JP2000094934A - 自動車用空気処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】正確な吹出温度の空気を与える。 【解決手段】自動車の空調システムに用いられる空気処
理システムは、ハウジング12内に配置されたブロアー2
6、ハウジング内に配置されたエバポレーター28を含
む。ヒーター・コア30は、空気を加熱するために、ハウ
ジング内でエバポレーターより下流に配置される。空気
処理システムはまた、エバポレーターとハウジングの空
気出口との間に規定されるバイパス通路34に配置される
第１温度混合ドア32を持つ。第１温度混合ドアは、閉位
置から開位置まで、中央軸回りに枢動可能である。混合
ドアが全閉位置にある時に第１混合ドアの第１端に気密
結合し、混合ドアが全開位置へ向けて枢動される場合
に、第１温度混合ドアの第１端を越えて流れる空気の量
を制御する肩部がハウジング内に形成される。第２混合
ドア42が、ヒーター・コアとエバポレーターとの間の通
路46に配置される。第１及び第２の温度混合ドアは、整
合して動く。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、概略的には自動車
内の空調システムに関する。より具体的には、本発明
は、動きが整合している温度制御用混合ドアの配置が新
規なものである中央取付型空調システムに関する。

【0002】

【従来の技術】自動車技術分野において、多くの種類の
空調システムが良く知られている。最も良く知られた空
調システムは、外気又は内気を取り入れシステムのハウ
ジングを通して出口空気を吹出す、遠心ブロアーを持つ
ハウジングを含むのが、典型的である。システム内に配
置されるのは、一対の熱交換器であり、一方は遠心ブロ
アーを出る空気を冷却するためであり、他方は遠心ブロ
アーを出る空気を加熱するためである。混合ドア又は混
合ドアのシステムは、車両の客室内へ調整空気を供給す
るために、ハウジング内において、一方又は両方の熱交
換器を通る空気量を制御するのに良い位置に、配置され
る。典型的な状況としては、車両乗員が、車両内装の温
度制御ノブを所望の設定へと調整し、それが、温度制御
混合ドアの所定の位置への動きを起こすことになる。こ
の様な位置は、乗員が要求した温度の選択に合致する、
冷気と暖気の適切な量を与えるために、選択される。

【0003】公知の種類の空調システムに対しては、種々の
技術的改良が提案されている。例えば、デュアル温度シ
ステムやデュアル温度及びモード・システムなどであ
る。この様な種類のシステムにおいては、車室内の異な
った場所に、異なった温度を提供することが可能であ
る。更に、例えばフロアの暖房やウインドシールドの曇
取りのために、調整された空気を客室内の異なった出口
から配送することが出来る。

【0004】米国特許5,673,964号は、右ハンドル車又は左
ハンドル車のいずれにも適応するために、車両の中央線
にほぼ沿って配置することが可能な、独特な空調システ
ムを開示している。この種の柔軟性を実現するために、
その様な空調システムのパーケージングには、熱交換器
が互いに非常に近接しているということが、必要とな
る。その様なシステムの小パッケージング要件故に、空
調システムの出口から車両の客室内装までのダクト長さ
が非常に短くなっている。この短い通路は、選択された
か車両乗員により要求された適切な温度を提供するため
に、システム中の空気を適切に混合するのに充分な容積
を提供していないことがある。例えば、選択された温度
に必要な量よりも多くの空気が、混合ドア回りのエバポ
レーターを通されることがある。これが多分、空調シス
テムの吹き出し口から、不正確な温度の調整空気を、吹
出させることになろう。それで、より小さなパッケージ
ングを可能としながら、冷気及び暖気の適切な混合のた
めに利用可能な容積に関する従来技術の問題を解消す
る、空気処理システムを提供することが、求められてい
る。

【0005】

【発明が解決しようとする課題】吹出口からの正確な吹
出温度を確実なものとするためにか又はそれに先立っ
て、冷気と暖気とを適切に混合する、温度混合ドア・シ
ステムを持つ中央取付型空調システムを提供すること
が、本発明の目的である。

【0006】乗員の要求通りに正確な吹出温度の空気を与え
る、動きが整合された混合ドア・システムを提供するこ
とが、本発明の更なる目的である。

【0007】

【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の空調
システム用に空気処理システムを提供することにより、
従来技術の問題点を解消する。空気処理システムは、空
気通路を規定する、上面、底面及びそれらの間に配置さ
れる一対の壁を持つ、ハウジングを有する。ハウジング
は更に、空気入口及び、フロア暖房、霜取り及びベント
・モードのためなどに、車室内へ向いた複数の空気出口
を、更に含む。空気をハウジング内へ引き込み、空気を
空気通路内を押し通すブロアーが、ハウジング内へ配置
される。エバポレーターもまた、空気がそこを通り抜け
る際に、空気を冷却するために、ハウジング内に配置さ
れ、エバポレーターより下流のハウジング内にヒーター
・コアも配置される。ヒーター・コアは、空気がそこを
通り抜ける際に、それを加熱する。本発明の処理システ
ムは更に、ハウジングの空気通路内を延びる第１バイパ
ス通路に配置される第１温度混合ドアを、含む。第１バ
イパス通路は、エバポレーターとハウジングの空気出口
との間に規定される。第１温度混合ドアは、閉位置から
開位置へ動き開位置と閉位置との間の数が限られる位置
に留まる様に、その中央部分回りに枢動可能である。処
理システムは更に、ハウジング内に形成され、混合ドア
が全閉位置にある時に、第１混合ドアの第１端に気密結
合する肩部を含む。肩部はまた、混合ドアが全開位置へ
向けて枢動される場合に、第１温度混合ドアの第１端を
越えて流れる空気の量を制御する。

【0008】空気処理システムはまた、ハウジング内でヒー
ター・コアとエバポレーターとの間に規定された第２バ
イパス通路内に配置された第２温度混合ドアを含む。第
２温度混合ドアは、閉位置から開位置まで動き、第１と
第２の温度混合ドアは、車両乗員が要求する温度に応じ
て所定のロジックに従い、整合した動きで作動すること
が可能である。本発明の処理システムはまた、第１と第
２の温度混合ドアを所定のロジックに従い所定の位置ま
で動かす、電気モーターの様な制御手段を、含む。

【0009】本発明の好ましい実施例によれば、上述の混合
ドア・システムが、第２温度混合ドアに付随しそれに隣
接して配置され、第１位置から第２又は全閉位置まで第
２温度混合ドアと縦に並んで動く、第３温度混合ドアを
含む。温度混合ドア・システムは、車両の中心線近くの
その長軸のほぼ回りに配置された中央取付型空気処理シ
ステムに配置される。

【0010】

【発明の効果】空気処理システム吹出口との間の混合領
域の容積を小さくすることが可能である自動車の空調シ
ステム用の空気処理システムを、整然とそして効率的に
パッケージングすることが出来る。本発明のこれらの目
的、特徴及び効果は、図面、詳細な説明及び請求項よ
り、明らかとなろう。

【0011】

【発明の実施の形態】図面を参照すると、図１は自動車
用中央取付型空調システムの斜視図を示す。中央取付型
空調システム10は、右ハンドル車又は左ハンドル車のい
ずれにも適応すべく車両の中央長軸近くに実装される様
に、設計される。その様なシステムが、米国特許5,673,
964号に更に詳細に示されており、その開示内容はここ
で参照して組込まれている。中央取付型空調システム10
は、上面14、底面16及びほぼ平面の一対の側壁18を持つ
空気処理ハウジング12を含む。ハウジングは、この分野
で公知である通りに、外気又は内気用の空気入口20を、
車両の客室（不図示）内へ空気を振り向ける複数の空気
出口22と共に、含む。

【0012】図２及び３により詳細に示される様に、本発明
の空調システム10は更に、空気入口を通して空気を引張
り、ハウジング12を通って形成された空気通路24を通し
て空気を振り向ける遠心ブロアーの様なブロアーを含
む。空調システムはまた、ブロアー26からエバポレータ
ー・コア28を通って吹かれる空気を冷却するエバポレー
ター・コア28を含む。エバポレーター・コア28は、図２
に示される様に、ブロアー26より下流に配置されてい
る。空調システム10は更に、エバポレーター・コアに隣
接してヒーター・コア30を含む。ヒーター・コア30はエ
バポレーター・コア28より下流に配置され、そこを通る
空気を暖かくする。しかしながら、空調システムの中央
取付型構成故に、ヒーター・コアを通る空気は最初にエ
バポレーター28を通らなければならない。

【0013】車両乗員が要求する様な適切な温度へ空気を調
整するために、温度混合ドア・システムが空調システム
10内に配置される。温度混合ドア・システムは、エバポ
レーターからの冷却された空気をヒーター・コアからの
加熱空気と混合させる、更に完全に以下に述べることに
なる、複数の温度混合ドアを有する。

【0014】図３に遥かに明確に示されている様に、温度混
合ドア・システムは、エバポレーター28とヒーター・コ
ア30との間の第１バイパス通路34に配置された第１温度
混合ドア32を含む。第１混合ドア32は、概して曲線状で
あり、図３に示される様にほとんどＳ字状であるが、概
略直線状のドアも同様に用いることが出来る。第１ドア
32は、その中間点36回りに枢動する。図３に示される様
に、第１温度混合ドア32は、エバポレーター28を通り抜
ける空気が全てヒーター・コア30へ向けられる様に、全
閉位置にあるのが、実線で示されれている。二点鎖線で
示された第１温度混合ドア32は、エバポレーター28を通
り抜ける空気が全て車両客室へ空気出口22を通って向か
う様に、最冷状態を可能とする位置にある。温度混合ド
ア32は、この分野で周知である様に、ポリプロピレン又
はナイロンの様な公知のポリマー材料から製造される。

【0015】第１温度混合ドアは、ハウジング12のハウジン
グ側壁18に形成された肩部40に対して着座する第１端33
を持つ。肩部40は、本発明の非常に重要な部分である。
肩部40は、混合ドア32の曲線の半径にほぼ等しい曲線の
半径を含む。これは、第１温度混合ドアが、実線で示さ
れる全閉位置から二点鎖線で示される開位置へ枢動され
る際に、混合ドアが所定角度を越えてしまうまでは、エ
バポレーターからの冷却空気が第１混合ドアの第１端33
を越えるのが許容されないという、特徴をもたらすこと
となる。所定の角度は５°を越えていなければならず、
好ましくは20°未満である。これは、典型的な中央取付
型空調システムが、そこを通って調整された空気が車両
客室内部へ進む非常に短いか小さな混合室38を含むとい
う、非常に重要な効果を、もたらす。後述するヒーター
・コアからの暖気を受けるのに先立ってエバポレーター
からの冷気がこの混合通路38へ入るのが許容されるなら
ば、空気出口を通り車両客室内部へ流れ込む空気が、車
両乗員により選択された温度にならないであろう。とい
うのは、より多くの冷気が、それと混合するヒーター・
コアからの暖気に先立って、システム中へ供給されるか
らである。それで、肩部40は、第１温度混合ドア32が開
かれる際に、エバポレーターから混合室38へ入る冷気の
量を制限する。

【0016】本発明の温度制御システムは更に、第２温度混
合ドア42及び44を、含む。これらの第２温度混合ドア42
及び44は、エバポレーター28とヒーター・コア30との間
の第２バイパス通路46に、配置される。これら２つの混
合ドアの機能は、エバポレーターからヒーター・コア30
を通って進む冷気の量を制限することである。これらの
混合ドア42及び44は、中央軸48回りに枢動されて、ヒー
ター・コア30へ入る空気用のバイパス通路46を開いたり
閉じたりする。

【0017】本発明の温度混合ドア・システムの作動は、整
合された態様で起こる。車両乗員は、車両乗員が、温度
ゲージやデジタル・セレクターの様な公知の手段により
決まってくる様な、客室内部の所定温度を選択する際
に、プロセッサーは、温度混合ドア32, 42及び44それぞ
れが適切な温度の空気を生成するために動かなければな
らない回転量を、指示する。温度混合ドア32, 42及び44
は、温度ドア42及び44が予め選択された温度要求に適応
して縦に並んで動く様に、それらの動きが調整される。
温度混合ドアは、所定の又は予め規定されたロジックに
従い、動く。ロジックの一例が図４に示されている。こ
のロジックは、空気調和システムにより生成されるべき
要求温度について、第１温度混合ドア32及び第２及び第
３混合ドア42及び44が、所定の位置へ選択された距離だ
け開かれるか閉じられるしなければならない、というこ
とを示している。プロセッサーが、ルックアップ・テー
ブル中の与えられた温度についての混合ドアの位置の値
を読み出し、電気モーター50（図１）が温度混合ドアの
それぞれを要求温度を生成するのに適切な位置へ動か
す。温度混合ドアのそれぞれの位置を決めるロジック
が、それぞれの中央取付型空調システムの設計及びパッ
ケージング要件により変わるのは、明らかであろう。そ
れで、異なった車両が異なった制御ロジックを持つこと
がしばしばあろうし、本発明は図４に示された制御ロジ
ックのみに限られることを意味していない。

【0018】作動中において、ブロアー26はエバポレーター
28を通して、外気又は内気を押し流す。温度混合ドア3
2, 42及び44が、ヒーター・コア30を通って流れるべき
空気の量を決定する。空気がヒーター・コア30を通って
流れると、それはチャンバー52へ入る。ハウジング12
は、所定の形状を持つ喉部54を含む。加熱された空気が
ヒーター・コアを通り抜けた後でそこに沿って流れる喉
部54の形状は、そこを過ぎて混合室38へ流れる空気流を
出来るだけ効率的にするために、最適化される。それ
で、喉部54の形状も、車両のパッケージング要件毎に最
適化されることになる。エバポレーター28を通り抜ける
空気は、第１温度混合ドア32を通り抜けて、冷気と暖気
とがそこで組合わせられて車両乗員が要求する温度に近
似する混合室38へと入る。種々のモード・ドアが、デフ
ロスター出口、ベント出口又はフロアー暖房のいずれか
に対して空気を振り向けるために、周知であり米国特許
5,673,964号に示される態様で、配置される。ここに記
載された様な混合ドア・システムを提供することによ
り、中央取付型システムのために狭く短くされたパッケ
ージング空間を与えながら、出口温度の正確性を向上す
ることが出来る。

【0019】本発明の種々の改良及び代替案を、当業者は疑
いなく想到するであろう。例えば、混合ドアの、相互の
そしてヒーター・コア及びエバポレーターに対する位置
は、パッケージ空間及び空気出口の位置に基き、決めら
れるであろう。本発明の範囲を規定するものは、全ての
均等物を包含する特許請求の範囲である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の例に従い構成される中央取付型空気処
理システムの斜視図である。

【図２】本発明の断面図である。

【図３】本発明の例に従い構成された空気処理システム
の一部分の拡大断面図である。

【図４】本発明と共に用いられるべき、制御ロジックの
一つを示すグラフである。

【符号の説明】

12 ケーシング 26 ブロアー 28 エバポレーター・コア 30 ヒーター・コア 32 第１温度混合ドア 40 肩部 42 第２温度混合ドア 44 第３温度混合ドア 50 電気モーター

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シーン、パトリック、カバナーウ アメリカ合衆国ミシガン州ファーミント ン・ヒルズ、エル ム・グルーブ、23320 (72)発明者 ヒロキ、ヤナセ アメリカ合衆国ミシガン州ディアボーン、 リンデヌッド・ ドライブ、3230

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外気入口、内気入口、そこに流体力学的に
   結合されるブロアー空気出口を持ち、外気及び内気を取
   込み該外気及び内気を上記ブロアー空気出口を通して吹
   出すブロアー、 ハウジング内であって上記ブロアー空気出口の下流に配
   置され、上記ブロアーからの吹出空気を受けて冷却する
   エバポレーター・コア、 上記ハウジング内であって上記エバポレーター・コアよ
   り吹出される冷却空気を加熱し、上記ブロアー、上記エ
   バポレーター・コアと共に、上記自動車の中央部分にお
   いて、上記車両の長軸に沿って配置される、ヒーター・
   コア、 上記ハウジング内の上記エバポレーター・コアと上記ヒ
   ーター・コアとの間に配置され、上記ヒーター・コアを
   通って流れる空気を制御する、温度混合ドア・システム
   であって、 第１バイパス通路内に配置され、閉位置から開位置まで
   移動する様にその中央軸回りに枢動自在である第１バイ
   パス通路における、略Ｓ字状の第１温度混合ドア、 上記ハウジング内に形成され、上記混合ドアが全閉位置
   にある時に上記第１温度混合ドアの第１端を気密結合
   し、上記ドアが上記全開位置へ向け回転させられる際に
   そこを通り抜けて流れる空気の量を制御し、上記第１温
   度混合ドアが上記全開位置へ向けて５°を越えて回転さ
   せられるまで、上記第１温度混合ドアの上記第１端を越
   えて流れる空気を制限する様な所定の形状を持つ、肩
   部、 上記ヒーター・コアと上記エバポレーター・コアとの間
   を延びる第２バイパス通路に配置され、閉位置から開位
   置へ作動出来る、第２温度混合ドア、 上記第２温度混合ドアとそのドアが、上記ハウジングを
   通って流れる空気の方向にほぼ垂直で上記ドアの幅方向
   の中間点に規定される軸回りに枢動可能で、第１位置か
   ら第２位置へ縦に並んで動いて作動する様に、上記第２
   混合ドアに作用的に付随し、それに近接して配置され、
   上記第１及び第２温度混合ドアと共に所定のロジックに
   従い整合された動きで作用することが出来る第３温度混
   合ドア、 を有するシステム、及び上記第１、第２及び第３温度混
   合ドアに結合され、上記第１、第２及び第３温度混合ド
   アを、所定のロジックに従い所定の位置へ動かす、電気
   モーター、 を有する自動車用中央取付型空気処理システム。