JP2000095568A - バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法 - Google Patents
バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法Info
- Publication number
- JP2000095568A JP2000095568A JP10265440A JP26544098A JP2000095568A JP 2000095568 A JP2000095568 A JP 2000095568A JP 10265440 A JP10265440 A JP 10265440A JP 26544098 A JP26544098 A JP 26544098A JP 2000095568 A JP2000095568 A JP 2000095568A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic material
- polymer precursor
- bulk
- bulky
- apparent density
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
−C−N系セラミックス材料を提供する。 【解決手段】 見掛け密度が2.32g/cm3 以上
で、アモルファス相を主相とするか、もしくは平均粒径
が100nm以下の微細多結晶組織をもつバルク状Si
−C−N系セラミックス材料とする。
Description
Si−C−N系セラミックス材料とその製造方法に関す
るものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、高
度に緻密化された、アモルファス組織または微細多結晶
組織を有する新しいバルク状Si−C−N系セラミック
ス材料とその製造方法に関するものである。
ーを焼成することによって、アモルファス組織、また
は、平均粒径1μm以下の微細多結晶組織からなるセラ
ミックス材料が得られることが知られている。有機高分
子プレカーサーからセラミックスを合成することの利点
は、高分子の原子配列制御にもとづいて、セラミックス
の構造と物性を制御できることにある。この方法によ
り、アモルファス繊維材料あるいは薄膜材料が実用化さ
れており、その諸特性には工業的に興味深いものがあ
る。
焼成する際には、原理的にガスを発生するために、これ
までバルク材料としては、どうしても多孔質な材料しか
得られないという問題がある。従来より多孔質な材料を
緻密化させる方法としては焼結などの方法が知られてい
るが、有機高分子プレカーサーからの前記セラミックス
材料の場合には、長時間、高温で保持すると、特徴であ
るアモルファス組織または微細多結晶組織が失われると
いう問題がある。
高分子プレカーサーからのセラミックス材料の特長を生
かしつつ、しかも、その組織を緻密化させて、強度等の
より優れた特性と持つバルク状セラミックス材料を実現
することができないのは実情であった。
は、以上のとおりの従来技術の課題を解決するものとし
て、まず第1には、見掛け密度が2.32g/cm3 以
上のアモルファス相を主相とするバルク状Si−C−N
系セラミックス材料を提供する。そして、第2には、ア
モルファス相が体積率で50%以上を占めるバルク状S
i−C−N系セラミックス材料を提供する。
粒径もしくは析出相の平均粒径が100nm以下の組織
を有する見掛け密度が2.32g/cm3 以上のバルク
状Si−C−N系セラミックス材料を提供する。さらに
この出願の発明は、第4には、前記第1ないし第3のい
ずれかの発明のセラミックス材料の製造方法であって、
Si,CおよびNを含む有機高分子プレカーサーを焼成
後、1000℃以上の温度で、250MPa以上の圧力
または応力を加えることにより緻密化することを特徴と
するバルク状Si−C−N系セラミックス材料の製造方
法と、この方法に関連して、第5には、高分子プレカー
サーを成形した後に焼成と緻密化を行う製造方法を、第
6には、高分子プレカーサーの粉末を焼成した後に、そ
の粉末を成形して緻密化を行う製造方法を、第7には、
有機高分子プレカーサーは、ポリシラザン系、シリルヒ
ドラジン系またはシリルカルボジイミド系の高分子であ
る製造方法をも提供する。
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。まずこの発明の特徴は、これまで全く実現
されていない高密度の緻密化されたSi−C−N系のバ
ルク状のセラミックス材料を提供することである。
細多結晶組織を有していること (3)Si−C−N系セラミックスであること として特定される。
ことは、少くとも50%以上の体積率でアモルファス相
が占めていることを意味している。材料の強度等の特性
からは、より好ましくは体積率は80%以上、さらには
90%以上である。微細多結晶組織を有するこの発明の
バルク状セラミックス材料においては、その結晶粒径も
しくは析出相の平均粒径が100nm以下の組織を有し
ている。
ミックス材料はこの発明によってはじめて提供されるも
のである。その製造方法は各種であってよいが、前記し
たとおりの特徴をもつ方法が適当なものとして示され
る。すなわち、Si(シリコン)、C(炭素)およびN
(窒素)をその化学構造中に持つ高分子プレカーサーを
焼成し、次いで緻密化する方法である。
化学構造が限定されることはないが、たとえばポリシラ
ザン系(polyorganosilazane)、ポリシリルヒドラジン系
(polyorganosilylhydrazine)またはポリシリルカルボジ
イミド系(polyorganosilylcarbodiimide) などが適当な
ものとして例示される。Si,CおよびNを含有する高
分子プレカーサーの焼成と緻密化については、焼成に先
立ってあらかじめ成形した後に焼成し、次いで緻密化し
てもよいし、焼成後に粉砕して粉末とし、これを成形し
た後に緻密化してもよく、さらには、プレカーサーの粉
末を焼成した後に、その粉末を成形して緻密化してもよ
い。
組成等によっても相違するが、通常は、800〜150
0℃の温度において、非酸化性雰囲気、たとえば不活性
ガス雰囲気中において行うのが適当である。また緻密化
は、1000℃以上の温度で、250MPa以上の圧力
または応力を加えることにより行う。緻密化を行う際の
温度と圧力もしくは応力の選択によって、この発明のバ
ルク状Si−C−N系セラミックス材料は、アモルファ
ス相を主相とするもの、あるいは微細多結晶組織を有す
るものとすることができる。
0MPa以上の要件が満たされない場合には、見掛け密
度が2.32g/cm3 以上の高度に緻密化されたバル
ク状Si−C−N系セラミックス材料は得られないこと
になる。なお、この発明のセラミックス材料は、Si,
CおよびNを主な構成元素とするものであるが、必要に
応じて、さらにB,Al,PまたはTi等を含有してい
てもよい。また、酸素等の不可避的不純物の混入が許容
されることは言うまでもない。
について説明する。
て、ポリビニルシラザン(polyvinylsilazane) 高分子を
用い、このものを1050℃で焼成した。このポリビニ
ルシラザン高分子は、次式
る。得られた焼成試料を高周波加熱炉付油圧制御材料試
験装置を用い、窒素雰囲気中で、1500℃および16
00℃での高温圧縮試験を行った。図1に1500℃お
よび1600℃における高温圧縮試験で得られ応力−歪
曲線を示す。この結果から、この材料に高温変形を利用
して緻密化を得るためには、少なくとも数百MPaの応
力が必要であることがわかる。
る最大圧力200MPaまたは1000MPaの熱間静
水圧プレス(HIP)実験を行った。HIPによる密度
の変化を表1に示した。200MPaでのHIPの場
合、密度上昇はわずかであった。これに対し、1000
MPaの場合には、2割以上の密度上昇が得られた。
おいては、見掛け密度が2.32g/cm3 以上のSi
−C−N系バルクセラミックス材料が提供されること、
そして、この実施例の高分子プレカーサーを用いる方法
においても、1000℃以上の温度で250MPa以上
での緻密化が必要であることがわかる。表1に示した見
掛け密度2.43g/cm3 のバルク状Si−C−N系
セラミックス材料がアモルファス相を主相とするもので
あることがX線回折によって確認された。図2はこのX
線回折の結果を示したものである。
(1.6)N(1.3)の比率になっていることが確認
された。1600℃、1000MPaでHIP処理して
得られた前記の見掛け密度2.43g/cm3 のセラミ
ックス材料を用いて1500℃での引張試験を行った結
果を図3に示した。HIP材の引張強さは63MPaで
あった。比較材として、1400℃で20時間焼結した
場合には20MPaであることから、圧力1000MP
aでのHIPが材料の緻密化にかなり有効であることが
わかる。
て、実施例1と同じpolyvinylsilazane 高分子を用い、
このものをアルゴン雰囲気中、1050℃で焼成した。
これをボールミルで粉砕して粉末とし、金型で40MP
aの圧力で成形した。この圧粉体に温度1500℃、圧
力950MPaで熱間静水圧プレス(HIP)処理を施
した。この処理の結果、微多結晶材の密度は、2.46
g/cm3 となった。結晶粒径の平均粒径は10〜20
nmであった。図4には、光学顕微鏡で観察したその材
料の断面組織を示した。また図5にはプレカーサーを成
形し、焼成して製造した従来材について示した。従来材
には多数の空隙が観察されるのに対し、この発明のセラ
ミックス材では、ほとんど空隙は観察されないことがわ
かる。
発明によって、組織が緻密化された、強度等の特性の優
れた新しいSi−C−N系バルク状セラミックス材が提
供される。そしてまた、この発明によって、有機高分子
プレカーサーを原料とする製造方法も提供される。
における応力−歪曲線を示した図である。
ラミックス材料についてそのX線回折の結果を示した図
である。
1500℃での引張試験における応力−歪曲線を比較材
の結果とともに示した図である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 見掛け密度が2.32g/cm3 以上の
アモルファス相を主相とするバルク状Si−C−N系セ
ラミックス材料。 - 【請求項2】 アモルファス相が体積率で50%以上を
占める請求項1のバルク状Si−C−N系セラミックス
材料。 - 【請求項3】 結晶粒径もしくは析出相の平均粒径が1
00nm以下の組織を有する見掛け密度が2.32g/
cm3 以上のバルク状Si−C−N系セラミックス材
料。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかのセラミッ
クス材料の製造方法であって、Si,CおよびNを含む
有機高分子プレカーサーを焼成後、1000℃以上の温
度で、250MPa以上の圧力または応力を加えること
により緻密化することを特徴とするバルク状Si−C−
N系セラミックス材料の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4の製造方法であって、高分子プ
レカーサーを成形した後に焼成と緻密化を行う製造方
法。 - 【請求項6】 請求項4の製造方法であって、高分子プ
レカーサーの粉末を焼成した後に、その粉末を成形して
緻密化を行う製造方法。 - 【請求項7】 有機高分子プレカーサーは、ポリシラザ
ン系、ポリシリルヒドラジン系またはポリシリルカルボ
ジイミド系の高分子である請求項4ないし6のいずれか
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265440A JP2000095568A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265440A JP2000095568A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000095568A true JP2000095568A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17417190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10265440A Pending JP2000095568A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000095568A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103419493A (zh) * | 2012-05-22 | 2013-12-04 | 佳能株式会社 | 液体排出头用基板和液体排出头 |
CN104190359A (zh) * | 2014-09-03 | 2014-12-10 | 西北工业大学 | 一种分级多孔Si-C-N杂化材料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP10265440A patent/JP2000095568A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103419493A (zh) * | 2012-05-22 | 2013-12-04 | 佳能株式会社 | 液体排出头用基板和液体排出头 |
CN104190359A (zh) * | 2014-09-03 | 2014-12-10 | 西北工业大学 | 一种分级多孔Si-C-N杂化材料及其制备方法 |
CN104190359B (zh) * | 2014-09-03 | 2017-05-10 | 西北工业大学 | 一种分级多孔Si‑C‑N杂化材料及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101160140B1 (ko) | 지르코늄디보라이드-실리콘카바이드 복합소재의 제조방법 | |
JP3559382B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法 | |
JP2000095568A (ja) | バルク状Si−C−N系セラミックス材料とその製造 方法 | |
JP2970131B2 (ja) | 窒化珪素焼結体の製造方法 | |
JP4330218B2 (ja) | バルク状Si−C−N系セラミックス材料の製造方法 | |
JPH1087370A (ja) | 窒化珪素系複合セラミックス及びその製造方法 | |
JPH01215761A (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法 | |
JP3241215B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法 | |
JPH06116045A (ja) | 窒化珪素焼結体及びその製造方法 | |
JP2944787B2 (ja) | SiC系酸化物焼結体およびその製造方法 | |
JP3653533B2 (ja) | 窒化ケイ素質複合材料およびその製造方法 | |
JP2890849B2 (ja) | 窒化珪素焼結体の製造方法 | |
JP3236739B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 | |
JP3667145B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体 | |
JP2694369B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体 | |
JP2881189B2 (ja) | 窒化珪素−炭化珪素複合セラミックスの製造方法 | |
JPH07115927B2 (ja) | SiC基セラミツクスとその製造方法 | |
JP3502890B2 (ja) | 高強度高信頼性窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法 | |
JPH11130543A (ja) | β型窒化ケイ素結晶およびその製造方法ならびに窒化ケイ素質焼結体の製造方法 | |
JPH06345535A (ja) | 窒化ケイ素質焼結体の製造方法 | |
JP2694368B2 (ja) | 窒化珪素質焼結体の製造方法 | |
CN116947494A (zh) | 一种五元max相陶瓷材料及其制备方法 | |
JPH08172223A (ja) | 鉄ケイ化物熱電変換材料およびその製造方法 | |
JPH07223866A (ja) | 窒化珪素基複合セラミックス及びその製造方法 | |
JPH0782032A (ja) | 窒化珪素焼結体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20031031 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040129 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050916 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051007 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051014 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080408 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080619 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080624 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080807 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080812 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080908 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080911 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081008 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081125 |