JP2000095572A - 水系セラミック成形用バインダー - Google Patents

水系セラミック成形用バインダー

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JP2000095572A
JP2000095572A JP10266730A JP26673098A JP2000095572A JP 2000095572 A JP2000095572 A JP 2000095572A JP 10266730 A JP10266730 A JP 10266730A JP 26673098 A JP26673098 A JP 26673098A JP 2000095572 A JP2000095572 A JP 2000095572A
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meth
ceramic
acrylate
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JP10266730A
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Yukihiro Ikegami
幸弘 池上
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック分散性に優れ、セラミック焼成前
の成形体の強度とアルカリ溶解性に優れた水系セラミッ
ク成形用バインダーを提供する。 【解決手段】 コア重合体(A)とMw50,000以下のシェ
ル重合体(B)シェル重合体(B)の重量比が80:20〜3
0:70のコア−シェル水分散型重合体粒子から成る水系セ
ラミック成形用バインダー。(A)はアルキル(メタ)
アクリレート60〜100%(重量基準)、不飽和カルボン0
〜10%、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート0〜10
%および他のビニル系単量体0〜20%からなり、(B)
はアルキル(メタ)アクリレート50〜95%、不飽和カル
ボン酸5〜30%、ヒドロキシ基含有アクリレート(b−
3)0〜20%および他のビニル系単量体0〜10%からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系セラミック成
形用バインダーに関し、更に詳しくは、焼成前の成形体
(グリーンシート等)の端材のアルカリ溶解が優れ、再
利用が容易な水性セラミック形成用バインダーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミナ基板を製造する方法
として、例えば、バインダー樹脂にセラミック微粉を混
合・分散したスラリーをスプレードライにより粉末化
し、プレス成形する方法、また例えば、そのスラリーを
ドクターブレード等によりシート状に形成してグリーン
シートを作製し、バインダー樹脂の焼成およびセラミッ
クの焼結を行う方法が知られている。
【0003】これらの方法においては、ブチラール樹脂
等を有機溶剤に溶解した溶剤系バインダーが用いられて
いた。しかし、昨今の有機溶剤の総量規制、人体に対す
る影響、危険物として火災や爆発の危険性等の点から、
有機溶剤を用いないバインダー樹脂が求められてきた。
【0004】そこで、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアセテートなどの水溶性バインダーが使用され、その
溶媒として水が使用されるようになってきた。しかし、
これら水溶性バインダーでは、スラリー中のセラミック
粉体の凝集が起こり易く、シート成形の場合に平滑性の
高いグリーンシートが得難い。また、低い焼成温度で
は、焼成不良としてスラッジが発生し、出来上がったセ
ラミックの特性が低下する。
【0005】そこで、上述の水溶性バインダーに代え
て、焼成性の良いアクリル樹脂を用いた水溶性アクリル
樹脂バインダーが提案されている。例えば、特開昭59
−121152号、特開昭60−122768号、特開
平4−219362号には、アクリル酸エステルとカル
ボキシル基含有モノマーの共重合体が提案されている。
しかしながら、これら水溶性アクリル樹脂は、バインダ
ーとしての粘度、焼成前のグリーンシートとしての強度
が不十分である。
【0006】一方、焼成前のグリーンシートは、通常
は、必要部分を打ち抜いた端材を再利用することが必要
であり、それ故に、アルカリ水溶液に再溶解もしくは再
分散可能であるという特性が求められる。ここで、グリ
ーンシートの強度不足を改善すべく、アクリル樹脂の分
子量を大きくすると、グリーンシートの端材のアルカリ
溶解性が低下してしまう。
【0007】すなわち、従来の水溶性アクリル樹脂バイ
ンダーでは、グリーンシートとしての強度等の特性とア
ルカリ溶解性の両方を満足することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の課題を解決すべくなされたものであり、アルミ
ナ粉体やガラス粉体等に対し良好な分散性を与えると共
に、グリーンシート等の焼成前の成形体に十分な強度を
発現させ、その端材を再生する際に良好なアルカリ溶解
性(または分散性)を有し、かつ焼成性が良好な水系セ
ラミック成形用バインダーを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を行った結果、焼成前の成形体の強度
を発現させるコア重合体と、アルカリ溶解性を発現させ
るシェル重合体からなる特定のコア−シェル構造を有す
る水分散型重合体粒子を用いることにより、相反する2
つの性能を同時に満足できることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、アルキル(メタ)ア
クリレート単量体(a−1)60〜100重量%、不飽
和カルボン酸単量体(a−2)0〜10量%、ヒドロキ
シ基含有(メタ)アクリレート単量体(a−3)0〜1
0重量%、および、その他の共重合可能なビニル系単量
体(a−4)0〜20重量%を重合してなるコア重合体
(A)と、アルキル(メタ)アクリレート単量体(b−
1)50〜95重量%、不飽和カルボン酸単量体(b−
2)5〜30重量%、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリ
レート単量体(b−3)0〜20重量%、および、その
他の共重合可能なビニル系単量体(b−4)0〜10重
量%を共重合してなる重量平均分子量が50,000以
下のシェル重合体(B)とから成り、コア重合体(A)
とシェル重合体(B)の重量比[A:B]が80:20
〜30:70であるコア−シェル構造を有する水分散型
重合体粒子から成る水系セラミック成形用バインダーで
ある。
【0011】なお、本発明において、「(メタ)アクリ
レート」は、「アクリレートおよび/またはメタクリレ
ート」を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0013】[コア重合体(A)]コア重合体(A)
は、焼成前の成形体の強度や柔軟性を発現し、またセラ
ミック粉体の分散性および焼成時の熱分解性等も付与す
る部分である。
【0014】コア重合体(A)は、アルキル(メタ)ア
クリレート単量体(a−1)60〜100重量%、不飽
和カルボン酸単量体(a−2)0〜10量%、ヒドロキ
シ基含有(メタ)アクリレート単量体(a−3)0〜1
0重量%、および、その他の共重合可能なビニル系単量
体(a−4)0〜20重量%を共重合してなるものであ
る。
【0015】コア重合体(A)に良好な焼成性を与える
には、アルキル(メタ)アクリレート単量体(a−1)
を60重量%以上使用することが必要である。この使用
量が60重量%未満であると、その焼成性が低下するこ
とにより樹脂残差が発生し、セラミック特性に悪影響を
与える可能性がある。アルキル(メタ)アクリレート単
量体(a−1)としては、炭素数1〜8のアルキル基を
有する(メタ)アクリレートが好ましい。また、コア重
合体(A)のガラス転移点(Tg)を所望の値に設定す
るなど種々の目的で、2種以上のアルキル(メタ)アク
リレート単量体(a−1)を適宜組合せて使用すること
もできる。
【0016】不飽和カルボン酸単量体(a−2)および
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単量体(a−
3)は、セラミックの分散性、重合体の水中での分散安
定性等を発現させるために、必要に応じて使用する。不
飽和カルボン酸単量体(a−2)の使用量は、10重量
%以下とする。この使用量が10重量%を超えると、焼
成性の低下、セラミックの凝集を引き起こす。
【0017】ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単
量体(a−3)は、不飽和カルボン酸単量体(a−2)
に比べ親水性が低いので、アルミナ等への分散安定性の
寄与は小さいものの、ガラス粉体の分散性に寄与するこ
とができる。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単
量体(a−3)の使用量は、10重量%以下とする。こ
の使用量が10重量%を超えると、焼成性の低下、セラ
ミックの凝集を引き起こす。
【0018】また、両成分(a−2)(a−3)共に、
セラミックの種類によっては凝集するものも有るので、
セラミックの種類に応じて適切な量を決めるとよい。
【0019】その他の共重合可能なビニル系単量体(a
−4)は、グリーンシート等の強度、分散性向上、アル
カリ溶解性向上のため、必要に応じて使用すればよい。
その具体例としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリル
アミド、アルキレン基含有(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、アルキレン基含有ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、
酸含有(メタ)アクリレートの塩等が挙げられる。
【0020】コア重合体(A)の重量平均分子量は、バ
インダーの強度を確保するため、10万以上が好まし
く、15万以上がより好ましい。
【0021】コア重合体(A)のガラス転移温度(T
g)は、グリーンシート等の強度および柔軟性を付与す
るために、−40〜30℃であることが好ましい。この
Tgが−40℃以上であれば、グリーンシート等の粘着
性が適度に抑えられ、ブロッキング等の不良が発生し難
い。また、このTgが30℃以下であれば、セラミック
のバインダーとしての性能が良好となり、柔軟性のある
グリーンシートが得られる。
【0022】[シェル重合体(B)]シェル重合体
(B)は、焼成前の成形体の端材の再生利用の為のアル
カリ溶解性(または分散性)を発現し、またセラミック
粉体の分散性および重合体の水分散性等を付与する部分
である。
【0023】シェル重合体(B)に、アルキル(メタ)
アクリレート単量体(b−1)50〜95重量%、不飽
和カルボン酸単量体(b−2)5〜30重量%、ヒドロ
キシ基含有(メタ)アクリレート単量体(b−3)0〜
20重量%、および、その他の共重合可能なビニル系単
量体(b−4)0〜10重量%を共重合してなるもので
ある。
【0024】シェル重合体(B)が良好な焼成性を与え
るには、アルキル(メタ)アクリレート単量体(b−
1)を50重量%以上使用することが必要である。この
使用量が50重量%未満であると、その焼成性が低下す
ることにより樹脂残差が発生し、セラミック特性に悪影
響を与える可能性がある。アルキル(メタ)アクリレー
ト単量体(b−1)としては、炭素数1〜8のアルキル
基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。また、シ
ェル重合体(B)のTgを所望の値に設定するなど種々
の目的で、2種以上のアルキル(メタ)アクリレート単
量体(b−1)を適宜組合せて使用することもできる。
【0025】不飽和カルボン酸単量体(b−2)は、グ
リーンシートの端材を再利用する際のアルカリ溶解性を
発現するための成分であり、5〜30重量%使用するこ
とが必要である。この使用量が5重量%未満であるとア
ルカリ溶解性が不良となる。一方、この使用量が30重
量%を超えると、焼成性が低下すると共に吸水性が増し
てしまい、またセラミックの種類によって凝集する場合
がある。この使用量は8〜20重量%であることがより
好ましい。
【0026】ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単
量体(b−3)は、セラミックの分散性、重合体の水中
での分散安定性を発現させるために、必要に応じて使用
する。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単量体
(b―3)は、先に述べたようにガラス粉体の分散性に
寄与することができる。この使用量は、20重量%以下
とする。この使用量が20重量%を超えると、焼成性が
低下し、セラミックの凝集を引き起こす。
【0027】先に述べたように、両成分(b−2)(b
−3)共に、セラミックの種類によっては凝集するもの
も有るので、セラミックの種類に応じて適切な量を決め
るとよい。
【0028】その他の共重合可能なビニル系単量体(b
−4)は、グリーンシートなどの強度、分散性向上、ア
ルカリ溶解性向上のため、必要に応じて使用すればよ
い。その具体例としては、先に挙げた成分(a−4)の
具体例と同様のものが挙げられる。低温での焼成性を考
慮すると、アクリル系の単量体を使用することが好まし
い。
【0029】シェル重合体(B)の重量平均分子量は、
50,000以下である。そのアルカリ溶解性は酸価に
よって異なってくるものの、この重量平均分子量が5
0,000を超えると、グリーンシートのアルカリ溶解
性が低化し、端材の再生が困難となる。
【0030】シェル重合体(B)の酸価は、30〜18
0mgKOH/gであることが好ましい。この酸価が3
0mgKOH/g以上であれば、グリーンシートのアル
カリ溶解性が良好になり、端材の再生利用が容易にな
る。また、この酸価が180mgKOH/g以下であれ
ば、グリーンシートの吸水性が増加し難く、また、セラ
ミックの分散性、焼成性が良好となる。
【0031】また、シェル重合体(B)のTgは、グリ
ーンシートの耐ブロッキング性等の点から、−20℃以
上であることが好ましい。
【0032】[水分散型重合体粒子]本発明の水系セラ
ミック成形用バインダーを構成する水分散型重合体粒子
は、水中に分散した粒子状の樹脂であり、上述したコア
重合体(A)とシェル重合体(B)から成るコア−シェ
ル構造を有する、いわゆるコア−シェル重合体粒子であ
る。
【0033】この水分散型重合体粒子におけるコア重合
体(A)とシェル重合体(B)の重量比[A:B]は、
80:20〜30:70である。コア重合体(A)の比
率が80%を超えると、シェル重合体(B)の性能が発
現されず、グリーンシートのアルカリ溶解性が低下す
る。一方、コア重合体(A)の比率が20%未満である
と、コア重合体(A)の性能が発現されず、グリーンシ
ートの強度が低下する。この重量比は、70:30〜4
0:60であることがより好ましい。
【0034】また、この水分散型重合体粒子の平均粒径
は、特に限定されないが、0.05μm〜1.0μm程度
が好ましい。
【0035】[製造方法]本発明のセラミック成形用バ
インダーの製造方法は、特に限定されず、上述した特定
構成の重合体粒子が得られるのであれば、従来より知ら
れる各種の製法を適宜採用できる。特に、2段階の乳化
重合法が好ましい。
【0036】例えば、一段目の乳化重合でアルカリ不溶
性のコア重合体(A)を製造し、引き続いて二段目の乳
化重合で、このコア重合体(A)のエマルション中にシ
ェル重合体(B)形成用モノマー混合物を、逐次、滴下
重合してコア−シェル重合体粒子を得る方法、また例え
ば、一段目の乳化重合でシェル重合体(B)を製造し、
これをアルカリ中和し、その後にコア重合体(A)形成
用モノマー混合物を、逐次、滴下してコア−シェル重合
体粒子を得る方法等挙げられる。
【0037】[使用方法]本発明のセラミック成形用バ
インダーは、セラミック粉体等を材料としたセラミック
成形のバインダーとして良好に使用できる。このセラミ
ック粉体は、バインダーにより所望の形状の成形体(焼
成前のグリーンシート等)となり、焼成によるバインダ
ー樹脂の分解、続いてセラミックの焼結のプロセスによ
りセラミック成形できるものであれば特に限定されず、
従来より知られる種々の無機粉体を使用できる。例えば
アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム
等の酸化物系粉体はもとより、低融点ガラス等のシリカ
系粉体等も使用できる。
【0038】また、本発明のセラミック成形用バインダ
ーは、分散性、強度、柔軟性、アルカリ溶解性等の優れ
た性能を発現するので、グリーンシート等のシート成形
のみならず、加圧成形においても好適に使用できる。
【0039】セラミック材料とバインダーの混合比は、
一般には、セラミック100重量部に対して、バインダ
ー固形分3〜30重量部程度である。ただし、セラミッ
ク粉体の比重等の諸条件に応じて適切な混合比が異なる
ので、この範囲には限定されない。また、必要に応じて
可塑剤、分散助剤、消泡剤を添加してもよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。以下の記載中「部」と「%」は、特記の無い限り
「重量部」と「重量%」を意味する。また、実施例およ
び比較例の評価は、以下の方法に従って実施した。
【0041】<酸価>シェル重合体1gを中和するのに
必要なKOHのmg数(mgKOH/g)を求めた。
【0042】<アルカリ再分散性>28%アンモニア水
でpH10に調整した水溶液中に、セラミック粉体10
0部に対し、バインダー(固形分)10部を分散・混合
・乾燥して得られたシート状物を浸け、1時間ローリン
グ後の状態を観察し、以下の基準で評価した。 ・○:乳白色に分散し、シート状物が解砕された。 ・×:シート状物の原形が、再分散せずそのままの形で
存在している。
【0043】<セラミック分散性>セラミック粉体10
0部に対し、バインダー(固形分)10部をボールミル
で5時間分散し、厚さ1mmのシート状物を得て、乾燥
後のシートを観察し、以下の基準で評価した。 ・○:シート表面にセラミックの凝集物は見られず、均
一に分散し、平滑な表面であった。 ・△:シート表面の一部にセラミックの凝集物が見ら
れ、平滑ではあるが、均一性の無い表面であった。 ・×:シート表面全体にセラミックの凝集物が見られ、
スジや凹凸のある表面であった。
【0044】<焼成性>バインダーを乾燥し、その10
〜20mgをアルミ皿にのせ、TG(熱減量分析)に従
い、空気中、昇温速度10℃/minで室温から450
℃まで昇温した後、室温まで冷却し、残炭の状態を観察
し、以下の基準で評価した。 ・○:アルミ皿に黒色もしくは灰色の残差が無く、完全
に分解していた(熱減量率99%以上)。 ・△:アルミ皿に黒色もしくは灰色の残差が有り、分解
不良物が観察された(熱減量率95%〜99%)。 ・×:アルミ皿に黒色もしくは灰色の残差が有り、分解
不良物が観察された(熱減量率95%以下)。
【0045】<生シート(グリーンシート)強度>前記
セラミック分散性の評価と同様にしてシート状物を得
て、乾燥後のシートを観察し、以下の基準で評価した。 ・◎:シートに可撓性および強靭性が有り、クラックが
全く無かった。 ・○:シートに可撓性が有り、クラックが全く無かっ
た。 ・△:シートに可撓性が有るが、シートの一部にクラッ
クが見られた。 ・×:シート全体が硬く、脆く、多くのクラックが見ら
れた。
【0046】[実施例1] <シェル重合体(B)の製造>2リッターの4つ口フラ
スコに、純水400部、ポリビニルアルコール(クラレ
社製、商品名217C)3部、硫酸Na0.5部、メチ
ルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート90
部、メチルアクリレート60部、メタクリル酸30部、
n−ドデシルメルカプタン4部、および2,2−アゾビ
ス2−メチルブチロニトリル1部を入れ、激しく攪拌し
つつ、75℃に昇温し、3時間反応させた。その後、1
5%のアンモニア水で重合物を中和することによって、
水に可溶化させた。
【0047】<コア重合体(A)およびコア−シェル重
合体粒子の製造>引き続き、フラスコを90℃に昇温
し、過硫酸ナトリウム0.4部を添加した。次いで、ア
ルキルメタクリレート(アルキル炭素数=12、13の
混合物)40部、n−ブチルアクリレート120部、メ
チルアクリレート30部、およびメタクリル酸10部か
らなるモノマー混合物に、乳化剤(花王社製、商品名レ
ベノールWZ)8部と純水80部を混合してプレエマル
ション化し、これをフラスコ内に2時間で滴下した。こ
の後、90℃で1時間熟成させて重合を終了し、乳白色
のエマルション重合体(固形分38%)を得た。このよ
うにして製造したコア−シェル重合体粒子の各物性を、
表1に示す。
【0048】<グリーンシートの製造>ガラス粉(Al
23,B23,SiO2、平均粒径3.1μm、昭和電工社
製、商品名MLS−25)100部に、本実施例で得た
コア−シェル重合体粒子26部、純水50部を加え、ボ
ールミルで分散させ、スラリーを得た。このスラリーを
厚さ1mmにキャスト・乾燥して得たシート状物(グリ
ーンシート)について評価を行った。その結果を表3に
示す。
【0049】[実施例2、3、比較例1〜3]表1、表
2に示す組成に変更したこと以外は、実施例1と同様に
してコア−シェル重合体粒子を製造し、シート状物(グ
リーンシート)について同様の評価を行った。その結果
を表3に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】 表1と表2中の記号は、以下の化合物を示す。 ・SLMA:アルキルメタクリレート(アルキル炭素数
12、13の混合物) ・nBA: ノルマルブチルアクリレート ・MA: メチルアクリレート ・MAA: メタクリル酸、 ・MMA: メチルメタクリレート ・2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
【0052】
【表3】 表3に示す通り、実施例1〜3では、アルカリ溶解性と
シート強度、セラミック分散性、焼成性ともバランスの
とれた特性を得た。一方、比較例1では、コアシェル比
85/15であり、シェルの重量比が少ないので、アル
カリ溶解性が不良となった。また比較例2では、シェル
の重量平均分子量が70,000と大き過ぎるので、ア
ルカリ溶解性が不良となった。また比較例3では、シェ
ル重合体の構成成分である不飽和カルボン酸の使用量が
少ないので、アルカリ溶解性が不良となった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルミナ粉体やガラス粉体等に対し良好な分散性を与え
ると共に、焼成前の成形体に十分な強度や柔軟性を発現
させ、かつその端材等を再生する際に良好なアルカリ溶
解性(または分散性)を有し、しかも焼成性が良好な水
系セラミック成形用バインダーを提供できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA36 PA11 PA25 4J026 AA17 AA38 AA43 AA45 AA46 AA48 AA50 AA53 AA76 AC33 AC34 BA05 BA20 BA24 BA27 BA28 BA30 BA32 BA34 BA50 BB03 BB04 BB07 BB08 BB10 DA04 DB04 FA04 FA07 GA08 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル(メタ)アクリレート単量体
    (a−1)60〜100重量%、不飽和カルボン酸単量
    体(a−2)0〜10量%、ヒドロキシ基含有(メタ)
    アクリレート単量体(a−3)0〜10重量%、およ
    び、その他の共重合可能なビニル系単量体(a−4)0
    〜20重量%を重合してなるコア重合体(A)と、 アルキル(メタ)アクリレート単量体(b−1)50〜
    95重量%、不飽和カルボン酸単量体(b−2)5〜3
    0重量%、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート単量
    体(b−3)0〜20重量%、および、その他の共重合
    可能なビニル系単量体(b−4)0〜10重量%を共重
    合してなる重量平均分子量が50,000以下のシェル
    重合体(B)とから成り、 コア重合体(A)とシェル重合体(B)の重量比[A:
    B]が80:20〜30:70であるコア−シェル構造
    を有する水分散型重合体粒子から成る水系セラミック成
    形用バインダー。
  2. 【請求項2】 シェル重合体(B)は、酸価が30〜1
    80mgKOH/gのアルカリ可溶性の重合体である請
    求項1記載の水系セラミック成形用バインダー。
  3. 【請求項3】 コア重合体(A)のガラス転移温度が−
    40〜30℃であり、シェル重合体(B)のガラス転移
    温度が−20℃以上である請求項1または2記載の水系
    セラミック成形用バインダー。
JP10266730A 1998-09-21 1998-09-21 水系セラミック成形用バインダー Pending JP2000095572A (ja)

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