルタミン酸トリエタノールアミンが挙
げられる。一般式(IV)において、R4 が式(e)の基
を表す化合物としては、N−2−ヒドロキシエチル−N
−2−ラウリン酸アミドエチルグリシン、およびN−2
−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチ
ルグリシンなどが挙げられる。一般式(IV)において、
4 が式(f)の基を表す化合物としては、N−2−ヒ
ドロキシエチル−N−2−ラウリン酸アミドエチル−β
−アラニン、およびN−2−ヒドロキシエチル−N−2
−ヤシ油脂肪酸アミドエチル−β−アラニンなどが挙げ
られる。一般式(IV)において、R4 が式(g)の基を
表す化合物としては、N−カルボキシメチル−N−{2
−[N′−(2−ヒドロキシエチル)ラウリン酸アミ
ド]エチル}グリシン、およびN−カルボキシメチル−
N−{2−[N′−(2−ヒドロキシエチル)ヤシ油脂
肪酸アミド]エチル}グリシンなどが挙げられる。一般
式(IV)において、R4 が式(h)の基を表す化合物と
しては、N−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)ラ
ウリン酸アミド]エチル}グリシン、およびN−{2−
[N−(2−ヒドロキシエチル)ヤシ油脂肪酸アミド]
エチル}グリシンなどが挙げられる。
【0037】本発明の洗浄剤組成物中における、式(II
I )で示される本発明品のアルキルエーテルカルボン酸
塩型アニオン界面活性剤混合物の1種以上からなる成分
(A)と、少なくとも1種のN−アシルアミノ酸塩から
なる成分(Ba)、少なくとも1種のアミドカルボン酸
型界面活性剤(Bb)、または少なくとも1種の両性界
面活性剤からなる成分(Bc)との配合重量比(固形
分)は、9:1〜1:9であることが好ましく、また、
組成物中の、成分(A)と(Ba)、(Bb)または
(Bc)との合計含有量は、0.1重量%以上であるこ
とが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好
ましい。成分(A)と成分(Ba),(Bb)または
(Bc)の配合比が上記の範囲外にあると、得られた洗
浄剤は、ぬめり感があったり、またはサッパリ感が十分
でなく、また成分(A)と成分(Ba),(Bb)また
は(Bc)との合計含有量が0.1重量%未満ではその
効果が十分でない。本発明の洗浄剤組成物には、必要に
応じて、カチオン化ポリマーおよびカチオン化グアーガ
ムなどの水溶性ポリマー類を配合する事ができる。
【0038】本発明の洗浄剤組成物には、必要に応じ
て、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール
類、メチルポリシロキサン、オキシアルキレン変性オル
ガノポリシロキサンなどのシリコーン類、ジンクピリチ
オン、ピロクトンオラミンなどのフケ取り剤、ヒアルロ
ン酸、コラーゲン、エラスチンコンドロイチン硫酸、デ
ルマタン酸、フィブロネクチン、セラミド類、キチン、
キトサン等の水溶性高分子物質、アロエエキス、胎盤抽
出エキスなどの細胞賦活剤、アラントイン、グリチルリ
チン酸塩などの消炎剤、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘ
キサメタリン酸塩、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸な
どのキレート剤、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン
酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸塩、2,
4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエ
ーテル、3,4,4′−トリクロロカルバニト、塩化ベ
ンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシンなどの防
腐剤、殺菌剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒ
ドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン
酸などの酸化防止剤、香料および色素などを適宜配合す
ることができる。
【0039】本発明の洗浄剤組成物の形状には制限がな
く、液状、ペースト、ゲル状、粉状、固体などどのよう
な形状でもよい。また、外観は透明またはパール、乳濁
状を呈しているのが一般的であるがこれに限定されるも
のではない。本発明の洗浄剤組成物を製造するには、当
業者間で一般的に行われている配合方法により、所要成
分を配合混合すればよい。また本発明の洗浄剤の用途も
任意であるが、代表的なものとして、台所洗剤、硬質表
面洗浄剤、洗顔剤、クレンジングフォーム、シャンプ
ー、ボディシャンプー、固形洗剤などの洗浄剤が挙げら
れる。
【0040】
【実施例】下記実施例及び比較例をあげて、本発明をさ
らに詳細に説明するが、これらの実施例に限定されるも
のではない。
【0041】実施例1(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造(テトラオキシエチレンラウリルエーテルの製造) 市販のラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物
(POEラウリルエーテル)は、EO付加量に分布があ
るために定量分析が困難なので、EO付加量分布のない
表題化合物を製造した。臭化ラウリル946g、テトラ
エチレングリコール3242g、及び48%水酸化ナト
リウム水溶液380gを5リットルの4口フラスコに仕
込み、90℃で90分加熱反応させた。この反応生成物
混合物を5リットルの分液ロートで水洗し、トルエンで
抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥
物をエバポレーターで濃縮し、単蒸留でテトラオキシエ
チレンラウリルエーテル687gを得た(沸点196℃
/1mmHg) 。HPLCで分析したところ、その純度は9
9%だった。
【0042】(トリオキシエチレンラウリルエーテル酢
酸の製造、反応温度35℃) 前記テトラオキシエチレンラウリルエーテル10.0
g、蒸留水90.0g、及び5%Pt/C(川研ファイ
ンケミカル(株)製)2.0gを200mlのオートクレ
ーブに仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回ガ
ス置換した後、反応温度35℃、二酸化炭素分圧80kg
/cm2 、酸素分圧20kg/cm2 、全圧力100kg/cm2
で65時間反応を行った。反応液を濾過して触媒を除い
たろ液についてHPLCで分析したところ、テトラオキ
シエチレンラウリルエーテルの転化率98%、トリオキ
シエチレンラウリルエーテル酢酸の収率97%、トリオ
キシエチレンラウリルエーテル酢酸の選択率99%であ
った。副生成物の定量をHPLCで行ったところ、ポリ
エチレングリコール(PEG)、PEGの両末端酸化
物、PEGの半酸化物、グリコール酸が合計で0.4%
であった。
【0043】実施例2(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度35℃) 市販のポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル
10.0g(日光ケミカルズ(株)製、商品名BL−
4.2)、蒸留水90.0g、5%Pt/C(川研ファ
インケミカル(株)製)2.0gを200mlのオートク
レーブに仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回
ガス置換した後、反応温度35℃、二酸化炭素分圧80
kg/cm2 、酸素分圧20kg/cm2 、全圧力100kg/cm
2 で65時間反応を行った。反応液を濾過して触媒を除
いたろ液について電位差滴定装置で酸価、水酸基価を測
定したところ、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリル
エーテルの転化率97%、ポリオキシエチレン(3.
2)ラウリルエーテル酢酸の収率95%、ポリオキシエ
チレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸の選択率98%
であった。副生成物の定量をHPLCで行ったところP
EG、PEGの両末端酸化物、PEGの半酸化物、グリ
コール酸の合計量は1.5%であった。
【0044】実施例3(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、反応温度35℃、溶媒無し) テトラオキシエチレンラウリルエーテル10.0g、及
び5%Pt/C(川研ファインケミカル(株)製)2.
0gを200mlのオートクレーブに仕込み、二酸化炭素
ガスで10kg/cm2 ×3回ガス置換した後、反応温度3
5℃、二酸化炭素分圧80kg/cm2 、酸素分圧20kg/
cm2 、全圧力100kg/cm2 で75時間反応を行った。
反応液を濾過して触媒を除いたろ液についてHPLCで
分析したところ、テトラオキシエチレンラウリルエーテ
ルの転化率97%、トリオキシエチレンラウリルエーテ
ル酢酸の収率96%、トリオキシエチレンラウリルエー
テル酢酸の選択率99%であった。副生成物の定量をH
PLCで行ったところPEG、PEGの両末端酸化物、
PEGの半酸化物、グリコール酸が合計で0.3%であ
った。
【0045】実施例4(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度35℃、溶媒無
し) 市販のポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル
20.0g(日光ケミカルズ(株)製、商品名BL−
4.2)、及び5%Pt/C(川研ファインケミカル
(株)製)4.0gを200mlのオートクレーブに仕込
み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回ガス置換した
後、反応温度35℃、二酸化炭素分圧80kg/cm2 、酸
素分圧20kg/cm2 、全圧力100kg/cm2 で75時間
反応を行った。反応液を濾過して触媒を除いたろ液につ
いて電位差滴定装置で酸価、水酸基価を測定したとこ
ろ、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテルの
転化率97%、ポリオキシエチレン(3.2)ラウリル
エーテル酢酸の収率95%、ポリオキシエチレン(3.
2)ラウリルエーテル酢酸の選択率98%だった。副生
成物の定量をHPLCで行ったところPEG、PEGの
両末端酸化物、PEGの半酸化物、グリコール酸が合計
で1.0%であった。
【0046】実施例5(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、反応温度110℃) テトラオキシエチレンラウリルエーテル10.0g、蒸
留水90.0g、及び5%Pt/C(川研ファインケミ
カル(株)製)2.0gを200mlのオートクレーブに
仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回ガス置換
した後、反応温度110℃、二酸化炭素分圧40kg/cm
2 、酸素分圧60kg/cm2 、全圧力100kg/cm2 で1
時間反応を行った。反応液を濾過して触媒を除いたろ液
についてHPLCで分析したところ、テトラオキシエチ
レンラウリルエーテルの転化率88%、トリオキシエチ
レンラウリルエーテル酢酸の収率87%、トリオキシエ
チレンラウリルエーテル酢酸の選択率99%であった。
副生成物の定量をHPLCで行ったところ、ポリエチレ
ングリコール(PEG)、PEGの両末端酸化物、PE
Gの半酸化物、グリコール酸が合計で1.0%であっ
た。
【0047】実施例6(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度110℃) 市販のポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル
40.0g(日光ケミカルズ(株)製、商品名BL−
4.2)、蒸留水60.0g、及び5%Pt/C(川研
ファインケミカル(株)製)1.0gを200mlのオー
トクレーブに仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×
3回ガス置換した後、反応温度110℃、二酸化炭素分
圧25kg/cm2 、酸素分圧30kg/cm2 、窒素分圧25
kg/cm2 、全圧力80kg/cm2 で4.5時間反応を行っ
た。反応液を濾過して触媒を除いたろ液について電位差
滴定装置で酸価、水酸基価を測定したところ、ポリオキ
シエチレン(4.2)ラウリルエーテルの転化率98
%、ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢
酸の収率92%、ポリオキシエチレン(3.2)ラウリ
ルエーテル酢酸の選択率94%であった。副生成物の定
量をHPLCで行ったところ、ポリエチレングリコール
(PEG)、PEGの両末端酸化物、PEGの半酸化
物、グリコール酸が合計で5.8%であった。
【0048】実施例7(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、Pd/C使用) テトラオキシエチレンラウリルエーテル10.0g、蒸
留水90.0g、及び10%Pd/C(川研ファインケ
ミカル(株)製)2.0gを200mlのオートクレーブ
に仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回ガス置
換した後、反応温度150℃、二酸化炭素分圧40kg/
cm2 、酸素分圧60kg/cm2 、全圧力100kg/cm2
5時間反応を行った。反応液を濾過して触媒を除いたろ
液についてHPLCで分析したところ、テトラオキシエ
チレンラウリルエーテルの転化率85%、トリオキシエ
チレンラウリルエーテル酢酸の収率84%、トリオキシ
エチレンラウリルエーテル酢酸の選択率99%であっ
た。副生成物の定量をHPLCで行ったところ、ポリエ
チレングリコール(PEG)、PEGの両末端酸化物、
PEGの半酸化物、グリコール酸が合計で0.7%であ
った。
【0049】実施例8(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、Pt・Pd/C使用) テトラオキシエチレンラウリルエーテル10.0g、蒸
留水90.0g、及び4.5%Pt・0.5%Pd/C
(川研ファインケミカル(株)製)2.0gを200ml
のオートクレーブに仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/
cm2 ×3回ガス置換した後、反応温度130℃、二酸化
炭素分圧40kg/cm2 、酸素分圧60kg/cm2 、全圧力
100kg/cm2 で1時間反応を行った。反応液を濾過し
て触媒を除いたろ液についてHPLCで分析したとこ
ろ、テトラオキシエチレンラウリルエーテルの転化率8
9%、トリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸の収率
88%、トリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸の選
択率99%であった。副生成物の定量をHPLCで行っ
たところ、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG
の両末端酸化物、PEGの半酸化物、グリコール酸が合
計で0.9%であった。
【0050】比較例1(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、反応温度35℃) 二酸化炭素を窒素に置き換えたことを除き、他は実施例
1と同条件で反応を行った。反応液を濾過して触媒を除
いたろ液についてHPLCで分析したところ、トリオキ
シエチレンラウリルエーテル酢酸の収率は45%だっ
た。
【0051】比較例2(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度35℃) 二酸化炭素を窒素を置き換えたことを除き、他は実施例
2と同条件で反応を行った。反応液を濾過して触媒を除
いたろ液について電位差滴定装置で酸価を測定したとこ
ろ、ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢
酸の収率は42%だった。
【0052】比較例3(トリオキシエチレンラウリルエ
ーテル酢酸の製造、反応温度110℃) 二酸化炭素を窒素を置き換えたことを除き、他は実施例
5と同条件で反応を行った。反応液を濾過して触媒を除
いたろ液についてHPLCで分析したところ、テトラオ
キシエチレンラウリルエーテルの転化率96%、トリオ
キシエチレンラウリルエーテル酢酸の収率78%、トリ
オキシエチレンラウリルエーテル酢酸の選択率81%で
あった。副生成物の定量をHPLCで行ったところ、ポ
リエチレングリコール(PEG)、PEGの両末端酸化
物、PEGの半酸化物、グリコール酸が合計で2.1%
であった。
【0053】比較例4(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度110℃) 二酸化炭素を窒素に置き換えたことを除き、他は実施例
6と同条件で反応を行った。反応液を濾過して触媒を除
いたろ液について電位差滴定装置で酸価、水酸基価を測
定したところ、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリル
エーテルの転化率98%、ポリオキシエチレン(3.
2)ラウリルエーテル酢酸の収率91%、ポリオキシエ
チレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸の選択率93%
であった。副生成物の定量をHPLCで行ったところ、
ポリエチレングリコール(PEG)、PEGの両末端酸
化物、PEGの半酸化物、グリコール酸が合計で6.6
%であった。
【0054】比較例5(ポリオキシエチレン(3.2)
ラウリルエーテル酢酸の製造、反応温度110℃) 市販のポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル
40.0g(日光ケミカルズ(株)製、商品名BL−
4.2)、蒸留水60.0g、5%Pt/C(川研ファ
インケミカル(株)製)1.0gを200mlのオートク
レーブに仕込み、二酸化炭素ガスで10kg/cm2 ×3回
ガス置換した後、反応温度110℃、二酸化炭素分圧2
5kg/cm2 、酸素分圧30kg/cm2 、全圧力55kg/cm
2 で4.5時間反応を行った。反応液を濾過して触媒を
除いたろ液について電位差滴定装置で酸価、水酸基価を
測定したところ、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリ
ルエーテルの転化率96%、ポリオキシエチレン(3.
2)ラウリルエーテル酢酸の収率88%、ポリオキシエ
チレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸の選択率は92
%であった。副生成物の定量をHPLCで行ったとこ
ろ、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGの両末
端酸化物、PEGの半酸化物、グリコール酸の合計量は
7.5%であった。
【0055】実施例9および比較例6〜7 実施例4および比較例4で得られた組成物のナトリウム
塩と市販のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボ
ン酸塩型アニオン界面活性剤を用いて、表1に示されて
いる組成の洗浄剤組成物を調製した。得られた製品を下
記起泡力、洗浄力試験、皮膚刺激性試験、及び官能試験
に供した。
【0056】これらの試験方法は下記の通りである。 1)起泡力試験 活性剤純分が0.25%となるように洗浄剤を蒸留水で
希釈し、JIS規格K3362記載の方法に従って起泡
力を測定した。評価の基準を次のように設定した。 ◎…泡立ちが極めて良好、起泡力220mm以上 ○…泡立ちが良好、起泡力200mm以上、220mm未満 △…泡立ちが普通、起泡力170mm以上、200mm未満 ×…泡立ちが不良、起泡力170mm未満 2)洗浄力試験 牛脂に指示薬としてSudan III を0.1%添加
し、この5%を磁性の皿(直径25cm)に塗布したもの
を、10重量%の洗浄溶液30gをしみ込ませたスポン
ジでこすり洗いし、もはや皿より牛脂が洗浄できなくな
るまでに洗浄された皿の枚数をもって洗浄力を表示し
た。 3)皮膚刺激(手荒れ)試験 1%洗浄溶液中に1日30分、手を手首まで浸漬し、3
日間繰り返し後、次の日に下記の基準で皮膚の状況の判
定を行い、テスター20名の平均点を求めた。 3点…手が荒れなかった 2点…手が少し荒れた 1点…荒れた 評価の基準を次のように設定した。 ◎…平均点2.1〜3.0 ○…平均点1.1〜2.0 ×…平均点0〜1.0 4)官能(泡質のクリーミー感)試験 泡のクリーミー性は、頭髪を2分し、左右にそれぞれ3
gの標準試料と供試試料を施して泡たてた後、泡のクリ
ーミー性を20名のテスターにより2点比較法による官
能試験を行い、下記の基準により統計処理を行って評価
判定した。なお、標準試料としては、ポリオキシエチレ
ン(3.0)アルキルエーテル硫酸ナトリウム(C12
13=1/1)の15%水溶液を用いた。 ○…5%有意で試験試料の方が好ましい △…有意差がない ×…5%有意で標準試料の方が好ましい
【0057】試験結果を表1に示す。
【表1】
【0058】表1の結果から明らかなように、本発明の
ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルモノカルボン
酸塩型アニオン界面活性剤は、起泡力、洗浄力に優れて
おり、皮膚刺激性が低く、泡質もクリーミーであった。
これに対して、本発明の範囲外のポリオキシエチレンア
ルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤で
は、起泡力、洗浄力、皮膚刺激、泡質のいずれかの点
で、本発明品より劣っていた。
【0059】実施例10〜17および比較例8〜14 実施例10〜17および比較例8〜14において、表2
に示されている組成の洗浄剤を調製した。得られた製品
を起泡力試験、洗浄力試験、皮膚刺激試験、官能試験に
供した。これらの試験方法は実施例9と同一の方法で行
った。試験結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2の結果から明らかなように、本発明の
ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩型ア
ニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤,両性界面活性剤あるいは非イオン界面活性剤か
らなる実施例10〜17の洗浄剤は、本発明のポリオキ
シエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界
面活性剤を含まない場合より、起泡力および洗浄力によ
り優れ、皮膚刺激が少なくなっており、泡質もよりクリ
ーミーになっていることが確認される。
【0062】実施例18〜27および比較例15〜35 実施例18〜27および比較例15〜35において、表
3および表4に示されている組成の洗浄剤を調製した。
得られた製品を起泡力試験、洗浄力試験、皮膚刺激試
験、官能試験に供した。これらの試験方法は実施例9と
同一の方法で行った。試験結果を表3および表4に示
す。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】表3および表4の結果から明らかなよう
に、本発明のポリオキシエチレンアルキルエーテルカル
ボン酸塩型アニオン界面活性剤とN−アシルアミノ酸、
アミドカルボン酸型界面活性剤あるいは両性界面活性剤
との組合せからなる洗浄剤組成物は特に、起泡力および
洗浄力に優れ、泡質もきわめて良好であった。また、刺
激も極めて少ないことから、シャンプーやボディシャン
プーに適していることがわかった。
【0066】実施例28 下記組成のリンス一体型シャンプーを調製し、実施例9
と同一の試験に供した。 成分 重量% ・N−カルボキシメチル−N−{2−[2−ヒドロキシエチル− ヤシ油脂肪酸アミド]エチル}グリシン(30%) 20.0 ・N−ココイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(30 %) 5.0 ・2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシ −エチルイミダゾリニウムベタイン(30%) 10.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸トリエタ ノールアミン 5.0 ・ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0 ・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5 ・オクタン酸セチル 0.5 ・カルボキシメチルキチン 0.1 ・ヒアルロン酸 0.1 ・エデト酸ナトリウム 0.1 ・防腐剤 0.1 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0067】実施例29 下記組成のコンディショニングシャンプーを調製し、実
施例9と同一の試験に供した。 成分 重量% ・ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム 10.0 ・ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム(30%) 20.0 ・ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 硫酸ナトリウム(30%) 2.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリウ ム 2.0 ・カチオン化グアーガム 0.3 ・ラウリン酸モノエタノールアミド 2.0 ・グリセリン 3.0 ・エデト酸ナトリウム 0.1 ・クエン酸 pH=6.5とする量 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0068】実施例30 下記組成のパール状シャンプーを調製し、実施例9と同
一の試験に供した。 成分 重量% ・N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエチ ルグリシン 15.0 ・2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(30%) 10.0 ・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン 5.0 ・ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム 5.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸カリウム 5.0 ・ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0 ・ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.5 ・エチレングリコールジステアレート 2.0 ・カセイソーダ pH=6とする量 ・メチルパラベン 0.1 ・香料 適量 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0069】実施例31 下記組成のゲル状シャンプーを調製し、実施例9と同一
の試験に供した。 成分 重量% ・ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸モノエタノールアミド 硫酸ナトリウム(30%) 20.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 5.0 ・ラウリン酸イソプロパノールアミド 8.0 ・カルボキシメチルキチン 0.1 ・メチルパラベン 0.1 ・EDTA 0.1 ・クエン酸 pH=7.0とする量 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0070】実施例32 下記組成のシャンプーを調製し、実施例9と同一の試験
に供した。 成分 重量% ・C14−αオレフィンスルホン酸ナトリウム 5.0 ・ココイルイセチオン酸ナトリウム 5.0 ・ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム 5.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 5.0 ・オキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(20%変性 :ポリオキシエチレン基20重量%) 1.0 ・ラウリン酸モノエタノールアミド 2.0 ・メチルパラベン 0.1 ・EDTA 0.1 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0071】実施例33 下記組成のシャンプーを調製し、実施例9と同一の試験
に供した。 成分 重量% ・ラウリル硫酸ナトリウム 15.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 10.0 ・モノ(ポリオキシエチレン(6)ラウリン酸アミド)リン酸 ナトリウム 4.0 ・メチルパラベン 0.1 ・EDTA 0.1 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0072】実施例34 下記組成のボディシャンプーを調製し、実施例9と同一
の試験に供した。 成分 重量% ・2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチ ルイミダゾリニウムベタイン(30%) 20.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 5.0 ・モノドデシルリン酸トリエタノールアミン 5.0 ・ラウリン酸トリエタノールアミン 7.0 ・メチルパラベン 0.1 ・EDTA 0.1 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0073】実施例35 下記組成のボディシャンプーを調製し、実施例9と同一
の試験に供した。 成分 重量% ・ポリオキシエチレン(3)ラウリン酸モノエタノールアミド 硫酸ナトリウム(30%) 10.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸トリエ タノールアミン 10.0 ・ポリオキシエチレン(5)ラウリン酸モノエタノールアミド スルホコハク酸二ナトリウム(30%) 5.0 ・ラウロイルサルコシンナトリウム 5.0 ・ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド 4.0 ・ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0 ・エタノール 2.0 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0074】実施例36 下記組成の洗顔料を調製し、実施例9と同一の試験に供
した。 成分 重量% ・N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヤシ油脂肪酸アミドエ チル−β−アラニン(30%) 60.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸カリウ ム 10.0 ・ラウリン酸ジエタノールアミド 7.0 ・2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ−エ チルイミダゾリニウムベタイン(30%) 5.0 ・グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.2 ・ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド 0.5 ・アラントイン 0.5 ・メチルパラベン 0.1 ・クエン酸 pH=6.5とする量 ・精製水 残部 試験結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】表5の結果から明らかなように、本発明の
アルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤を
含有した実施例29〜37の洗浄剤は起泡力、洗浄力に
優れ、皮膚刺激も少なかった。また、官能試験ではクリ
ーミーな泡質を示した。
【0077】実施例37 下記組成の硬質表面洗浄剤を調製し、その性能を評価し
たところ、優れた洗浄力を示した。 成分 重量% ・キシレンスルホン酸ナトリウム 6.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 5.0 ・リン酸三ナトリウム 5.0 ・POP(2)メチルエーテル 4.0 ・パイン油 2.0 ・精製水 残部
【0078】実施例38 下記組成の台所洗剤を調製し、その性能を評価したとこ
ろ、優れた洗浄力を示した。 成分 重量% ・α−オレフィンスルホン酸ナトリウム 15.0 ・ラウリルアミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタイン (30%) 5.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸カリウ ム 5.0 ・ラウリルグルコシド 3.0 ・POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド 2.0 ・エデト酸塩 0.1 ・精製水 残部
【0079】実施例39 下記組成の自動食器洗い機用洗剤を調製し、その性能を
評価したところ、優れた洗浄力を示した。 成分 重量% ・ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 6.0 ・キシレンスルホン酸ナトリウム 5.4 ・硫酸ナトリウム 1.0 ・ラウリルアルコール硫酸アンモニウム 8.35 ・精製水 残部
【0080】実施例40 下記組成のオーブンクリーナーを調製し、その性能を評
価したところ、優れた洗浄力を示した。特に、熱変質し
た油汚れの除去に有効であった。 成分 重量% ・POE(9)ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム 3.0 ・POE(9)ノニルスルホフェニルエーテル硫酸ナトリウム 3.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 2.0 ・水酸化ナトリウム 4.0 ・ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸ジグリコールアミ ド 5.0 ・精製水 残部
【0081】実施例41 下記組成の1液型高濃度金属用アルカリ性液体洗浄剤を
調製し、その性能を評価したところ、優れた洗浄力を示
した。 成分 重量% ・POE(9.5)ノニルフェノールエーテル 1.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 2.8 ・水酸化ナトリウム 20.0 ・精製水 残部
【0082】実施例42 下記組成の酵素入り洗剤を調製し、その性能を評価した
ところ、優れた洗浄力を示した。 成分 重量% ・POE(6)C10−14脂肪アルコールエーテル 17.0 ・アルキルベンゼンスルホン酸ジエタノールアミン塩 60.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸トリエ タノール 5.0 ・ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 22.0 ・Enzyme AP 0.2 ・Lipase A 0.15 ・硬水(100ppm ) 0.65
【0083】実施例43 下記組成の固形洗剤を通常の機械練り法により調製し、
その性能を評価したところ、使用後の肌に優れたサッパ
リ感を示した。 成分 重量% ・石鹸用素地(牛脂:ヤシ=8:2) 92.3 ・N−ラウロイル−L−アスパラギン酸ナトリウム 2.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 1.0 ・酸化チタン 0.1 ・エデト酸塩 0.1 ・ラウリン酸ジエタノールアミド 4.5
【0084】実施例44 下記組成の固形洗剤を通常の機械練り法により調製し、
その性能を評価したところ、使用後の肌に優れたしっと
り感を示した。 成分 重量% ・N−ラウロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム 50.0 ・N−オレイル−L−グルタミン酸モノナトリウム 41.0 ・ミリスチルアルコール 7.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 1.0 ・ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0
【0085】実施例45 下記組成のバブルバス剤を調製し、その性能を評価した
ところ、入浴後の肌にしっとりとした感触を与えた。 成分 重量% ・塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 59.0 ・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルグリシン 16.0 ・ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 1.0 ・ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド 4.0 ・ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 7.0 ・香料 1.0 ・精製水 残部
【0086】実施例46 下記組成の化粧水を調製し、その性能を評価したとこ
ろ、透明性が良好で、使用後しっとりとした感触を与え
た。 成分 重量% ・ソルビタンモノラウレート 2.5 ・ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 2.0 ・1,3−ブチレングリコール 2.0 ・スクワラン 1.0 ・イソプロピルミリステート 1.0 ・精製水 残部
【0087】実施例47 下記組成の乳液を調製し、その性能を評価したところ、
使用感触に優れ、リッチ感のある感触を示した。 成分 重量% ・ステアリン酸 1.5 ・ダイマー酸 0.5 ・セタノール 1.0 ・ワセリン 2.0 ・スクワラン 10.0 ・グリセリルモノステアレート 2.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナトリ ウム 2.0 ・香料・防腐剤 適量 ・プロピレングリコール 5.0 ・水酸化カリウム 0.15 ・水酸化ナトリウム 0.1 ・カルボキシビニルポリマー 0.1 ・精製水 残部
【0088】実施例48 下記組成のヘアクリームを調製し、その性能を評価した
ところ、ふけ、かゆみ防止作用とリンス作用を有してお
り、特に櫛通りが極めて良好であった。 成分 重量% ・エイコシルトリメチルアンモニウムクロライド 1.5 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナト リウム 2.6 ・ジンクピリチオン 0.3 ・モノステアリン酸グリセライド 2.0 ・セタノール 3.0 ・ポリオキシエチレン(4)ステアリルアルコール 0.6 ・プロピレングリコール 4.0 ・香料・色素 適量 ・精製水 残部
【0089】実施例49 下記組成のファンデーションを調製し、その性能を評価
したところ、つきがよく、リッチ感のある感触を示し
た。 成分 重量% ・ステアリン酸 1.0 ・イソステアリン酸 1.0 ・セタノール 1.0 ・流動パラフィン 10.0 ・ソルビタンモノオレエート 2.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸カリ ウム 2.0 ・香料・防腐剤 適量 ・プロピレングリコール 7.0 ・トリエタノールアミン 0.5 ・モンモリロナイト 0.5 ・調合粉末(酸化チタン・タルク・カオリン・酸化鉄顔料) 15.0 ・精製水 残部
【0090】実施例50 下記組成の透明クレンジング化粧料を調製し、その性能
を評価したところ、保存安定性、透明性が良好でクレン
ジング性に優れていた。 成分 重量% ・グリセリン 20.0 ・2−エチルヘキサン酸トリグリセリド 50.0 ・流動パラフィン 21.0 ・ポリオキシエチレン(3.2)ラウリルエーテル酢酸ナト リウム 2.0 ・精製水 残部
【0091】
【発明の効果】本発明方法は、反応媒体として、超臨界
流体又は擬臨界流体の状態にある二酸化炭素を用いるこ
とにより、ヒドロキシメチル基含有有機化合物(特にポ
リアルキレングリコールモノエーテル化合物)を、不均
一系貴金属触媒の存在下に、酸素により脱水素酸化し
て、不純物含有量が少なく、安全性の高い対応カルボン
酸化合物、(特にポリオキシアルキレンモノエーテルモ
ノカルボン酸)を高収率をもって製造することができ
る。本発明方法より得られるカルボン酸化合物は、高純
度高安全性界面活性剤として有用なものを包含してい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/42 B01J 23/42 X 23/44 23/44 X C07C 59/125 C07C 59/125 Z C11D 1/06 C11D 1/06 1/10 1/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4C083 AB032 AB282 AB442 AC012 AC022 AC072 AC082 AC122 AC182 AC241 AC242 AC252 AC292 AC302 AC352 AC422 AC482 AC532 AC542 AC562 AC642 AC662 AC682 AC692 AC712 AC782 AC792 AC902 AC932 AD092 AD132 AD162 AD202 AD322 AD332 AD532 BB01 CC04 CC05 CC12 CC23 CC25 CC32 CC38 CC39 DD02 DD08 DD23 DD31 DD41 EE28 4H003 AB05 AB08 AB09 AB10 AB11 AB31 AC13 AC14 AD04 AE04 BA12 DA02 EB08 ED02 FA02 4H006 AA01 AA02 AA03 AB70 AC46 BA10 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA30 BA71 BB14 BB25 BB30 BB31 BB72 BC10 BC11 BE41 BS10 GP01 4H039 CA65 CC30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1個のヒドロキシメチル基
    (−CH2 OH)を有する脂肪族有機化合物を、 超臨界流体又は擬臨界流体の状態にある二酸化炭素媒体
    中において、 Pt及びPdから選ばれた少なくとも1種を触媒成分と
    して含む不均一系貴金属触媒の存在下に、 酸素と反応させて、前記ヒドロキシメチル基をカルボン
    酸基に脱水素酸化する、 ことを特徴とするヒドロキシメチル基含有有機化合物の
    脱水素酸化方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族有機化合物が、少なくとも1
    個のヒドロキシメチル基を有する1価の脂肪族一級アル
    コール化合物、多価の脂肪族一級アルコール化合物及び
    その不完全エーテル化合物、ポリアルキレングリコー
    ル、及びポリオキシアルキレンモノエーテル化合物から
    選ばれる、請求項1に記載の脱水素酸化方法。
  3. 【請求項3】 前記脱水素酸化反応の終了後、カルボン
    酸基を含有する目的反応生成物を含有する反応系混合物
    から、前記触媒を除去し、かつ前記二酸化炭素を除去し
    て、カルボン酸基含有目的反応生成物を主成分として含
    有する反応生成物混合物を回収することをさらに含む、
    請求項1に記載の脱水素酸化方法。
  4. 【請求項4】 前記脂肪族有機化合物が、下記一般式
    (I): 【化1】 〔上記式I中、R1 は(i)4〜14個の他素原子を有
    する直鎖状及び分岐鎖状アルキル基を有するアルキルフ
    ェニル基、並びに、(ii)8〜36個の炭素原子を有す
    る直鎖状及び分岐鎖状アルキル基、及びアルケニル基か
    ら選ばれた1員を表し、EOは、オキシエチレン基を表
    し、POはオキシプロピレン基を表し、R 2 は水素原子
    又はメチル基を表し、n及びmは、それぞれ互いに独立
    に、0又は1〜100の整数を表し、但し、n及びmが
    ともに0であることはない〕により表されるポリオキシ
    アルキレンモノエーテル化合物から選ばれ、 前記一般式(I)のポリオキシアルキレンモノエーテル
    化合物の前記脱水素酸化反応により、下記一般式(I
    I): 【化2】 〔但し、上式中R1 ,EO,PO,R2 ,n及びmは前
    記定義に同じ〕のポリオキシアルキレンモノエーテルモ
    ノカルボン酸を製造し、 前記脱水素酸化反応の終了後、前記式(II)の反応生成
    物を含む反応系混合物から前記触媒を除去し、かつ前記
    二酸化炭素媒体を除去して、前記式(II)のポリオキシ
    アルキレンモノエーテルモノカルボン酸を主成分として
    含む反応生成物混合物を回収する、 請求項1に記載の脱水素酸化方法。
  5. 【請求項5】 前記反応生成物混合物中の前記式(II)
    のポリオキシアルキレンモノエーテルモノカルボン酸
    を、下記式(III ): 【化3】 〔上式(III )中kは、1以上の整数を表し、M2 はk
    価のカチオンを形成する原子及びグループを表し、
    1 ,EO,PO,R2 ,n及びmは前記定義に同
    じ。〕により表されるポリオキシアルキレンモノエーテ
    ルモノカルボン酸塩に変成し、得られたポリオキシアル
    キレンモノエーテルモノカルボン酸塩含有反応生成物混
    合物を回収することをさらに含む、請求項4に記載の脱
    水素酸化方法。
  6. 【請求項6】 前記式(III )において、M1 により表
    されるk価のカチオン性原子及びカチオン性グループ
    が、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモ
    ニウム基、アルカノールアミンのカチオン性残基、及び
    塩基性アミノ酸のカチオン性残基から選ばれる、請求項
    5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の方法により得ら
    れ、かつ式(III )のポリオキシアルキレンモノエーテ
    ルモノカルボン酸塩を高純度で含有する反応生成物。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6に記載の方法により得ら
    れた、高純度の式(III )のポリオキシアルキレンモノ
    エーテルモノカルボン酸塩を含有する反応生成物と、こ
    れとは異種の少なくとも1種の界面活性剤とを含む界面
    活性剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項5又は6に記載の方法により得ら
    れ、かつ高純度の式(III )のポリオキシアルキレンモ
    ノエーテルモノカルボン酸塩を含有する反応生成物と、
    下記一般式(IV): 【化4】 〔但し、上式(IV)中、R3 は、7〜19個の炭素原子
    を有する直鎖状及び分岐鎖状の、飽和及び不飽和の炭化
    水素を表し、R4 は、下記式(a),(b),(c),
    (d),(e),(f),(g)及び(h): 【化5】 により表される2価の基の1員を表し、pは、1以上の
    整数を表し、M2 は、p価のカチオンを形成する原子及
    びグループの1員を表す〕により表される少なくとも1
    種の界面活性化合物とを含む、洗浄剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記式(IV)において、M2 が、アル
    カリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム
    基、アルカノールアミンのカチオン性残基及び塩基生ア
    ミノ酸のカチオン性残基から選ばれた1員を表す、請求
    項9に記載の洗浄剤組成物。
JP27273698A 1998-09-28 1998-09-28 ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法 Expired - Fee Related JP4290249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27273698A JP4290249B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27273698A JP4290249B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000095726A true JP2000095726A (ja) 2000-04-04
JP4290249B2 JP4290249B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=17518070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27273698A Expired - Fee Related JP4290249B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4290249B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002024623A3 (en) * 2000-09-22 2003-02-20 Glaxo Group Ltd Novel alkanoic acid derivatives
JP2004002382A (ja) * 2002-04-18 2004-01-08 Clariant Gmbh 低い固化点を有するエーテルカルボン酸の製造方法
JP2004500418A (ja) * 2000-04-07 2004-01-08 ザ・ユニバーシティ・オブ・カンザス 超臨界または未臨界二酸化炭素により膨張した有機溶媒中での遷移金属錯体による有機基質の接触酸化
JP2006282662A (ja) * 2005-03-30 2006-10-19 L'oreal Sa 3種の界面活性剤及び脂肪酸エステルを含む洗浄用化粧料組成物及びその使用
KR100896715B1 (ko) 2007-08-31 2009-05-11 한국화학연구원 불균일 촉매의 성능 평가 방법 및 장치
US8147813B2 (en) 2005-03-30 2012-04-03 L'oreal S.A. Detergent cosmetic compositions comprising three surfactants and at least one fatty ester, and use thereof
WO2012169585A1 (ja) * 2011-06-10 2012-12-13 花王株式会社 ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸の製造方法
JP2013014581A (ja) * 2011-06-10 2013-01-24 Kao Corp ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸の製造方法
JP2013107868A (ja) * 2011-10-27 2013-06-06 Kao Corp ポリオキシアルキレンエーテル酢酸の製造方法
JP2013116873A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Kao Corp 界面活性剤
CN103421176A (zh) * 2012-05-16 2013-12-04 中国石油化工股份有限公司 脂肪醇聚氧乙烯聚氧丙烯醚羧酸盐及制备方法
JP2015504927A (ja) * 2011-12-09 2015-02-16 クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド 非イオン界面活性剤を含まない、エーテルカルボン酸またはその塩を含む自動食器洗浄機用洗浄剤組成物
JP2016113427A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 クラシエホームプロダクツ株式会社 真珠様光沢洗浄剤組成物及びその製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004500418A (ja) * 2000-04-07 2004-01-08 ザ・ユニバーシティ・オブ・カンザス 超臨界または未臨界二酸化炭素により膨張した有機溶媒中での遷移金属錯体による有機基質の接触酸化
JP4927289B2 (ja) * 2000-04-07 2012-05-09 ザ・ユニバーシティ・オブ・カンザス 超臨界または未臨界二酸化炭素により膨張した有機溶媒中での遷移金属錯体による有機基質の接触酸化
WO2002024623A3 (en) * 2000-09-22 2003-02-20 Glaxo Group Ltd Novel alkanoic acid derivatives
US7217409B2 (en) 2000-09-22 2007-05-15 Smithkline Beecham Corporation Alkanoic acid derivatives
JP2004002382A (ja) * 2002-04-18 2004-01-08 Clariant Gmbh 低い固化点を有するエーテルカルボン酸の製造方法
JP2006282662A (ja) * 2005-03-30 2006-10-19 L'oreal Sa 3種の界面活性剤及び脂肪酸エステルを含む洗浄用化粧料組成物及びその使用
US8147813B2 (en) 2005-03-30 2012-04-03 L'oreal S.A. Detergent cosmetic compositions comprising three surfactants and at least one fatty ester, and use thereof
KR100896715B1 (ko) 2007-08-31 2009-05-11 한국화학연구원 불균일 촉매의 성능 평가 방법 및 장치
WO2012169585A1 (ja) * 2011-06-10 2012-12-13 花王株式会社 ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸の製造方法
JP2013014581A (ja) * 2011-06-10 2013-01-24 Kao Corp ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸の製造方法
CN103582624A (zh) * 2011-06-10 2014-02-12 花王株式会社 聚氧乙烯烷基醚乙酸的制造方法
US8901348B2 (en) 2011-06-10 2014-12-02 Kao Corporation Method for manufacturing polyoxyethylene alkyl ether acetic acid
JP2013107868A (ja) * 2011-10-27 2013-06-06 Kao Corp ポリオキシアルキレンエーテル酢酸の製造方法
JP2013116873A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Kao Corp 界面活性剤
JP2015504927A (ja) * 2011-12-09 2015-02-16 クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド 非イオン界面活性剤を含まない、エーテルカルボン酸またはその塩を含む自動食器洗浄機用洗浄剤組成物
CN103421176A (zh) * 2012-05-16 2013-12-04 中国石油化工股份有限公司 脂肪醇聚氧乙烯聚氧丙烯醚羧酸盐及制备方法
JP2016113427A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 クラシエホームプロダクツ株式会社 真珠様光沢洗浄剤組成物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4290249B2 (ja) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2496545B1 (en) Sulfomethylsuccinates, process for making same and compositions containing same
US8304575B2 (en) Process for production of ether carboxylates
EP2444060A2 (en) Composition
JP3961554B1 (ja) 増粘増泡剤
JP4290249B2 (ja) ヒドロキシメチル基含有有機化合物の脱水素酸化方法
JPH10147507A (ja) 透明な発泡性ゲル形態の化粧品組成物
KR20080067332A (ko) 증점 증포제
JPH0794674B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP3886201B2 (ja) 超微粉末銅触媒、該触媒を用いるカルボン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩型アニオン界面活性剤の製造方法
JP5101493B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP3293972B2 (ja) ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型界面活性剤およびそれを含有する洗浄剤組成物
JPH07101933A (ja) 脂肪酸ジグリコールアミドスルホコハク酸エステル塩を製造する方法およびこの方法の製品を含有する洗浄剤組成物
JPH08245984A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP3515800B2 (ja) ポリオキシエチレン脂肪酸アミド硫酸エステル塩型界面活性剤、該界面活性剤の製造方法および洗浄剤組成物
JPH0967333A (ja) ポリオキシプロピレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩化合物混合物、その製造方法、および洗浄剤組成物
JP2007231021A (ja) アルキレングリコールエーテルの製造方法
JP3264727B2 (ja) ジオキシエチレン脂肪酸アミド含有洗浄剤
JPH0987289A (ja) 界面活性剤
JP3542153B2 (ja) 脂肪酸ジグリコールアミドリン酸エステル又はその塩を製造する方法およびその製品を含有する洗浄剤組成物
JPH07197078A (ja) ポリオキシエチレン脂肪酸アミドスルホコハク酸エステル塩型界面活性剤、該界面活性剤の製造方法および洗浄剤組成物
JPH07197079A (ja) 洗浄剤組成物
JP2005343940A (ja) 保湿剤
JP3264700B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP4076832B2 (ja) トリオール
JPH07507064A (ja) 無臭性脂肪アルコールエーテルスルフェート塩の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20080916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150410

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees